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小山邦太郎君 私もこの
高速自動車国道、中央自動車道とは何を指すのか、読んで迷ったわけなんです、これはどういうものか。幸いに
大臣の明快なお言葉で、ごたごたした文句を並べてあるが、実質は
国土開発縦貫自動車道のことだということでありますから、さように
承知して、これに関連して少し
質問いたしたいと思います。なぜ不思議に思ったかというと、三十四
年度道路関係の中にも、東海道の
経済の発展、輸送力の不足から、これを補い、この
要求に応ずるために何か
一つ新しい
路線について
調査を進めなければならぬ。それがために一千八百万の
調査費を出しておる。
さらに一方には、
吹田—
小牧間は順調に進んで、三十七
年度までにはこれが利用できるようになるが、
〔理事岩沢
忠恭君退席、
委員長着席〕
今度
小牧から
東京の間、すなわち
国土開発縦貫自動車道
決定のため、別に五千万の
調査費をあげて、今
大臣のおっしゃる
国土開発縦貫自動車道の
調査に出るということに相なっておりまするが、とかく東海道の輸送の輻湊から、まだその
路線の
決定については非常な疑いを持たれるようなことから世論まちまちに乱れ飛んでおる、これではいけない。少くとも
国土開発という目的から発足したので、当面の問題解決よりは、むしろ将来の日本の
国土を開発し、徳川時代と同じ
程度に狭まった面積に、その当時よりも三倍からの多くの人口をかかえている
現状から、どうしても未開発の土地に向って
道路を建設することが日本にとって何よりも大切なことだということで、特別立法までして、それが両院を全会一致で通過している。この精神を幾らかでも歪曲するようなことがあってはならない。もとより東海道は東海道で必要であるから、この
調査はけっこうだ。さればこそ鉄道の方においても広軌を
一つ七百億も使ってやろうと、これもおそらく五、六年の間には解決するでありましょう。当面の必要を無視する必要はありませんが、とにかく今日までの
道路政策は、私が初めて建設
委員として仲間になってから三年になりますが、他の
関係予算から見ますると、国の全体の
予算額も膨張しておると申しながら、建設に関しては年々飛躍的に増加旧しておる。これは非常に幸せのことで、
経済発展の上からもまことに
国民としても満足することである。特に昨年あれだけ増したのに、当年もさらにまた飛躍的に増額しておるということは、
建設大臣の非常なお働きであることを多としておるのでありまするが、これとて衆参両院の議員諸公が、やはりこれを熱望すればこそ、容易にこういうことができるのであろうと思うのでございます。
ところが、ややもすると、
道路問題が当面の
経済価値、
投資価値というような目先だけ考えて、やれ工業生産力がどのくらいあるとか、人口密度の
関係がどうだとかいうことだけにとらわれて
路線決定に当る結果、新
路線の設定等
都市中心になってしまう。これは大へんに考えねばならない。すなわち、未
開発地域を目ざして
道路を開き、いまなお人口は少いけれども未開発の土地が広大であり、あるいは工業生産は少くとも、農業生産物は
相当にあり、あるいは林産物は
相当にある。もしくは地下資源が多いというようなところには、当面赤字であっても、進んで開かなければならぬというのが、私は
国土開発とあえて頭に載せて、そして縦貫自動車道という、縦貫という字をつけたのではないかと思う。縦貫といえば、何といっても日本の背骨であって、東海道のような端を通るのではない。多少費用はよけいかかっても、その縦貫の趣旨に沿うようにもっていかなければならぬと思う。さればこそ、東海道の
調査費に一千八百万円を計上したほかに五千万円を中央自動車道のため計上されておるので、東海道線と中央縦貫自動車道とは明かに別途の問題で、むしろこの
高速道路こそ大切である。しかし、先ほどの
質問に
道路公団の問題がありましたが、
小牧、
吹田間も
道路公団にやらしておる。そうすると、
道路公団というものはやはり
公団としての
責任から、どうしても目先の採算ということにとらわれるおそれがある。この点は
一つ国策として、
大臣が当面の採算よりは将来の理想と目的とに向って、一貫した考えで進んでいかなければならないのではないか。もし
小牧から今度
東京のいわゆる縦貫自動車道として、多くの人々が期待しておりまする山脈地帯、そうしてそれが山梨であり、岐阜であり、あるいは信州の一部から
東京に出る。しかも、その
路線はまだ予定してはおらないとおっしゃっておるけれども、大体常識的に予想しているのは、もとより東海道ではなく、それよりも五十キロも短かいという本州中央を縦貫する、前に申し述べた
路線を予定していることは周知のことである。しかしながらたとえわれわれがそれを予定しているとしても、
公団にまかせるという段取りになると、
経済価値云々ということになる。ことに先ほどお話の世銀などからの借り入れということになるし、貸付者の発言もそこに加わるであろう。そういうことになると、先ほど
大臣は自主的、自主的とおっしゃっても、それは
公団のやりいいように持っていかなければならないおそれがある。今
大臣はそれがためには、
公団に多少赤字があっても、必要な
路線には国家
投資を多くすると言う。しかしながら多くしようとしても、いろいろの財政
計画の影響を受けて思う
通りにいかない場合もあろう。そういうときには赤字補てんの道を講ずるようにして、
公団に国策に準じて仕事のできるようにする
予算処置の
熱意がなければ、おそらく
大臣の意図はそこにあっても、いよいよ着手の場合には、それがゆがめられたり、あるいはそれが遅延したりするおそれがあろうと思うのでございます。この点につきましては、先ほど田中
委員から、私も迷った文字に適切なる御
質問があり、これに対して明快なる御答弁で、すなわち
高速自動車国道、中央縦貫自動車道と書いてあるが、疑いもなくこれは
国土開発、縦貫自動車道のことであるそれははっきりわかりましたが、それについても、
東京から
小牧に至る間については、
調査の結果を待って
準備に着手する、その
通りでありましょうけれども、
調査の結果をいつまでも待って、いつごろ着手するのかということが、ここに明瞭を欠いております。幸いにして
大臣の
熱意からことしのうちにこれを
調査し、少くとも次の議会には別表として出し得るようにお取り運びであるということを、
予算委員会でも青木
委員の
質問にお答えになっているので疑いの余地がないと思うが、これがあくまで予定の狂わぬよう、はっきりしていただかないと、世間が迷う。皆何か作為があるのではないかと思われるような感じがした。幸いに明瞭なお答えではっきりいたしました。
ここで私の希望としては
東京から
小牧に至るものはすみやかに
調査して、そうして少くとも次の議会にはこれを
法律として出せるようにすることに断じて間違いなしと重ねて御証明をお願いいたします。これに対してお答えをちょうだいしたい。