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1959-01-30 第31回国会 参議院 商工委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十四年一月三十日(金曜日) 午後二時二分開会
—————————————
委員
の異動 十二月二十五日
委員松野孝一
君
辞任
に つき、その
補欠
として
木島虎藏
君を議 長において指名した。 十二月二十六日
委員森田豊壽
君
辞任
に つき、その
補欠
として
小西英雄
君を議 長において指名した。 一月二十六日
委員加藤正人
君
辞任
につ き、その
補欠
として
岸良一
君を
議長
に おいて指名した。 一月二十七日
委員
古
池信三
君及び
相馬
助治
君
辞任
につき、その
補欠
として鈴
木万平
君及び阿
具根登
君を
議長
におい て指名した。 本日
委員西田隆男
君
辞任
につき、その
補欠
として
迫水久常
君を
議長
において 指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
田畑
金光
君
理事
上原 正吉君 小幡 治和君 島 清君
大竹平八郎
君
委員
小西
英雄
君
迫水
久常
君 高橋 衛君 堀本 宜実君
阿部
竹松君 海野 三朗君 豊田
雅孝
君
国務大臣
通商産業大臣
高
碕達之助
君 国 務 大 臣
世耕
弘一君
政府委員
公正取引委員会
委員長
長沼 弘毅君
公正取引委員会
事務局長
坂根 哲夫君
経済企画庁長官
官房長
宮川新一郎
君
経済企画庁調整
局長
大堀 弘君
経済企画庁総合
計画局長
大
來佐武郎
君
経済企画庁総合
開発局長事務代
理 竹田 達夫君
科学技術庁長官
官房長
原田 久君
科学技術庁長官
官房会計課長
杠 文吉君
科学技術庁企画
調整局長
鈴江 康平君
科学技術庁原子
力局長
佐々木義武
君
科学技術庁調査
普及局長
三輪 大作君
通商産業大臣官
房長
齋藤
正年君
通商産業大臣官
房会計課長
阿部
久一君
通商産業省通商
局長
松尾泰一郎
君
通商産業省
企業
局長
松尾
金藏君
通商産業省重工
業局長
小出 榮一君
通商産業省鉱山
局長
福井 政男君
中小企業庁長官
岩武 照彦君
事務局側
常任委員会専門
員
小田橋貞壽
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
理事
の
補欠互選
○
経済
の
自立
と
発展
に関する
調査
の件 (
昭和
三十四
年度
通商産業省
の
予算
及び
施策
に関する件) (
昭和
三十四
年度
経済企画庁
の
予算
及び
施策
に関する件) (
昭和
三十四
年度
科学技術庁
の
予算
及び
施策
に関する件) (
公正取引委員会
の
業務概況
に関す る件)
—————————————
田畑金光
1
○
委員長
(
田畑金光
君) ただいまより
商工委員会
を開会いたします。 昨日の
委員長
及び
理事打合会
において決定いたしました
事項
については、お手元に印刷配付いたしておりますので、御了承願いたいと存じます。
—————————————
田畑金光
2
○
委員長
(
田畑金光
君) 次に、
委員
の
変更
について御報告いたします。
加藤正人
君、
相馬助治
君及び古
池信三
君が、それぞれ
辞任
され、
岸良一
君、阿
具根登
君及び
鈴木万平
君が、それぞれ
補欠
として選任されました。
—————————————
田畑金光
3
○
委員長
(
田畑金光
君) 次に、
理事補欠互選
についてお諮りいたします。 先ほど御報告いたしました
通り
、
理事相馬助治
君の
委員
の
辞任
に伴って、
理事
が欠員となりました。 つきましては、この際、
理事
の
補欠互選
を行いたいと思いますが、先例によりまして、
委員長
において、指名いたすことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なしと」呼ぶ者あり〕
田畑金光
4
○
委員長
(
田畑金光
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
鳥清
君を
理事
に指名いたします。
—————————————
田畑金光
5
○
委員長
(
田畑金光
君) 次に、
経済
の
自立
と
発展
に関する
調査
、特に
昭和
三十四
年度
における
通商産業省
、
経済企画庁
、
科学技術庁
の各
予算
及びその
施策
に関する件並びに
公正取引委員会
の
兼務概況
に関する件を議題といたします。 まず、高
碕通産大臣
より
通商産業省
及び
科学技術庁
について御説明願います。
高碕達之助
6
○
国務大臣
(高
碕達之助
君)
通商産業政策
の重点について、御説明申し上げます。 昨年停滞的に推移した
わが国
の経済も、最近
国際収支
の改善、
生産出荷
の
回復等漸次好転
のきざしを示すに至りました。 しかしながら一方、繊維、
石炭等
一部の
産業部門
においては今なお不況の域を脱し得ぬものもあり、今後
産業政策
の遂行に当っては、強力な
部門別対策
を講じて、均衡のとれた
経済発展
を積極的にはかることが肝要と存じます。 また、昨年末断行された
西欧通貨
の
交換性回復
は、
世界貿易
の
自由化
に一歩を進めたものでありますが、
わが国
といたしましては、今後の世界的な
輸出競争
の激化に備えて、企業の体質の改善、
自己資本
の充実、
コスト引き下げ
のための
合理化
、
過当競争
の
是正等
をはかることはもちろんのこと、待にこの際、国のあらゆる施策を
輸出振興
に結集して、これを推進してゆくことが必要であると考える次第であります。 以下、今後とるべき施策について、
通商産業政策
の四つの柱である (1) 貿易の振興と
経済協力
の推進 (2)
産業基盤
の強化と
産業体制
の確立 (3)
中小企業
の振興 (4)
鉱工業技術
の振興 の各分野について具体的に御説明いたします。 まず三十四年度の予算でありますが、その総額において三十三年度の約百八億円に対し、約二十一億円増額の百二十九億七千七百万円余を計上いたしており、また当
省関係
の
財政投融資
の総額は千五百四十七億と、三十三年当初計画に比して四百七十五億円の
大幅増額
となっておるのでありまして、上記のごとく、
一般会計予算
及び
財政投融資
の確保と運用により、今後
重点施策
の積極的な推進を期することができると考えておる次第であります。 以下、各
項目ごと
に
具体的施策
の概要を申し述べたいと存じます。 第一は、輸出の振興と
経済協力
の推進であります。 言うまでもなく、
輸出振興
の根本は、産業の
対外競争力
の強化と安定した
海外市場
の
維持拡大
をはかり、一時的な
海外市況
の変動に左右されない強固な
輸出力
を培養することにありますが、最近の実情をみると、
プラント類
を中心とする
重化学工業品
の
対外競争力
は全般的には依然として弱く、反面、比較的
競争力
のある繊維、
雑貨等
の軽
工業品
については、国内における
過当競争傾向
及び
海外諸国
における依然として根強い
輸入制限傾向
が見られますので、今後の
輸出振興策
は、これらの面に焦点を合せて実施していく必要があると考えるのであります。 すなわち、三十四年度においては、まず第一に
プラント類
の
輸出促進
について、特に意を用いることといたした次第であります。
海外市場
の調査、商品の
普及宣伝
、貿易の
あっせん等
を内容とする一般的な
海外市場対策
といたしましては、昨年度、これがための
国家的中核団体
として
特殊法人日本貿易振興会
を設立し、引き続き三十四年度においても、その充実をはかった次第でありますが、今後における
プラント輸出
の促進のためには、後述のごとく、
輸出入銀行
の
資金源
の充実をはかることはもちろんのこと、特に三十四年においては、その
画期的強化
のための第一ステップとして、
プラント協会
における
技術相談業務
のより一そうの強化に努めるほか、新たに
プラント類
のコンサルティングにかかるリスクに対し
国家補償制度
を創設し、その実務を
上記プラント協会
に委託して行わしめることとし、これに所要の
立法措置
を講ずる方針であります。 第二は、従来、とかく施策の十分を期し得なかった
雑貨輸出
の促進のための施策の
整備充実
を期したことであります。 すなわち
輸出雑貨
の品質の向上と
デザイン
の
盗用防止
をはかり、その輸出を促進するため、
輸出品デザイン
の登録、
認証制度
の整備と
優秀デザイン
の
指導奨励
を強化するとともに、
輸出雑貨
の
共同検査場
の設置につき助成を行い、これらの業務に携わる業界の
中核機関
を育成することにより、今後の
雑貨輸出
の伸長を期している次第であります。 なお、
輸出振興
のため、業界における
過当競争
をいかにして排除するかという問題は、
わが国経済
の全般に関連する非常にむずかしい問題でありますが、これにつきましては、何よりも業界における自主的な
調整活動
を育成促進することはもちろんでありますが、これを補完するため
最小限度
に必要な
法的措置
として
輸出入取引法
の
改正法案
を前
臨時国会
に引き続き今国会に提案し、御審議をわずらわしておりまして、そのすみやかな成立を希望いたす次第であります。 次に、
経済協力
の推進でありますが、さきに断行された
西欧通貨
の
交換性回復等
により、後進国における
外貨不足
が、今後ますます深刻化する傾向にありますので、これらの国の
経済開発
に協力いたしますことは、今後における
わが国貿易
の
長期安定市場
の培養、
海外原料
の安定した供給の確保、
中小企業
の海外への
進出等
をはかる意味におきましてもきわめて
重要性
を加えつつありますので、今後とも、東南アジアを中心とする
経済協力対策
を積極的に展開する方針であります。すなわち
円クレジット
の供与、
延払方式
の
採用等
による
資本協力
につきましては、さきに、印度及び
アラブ連合
に対して決定を見たのでありますが、今後、さらにその他の諸国についても検討中であり、その
対象品目
の
拡大等
につきましても、あわせて考えたいと存じます。 このため日本
輸出入銀行
の
貸出資金
についても、
プラント輸出
の促進をもあわせ考慮し、三十三年度当初計画に比し七十億円の増額に当る八百億円を確保することとし、このため三百六十億円の
財政資金
の投入をはかる方針であります。 なお
海外技術センター
の運営、海外における
産業経済
の
調査研究等
の事業につきましても、三十三年度に比し格段の
予算的措置
を講じ、その
拡充強化
を期している次第であります。 最後に、昨年末行われた
西欧通貨
の
交換性回復
の問題でありますが、いましばらくは、各国別の詳細な実情の把握に努めたいと存じますが、いずれにしても、今直ちに完全な
貿易自由化
への突入がなされることはないと考えられますので、今後、その国際的な影響をもしさいに検討しつつ、当面、多少の
貿易管理
及び
為替管理面
の
順応措置
をとることにより、業界においても、著しい混乱なくこれに対処していけるものと考えておる次第であります。 しかしながら、今回の
交換性
の回復は、
世界経済
の
貿易自由化復帰
への大いなる第一歩であることは間違いないところであり、かかる点から、早急に国内の
産業政策
、
貿易政策等
に全般的な再検討を加えることはもちろん、この際、国をあげて経済の
体質改善
とその
正常化
に徹する決意を固めなければならぬと考える次第であります。 第二は、
産業基盤
の強化と
産業体制
の確立であります。 さきに申し述べましたごとく、
わが国経済
も、ひところの苦境を脱して、ようやく落ちつきを見せはじめ、次第に
安定成長
への道を着実にたどるものと考える次第でありますが、このような発展は、放っておいて自然にもたらされるものでなく、文字通り官民の協力による努力が必要なことはいうまでもないのでありまして、この際、以上申し述べた輸出の振興と並んで、経済の体質の
改善強化
をはかることが肝要と考える次第であります。 これがためには、先ず第一に、産業の基盤をなす道路、港湾、
工業用水
、
工場用地造成
、
輸送施設等
の
画期的強化
と、電力、石炭、
鉄鋼等基礎産業部門
の整備及びその価格の安定をはかることが要請され、第二に、各企業の
自己資本
の充実をはかるため、
税制上等
の面において根本的な再検討を行うと同時に、
過当競争
や
経済変動
に対処し、
国際競争力
の強化に資するため、
業界自身
が自主的に調整を行い得るようにすることが必要であると存ずるのであります。 また一方、繊維、石炭、
肥料等
、構造上の問題点をはらんでいる一部の
産業部門
に対しましては、適時適切に
部門別
の対策を講ずるとともに、過渡期における
経済発展
に取り残されがちな
中小企業等
に対しましても、適切な配慮を行い、今後均衡のある
経済成長
をはかることが肝要と存じます。この際特に留意すべきは、今後における
財政投融資
の
国民経済全般
に占める役割の
重要性
についてであります。これがため、今後考えられる
民間設備投資
の減退を補いつつ、かつ、
民間資金
の
誘導活用
をはかることを目途に、三十四年度は大幅な増額を行うと同時に、緊要度の高い
産業部門
への
重点的投入
をはかることといたしている次第であります。 なお、
産業立地条件
の整備に関しましては、特に緊急を要する
工業用水道事業
について、その助成を強化するとともに、三十四年度は、特に工場の
適正配置
に関する施策の推進をはかるべく、
目下所要
の準備を進めております。 第三は、
中小企業
の振興であります、御存じの通り、
中小企業
は
わが国経済
上きわめて重要な地位を占めている反面、その規模が零細であり、かつその数がおびただしいため、絶えず経営の不安定に悩んでおり、また、その
設備技術等
においても立ち遅れておりますので、今後とも、
中小企業
の特質に応じました
振興策
を適時適切に講じて行く所存であります。 まず、
中小企業
の
組織化
によるその経営の安定をはかるため、
中小企業団体組織法
の円滑な運用をはかるとともに、
小売商業
の振興のため、
小売商業特別措置法案
のすみやかなる成立を期待しておる次第でございます。 次に、
中小企業
の金融問題については、
中小企業
の旺盛な
資金需要
を充足するため、三十四年度は、
中小企業金融公庫
及び国民金融公庫に対して、それぞれ二百七十五億円及び二百五十億円を
財政資金
から融資し、運用額において、三十三年度を上廻るそれぞれ六百四十五億円及び九百十億円を確保いたすことといたしました。 また、商工組合中央金庫については、三十三年度当初計画に比し、二十億円増の百五十億円の
貸出純増
を行うため、三十二億円の
財政資金
の投入を行うことといたしておりますが、一方その効果として、懸案の
金利引下
を実現し得ることとなる予定であります。
中小企業信用保険公庫
につきましては、三十四年度は、
零細企業金融
に重要な役割を果している
保証協会
の業務の拡大と
保証料率
の引下をはかるため、
保証協会
に対する
融資基金
として、
政府出資
十億円を行うことといたした次第であります。 一方
中小企業
の体質を改善し、その
経済的競争力
を強化するため、
中小企業
の
生産性
の向上と
合理化
をさらに促進する必要がありますので、
共同施設
の設置及び設備の
近代化
並びに各都道府県の
試験研究機関
の
設備増強等
に意を用いる所存でございます。 なお、当面
経済活動
が
安定的上昇線
に乗るまでの過程において、過渡的に
中小企業面
に生ずる影響につきましては、今後とも、
財政面
、
金融面
その他において、適時適切に対策を講ずる所存であります。 最後に三十四年度においては、初年度五百三十億円、平年度七百億円の
大幅減税
を断行するとともに、税制の
合理化
をはかる方針でありますが、特に
中小企業
の税負担の軽減は、
中小企業対策
の最も重要なものの一つである点にかんがみ、懸案の
事業税
について、
個人事業税
の
基礎控除
を十二万円から二十万円に引き上げるほか、
中小法人
の
事業税
についても、その軽減をはかることといたしておる次第であります。 第四に、
鉱工業技術
の振興であります。 以上の諸施策を推進いたしますための
基礎条件
として、
鉱工業技術
の画期的な振興が特に必要であることを痛感するのであります。御存じの
通り欧米諸国
の
技術進歩
は、まことに目ざましいものがあり、
わが国
は、これに著しく立ち遅れていると存ずる次第でありまして、この際、
官民力
を合せて、その推進をはからねばならぬと存ずる次第であります。 これがため、まず
国立試験研究機関
の設備の更新、
近代化等
により、その機能の
強化拡充
をはかり、
産業界
からの各種の要請に応じ得る体制を整備いたしますとともに、今後最も緊急を要する
電子技術
、
オートメーション技術
、
分析技術
及び
生産加工技術等
の基本的かつ新規の技術の研究のほか、新たに
エネルギー技術
、
汚水処理技術等
の研究につきましても、各試験所の
総合的能力
の発揮に努め、迅速な成果を得て、各界の要望に応じ得るようにいたしたいと存じます。 また、
民間研究活動
の強化のため、特に、
電子技術
、
中型輸送機
の
設計研究
、
工作機械
の
国産化
を初め、
木材化学
、
石炭化学
、新
金属利用開発等
の
重要研究
の実施についての助成を一層強化し、あわせて
研究成果
の
普及徹底
及び
企業化
の促進に関し、各般の施策を総合的に行い得るよう措置する方針であります。 なお、
中型輸送機
の試作については、この外、
政府出資
による
特殊法人
を設立するべく、所要の
立法措置
を準備中であります。 また、特許、
実用新案
、意匠、商標のいわゆる
工業所有権関係
四法につきましては、それぞれ
大正年間
の改定にかかるものであり、その後の時運の進展に即応するべく、
慎重検討
中のところ、このたび、それぞれ根本的な改正の成案を得ましたので、今国会に提案いたし御審議を願うことに相なっております。 以上によりまして、今後における
通商産業政策
に関する
基本的考え方
と
具体的施策
の概要を申し述べた次第であります。何とぞよろしく御協力を願います。
科学技術庁
の長官として、
科学技術振興
のための昭和三十四年度における
基本的施策
について、御報告申し上げたいと存じます。 最近における世界の
科学技術
の
進歩発展
は、まことに驚くべきものがあり、人類の宇宙観すら一新しなければならない段階に至ったかの感があるのみならず、その結果、世界の
産業構造
に
革命的変化
を与えつつあるものと思われるのであります。 このような変革期にあって、
わが国
が、天賦の資源の貧困を克服しつつ、世界の
先進諸国
に伍して、経済の発展と
国民生活
の向上をはかるためには、
国内資源
の最も有効な利用と輸出の
飛躍的伸長
を一そう推進しなければならないことはいうまでもありません。 このためには、その基盤となる
科学技術
の振興をこそ、この際大いに推進する必要があるものと考えます。翻って
わが国科学技術
の現段階をつぶさに観察いたしますと、若干の例外はあるものの、全般的に見れば、
世界水準
に比べてその
後進性
は、なお脱却し得ない状態にあるものといわざるを得ず、
科学技術
の水準を向上せしめることは、まさに刻下の急務と考える次第であります。 すでに政府は、その
重要施策
の一環として、
科学技術
の振興を大きく打ち出しておりますが、この大目的を達成するため、
科学技術庁
が当面の施策として新年度にその実施を期待しているものは、大要次の通りであります。 まず第一に、
科学技術
の振興という大命題を最も効率的かつ適切に実現するため
科学技術
に関する基本的な政策を樹立するとともに、長期的かつ総合な
研究目標
を設定し、合理的な
科学技術
の振興を行い得る体制を確立いたしたいと存ずるのであります。このため、
内閣総理大臣
の
諮問機関
として
科学技術会議
を設置し、この会議において、これら基本的な問題の御審議を願うこととして、現在
科学技術会議設置法案
を御審議願っている次第でありますが、これにあわせて
科学技術庁
におきましても、これら
基本的政策
の策定に適した体制を整える必要がありますので、
科学技術庁
の組織を一部改組することとして、今国会に所要の
改正法案
を提出いたし、その成立を期待している次第であります。 なお、
科学技術振興
に関する
基本的政策
の樹立に当っては、
国内資源
の
総合的利用方策
を考慮しなければなりませんので、資源問題の
構造的分析
と
総合的検討
により、将来の動向を明らかにするため、資源の
総合的調査
を今後とも推進いたしたいと存じます。 第二に、
科学技術振興
に直接つながる基礎及び
応用研究
並びにその成果の
実用化
を強力に推進いたしたいと存ずるのであります。このため、
国立試験研究機関
、
理化学研究所等
の
研究施設
、
人員等
の
整備充実
に努力するとともに、
研究員
の待遇についても改善を加えたいと存じます。 さらに、
わが国
の
科学技術
の
外国依存性
を脱却し
技術水準
の向上をはかる方策の一環として、
総合的重要研究
を重点的に推進するほか、
国家的援助
により新技術の開発を促進し、優秀な
国産技術
の育成に努力を傾注したいと考えている次第であります。 第三に、優秀な
研究者
を多数確保することは、
科学技術水準
の全般的な向上のため必須の要件でありますので、
主管官庁
と協力して、
科学技術者
の養成に力を注ぐとともに、一般の
科学技術
に関する
情報広報活動
の
活溌化
に努力いたす所存であります。 最後に、
原子力
の
平和利用
に関しましては、本年は、先年来懸案であった
実用規模発電炉
の
導入交渉
も、一そう積極化する年と考えられ、
わが国
の
原子力
の開発も、従来の
研究基盤
の育成の段階から、その
応用化実用化
へ移行する段階に到達したと見るべきであろうかと存じます。このような情勢に応じて、今後考慮すべきことは、まず、国際間の
双務協定
による協調を深めるとともに、
国際原子力機関
の活動に積極的に参加し、その発展に力をいたすことであると考えます。
他方国内
においては、
日本原子力研究所
における
基礎研究
の充実、
原子燃料公社
による
核原料探鉱
の推進、
製練施設
の
整備強化
に努力を払うことはもちろんでありますが、本年は、特に
原子力関係科学技術者
の充実に努めるとともに、
核融合反応研究
の推進と
原子力船
の開発の
具体化
に力を注ぎたいと思料しております。 以上、
わが国経済
の発展、
国民生活
の向上を期するため、当面の施策として考慮している
科学技術振興方策
の大綱を述べたのでありますが、これらの方策の実現、その効果の発揚は、もとより
国民全般
の
科学技術振興
の
重要性
の認識と協力がなくしては、不可能に近いと思われます。政府としては、以上の新方策を基礎として、世界の大勢に眼を注ぎ、これに即応した施策を進め、もって
科学技術振興
に万全を期する所存でありますので、
国会議員各位
初め
関係各位
の切なる御協力をお願いいたしたいと存ずる次第であります。よろしくお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━
田畑金光
7
○
委員長
(
田畑金光
君) この際、
委員変更
について御報告いたします。 ただいま
西田隆男
君が
辞任
され、
迫水久常
君が選任されました。 ━━━━━━━━━━━━━
田畑金光
8
○
委員長
(
田畑金光
君) 次に、
予算
について御説明願います。
齋藤正年
9
○
政府委員
(
齋藤正年
君) 三十四
年度
予算要求重要事項表
という横書きの表をお配りしてございますが、それによりまして御説明申し上げます。 最初に、
貿易振興費
でございますが、本
年度
特殊法人
化しました
日本貿易振興会
でございますが、来
年度
は、
出資金
はございませんで、
補助費
及び
委託費
につきまして三億円
程度増額
になっております。
事業
の
内容
は、本
年度
とはとんど
変更
はございませんが、軽
機械振興
事実について新たに
事業
を行うことといたしました。その他、
国内
の
貿易広報関係
の仕事に、若干力を注いでいきたいということで
予算
を計上してございます。 その次が、
プラント輸出関係
でございますが、
プラント輸出
につきましては、
価格
のほかに、
年産能力
とか、あるいは原
単位
とかいうものについての
損失
の
補償
と申しますか、ということが、
プラント輸出
の
一つ
の障害になっております。具体的に申しますと、たとえば原
単位
が一日二百トンなら二百トンと
——能力
が二百トンということになっております場合に、それに、たとえばその一割なら一割
能力
が足りない場合は、それについて幾ら
補償
しろというような
補償
の条項が通例つくわけでございますが、そういう
補償
についての危険を担保いたすとともに、新たに
政府
が直接に
損失補償
の契約をすることができることといたしました。その
ため
に
予算
総則に、
損失補償
契約の限度を六十億円にするということをきめてございますが、それを行う
ため
の
損失補償
費及び事務処理費として百万円ずつ計上してございます。これは、別に来
年度
は
損失補償
が具体的に起ることは、ちょっと考えられませんので、形式的な費用だけを計上してあるわけでございます。 それから次に、
海外市場
開拓の関係でございます。最初にございます生糸と絹織物の
輸出振興
の関係でございますが、これは従来、通産省と農林省とに、それぞれ分れて
予算
が計上されまして、別々の機関で
実施
をいたして参りましたが、最近、生糸の
輸出
に比べまして絹織物の
輸出
が、だいぶ
重要性
を増して参りましたので、生糸と絹織物とを一本に統合いたしまして、
一つ
の機関で
振興
事業
を行わせたら適当じゃないかということになりまして、新しく日本絹業協会というところに両省の補助金を一括交付いたしまして、織物と原糸とを通じて一貫した
輸出振興
事業
を行うということになりました。なお、この本
年度
に比べまして、来
年度
は
予算
がだいぶ、二億円近く減少するようになっておりますが、それは、次の二ページをごらん願いますと、
海外市場
維持
対策
費補助等として出ております。これは、その説明書にございますように、巡航見本船
準備
費補助と、それからブラッセル万国博覧会参加
委託費
と、この二つが本
年度
限りの経費でございまして、それが三億六千万円ばかり減りますので、このような形にきまっているわけでございます。 それから次の意匠
向上
費関係でございますが、新しく
輸出雑貨
センターを設けるということにいたしました。これは従来、
輸出
品の検査につきましては、出張検査と申しますか、要するに生産
工場
へ行って検査するのが原則でございましたが、それを持ち込み検査と申しますか、港湾地区に共同の検査所を設けまして、そこで検査をして、すぐに船積みできるようにするという措置をとりたいということで、東京、神戸の二カ所に共同検査所を設けることにいたしまして、その費用の補助金が計上してございます。その他は、大体本
年度
の
事業
を来
年度
も引き続いて、若干
規模
を広げて
実施
していく予定でございます。 それから次に、
経済協力
費でございますが、
海外技術センター
の関係が少々ふえておりますが、これは、すでに本
年度
から交渉しておりますインドの分とマラヤの分との大体先方と話のついた金額を計上してあるわけでございます。 それから次の
海外
経済
事情等
調査
費でございますが、これは、本
年度
一千万円の補助金でアジア
経済
研究
所というものを設けましたが、来
年度
は、これを根本的に拡張いたしまして、アジアに限らず、
世界
の
経済
全般
についての
調査
研究
をする
研究
所に改組するということになりまして、その
ため
に補助金及び
委託費
を大幅に
増額
いたしたわけでございます。なお、
経済協力
関係で新規の
事業
といたしましては、(3)のところに民間機関受入費補助というのがございますが、従来、国立の
試験研究機関
で外国の
技術
学生の研修をいたしておりましたが、来
年度
から、民間にも特別の研修の
ため
の受け入れ措置を設けることにいたしましてその費用を計上いたしましたことと、それから三ページの一番下に、
海外
あっせん駐在員放置
委託費
というのがございますが、本
年度
は、
技術
者の
海外
渡航に便宜を与える
ため
に、登録制度というものを
実施
いたしましたが、来
年度
は、この
海外
に進出する
技術
者の
ため
に、
海外
にその世話をやきます駐在員を置くことにいたしました。その費用が計上されております。 それから三番目に、
中小企業対策
費でございますが、この一番
中心
になりますのは、
設備
近代化
の補助でございます。本
年度
六億円を来
年度
十億円要求することにいたしております。ただし、この補助率なり、あるいは国庫の負担率なりは、従来
通り
で変りはありません。 それから三番目に、中小
繊維
工業
設備
調整
補助という費目がございますが、これは、いわゆる織機の買い上げの補助金でございます。本
年度
は、予備金を合わせまして七億円、来
年度
も同額計上いたしまして合計十四億円で一台当り三万円の補助として七万台の買い上げを行う予定であります。ところが一台二万円の補助では、十分な買い上げが困難な情勢になりましたので、買い上げ単価を二万七千円に引き上げるということにいたしております。そういたしますと、七万台が五万二、三千合まで減少することになるわけであります。 それから五番目に、工鉱業汚水処理施設
設置
補助という費目が新しく入りました。これは、今度の
国会
で通過いたしました
工場
排水法の施行に伴いまして、
中小企業
の排水処理施設を
設置
する
ため
の補助金でございます。ただ、これは従来、
中小企業
の協同組合の
共同施設
は補助をいたしたのでございましたが、それと大体同一の条件に適するものに限って補助をする考え方であります。 次に
技術
振興
費でございますが、国の
研究
費、特別
研究
費及びその
研究施設
の
整備
につきまして、本
年度
よりは若干増加要求をいたしております。 それから三番目に、
中型輸送機
国産化
促進
費という費目がございます。これは現在日本で
一般
に使われておりますダグラスDC3、ダグラスDC4というような
国内
の中距離の航路に就航する中型の旅客機に代替する飛行機を国産で作りたいということで
研究
費をずっと補助して参りましたが、その
研究
も、大体目安がつきましたので、来
年度
からは、新しくその
研究
の結果に基いて試作を行うことといたしました。試作の
ため
に、日本航空機製造株式会社という
特殊法人
を作ることといたしまして、その
出資金
として三億円を
経済
援助資金特別会計から出資いたしまして、民間出資二億円と合せまして五億円の特殊会社を
設置
する予定で、本
国会
にその
ため
の法案を提出することになっております。 それから
最後
に、
産業基盤
関係でございますが、
工業用水道事業
費が本
年度
に比べまして、かなり増加しております。 それから五番目に、鉱山保安
対策
費でございますが、若干増加いたしております。また人員も若干ふやしまして、前
国会
以来、鉱山保安につきましては、いろいろ御指摘がございましたので、現状よりも、相当程度
改善
の監督ができるように手配をいたしております。 以上総計いたしまして、本
年度
は百八億円の
一般
会計の通産省の関係が、来
年度
は百二十九億、約二十一億ばかり増加する予定でございます。
—————————————
田畑金光
10
○
委員長
(
田畑金光
君) 次に、通産
省関係
の
財政投融資
計画
について説明願います。
松尾金藏
11
○
政府委員
(
松尾
金藏君) 通産
省関係
の
財政投融資
計画
の
概要
をお手元にお配りしておると思いますが、三十四
年度
の通産
省関係
の
財政投融資
は、この表にございますように、出資百六十二億、融資千三百八十五億、合計千五百四十七億円に相なっております。三十三
年度
——本
年度
と比較してみますと、出資において四十四億、融資において四百三十一億、合計四百七十五億円の増加という形に相なっております。これだけの
財政投融資
の
投入
をいたしますと、これにそれぞれの機関の自己資金等を合せまして、三十四
年度
の
財政投融資
の
運用
総額
を見てみますと、二千八百四億ということに相なりました。これは本
年度
の
運用
総額
に対しまして、二百三十億円の増加ということに相なります。なおこの全体の
財政投融資
額の
計画
の前提といたしまして、世銀借款を二百六十八億円ほど予定をして、それを織り込んでおります。なお全体としまして、今後の
経済
情勢あるいは民間金融の推移に応じまして弾力的な
運用
をするということで、このような全体の
計画
に相なっておるわけであります。 それぞれの機関について申し上げますと、まず第一には、
開発
銀行であります。
開発
銀行について見ますと、御承知のような開銀の本来の使命に基きまして、電力、海運、
石炭
その他それぞれの
産業部門
に
重点
的に資金の融資をいたすのでありますが、
運用
総額
におきましては、本
年度
六百二十億というのに対しまして、六十億の増加で六百八十億というのが来
年度
の開銀の
運用
総額
の予定であります。従いまして、その意味で新たな
投入
額は、今
年度
に比べまして、百二十五億増加をいたしまして、四百五十億の資金を
投入
をいたしております。この六百八十億の
運用
の
計画
は、この中で現在までに決定いたしておりますものは、特別額として電力、海運が、それぞれ二百五十億百八十億というので、これは大体本
年度
と同額の
運用
予定を現在までに決定いたしておりますが、その他の
一般
産業
について、二百五十億ということに相なるのでありますが、これは本
年度
に比べて六十億円増ということで、この二百五十億円の内訳については、まだこれからそれぞれの部門の実態に合せて
計画
を進めることに相なっております。 次に、
中小企業金融公庫
でございますが、これは二枚目の下の方の表に書いてございますように、
運用
総額
におきましては、三十三
年度
の当初
計画
五百七十億というのに比較してみますと、七十五億円の増加——もっとも三十三
年度
の途中で改定をいたしておりますから、それと比較してみますと三十五億円の増ということに相なります。来
年度
六百四十五億円の
運用
資金の借り入れで
運用
することに相なっております。さらに、これだけの資金がついて参りますと、来
年度
、ここに書いております三厘程度の金利引き下げができる予定に相なっております。 次に、
中小企業信用保険公庫
でございますが、これは来
年度
におきましては、信用
保証協会
に対する融資をふやしたいということで、出資十億を産投会計から入れることに相なりました。これによりまして、多少
規模
を大きくできると同時に、
保証料率
について一割程度の引き下げを行えるということに相なる予定であります。 次は、商工組合中央金庫でございますが、これは
貸出純増
額のベースで計算をいたしまして、百四十億円の純増を行えるような
計画
にいたしております。その資金調達は、ここにございますように、三十二億円の
財政資金
と百八億円の自己資金によって、この
計画
を進めて参るわけであります。さらにこの十二億の出資によりまして、商工中金の金利を平均金利におきまして、現在の九分九厘を二厘五毛程度は引き下げ得るという見込みに相なっております。そのようにいたす予定でございます。 それから第五番目に、
輸出入銀行
の関係でございますが、これは本
年度
に引き続きまして、
プラント輸出
その他輸銀の従来からの線を伸ばしていくわけでございますが、それと来
年度
の特色といたしましては、東南アジアその他に対する
経済協力
は、相当大きくそれを進めなければならないということに相なります。またそのような
計画
の予定なのであります。さらに賠償関係について、これがだんだん本格化して参りますので、そのようなことから、輸銀の資金は、本
年度
に比べて相当大幅に
増額
をいたしております。ここにございますように、三十三
年度
の当初
計画
に比べまして、七十億円増の見込みにいたしました。貸付
規模
で八百億円というような
規模
に相なっております。
財政資金
といたしまして出資七十億、融資二百九十億、合計三百六十億を
投入
いたすのでありますが、これは本
年度
の当初
計画
の八十億というのに比べますと、相当大幅な
増額
に相なっております。この程度の出資が行われますことによりまして、輸銀の金利も、大体現在の貸付金利を維持するということに相なるわけであります。 次に参りまして、電源
開発
会社でございます。 電源
開発
会社の工事は、大体予定の
計画
の線を進むのでありますが、三十四
年度
は、継続工事がほとんど大部分であります。御母衣、奥只見、田子倉等の建設工事を
中心
に進めるのでありますが、工事の
規模
といたしましては、本
年度
並みで、約四百九十億の工事
規模
の予定をいたしております。そのた
ため
に出資を五十億、融資を三百五十億、合計四百億の
財政資金
の
投入
をいたすのであります。同時に三十六億円の世銀借款を予定をいたしております。その
成立
を期待いたしているわけであります。資金コストは、これだけの
財政投融資
を進めることによりまして若干上りますけれども、四・六%ぐらいのところで資金コストは
運用
できるのであります。
最後
に、石油
資源
開発
会社でございます。 石油
資源
開発
会社は、御承知の
計画
を進めて参るわけでありますが、来
年度
の特色といたしましては、秋田沖の海洋試掘が相当進んで参ります。その点からの工事量の増加等もございますが、全体といたしまして、本
年度
に比較いたしまして二億円
増額
の二十九億円の
事業
規模
を予定いたしております。この
ため
に産投会計から二十億の
政府出資
の
投入
を予定いたしました。これに民間出資その他の資金を加えまして、二十九億の
事業
を進める予定であります。
事業
内容
としては、試掘関係に二十一億、地質
調査
の関係で三億四千万というのが、大体
事業
の
中心
に相なっております。 なお大へん申しわけございませんが、この印刷にミス・プリントがございますので、恐縮ですが、御訂正願いたいと思います。 一番最初のページに表がございますが、その表の三十四
年度
の一番下の合計のところが、二千七百九十四億となっておりますが、これは二千八百四億のミス・プリントであります。よろしくお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━
田畑金光
12
○
委員長
(
田畑金光
君) 次に、
科学技術庁
の
予算
について、御説明願います。
原田久
13
○
政府委員
(原田久君) それではお手元にお配りしてあると思いますが、横書きの長い二枚刷りの印刷物であります。御説明申し上げます。
科学技術庁
の
昭和
三十四
年度
予算
総表がございますので、それに基きまして概略御説明を申し上げたいと思います。
総額
の点からまず申し上げますが、総表の二枚目の一番
最後
のところに百三億九千二百八十四万五千円とございまして、前
年度
に比べまして五億二千五百二十四万八千円の
増額
に相なっております。この内訳といたしまして
一般
の部と
原子力
の部とに分けてございますので、まず
一般
の部から御説明を申し上げます。
一般
の部の第一番といたしましては、
科学技術振興
総合
施策
という項目が掲げてございます。
総額
五千七百八十五万円でございますが、その内訳といたしましては、
科学技術会議
の運営費として六百二十七万二千円を充てております。これは、ただいま
国会
で御
審議
中の
科学技術会議設置法案
が
通り
ました場合に必要な諸経費が入っておりまして、前
年度
に比べまして二百二十五万円ほど減額されておりますが、諸度調弁費その他の経費がそれだけ必要でございませんので、それだけ減額しておるわけでございますが、実態については、十分運営される経費が盛り込まれております。 二番目に
科学技術振興
長期
計画
策定でございますが、これは、三十三
年度
から
実施
しておりまして、三十四
年度
は、その第二年目に当るわけでございます。三十四
年度
の
内容
といたしましては、今年策定される原案を、さらに細部にわたって
検討
を進めて参りたいという、そういう費用が盛り込まれておるわけであります。 三番目の内外
科学技術
調査
活動
の
強化
費でございますが、二百五十万円でございます。これは、従来もやっておりました
調査
でございますが、
一般
の
科学技術
の動向だとか、
科学技術
活動
の実態の
調査
とか、
研究
管理などを主体にして
調査
をする費用でございます。 四番目の
科学技術
試験
研究
の
助成
四千六百五十六万円でございますが、これは、新規につきましたものでございます。
総合
的な
重要研究
を
推進
する経費といたしまして、水質汚濁の
研究
、クロレラの
研究
、水温の
利用
の
研究
、三項目を予定しております。 五番目の
科学技術者
の顕彰でございますが、これも、新しくつきました経費でございます。主として現場における
科学技術者
の功労者に対して
長官
賞を送って表彰し、
研究
意欲を助長させていきたいという経費でございます。 以上が(一)の
科学技術振興
総合
施策
の説明でございます。 次に二番目に、試験
研究
所の
整備充実
とございますが、このうち航空
技術
研究
所は、金額にいたしまして十五億八千二百万円でございます。その
内容
といたしましては、主として低音速風洞の
研究
費その他を含めた経費でございます。前
年度
より現金におきまして四億円ほど
増額
し、債務負担の方は減額になっております。 二番目の金属材料
技術
研究
所は五億八千八百九十九万四千円で、前
年度
に比べまして一億七千五百五十三万一千円ほど
増額
になっておりますが、債務負担関係の方は減額になっております。施設としましては溶解、圧延施設とか、材料試験器具等を
充実
していきたいという
内容
の経費でございます。 なお、この際申し上げますが、航空
技術
研究
所につきましては、定員が六十五名増加になって、金属材料
技術
研究
所につきましては七十九名増になっております。 放射線医学
総合
吉
研究
所の分につきましては、
原子力
の部で御説明申し上げたいと思います。 三番目の理化学
研究
所の
充実
でございますが、これは、本年
特殊法人
として発足いたしました
研究
所で、三十四
年度
予算
といたしましては五億円計上されております。前
年度
に比べまして一億七千万円ほど
増額
になっております。
内容
といたしましては、
研究
設備
の
充実
といたしまして三億七千万円、それから新
技術
開発
関係が一億三千万円、こういう
内容
になっております。 四番目の日本
科学技術
情報センターは八千八百万円で、前
年度
に比べまして八百万円
増額
されております。 (五)のその他の項目で申し上げますと、
科学技術者
の渡航関係が
増額
になりまして、五千三百四十万円となりまして、
海外
へ
一般
の
研究者
、
一般
官庁に勤務する
研究者
でございますが、
研究者
の渡航する人数も増加いたしました。それから国連の
技術
援助の関係で渡航される方の経費を一部負担する費用も含まれておりますが、それも
増額
になっております。 二番目の
資源
の
総合
利用
方策
等の
調査
でございますが、これは前
年度
に比べまして、若干減になっておりますが、
一般
庁費その他の減額の線で減になったわけでございまして、
総額
としては千九百四十三万五千円、大体前
年度
と同様のことができると考えております。 発明
実施
化試験等の
助成
でございますが、これは、主として
中小企業
あるいは個人等の
助成
をしておりますが、
一般
の節減を受けまして二千百八十九万五千円と相なりました次第でございます。 それから
技術
士法の施行に関係いたします経費といたしましては百八十二万と相なり、前年に比べまして八十四万ほど
増額
になっております。これは、昨年初めて
技術
試験を
実施
いたしましたところが、非常に多くの試験の応募者がございまして、三十四
年度
も、相当の受験者が予想されますので、これに伴う経費を主として組みましたわけでございます。 その他、雑件といたしましては、庁費、人件費などがありますが、説明を省略させていただきます。なお本庁の機構拡充に伴いまして十五名の増員がございます。 以上で、
一般
の部を終りますが、現金として、三十億四千三百九十八万円と相なり、前
年度
に比べまして八億七千九百二十三万六千円の
増額
でございますが、債務負担の方がなくなりましたので、それだけ減額になっております。 次に、
原子力
の部を御説明申し上げますが、一の
原子力
平和利用
研究
の
促進
でございますが、そのうち
原子力
研究
所の
整備
関係に現金
予算
として四十四億、それから債務負担行為が三十四億二千七百万円で、現金の方は一億円ほど減額でございますが、債務負担の方は二億六千五百六十万円ほど
増額
になっております。減額の主なものは、CP5炉の完成に伴う減といったようなものが響いておるようでございますが、実態的には、十分
研究
していける
予算
がとってあると存じております。なお人員は二百五十六名増員になりまして、総員で千六名と相なった次第でございます。 二番目の国立機関試験
研究
の
促進
でございますが、五億五千三百一万八千円で、前年に比べまして一億一千八百五十五万一千円ほど減額になっておりますが、国立
研究
機関といたしましても、ここ数年間
研究
を
実施
して参りまして、施設その他の方も、相当
整備
しておりますので、実際の
活動
は、相当これでも十分やっていけるというふうに考えております。 三番目の民間試験
研究
の
助成
でございますが、三億八千万円で、内訳といたしましては補助金が二億二千、
委託費
が一億六千、ともに若干ずつ減額になっておりますが、これはここやはり数カ年間、民間の
原子力
関係の
研究
を
助成
して参りましたが、順次
自立
態勢に移って参りましたので、これに相呼応いたしまして、若干の減額を見たわけでございます。 二番目の核燃料
開発
の
促進
でございますが、
原子力
燃料公社の
事業
費といたしましては十一億三千万円、前年に比べまして一億二千万円ほど減額になっておりますが、これは精練
設備
の初
年度
の経費が三十四
年度
ではそれだけ必要でなくなって参りますので、そういった意味で減額しておりますが、実態は十分やっていける
内容
かと思っております。 二番目の核原料物質探鉱奨励金、これは二千万円で、前年に比べまして一千万円減額になっておりますが、これは過去数カ年の経験に照らしまして二千万円程度でよかろうというので、こういう
予算
を計上したものでございます。 三番目の核燃料物質等の購入費等、これはだんだんいろいろな原子炉が運転を開始いたしますと、それに使用いたします燃料を相当購入しなければなりませんので、それがはね返りまして、前年に比べまして三千百四十一万四千円
増額
になった九千六百十万五千円となった次第でございます。 次に、三番目の
原子力
平和利用
国際
協力
の
強化
、これは主として
技術
者を
海外
に派遣したり、あるいは外国人を招聘したり、
国際
会議
に出席する旅費でございますが、四千五十万八千円と相なっております。 四番目の放射線障害防止措置の
強化
、まずその第一は放射能測定
調査
の
研究
でございますが、五千九百三十九万円に相なり、二千三百十四万円の
増額
になっております。内訳は
研究
費、
委託費
などでございます。 二番目の放射線医学
総合
研究
所でございますが、現金
予算
が五億八千三百十八万七千円、前
年度
に比べまして一千三百八十五万二千円の
増額
、債務負担が一億四千万円で、二千万円の
増額
になっております。主として債務負担の方は、病院を新たに建てるという経費になっております。 三番目の放射性廃棄物処理
対策
費でございますが、これは放射性廃棄物を集中的に処理するという施設を設けたいという費用でございまして、主として関西方面に一カ所集中的に設けたいと考えております。なお、関東方面につきましては、
原子力
研究
所の中にそういう施設を作ることにしてございます。 その他の経費が計上されておりますが、説明を省略させていただきます。
原子力
局の機構
強化拡充
費といたしましては、二十九名増員になりまして、次長を一名増員いたします。それから監理官一名、それから課長二名といったような内部の
充実
をはかることにいたした次第でございます。 以上総計、
原子力
関係、
一般
関係合せまして百三億九千二百八十四万五千円と相なった次第でございます。債務負担行為が三十五億六千七百万円と相なった次第でございます。 なお、以上のほかに人員関係を申し上げますと、内部部局が四十四名増員になりましたし、それから航空
技術
研究
所、金属材料
研究
所、放射線医学
総合
研究
所など合せまして、定員といたしましては、二百八十一名の増員を見ました。三十三
年度
の定員五百七十九名に加えまして、八百六十名と相なる予定でございます。以上。 ━━━━━━━━━━━━━
田畑金光
14
○
委員長
(
田畑金光
君) 次に、
世耕
経済企画庁長官
から、
経済企画庁
について御説明願います。
世耕弘一
15
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) このたび私は、
経済企画庁長官
に就任いたしましたので、この機会に所信の一端を述べ、各位の御
協力
を得たいと存じます。 日本
経済
が、健全な
発展
を遂げつつ、
国際
経済
社会における高い地歩を
確保
するには、今後、日本
経済
がいかに処すべきか。この点、日本
経済
の健実な成長と、近代的にして能率的な
経済活動
が営まれることが望ましいことでございます。かねて、
政府
が、長期
経済
計画
を策定したのは、このような趣旨、目的によるものでございます。もとより、この
計画
の達成には、民間
企業
の創意と
発展
を大きく期待するものでありますが、もちろん
政府
は、財政、金融、
産業
等各般の
施策
を通じまして、この構想の実現をはかりたいと思うのであります。 また、
政府
の
経済
政策
の樹立に当りましては、
経済
の長期にわたる
安定成長
を目途といたしまして、常時内外の
経済
情勢を的確に把握いたしまして、これを分析し、もって、
経済
全般
についての
総合
的な
施策
を講じたいと存じます。さて、
経済企画庁
の任務は、日本
経済
の
総合
的な企画と
調整
を行い、真に
経済
基盤
を
強化
し、もって、これが成長
発展
を期せんとするところにあります。私は、この任務の
重要性
にかんがみまして、関係方面との連係をさらに密にいたしまして、今後一そうその機能を発揮したいと存じます。 次に、最近の
経済
動向を見ますと、昨年秋口以来、上昇に転じた日本
経済
は、その後も逐次順調な過程をたどっていると認められるのであります。また、米国
経済
は上昇を続けております。西欧
諸国
も後進
諸国
も同様
経済
情勢の今後好転が期待されるように思われます。 このような、内外
経済
情勢を勘案いたしまして、本年は、民間
経済
の成長と財政の適度な措置によりまして、日本
経済
の健全な成長をはかり、かつ、日本
経済
のうちに蔵する質的な欠陥をこの際適宜是正していきたいと存じます。しこうしてまた、此の間において
政府
は、公共投資の拡充、
産業
秩序の
確立
、
企業
資本の
充実
、金融
正常化
などにつきまして、逐次
施策
を
推進
して参りたいと存じます。また、
海外
貿易
、特に
輸出
につきましては、一そうその
振興
をはかりたいと存じます。次に、最近の
輸出競争
激化の
傾向
や、西欧
諸国
の通貨の
交換性回復
など、新たな事態に対処いたしまして、
わが国
の
輸出
態勢の
強化
について一段の
努力
をいたしたいと考えておる次第であります。 今後、以上の観点から、日本
経済
の
発展
を
確保
推進
して参りますならば、
昭和
三十四
年度
の
経済成長
率は実質で五・五%程度となり、その
規模
は、長期
経済
計画
が想定いたしております
水準
とほぼ隔たりのないものと見込まれるのであります。また、
貿易
収支は、実質で約一億六千万ドルの黒字が期待され、物価は、おおむね強含み横ばい程度に推移し、日本
経済
の
基盤
を
確立
しつつ
安定成長
が達成できるものと考えられるのであります。 つきましては、今後とも一そうの御
協力
をお願いいたします。
田畑金光
16
○
委員長
(
田畑金光
君) 続いて
予算
について御説明願います。
宮川新一郎
17
○
政府委員
(
宮川新一郎
君) お手元にお配りしてございます
予算
案につきまして簡単に御説明申し上げます。 三十四
年度
の企画庁関係の
予算
要求額は、
総額
で三十七億五千八百九十一万九千円でございまして、前
年度
に対しまして、七億六千五十一万一千円の
増額
になっております。 以下各項別に簡単な御説明をいたしますと、当
経済企画庁
、これは
経済企画庁
一般
庁務の運営に要する経費並びに長期
経済
計画
、年次
経済
計画
、
経済
の動向の把握等、
一般
的なものの一括計上をしておるものでございますが、来
年度
の要求額は二億五千八十六万四千円、前
年度
に対しまして五千八百三十三万二千円の
増額
になっております。
増額
のおもな理由は、先般
成立
いたしました公共川水域の水質の保全に関する法律の施行に伴いまして、水質保全の
ため
に水質基準の設定あるいは水質汚濁度の
調査
等を行い、地方に起りまする紛争の仲介
あっせん等
の事務を行いまする
ため
し、定員を二十名増加いたしまして、二課を新設し、また
審議
会の
活動
を活発にしようとする
ため
の経費が
増額
のおもな理由でございます。 なお、二十の項にございまするように、
経済
研究
所の運営費といたしまして、前
年度
に対しまして二千五百七十四万一千円の
増額
を要求いたしておりまするが、これは電子計算機を購入いたしまして、緻密な計算を迅速にやりたいという趣旨のものでございます。 第二に、国土
開発
調査
費、この項は国土
総合
開発
法、電源
開発
促進
法、東北
開発
促進
法等の各種の
開発
促進
法に基きまして、
わが国
の生産力の
発展
、災害の防除の
ため
の諸
施策
を樹立いたす
ため
の経費と、各種
審議
会の運営に要する経費でございまして、来
年度
の要求額二千二百十一万六千円でございまして、前
年度
に対し二百三十三万八千円の
増額
となっております。 第三に、土地
調査
費、この項は国土の
開発
保全並びに
利用
の高度化をはかりまする
ため
に、国土
調査
法に基きまして、土地の分類
調査
、水
調査
を地方公共団体に委託し、また地方公共団体の行いまする地籍
調査
事務を補助する
ため
の経費を計上いたしておりまするが、来
年度
要求額は一億七千七百二十七万円でございまして前
年度
に対しまして四十二万八千円の
増額
となっております。 なお、以上三つの項目におきまして減額となっておりまするのは、
一般
の
方針
に基きまして事務費五%を節約したものによるものでございます。 第四に、国土
総合
開発
事業
調整
費、この経費は各省庁の行なっておりまする国土
総合
開発
事業
に対しまして、各
事業
間の
調整
を行いまして、
総合
的な
開発
効果
を上げようとするものでございまして、来
年度
要求額六億五千万円でございまして、前
年度
に対しまして一億円の
増額
となっております。
最後
に、離島関係の
事業
費につきましては、離島
振興
対策
事業
費と揮発油税財源離島道路
事業
費、二項に分かれておりますが、これを合算いたしますれば、来
年度
の要求額は二十五億五千八百六十六万九千円でございまして、前
年度
に対しまして五億九千九百四十一万三千円の
増額
と相なっております。 以上、簡単でございますが、
経済企画庁
関係の
予算
を御説明いたしました。 ━━━━━━━━━━━━━
田畑金光
18
○
委員長
(
田畑金光
君) 次に、
公正取引委員会
の
業務概況
について、長沼
委員長
より御説明願います。
長沼弘毅
19
○
政府委員
(長沼弘毅君) お手元に「
公正取引委員会
の
業務
の概略」というパンフレットがお配りしてございます。これには昨年中の
業務
の
概要
が述べられておるのでございます。 ごらんのごとく、昨
年度
におきましては、実質的な項目から申し上げますと、不況カルテル等の認可の
業務
、
中小企業団体組織法
その他各種の特別法による
業務
、それから合併等の届出に伴います
業務
、それから不公正な取引方法に関する
調査
の
業務
、それから独禁法違反事件の審査の事務、さらに下請代金支払遅延等防止法に伴いまする
業務
、こういう各項目につきまして処理の
概要
を記述してございます。 一々の数字については御説明申し上げませんが、昨年一年中の
傾向
を概して申し上げますと、御承のごとくいわゆるなべ底景気の不景気でございまして、この事態を打開する
ため
に、独禁法上の不況カルテルを結成する動き、また
中小企業団体組織法
、
輸出入取引法
等その他各種の法律によりまする
調整
事務とか、あるいは協定というふうな機運が非常に活発でございまして、さらにまた合併の要請等も相当あったのであります。 一方、この不況の
ため
に
経済
界が苦しくなりますと、とかく不公正な取引方法が行われがちでございまして、大
企業
の苦しさのしわというものを
中小企業
に寄せる、これは現象的には下請代金の支払いがおくれるというふうなことに現われて参るわけでございます。この点につきましても、特に厳重に監視をいたした次第でございます。 概して申し上げますと、当
委員
会の
業務
と申しますものは、逐年増加の
傾向
を辿っております。なかんずく下請代金におきましては、その増加の現象がはっきりいたしております。が、概して申しますというと、全体的にこれはいろいろの
業務
がございますので、平均して何割とは申し上げかねますが、大体において三割程度のものは、一昨年に比べて昨年中において事務量は増加しておる、かような状態にございます。私ども責任を痛感いたしておりまして、ますます勉強いたしたいと存じております。よろしくお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━
田畑金光
20
○
委員長
(
田畑金光
君) 以上をもって説明を終り、質疑に入ります。順次、御発言を願います。
大竹平八郎
21
○
大竹平八郎
君 通産大臣、
経済企画庁長官
から、それぞれ
重点施策
について御説明を承わったのでありますが、漸次表を追っていろいろ御質問申し上げたいのでございます。さしあたりまして当面の問題でごく緊要なものを一、二点、まず通産大臣に伺いたいと思うのであります。大臣の御説明の中にもございますし、これは企画庁
長官
も触れたのでありますが、例の今回行われました欧州の通貨の
交換性
の
回復
の問題であります。これの具体的な問題につきましては、今後
対策
を請じて漸次やって参りたい、こういうようなことでありますが、日本のように全
世界
を相手にいたしておりまする
貿易
の立場から申しますると、これは非常に緊急を要する問題ではないか、かように考えておるのであります。こういうことで、何か当面の具体的なことにつきましてお示し願えれば、それを
一つ
お聞きをいたしたいということと、それからこの
交換性
の
回復
によりまして、
世界経済
の自由
貿易
化への復帰ということが、漸次実行されていくということも、大臣の御説明の中にあったわけであります。日本の立場といたしまして、一番
輸出
で大きなところは、言うまでもなく米国であり、それから続いて東南アジアであるわけであります。米国は御承知の
通り
、私は、昨年でありましたが、本
委員
会でも発言の中に触れたと思うのであります。米国の重工業関係方面は、以前から
貿易
の
自由化
ということを叫んでおるわけなんです。しかるにもかかわらず、日本の
輸出
というものは、御承知の
通り
非常に制限を受けておる、しかしその制限を受けておるものは、これはよく分解してみまするならば、日のあたらない米国の
産業
関係、ことに
繊維
とか、それから軽工業というようなもので、そういう意味において非常に自分たちの立場が圧迫をせられる、こういうような格好になってくるのですが、一面においては、これはまたわれわれもよくわかるわけなのであります。しかしながら申し上げました
通り
、日本は何と申しましても、米国は一番の得意であり、ことに軽工業は御承知のごとく
中小企業
というものがその大体をなしておる、こういうわけなんでありますので、ことに米国に対して、そういう意味において、こういった事態がなくも、
貿易
の
自由化
ということは、われわれとして
政府
にぜひ
一つ
やってもらわなければならぬということは、しばしば外務大臣にも通産大臣にも申し上げたのでありますが、この機会において、
一つ
政府
のこれに対する御所信を承わっておきたいと思います。
交換性
の
回復
の問題についてと、その二点をまず伺いたい。
高碕達之助
22
○
国務大臣
(高
碕達之助
君) 為替の
自由化
、従って
貿易
の
自由化
、こういう問題に相なるわけでありますが、昨年末のヨーロッパにおける通貨の
交換性
の
回復
ということが、これは本年初めから出発する欧州の共同市場問題と、相当のかかわりがあるだろうということを私どもは想像しておったのであります。ただいまのところ大きな関連はないようでありますが、しかしながら為替を
自由化
するということになってくれば、自然
貿易
の
自由化
の前提になるというふうに考えなければならぬと存じまして、今後為替なり、
貿易
なりが
自由化
するということの根本
政策
に順応化するように
方針
を定めていきたいと存ずるわけであります。ただ、現在のところ為替を
自由化
するが、それがどの程度に
貿易
が
自由化
するかということは、各国の出方を見なければ、日本だけが先走りでやるということは相当危険性があるというので、さしあたり昨年末来やっております為替管理制度、これの改革ということにつきましては、漸次
検討
いたしました結果、実行に移すべきものは逐次実行に移しておるわけであります。それから
貿易管理
の方面につきましても、差し迫ってどうこうということはございませんが、各国の動向を十分時期におくれないようによく
検討
し、その報告をとりまして、それに準じて実行いたしたいと存じておる次第であります。 詳細のことは、
政府委員
からお答えいたしたいと思います。
大竹平八郎
23
○
大竹平八郎
君 いま
一つ
、米国に対する考え方を。
高碕達之助
24
○
国務大臣
(高
碕達之助
君) 第二の御質問の、米国に対する考え方でありますが、差し迫って、米国は今度の為替の
自由化
と
貿易
の
自由化
とに、そんなに大きな
影響
はないと存じておりますが、アメリカが今日日本の商品に対していろいろな規制措置を講じておるということは事実でございますが、根本におきまして、アメリカ
政府
なり、アメリカの大衆は、日本商品に対してさのみ大きな反対、つまり阻止的の
傾向
はないと存じておりますが、先ほどのお話のごとく、日のあたらない
産業
、特に日本の
産業
と関係のある仕事につきましては、これは相当強力に阻止運動が行われておるようでありますが、これに対しましては、
政府
といたしましても、できるだけ相手方の民間の
事業
の状態を
検討
いたしまして、日本の同業者と先方の同業者との間にも話をつけ、そして先方の立場をよく考慮し、できるだけ先方に
影響
を及さない程度において、日本の商品を送りこんでいきたい、こういう
方針
で進んでいきたいと思います。
大竹平八郎
25
○
大竹平八郎
君
政府委員
の御答弁の前に、なお続いて別の角度からお尋ねいたしたいと存じますが、ただいま申し上げました
通り
、日本の
輸出
の第一が米国地域であり、次に御承知の東南アジア、こういう問題になるわけであります。東南アジアは、どちらかと申しますとポンド地域地帯、こういうことになるわけでありますが、従来通貨の
交換性
というものが
回復
がない以前というものは、必ずしもポンド地域の日本の
貿易
が日本製品を買わぬでもいいということが言えなかったことは御承知の
通り
であります。今度こういう事態になったことは、日本の
輸出
増進の上においても私は非常にいい結果を来たすのじゃないかと思いますが、これについてのお見通しはいかがでありますか。
高碕達之助
26
○
国務大臣
(高
碕達之助
君) 御承知のごとくポンドの手持ちが多くドルの少い日本といたしまして、このポンドの
交換性
が
回復
いたしましたことが、東南アジア
貿易
に対し日本が有利の地位にあるということは事実でございますが、しかし、今日の現状におきましては、東南アジアの地域の
経済
状態は何ら
改善
されていない。外貨の手持ち、ポンドであれ、ドルであれ、ちっともふえてないというのが現状でございまして、どうしても日本といたしましては、従前の
方針
のごとく、やはり先方に対する
円クレジット
なり、延べ払い取引を
拡大
いたしまして、そしてほかの関係国の競争に打ち勝っていきたいという
方針
で進んでいきたいと存じております。
大竹平八郎
27
○
大竹平八郎
君 次に、当面の問題でおそらくそこに通商
局長
もおいでのようでございますが、この二月末か三月から開始されるであろう日本と台湾、すなわち日台
貿易
の問題なんでありますが、御承知の
通り
日台
貿易
は他の協定国間に比べまして非常にスムースに従来進んでいっておるわけであります。しかしながら、
一般
は、比較的多く一億何千万ドルもやっているこの
貿易
についての関心というものは薄いので、率直に申しまして、ごく最近の新聞の
一つ
の例を取ってみましても、あなたが中共からウルシを買いたいということ言われたということが、大新聞の政治面の忙しいときに一面の四段抜きか五段抜きで出ておる。ところが同日に当然新聞に出なければならぬ台湾が硫安を日本から三十万トン買った。四十たしか三ドルですが、それで三十万トン買っておるわけですから、一千三、四百万ドルに近い膨大な数字をあげている。これは完全に
成立
をしたので、引合でも何でもない。それがほとんど一行も載っていないというように、ややともいたしますと、この中共
貿易
というものが非常な政治的な宣伝に乗って、実際に行われておる。日本と台湾との
貿易
というものについて、いろいろな意味においての取扱いと申しましょうか、関心と申しましょうか、非常に薄い。しかしながら、事実は申し上げる
通り
非常に順調に進んできておる。その日台
貿易
が新しい
年度
からいよいよ、またたしか今度東京で行われるだろうと思いますが、会談が行われるのであります。御承知の
通り
今大臣からもちょっと御説明がありましたが、東南アジア各地域におきましては、円借款の問題であるとか、あるいは延べ払いの問題だとか、あるいはものによってこれを貸付けるとかいうようなことが各地において、日本からも行われておるわけでありますが、台湾自体はそういうこともなく、ただ問題がスイングの問題なんでありますが、大体今までの
貿易
協定が一千万ドルでありますけれども、昨年は御承知の
通り
日本が非常に
輸出
が多かった。そういうことで三千数百万ドルに上ったことがありますので、結局、話し合いにおいて一千万ドルを現金払いをするということで話が済んだわけなんであります。これが当然今度の新しい
貿易
協定の中に大きく出てくると思うのでありますが、私は
政府
が東南アジアに取っておる従来の
施策
等を見まするならば、このスイングの一千万ドルぐらいはむしろ僕は増加してやるべきじゃないか、東南アジアとの
貿易
は御承知の
通り
向うのできたものを買うことによって日本のものが
輸出
ができるということは、これは言うまでもないことだと思います。そういう意味におきまして、とにかく上手にやれば年間往復二億ドルはできるのでありますが、そういう点について、これはぜひ
一つ
この際、通産大臣として、そういう意味でこの
貿易
会談に臨む方々に御指示を与えてもらうのは、これはまことにけっこうなんだが、従来のそういった
計画
、東南アジアの
諸国
に比べまして、
貿易
自体というものを見まするというと、順調であるけれども、
施策
の点からいうと、非常に何といいますか、きつい
方針
をとっているのでありますが、この際、スイングをもっとふやすとか、あるいはあなたが今申した
通り
、借款のような形式でさらに別建てのものを作っておやりになるか、こういう点を
一つ
お伺いしたい。
高碕達之助
28
○
国務大臣
(高
碕達之助
君) やっぱり日台
貿易
につきまして非常に関心を持ってやっているわけでございまして、御承知のごとく、オープン・アカウント勘定というものは従来もだんだんやめていきたいという
方針
で今進みつつあるわけでありますが、特に台湾等につきましては、これは相当の期間があるけれども、今なおかつオープン・アカウント勘定を持ち、そうしてこれを継続していく
方針
であるということは、いかに台湾に対する
わが国
の
方針
が友好的であるかということを物語っておると存じます。 なお、このスイングをふやすかどうかといったような問題は、その
実情
に当りました上において、よく考慮いたしたいと思いますが、決して台湾の
貿易
を等閑視しているものでないということを御了承願いたいと存じます。
大竹平八郎
29
○
大竹平八郎
君 他の
委員
の発言もありますから、これは大臣でなくも、
松尾
局長
でけっこうだと思いますが、むしろこの本
委員
会ということよりも、決算
委員
会でこれは取り上げるべきことだと思うのですが、先ほど投融資の
計画
について御説明があったわけなんでありますが、問題の例の
開発
銀行なんであります。
開発
銀行は御承知の
通り
前の復金から承継をいたして今日の
開発
銀行になっておるのですが、御承知の
通り
受け継いだ中に非常にたくさんのあれがある。復金当時のこげつきですね。こういう問題について通産当局といたしましては、どういう措置をおとりになっておるのか、これを
一つ
参考に伺っておきたい。
松尾泰一郎
30
○
政府委員
(
松尾泰一郎
君) ただいま御指摘のございました点は、私今ここへ計数等の詳細は持っておりませんですけれども、御承知のように
開発
銀行につきましては、直接には大蔵省が
政府
関係機関として監督その他も全部やるわけでございますが、通産省として
開発
銀行にいろいろお願いと申しますかをしますのは、先ほど御説明いたしましたような資金について、こういう方面に
重点
的な資金の
運用
をしてほしいというようなことのその関係で私ども開銀との関係が深いわけでございます。ここへ私その辺の計数を打って参りませんでしたが、またのちほど機会があったら御説明いたしたいと思いますので、御了解願いたいと思います。
大竹平八郎
31
○
大竹平八郎
君 先ほど申し上げました
通り
、これは決算
委員
会で当然取り上げてやり、また現に私自身も取り上げてやったことなんでありますが、これがもし資料として配付ができなければ、いつとは申し上げませんけれども、大体の債権の状況ですか、そういうものを
一つ
とっていただいて、一度
一つ
機会を見て御説明願いたいと思います。
田畑金光
32
○
委員長
(
田畑金光
君) この際、ちょっと御了解願っておきたいと思うのですが、高
碕通産大臣
は、実はユーゴスラビアのセルビア副首相と会見される時間の予定がございまして、四時から会見されるようですから、できるだけ御質問なさる方は、通産大臣に対する質問を先に願いたいと思います。
海野三朗
33
○海野三朗君 米国との
輸出
関係ですね、そのことについて、さっきちょっと言及されましたが、米国では軽工業その他のあるいは綿布のことについても、組合でもってちゃんと議会専属の者がおるのです。それで日本品がどういうふうに入ってきておるかということをすぐその
国会
にやる。
国会
で係の者が、つまり
国会
の職員にそれをすぐ伝える。それで
国会
がすぐ問題にするのでありますが、日本の今までのやり方は、商務官というものがおるのでありましょうけれども、一向その方面に行っていない。力を注いでいない。そういうふうな状態でありまするから、ほんとうからいえば、日本の方が先にそれらの人に先んじて状況を探って、そうして日本内地にこれを知らせるという態度でなければならないと思いますが、外務省に対して通産大臣はいかように
努力
をしておられるのか。この話は去年私は
商工委員会
において力説したのでありますが、その後どういうふうに通産大臣はお考えでありますか。日本の方が政治的におくれておる。おくれておるから、今度はミシンの方を制限するとか、何の方を制限するとかいうようなことまでやっておる。それに対して、今度は日本の方でようやくさわいでおるというような形でありますが、それはどういうふうに
通商産業大臣
として一体お考えになっておりますか。その所信及び今まで外務大臣に交渉なさったことがあるのかないのか。その商務官の派遣についてどういうふうなお骨折りをやっていらっしゃったか、その点を
一つ
お伺いしたい。
高碕達之助
34
○
国務大臣
(高
碕達之助
君) 御指摘の問題でありますが、これはもちろん昨年来十分先方の出方を
調査
する
ため
に、
通商産業省
といたしましても専門の係官をワシントンに駐在せしめて、そうして外務省とは緊密なる連絡をとって、先方の輸入阻止運動に対する対抗策を講じておる次第でございますが、これは御指摘のごとく、万全にうまくいっておるかということは、またこれは相当の問題もあることでありますから、ますますこれを
強化
して、そうして万遺憾なきよう
施策
を講じたいと思っております。
海野三朗
35
○海野三朗君 外務大臣に対してどういうふうに交渉なさっておりますものか、その
努力
のほどを承わりたい。このことは一昨年来、私がやかましく論じてきたところであります。日本から商務官を使ってやっておる。やっておるというても、議会の方とはまるでお話にならないのです。
国会
の戦い、アメリカの
国会
の戦いにおいては、日本の商務官が行っておっても、何が何やら、軽目羽二重のことでもそうですし、一年たってようやく
実施
されるときに当って、こちらの方に言うてきておるというような状況では、日本の外交
政策
というものはまるでなっていないというふうに私は考えるのです。その点に対して通産大臣はどういうふうな所信をお持ちになっておるか。これはもう一昨年来、軽目羽二重の問題が起りましたときに、ずいぶん要望したのでありますが、その後どういうふうにお考えになっておるか。ただのんべんだらりとしておられるわけじゃないだろうとは思いますが、その実行なさったことがあるのか。外務大臣に対してどういうふうな交渉をなさっておるのか、その点をお伺いしたい。
高碕達之助
36
○
国務大臣
(高
碕達之助
君)
経済
外交を
推進
するということは必要でありますから、事の大小にかかわらず、常に外務省とは密接なる連絡をとって進んでおります。でありますから、ただその実行に当りましても、昨年来最も必要であるというので、特に
産業
使節団を先方に派遣いたしまして、問題の起りそうな方面に対する
対策
、あるいは
国会
対策
等についても十分の連絡をとって進んでおるわけであります。
島清
37
○島清君 ただいま大竹
委員
から、日台
貿易
の
振興
と
拡大
という質問があったわけでありますが、それとやや対蹠的な問題といたしましては、日中
貿易
の再開という問題があると思うのです。
政府
の
方針
といたしましては大きな政治問題でございまして、その
方針
が決定をしなければ、あるいは
政府
としては言い得ないかもしれませんが、しかしながら、通産省といたしましては
重点施策
の第一番目に掲げておりまするこの
貿易
の
振興
を期する
ため
に、私は日中
貿易
の再開ということを落しては、やっぱりこれがただ単にお題目に終るのではないかというようなそしりを免れないのではないか、まあこう思うわけであります。従いまして、通産省といたしましては、やっぱり
貿易
の
振興
をうたいまする以上は、日中
貿易
の再開ということを、私は、熱意をお示しになることが、この第一番目に掲げられておりまするところの
貿易
の
振興
というものを情熱をもって達成される御意向であるのだということが国民に受け取られると思うのです。なぜこれをお省きになっておられるか。この省かれておりまする理由についてお尋ねをしたいことが第一点であります。 第二点は、
中小企業
の
振興
ということをやっぱり四本の柱の第三番目にうたっておられますけれども、もはや
中小企業
の
振興
ということは、これはお経の題目みたいになっているのです。しからばどうやって
中小企業
の
振興
をはかるかということの具体的な問題の解決が私は示されなければならないと思うのですが、それにはいろいろありましょうけれども、やっぱり
中小企業
の中の
合理化
が
促進
されなければならない。
合理化
を
促進
するということになりまするというと、人的な面におきましては、
中小企業
の労働者の諸君に近代的なその職場的意識を与えなければならない。その意味におきましては、徒弟的な立場から近代的な労働者としての立場を与えなければならない。これはもう当然だと思うのです。そういうようなことを
促進
する意味において、私たちは満足しているわけではございませんけれども、
中小企業
労働者に対して退職年金を与えたいということは、これは
中小企業
の
振興
を考える者として当然に考えなければならない問題だと思うのです。そこで、今
国会
におきましてもこの法案が出て参るようでございまするが、法案が出て参るということが当然に予定をされておりまするので、通産省といたしましても、この問題について何か一言触れてしかるべきではないかと、こういうような感を持つのであります。なぜ私がこういう感を持つかと申しますると、大臣は
重点施策
の中で、
中小企業
者の
事業税
の
軽減
ということをおっしゃっておられるのです。大蔵大臣が申されるようなことを大臣もうたっておられるのでありまするからして、当特にこういうような問題についても通産大臣としてはお触れになってしかるべきではないかと、こういうふうに思うわけでありまするが、何ゆえにこういうような問題についてお触れにならないかというようなことを明らかにしていただきたいと思うのであります。 さらにもう一点は、鉱工業の
技術
の
振興
、まあこれでは
技術
の
振興
ということになっておりまするけれども、その
技術
の
振興
をいたしまして、やっぱり鉱工業の増産をはかるということだと思うんです。そういうことをいたしまするというと、まあ鉱工業ということになりまするといろいろありまするけれども、私は石油の問題についてお尋ねをいたします。
財政投融資
計画
の中から見まするというと、石油
資源
開発
株式会社に対しまする投融資は、前
年度
が二十七億で、本
年度
は、会計
年度
からいいまして——三十四
年度
のことを本
年度
と申し上げているわけでありますが、二十九億円の御
計画
のようでございますが、私が仄聞したところによりまするというと、通産省でも
計画
を立てられて、その
計画
を達成する
ため
には、また石油
資源
開発
株式会社等におきましても、どうしてもやっぱり
所要
資金としては三十五億ぐらいなければ、三十四
年度
の
計画
を達成することができないのではないかと、こういうことの御意向が非常に強かったように承わっているのであります。ところが、これが削減を受けまして、まあここに示されたのは二十九億でございますが、思いまするに、あの石油
資源
開発
株式会社の設立をいたしまするときに、時の通産大臣は石橋さんでいらっしゃいましたけれども、石橋さんは、本
委員
会におきまして、
所要
資金に事欠かすようなことはないのだということを明言をされたいきさつもございまするので、また私たちが考えましても、それは大臣のあえて言明を待たずとも、やっぱり唯一の
資源
開発
のホープでございまするので、そこらには潤沢に資金を
投入
をいたしまして
開発
をするという意欲がなければ、私は、国の
産業政策
としては不十分じゃないかと、こう思いまするので、ここにお示しになっておりまする二十九億というのはぎりぎり決着で、もうどうにもならないものであるのかどうか。そうといたしまするならば、
政府
に、まあ
政府
案としては
国会
に御提示になっておるわけでありまするが、若干今でも何かそういったような余裕のあるものであるかどうか。さらに私が聞いたところによりますると、三十五億ぐらいなければいけないといわれたものを、二十九億をお認めになったということについては、二十九億でその目的を達成することが可能であるという確信がおありなのであるか。おありであるといたしまするならば、その確信のほどをお示しをいただきたい。 この三点について御答弁をわずらわしたいと、こう思います。
高碕達之助
38
○
国務大臣
(高
碕達之助
君) 第一の御質問の、
貿易
振興
をやる場合には、まず中共
貿易
ということをなぜ考えなかったか、こういうことでありますが、もちろんこの中には書いてはありませんが、通産省の
政策
といたしましては、中共に対する
貿易
を増加するということは、最も重要なる点と存じておりまするが、御承知の今日、昨年の五月以来こういうふうな状態に相なっておりますので、現在におきましては、中共の側では
貿易
と政治とは切り離すことはできない。ところが、政治の
組織
におきまして、両国において相当相違もあり、いろいろな関係で根本的にこの
貿易
を打開するということは非常に困難でありますが、しかし、
通商産業省
といたしますれば、もう政治問題に関連せずに、両国の間にいわゆるバンドン精神をもってお互いの内政には干渉しない、そうしてお互いの政治
組織
はお互いに尊重し合うということにして、そうして
貿易
問題だけはこれを切り離してやってもらいたい、この熱意は燃えておるわけであるのでありまして、私は、先般、ウルシの問題等もあったのでありますが、これは新聞に大きく書かれたことははなはだ残念でございますが、こっちから発表したわけではございませんで、ウルシのごときは、日本においては中共のものを持ってこなければ現在の
事業
を継続をすることはできぬ、これくらいに急迫しておるわけでありまして、中共側におきましても、ウルシは日本に出さなければ自分で使い切るだけのものでないので、かつあれは永久に貯蔵することができないのでありますが、こういうことを考えますれば、政治情勢のいかんにかかわらず、両国民の友好親善を保つという上においては有無相通ずることについては、事小なりといえど、こういう問題は当然解決すべきものであると思いまして、この問題に自分は熱意をもって当る考えでおりまして、全面的にわたりまして
貿易
振興
とともに、それが
ため
には中共との
貿易
は一日も早く
回復
せんことを心から念願しておる次第であります。 第二の
中小企業
の
振興
については、お説のごとくいろいろの施設もございましょうが、これに従事しておる人たちの待遇が現在の大
企業
に比較して非常に悪いという現状でありまして、これをどうして打開するのか、この
中小企業
の従業員をどうして安定せしむるか、どうして労働意欲を持たすかということは最も重大なる問題と存じまして、先般来御承知の
通り
退職共済制度というものを、何と申しますか、退職について基金を作って出すということの法律を今度労働省と一しょになって提出する次第でございまして、ここに書いておかなかったといえども、軽視しているわけではありませんから、さよう御承知願いたいと思います。 第三に、石油
開発
の問題でございますが、昨年は大体
政府
の出資は十八億円に対し、民間の投資は七億七千万円あったのでございます。それで本年は大体三十五億円くらい必要だ、こういうことを何べんも私は聞いておるわけでありますが、できるだけ
政府
の投資をふやしたいということで
努力
いたしましたが、今日の全体のワクから見まして昨年よりも二億ふやしたらよかろうということで、われわれが
努力
いたしました結果、二億ふやしまして二十億という数字になったんでありますが、ここで民間がどれくらい投資してくれるかという問題に帰着すると思いますが、できるだけ
政府
といたしまして、民間の投資を勧誘し、これの投資のしやすいように話を持っていって、仕事に差しつかえないように話を進めたいと考えておる次第であります。
島清
39
○島清君 今
貿易
の
振興
と関連いたしまして、特にアメリカとの
輸出
入の問題でございますが、海野
委員
もどうもアメリカの方はむしろ
輸出
の過剰で、日本にとっては大へんな、向う側から見れば
輸出
国であるのにかかわらず、日本の輸入品については一々因縁をつけて困るじゃないかということがすなおな国民感情だと思うのです。それは私はよってくる原因はわかります。それは向うにも業者が
国会
に入っておりまして、向うにはちゃんと職業的なロビーイストがおりまして、騒ぎ立て、ることによって自分の生活を維持するという制度がありますから、こういう連中が騒ぎ立てるということは私はわかるのですが、しかしながらそれにいたしましても、たとえば最近の日本のシャベルの輸入に対して国務省が本気にこれを取り上げて制限を加えようとしてみたりすることは、あるいは世論に対する気がねはあるかもしれませんが、それにしても少しアメリカはヒステリックに騒ぎ過ぎると思うのです。そこでそれを押える
ため
には、要するにこれはアメリカのシステムがそういうことになっておりますので、お前たちは黙っておれということは、それはいけないことでありまするが、私は黙らせることは必要だと思うのです。それで私は黙らせるということもよく承知ですが、それには私はやっぱりここに派遣をされておりまするところの、今はアメリカ大使館付になっておりまする通産省から行った連中の、要するにそのロビーイストか何かと私的に交際をする、公的でもかまいませんけれども、日本の
実情
を訴えて、そういうことが起らないようにする、そういうような交際費といいますか、そういうものの欠乏が、むしろ、全然これをなくすということはできないけれども、声を小さくして、そうして押えることができないなどの理由になっているのではないか、こう思うわけですが、今、通産省から派遣されまする
海外
駐在員というのは、
予算
は通産省からもらいまして、それを外務省の方へ移して、それが向うへ出向するわけでございますね。ですからそういうあれは、通産省といたしましては、
海外
の方へ出て参ります駐在員に対しては、特別のそういう意味の配慮が私はなされなければならぬのじゃないかと思います。普通の外務官僚のやりまする外交
事項
と、それから、こちらから、通産省から出て参りまする
経済
外交とは、非常に性質が違うのですね。玄関から入っていって、四角四面で話ができるのは普通の外交
事項
ですが、
経済
外交ということになると、往々にしてそういうことはあまり
効果
はないのです。ですから、あるいは勝手口から行って話をしたり何かすることもしなければならぬわけです。ですからこういう問題については、私はやはり事、アメリカに関する限り、格段の配慮が必要ではないかと思うわけですが、そういう点はどうなんでございますか。
高碕達之助
40
○
国務大臣
(高
碕達之助
君) まことにごもっともな点でございまして、その点は前から考えておりまして、通産省から行っております者の力だけではいけないという点もありますから、各輸入業者、向うにおける日本の
輸出
業者、そういうものだとか、あるいは日本の各団体に話し合いをつけまして、たとえば洋食器は洋食器の関係、マグロの関係はマグロの関係とかいう工合に、その連中の中で、ある程度のアメリカ人を雇いまして、これはあまり大きな給料ではないのですけれども、弁護士とか、アメリカ人を雇って、それに
活動
してもらって、そうしてそういう方面の
調査
の妥結をいたしておるわけでございますが、根本に島さんのおっしゃいました点の、アメリカ全体が日本に対する輸入に反感を持っているというほどには、私は多少お考えが違っているかもしれませんが、そこまではいっていないと思いますが、現在日本の輸入を阻止するのは、やはり先方の業者が多いの、でございまして、日本の商品と同じものの製造をしている連中が根本になって働いて、それがロビーイストを使って、あの運動をしておるようでありますが、そういうことには、先方の状況もよく知り、日本の状況もよく話し合うという必要があると思いますから、通産省の役人だけで及ばない点は、業者ともよく接触を保って、そうして
対策
を講じたいと思っておりますが、まだ私は根本でもう少し進めたいと思っておりますことは、これはいろいろ考慮しておりまして、まだ実行の域に達しないのでありますけれども、もう少し、アメリカの政界における、アメリカの
産業
の根本は
政府
の役人よりもむしろ党の人たちが多いわけですから、政党関係、つまり議員の関係の人とのつながりのつく相当有力なる人を、日本の代表として折衝に当ってもらうということが必要だろうと存じまして、先般来、外務省とも話し合いをやっているわけでありますが、何しろ相当大きな
予算
措置が伴う必要がございますものでありますから、そういう場合には、緊急の場合にはやむを得ずジェトロの方の
予算
をもって当っていきたい、こういうふうなことも考えて、今御指摘の点は十分私たちの考慮いたしている点でございますから、善処いたしたいと存じます。
海野三朗
41
○海野三朗君 アメリカにも消費組合というような組合があるには違いない。また、日本において婦人会なんぞ、消費組合に類するものがアメリカにもたくさんあるだろうと思うのです。そういうところで安くていい品物が入るということであれば、喜んで向うは入れるだろうと思います。アメリカで騒いでおるのは、業者だけが騒いでおるもので、そういう方面の声を少しも聞かない。こういうところに日本のつまり
経済
外交の劣悪さがあるんだろうと思いますので、特にその点に意を用いてもらいたい。そのことについては大臣はどういうふうな御決心を持っておられるのか。 日本から商務官をやっておるからというて、大きい顔をしておられない。もっと民間に下って民間の声を聞いて、これを政治の上に反映するようにしなければならない。こういうふうに思うのですが、日本から行っておる外交官たちはそういうことにはほとんど無関心であるかのごとくに思われるんです。その点を私は強調したいと思いますので、一昨年ちょうど軽目羽二重のときもそうです、やかましく言うたんです。で、大臣はどういうふうな御決心を持っていなさるか、それをちょっと伺わして下さい。
高碕達之助
42
○
国務大臣
(高
碕達之助
君) ただいまのお説は私もごもっともと思います。反対する人たちもあり、また歓迎する人たちは、それは主として値の安い、いい品物になればこれは消費したい、こういう希望の人がおると思います。そういう方面の団体とは逐次話を進めて、まず先方においても、日本の商品を排斥すべからずという運動は逐次起しつつあるわけであります。
海野三朗
43
○海野三朗君 一昨年そのことを申しましたときに、通産大臣としてはどういうふうな答弁をなさったかというと、
予算
を伴う問題であるからそれはできない、ということを暗に言われたのでありますが、その後年々
予算
を組んでおられまするが、もう二回も
予算
を組んでおるが、さらにそういう方面に見るべきものがあるとは思われないので、私はそれを非常に不思議に思うのです。ただ
通り
一ぺんの、
予算
が伴うから思うようにいかないんだという御答弁であった、一昨年です。その後この
貿易
の問題について、今度は軽工業の方面について、あるいはシャベルの問題についても起っておる。起ってくるたんびに私はそういうことを思うのですが、その点については大臣はどういう御決心を持っていなさるか。
高碕達之助
44
○
国務大臣
(高
碕達之助
君) その問題は通産省の
予算
ではありませんけれども、たとえばマグロのカン詰とかミカンのカン詰というようなもの、何千万円かの
輸出
をしておるが、それについてできるだけ
輸出
の恩恵にあずかる民間の人たちがその経費を出し合って、アメリカの消費階級に呼びかけておるのは事実でございます。
田畑金光
45
○
委員長
(
田畑金光
君) それでは、通産大臣に対する質問は次回に回していただいて、大臣は退席されます。
大竹平八郎
46
○
大竹平八郎
君 先ほど大臣の御答弁にもありました
通り
、この通貨
交換性回復
の問題については、鋭意この
対策
を協議中だと、それから詳細は
政府委員
からという、こういう御答弁があったのですが、もし具体的にそれがある程度お示しできることがありますなら、
一つ
松尾
局長
から御説明いただきたい。
松尾泰一郎
47
○
政府委員
(
松尾泰一郎
君) 先ほども大臣から御答弁ありましたように、今回の欧州各国の通貨の
交換性回復
そのものは、直ちには
自由化
を意味しておりませんということは御承知の
通り
であります。しかしながら将来の
貿易
の
自由化
に対する
一つ
の
準備
階梯と申しますか、
一つ
のステップであることにはこれは間違いなかろうと思います。従いまして将来の問題につきましては、今後
諸国
の情勢を注視してそれに対応する措置をとっていかなければならぬわけでありますが、さしあたり当面の措置といたしまして、ドルとポンドとを区別する必要がなくなったわけでありますから、そこでその事態に対する当面の措置を早急にとろうと考えておるのでありますが、それはまず簡単に申し上げますと、従来ドル地域との
輸出
入、それからポンド地域との
輸出
入につきましての決済の通貨が異なっておったことは
御存じ
の
通り
であります。ドル地域から輸入する場合は支払い通貨としてはドルでもポンドでもよろしい。しかしドル地域に
輸出
する場合には必ずドルでとらなければならぬということが
一つ
。それからポンド地域に対しましては、
輸出
はポンドでもドルでもいいが、輸入の場合には支払い通貨は必ずポンドでなければならぬ、こういうきめになっておったわけであります。それをそういう区別をする必要がなくなりましたので、何と申しますか、全部のコンビネーションといいますか、になりまして、要するにドル地域への
輸出
もポンドで代価を受け取ってもよろしいし、ポンド地域からの輸入に対しましてドルを支払ってもよろしいという
改正
。これは標準決済規則の
改正
になることでありますが、これを近くやることになっております。その標準決済規則の
改正
に即応しまして、さしあたり輸入につきましても
御存じ
のように自動承認制というのがございます。現在のところ百七十七品目、そのほかにこまごましたものが四百四十品目ぐらいが自動承認品目になっておるのでございますが、ところがこの商品の輸入につきましては、ポンド地域なりあるいはオープン・アカウント地域からの輸入は自由になっておるのでありますが、このうち約三分の一程度のものにつきましては、ドル地域からの輸入を禁止しておるといいますか、閉じておるのであります。このドル地域からの輸入を閉じております理由といたしましてはいろいろあるのでありますが、まず第一にはさしあたり
国内
産業
保護の必要があるのであります。ドル地域からの輸入を認めるとかなり多く輸入が行われるかもしれない、それでありますから、ドル地域からの輸入を閉じることによって
国内
産業
の保護をいたす目的のものがかなりあるわけでありますが、そのほかにはどうしても日本の
貿易
の
構造
としまして、ポンド地域に対しては
輸出
超過であります。従いましてそのポンドをできるだけ使うということ、すなわちドルをセーブしてポンドをスペンドするという趣旨から、できるだけポンド地域からの輸入を
促進
する
ため
に、ドル地域からの輸入を抑えているというものもかなりあるわけであります。 そこで、先ほど来申しますように、ドルとポンドとの区別は撤廃された、コンヴァーティビリティは自由であるということになりますと、ポンド・スペンディングを目的としたポンド地域からの輸入というものと、それからドル・セービングの
ため
にドル地域からの輸入をクローズする実は必要がなくなりますので、かなり現在自動承認制下におきまして、ドル地域からの輸入を締めておりまするのをポンド地域と同様に開こう、輸入を自由にしょう、こういうふうに考えております。近く早急にこの
改正
をいたしたいと思います。しかしながらあくまでやはり
産業
保護という必要のある物資につきましては、やむを得ずドル地域からの輸入は当分のうち締めておかなければならぬであろう、こういうふうに考えております。ただそうすることによって、ガットあるいはIMF等の
国際
機関に対する説明の仕方、あるいは各国との通商協定上うたっております最恵国待遇との問題が若干あるのでありまするが、差し当りこの程度の措置では、
国際
機関なり現在日本が加盟しております各国との通商協定からいいますと、十分の説明はつくであろうということで、とりあえずそういう処置をとろうとしております。 第二段として、もう一歩
自由化
する措置をとるかどうか、あるいは現在割当制にしておりますものを自動承認制の方に移すかどうか、これは
貿易自由化
のほんとうのステップになると思います。それにつきましては、日本の現在の為替事情その他
全般
のことを判断していたさなければなりませんので、第二、第三の措置として考えたい、当面としましては今申し上げたようなことを早急にやりたいということでございます。
大竹平八郎
48
○
大竹平八郎
君 本問題は
貿易
振興
上非常に重大な問題であります。いずれこれはまた後日
松尾
局長
にお尋ねすることにしまして、一ぺん
経済企画庁長官
に、
国内
問題でなく、
貿易
に関連をいたしましてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、
長官
は幸いにいたしまして、なべ底景気から立ち上った好況のさなかに御就任せられて、まことにけっこうだと思うのでありますが、ここで私がお尋ねいたしたいことは、この「
経済
運営の基本的態度」という中にも出ておりますし、また
長官
が先般本
会議
で行われました施政演説の中にも出ておるのであります。内外の
経済
情勢が非常によくなった、米国を
中心
にいたしまして、ヨーロッパ、ことに西ドイツではドルが六十一億ドルもたまるというようなことで非常に
全般
的によくなった。しかしこの基本態度の中にもございますが、問題は、さっきも通産大臣にも質問の中に触れておいたのでありますが、わが日本と最も重要な関係にあります東南アジア、すなわち低
開発
諸国
、これもこの中に書いてあります
通り
、
国際
流動性の
強化
によって、そしてこの困難をできるだけ除去していくというような点が示されておるのであります。そういう意味において、日本も低
開発
国に対しましては、非常な大きな責任と申しましょうか、あるいは
貿易
発展
の上に当然やらなければならぬ点というものが非常にあるわけなのでありますが、このことについても二点をお尋ねいたしたいのでありますが、まず第一点は、そうした
後進国
である低
開発
国に対しまして、新たに従来いろいろ円借款の問題とかその他とられておるのでありますが、それをさらに一層、何か三十四
年度
といたしまして、
政府
の構想として新しく大きく
貿易
発展
の
ため
に特別な借款とか、あるいは物資供与とか、あるいは特別の延べ払いとか、そういうような
方針
を持っていく御
計画
があるかどうかということ。 それからいま一点は、輸入問題でございますが、輸入は今
松尾
局長
からも言われた
通り
、今度御承知のポンドとドルが交換自由になりまして、日本の東南アジアの
貿易
というものが非常に
促進
をされるわけなんです。しかし私どもが、先ほども通産大臣ちょっと触れましたが、この低
開発
国との
貿易
を進めるということは、どうしても向うの物資を買うという点なんであります。そういうわけで私は、これは藤山外務大臣にも
経済
外交の基本
方針
としてお尋ねをしたことがあるのでありますが、このアメリカに、どっちかというと日本の輸入というものが多く依存せられておる格好になっているのでありますが、必ずしも東南アジアに、アメリカにあるものがあるとは言いきれないのでありますが、しかしあるものはたくさんあるのであります。ただ問題が
価格
の問題になるわけなんであります。そういう意味で多少高くても、場合によっては東南アジアから日本が買い付けて、そしてここにある、いわゆる
国際
流動性の
強化
によって、そして低
開発
国の援助をやらなければならぬ、こういうことにもなり得るわけです、結論といたしまして。そういうわけでこの二点を
一つ
お尋ねをいたしたいと思うのであります。
世耕弘一
49
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) お答えをいたします。大体
貿易
面に関してこれが
対策
並びに新たな
振興
方針
というのは、先ほど来高
碕通産大臣
からお答えした範囲を出ないと思うのであります。御承知の
通り
私は就任して間もないことでございますから、前
長官
の
計画
を一応踏襲する
方針
で今進めてきておりますので、いずれ私としての所信を明らかにする時期があろうと思いますが、差し当って申し上げたいことは、ちょうど今御質問願ったように、いわゆる低
開発
国の
貿易
をどう日本で調節していくかということは、非常にむずかしい問題であると同時に、今後日本の
貿易
の
発展
に大きな貢献があるのではないかということが想像できるのであります。それにはまず第一に、今おっしゃっていただいたように、かなり東南アジア方面から日本が買いたい品物があると思う、ところが買いたい品物はあるが、こちらの方にもまたそれに対して売り込みたいものもあるんだけれども、支払い
能力
の点で、いわゆる勘定面でどうも困難の状態がある、これをいかに今後解決していくかということが
一つ
の大きな道ではないかと思います。ということが
一つ
。 もう
一つ
は通産省その他でも考慮されている問題だと思いますが、
技術
の問題、
技術
をいかに向うの方に
輸出
して、そしてかえって日本の
経済
進出をはかるということも
一つ
の例ではないかと思うのであります。この分に対しては、まだ私から新しくどうするこうするという面について、計数的に申し上げるところまで行ってないことを遺憾に思うのですが、お許しを願いたいと思います。ただ従来の
開発
に対する
計画
に対しては、事務当局から、
政府委員
から一応具体的な問題について御説明申し上げたいと思います。
阿部竹松
50
○
阿部
竹松君 時間が大分おそくなっておりますから二、三点
世耕
長官
にお尋ねいたしますが、実は
世耕
長官
の前の三木
長官
から、昨年のあの通常
国会
が始まったときの
委員
会において、独禁法の
改正
をどうするかというお話を伺ったことがございます。そのときにまあ前々からの
懸案
の法案であり、
政府
としてはこれは
経済
憲法であるこの法律をどうしても修正しなければ、日本の
経済
が成り立たぬ、というような意味も含めて、強い
改正
の御意思があったのですがね。今度その出された法条を見ると考慮中ということになっているのですよ。三木
長官
のお話ではこれは新年早々出すから
一つ
諸君も勉強しておいてくれ、とこういうお話だったのですが、あれはどういうことになりましたか。
世耕弘一
51
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) 前
長官
の意向
通り
、企画庁としてはそういう趣旨でございまするが、他の関係官庁とも目下折衝いたしておるのであります。で、どういう結論を出すか、今その結論についてお答えがちょっと困難だと思います。ただ私として申し上げたいことは、独禁法はかなり各方面に
影響
力を持つものでありますから慎重に取り扱ってみたい。ことに独禁法の扱い方いかんによっては、
中小企業
、
一般
国民の生活にも
影響
する問題がかなり取り入れられておるのであります。
改正
するにしても広範囲にわたって考慮をめぐらさなくちゃならぬとかように考えております。従来の
方針
でございましたなれば、次の機会に
政府委員
から御説明さしていただきたいと思います。
阿部竹松
52
○
阿部
竹松君 これは
長官
も御承知の
通り
、あなたの方と
通商産業省
と、まあ総理府のどなたがおやりになったかわかりませんけれども、まあ
松尾
さんが担当してやったというふうに聞きましたが、あるいは内閣法制局と話し合って
一つ
の法案ができてしまったのですけれども、それでこれでいきますという法案ができたのですよ。それを今各省と連絡をとるということはおかしいじゃないですか。あれが
国会
にかかって、それぞれ自民党なり社会党なりあるいは緑風会から意見が出、そしてまた
国会
で流れるかどうかして意見が出されて、てんやわんやした法案なら、これは
長官
のような御答弁でけっこうだと思う。しかし論議があった、その論議をまとめてこれでいきたいといって法案を送ったのでしょう。あなたの方でそれで
国会
に出したのです。しかし御承知のような
国会
でこれは
審議
できなかったのですがね。そうすると私がお尋ねしているのはこれは簡単明瞭なのです。出すのか出さぬのか、こういうことをはっきりお伺いしたいのです。ということは三月末から地方選挙が始まって参議院選挙等もございますので、おそらく実のある
国会
といったらこれはざっくばらんに申しまして二月と三月一ぱいくらいであって、その末期にごそっと重大な法案を出されてもわれわれも困る。であるから、出すのか出さぬのかという、イエスかノーかなのです。理窟をお伺いしているのじゃないのです。
世耕弘一
53
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) 企画庁の
方針
としては断念いたしておりません。あなたのお尋ね下さったのは、これは出さないのか出すのかというお話だったと思いますが、出さないというふうに断念いたしておりません。出す意思があるということだけ申し上げておきます。
阿部竹松
54
○
阿部
竹松君 いつ出すのですか。
世耕弘一
55
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) 諸般の
準備
も要りますのと、各省との関係もありますのだから、今
準備
をいたしておりますとこう申し上げるのであります。
阿部竹松
56
○
阿部
竹松君 まあそうしますと、この前出た
内容
と違うものが出されるとこういうことですね。まあ経企
長官
はかわっても閣僚の大部分がかわらぬのですからね、それから岸
内閣総理大臣
のもとに
方針
も変らぬし、やはり自民党さんの内閣ですからそんなに私は違うものが出されるはずがないと思う。
経済
情勢もそんなに一カ月か二カ月のうちに変っておらぬというようなわけで、いつ出されるかということをお尋ねしている。
世耕弘一
57
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) その点は今明確に御答弁するまでに至っておりません。御了承願いたいと思います。この次の
委員
会に改めて申し上げたい、考慮中なんであります。
阿部竹松
58
○
阿部
竹松君 それではこの次の
委員
会にお伺いすることにいたしまして、その点はけっこうです。 その次に
世耕
長官
は、一昨日参議院の本
会議
で日本国の
経済
は私に任せておけという、まことに御自信のある力強い御答弁をいただいたわけですが、そこで今
石炭
が何かしこたま余りで、日本の燃料
政策
なんかあなたの
商工委員会
における
経済企画庁長官
のあいさつ要旨などというようなものに、きわめてりっぱなことが書いてあるけれども、しかし鉱工業生産が伸びたとか順調といっても、これは全然だめですよ。これは美文麗句であっても中身は全然、
長官
は
御存じ
であるのか、おそらくこれは
局長
か課長が書いたのだろうと思いますが、大体
長官
のところの
経済企画庁
というのは、
経済
の企画だけやってあと責任は負わないのだからきわめて緩慢ですよ。あなたの部下は楽観論者ですよ。通産省当局などはもし
一つ
の
計画
を立ててそれが失敗すると、民間人がやってきて、いい意味においても悪い意味においても、これをどうしてくれるということで、
局長
でも課長でも真剣にならざるを得ないけれども、あなたのところの燃料
政策
を聞いたってきわめて楽観論者です。ことしはどういうことなのか、私はその燃料
政策
についてお伺いいたしたい。
世耕弘一
59
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) だいぶお叱りを受けましたが、私の部下は必ずしもそういうふまじめなものではございませんで、なかなか熱心にいろいろ
計画
していることをどうぞお認め願いたいと思います。ただ改めて申しあげたいことは、御指摘の
通り
、
石炭
の問題、その他石油等の燃料の問題、あらゆる燃料問題は今まさに燃料の革命という時代であるともいえるわけなんです。ことに
原子力
、太陽エネルギーというものまで
発展
的に、しかもそれが今日現実に
利用
されようという時代に、
石炭
の問題と石油の問題にからみ合って、
経済
問題はかなり深刻な状態になっているということは御指摘の
通り
なんであります。そこで私は就任すると同時に、
石炭
問題の難問題のあることを承知いたしまして、企画庁の幹部を集めていろいろ協議いたしました。何とかこれに至急な
対策
を講じなければならぬのじゃないかという意味で、エネルギーに関する部会を至急に
確立
さして、これで御満足のいくような
対策
ができるかどうか知りませんが、緊急
対策
をやるということで打ち合せてせっかく
努力
をいたしております。いずれこの点も具体的に御報告することができると思います。まあこの程度で今の場合御報告申し上げるより仕方がないと思います。
阿部竹松
60
○
阿部
竹松君 その部会を持たれて
対策
を立てられるということはけっこうです。それはそれでいいのです。しかし私は
長官
の御見解を承わっている。たとえばあなたの方で、これは昨年の今ごろ
石炭
がどれだけ要るのだと言ったら、五千六百万トンで来
年度
は六千万トンとか、こういう御意見の御発表があって
経済企画庁
はこれでいきたいということだったのです。しかしあなたがここで謳歌しているようにうまくいかなかった。逆に五千六百万トン必要とする昨年が五千万トンぐらいしか要らなくなって、ことしは何千万トン
計画
しているかわからぬけれども、あなたのところの五カ年
計画
は漸次伸びるような五カ年
計画
です。しかし、現状はだんだん下降をたどっておる。ですから、一体これをどうするかという根本
方針
を承わっているのです。
原子力
発電をするというのであったら、
原子力
発電が三年後には三十万キロ発電できるようになるから、そうすると
石炭
は要らぬとか、あるいは重油でこれだけ発電するから
石炭
は要らぬとか、こういう
方針
を承わっている。と同時に、今一千百万トンくらい
石炭
があるわけです。これを一体
経済企画庁
としてはどういうふうな方法で処置を講ずる気か。黙って、炭鉱はつぶれていく、労働者は失業する、炭鉱
経営
者は倒産するというのを、じんぜんとしてお待ちになっておるのか。それとも今までの燃料
政策
の失敗は失敗と認めて、とにかく明確に立て直しをやるのかどうか、そこらあたりを承わっているわけですよ。
世耕弘一
61
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) 燃料
政策
が成功だと私は認めておりません。だからこれに対して緊急な
対策
を講じなくちゃならぬと感じまして、実は燃料に関するエネルギー部会というものを、早急に
活動
せしめるという行き方にしておるのであります。ただ御承知の
通り
任命されてまだ半月足らずなので、私の基本的な
方針
を、ここに具体的に申し上げることのできないのをお許しを願いたいと思います。順次この点について具体的のことを発表いたしていきたいと、かように考えております。
阿部竹松
62
○
阿部
竹松君 まあ
長官
は就任されて間もないのですから、僕は
長官
が全部お知りになっているとは思いませんし、
長官
を責めようとは思いませんよ。ただあなたが与党の一員でありまた閣僚でもあるから、当然、前の三木さんがやったことはおれは知らぬ、河野一郎さんのやったことは知らぬと僕は言ってもらいたくない。具体的にどういうことになるかということを、本
会議
ならば僕は聞きませんけれども……、今直ちに困るのでなくても、昨年あたりから困っておるのですから、中小炭鉱なんかどんどんつぶれていっておるのですから、こういうことをどうされるかということを、
長官
でなければ、
委員長
から御指名いただいて、ほかの
政府委員
の方でもけっこうですから、もう少し実のある答弁を僕はいただきたいと思うのです。
長官
でなくてもよろしゅうございます。
世耕弘一
63
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) 直接の主管大臣である高碕さんが出かけて留守でございますので、そういうような事情もございますので、
委員長
、できたら次の機会にお尋ねいただくと非常にけっこうだと思います。
阿部竹松
64
○
阿部
竹松君 それは
長官
、高碕さんは高碕さんとして
石炭
局を自分の省内にかかえておるから、高碕さんには高碕さんで別の意味のことをお尋ねしますけれども、やっぱりエネルギー
政策
、あるいは日本の
経済
をどう持っていくかというところの企画立案はあなたのところでなさるんじゃないですか。しかし、次の機会ということであれば、私は次の機会でもけっこうです。それはどちらでも
委員長
のお計らいにおまかせします。
大來佐武郎
65
○
政府委員
(大
來佐武郎
君) ただいま御質問の点で、長期
計画
に関連して御質問がございましたので申し上げますが、実は長期
計画
につきましていろいろ部門がございますが、大体
計画
の本体はそう実績と狂っておりませんけれども、エネルギー部門は当時の
計画
と実績の間に相当の隔たりがございます。特に
石炭
部門について、そういう点が御指摘の
通り
ございます。実はいろいろ私の方としても
計画
しておるわけでございますが、
世界
的にも、ドイツなどでもアメリカからの
石炭
の買付を二千万トンくらいキャンセルするとか、ベルギー、イギリス等でも
石炭
過剰でいろいろ問題が起っておるわけでございますが、
世界
的に景気が
変動
する場合に、エネルギーの需要の
変動
のしわが
石炭
に寄る
傾向
がどうもあるらしい。また、景気がよくなると、すぐ
石炭
が非常によけい要るようになる。これはいろいろ理由も考えられるわけでございますが、
一つ
には、この最近の
石炭
過剰は、
一般
的な
経済
の伸びが緩慢になっておったということを、
世界
的に反映しておるように思うのでございます。たとえば、こういうときには、
世界
の海運市況が下っておりまして、競争エネルギーである重油の日本到着
価格
が相当下る。それがまた
石炭
に非常に
影響
するとか、あるいは電気の工費の伸びが少いと、水力はフルに出しますものですから、火力発電の方にしわが寄り、それが
石炭
の需要に響くとかいろいろな点がございますので、先ほど大臣からお話がございましたように、
経済
審議
会の中のエネルギー部会をできるだけ早い機会にスタートをいたしまして、特に基本的な
石炭
と石油の関係、個々の具体的な問題になりますと、これは
実施
官庁でございます通産省の所管になるものでございますから、私どもは関係各省の
協力
を得まして、そういったエネルギーの基本的な考え方、特に
石炭
と石油についての考え方を
検討
いたしたいということで、だんだん
準備
中でございます。
阿部竹松
66
○
阿部
竹松君 そのエネルギー部会というのですか、燃料
対策
委員
会というのですか、その名前はどういうことになるかわかりませんけれども、それはあれですか、
経済企画庁
の中に持たれるというのですか、それとも
経済
閣僚が三人なり五人なり、高碕さんとか
世耕
さんとかあるいは大蔵大臣、こういう方が集まってその部会を持たれるというのですか、単に省の一専門部ということですか。
大來佐武郎
67
○
政府委員
(大
來佐武郎
君) その点は、
経済
審議
会の部会は、大体その
産業
分野の
業界
の人、学識経験者及び関係各省の
局長
クラスで部会
委員
を構成して
審議
する建前になっておりますので、今のところそういう従来のやり方に従うと、別に閣僚レベルということでは考えておりません。
阿部竹松
68
○
阿部
竹松君 そうしますと、将来の
計画
にメスを入れて、今の部会でもおやりになるでしょうけれども、将来の
計画
にメスを入れて再
検討
するということに了解してよろしゅうございますか。
大來佐武郎
69
○
政府委員
(大
來佐武郎
君) それは
審議
の結果によって考えたいと今思っているわけでございます。
阿部竹松
70
○
阿部
竹松君 それから
最後
に
一つ
承わっておきたいのですが、今お話し申し上げた
通り
、
石炭
が一千百万トンほどあって、現実に余っているのが大体六百万トンくらい過剰貯炭があるわけですね。この
対策
については当然通産省の
石炭
局なりがおやりになるでしょうけれども、あなた方の方では、
計画
に基いてやったのだけれども、あとはもう一切通産省の責任であると、こういうことなんですか。あなた方の方で何らかこの処置についてお考えがあるのですか、ないのですか。それとも今言った
通り
、一切あげて通産省の責任であるから、通産省の所管でやれと、こういうことですか。
大堀弘
71
○
政府委員
(大堀弘君) 先ほど
計画局長
から長期の考え方を申し上げましたが、当面の問題につきましては、御承知のように通産省が直接の所管でございますから、通産省が具体的にいろいろ処置をいたしております。私どもの昨年来やって参りましたことは、
阿部
先生の御質問の御趣旨にお答えになるかどうかわかりませんが、やはりまあ基本的には、エネルギーは日本の
産業
の伸展に伴って不足していると、従って、結局足らぬ分は原油を輸入していくという格好になって、長期的に見ますと、相当石油
資源
の少い日本としては外貨支払いが非常にふえてくる。そこで、できるだけ
国内資源
を
利用
するという考え方に立って、やはり
石炭
をできるだけやらなくちゃいかぬ。そこで、縦坑
開発
なり
合理化
設備
をやって、できるだけコストを下げて、
国内
の安い
石炭
で供給していきたいという基本的な考え方で参っておるわけですが、不幸にして、昨年
経済
の行き過ぎのあとを受けて、
調整
を受けまして、昨年の上期あたりは鉱工業生産が前年に対して五%くらい低いところへ参ったと、こういうことがあっても
石炭
の生産はなかなか操短というわけにいきません。結局消費が落ちて供給過剰になって、貯炭がふえてきたわけでございます。当時われわれとしましては、やはり長期的な
開発
について長い目では相当な
努力
をやっていかなければならぬのではないか。しかし、当面、貯炭の問題を解決して、炭価の安定、
石炭
業の安定ということもはかっていかなければならぬ。こういうことで、電気
業界
その他重要
産業
の
協力
を得まして、
石炭
の共同貯炭といいますか、貯炭
方策
について
具体化
したい。こういう考え方でもちろん金融方面にも
協力
を求めまして、貯炭融資については十分の配慮をして参っておるのであります。そういった貯炭方式等について
努力
をし、また同時に当面といたしましては、やはりある程度操短
体制
もとらなければいかぬ。これは通産省でやっておるわけでございます。そういうことについて企画庁といたしましても、通産省に
協力
をいたしまして、そういう趣旨で
努力
して参っておるわけであります。
阿部竹松
72
○
阿部
竹松君 これ以上のことは通産省の高碕さん初め担当の
局長
さんから承わりますが、そこで話が戻るのでありますが、
世耕
さんは高碕さんよりも役者が一枚上で、日本の
経済
をまかしておけという人ですから、この点について僕はお尋ねしますが、
石炭
が余ってそうして外国へ売ろうといって
石炭
業者が
努力
しておる。外国へ行ってビルマですか、インドやら豪州やらで入札をやった。日本の方がコストが高くてよそへ落ちてしまった。千円くらい安くても外国へ売ろうとしているわけです。そうすると、日本の乏しい
石炭
資源
の中から掘った
石炭
を外国へ持っていって、ダンピングして売って、
国内
の炭価の下るのを防ごうとしているわけです。今カンフル注射的にはいいかもしれませんよ。あるいは岸さんの内閣ではドルを働いた、ドルを働いたというが、日本国民が損をしようが得をしようが、数字の上では
輸出
入の帳じりは上ってきます。しかし、乏しい
石炭
資源
の中から掘った
石炭
をはるばる外国へ持っていって、ダンピングをやって、これは日本
経済
に一体どういうことになるか、その点を
世耕
さんに
一つ
承わっておきたい。将来こういうことがいいことか、悪いことか。今さしあたりはいいでしょう、余っている
石炭
を持っていって安く売っても、貯炭にしておくよりは。僕らが見ると、
政府
がやはり融資でもして、そうして日本の
石炭
をあまり外国に持っていかぬかが望ましいと思うけれども、そういうことを堂々とやっている。どうも通産省あたりでは、
石炭
局で、これはよろしいではないかということで、背に腹はかえられぬものだからやっておる。こういう話を僕は承わっておるのですが、こういうような状態ですから、あなたの方でこの次の
委員
会で御答弁下さるそうですし、エネルギー
対策
部会も設けるそうですから、やられるでしょうが、こういう
経済
のあり方について、日本
経済
をしょって立つという意気込みで就任なさっている
世耕
長官
は、どういうように判断なされますか。
世耕弘一
73
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) 御承知の
通り
、
経済
はなまものであり生きものであります。私は必ずしも楽観してこの問題を処理しようとは考えておりません。むろんそれに対しては慎重な態度をもって、また
阿部
先生のような有力な知恵者のお知恵も拝借するかもしれません。私はあらゆる面を
総合
的に、動員して万全を期したい、かように考えております。御承知のように、私がこうするのだからということを断言いたしたところで、今申し上げたように生きものでありますから、私の思い
通り
にいくわけじゃありません。ことに
国際
情勢は刻々に変りつつある。先ほど申しましたように、論議された
国際
通貨の問題もいろいろな
変動
を来たしておる今日でありますから、私は企画庁
長官
になりましたが、一向に見通しはつきません、というようなことをかりに私が申し上げたなれば、多くの国民は失望するでしょう。けれども、決して私は軽率な気持でこの処理に当っていないということだけは御了解願いたいと思います。徐々に私の所信を明らかにするときがあろうと思いますから、ある意味において御期待が願えるならばけっこうだと思います。
島清
74
○島清君 関連して。今
阿部
委員
から、
石炭
の問題について、当面のエネルギー
対策
という観点から御質問があったわけでありますが、私たちがエネルギー
対策
の
一環
として
石炭
を見ますときに、先ほど
政府委員
から答弁がございましたけれども、私は何か、
石炭
というものの消費、有効需要を高めていくことは、これから先はそう大きく期待できないのではないか、こういうような気がします。たとえば日露戦争のときには軍艦全部、船全部
石炭
をたいておった。ところが、第二次
世界
戦争のときになくなった日本の軍艦で、私は
石炭
をたいておるような軍艦を見たことがありません。最近また大きな
石炭
の需要者でありまする国鉄なんかも、国鉄の五カ年
計画
を見てみると電化と重油化です。そこで消費者と見られておりまする
業界
を眺めても、
石炭
は高い、石油は安い、安い重油をなぜ使わせないで規制して高い
石炭
を使わせるのだ、高い
石炭
を使わして生産コストを上げておいて、
貿易
の
振興
をはかれといっても、これは無理じゃないか、こういうのです。ですから、
一つ
の部内から見ればこの議論は私はうなずけると思います。ただ
全般
的な日本の
産業
全体の建前から見て、
貿易
の
振興
という観点から眺めれば、
石炭
を使わせるということは必要ではありまするけれども、そんなわけで有効需要を高めていくというような期待は、
石炭
に関する限り私は持てないような気がするのです。ですから私は率直に言わしていただきまするならば、
石炭
の方が斜陽
産業
の中に入っているのではないかと、こう思うのです。そこで、本質的にはこういうふうな
段階
に来ているにかかわらず、こういうことを言うと何か
業界
が混乱するのではないかというようなことで遠慮して、そうして徹底したところの
石炭
産業政策
というものが立てられないのではないかと、こういうような気がするのですが、かりに私のこういったような見方が誤まりであって、いやこれから有効需要をうんと高めていくのだ、どんどん掘りなさい、どんどん伸ばしていくのだというような要素があるとするならば、その要素について
一つ
承わっておきたいと思うのです。もしそれがないとするならば、私は根本的にこのエネルギー
対策
というものをその意味合いから建て直していくことが必要ではないか、そう思うわけなんですが、大臣が御答弁していただければそれでもよし、そうでなければ
政府委員
からでもけっこうです。
世耕弘一
75
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) お説の
通り
だと思います。実は私は先ほど
阿部
さんの御質問にもお答えいたしたのでありますが、今日は燃料革命の時代じゃないか、実際を言うと。今後の燃料を何を基本にしてやるかというのは大きな問題である。そのさしあたっての問題として今
石炭
と石油がかみ合っているような状態なんです。昔は
石炭
一本であったのが今度は石油にかわりつつある。ところが、石油にかわりつつあるが石油を重く用いれば、
石炭
というものはその
業界
が非常な困難な立場に立つ。これをどう
産業
的に調和していくか。あるいは理想的に言えば、科学者の説を取り入れていくとすれば、
石炭
はむしろ天然
資源
として、今度は化学原料に残すべきだという議論すらある。そういう点を考えてみますると非常に問題が大きくなってくる。さらにスカンジナビア方面の商船なんかを
研究
してみますると、商船は
石炭
からむしろ一躍
原子力
に切りかえて
原子力
を
設備
した商船がすでに現われつつあると、こういうような時代になった。こういうようなことを
総合
的に見ますると、電力、
石炭
、石油、
原子力
ということを考えると、エネルギーという問題については、われわれは軽率な
計画
は立てていかれないということが実は考えられたのであります。ことに、そういう問題はあるが、企画庁といたしましては長期
計画
は根本である。長期
経済
計画
が根本であるが今差し当っての短期の臨機の処置をどうするかというので、この間企画庁の幹部連中を呼んで燃料
対策
について
検討
したようなわけであります。決してこの問題を放任してこのまま無責任に看過していくことではないということだけは御了承願っておきたいと思います。なお、この間の事情、これまでの関係等に関しましては
政府委員
から御答弁申し上げたいと思います。
大來佐武郎
76
○
政府委員
(大
來佐武郎
君) ただいま御質問の点で長期の
石炭
の需要がむしろ減少するのではないかという点でございますが、一応私どもの方の見方としましては、
一般
の燃料は確かにだんだん石油の方が優勢でございますが、ただ発電用等は各国の例におきましては相当
石炭
がウエイトを占めるのではないかと存じます。先般の長期
計画
でも
昭和
五十年になりますると、火力発電だけでも約四千五百万トンの
石炭
が必要なような計算になって参ります。だんだん水力
資源
が枯渇しまして火力発電の割合がふえる。そうするとその分は地域によりましては、
石炭
産地から遠い所は火力発電といえどもだんだん油を使うというようなことになると思うのですが、そうでない地域には、やはり火力発電というような大口の燃料消費はまだかなり
石炭
に依存するのではないか。日本の出炭量はどんなにひいき目に見ても七千二百万トンというような数字が出ておりますから、火力発電だけで将来少し長期に考えますと相当な部分を消費いたすと思います。また製鉄業、ガス業その他の化学工業等で
石炭
を必要といたしますので、長期的に見れば、
石炭
がもし値段の点でそう油について大してかけ離れた高い値段になる、ということでございませんでしたならば、日本のエネルギー需要が非常に将来も
拡大
いたし、
昭和
五十年ごろには日本のエネルギー消費の半分は、
石炭
か石油かいずれか、何かの形で、あるいはウラニウムか輸入に依存しなければならないというような計算でもございますので、確かに
石炭
は非常に困難な問題がございますけれども、
近代化
、
コスト引き下げ
ということで、ちょうどフランスのようにある程度成功いたしますれば、今の全体の大きな日本のエネルギー需要の中にのみ込んでゆくことができる感じはあろう、というように一応解釈いたしておるわけでございます。
島清
77
○島清君 これは質問ではございませんが、今の御答弁と
長官
の答弁とはやはり根本的に相違があると思うんです。それは後ほど
調整
していただきたいと思いますが、
長官
の答弁は非常に進歩的で、やはりエネルギーの改革の時代だと思うということで、
石炭
から直ちに
原子力
に移行した商船の例をとられたんですね。すでに電気にいたしましても
原子力
発電ということが今日の実用期に今入っているわけなんです。私はその進歩の仕方というものは非常に早いと思うんですね。広島に落されたあのわずか一発の原子爆弾が、今日ではICBMですか、それをアメリカでも百発もあるということを明らかに公言をするところまで科学の力は進んできているわけですね。私はだからそういうものを原料とする電気発電というものは非常に急速の進歩をとげると思うんですね。その意味のことを私は
長官
は御答弁になったんだと思うんですが、しかしあなたの御答弁は、私が
長官
の御答弁をそういうように理解したとするならば、これとまあまっこうから対立する御意見のように思ったんです。これを別に補足して答弁しなさいというわけではありませんが、それは考え方の相違はあるかもしれませんが、どうか
一つ
もしそういう根本的に考え方が違っておるといたしまするならば、庁内において十分に
調整
をしていただきたい。そうして御答弁をまた後日していただきたいと、こう思います。
世耕弘一
78
○
国務大臣
(
世耕
弘一君) 私のお答えいたしたのと
政府委員
のお答えいたしたのと食い違いはないと思います。私は、長期
計画
と短期
計画
の中に、将来の燃料エネルギーというものはここを目途としていかなければならぬというので、実は
原子力
等の活用その他を一応申し上げたのであります。それで
政府委員
は、現在の
石炭
をどうするかという
阿部
さんの御質問にお答えする意味で、現実の問題を話したんだろうと思います。で私が先ほど申し上げたことは、長期
計画
の中のエネルギーの問題と、それから現実の
石炭
をどうするかという問題の二つの問題に、実は企画庁としては取り組まなければならぬ現状に至っておるということを申し上げたつもりでありますから、どうぞ食い違いでないということを御了解願いたいと思います。
田畑金光
79
○
委員長
(
田畑金光
君) それでは本日はこれで散会をいたします。 午後四時五十六分散会 —————・—————