○国務大臣(
遠藤三郎君) ただいまの点は、非常に基本的な問題になるわけでありますが、もちろん御
意見のように、土木研究所を強化して、あすこにあらゆる研究をやるような施設を充実していくことが、これは必要だと思います。今年度の
予算でも、若干の増額をいたしまして、土木研究所で、最も大事と思っておることをやろうじゃないかということで、若干の
予算の増額はいたしました。しかしこの
首都圏の
道路を作って参ります場合に、いろいろ予想されないような問題が出てくると思うのであります。
首都圏の
道路を作るについて、個々の問題に当って研究をしてみなければならぬことがたくさん出て参りますので、そういう問題は、この
道路公団に
調査、研究をさせることがいいだろう、
道路公団が、基本的な問題についての
調査、研究をする場合には、
予算の方を抑えて調整をとっていかなければなりませんから、
日本道路公団の場合、あるいは
首都高速道路公団の場合、土木研究所の場合というふうに、それぞれ分野をきめて、その調整は、
建設省がやっていかなくちゃならぬと思いますけれ
ども、具体的な問題については、いろいろ
首都圏独得の
調査、研究が必要な場合が出てくると思うのであります。それは、私は
一つの例をここで申し上げておきたいのでありますが、実は、
道路を掘り返して非常に因っております。私は、目白から先の練馬から通っておるのでありますけれ
ども、もり年中掘り返しておる。非常にやかましく言ったのでありますけれ
ども、なかなかそれがとまらない、けさな
ども、二カ所掘り返しているわけであります。私は、過去一カ年間に、どういう
事情で、どの地点を掘り返したかということを全部書き出してみなさい。その中には、ガスのためあるいは水道のため、あるいは下水道のため、あるいは路面の補修のためと、いろいろありと思います。しかし、その具体的な
事情に応じて、これはたとえばガスのために
道路を掘ったのだけれ
ども、一軒のガスを供給するために、ガスストーブをつけるのに必要だから、掘ってくれ、ガスは絶対に必要だから掘りますということではいけない、たとえば百戸ぐらいのガスの供給のために
道路を掘ってしまうというようなことは、やむを得ないかもしれないけれ
ども、そこは常識的な判断によって、一軒や二州のガスストーブを作るために、必要だというならば、これはしばらくしんぼうしてもらって、公共の
道路交通のために、犠牲を払っていただいてもついたいというような、そういう常識判断をしてみなければならぬということで、その
一つ一つの事例をあげてみまして、あの
道路は、典型的な
東京都の
道路全体の縮図のようなところでありますから、それを
調べて、そうしてこの問題を解決しようと思って、ぴちっとトレィスしているわけです。それをやって参りますと、あそこが、一日に二万台の自動車が通るのでありまして、昨年の今ごろに比べて、ほぼ五割以上の台数の増加であります。ちょっと補修をしておりますと、どうっと五町も十町も車がとまってしまうのであります。
そこで、補修のやり方を見ておりますと、大体、幅三メートルぐらいで長さ十メートルぐらいずつ、こういうふうな、こま切れにして、補修をするのであります。それ以上やりますと、非常に
交通を阻害して困りますから、こま切れにやっている。けさなど見ますと、こま切れにやったすぐ脇が、またがらがらになっている。ところが、それを広く補修して参りますと、ストップしてしまって、どうすることもできなくなってしまうというような
事情もあるらしいのであります。
そこで、ああいう二万台以上の
交通のあるような
道路については、一般的な
道路補修の技術的な面からやっていくわけには参らぬと思うのであります。あるいは三万台、四万台通るような
道路ついては、また別の考慮が必要であろうと思うのでありまして、そういうような当面の問題について、
首都樹の
道路については、特別な考慮が必要であろう。そういうのは、
首都高速道路の
公団で
調査研究をさしていくことがいいだろう、そういうような考えで、私は詳しいことも考えておらなかったのですが、これは
事務当局で、こういう条文を作ってくれたのですが、なるほどと、そういうふうに私は理解してこれをみておったのであります。原則的な
調査研究は、土木研究所にやらす、しかし当面のその
事業を進めていく場合の特別な、特殊の
事情から出てくる問題の解決は、こういう
公団なりそれぞれの小さな研究といいますか、具体的な必要な研究というものを、こういうところでやらせていこう、こういう考えでございます。