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1959-02-18 第31回国会 参議院 地方行政委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月十八日(水曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————   委員異動 本日委員左藤義詮君、西郷吉之助君、 島村軍次君及び白木義一郎君辞任につ き、その補欠として迫水久常君、前田都男君、中山福藏君及び辻武寿君を 議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     館  哲二君    理事            大沢 雄一君            占部 秀男君            鈴木  壽君    委員            郡  祐一君            迫水 久常君            本多 市郎君            前田佳都男君            加瀬  完君            近藤 信一君            中山 福藏君            森 八三一君            辻  武寿君   国務大臣    国 務 大 臣 青木  正君   政府委員    自治政務次官  黒金 泰美君    自治庁行政局長 藤井 貞夫君    自治庁財政局長 奧野 誠亮君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   説明員    通商産業省公益    事業局次長   今井  博君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方自治法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○地方行政の改革に関する調査の件  (選挙事前運動の規制に関する  件)  (公営電気事業運営に関する件)   —————————————
  2. 館哲二

    委員長館哲二君) ではこれから委員会を開きます。  委員異動がありましたので、御報告申し上げます。  本日、白木義一郎君が辞任されまして、辻武寿君が補欠選任されました。また、西郷吉之助君、左藤義詮君、島村軍次君が辞任されまして、前田佳都君、迫水久常君、中山福藏君がそれぞれ後任として選任されました。   —————————————
  3. 館哲二

    委員長館哲二君) 本日は、まず、前回に引き続きまして、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、昨日質疑が終局しておりますので、これから討論に入りたいと思います。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて、直ちに採決に入ります。  地方自治法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。    〔賛成者挙手
  4. 館哲二

    委員長館哲二君) 全会一致認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条によりまして議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 館哲二

    委員長館哲二君) 御異議はないと認めます。さよう決定いたします。   —————————————
  6. 館哲二

    委員長館哲二君) ちょっと大臣、中山委員から質疑があるので、お待ち願いたい。
  7. 中山福藏

    中山福藏君 この際、長官にお確かめしておきたいと思いますることは、実は私は、東条内閣のとき、非常に選挙で弾圧を食らつて、ずいぶん身をしぼられるようなひどい目に会った体験を持っておるのです。従って、この官権の乱用というものが非常に全国民の選挙心理を萎縮せしむるものであるということを痛感しておる一人であります。それで、この際簡単にお尋ねしておきたい事柄は、実は、一昨日でありましたか、大阪で、市町村会館市町村長会議を招集されておる。ところが、それが午前十時という予定でありましたのを、午後の一時に振りかえまして、そうして今度参議院選挙に立候補すると予想されておる長官のいわゆる名前をとった赤間会の会にこれを振りかえておる。それで、それをまず会議して、そうして市町村長会議を午後の一時に回すというよう通達が出ておるわけです。これは、全然長官は知られないものであると私は希望する一員でありますが、しかし、前もってこういうことが通報されて、謀議の上でそういう便宜的な方法をとられるということになりますというと、これは岸内閣の威信にも非常に関してくる問題だと思いまするし、また、これから後、地方長官が横すべりして立候補する場合においては、非常な弊害をもたらすものであるということを考えるのでありますが、こういう点について、自治庁長官として、どういうふうにお取締りになるつもりか。私は、それを一応承わっておきたいと思うのです。  こういうことが何も弊害がないということならば格別でありますけれども、やはり迎合主義の人間が多い今日においては、私は、そのやりようによっては非常な弊害が生ずるのじゃないかと思っておりますから、一応一つお確かめしておきたいと思うのです。
  8. 青木正

    国務大臣青木正君) 私も、ただいま承わつて初めて承知いたしましたので、実態がどういうふうになっておりますか、わかりかねますので、従いまして、それは選挙法に照らしまし何か間違いがあるかどうか、ここで弁明申し上げることは差し控えたいと存ずるのでありますが、よく実態をさっそく調査いたしまして、どういう形においてそれが行われ、そうしてまた、選挙事前運動に抵触するようなおそれのあるようなあり方でやつておるかどうか、そういう点をよく調べまし万一何かそういう間違いがあるというようなことがありましたならば、その状態によりまして、警告するなり、あるいは今後の注意を喚起するなり、また、選挙管理委員会等におきましても、今後の取締り上遺憾のないようにいたしたいと、かよう考えるわけでありますが、何分にも初めてでございまして、実態がどうなっておりますか、よく調べた上で、次の機会にでもお答え申し上げたいと存ずる次第であります。
  9. 館哲二

    委員長館哲二君) 中山君、よろしゅうございますか。  ちょっと速記をやめて下さい。    〔速記中止
  10. 館哲二

    委員長館哲二君) では速記を始めて下さい。   —————————————
  11. 館哲二

    委員長館哲二君) 次に、鈴木委員から、公営企業運営に関しての質疑の要求がありましたので、この際、発言をしていただきたいと思います。
  12. 鈴木壽

    鈴木壽君 最初自治庁の方にお伺いしたいのですが、地方公営事業について、まあ自治庁としてもいろいろ心配をされておるようでございます。特に起債等のことにつきましては、いろいろお骨折りのようでございますが、自治庁としては、たとえば電気事業とかガス事業とか、そういうことに対して起債問題等、たとえば資金手当てのそういう問題等だけについての心配をされることだけでありますのか。あるいは地方自治団体等が行いますそういう事業に対する一つ指導と申しますか、あるいは今後のいろいろな事業育成というようなことにつきまして、どういうふうなお考えでおやりになっておられるのか。この点を一つまず最初にお聞きしてみたいと思います。
  13. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 公営電気事業につきまして、自治庁といたしましては、単に起債お世話をするだけじゃなしに、あるいは経理面その他につきましても十分にお世話をしていきたい、こう思っております。しかし、実態考えますと、必ずしも十分ではないかと思っておるのでございまして、今後もさらに努力していきたい。そういうためには、そういうお世話をするよう部局を明確にしたい。言いかえれば、特にそういう責任の課を設けたいというようなことも考えておりまして、若干の増員を今回の予算の上においても認められておるわけであります。
  14. 鈴木壽

    鈴木壽君 まあ私、あまり深く、あなた方の今の公営事業に対する指導あるいは育成方法等について、どのようなことをおやりになっておられるのか、わからないのでお聞きしますが、今のお話ですと、単に起債の面だけでなしに、今後の育成なりあるいは会計等の面においても指導して参りたい、こういうふうなお考えようでございますが、現在までそういうことに対して、どのよう指導なりあるいは育成のための措置を講じておられましたのですか。
  15. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 最初発電個所をきめます場合におきましては、関係省庁全体で協議するのでございますけれども、その場合にも、自治庁は当然参加いたしておるわけでございます。それから、きまりましてから後には、資金の面についてお世話をいたしておるわけでございます。それからさらに、売電いたします場合の料金の問題でございまして、これにつきましては、一定の方式通産省から示されておるわけでございまして、その線によって関係団体がそれぞれ側別折衝をいたしておるのでございます。なお、運営の問題につきましては、地方公営企業法、これに載っております命令に基いて、いわゆる現金主義会計経理でなしに、発生主義の原則に基いた経理をおやりなさいというようなことで、その面の方式を打ち立て、もして参るというようなやり方をいたして参っております。
  16. 鈴木壽

    鈴木壽君 たとえば、電気事業なら電気事業料金の設定がどのように行われ、その料金によってその事業が、何と申しますか、適正に伸びていくというような、そういうことにつきましては、単に通産省関係通牒なり、あるいはその他の法令等によって決定される、それをただまあ当事者間の話し合いにまかせておく、そうしてその結果、一体その事業というものはどうなっていくかということにつきましては、具体的なことについてはおやりになっておらないわけなんですか。
  17. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 現在秋田県の田沢発電所の問題をめぐりまして、料金をどうきめるか、若干もつれているようでございます。なおその進行を見まして、必要があれば、あるいは関係部局話し合いをしなければならぬような問題になるかもしれませんけれども、できますならば関係部局の間で円満に話がつけば仕合せだ、こう思っておるわけであります。
  18. 鈴木壽

    鈴木壽君 その料金決定は、電力会社専業体との間にいろいろ話し合いが進むと思いますけれども、それを必要があればというようお話ですが、必要があった場合には、それぞれ関係の方々とお話し合いをしたい、こういうことなんで、従来そういうことについて、自治庁として、いわゆる必要を認めて、関係する官庁、通産省あるいは電気会社等とお話し合いをしたことがございますか。
  19. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) ちょっと私、その点についての記憶がないわけでございますけれども、大体全部妥結を見ておるわけでございますし、また、一応きめられている方式はそれほど無理な方式でもないというふうに存じておるわけでございます。ただ、営業費をめぐりましたり、あるいはまた、事業報酬の問題をめぐりまして、若干いろいろ議論は個別折衝の場合に出てくるだろうと思うのでございます。もしそれが不当に地方団体料金を抑圧し過ぎているというような問題になりまする場合には、当然自治庁としても関係部局との話し合いをすべきだ、こう思います。問題は、不当に地方団体意見を押えつけているかどうかということになるかと思います。現在までのところ、そういうよう具体事態に接して、自治庁が乗り出したという話は、私は聞いておりません。
  20. 鈴木壽

    鈴木壽君 私、今局長のお答えの中にありました秋田田沢の問題だけを取り上げておるのではございませんで、たとえば料金決定までの各地の最近の電気事業における発電料金問題等についての資料を見ますと、島根県の八戸川なんか、一年間も、昨年の一月から十一月まで、約一年近い間料金決定でもめているのです。はっきり申しますと、もめているのです。山形県の朝日第一も、まだ料金が東北電力との間にうまく話し合いがつかない。それから、お話しのように、秋田田沢もまだ話し合いがつかない。また、秋田鎧畑も、決定までには相当ないわゆる紆余曲折があって、これが最終的に通産省から認可を受けておりません。これは、多少別の性質の問題もございまして、下流増の問題もございますから、これはやむを得ないとしましても、別に最近できてきた発電所電力電力会社に対する卸売する場合の電力料金決定というのは非常にもつれているんですよ。あなたは、料金決定に際する通産省関係の一応のきめられた指示があるから、これは無理じゃないのだ、こうおっしやるんですが、きめられているあるいは通牒等は、私も無理じゃないと思うんですが、その通牒等に必ずしも沿った料金決定の仕方がとられておらないというところに問題があるわけなんです。従来自治庁としては、いわばこういう仕事に対する仕事内容について特にいろいろめんどうを見るというようなことについては、手不足の感もあったでございましょうし、今後特別の課を作るというようなことになるそうでございますけれども、そういう点もあったと思いますが、ともかく私は、やはり自治庁としても、地方公営企業というものを今後どう持っていくかということに関連して、これらの問題はやはり看過できない問題であろうと思うわけなんですが、もっと具体的に申し上げますと、今申しましたように、昭和二十八年に出ておりますところの通産省公益事業局長からの通牒と申しますか、それから、自治庁財政部長から出ております同種のこういうものからしますと、電力会社公営電気事業者との間の料金決定はこういう趣旨に沿っておらない、私はそういうふうに見るわけなんです。これは、今言ったように、単に田沢だけの問題じゃございません。ほかのを見ますと、そういうふうになっている。こういう点について、私はやはり、通牒を出された自治庁通産省も、通牒なりあるいはそういう指示に対して、その通り行われているのかどうか、その趣旨をちゃんといかして料金決定がされているかどうかということについては、もっと私はタッチすべきであろうと思うんですが、そういう点について、具体的に御検討になったことはございませんか。
  21. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) おっしゃっていますこと、私一々ごもっともだと思います。あるいは、自治庁の方が他の仕事に追われておって、かゆいところに手の届くようお世話をすることができないから、あるいはもめるよう事態について、相談公営電気事業関係者の間でできていないんじゃないだろうか、こう思うわけであります。やはり相談を十分受けられる態勢をもっとはっきりしなければならぬのじゃないか、お話を伺って、だんだんと感じて参っている次第でございます。もとより、料金決定の問題につきましては、公営電気事業者立場が十分反映されるように持っていかなければならないと思います。ただ、それぞれの直接の電気事業者地方団体とが折衝を重ねているわけでございまして、もし通産省が不当に地方団体側考え方を抑圧するというよう態度をおとりになります場合には、やはり自治庁通産省と話をしなければならない、こう思うわけであります。ただ、電力会社地方団体との間でいろいろな折衝をしております過程におきましては、どちらの立場かが強く反映されるという場合もいろいろ力関係であろうかと思うわけでありますが、不当にゆがめられませんように私たちも注意をしなければならぬし、努力もしていかなければならないと考えております。今おあげになりました具体の事例につきましても、正直のところ、私つまびらかでないのでありますが、そういうような点、さらによく調査いたしまして、地方団体側が不当にその意見を圧迫されているのだというようなことがありますならば、さらにそういうことのないよう努力をしてみたい、こう思います。
  22. 鈴木壽

    鈴木壽君 私は、通産省公営電気の業者に対して圧迫を加えているとか何とかいうことじゃなくこれは、通産省態度についてはまた解せないことがありますから、あとでお聞きしますが、ですから私は、あなた方が出されました二十八年の財政部長通牒なり、あなたの時代じゃもちろんございませんが、相当前のことですから、あるいはまた、公益事業局長名で出されておりますこういうものと、料金決定がそういう線に沿っておらないのですよ。これは、私あとではっきり数字で指摘できますのですが、そういうことをどっちに肩を持つとか持たぬとかいうことでなしに、少くとも通牒の精神を生かしたよう料金決定がされるべきであり、そういう面で通産省なり自治庁なりが、電気関係については直接通産省でございますけれども、しかし、公営企業立場からやはり自治庁通牒を出しており、また所管もしておるという、そういう面から、私は、やはり自治庁としてもっとこういう問題について、何と申しますか、積極的にいろいろな指導の手が伸べられるべきじゃなかったか、こういうふうに考えておるわけですが、いずれ過去のそういうことにつきましこれは率直にあなたもお認めになったように、私どもも、今の自治庁のいろいろな機構、あるいは人員等関係から、そういうことが不十分であっただろうと思うし、やむを得ないと思います。今後の問題として、これからの県営電気が完成するのが幾つもございますから、しかもまた、現にできておって、発電を開始し、電力を流していながら、料金決定をしないために認可が取れず、従ってまた、経営それ自体も非常に不安な状態にあるという、こういう現状というものは、私は無視できないと思うのです。今後、何か企業課というものができるという話ですが、こういうものができれば、そういうことにもっと積極的にあなた方の方としては手を打たれると、こういうふうになる態勢があるのですか、どうですか。
  23. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 現在理財課公営企業に関しまする問題も処理しておるわけでございます。しかし実態は、地方債の問題に追われておるものでありますから、なかなか手が届きかねている。また地方から見ましても、そちらが主体になった格好でありますので、いろんな問題を持ち込む場合にも、必ずしもそういう感じで持っていきにくいという問題があるのではないかと思います。そういう点で、御指摘がありましたように、理財課から公営企業に関する部分を除きまして、公営企業課を作りたいという構想を持っておるわけであります。予算の際は、大蔵省との間では話がついておるわけであります。なおさらにいろいろな手続を進めていかなければなりませんが、そういう方向で、公営企業お世話をする相談相手になっていくという態勢を、自治庁といたしましても組織の上に明確にして参りたいというよう考えでございます。
  24. 鈴木壽

    鈴木壽君 一つ具体的なことをお聞きするのですが、昭和二十八年に出ました、先ほど私も申しましたのですが、通産省公益事業局長名で、「公営電気事業者一般電気事業者に卸売する料金について」という通牒、それからその内容指示して——指示してといいますか、内容を、このようにやるのだということで出されました自治庁財政部長通牒ですね。これについては、先ほど、無理がないようだ、こういうようお話でございましたから、今後の、現在進行中の料金決定あるいは今後そういう問題が起った場合には、やはりこの二つ通牒趣旨決定されることが正しいんだ、こういうふうなことについてお認めになることについては、これは御異議ないと思いますが、いかがでしょうか。
  25. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 現在、従来の通達を特に変えなければならないというようなことは考えておりません。
  26. 鈴木壽

    鈴木壽君 ところが、現実にはそういう通達通り行われておらないとすれば、これに対して自治庁としてはどう対処なさいますか。
  27. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 私、具体的の事実は承知しないのでありますが、もし行われていない問題で不都合の点がございますならば、さらに通産省話し合いをすべきものだと思います。
  28. 鈴木壽

    鈴木壽君 この通牒の中に、今問題となっております点が二つあるんです。私、一つ注意を喚起して、皆さんにもまた善処願いたいと思う問題が二つある。  それは、一つ特別償却の問題です。それから、一つ減債基金の引き当てに対する問題なんですが、特別償却の問題は、これは、普通償却のほかに、この通牒を見ますと、こうあるんです。「企業危険保障趣旨において特別の配慮を加え規定の減価償却の外に特別償却としてその五〇パーセントを超えない額を予算に計上し、」云々ということがある。ですから、五〇%までは特別償却として認めていいんだ、原価計算の場合ですよ、こういうことが一つあるんです。それから減債基金の問題については、「県債利率一般金利より低率なること及び県債償還の必要を考慮し従来の制度を尊重して当分の間投資額の二パーントに相当する金額料金原価に算入する。」と、二%に相当する金額料金原価に算入すると、こうはっきり書かれてある。これは、通産省公益事業局長通牒でございます。と同時に、先ほど申しましたように、自治庁財政部長名で、こういうふうになったんだからしっかりやれ、こういう通牒が別に出ておるわけなんです。ところが、現在までの電気料金では、公営電気事業者電力会社との間には、いつもこの問題二つが中心になって論議が繰り返されてきまらない。結局、電力会社に押し切られたという結果になっている。五〇%以内なんということは、もう単なる文章表現のそれだけであって、実際は一〇%あるいは一〇%以下に特別償却は見ざるを得ないということになり、それから減債基金の問題についても、二%というのはほとんどない。全国の調べによりますと、ほとんどない。ひどいのは、〇・四%というのがある。二%やれというのを、〇・四、〇・五%、これはたくさんあります。一番ひどいのが、今言ったように〇・四%、こういう形を押しつけられるから、こういうものがいわゆる総括原価の中に入ってこないものですから、料金は非常に低く押えられる。ですから私は、こういう問題で、やっぱり通産省自治庁通牒を出しておきながら、通牒を変える必要を認めないとするならば、私はやっぱり、これはどっちに、味方するとかしないとかいうことでなしに、もっと関心を持って、電力会社あるいは公営電気事業者との間の話が、この通牒趣旨にのっとって進むような手はやはり打たなければいけないことじゃないだろうか、こういうふうに思うんですが、この点どうですか。
  29. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) おっしゃいますように、もし全体的にそういうように強く押えられているといたしますならば、まさに問題があるんじゃないか、こう思います。なおよく今おあげになりました点につきましては調査いたしたいと、こう思います。
  30. 鈴木壽

    鈴木壽君 自治庁にはもう一つで終りますが、この今の、調査をすると、こうおっしゃいましたが、過去の決定されたものについては、これはすでに通産省認可を得ております。公営電気事業者は非常に不満であり、いわば泣く泣くと言っては少し言葉は過ぎるかもしれませんが、非常な不満を持ちながら、やむを得ざることとして、これは当事者間での話し合いができたこととして、通産省電気料金認可の申請を出しまして、これはできております。ですから私、それを今度またひっくり返すとか何とかいうことは、事実上不可能なことだろうと思うんです。私申し上げたいことは、今後現在進行中のもの——料金決定についての双方の話し合い進行中のもの並びに今後出てくる問題について、私、もっとやっぱり自治庁としてもはっきりした態度をとるべきでないだろうか、こういうふうに思うんですが、この点、今のお話ように、その調査をするということだけでなしに——私は、過去のことは、今言ったようにきまつたことですから、やむを得ないと思うんです。この点どうです、自治庁としては。
  31. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 先ほどもたびたび申し上げておりますように、現在の状態では、公営企業につきまして、あるいは指導する、あるいはお世話をするという点について、十分でない点が非常に多いと思っておりましたが、そういうことから、あえて公営企業課を設けまして、そういう態勢を整えたいと思っておるわけでございます。そういう点につきましては、鈴木さんが御指摘になりました意に沿うて努力していこうというように、私たちも考えておるわけでございます。
  32. 占部秀男

    ○占部秀男君 これは、次官に特にお願いをしたいと思うんですが、この問題は、今後大きくあちらこちらで問題になる問題であって、しかも、見方によっては、少しどぎつい言い方かもしれませんが、県民、市民の税金の大部分を、何か大資本の電気関係の方に有利に結局は食われてしまうというような形が私は出てくるんじゃないかと思うんです。そういうような点は、これは、今奥野局長が言われましたように、検討するというように言われておりますけれども、これは、自治庁全体としてこの問題を大きく取り上げて検討して、それで、大臣と通産省の方と、もう両省間で大きく話し合いを展開しなければならない問題だろうと私は考えるんです。特に今、県市はご存じのように非常に財政難である。しかも、今度の地方財政計画を見ると、これは、あとで次官等に大いに質問をしたいと思うんですが、非常に公共事業なんかを押しつけて、地方負担もふえておる。こういうような中で、少くとも県民の税金の一部が、何かしらわからない形で、ある一部分のふところを結局は肥やすような形に流れ込むというような形、われわれはそう思っておるんですが、そういうような点は、非常に県民としても不明朗にあちらこちらで問題になっていると思うんです。従って、そういうような意味合いからも、大いに一つこの問題は取り上げて、通産省と話し合うなり何なり、一つ大きな政治問題として扱ってもらいたいというような希望を持っておるんですがね。この点はいかがでございますか。
  33. 黒金泰美

    政府委員(黒金泰美君) 占部委員お話、ごもっともでありますが、私率直に申しまして、お叱りを受けるかもしれませんけれども、公益事業でございますから、これはやはり事業でもって、もうかればやる、もうからなければしないという点もあると思います。初めから自治庁が出ていくのもおかしな話であって、やはり売り買いの問題でございますから、今御指摘になりました通牒を標準にいたしまして、そこに多少のもうかるときもあるし、多少は損するときもある。これはあり得ることかと思いますけれども、今いろいろ御指摘になっております点、承わっておりますと、私どもの方も力が足りなかったかもしれませんけれども、まあ検討が不十分な点もございましたので、これをよく実態を調べまして、あまりに通牒と離れておるということがはっきりいたしますれば、これは通産省ともよくお話しいたしまして、そうして今御指摘になりましたように、県民の血税を使いまして、それが中間の買電の業者のための利益になる。これはまことに遺憾なことでございますから、そういうことのないように、十分に検討して、そういった角度から今後の指導をして参りたい。今までの勉強不十分は、まことに申しわけございません。今御指摘になりましたように、十分に調べてみたい、こう考えております。どうかよろしく……。
  34. 鈴木壽

    鈴木壽君 通産省の方にお尋ねします。  最初に、今ちょっと自治庁の方にもお尋ねしたのですが、こういう問題で、実はあなたの方にもお聞きしたいのですがね。最初に、公益事業局長のさっき申しました昭和二十八年の四月七日に出されました通牒、正しくは通牒というかどうかわかりませんが、まあいずれも私通牒と申しますが、この通牒と、公益事業委員会で二十七年の五月二十二日に出されました同じ趣旨決定と申しますか、これとの間にちょっと違うところがある。それなんですが、これを私お尋ねしたいのですが、これはまあ専門の方ですから、お持ちになっていらっしゃると思いますが、そのうちの、公益事業局長の名で出されました第一項に、先ほど私ちょっと読み上げましたように、県債償還のために、「投資額の二パーセントに相当する金額料金原価に算入する」ということがあるわけなんです。それから、公益事業委員会で五月に出されましたそれには、その三項に、「資本費中支払利息は県債の利率(六・五%)による。右の外県債、利率の一般金利より低率なる事実及び」云々と、こうありまして、一定率という言葉を使つて、カッコ書きして二%以内ということがあるのですね。こちらには「二パーセントに相当する金額料金原価に算入する」と、こう言っておって、公益事業委員会の方では「(二%)以内」と、こうあるのですが、これはどういうふうに解釈し、この違いというのはあるのかないのか。これはどういうふうに考えたらいいか。まずこの点、最初にお聞きします。
  35. 今井博

    説明員(今井博君) そう厳格に、昔葉の何としては、「(二%)以内」、片方は「二パーセントに相当する金額」、こういうことですから、言葉としては、そう大きく違わないとわれわれは考えております。ただ、この前の公益事業委員会のときのこの二%以内というふうなことになっておりましたのは、実際やっておりましたのが大体一%くらい認めておったのではないかと私は記憶しておりますが、ちょっとその辺は記憶が不確かですが、二%以内というのが、実際は一%くらいのところで行われておった。それを若干、気持としては、もうちょっと引き上げると、そういうような気持がここに出ている程度でして、この間にそう深い差違は私はないと思います。ただ、こういたしておりまして、前の通牒と違うところは、むしろ二十八年公益事業局長通牒の終りの方の第五項でございますが、第五項に「料金認可の申請は一から四までによって算定した額について受電事業者が経営上契約しうる料率なることにつき了解を得た上で行うものとする。」この項目が新しく入っているわけなんです。従って、「二%以内」というより、「二パーセントに相当する」、こういうことの方が二%に非常に近いという感じでここでは書いております。しかし、これは一種の最高限だ、従って、これはまあ事前に第五項でもって一応電気会社の方と話し合い一つしてもらいたい、それがこの第五項としてくつついているわけですが、その辺のちょっとニュアンスが違うと思います。
  36. 鈴木壽

    鈴木壽君 実は、今のお話の第五項というものが問題だと思うのですが、なお、お話の中に、当事者間で話し合いができたものについて通産省としては認可する、こういうことになっておるのですが、それにしても、交渉の過程で、あなた方も専門の担当の方々でございますから、十分おわかりだと思うのですが、すなわち、今私が指摘しましたように、いろいろ決定までのいきさつがあるわけですね。スムーズにいく場合ももちろんありますけれども、さっき例にあげましたように、島根の八戸川は、一年近くももたもたやつておる。山形の朝日第一もやつておるのだが、まだきまらない。何べんもやっております。秋田田沢もやつておる。こういうふうにやつておるし、なおかつきまらないのはどうかというと、さっきも言ったように、二点にかかっているわけです。なお、多少経営費についてどうもルーズな点があるのじゃないかという問題はありますが、そういうことは、それこそ話し合いによって大体解決がつくと思う。根本的な問題は、今の二点にかかっている。それを料金原価の中に、いわゆる総括原価主義という建前に立って、料金原価の中に加えると、電力会社が従来持ち続けておりました料金一つの、何といいますか、リミットといいますか、限界がありますね、あの人たちがあの人たちなりに持っておる、それをオーバーするものですから、がんとして聞かない。現に、田沢では、今料金の交渉では、特別償却もだめ、減債基金の二%以内という、それもだめ、こういう態度を持っておるのです。それでは話がおかしいじゃないかということでもめておるのです。これは、ほかのもそうですよ。みな料金の率の問題でもめているのです。これは私は、やはり通産省としては、単に話し合いができれば、この五項によって話し合いができた際に持ってくれば、それを認可してやるのだ、この態度だけでは私はおかしいじゃないかと思うのですが、この点どうです。
  37. 今井博

    説明員(今井博君) 今全国で、一定の地点を除きまして、今までの全体の公営の電気事業料金の現状を申し上げますと、大体二十六の事業所がございまして、六十三万キロ開発しております。それで、ただいま御指摘になりました減債基金の織り込み、それから特別償却の織り込み、これがどの程度になっておるかと申し上げますと、減債基金の織り込みが加重平均いたしますと一四%、特別償却の方は三〇%、こういう数字になっておりまして、まあこの通牒の最高限ということから見ると、若干隔たりがありますが、これ以内で一つ話し合ってきめてもらうというような線から申しますと、われわれとしては、まあ適正に算定されておるのじゃないか、過去において、というふうにわれわれは、実は考えておるわけです。ただ、これを算術平均いたしますと、ちょっと違うかもしれませんが、われわれとしては、加重平均いたしてみますと、そういう数字に実はなっております。それで最近、今までは割合スムーズに実は参りておったのでありますが、今御指摘になりました二、三の県につきまして、これは実は、今までは電気が非常に足りなかった事情もございますが、最近は電気は多少緩和してきまして、電気会社が経済ベースで取引をやりたい、それで、その結果、先ほど大資本というお話もございましたが、結局、料金原価にはね返って、電気料金にはね返るということを心配いたしまして、その意味で交渉が若干むずかしくなっている点があるんじゃないか。ただ、特に最近われわれが気がつくことは、最初話し合いのときに、かりに三円なら三円で一つやろうということでスタートした建設が非常に値増しがずっと続き、何割か値増しになりますと、ことに神武景気等で、いろいろ機械の値段が上ったそういう点もございましょうし、最初の原価に比べまして、予算原価も非常に上っておる。従って、最初に話した数字と実際にでき上ったときとは相当大きな開きがあるという事態が最近目立って起りまして、その結果、もう少し料金を下げてもらえぬかという交渉をやつておるわけです。従って、それの内訳として、減債基金を二%まるまる認めるのはちょっと困るじゃないか、あるいは特別償却を五〇%をまるまる認めるということも困るので、これを極力繰り下げてほしいということで、なるほど表面は、今御指摘になりました二点の率が問題になっておるのでありますが、その内容は、結局キロワット・アワー当りの最初の単価ですね。これが最初予定した数字よりも非常に上っておるということから、実はそういう議論になっておるわけでありまして、今おっしゃいました減債基金がゼロ、特別償却ゼロ、このケースは、ちょっとこれはまあ私もひどい話になると思いますが、どうも最初の話とそういうふうに非常に食い違ってくるところに、最近交渉が長引いておる原因が一つある。それから、いま一つ御了解願いたいのは、最近の電気会社の新鋭火力が、最初の一期は非常に高いですが、第二期、第三期ということになりますと、非常に能率が上って参りまして、相当安い、質のいい電気が非常に出てくる。これは、東北よりもむしろ西の方の地区に多いと思うのですが、その結果、四円何がしの非常に高い電気では、ちょっと電気会社としても、自分の方で作つている方がはるかに安いということで、やはり非常に買いにくいということが最近の新しい事情として出て参っております。その面も相当交渉の長引いておる原因かと思います。しかし、実際問題として、多少交渉は長引きましたけれども、従来の例としては、まあ平均いたしますと、まずまあそう無理なところではきまっていないように実はわれわれとしては考えておりますが、ただいま御指摘になりましたような特殊なケースにつきましては、これもまだ交渉が始まったばかりでございますので、おそらく双方が少し歩み寄ればまとまるじゃないか、こういうようにわれわれは考えております。
  38. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは、あなたのお話を聞いてますと、たとえば、前段の問題なんかについて、多少当初の計画とあとで最終的の料金をきめる際の料金と違ってきておるような問題もあります。それはあると思います。問題は、そういうこともあるけれども、もう一つは、頭から、現にあなたもお聞きになっておると思いますが、東北電力あたりでは、三円以上の電気は買わぬ、これがもう大前提になっておるのですよ。ところが、今言ったように、私は、何も特別償却を、公益事業局の通牒にあるように、五〇%を一%でも二%でも下つてはだめだと、そういうふうなことは私は申し上げておるのではありません。減債基金の場合も、二%というのはきまりきった線であって、これ以下ではだめだということを言っておるのではないが、これはやっぱり、一つの基準というものがある場合には、これはいろいろ交渉の過程に問題があって、話し合いがつくならば、ある程度の線に下つていくことも当然あり得ると思うのです。また、それでいいと思うのです。しかし、はなから三円以上の電気は買わぬ、これは、はっきり昨年八月内ケ崎社長が仙台で言っておるのです。これを土台にして、料金をそれ以下にさせようとするために、今言ったような問題か起ってきておるのです。そうして一体、それでは東北電力がほかの電力会社から買うときにどのくらいで買うかというと、四円以上で買っておる。これははっきりした事実です。四円二十五銭ぐらいで買っておる。これは新鋭火力でも八戸でも、また塩釜でこれをやっても、これは三円以下ではとうていできない。これは、あなた方十分御承知のはずです。しかしまた、自分のところの会社でやっても、あるいは電源開発全社でやって、それを自分の方で買う場合にも、とうてい三円以下では買えない、そういう状況にあるにもかかわらず、公営電気の場合には、はなから三円以上だめだ、お前たちは安い金利でやっておるのだから、こういうようなことで、あなた方の通牒なりいろいろな料金決定の中で当然織り込まなければならない一つの公正な利潤ということまでも否定し、無視してかかっておるところに私は問題があると思う。無理がないとおっしゃるのですが、あなた方の態度としては、これはやっぱり看過できない態度だと思うのです。これは、きまったから無理がないかもしれませんが、きまるまでのことを、これを私はさっきから何べんも申し上げておるのです。いやおうなしに、買ってくれなければ手を上げてしまうのです。買わないと言えばそれっきりです。これをどこに持っていく方法もないわけですから、そこに、言葉がちょっと過ぎるかもしれませんが、独占企業が、今占部さんからお話しのあったようなことを言われても、これはやむを得ない一つの私問題があると思うのです。ですからこれは、五〇%あるいは減債基金二%、これはいかなる場合でもこの通りでなければいけないというのではないが、しかし、やはり標準として示されたこういうものをあなた方は変更する必要がないというなら、やはりこれに近い料金決定して、それが三円以上になっても、そうして公営企業が多少のプラス仕事をやってよかったというようなこと、こういうことは、私は当然あってもいいと思うのです。電力会社は相当高いものを配当をしておる。社内留保も相当な額を持っておる。私は、極端なことを言えば、公営企業、これは現在ではわずかではございますけれども、そういうものをたたき買いをしておるところに、うまい汁を吸っておるのではないかというふうにも思うわけです。ですから、この点は、私は、やっぱり通産省としては、もしこの公営企業電気事業というものを否定されるなら別ですが、私は政府としては否定しないと思うし、そうあるべきではないと思うのです。そうならば、その内容に、私は、もっと、料金決定の際に従来示されておりますような、こういう基準にのっとるだけの、そういう余地を持った電力会社に対する交渉の仕方をさせるべきであろうと思うのですが、その点どうですか。
  39. 今井博

    説明員(今井博君) 私が最初、無理がないと思うと大体考えておると申しましたのは、従来の、過去の平均といいますか、その平均値をさして申し上げたわけであります。個々のケースについては、あるいは確かにそういう圧迫したとか、あるいはその事実があったかもしれませんが、平均すると、われわれは、大体いいところに行っているのではないか、こういうふうに実は考えて、こういう意味で申し上げた次第であります。ただ、ただいまの御指摘の、今の秋田県の田沢湖の問題は、これは、先ほど申しましたように、減債基金がゼロで、特別償却ゼロだというようなことは、まあこれは、どういう事情でこういうことを主張しているか、電力会社側の何をよくまだ聞いておりませんが、われわれも仄聞しまして、これはひどいことを言っているなというふうに考えてはおります。それから、東北電力が三円以下では買わないということを申しておるのを私も聞いておりますが、これもまあ、実情に沿わぬ点がだいぶ出てきておるというふうにも考えております。ただ、東北電力の電気が、買電単価ですが、これが大口の電力では、平均すると三円十三銭くらいの電気を企業地では売つておるわけでありまして、従って、まあ山元の電気ではある程度安くないと、大口の電力の増加に対してそれだけ赤になるというふうな点を考慮しておるのじゃないかというふうに想像はいたしております。しかし、実際問題として、現在の東北電力の主張は、少し無理があるのじゃないかというふうには考えております。それから、特に東北電力につきましては、ほかの地区と比べまして、これは一番全国で非常に電気の安い地区でありますので、特に自分の方で水力電気の開発をやっておる地点というものをずっと今までも調べてみますと、全部三円以下で電気を開発しておる。従って、それにやや似た程度の規模の県営の発電所というものは、三円以下でできるのじゃないかというふうなことを考えておるのじゃないかというふうに私は思いますが、その点は、まあ一つ、実際のこの電気の質にもよりますから、流れ込み式の電気と、質のいい、調整力を持った電気とでは、これは、キロワット・アワー当りの単価は、これはちょっと同じべースでは比較にはなりませんので、その辺を一つ、実際の電気の規模、質、それから実際の値上りのやむを得ない事情があるかどうかというふうな点もよく話を聞いた上で善処したいと、こういうふうに考えております。
  40. 鈴木壽

    鈴木壽君 まあ、いろいろそれは電気の質にもよるでしょうし、私ども深くはわかりませんが、そういう問題はあろうかと思いますが、たとえば今、田沢で、東北電力との交渉では、特別償却普通償却の一〇%として見ておる、これすらも全部落すと、こう言っているのですよ。それから減債基金、これは公募でなしに、政府債だけの二%を見て原価に繰り入れるように、これもだめだ。公募を加えないのですよ。当初額からすれば、一・六五%しかならない、こういうところに私は問題があると思うのです。だから、お前のところは質がよくないと言うならば、私、もとの考え方なり、あるいは折衝の仕方は別になると思うのです。だから問題は、そういうこともあるいはあるかもしれませんが、そういうことよりも、むしろ、はなから三円以上買わないという建前に立って、これを、今私が言ったように、特別償却普通償却の一〇%にして入れて、それから減債基金を一・六五%にしてやって計算をしますと、三円二十五銭一厘ということになります。これを三円以下で、お前の方の鎧畑で二円九十九銭九厘で買ったから、三円以下にせよ。これを全然落すためにやっておるのですよ。これでは私はおかしいと、こういうことなんです。これは、今育ったよう一つの例ですよ。あなたが特別償却なりあるいは減債基金で大体平均をとつてみれば無理なく行っておると言うのですが、平均ではあるいは無理がないかもしれませんが、個々の現在までの、最近できたいろいろのものを調べてみると、やっぱり無理があるのです。これはしかし、ケースによって違うのでしょうから、一律には、私はそんなことを今どうのこうのと言っても始まらないと思いますが、今言ったように、現れておる田沢の問題、あるいは山形の朝日川第一の問題、こういう問題では同じ態度なんです。これはやはり黒金さん御自分の県のことですから御承知だろうけれども、同じタイプなんです。両方でとにかく困ったことだ、しかし何ともしようがない、話しに行くのもおっくうだということで、すぐやれるのだ、こういうことで何べんかこれは交渉はしておりまして、山形ではすでに七、八回やつております。秋田でも三回かそこらやつておりますが、足を運びたがらないというのが実情なんです。頭ごなしにやられる。私はこれでは電気会社の意のままで、さっきあった五項だけに頼つて、そうして通産省が見ておるという手は私はないと思うのですがね。どうでしょう。
  41. 今井博

    説明員(今井博君) この田沢湖ができましたのが去年の十一月ですが、実際に電気が出たのはことしになってからだ、こういうふうに記憶いたします。ちょうど内ケ崎社長が病気で一月のうちずっと寝ておりますから、そういうことで両首脳者同士で話し合いが全然できないのじゃないか、おそらくまあその辺は病気がなおれば話し合いがつくのじゃないかと、私はこう考えておるわけですが、先ほど申しましたように、今の東北電力の三円以下は絶対に買わないとか、あるいは従ってパーセンテージはゼロであるとか、そういう主張は私はどうかと実は考えておりますので、社長とおそらく知事と最高首脳者がお話になれば、その辺はもう少しこう無理なく解決するのじゃないかと、私はそう期待いたしております。しかし、あまりまあ交渉が長引くようでしたら、これはわれわれとしても話し合いのできるまでいつまでも傍観しておるというわけではございません。両方の話を聞きまして、これは自治庁とも御相談して善処したい、こう考えております。
  42. 鈴木壽

    鈴木壽君 これはあるいは病気で首脳部が休んでおられるために決定しないということもあるかもしれません。しかし、料金決定最初から社長がそんなことなんかに出て行かれるものじゃありませんしね。やはりその担当の人たちがそれぞれ今言ったよう態度でもっているからなかなか話が進まないので、これはやはりあなた方社長が出て来ることを期待して、あるいは出て来られるのでしょうが、社長が出て来るだけを期待しておるのではなく、やはりさっき言ったように私は根本的な問題だと思うのです。高いとか安いとか、利潤があるとかないとかということでなく、これは私は電気会社だけにもうけさせるとか、あるいは電気会社がどうなってもいいというようなむちゃなことを言っているのじゃないが、正当に原価に算入されるべき性質のものは全然ゼロだというような手は私はおかしいと思う。そういう態度がそもそもおかしいと思うのです。そういうことを私は見ておるということはけしからぬと思うし、あなた方もやはりもっと強い態度で、こういう問題について、これはあなた方十分耳に入っていると思うのですけれども、今初めてではないでしょう。
  43. 今井博

    説明員(今井博君) もちろん前からこういうことを聞いております。従ってそういう主張はどうかと、われわれももちろん交渉のかけ引きとして言っておるのじゃないか、こういうように実は私思うのでございます。
  44. 鈴木壽

    鈴木壽君 あなた方の耳に入っておったら、これはやはり私は当然そんなかけ引きなんか初めから使わない力がいいのだし、もうすでに何べんも申し上げますように、通牒等であるのですから、何べんも言うが、私は五〇%、二%そのままをいつでも計上せよというのじゃない、この趣旨に沿った取りきめは当然なさるべきである。通産省としてそういう指導をすべきだ。今かけ引きだからそのうちまとまるだろうというようなことでは、私は通産省としてちょっとおかしいのじゃないか。なるほど五項には話し合いができたら持ってこい、料金認可をしてやるから持ってこいということで、これにあまり隠れてしまったのでは私はおかしいと思う。いま一つ料金のほかに、料金はたとえば二円九十銭なら二円九十銭ときまる。これはプラス・アルファというものを出すことについてどう思うか。料金は二円九十銭でいわゆる計画のあれを買うのだ、あまり言うものだから、かわいそうだから百万お前のところに出してやろう、そういうことについて通産省はどういうふうにお考えになりますか。
  45. 今井博

    説明員(今井博君) それはわれわれとしてはあまり歓迎をいたしませんですね。やはりこちらとしては、料金認可する立場でございますので、やはり理屈の合った一応形でないとちょっと認可はできかねると思います。そういう裏の話については、われわれとしては一応関知しない、こういう態度をとっております。
  46. 鈴木壽

    鈴木壽君 そういうことは私もけしからぬ話だと思うのです。料金が低く押えられた、ちょっとお前の力も困るだろう、だから百万なら百万、二百万なら二百万別にやろう、けしからぬと思うが、事実あるのですよ。こういうことはわれわれ関知しないと言うけれども、それは裏でやっているから、あなた方の表面には上ってこないかもしれません。関知しないと言うけれども、そういう事実があった場合にはあなた方はどうなさいますか。
  47. 今井博

    説明員(今井博君) 事実があったということはわれわれ存じておりません。われわれとしては、あくまで料金の算定を正式な算定によりまして、理屈の合った形で認可するわけでございまして、それと非常に関連をもったそういう別の金の取引というものはちょっと考えられません。従ってそういう事実があったかどうか私知りません。今までの例にあったという仮定のもとの答弁としては、そういう事実はないものだと、むしろそういうことがかりにあったとしても、別の県のいろいろな事業に協力するという格好で、電気会社が県に協力するということだとわれわれは考えております。
  48. 鈴木壽

    鈴木壽君 私は、あるかないかわからぬが、あった場合という単なる仮定で言っておるんじゃない。私はここで言うのは、はばかりますが、あるのです。そういうことを関知しない——これはそういうことはないだろうと思うが、知らなければやむを得ませんけれども、だからあったらどうなさるかというそう態度を聞いておるんです。私けしからぬ話だと思うのですよ。お話ように、あるいは何か県の事業に協力するとか何とかいうことを言っておる。料金決定に際して、不満だろうがこれでかんべんしてくれということで、首脳間の話し合いによって相当のものが出ておる。こういう事実がはっきり私はわかっている。金額までもわかります。しかし、きょうは申し上げませんが、こういうことが料金決定の際に行われ、一つの妥協策と申しますか、何かつかみ金みたいなことで、いわばごまかされていると申しますか、こういう形は私はどうしても納得できない。それならそれなりに、百万円だろうと二百万円だろうとも、やはりちゃんと料金計算のルートに乗せて出てくるような仕方が当然とられなければいけない。そうしてそれを出すためのいわゆる総括原価の計算においてはさっきも言ったように、ちょっとパーセンテージは違うが、特別償却普通償却のわずか二五%しかみない。それから減債産金の場合には、政府資金だけの二%をようやく認めてやつた結果、それじゃあおかしいのじゃないかということを再三交渉の結果、最後に政治的な妥協策としてそういうことが行われておるんです。これでは私は非常に売電電気料金の取りきめとして不明朗なものがあると思う。なぜ最初からきめられた、基準に示されおるようなことで計算できないで、最後につかみ金を出さなければいけないということ、そういうことが行われるか、私はまことに不思議でたまらない。あなた方は表面に現われない、僕らは関知しないことだとこう言っているのですが、事実あることですから、あった場合に、そういうことに対して、やはり私は一つのはっきりした態度があってしかるべきことだと思うのですがね。重ねて、その点どうでしょう。
  49. 今井博

    説明員(今井博君) もしもその料金の問題と非常に関連してそういう事実がありとすれば、これはわれわれとしては、料金の算定を、もう一ぺんやり直すということを検討せざるを得ないと思います。  それから、先ほどの減債基金及び償却のその率の問題等につきましては、これはやはりこういう点もございまして、最初に非常に安くできるのだということで大体開発がスタートして、それが非常な値増しが起るということが、これがそれを常に追認するという形で料金認められると、これは非常にそういう傾向を助長しがちだということを、電気を貰う方としてはおそれるという事実があると思います。特にこの田沢湖の場合には、相当な値増しが、これは二割以上の値増しになっておるかと思いますが、そういう点で、やはりそのままのことを追認するのは非常に困るのだというふうな点を考えて、最初話が非常に開き過ぎたのであります。しかし私は同時に、くれぐれも申しましたように、東北電力の今の態度は、これはわれわれとしても決して公平な妥当な態度とは考えがたい。三円以下は買わぬとか、あるいはその結果、この率がゼロであるとか、それは私は行き過ぎがあると思います。その点は、くれぐれも申しましたように、もう一度両方の事情を至急聞きまして、自治庁ともよく御相談して善処したい、こう考えております。
  50. 鈴木壽

    鈴木壽君 私何べんも申し上げますように、私は何も田沢の問題だけを——実は私秋田の出身ですから、そのことだけの弁護なり擁護なりのために申し上げているわけじゃない。そのためにもう一つ例をあげましょう。さっきもちょっと私申しましたが、島根の八戸川ですね、これは減債基金特別償却がどうなっているか御存じでしょう。特別償却普通償却の四分の一しかなっていないのです。それから減債基金は〇・五%なんです。これは単に東北電力田沢の問題でなしに、こういうことが私はあちこちほかにも指摘できるのですが、こういうことがあるから、私は一般に公営企業、現在これからだんだん総合開発等に関連して多目的ダムとか、そういうことに関連して県営で電気の仕事をする場合に、現在も進行中であります、将来もこれはやはり相当な工事をやっていかれる仕事なんです。そういう今後のあり方ということに対し、私はやはり注意を喚起しなければならぬと思って申し上げているのです。だから、具体的なケースについては、たとえば当初計画より高値増しをした場合、こういうことも私は承知しております。だから、そういうことについては、やはり電気会社としても一々言いなりに、幾らでも高く買うのだということは私はあり得ないと思いますから、それはそういう問題として別に話し合いがあるべきだと思う。私はそういうことを言っているのじゃない。一般的に、これらのあなた方の通牒なり自治庁財政部長の名で出したそういう通牒趣旨、あるいは一般に電気料金の算定についての基準というものに私は幾らかはずれておるのだ。電気の料金算定の規準、これはあなた方出しておられるこういうものでも、私この趣旨に沿うてやっていくならば、今のような問題は私はあまり起らないと思うのです。公営企業であるから、公営電気業者であるから、何ももうけなくてもいいんじゃないかと、赤字が出なきゃそれでいいんじゃないかというのが、電力会社の今の人たちの頭の考え方なんです。私はそれではだめだと思うのです。やっぱり公営企業というものを、公営電気事業というものをちゃんと発展させるためには、普通の会社と違うかもしれぬけれども、ある程度の報酬なり利益というものは当然なければならぬと思う。その仕事をやつている間に県自体も多少のプラスができるのだというようなことも私は当然あってしかるべきだと思うのです。何も電力会社にたたかれるたびに政府が政府資金を出したり、公募債を心配してやったりする必要は私はないと思う。今後ますます私は、パーセンテージはどうなるかわかりませんが、全体の国の電気の必要量からして、また公営事業、電気の事業の持つ役割というものは、相当大きなウエートを持ってきていると思う。今だって相当一〇%くらい持っているのじゃないですか。今後の開発計画が完成した場合に、私は相当なウエートを占めると思うのです。そういう場合に、いつでもこういう問題があって、電力会社に買いたたかれておるのだ、さっぱり事業のうまみもないのだということは、私はこれは政府としては、政府資金を出してやらせる仕事としては、考えなきゃいけない問題である、こういうふうに思うのです。さっき私、たまたま今問題になっております田沢とか朝日第一とかということを例にあげたのですが、そういうケースはたくさんある。あなたは専門家ですから、こういうのをごらんになればすぐわかるでしょう。私なんか、これに何があるか、一生懸命調べなきゃわからないのですが、あなた方はごらんになればすぐわかると思うのです。こういうのを今まで何らまあ何といいますか、ひどいこともないようだと。それは赤字が出ないという限りでは、あるいはそんなにひどくないかもしれません。しかし、それだけでは私はおかしいと思うのですね。  もう一つは、私申し上げたいことは、償却の場合、これと起債の償還年限のズレということは、当然私は考えてもらわなきゃいけないと思うのですよ。耐用年数がかりに大体平均すると、三十年か三十二、三年でしょう。電気事業の場合。これと起債の償還が二十五年です。あるいは公募債の場合はもっときわめて短い期間で返していかなきゃいけない。こういう一つ資金繰りの問題もあるのですね。これとどう経営をうまく合せてやっていくかということが、公営電気事業の場合非常に実は問題なんです。そういうところにやっぱり特別償却なり、減債基金というものをもっと認めさせるよう電気料金の算定の仕方、あるいは交渉の仕方というものがなければならぬと思うのです。どうでしょうその点。今の態度では、通産省態度としてはどうもいけないと思うのですがね。
  51. 今井博

    説明員(今井博君) 一般的な問題としては、私は今のこの算定の方式と申しますか、その結果として、一、二の例外はあるかもしれませんが、一般的に私は現状でいいんじゃないかというふうに考えております。しかし、最近こう非常に最初の計画より非常に結果として値が——原価が上る、従って、この料金算定方式そのままを適用すると非常な値上りになる。こうなると、やはり相当問題が出てくるのじゃないかと思います。従って、公営の電気事業最初に計画された——最初に県債を発行されるなり、そういう場合の最初の計画に、全然同じとは言いませんが、若干の予備費を見て、それでもって十分これでそろばんが立つと、こういうふうな計画でスタートされた場合には、私はこの算定方式で相当いいところへいくと思うのです。ところが、実際一般にはそれが相当値増しになるというふうな問題が出て参りますと、やはり買う方としては、そのままこの算定方式に非常に忠実に近いことでやろうとしますと、相当高い値段になる。こういう場合は、やはり電気会社としては、もうちょっとこいつは下げてもらいたい。あるいは極端な場合には、ゼロに近い数字にしてもらいたいというふうな主張も私は出てくると思います。ただ、今東北電力の特殊な、こういう三円以下であるとか、あるいはゼロであるとか、こういうことを言っている。こういう態度については私は遺憾だと思いますが、一般的な問題としては、今鈴木先生はそうおっしゃいましたけれども、最初のスタートと結果がこう食い違ってくると、やはり一般の電気料金はそう簡単に値上げができませんので、ことに公営の比重が高まれば高まるほどやはり電気事業の経営者としても真剣にならざるを得ない。従って、そこにやっぱり電気の値を下げてくれという要求も起ってくる。こう思われますので、その点は一つ今後の——と申しましても私は電気会社の方の値増しがそれでは全然ないとかいうことは考えておりません。電気会社のやつておる事業につきましても、やはり相当予備費をみても値増しが起つておりますし、神武景気で石炭の値段が上るということは不可抗力でありますから、そういうものを否定しようとは私考えておりませんが、一般にやはりしろうとがやる場合には値増しが起りやすいという事情があるものですから、その点一つ一般問題としては御了解願いたいのです。しかし、これは両方ともわれわれとしては公益事業として一ついろいろ育てていかなければならないという事情にある点は、電気会社といえども公営電気事業といえども同じでありまして、われわれとしてはできるだけ公平にやっておるつもりでありますが、しかし地方自治庁の方の一つ考え方もあると思いますので、できるだけ一つ連絡をとってあまり無理のないようにいたしたいと思います。
  52. 鈴木壽

    鈴木壽君 あなたのおっしゃったように、私先ほどもちょっと申しましたけれども、あとで建設にかかってからまたいろいろなことで値上りをするというようなことについては、あなたのお話の通りだと思います。それは私何もそういうことまで一々やれという——ただし当然やはり諸物価の値上り等につれてそれはやはりあり得ることなんで、そういうことまでは否定できないと思うし、あなたもそのことはおっしゃっておりましたが、ですからその点私は一般論としては、あなたのおっしゃることも私はその通りだと思いますから了解しますが、それではもっと聞きますが、私ほかの県のことは今資料を持っておりませんからわかりませんが、鎧畑なり田沢なりが当初これを作るためにあなた方から許可を受けて、そのとき出している電気料金の予想といいますか、ありますね、これと今きまっておる、あるいはこれくらいにしてほしいということと食い違いはありませんか。それをオーバーしておるような格好ですか、それは当初私の聞いておるところでは三円以下ではないはずなんです。当初の計画のときにあなた方から許可をもらう場合に……
  53. 今井博

    説明員(今井博君) それにつきましてはちょっと何しておりますが、予算の大体二割くらい、当初の計画された予算より。それで……
  54. 鈴木壽

    鈴木壽君 私そういうのでなくて、当初計画された場合において電気料金の一応めどを出しておるでしょう。このくらいにしてやるんだという計画を出しておりますね。その計画料金と、今折衝して高いとか安いとか言っている線がはなはだしく県の言い分が当初計画よりオーバーしているのかどうかということです。
  55. 今井博

    説明員(今井博君) 最初予算の点しか記憶を実はいたしておりませんが、最初の計画が組まれたときは、これは東北電力とも話し合いをおそらく行なっておられると思いますが、従って三円オーバーしたかしていないかちょっと記憶はございませんが、もしもそれとあまり違わない数字に対して、最初それなら電気を買いますと、こういった電気会社がその数字とあまり違わないものに対してつべこべ言っているということはこれは非常な不当だと、そういうことはおそらく三円以下の数字が出ておったのではないかと私は想像いたしますが……。
  56. 鈴木壽

    鈴木壽君 私の聞いているところでは、三円以上になっております、二つとも。ですから……
  57. 今井博

    説明員(今井博君) その点よく一つあとで調べまして……
  58. 鈴木壽

    鈴木壽君 よくあなたお調べになって下さい。……ですから、私なおさら電力会社態度としてはおかしいと思うのです。たしか鎧畑のときは多少掛の増しをしておりますが、それでもなおかつ、それは当初の計画のときには特別償却なり減債基金の繰り入れというものは相当見ているのですよ。見ておっての計画でいっておりますから、これは三円を確かにオーバーしているはずです。ですからこれはあなたもお調べになって、もしそれを上回るよう料金を要求する、従ってそれを基礎づけるような算定の方法をとつている、こういうならば私はこれは問題が簡単ではないと思うのですが、あなたが指摘されるように、これはちょっと考えざるを得ないというふうに電力会社考えると思うのですが、それ以下だったら私は、当然これらの算定方式というものは尊重されなければならぬと思う。この点一つこれはあなたも今資料がないようでありますから、あとでお調べをいただきたいと思う。
  59. 今井博

    説明員(今井博君) 調べます。
  60. 鈴木壽

    鈴木壽君 それから時間もないようでありますから、今後の問題として、いわゆる電気の広域運営の問題にからんで、これは自治庁の方にも考えていただきたいのですが、こういう地方自治体の公営事業電気事業というものをどういう位置づけをさせていくかということが、今の計画を私ども詳細のことはわかりませんが、まだ決定までのいきさつ等についても十分承知しておりませんが、現われたああいうものによりますと、あまり公営事業についての考慮が払われておらないのじゃないか。将来、一体公債事業の打つ役割、開発されるべき電気のそういうことについて、どうこれをマッチさせていくかということが私は大事な問題になってきやしないかと思う。電源開発あるいは電力会社、それぞれこれは全国四ブロックにしたことでやることになるわけですが、しかし、現在から言ってもあるいは将来の見通しから言っても、国土の総合開発等が行われるに従って、私はやっぱり大規模な電気事業ならともかく、小規模あるいは中規模程度のそういうもののウエートというものは、私は相当大きくなっていくと思う。そういう場合、私は当然一つの問題がここに起ってきやしないかということを考えるのですが、広域運営についての構想の中に、一つ今後の公営の電気事業というものをどういう位置づけをさせていくつもりなのか、その点一つお聞きしておきたいと思います。
  61. 今井博

    説明員(今井博君) 広域運営は実は昨年の四月スタートいたしましてまだ一年になりません。従ってこれはもう最初の試みである関係上、融通等については相当な実績が出ておりますが、まだ全般に非常にいまだしの感が深いのであります。それでこれはある程度時間をかけてやらないと、なかなか成果は上らないとこう考えております。それで最初電発をこの広域運営に加えまして、それで本社で今やっているという現状でございます。もうちょっとたたないと、これをどの程度までどういうふうに軌道に、ほんとうに軌道に乗るのにはまだ若干時間がかかる。従って公営の電気事業者というものは非常に数が多い関係もございますし、まだ本体が軌道に乗らないという現状でございますので、公営電気事業の扱いはもう少したってから検討したい、こういうふうに考えております。  しかし公営の電気事業の従来まあ電源開発に協力され、開発に示された結果は非常な実績を上げておられるわけでありまして、今後は大いに電源開発を相当やらなければならぬという意味におきましては、それぞれの地方の実情に合った開発、特に総合開発というふうな点からみますと、やはり相当力を入れてもらわなければならぬと考えております。問題は、それが経済べースに乗るか乗らぬかという点が一つの今後の大きなポイントでございまして、電気会社も今までは開発々々ということで、非常に開発すればいいのだという態度をされておったのが、ここ一、二年は非常にやはり経済ベースといいますか、できるだけ料金を上げないという観点から、能率的な一つ開発をやらなければいかぬということに相当観点を変えておりますので、経済べースに合ったそういう開発というものが公営で相当できるということがはっきりしてくれば、これは従来以上に一つ何といいますか、開発に期待する点は少からざるものがあるのじゃないか。問題は、まあなかなか水力地点でいい地点が日本では漸次少くなってきております。問題は小水路とか、そういった面で今後そういう能率的な開発ができぬか、そういう計画いかんによるかと思います。くれぐれも申しましたように、公営の電気事業もそれからあるいは電気会社も同じく一つの公益事業でございまして、これに対しましては、できるだけ不公平のないようにやっていく点については変りはございません。
  62. 鈴木壽

    鈴木壽君 時間もないようでございますから、最後にお聞きしたいと思いますが、今の広域運営の問題ですね、これは発足したばかりですから、はっきりした計画も立っておらないようでございますが、しかしさっき申しましたように、私のこうざっと見たり聞いたりしたところによりますと、地方公営事業というものがまあ全然考慮に入れられておらないのじゃないかというふうに考えるのですから、これは私はどうしても抜かされない問題だと思いますから、私は何も公営電気事業オンリーという意味じゃございませんよ。大きな立場から言って公営電気事業の持つ現在の役割なり、将来の役割から私はそういうふうに考えるのです。これはいずれ将来電源開発調整審議会ですか、こちらの力で最終案ができるのでございますか。電源開発調整審議会というのが電源開発促進法にありますね、そういうことで最終決定がそういうところに持ち込まれるということになるわけですか。
  63. 今井博

    説明員(今井博君) 現在でも電源開発調整審議会で……
  64. 鈴木壽

    鈴木壽君 いやいや、今後もできてくる過程において、いつでもそういうところで成案ができてくるわけですね。
  65. 今井博

    説明員(今井博君) それは従来と変りはございません。
  66. 鈴木壽

    鈴木壽君 そういうふうなときに、やはり私は今の点を一つ十分慎重に考慮し、計画の中へ織り込んでもらわないと、これは競合関係が出てきたり、いろいろあります。ですから、この点はまあ要請みたいな形になりますが、それを一つと、それから先ほど来私いろいろお尋ねをしましたし、中には意見めいたことがありましたが、どうもはっきり、公営電気事業がたとえば料金決定の際にどういう方式でやらなければいかぬかというようなことについて法的な何もないわけですね。通牒はございます。しかし通牒が必ずしも通牒通りに行われておらない。こういう問題があるので、しかもこの通牒は二十八年に出ておりますものですから、もっとこれは公営企業電気事業というものを育てていくという立場で、しかも全体の民間の電力会社との問題も十分これは考えなければいけませんが、料金算定等についてもっとはっきりたものの法的な裏づけが必要じゃないだろうか、こういうふうに私は考えるのですが、これは自治庁の方とそれから通産省の方と、両方からこれに対する考え方をお聞きしたいと思うのです。従来のままにこういう公益事業局長通牒、こういうことで今後もいくのか。私はこれでは不十分だと思うのです、先ほどあげたいろいろな面からして。ですから、もっとはっきりした、公営電気事業の県のそういう事業体でも、言葉は少し変だが、交渉だとか何だかんだと、もう非常に頭を悩まし、時間と金を使わなくてもいいような形で電気料金が算定できる、そしてそれによって認可が得られるというようなことに、もっと裏づけるような何か法的な措置が必要ではないかと、私はそう思うのですが、どうでしょう。一つ自治庁と両方からできればお答え願いたいと思います。
  67. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 今だんだんのお話でございまして、ごもっともな点もございますし、法律でもってはっきり方程式でもきめて、しかも非常に金がかかった、これじゃ買えないということになってもこれは困るのですから、まあ今のような大体の基準をきめまして、お互いに売り手買い手の間で話し合いをしていく。そうしてあまりに不当なことがあれば通産省なりあるいは私どもなり、おのおののいわば監督官庁の方から助言をいたしまして、そうして妥当なところに持っていく。まあ今までの行き方で大体いいんじゃないか。ただその中に特に悪い場合がありましたときに、今御指摘ような点、われわれ十分に気がついておりませんで恐縮でありますけれども、そういう点を助言しながら妥当な線に持っていく。大体今までの行き方でいいんじゃないか、鈴木さんの御意見と多少違って恐縮でありますが、そんなふうに考えております。
  68. 鈴木壽

    鈴木壽君 法律の、こういう料金の個々のケースはいろいろあると思いますが、きちっと線を引いたようなことは私もできないと思うのです。しかしたとえば、何べんも申し上げまして恐縮ですが、たとえば減債基金の二%という問題、これは現在では政府資金だけで二%になっているのです。それならそれのように私はやはり一応の線、もしこの通牒でよかったら通牒を直すとか、そういうことぐらいははっきりさすべきだと思う。一般金利と政府資金の金利の差ということで、主としてパーセンテージが出ているわけなんです。八分五厘と六分五厘の違いから公募債が出ている。これまた率が違う。こういう問題があるのですが、もっと問題になりますのは、通牒によりますと、投資額の二%とあるけれども、実際は投資額の中の政府資金だけしかない。だんだんこういう仕事に対して政府資金というものはあまり多くなっておらない現状です。公募債が多くなってウエートを持つようになっているのです。それならそのように何かのよりどころというものがなければいかぬ。ケース・バイ・ケースで、そのとき次第で話し合いがつけばいいということで、私は何もさっき言ったように五〇%でなければいかぬということでないので、そういうことについてもっと現実に合うような、あるいは将来こういうふうな方向へ行くべきだということの何かの裏づけがあったらいいんじゃないか。  いま一つは、自治庁並びに通産省がこの問題についてもっと積極的に介入——という言葉は悪いのですが、いろいろ調整なりあるいは指導なりということが行われるような措置が私はどうしても必要だと思う。これでは当事者間で話し合いをつけて持ってこいということだけなんです。だから半年かかっても一年かかってもなおかつ決定しないということなんです。不当なことが行われているにかかわらず、通産省自治庁もそれに関与できないという格好になっておる。私はこれではおかしいと思う。そういう意味で、何も法律できちっとパーセンテージを出せとかということでないけれども、裏づけになるそういうものがなければ、今後ともいろんな問題が起ってくるのじゃないか、こういう私心配を持つものですから、そういう意味で私は申し上げるのです。
  69. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 今のお話ごもっともでございますから、通牒も出てもう五、六年たっておるので、一回よく通産省とも打ち合せて再検討してみましょう。同時にお互いの売り買いの問題でありますから、当初から介入することはこれは避けたいと思います。ただ、今おっしゃるように一年かかっても二年かかってもきまらない。これはまことに困ったことでありますから、そういうときは通産省とお互いに中に入りまして、できるだけ円満な解決に持っていくように今後は努力したいと思います。
  70. 占部秀男

    ○占部秀男君 一つだけ通産省の今井さんに関連してお尋ねしたいのですが、特に通産省話し合いたいということで話がありましたが、その話し合う場合に、はっきりわれわれとして聞いておきたいことは、単価問題についての基本的な通産省態度の問題なんですが、というのは先ほども今井さんのお話では、あまり無理のない単価ということで一般的にはどうにかいけるのじゃないかということを言われておるのですけれども、私この今鈴木さんからの具体的な数字が示されたように、そういう形でこれが無視されるような問題じゃないと先ほども言ったように私は考えるのです。というのは、公営企業であるのですから、一般の私企業と同じように利潤追求を中心にやれということは、われわれとしてはもちろん言っておるわけではないのですけれども、しかし先ほども数字的にあげられたように、片方が三円にたたかれる、片方は四円以上に買っておる、こういうように現実はっきりした数字のギャップがあるのですね。かりにギャップがある場合でも、これは私は地方行政立場から言うから、あなたは我田引水ととられるかもしれぬけれども、少くとも四円に民間の方で買っているのなら、やはり公営企業の方でも四円に買って、それによって幾らかの利潤が出たならば、これはやはり財政の苦しいところの県のいろいろな住民に対する事務事業に使えるように私はなっていくのが当然じゃないかと思うのです。その場合に大きな利益を得ておるというのはこれはとにかくとして、現実に今のような場合には、単価が、まあ一応自治庁なりあなたの方で通達されたところの算定基準というものを、それもほとんど無視したような形でその単価がたたかれておる、こういう現状なんですね。そうなると何か通産省考え方は、公営企業であるがゆえにこれは安くたたいて買うのは当然だというような上にたって何かこう単価問題を扱っておられるように、これはひがみのようですけれども、われわれには感じられてならないのです。従ってそういう点についてはっきりと一つ通産省の方の基本的な考え方を明示してもらいたいと思うのですが、次長でもし何だったら、今度大臣に来てもらって話をしてもらっても私はけつこうだと思うのですけれども、これはもう相当、簡単な問題じゃないと思うので、そういう点については何ですか、どうも公営企業だからこれは安くするのは当りまえだと、その上に立って両者間の話し合いを評価する、どうもそういうよう態度があるように見受けられてならないのですけれども、その点どうですか。
  71. 今井博

    説明員(今井博君) 毛頭そういう考えはないのでございまして、公営のこういう算定基準といいますか、通牒で出しておるこの基準は、もちろんこれは最高ということで出してはおりますが、実はその電気会社の方で原価算定等原価主義という太いラインは同じでございますが、公営の特殊性というものを考えて、実はわれわれとしては算定のやり方を甘くしておるというまあ感じで、これは減債基金なんというものは電気会社の方の基準には全然認めておりません。配当は一割二分増収をいたします関係上、増資にでき得る配当率というものを認めておる。それから償却も原価の算定は定額償却一〇〇%ということにいたしております。公営の場合にはそれを電気会社の算定よりは特別措置をやつておる。従って、これは電気会社の方からみますと、公営の算定のやり方が少し甘いんじゃないかという実はわれわれは非難を受けているわけでございまして、決して公営の方を安くたたくとか、むしろ逆に公営の方に多少甘くしている、こういう現状でございます。従って、一般的に今御指摘になりましたようなことは、もう全然考えておりません。その点一つ御了解願いたいと思います。ただ、先ほど鈴木先生から御指摘になりましたような一、二の例につきましては、これはわれわれも行き過ぎがあるのじゃないかというような気がいたしております。その点は相互の事情をよく聞きまして一つ無理のないように善処していきたいと思います。
  72. 鈴木壽

    鈴木壽君 ちょっと一言。あなた甘いと言われるが、甘くないですよ。何も甘くありませんよ。これはあなた方電力会社の代弁をするようなもので、しかも料金の制度調査会でも現行通りでいいのだという、それは多少の論議のいきさつはあっても、こういうようなものを出している。何も甘いわけじゃありませんよ。会社の経理なんというようなものは、これはいろいろあって、料金の値上げをするようなときにはうんと損をしたよう経理を出すので、われわれ外部の者からは察知できないようないろいろなことがあるらしいので、そういうものからして、私何も今の料金の、何べんも言うように、五〇%でなければいけないとか、二%でなければいけないとかいって、考え方は何も甘くないと思う。だから、安い資金を使っているから安くていいのだ、そうして赤字を出さなければいいのだというところに根本的に考え方の問題があって、それでたたいていこうということだけしか考えていない、公営電気はじゃま者だというよう考え方をしている。新鋭火力なんというものをやり出すと、何かこういけないもののような扱いをしてきているんですよ。そういう点に私は根本的な電力会社の問題がある。きょうここであなたとこの問題をやつているわけにいきませんけれども、いずれにしてもさっきの話からしますと、まだ納得しかねるところもありますから、あとでまた機会をみて大臣等から、根本的な問題だと思いますから、公益事業等の問題にからんでお尋ねする機会を許していただきたいと思います。本日はこれで……。
  73. 館哲二

    委員長館哲二君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十六分散会