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藤田藤太郎君 ソーシャル・ダンピングの問題を大臣はここで言葉に述べられておるから、私は言ったのであって、問題はILOの次長がどう言おうとですね、ほかのところで日本はソーシャル・ダンピングがないといかにやってもらったところで、問題は
実態なんだ。戦後十年もたってようやくガットに加入できた。それも十年間もほっておかれた。これは
賃金の問題ばかりだとは私は申し上げませんけれども、そういう形の国際交流の歴史を日本は経ているわけであります。それじゃ低
賃金でないということを大臣がおっしゃるならば、一つその
外国の
賃金水準がどういう
賃金であるかという資料を私は出してもらいたい。少くとも欧米諸国の
賃金を見てみて日本と対比すればすぐできると思う。そういう
賃金水準の具体的な案を一つ出していただきたいと思う、資料として。それでなければ、私は今のような議論にはならぬと思う。問題はそういうところに私はあると思います。だから、それだけ自信を持ってお言いになるなら、日本の貿易というものが世界市場で堂々と大手を振ってどこへでも自由に貿易が、たとえばソーシャル・ダンピングというような、まあ言葉はともかくとして、低
賃金労働によってこういう製品ができているというような
意見が、また批判が
外国で出ないような状態というものにあるかどうか、ここが問題なんです。ただどこでどう言ったということだけじゃ私はないと思う。その実質の問題を私は先ほどから少しお尋ねしたわけなんであります。だから私は、何といっても、この
法案自身の持つ
政府側から言われる
意義というものと、私たちが見ている
意義というものには大きな食い違いがある。だから先ほどお尋ねしたように、直接の
関係のある通産省や外務省に日本の将来の、六大
産業国といわれている日本の姿というものが、将来国民の生活を守り、国の
経済的繁栄を来たしていく、近代国家の道を聞いていくためには、
賃金という問題、
労働条件という問題がいかに大事なものであるか、そういうものとの
関係において貿易というものをどういう工合に伸ばしていったらいいか、即国内の
経済政策、こういうものの関連についてどういう工合にお話しになったか、どういう工合に
労働省自身が積極的に教えられたというたらいけませんかしらぬけれども、そういう
労働者保護の立場から活動をされたかどうかということを私はお聞きしたのです。それは的確なお答えがないようでございますから、非常に残念でございますけれども、その問題は、また通産省や外務省の方に来ていただいて、総理にも来ていただいてこの問題の理解と認識を私は尋ねてみたいと思います。
で、この今度の
最低賃金の
法案の中心をなすものは、国内の問題はともかくとして、国際的にそういうたくさんの問題を持っているから、最低債金法自身は早く作らなければならぬけれども、問題は具体的に
内容なんだ、その
内容というものをよりよいものに作らなければならぬといって私たちは
審議をいたしております。だから、そういう意味からいきましても、十分にあらゆる、先ほど要求いたしました資料については、詳しくみんなの
委員がわかりますように御
提出を私は願いたいと思います。
もう一つ私は聞いておきたいと思うのでございますけれども、たとえばこの中における
業者間協定というものがたくさんたくさんじゃありませんけれども、骨干になっているのですけれども、なかなか
業者間協定というものが国内であちらこちらにもできているようでございますけれども、これは
最低賃金法とは全然
関係のないものだと思っております。業者間で
賃金をこしらえたって、
労働者が自分の
賃金をきめるために、自分の要求を入れて
賃金がきまっていくというのは、法律できめられた
原則でございますと、
労働者は指導されても、そういうものが
労働省の
意見を入れるような貸金に
発展させていかなければ
意義はないと私は思っております。しかし、この
法案が非常に重要に、
業者間協定に基く
当事者申請により
最低賃金を
決定するという
方式の第一点に立っておりますから、
業者間協定ができていった経緯、それからどういうところに、どういう工合に
業者間協定というものができているか、これは私から言えば
法案には
関係ないと思いますけれども、
参考資料として出していただきたいと思います。それでなければ非常に困ると思いますから、その点はつぶさに出していただきたい、これをお願いしておきます。
それからもう一つの大まかな問題でございますけれども、
政府は今度の案をお作りになるときに
労働問題懇談会ですか——いや、三
者構成の諮問機関の御
意見——1
中央賃金審議会の何を聞いておやりになったと思いますが、あの
中央賃金審議会の議論の中を見てみましても、私はやはり低生活者を救うためには最低の一律をきめて
賃金をきめなければいかぬというような、それが一番よい
方式だというようなことも非常に
意見として出ておりました。このいきさつ、それから
答申、そういう点もぜひ資料に出していただきたいと思います。
それからもう一つの問題でございますけれども、われわれが
審議するに当りましての資料としてお願いしたいのは、
家内労働者の大まかな状態、これは一ぺんに全部出せといったって無理かもわかりませんけれども、できるだけの
家内労働者の
実態というものを出していただきたい。
それからもう一つは、
中小企業、
零細企業に対する保護をやっていくんだとおっしゃいましたが、今どういう保護政策をおとりになって、特にこの
最低賃金の提案をされたこれに見合って、特に
中小企業、
零細企業の保護というものについて強調されておりますから、今後どういう工合に保護政策をお立てになっていくか、こういう点をぜひ資料として出していただきたいと思います。
それからもう一つお願いしたいことは、先ほどお願いしたか、ちょっと記憶が何ですが、現代の各層別の
賃金、国内の
労働者の
賃金、
一般労働者の
賃金、
家内労働者の
賃金状態、こういうものをあわせてこの前から要求いたしておりますけれども、失業の状態、これはもう資料ができると思いますけれども、その点も一つぜひ、
労働力の配置がどういう工合に行われているかという、この資料についてはぜひ出していただきたいと思います。私はこういういろいろの資料をお出しいただいて、
委員会全体として、よりよい
最低賃金を作るために
審議をいたしたいと考えておるわけでございます。
それからもう一つだけお聞きしておきたいと思いますが、このきょう
法案を出された
内容については、大まかに、概念的に、資料の要求とそれからILOの二十六号
条約というものをどういう工合に見ておられるかということは先ほど聞きましたが、この批准をどういう工合にしていかれるか、二十六号
条約の批准というものはどういう工合にしておいきになるのか、それを一つ。