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政府委員(佐藤寛政君) ただいま議題となりました道路
関係三法、まず
道路法の一部を
改正する
法律案の内容につきまして、逐条的な御
説明を申し上げます。
まず最初に目次の文字から
改正いたしてございますが、この
改正は、道路の管理について規定しております第三章に新たに第五節を設けることといたしましたことに伴うものでございます。
次の第二条の
改正でございますが、第五節に新たに自動車専用道路に関する規定を設けまして、自動車による通行とそれ以外の方法による通行について取扱いを異にすることといたしましたので、自動車に対する概念をここで明らかにしたものでございます。
次の第三十九条の
改正は、高速自動車国道法第二十五条との
関係から字句の整理をいたしました形式的な修正を行ったものでございます。
第五節は、自動車専用道路に関する規定でございますが、自動車専用道路と申しましても、第三条に定められております道路の種類のほかに新しく道路の種類を追加するというものではなく、供用の仕方が従来の混合交通の場合と異なるというだけにすぎませんので、いわば、道路の管理権の作用として、自動車専用道路を
指定することができることといたしたわけであります。この自動車専用道路の機能の確保のために必要な特別な規制を規定することが適当と考え、第三章の中に入れた次第でございます。
次の第四十八条の二、これ以下が自動車専用道路に関する主要な条項でございますが、第四十八条の二は、自動車専用道路の
指定に関する規定でございます。第一項は、道路管理者は、交通が著しく混雑している市街地及びその周辺の地域において、交通の円滑をはかるために必要があると認めるときは、まだ一般交通の用に供されていない道路、すなわち新設道路とお考えいただいてよろしいかと存じますが、こうした道路につきまして自動車専用道路を
指定することができることといたしました。第二項は、すでに一般交通の用に供されている道路の交通緩和のために必要があると認められるときは、道路管理者は、既存の道路のバイパスこれは迂回路でございます。バイパスを新設した場合におけるその新設部分等道路の区域の一部を自動車専用道路として
指定することができることといたしました。ただし、第二項の場合には、自動車以外の方法による通行に支障のない道路の部分が残されていなければならないことは当然でございますので、そういうふうになっております。第三項は、自動車専用道路の
指定は、道路運送法による一般自動車道との調整について特に考慮して行わなけれなばらないことといたしました。すなわち企業として設置される一般自動車道とも自動車交通としては有機的な関連を有しておりますので、それとの連結位置、構造等について特に調整をはかることが望ましいと考えられるからであります。第四項は、自動車専用道路の
指定は、一般に周知させる必要がありますので、
指定及び
指定の解除は公示しなければならないことといたしました。
次は第四十八条の三でございますが、自動車専用道路の機能を十分に発揮させるために、自動車専用道路を他の道路、軌道等と交差させる場合には、原則として立体交差としなければならないことを定めたものでございます。御承知のごとく高速自動車国道は完全立体交差を
建前といたしておりますが、今回の自動車専用道路は多少の平面交差がありましても、その機能を保持することができると考えたからであります。しかしながら前述のように、原則としては立体交差ということになっておるわけでございます。
第四十八条の四は、他の道路等を自動車専用道路に連結させ、または平面交差させようとする場合には、それらの管理者、自動車専用道路の道路管理者と協議し、または許可を受けなければならないことといたしました。この場合において、自動車専用道路の管理者は、連結については自動車専用道路の効用を妨げない場合、平面交差については交通量が少ない場合等に限りまして協議に応じ、または許可を与えることができることといたしたわけでございます。
次に第四十八条の五は、自動車専用道路の出入制限に関する規定でございます。専用道路でございますので、みだりに自動車専用道路に立ち入り、または自動車による以外の方法で通行することを禁止することとし、これを明らかにするために道路管理者は、必要な
場所に道路標識を設けなければならないことといたしました。
第四十八条の六は、自動車専用道路の出入制限に違反している者に対しては交通の危険防止のためそうした行為の中止を命ずる等の
措置をすることができる旨を規定したものであります。
その次の第七十一条の
改正は、建設大臣から権限を委任された北海道開発
局長も、他の道路管理者と同様にその職員の中から道路監理員を命ずることができることとし、自動車専用道路の道路管理者は、出入制限に違反している者に対する監理権限を道路監理員に行わせることができることといたしたものでございます。
第七十六条の
改正は第四十八条の二においてすでに道路運送法という字句が出ておるので、その
関係における形式的な
改正でございます。
第九十六条の
改正は、建設大臣の委任を受けた北海道開発
局長または地方建設
局長の処分について
異議の申し立て訴願及び訴訟の道を開くとともに、自動車専用道路に他の道路等を連結させ、または交差させることに関する自動車専用道路の道路管理者の処分も
異議の申し立て等の対象とすることができることといたしたものでございます。
第九十七条の
改正は、このたび追加されました自動車専用道路の
指定、連結または交差の許可、出入制限に関する道路標識の設置及び出入制限の違反者に対する
措置命令の権限は、道路管理者が公共団体である場合には、その長が行うことといたしたものでございます。
第九十七条の二は、道路の管
理事務を円滑に運営いたしますために、道路管理者である建設大臣の権限の一部を地方建設
局長または北海道開発
局長に委任することができることといたしたものでございます。道路の占用許可等件数の多い日常事務について一々本省の決裁を求めさせることは事実上不可能でありますので、対外的処分については、
法律上の明確な委任規定を設けることといたしたものであります。
第百三条の
改正は、自動車専用道路の出入制限に違反し、かつ道路管理者または道路監理員の命令に違反した者について罰則を設けたものでございまして、その量刑につきましては、高速自動車国道法と軌を一にいたしております。
次に付則でございますが、第一項は施行期日を公布の日としたものでございます。第二項は、道路運送法の一部
改正でございまして、一般自動車道には
道路法の道路で自動車のみの一般交通の用に供するものは含まれない旨を明らかにするとともに、一般自動車道の免許基準として、その路線の選定が自動車専用道路との調整について特に考慮してなされていることを追加し、第四十八条の二第三項と相待って相互調整をはかったものでございます。第二項は、道路整備特別
措置法の一部
改正でございまして、自動車専用道路を有料道路
事業として新設する場合の料金について建設大臣が許可をするに当っては運輸大臣と協議するものとするほか、日本道路公団による権限の代行その他について
道路法の
改正に伴う必要な規定を整備しようとするものでございます。第四項は高速自動車国道法の一部
改正でございますが、
道路法第七十一条の
改正に伴う形式的な修正をしようとするものでございます。
以上、この
法律案の
条文の逐条
説明を申し上げた次第でございます。
引き続きまして、
道路整備緊急措置法の一部を
改正する
法律案でございますが、この法案の
改正は内容的に
法律第五条のみでございます。この点につきましては、先般
要綱で御
説明いたしましたので、省略さしていただきます。
次は、
日本道路公団法の一部を
改正する
法律案でございます。これにつきまして逐条御
説明を申し上げます。
この
法律案は、
現行法の規定を
改正して、公団は必要があるときは、その資本金を増加することができることとし、その場合には、政府は公団に出資することができることとすることと、公団が国際復興開発銀行と外貨資金の借入契約を締結するために必要な同契約の債権者としての国際復興開発銀行の地位を保護する等の規定を整備することとをその主たる内容といたしております。
第四条の
改正は、同条に二項を加えまして、公団が
事業の合理的な運営をはかりますために、公団は必要があるときは、建設大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができることとし、またこの場合において、政府は予算に定める金額の範囲内で公団に出資することができることといたしたものであります。
第二十六条の
改正は、まず、公団が国際復興開発銀行と外貨資金の貸付契約を円滑に締結することができるようにするために、第四項を
改正して、国際復興開発銀行も道路債券の債権者と同様に、公団の財産について他の債権者に先だって自己の債権の弁済を受ける
権利を有することにいたしたものであります。次に、同条の第八項を第十項として、同条に第八項及び第九項の二項を加えました。すなわち、第八項におきましては、国際復興開発銀行との前述の契約により、公団は国際復興開発銀行の要求があったときは、いつでも道路債券を発行して、同銀行またはその
指定人にこれを交付しなければならないことになり、この交付が外国でなされることが予想されますので、その場合に、公団は建設大臣の認可を受けて、その道路債券の発行に関する事務の全部または一部を外国の銀行または信託会社にも委託することができることといたしました。第九項におきましては、外資に関する
法律により、同法第三条に規定する外国投資家が前述の道路債券を譲り受けたときは、その元金及び利息の支払について、同法第十三条の規定による大蔵大臣の
指定を受けなければならないことになりますので、円滑な事務処理をはかりますために、本項で前述の外国投資家がこの道路債券にかかる貸付金債権について
指定を受けたものとみなして、同法の規定を適用し、その元金及び利息の外貨による支払いができることとするとともに、その外国投資家がその支払いを受領することができるものといたしたものであります。
第三十条の
改正は、前に述べましたように、第四条で、公団の業務の合理的な運営をはかるために、公団は必要があるときは資本金を増加することができることとし、この場合に、政府は公団に出資することができることといたしましたので、災害復旧工事に要する経費の補助以外の補助についての規定を削除いたしたものであります。
第三十九条の
改正は、前述の
通り、第四条第二項で、政府は公団が資本金を増加するときは、公団に出資することができることとし、また、第二十六条第八項で、建設大臣は公団が、国際復興開発銀行に道路債券を引き渡す場合に、その発行の事務の全部または一部を外国の銀行または信託会社に委託するときは、その認可をすることといたしましたので、これらの行為が国の財政政策等に大きな
関係を有しますので、建設大臣がこれらの行為をする場合は、大蔵大臣と協議しなければならないことといたしますために、所要の
改正を加えたものでございます。
以上、この
法律案の
条文の逐条
説明を申し上げた次第でございます。