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政府委員(
中道峰夫君) この
港湾行政の統一あるいは改善の問題につきましては、現在行政
管理庁等におきまして種々検討が加えられておるわけでございますが、
港湾当局といたしましては、終戦後混乱をいたしておりました
港湾行政を統一し改善をするために最善の方法を見出すということで、
相当の長時日にわたりまして現行の
港湾法を制定をいたしたわけでございます。私たちといたしましては、現行の
港湾法が最も進歩した
港湾行政のあり方であるというふうに考えておるわけでございます。
今回の行政審議会の答申に対しましては、昨日実は参議院の運輸
委員会で、運輸大臣から御答弁を申し上げたのでございますが、運輸大臣は、
港湾管理者の現在の機構についてはこれを変えることはいたしません、現在の
港湾の
管理者のまま、そのままこれを存置していくというふうに、はっきり申されておるわけであります。
なお、
港湾の行政の改善につきましては、そのほか、私どもといたしましては、窓口行政の改善、つまり実際の
港湾を
利用する各
業者の方々が最も便利であるということが主眼でございますので、それをいたしますのには、どうしても合同庁舎等の方法によって
港湾で行われておりまする業務を一ヵ所で
処理できるようにするのが、現在の実情を改善する最も最善、最も大事な方法であるというふうに考えるわけであります。
で、お説のように、
港湾の行政と申しましても、
港湾の
管理者が行なっておりますいわゆる営造物行政、それから国が行なっておりまする税関、あるいは動植物、入国
管理、検疫等の業務がございます。それで、
先ほど申しましたように、
港湾管理者の営造物
管理行政は、現在の機構を変革するものではございません。もちろん、機構は変革いたしませんでも、これをさらに育成強化するということは当然考えられると思います。それで、その他のいわゆる国が行なっております業務については、終戦後以来、動植物その他入国
管理、検疫等につきまして、指定されております
港湾の数も少うございますし、それからそれらの業務を行う役所が、
港湾地帯でいろいろな
関係上、散在をしておるわけであります。従って、この
利用者に対して非常な不便を与えておる。それから、いろいろな手続事務につきましても、いろいろな役所がございますので、それらに提出する書類がまちまちであり、また提出する場所も違うというふうなことでございますが、それらの様式等もできるだけ単一化し、同一のものは同じ形式にして、簡便にこれが済むようにしたいというふうに考えておるわけであります。で、ただ、それらの業務は、いずれもいわゆる縦割りの業務でございまして、横に直接
関係はないわけでございます。従って、一番大事なことは、あちこちに書類を回したり足を運んだりする必要はないということで、現実の問題として一番不便を痛感されておるわけでございますので、どうしてもこれは合同庁舎のようなものを作りまして、その中にそれらの業務をまとめまして、そこへ行けば、一定の様式に従い、各種のそれらの業務が全部果せるというふうにいたすことが一番大事なことじゃないかというふうに考えるわけでございます。
なお、戦前は、それらの業務は、
港湾管理者もございませんし、海運局等の出先もございません。税関において委任を受けて一括してやっておるというのが戦前の状況でございます。しかし、戦後は、
港湾管理者もでき、
港湾法も制定されまして、いわゆる
港湾の営造物行政、そういったものが現在確立いたしておるわけでございますので、その線に沿うて、
港湾の統一なり改善を考えていくべきものだというふうに考えておるわけであります。