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1958-12-18 第31回国会 参議院 地方行政委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年十二月十八日(木曜日)    午後一時二十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     田中 啓一君    理事            大沢 雄一君            占部 秀男君            鈴木  壽君    委員            小柳 牧衞君            館  哲二君            成田 一郎君            吉江 勝保君            松澤 兼人君            森 八三一君   政府委員    自治政務次官  黒金 泰美君    自治庁財政局長 奧野 誠亮君    大蔵政務次官  佐野  廣君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君   説明員    自治庁行政局公    務員課長    今枝 信雄君    大蔵省主計局主    計官      相澤 英之君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十三年七月、八月及び九月の  風水害により被害を受けた地方公共  団体起債特例に関する法律案  (内閣送付予備審査) ○地方行政の改革に関する調査の件  (地方公務員の給与に関する件)   —————————————
  2. 田中啓一

    委員長田中啓一君) これより委員会を開きます。  前回に引き続き、昭和三十三年七月、八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体起債特例に関する法律案を議題として質疑を行います。
  3. 大沢雄一

    大沢雄一君 私は、農地災害復旧事業起債に対しまする財源保障問題につきましてお伺いいたしたいのでございますが、一昨日愛知自治庁長官奥野局長等に対しまする御質問に対しまして、この問題につきまして、この地方債は、少額補助金にかえるに、便宜地方債をもって処理させるものであるので、国のやるへき仕事地方団体がかわってやるものである。従って、国が財源保障するというところまでは閣議において決定し、政府意見もそこまでは、国が財源保障するという点においては一致しておるのであるけれども、その後のこと、具体的な保障方法内容等において、大蔵省あと意見が遺憾ながら一致しない。今後とも一致に努めるという御答弁であったわけであります。そこで私は、大蔵省政務次官がお見えになっておりますが、大蔵省のお考えはどういうところにあるのか、一つまずお伺いしたいと思います。
  4. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) この問題は、御承知のように、非常に論議のかわされましたことでございまして、閣議におきましても、この表現仕方等におきましても、いろいろ解釈等が行われましたことは御承知通りでございますが、従いまして、今日こうしてまた特別に取り上げて御議論になるというふうなことになったわけでございますが、国においてその財源保障することと、こういうふうに表現がなっておりますが、これにつきまして、大蔵省といたしましては、当時大臣から聞きましたところでは、これは交付税で見ると、こういうふうな表現大蔵省としてはこの案を作ったわけでございまして、従いまして、今回の提案いたされております法律におきましても、そういう趣旨のもとで、この元利補給というふうな問題はなく案ができておるという状況でございまして、これは、あくまでも元利補給によらないで、地方交付税配分上その元利償還算入率を引き上げる方式、これによりまして地方団体負担を軽減していくという方向でいくと、こういう基本的態度でおるわけでございます。
  5. 大沢雄一

    大沢雄一君 今、大蔵政務次官お答えでは、大蔵省考え方としては、この閣議において決定した、国においてその財源保障する、この具体的な保障方法につきまして、元利補給を国でするという考え方ではない。地方交付税算人率を引き上げて、そして保障していくと、こういう考え方であるという御答弁のように伺ったのでありますが、しからば伺いまするが、地方交付税というものは、これは地方自主財源である。元来私どもは、地方交付税地方自主財源——地方のものである。当然国税三税の二七・五%、これは地方のものであるということ、これについては私ども大蔵省においても否定はされないと思うのでありまするが、それについてどういうふうにお考えになっておりますか。これは国のものであると、あるいはまた、地方のものであっても、勝手に国において、国がかわって行わせる事業財源に使うということであれば、これは地方自主財源であるということにはならないわけでありまするが、そういうことをしてよろしいというお考えでありましょうか。その点伺いたい。
  6. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) この問題もなかなか議論のあるところでございましょう。これによって大きく分れたのでございますが、これもやはり国の財源として一応考えられてもいいものじゃないかと、こういうふうに存じておるわけでございます。
  7. 大沢雄一

    大沢雄一君 どうも、地方交付税を国の財源であると考えてよろしいということになりますと、これは、私はとうてい承服できない考え方で、地方自主財源であるということについては、これは私は否定できないと思いますが、ちょっと言葉表現が私足らなかったか、私の聞き誤まりかと思いますが、その点について、地方交付税を国の財源であるというお考え方であるか、もう一度お伺いしたいと思います。
  8. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) 国から地方団体に対しまして賦与いたします財源の最も大きなものがこの地方交付税というふうに解釈いたしておるわけでございますが……。
  9. 大沢雄一

    大沢雄一君 私のお尋ねは、地方交付税が国から来るという、国の国税三税を一定の率で分けて地方に行くという、そういうことを申しているわけじゃない。本来地方交付税地方財源であるか、国が勝手に、これを国税と同様に勝手に使っていいものであるかどうか。先ほどの政務次官の御答弁では、国が勝手に使ってもよろしいと、国のものであるというふうな意味お答えがありましたので、私、その点については、それは間違いではないかということを申し上げておるのです。
  10. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) ちょっとこれは、言葉の何がありましたが、あとに申し上げましたような財源賦与形式であると、地方交付税がそういう形式のものであると、こういうふうな趣旨を私は申し上げたわけであります。
  11. 大沢雄一

    大沢雄一君 財源賦与一つ方法であることはわかりますが、その賦与された財源は、地方のものであるか、あるいはまた国のものであるかということを私はお伺いしているのです。
  12. 相澤英之

    説明員相澤英之君) 若干補足させていただきますと、ただいま政務次官から答弁がありましたように、交付税は、国から地方団体に対する最も大きな財源賦与形式でございまして、国から地方賦与すれば、それはもちろん地方財源になると、これは、他の国庫支出金といえども同様でございます。ただ、その財源賦与する際におきまして、どのような基準配分するかということを地方交付税法及びこれに基く総理府令において規定しているわけでありまして、この元利補給を、元利償還金基準財政需要額に織り込むかいなかということは、その交付税配分方法の問題であるというふうに解釈しております。
  13. 大沢雄一

    大沢雄一君 私の尋ねておることに答えてもらわにゃ困るのです。そう違った方に答えられたのでは……。問題は財源賦与方法でないということ、私はそんなことを言っておるのじゃない。それは、地方自主財源と認めているのか、そうでなく、国のものであるというふうな考え方で先ほど政務次官答弁されたのですが、私は、それは誤まりではないか。地方交付税本質についてどう考えておるか、こういうことを尋ねておるので、配分方法の問題なんか聞いておるのじゃない。もう一度お答え願います。
  14. 相澤英之

    説明員相澤英之君) 地方交付税が三税に対する一定の率できめられている点におきましては、三税の収入で機械的にその交付税額がきまるという意味におきまして、実質的に、これは地方の自主的な財源考えられると思います。ただ、その配分につきましては、これは地方団体が勝手に分けるということではなくて、国会の御審議を願います法律及びこれに基く政令によってその方法をきめると、こういうことになっております。
  15. 大沢雄一

    大沢雄一君 そういたしますると、この地方交付税法第一条に、「この法律は、地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能をそこなわずに、その財源均衡化を図り、」云々とあるのでございますが、地方団体が自主的にその財源を管理するということは、あなたの今の御答弁では、私は達成されないように思いますがね。その点はどういうふうにお考えになりますか。
  16. 相澤英之

    説明員相澤英之君) この「地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、」云々、これは、地方交付税法の第一条にこの法律の目的としてうたわれていることを引用されたのだと思いますが、交付税は、地方団体がかように自主的に行政を執行する権能をそこなわず、財源均衡化をはかるために交付税賦与されることは、ただいまお話通りでございます。そこで、その賦与された財源につきましては、この交付税法の第三条におきまして、「国は、交付税交付に当っては、地方自治本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途制限してはならない。」というふうに書かれております通りに、その使途につきましては制限はないわけでございます。従って国から交付税地方団体交付する際に、その配分方法法令によって規定し、その規定に従って額が決定されますが、その使途について制限はない。その意味において地方団体の自主的な運営ができると、かような仕組みになっていると存じております。
  17. 大沢雄一

    大沢雄一君 ちょうど今おあげになりました第三条ですが、今、相澤主計官が引用されたように、この交付税交付に当っては、地方自治本旨を尊重しなければならぬということが述べられておるわけです。地方自治本旨からいえば、私は、地方団体負担というものは、地方公共事務に対するこれは負担でなければならない。しかるに、農地の小災害というものは、これは公共事務ではない。これは個人農地災害復旧をするものであって、本来からいえば、これはその個人負担たるべきものなんです。ところが、この小災害について、この補助限度額引き下げるとかというようなことになりまするというと、これは、いろいろの観点において、あるいは補助金適正化問題、あるいはまた事務の手続の関係、いろいろな関係で非常に問題がありまするので、かわってこれを市町村に行わせると、つまり代行させると、こういう意味でこの問題があると思う。ですから、もともと地方自治本旨を尊重するということであれば、これは当然こういう地方団体に国が便宜上代行させる。起債元利償還でありまするから、これは当然国が支出しなければならぬ。こういうことに私はなると思う。今のあなたの引用された地方自治本旨を尊重するというところから、私は、国がこれは元利補給をしなければならぬ、こういうことになると思うのですが、同じことが、あなたの方は逆のようになるように思うのですが、それはどうですか。
  18. 相澤英之

    説明員相澤英之君) 農地災害復旧、これは私有財産たるものに対します災害復旧でありますが、それは公共団体がやるべきことではないという御意見かと存じますが、この点は、ほかの商工業者のたとえば家屋とかあるいは商品、そういったものが災害をくった場合は、補償その他の措置は講じておりませんが、農地に関しましては、これは、特に農業の経済上、社会上における重要性にかんがみまして、従来とも国がその災害復旧について補助をするといったような措置を講じてきておるわけであります。農地災害復旧をそれでは地方団体単独で行なったことがないかと申しますと、それは過去においても例がございますし、また、その行なった場合において、起債少額ではございますが認められております。たとえて申しますと、三十二年度当方調査したところによりますと、農地災害復旧事業に充てられた地方債は、総額四億四千六百十万円、二百五件に達しているのでありまして、これはもちろん、補助事業に伴う地方負担も含んでおりますが、かような金額になっております。で、単独地方市町村の税金をもって農地災害復旧事業をやることについては、確かに、おっしゃる通り、他の商工業者等に対するバランスから申しますと問題がございますが、それは農地の持つ、くり返し申すようですが、経済的、社会的な重要性に基いてかような措置がとられておるというふうに考えております。そこで、その農地災害復旧について起しました地方債は、他の単独事業地方債の場合と同じように、その元利償還金については、従来とも交付税算定においてその元利償還費の二八・五%を算入するというような措置が講ぜられておったのであります。
  19. 大沢雄一

    大沢雄一君 その農地単独復旧事業、これを市町村仕事として市町村がやるという例があるというお話であります。それは、確かに例はあることを私ども承知しておりますが、しかしながら、そのことは決していい例ではない。地方団体というものは、公費でやるべきもの、あるいは個人負担においてやるべきもの、この区分をつけなければ、地方財政というものは確立しない。そういう観点から、そういうことにつきましては、これを抑制していくという方針がこの二、三年とられましてこういうことをしないことに、大蔵省の、具体的にいえば財務局でございますか、それと地方自治庁との間でお話があって、そういう方針のもとに今日に至っておる。ただ、多くの中に、例外的にそういうものがなお認められたものがきわめて少数の件数あることは承知いたしておるのでありますが、これは、やはり地方自治の上からいっておもしろくないということであると私は思うのであります。そういう観点から、この今回の農地の小災害復旧につきましては、これは、地方自治庁としては、国が元利補給をしないならば、こういう地方債を認めるということは、これは地方財政の上からいって問題である。認めたくないという考え方を私ども一昨日も伺ったわけであります。私、もっともと思うのでありまするが、この閣議決定を見ましても、小規模災害復旧事業に対する地方債起債を認める。これは、政治的ないろいろな関係においてこれを認めざるを得なくなった。つまり市町村に代行せしめざるを得なくなったということに私ども考えておるわけであります。そうとすれば、この閣議の第一項を受けてきた第二項で、右の地方債元利償還金については国においてその財源を補償するということは、これは当然ですが、国の負担においてということでなければならぬと思う。あなたも認めているように、地方交付税は、これは元来は地方自主財源であります。しかも、この地方自主財源でこういう、何と言いまするか、便宜的という言葉は当らぬかもしれませんが、やむを得ない便宜的な、代行的な、国がやることを代行的なこの起債元利償還金をそういう地方交付税でまかなわせるということは、結局国がこれは経費負担するのではない。結局地方団体が相互にこれは共済的なことをやるということになってしまって、何ら財源保障に、地方財政全体の上から見て、また地方団体全体の上から見て、ならない。いわゆるタコの手足を食って腹を満たせということと何ら変りはないわけであります。その点についてどういうふうにお考えになりますか。
  20. 相澤英之

    説明員相澤英之君) 農地のごとき私有財産災害復旧事業市町村等地方団体がやることについての適否は、確かに論議があると思います。これは、他の、農業以外の、先ほど申し上げましたが、いろいろな業者に対する災害復旧の際の措置とあわせて考えますと、確かに問題があると思います。ただ、やはり農地につきましては、それが川のはんらんその他によりまして相当な被害を受ける。しかも、被害を受ける範囲が広いといったような場合につきまして、市町村がそこで、自主的な判断に基きまして、どうしてもこの災害復旧をやりたいということを希望する場合には、これを何も否定する必要はないではないか。そこは、あげ足をとるようで恐縮でございますが、やはり地方自治考え方からしまして、地方団体がやりたいということならいいのじゃなかろうか。ただ、その場合に、財源が必要なら、地方債というものを考えることになる。そこで従来も、これは少額と申しますが、たとえば、三十二年におきましては二百五件、四億四千六百万円というものが、補助ないし単独事業農地災害復旧事業地方債として承認されておるわけでございます。そういった観点からいたしますと、今次の閣議決定は、従来全然法令上認められていなかった地方債特例を認めたという趣旨とは解せられないのでございまして、やはり従来ごく例外的に認められておった農地災害復旧事業について、今度は原則としてと申しますか、大幅に認めるという趣旨を明らかにしたものであるというふうに考えておるわけであります。その証拠には、農地の小災害に対する地方債をつけることは、現在の法律解釈からいたしましてもできることでありまして、それなるがゆえに、今回の起債特例法には、農地の小災害復旧事業地方財政法五条の例外事業として別に加えていないわけであります。  それからもう一つ、その交付税に織り込むということになると、結局ほかの団体に回るべき金を食ってしまいまして、タコ配になるという御意見でありますが、これは、ほかの災害復旧事業に伴う地方債元利償還金につきましても同様な現象があるわけでありまして、補助負担を伴う公共事業災害復旧事業元利償還金については、その九五%を交付税に織り込んでおります。その金額は、私どもの推計では、三十三年度におきまして九十四億円に達するという状況でありますので、これらの措置とあわせ考えますときは、この農地災害復旧事業というものの地方債元利償還金地方交付税算定基準に織り込むことのみつかまえて、共済的あるいはタコ配であると言われますのは、いささか、何と申しますか、妥当ではないのじゃないかというふうに考えております。  なお、地方財政計画を策定いたします際には、当然この農地災害復旧に伴う地方債元利償還金につきましても、その全額を歳出に計上いたしますことは、他の単独事業地方債元利償還金あるいは補助負担事業にかかる地方債元利償還金と全く同様な取り扱いになっております。
  21. 大沢雄一

    大沢雄一君 元来私は、この小災害地方団体がやることそれ自体を否認しているのじゃないことはおわかりだと思うのです。ただ、その元利償還財源保障方法がどうあるべきかということを今問題にしておるのでありまするから、その点を一つ、問題をとり違えないようにお願いしたいと思うのですが、これを地方起債で処理させましたことは、昭和二十八年の災害におきまして、一件当り十万円以上のものに対して五割の補助をする、これを引き下げて、三万円以上十万円未満のものについても補助対象にしたわけであります。今回もそういうことが今問題になった。ところが先ほど申し上げましたように、そういう小災害につきまして、国が補助をするということについては、これは、査定その他の関係で、非常に事務的にも繁雑であるし、いろいろな問題もある。そこで、これにかわって、地方単独事業債として、この緊急を要する災害復旧仕事の遂行をやすからしめる、こういう趣旨でこの閣議決定ができておると思うのであります。そこで問題は、国がこの十万未満三万以上をこえる、あるいはその辺の小災害に対して、これは当然この補助金負担をすべきものであったわけでありましょう。もしこの地方財源である交付税でこれを処理させるのだというようなことがわかっておれば、これは、今の災害限度額引き下げということが当然政治的に問題になったはずです。その際には、こういう国において財源保障するというような、何というか、今あなたの御答弁になっておることは、一つの逃げ道と言いますか、抜け穴と言いますか、そういう穴のありまするような表現で、あたかもこの元利補給については問題がないというようなこれは表現の仕方で、今の補助金限度額引き下げという問題を、これをそらしてしまって、そうしてこの財源保障に来て、国においてその財源保障するということでありながら、国はみずから負担はしない、地方財源でやっていいんだ、こういうことで、これは何と申しましても一種のごまかしということのほかに私ども考えられないと思う。  いろいろ御答弁は承わりましたが、私にはやはり、何と言いまするか、この大きな事柄の筋道の推移から考えてみましても、どうも納得がいかない、こう思うわけでありまするが、これについて一つ、私は同じことを伺っても仕方がありませんから、自治庁政務次官見えておりまするが、重ねて一つ自治庁政務次官の御見解を伺いたいと思います。
  22. 黒金泰美

    政府委員黒金泰美君) だんだんに御論議ございましたが、われわれから申しますれば、率直に申して、私有財産損害復旧でございますから、原則的には所有者復旧するのだ。ただし、大災害がありました場合には、その例外として国がめんどうを見る。国がめんどうを見るのが大体おおむねの前例になっておりますので、今回もそんな方法がとれれば一番よかったと思うのでありますが、御承知通りに、補助金適正化法律その他の問題がございまして、そこまで手を伸ばすことも困る。それならば、一つ起債でまず仕事をやって、そのあとから、元利補給するかどうか、こういうふうな考えで参りましたもので、私どもといたしましては、やはり元利補給がついておらないと、なかなか受益者からあっとで返すといってみましても、容易に返ってくるかどうかわかりませんし、また、国の方から交付税の中で見ようと申しましても、先ほど来お話のありましたように、交付税の中で果してそういうことを便宜的に見た方がいいのかどうか、これはやはり交付税本質論に入る問題であり、地方団体等事務分量なりあるいは経費負担の根本に触れる問題でございますから、そういう見方で今回の解決をすることは、いわば邪道ではないか。かように考えて、今までも主張しておった次第でございますけれども、御承知通り、なかなかまとまりません。この法律を出します際までに政府部内の意見一致しなかったことは、まことに残念に考えております。ただしかし、努力を今でも続けておりまして、率直に申し上げますが、きょうも、政務調査会の中で最後の意見の調整をしようと言っておったような次第で、できる限り早く政府内の意見を取りまとめたいと、切に願っておるような次第であります。
  23. 大沢雄一

    大沢雄一君 この起債のワクは、大体四、五億程度と承知しておりまするが、この配分につきましては、あるいはまた、起債許可につきましては、今の財源保障具体的方法、これがきまらない限りにおきましては、自治庁といたしましては、配分等、あるいは起債許可はもちろんでございますが、できないように思いますが、その点はどういうふうになりますか、ちょっと向いたいと思います。
  24. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 閣議決定をもちまして、小規模の農地災害等に対しましては地方債を認めるということがきまっておりますので、公共災害の確定を待ちました上、府県別配分額決定して参りたいと、かように考えております。
  25. 大沢雄一

    大沢雄一君 重ねてでございますが、私のお尋ねは、今の財源保障の具体的な政府意見一致を見なければ、その前に起債許可等がありますと、地方財政上私は問題だろうと思うのです。さればと言って、これがじんぜん日がたつようでは、これは災害復旧事業でございますから、非常に困る、こう思うのですが、その点について私は伺っておるわけです。
  26. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 起債許可起債許可財源保障財源保障と、切り離して考えるものだと、こう私たちは考えております。ただ、復旧事業を行います市町村が跡始末をどういう格好でやってくれるかということで態度が変ってくるのではないだろうかという心配を持っております。閣議決定をなさいました趣旨は、私どもは、補助金がわりの地方債、言いかえれば、農地復旧でありますから、個人が本来復旧事業をやるのであります。それを市町村がかわってやらなければ起債の対象になりませんので、小規模の農地復旧を一律に市町村にやらせる。そのかわり半分は起債をつけ、半分は農林漁業金融公庫から融資をしていく、こういう建前にしていく。補助金ならば一律に行くわけでありますから、地方債の場合も同じような格好で、全体的にそういう制度付けをしようというのが今回の閣議決定の精神だと考えております。従いまして、そういう意味地方債許可していくわけでありますが、跡始末がどうなるかということによって、市町村としてもちゅうちょしてくる向きが出てくるおそれがある、こう思っておるわけであります。
  27. 大沢雄一

    大沢雄一君 私は、この委員会委員の立場から申し上げるのでありますが、なるほど、この起債それ自体はこの特例による起債ではありません。一般の災害復旧起債でありますから、この法案とは直接関係がないということを、形式的にはこれは言えるかもしれませんが、しかし、実質的にはこれはもう災害の跡始末なのである。今起った、一日も早く復旧しなければならぬ、焦眉の急に迫られている災害の跡始末であって、その災害の跡始末に関する重要な問題が、これがその政府の意思決定もされないというこの現状のままでこの法案を審議しなければならぬということは、私は非常に遺憾に思うわけであります。願わくは、この法案は、これは年内にあげなければならぬと思いますが、この法案の審議中に、一日も早く政府一つ今の具体的な意思決定を、今私の申し上げました意見に是非従って一つ決定いただきまして、私どもこの法案をあげるについて、何ら災害復旧事業の進行について懸念がないというふうな気持で一つこの法案をあげることができますようにお願いしたいと思います。これを私は希望として申し上げておきます。
  28. 森八三一

    ○森八三一君 ただいま大沢委員の質疑応答を通しまして、政府意見一致しておらぬというのですから、ここで結論をお伺いすることは非常にむずかしいことなのですが、そういう政府部内の意見がこの問題について一致しないということに、私は非常に不審の感を持つのです。それは結局、自治庁政務次官がおっしゃることは、われわれの理解しておる当然のことをおっしゃっておる。それに対して相澤主計官のおっしゃるのは、何かこの地方交付税法というものを便宜主義的に考えていらっしゃるということにしか受け取れないのです。そこでお伺いしたいのは、繰り返し、大沢委員の質問に関連するのですが、地方交付税地方団体自主財源とお認めになるかならぬかということをはっきり一つお答えをいただきたいのです。もうほかのことは、配分する方法がどうだとかこうだとかいうことは別問題なのです。地方交付税というものは地方団体自主財源であるのかないのか、それは政府考えで勝手にどうでもなるという融通無碍のものと理解されておるのかどうか、根本観念を一つ伺いたい。
  29. 相澤英之

    説明員相澤英之君) なかなか片方に割り切ることが困難だろうと思いますが、私のあるいは個人的な見解になるかもしれませんが、とにかく交付税は国からの財源賦与である点については、他の補助金負担金と同じように、国庫支出金としての性格、従って、地方税あるいは地方譲与税というものと多少性格が異になるのではないか。つまり全く地方税と同じように、地方自主財源というふうに考えることは困難ではないか。しかしながら、主税に対する定率できめられるその額は、自動的にきめられるという点において、地方の全くの自主財源たる地方税その他と同様に、自主財源としての性格を持っておる。そういうふうに思います。
  30. 森八三一

    ○森八三一君 今のお答えでは、大蔵省考えが非常にあいまいであるということが明白になったように思うのです。この法律のできたときの基本観念としては、地方交付税は、これは地方税と同様のランクに置かれておるものであるということで国会は審議したと私は理解しておる。それを便宜主義的に拡大解釈をして、配分方法にいろいろあるから、それから逆に持ってきまして、拡大解釈されるということは許されぬと思うのです。これは今は私見でありますがという前提に立っておりましたから、それを私見と承わるのですが、政務次官どうですか。一体交付税法というものは、これは確固不動なものなんです。それをそのときの事態によって勝手に解釈をしていくなんということは許されぬと思うのです。あくまでこれは地方団体自主財源として確保されておるものである。
  31. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) 私も、専門家でないという点におきましては、お許しを願わなければいけませんが、自主財源と申しましても、地方公共団体自体の意思のみでやれる財源という意味ではなくて、やっぱり国の一種の意思の加わったものでありますが、その対象となっておる地方交付税そのものは、地方の自主的な財源である、こういうふうに考えたいと存じます。
  32. 森八三一

    ○森八三一君 どうもいろいろな雑音を入れて御説明なさいますから、ぼやっとしてくるのですが、これは、ここで幾ら論議しても尽きぬかもしぬが、これは、この法律制定の当時の精神に立脚して考えなければいかぬと私は思う。その後のいろいろな事態によってしかるべく考えるなんということは、これは許されぬことだと思うのです。  そこで、次にお伺いしたいのですが、今度のこの特例政府決定をして、われわれに審議を求められるときの態度として、大沢委員からもお話がありましたように、昭和二十八年の大災害のときに行われましたような補助率を引き上げる等の措置を講ずるということが議論になったけれども、それは、いろいろな問題から妥当ではなかろう、しかし、結果的には、それと同じ効果の生ずる方法をとろうということになっておった、そう理解しておるが、それで間違いございませんかどうか。これは、大蔵省はどう考えておるのか。今度のこの特例を作るときの考え方ですね。これは政府部内で意思統一があったと思うのです。そのときの意思統一された結論は、昭和二十八年災害のときのように、小災害等も拾い上げる、そうして国が補助をしようということが論議になった。しかし、それはいろいろな他の法律その他の関連からして、この際は妥当でない、しかし、結果的には、それと同じ効果のある方法考えようということで、こういう結論が生まれたと私は思っておりますが、大蔵省の受け取り方は、それで間違いないのかどうか。
  33. 相澤英之

    説明員相澤英之君) 確かにおっしゃいます通り、定義といたしましては、本年も、昭和二十八年災の場合と同様に、農地に対する補助限度額引き下げるかどうかということも問題になりました。これは、災害復旧事業の査定がその事務能力をこえるとか、あるいは補助金適正化法の問題とか、その他の点がありまして、これは、農林省におきましても、どうも本年適当ではないのじゃないか、そこでこれにかわるべき措置としてどういうものが考えられるか、そこで、この地方債を相当大幅につけるということが論議として上ってきたわけであります。従いまして、金額的に結びつきはないと思いますが、小災害について、補助事業とするか、あるいは起債を認めるかということについては、いわば振りかえの関係にあったかと思います。ただ、先ほど申し上げました通りに、地方債を全く新しく、農地に対する地方債は、従来全然法律上認められてなかったものを新しく認めるという態度ではあり得ることではなく、従来も多少なりともあったものを正面切って大幅に認めるということになったのでありまして、その点は、その元利償還につきましては、やはり従来通り交付税配分に織り込んでいけばいいのではないか、ただ、現在の元利償還金について、一円について二十八銭五厘というのは、どうも補助事業の場合の九十五銭に比べて非常に低いから、これはやはり倍とかそれ以上に引き上げることによって、その災害復旧事業をやった地方団体にとっては、元利補給を受けたのと同じような効果を生ぜしめたらいいのじゃないか、そうすれば財源的にも保障されるのじゃないか、閣議決定は、元利償還金については国においてその財源保障をするという婉曲的な表現をとりまして、元利補給を行うとしなかったのは、そういう交付税でもって措置するという意味であるというふうに私どもは聞いております。
  34. 森八三一

    ○森八三一君 交付税めんどうを見るか見ぬかということは、まあこれはあとの問題ですが、今度の措置に小災害というものを拾い上げたという精神は、これは、本来国が補助対象にして直接行うべかりしものを、便宜こういう措置によってやるということに振りかえたものであるかどうか、私は、今までもずっと愛知長官の説明等からも、そういう措置として便宜とられた方策であるというように了解をしておるのですが、それはどうなんですか。本来は二十八年のときと同じように措置をすべかりしものであった。それが適正化法とかいろいろな関係で、この際は妥当でないから、結果的にはそれと同一の経済効果が生ずるような措置をとるということでこういう方法がとられたのだというように了解しているが、その了解が間違いであるのか間違いでないのか。
  35. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) 今、森委員のおっしゃったような、この災害者に対する配慮は、全く私趣旨はそういうふうだったと思います。けれども、今主計官も申しましたように、小災害復旧事業につきましては、厳密な査定ができないとか、いろいろなこともありまして、話のうちにはございましたし、趣旨は全く森委員のおっしゃったようなことで、いろいろそこにニュアンスの相違と申しますか、ありましたが、大体そういう趣旨については間違いございません。
  36. 森八三一

    ○森八三一君 そうしますと、その結果として閣議決定されておりますその起債元利償還について保障をするということは、これは、そのものずばり国が負担をすべき義務を持っておるのだ、そういうことが閣議決定の精神であるとならなければ、今おっしゃるように、いろいろな関係から措置としての方法を変えたということにならぬので、そういうことにならなきゃならぬと僕は思います。といたしますると、自主財源として確定されておる交付税でその始末をするということは、これはまさに羊頭狗肉になるという結論になると思います。そういうわかり切ったことがいまだ閣内で話がまとまらぬので、この法律は通過して、五億の起債のワクは取れたが、それを配分してみたところで、今財政局長のおっしゃるように、理論的にはそれは可能であっても、受ける団体としては、その結果がどうなるかという心配が持たれるから、ちゅうちょしやせぬかということも想像できないわけではない。こうなると、災害復旧——一刻を争う問題が停頓をする。これはおそるべき非常な不幸が生まれるわけなんです。そんなことを今かれこれ論議しておるときじゃないと思うのです。でございますから、今私の申し上げましたように、便宜補助すべかりしものを起債という形に振りかえて、閣議決定は、その元利金について国が保障をするのだという精神は、自主財源として確定されておるものを食うという意味ではなくて、これは、そのものを端的に国が責任を背負うんだということにならなければ、閣議決定は何にも意味はないし、それが高じて、交付税本質を乱すような非常な大きな問題にまで発展していくと思うのですが、政務次官どうですか。これはもう論議の必要ないことじゃないか。
  37. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) 災害者に対する手当といたしましては、仰せの通りな精神でやらなくちゃいけないと存じますけれども、これまでの例を見ましても、二十八年度においては、被害額も二千六百億という、非常に大きなものであった関係もございましたでしょうが、その後におきましては、数次災害がございましたけれども、そういう特別措置はやっておらなかったこと等から勘案いたしまして、今、森委員のおっしゃるような御趣旨よくわかりますけれども趣旨といたしましては、閣議決定におきましても、今日そういう解釈がいろいろ出てきたということはまことに遺憾でございますけれども、当時におきましては、一応思想統一をされまして、交付税でやると、こういうことでまあおさまったと言いましてはいかがかと思いますが、そしてこの今回の法律案の提案と、こういうふうになった経過でございまして、御了承願いたいと思います。
  38. 森八三一

    ○森八三一君 趣旨は、政務次官お話ですが、地方自治庁政務次官いいですか。その閣議決定は、交付税措置をするということで話がついて、この法律案ができて提案された。こうなると、愛知長官の御説明とはまるでこれは違ってしまうので、そういうことは大蔵省考えておったというのなら、これはまあ好ましい姿ではないが、この場のものとして一応聞きのがしはできますが、閣議決定のいきさつの際に、この処置は交付税をもって措置をするということが了解せられてこの法律の提案になった、こういうことになると、この間の地方自治庁事務官の御答弁なり御説明は全くわれわれをごまかした、こういうことになってしまうのですが、よろしゅうございますか。
  39. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) ただいま私の申し上げましたのは、愛知長官と意思を統一して今日出ておったわけでもございませんので、いかがかと存じますが、少くとも大蔵省側といたしましては、そういう見解で今日まで参っておりましたことには間違いございませんので……。
  40. 黒金泰美

    政府委員黒金泰美君) ただいま、だいぶ政府部内の意見のそごが露呈いたしまして、まことに恐縮でございますが、今、佐野政務次官からお話しございました通りに、大蔵省はもう終始そのお考えのようでございます。また、私どもの方も、終始変らない意見でありまして、従って、閣議の前に了解がついておったのでない。お互いに文句を持ち寄りましたけれども、両々相譲らないものですから、いずれなりとも解釈できるような言葉でもって、その後にもっと具体的に煮詰めていこう、こういうことできまったように私は了承いたしております。従って、この言葉大蔵省流に解釈しようと思えばできるかもしれません。私どもはそうでなくて、やはりこれは、先ほど来御議論のございましたように、元利を保障してもらうのでなければ筋が通らない。従って、その具体的な問題につきまして、この閣議決定後におきましてもいろいろ折衝を重ねておったのであります。まことに残念なことに、この法律提出までに調整を見なかったのでございます。恐縮でございます。
  41. 占部秀男

    ○占部秀男君 これは、あとあとまた尾を引く問題ですから、私ははっきりさせておかなければならぬと思いますが、佐野さんでも相澤さんでもけっこうでありますけれども、これは、地方交付税というやつは、一つには、地方団体自主財源を与えるということもありますが、もう一つには、一定行政水準を維持させるために財源の均衡をはかるというのが非常に大きな目的ではないかと私は思うのですが、その点はいかがでございますか。
  42. 相澤英之

    説明員相澤英之君) おっしゃる通りだと思います。
  43. 占部秀男

    ○占部秀男君 そうなりますと、先ほど相律さんのおっしゃったように、地方自主財源ではあるし、国から出ていく金であるということにおいては間違いない。その意味では、国の何とかいうことを言われましたが、法の建前からいけば、国が関与するという問題は、各地方団体における財源均衡化をはかるという、そうした面について特に国がこれに関与するのであって、それが自主財源である自主財源でないということについて国がある程度、何というか、関与するという問題では私はないと思うのですが、その点、一つはっきりしておきたいと思います。
  44. 相澤英之

    説明員相澤英之君) おっしゃる通り交付税は、交付税法の第三条にございます通り、「財政需要額が財政収入額をこえる地方団体に対し、衡平にその超過額を補てんすることを目途として交付しなければならない。」その場合の財政需要額をどう見るか、財政収入をどう見るかに国の配分の意図が現われるわけでありますが、その財政需要額にどのようなものを見るかという点は、多分に政策的な見地もあると思います。そこで、災害復旧事業地方債につきましても、たとえば、補助事業については九五%見込む、単独事業は二八・五%見込むというのも、それぞれその経費重要性を勘案いたしまして、財源保障を行う際に、どのくらいのウエートをそれぞれ見込むかということになるかと思います。そこで、この農地単独復旧事業元利償還金につきましても、これは、現に二八・五%は基準財政需要額に見込むことになっております。それ以上に地方団体に対して農地災害復旧事業を行うことの意味が重要であるというふうに判断する場合は、その基準財政需要額の算入額を上げていくことも十分考えられるのじゃないか。そういう方法で、やはり国としての政策のポイントの置き方がはっきり現われてくるというふうに考えております。
  45. 占部秀男

    ○占部秀男君 確かにそういう場合があるわけですけれども、それは一般的な場合じゃないですか。私の言い方が少しおかしいかもしれませんが、今度の問題に関連しては、閣議ではっきりと、国が財源保障するということを決定しているわけです。そうすると、これは財源均衡化しようという問題ではなくて、別に財源保障してやろうという問題であると私は思うのです。閣議決定がかりに、今度の七、八、九月の災害があるために、災害地方で緊急対策のために財源がかれている。そこで財源均衡化して均衡化することによって、そのかれているところへ保障し、何というか、埋めさせようじゃないか、こういう決定をしたならば、地方交付税の中でそれはやられることもあるいはあることかもしれません。ところが、今度の閣議決定は、私は閣議に出ているわけじゃないですから知りませんが、大沢先生からお聞きすれば、国が財源保障するということを決定している。国が財源保障するということは、これは均衡化するということじゃなくて、別に財源を取って与えようということ、これは常識でもわかることだと思うのです。それを何か交付税法の中に引っかけるのは、どうも私たちは、素朴な考え方かもしらぬけれども大蔵省考え方は少し拡大解釈をするような気というか、筋がちょっと間違っていはしないかと思うのですが、その点についてはいかがですか。
  46. 相澤英之

    説明員相澤英之君) 閣議決定の案文、文言が問題になっておりますが、この二項は、右の地方債元利償還金については国においてその財源保障する、どういう経緯があったかはつまびらかには申し上げかねますが、この元利償還金を補給すると書くか書かんか、いろいろ問題がございました。それからこれは、今度の地方債特例を出す際に、これに引っかけて、単独災害復旧事業についての元利補給を書くか書かないかという点があわせて問題になった。そこで、結局元利補給という字を避けて、元利償還金について財源保障するということは、交付税めんどう見るのだというふうに解釈する。そういうことになったのだというふうにうちの大臣が言われるものですから、そうわれわれは考えております。それから法案については、その点問題はありましたが、元利補給の条項を落したことで、政府としては一応意見一致を見ているというふうに解釈しております。
  47. 占部秀男

    ○占部秀男君 そうすると、重ねてお伺いしますが、閣議財源保障するというその決定の内容については、こういうふうなことに解釈をするのだという大臣の解釈に従ってやられたということなんだな。そうすると、大臣に来てもらわんと解釈の内容がはっきりしないと思うのですがね。委員長、どうなんですかな。今の点ですね。大臣が、閣議決定の内容が地方交付税の中で問題を処理するのだというふうに解釈してこられて、それを言われたので、そういうふうにわれわれはやっただけだ、こういうふうに相澤さんが言われるのですが、そうなると、やはり大臣に来てもらって、閣議決定解釈をはっきりしてもらわんと、これはちょっと困るじゃありませんか。
  48. 田中啓一

    委員長田中啓一君) わかりました。
  49. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) 今、占部先生お話がございましたが、閣議には愛知大臣もおったことでございまして、お聞きになったように承わりましたが、今申し上げましたような点においては、ちょっと今日、率直に申し上げまして、解釈が二つのような、自治庁自治庁のような希望に基く御主張があり、大蔵省は今申し上げましたような次第で解釈をしたと申しますか、それで、今主計官が申しましたように、私は、地方自治の方には十分理解と同情を持っておるつもりでありますが、今のように、元利補給というふうなことを入れようという話がありまして、それをこういうふうに改めようというふうなことになったように聞いております。これは、自治庁の方を押えるとか押えないとか、そんな思い上った気持でなくして、経過的にそうであったわけでありまして、今承わりますと、衆議院の方でも意見の調整が今なされておるやにも聞いておりますので、間もなくその結論が出るのじゃないか、現段階においてはそう思いますので、私、そう大臣を出し惜しみするわけでもございませんが、いたずらに長引くだけじゃないか、こういうふうに思いますので、その点については、御趣旨を体しまして、よく報告もし、善処したいと思います。
  50. 田中啓一

    委員長田中啓一君) 委員長に関する御質問の部分をお答えいたしますが、両省の御意見を伺っておりますと、解釈が違うようであります。そのように聞えます。しかし、これは政府方針でありますから、とにかく具体的に一致をした意見で御答弁を願わなければ、当委員会としては対処のしようもないわけであります。従って私は、本日は、この問題については、大体まあつき詰められたわけでありますから、この程度にして、ほかの問題はまだございますれば、(「その前に関連してとと呼ぶ者あり)それでは一応、なお質問があってもけっこうでありますが、私は、なお明らかにしたい点があればけっこうであります、していただきますが、これは、本日は予備審査で、とうてい本日中に衆議院からこちらに法案が送られるとは思われませんから、やはり質疑続行のままで明日も委員会を一応開くことにして、まあ衆議院が上ってくればすぐこちらもやる、上らないものなら、仕方がないから上るのを待たなければ委員会が開けないと思いますが、とにかく一応やることにしまして、従って、政府としては、明日までに一つ統一ある御方針をお定めの上で両省から御答弁を願う。本日は、もうどうしてもこれは、政府部内はお考えが違ったままで二つの意見が出てきておる、こう了解するほかに仕方がないのであります。でありますから、どうせなおそれだけのことで時間の余裕もあることでありますから、明日までに一つ御統一を願いたいと思います。
  51. 占部秀男

    ○占部秀男君 ちょっと、今委員長お話の明日の会議の問題ですが、今の問題が、これは、われわれこれを延ばそうというのではないですよ。これを通さなければならぬと思うのです。ただ、明日といっても、明日までに実際できますか。むしろ私は、来週の火曜日はどうせ定例ですから、定例にやれば、それまでには幾ら何でも、幾ら何でもと言っては失礼ですが、政府の方でも統一されるでしょうから、そこで問題はもう尽きているのですから、だから、そうしたらどういうようなものですか。
  52. 田中啓一

    委員長田中啓一君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  53. 田中啓一

    委員長田中啓一君) 速記を始めて。  この問題は、明日までに政府は、できるならば御見解を統一して御答弁をお願いいたします。
  54. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 今の委員長の、明日までに政府の統一見解を求める、期日を制限したことは……期日のことでなしに、先ほどからといいますか、それよりも、一昨日からのここでの問題は、これは大蔵省の方も十分おわかりだったと思いますが、やはり今回の措置は、まあ従来の例がどうとか、二十八年以降こうこうであったとか、いろいろお話がありましたが、私ども一応そういうことを承知しておりますが、少くとも閣議決定というものは、これはまあ解釈はどういうふうになるか、私はすなおに、今の農地災害復旧市町村等の団体で行う場合には起債も認めるし、従って、その起債の分に対しては元利補給もするのだ、こういうようなものだ、こういうような表面づらからそれを眺めておったわけですが、従って、今回そういう措置が当然とられるものと期待しておった。それから、先ほど来のお話で、たとえば、農地の場合に五〇%、あるいは農業水利とか、その他の施設の場合には六五ですか、いずれそういう例、そういうものとの振りかえという形で今回起債を認めるのだ、こういうふうに考えられておったというふうにもまた聞きとれるのだし、従って、そういう場合には、私どもやはりすなおに考えて、何らかの、これは私は、一〇〇%と言わなくても、率の問題では多少のそれがあったにしても、別途の、いわゆる交付税を食うという形でなしに、元利補給とは別に講ぜられるべきものだというふうに考えるわけなんです。おそらく各委員の質問等もそこにあると思うのですが、交付税本質的な考え方がどうのこうのと、いろいろ論議はありましたけれども、私どもすなおに考えてみて、それがやはり今回の災害復旧に対してとられた措置一つの当然の道じゃなかったか、こういうふうに思うので、ただ、委員長のおっしゃいましたように、統一見解と申しますか、統一された態度といっても、何か今話を聞いてみても、どうも大蔵省に押し切られそうな感じがするのですが、佐野さん、まず、私は別にあなたにどうのこうのということじゃございませんけれども、ですから、これはやはり私がさっき申し上げたようなすなおな形でやることが当然だと思うし、やはり交付税の従来の二八・五を倍にするか三倍にするか、それはそのときだ、いずれ交付税によって見るのだと、これはやはりとるべき態度ではないと思うのですが、一つこれは、質問というよりも、今の委員長のお言葉からしてちょっと心配なものですから、要望めいたことになるわけですが、十分一つ御検討して、これは皆の期待するような答えが出てくれないと、私は実は困るのじゃないかと思うのですが、この点一つ申し上げておきたいと思います。
  55. 田中啓一

    委員長田中啓一君) ほかにはございませんか。  それでは、本案に対する質疑は、この程度に本日はとどめます。   —————————————
  56. 田中啓一

    委員長田中啓一君) 次に、他の一般行政に関する御質問がございますから、それを議題に供します。
  57. 占部秀男

    ○占部秀男君 実は、公務員課長にお願いしたいのですが、というのは、藤井局長がおれば質問がしたがったのですが、病気ということですから、やむを得ませんから、この次に局長に一つお伺いしたいと思うのですが、ちょっと調査だけ適確にしておいていただきたいものがあるのです。それは、群馬県のおとといの県議会で、あすこでは勤務評定の闘争が起っているのですね、土佐と一緒に起っているのですが、そこで、勤務評定をのまなければ定期昇給はさせないという形で、何か勤務評定を条件として、定期昇給を禁止するような県の条例を急に出して夜明けに可決したということを聞いておるのですが、まあ内容について、私も一応調べたものがありますけれども、これは非常に大きな問題で、群馬だけの問題でなく、全国的にこういう問題が起れば、これはもう非常に、職員側としても挑発されるような問題になるし、県政の運営の上にも大きな影響のある問題でもあるし、特に法律上にも疑義がある問題だと私は考えるので、そこでこの次に、その点についての御質問をしたいと思うのですが、この次の会までに、群馬の給与条例ですね、県の給与条例と、それから今度の改正といいますか、議員提出で改正した改正案ですね。改正された、議決されたものと、これを一つ至急に取っていただきたいことと、同時に、その状況について適確な一つ御報告をこの次の委員会にお願いをしたいと、こういうことであります。
  58. 今枝信雄

    説明員(今枝信雄君) お尋ねになりました件は、私どもの方は正式に報告を受けておりませんので、さっそく調査をいたしまして、資料を提出することにいたします。
  59. 占部秀男

    ○占部秀男君 よろしくお願いいたします。
  60. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 これは新聞ですから、私、よくわからないので、あわせて一つお調べいただきたいと思うのです。新聞の、群馬の今の件について報ぜられたものの中に、和歌山ではそういう条例ができておるのだ、こういうのが載っておりましたものですから、念のために、和歌山の分についても一つ調べていただいて、資料として出していただければありがたいと思います。
  61. 占部秀男

    ○占部秀男君 なお、その際に、この問題について緊急に群馬では人事委員会を開いて人事委員会意見を、何といいますか、具申しておる、県議会の方へ。ですから、その内容を一つあわせて取っていただきたいと思います。
  62. 今枝信雄

    説明員(今枝信雄君) ただいまの点は、両方とも私の方で至急調査いたします。
  63. 田中啓一

    委員長田中啓一君) それでは、本日はこの程度にいたしまして、散会をいたします。    午後二時四十三分散会