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1959-02-26 第31回国会 参議院 建設委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十四年二月二十六日(木曜日) 午前十時三十七分開会
—————————————
委員
の異動 二月二十五日
議長
において、
上條愛
一 君を
委員
に指名した。 本日
委員紅露みつ
君及び
草葉隆圓
君辞 任につき、その補欠として
松野孝一
君 及び
小山邦太郎
君を
議長
において指名 した。
—————————————
出席者
は次の通り。
委員長
早川
愼一君
理事
稲浦
鹿藏
君 田中 一君
委員
石井 桂君
小山邦太郎
君 西岡 ハル君 秋山 長造君 内村 清次君
上條
愛一君 村上 義一君 安部 清美君
政府委員
建設政務次官
徳安
實藏
君
建設省住宅局長
稗田
治君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
説明員
農林省農地局管
理部農地課長
中島 正明君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
建築基準法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
—————————————
早川愼一
1
○
委員長
(
早川愼一君
) これより
難渋委員会
を開会いたします。 まず
委員
の
変更
について御
報告
いたします。二月二十五日
上條愛
一君が
委員
に選任されました。
—————————————
早川愼一
2
○
委員長
(
早川愼一君
) これから
建築基準法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。本案については先日の
委員会
に
建設大臣
から
提案理由
の
説明
を聴取いたしましたので、本日はまず
住宅局長
より
補足説明
を聴取することにいたします。ちょっと速語をとめて下さい。 〔
速記中止
〕
早川愼一
3
○
委員長
(
早川愼一君
)
速記
を始めて。
稗田治
4
○
政府委員
(
稗田治
君) ただいま議題となりました
建築基準法
の一部を
改正
する
法律案
について逐条的に御説明申し上げます。なお今回の
改正
はこの
法律
の全般にわたります
関係
上、単なる字句の修正とか表現の不明確であった条文を明確にいたしました点もかなりございますが、これにつきましては説明を省略させていただきます。 目次の
改正
につきましては、
法律
全体を見やすくするために、その立て方を一部改めたものであります。 第二条、これは用語の定義に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
防火規定
を整備するため
耐火建築物
及び
簡易耐火建築物
の定義を追加したものであります。このうち
簡易耐火建築物
は、
耐火構造
と
防火構造
との中間的な
防火性能
を有する
構造
として新たに追加した
構造
でありますが、これは外壁が
耐火構造
で屋根を
不燃材料
でふいたものと、
鉄骨造
のように
主要構造部
を
不燃材料
で作ったものとに大別されます。 第三条、これは
適用
の除外に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
災害等
で滅失しました国宝、
重要文化財等
を再建いたします場合にも、本法の
適用
を除外てきるように改めたものであります。なお既存の
建築物
に対する
緩和規定
につきましても従来明確を欠く点もございましたので、これを整備したものであります。 第六条、確認及び申請に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
手数料
の額が、昭和二十五年に本法が施行された当時のまま据え置かれておりますので、実情に沿うようその限度を増額したものであります。 第九条、これは
違反建築物
に対する
措置
の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、明かに違反する
工事
中の
建築物
について、緊急の必要がある場合は、聴聞などの
手続
を経ずに、直ちに
工事
の施工の
停止命令
を出すことができるように改め、また違反した者を確知することができず、違反を放置しておくことが公益上
支障
がある場合には、一定の
手続
を経て公示した後、
行政庁
みずからその出置を行うことができるように改めたものであります。 第九条から第十一条までの
是正措置
の
改正
につきましては、
建築物
の
敷地
に関しても必要な
措置
がとれるよう改め、字句を修正したものであります。 第十二条、これは報告、
検査等
に関する
規定
ございますが、これの
改正
につきましては病院、学校、
映画館等
第六条第一項第一号に掲げる
特殊建築物
で、
特定行政庁
が指定するものの
所有者
または
管理者
に対しまして、定期にその状況に関する報告を
特定行政庁
に提出するよう義務づけ、技術的に必要な等項に関しては
建築士
の
調査報告
を添えさせることとしたものであります。さらに
昇降機等
の
建築設備
で
特定行政庁
の指定するものにつきましても、定期に
建築主事
の検査を受けるよう新たな
規定
を加えたものであります。 第十五条、これは届出に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
着工届
は、
工事施行者
が
義務者
となっておりますのを
建築主
に変えることとし、
確認申請
と同時に
着工届出
が済ませるよう
手続
を簡略化し、
除却届出
に対しましては、
事後通知
を
事前通知
に変えることとしたものであります。 第十八条、これは国等の
建築物
に対する
手続
の特例に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第九条の
改正等
にあわせて字句の修正をしたものであります。 第十九条、これは
敷地
についての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第四項におきまして
がけ地等
に対する安全上の
措置
の
規定
を明確にしたものであります。 第二十二条、これは屋根の
防火措置
を要する
区域
についての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
区域指定
に際して、
関係市町村
の同意を要することとなっておりますのを、
都市計画区域
内では
都市計画審議会
の意見を聞くことに改めたものであります。 第三十四条第二項、木造の
特殊建築物
の
内装制限
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第三十五条の二で
内装制限
について一括
規定
することとしましたので、本項を削除したものであります。 第二十七条、これは
特殊建築物
の
構造制限
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
耐火構造
としなければならないものの一部を
簡易耐火灘
築物でもよいことにし、木造で
建築
できたものの一部を
簡易耐火建染物
としなければならないこととして
防火制限
を整備したものであります。具体的な
制限
につきましては表を作って見やすいように改め別表第一としたものであります。
現行法
と変った点を大略御説明いたしますと、
用途
として追加しましたものは別表第一(二)項のホテル、旅館、
養老院
と(三)項の
体育館
でありますが、頻発する災害に対処するためこれらの
構造制限
を強化したものであります。百貨店、マーケット、
遊技場
の類につきましては、従来三階
部分
が三百平方メートルをこえるものは
耐火構造
としなければならないことになっておりますが、これを強化しまして、三階以上の階をこれらの
用途
に供するもの及び
延べ面積
が三千平方メートル以上のものは
耐火建築物
としなければならないこととし、さらに二階
部分
が五百平方メートル以上のものは
簡易耐火建築物
としなければならないこととしたものであります。病院、
共同住宅
の類につきましては、
現行法
で二階
部分
が四百平方メートルをこえるものは
耐火構造
としなければならないこととなっておりますが、二階
部分
が三百平万メートル以上のものは
耐火建築物
又は
簡易耐火建築物
としなけれ、はならないこととしたものであります。学校又は
体育館
では二千平方メートル以上、倉庫では千五百平方メートル以上のものについて
簡易耐火建築物
としなければならないこととしたものであります。
自動車車庫
につきましては従来三百平方メートルをこえるものにつき
耐火構造
としなければならないこととなっておりましたが、今回百五十平方メートル以上のものを
簡易耐火建築物
としなければならないこととして、
強化整備
をはかったものであります。 第二十八条、これは採光、換気に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、ただし書に、最近増加の傾向にある無
窓工場等
を加えて
取扱い
を明確にしたものであります。 第三十条、これは地階における住居の
居室
の禁止に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、学校の教室、病院の病室又は寄宿舎の寝室を加えたものであります。 第三十三条、これは避雷針の設置に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、周囲の状況により安全上
支障
のない場合の
除外規定
を加えたものであります。 第三十五条、これは
特殊建築物等
の避難及び消火に関する
技術的基準
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、頻発する災害に対処するため、三階以上の灘築物及び第二十八条第一項ただし書に
規定
する
居室
を有する
建築物
、すなわち無窓の
建築物
、
地下建築物
についても
避難施設
、
消火施設等
を整備すべきものとしたものであります。 第三十五条の二、これは
特殊建築物
の内装に関する
規定
でございますが、これにつきましては、最近の火災の例にかんがみまして、
現行
の第二十四条第二項に
規定
する木造の
特殊建築物
に限らず
耐火建築物
、
簡易耐火建築物
で
特殊用途
に供するもの及び第二十八条第一項ただし書に
規定
する
居室
についても
内装制限
を強化したものであります。なお必要な
技術的基準
は政令で定めることとしたものであります。 第三十五条の三、これは無窓の
居室等
の
主要構造部
に関する
規出定
でございますが、これにつきましては、第三十八条第一項ただし書に
規定
する
居室
、すなわち無
窓建築物
、
地下建築物等
の
居室
を区画する
主要構造部
を
耐火構透
とし、又は
不燃材料
で作ることとして、災害の場合の
危害防止
に備えようとするものであります。 第三十六条の
改正
につきましては給水、排水のための
配管設備
の工法をその設置及び
構造
に改める等の
改正
をしたものであります。 第四十二条、これは
道路
の定義に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、従来は
幅員
四メートル以上のものを
道路
として取扱っており、さらに
緩和措置
としまして、現に
建築物
が立ち並んでいる道で
幅員
が四メートル未満のもののうち一・八メートル以上のものは、その道の
中心線
から二メートル後退した線を
道路
の
境界線
とみなして、
道路
として取扱っておったのでありますが、最近
町村合併
により
都市計画区域
が広範囲にわたって広がりました
関係
上、一・八メートル未満の道がかなりの数に上りますので、第三項を改めましてこれらの道で
特定行政庁
の指定によって
道路
と認める道を開いたものであります。
道路
の
幅員
に関しましては、片側が
がけ地
、
川等
に沿っております。場合とか、その他土地の状況によりやむを得ない場合自には四メートルの
幅員
を確保することが無理な点もございますので、第三項におきまして、これらの場合には、
特定行政庁
の指定により、
幅員
を二・七メートルまで
緩和
できるよう改めたものであります。ただしこれらの
緩和措置
につきましては、乱に流れないよう第四項において、
建築審査会
の同意を要することとしたものであります。 第四十三条、
敷地
と
道路
との
関係
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
自動車専用道路
は一般の歩行を禁止しておりまして、ふだんの使用上から見ても災害時の
避難通路
としても適当でないので、これを
道路
とみなさないこととしたものであります。同条第二項につきましては、
映画館等
の
特殊建築物
及び
自動車車庫
の
敷地
と
道路
の
関係
について、必要な事項を
地方条例
で定めることを
規定
したものでありますが、
自動車修理工場
は
自動車車地
と同様の条件にありますのでこれを追加したものであります。 第四十七条、
壁面線
による
建築制限
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、従来、
建築物
の壁又はこれにかわる柱は、
壁面線
から突出してはならないこととなっておりますが、今回、
構造
上必要な歩廊の柱等は
壁面線
をこえて
建築
ができるよう改めたものであります。 第四十九条、これは
用途地域
内の
建築制限
に関する
規定
ございますが、これの
改正
につきましては、産業の発達のため、新たな業態を加える必要が生じた反面、
除害装置等
の進歩により
上制限緩和
の必要もありますので、これらを整理いたしたものであります。すなわち、新たに追加したものの大略としましては、
住居地域
におきましては、魚肉の練製品の
製造
、金属のつち打加工。プレス又は切断、
印刷用平板
の研磨、
糖衣機
を使用する菓子の
製造
、
セメント製品
の
製造
、撚線、金網の製遊、
製粉等
であります。
商業地域
におきましては、魚粉の
製造
、レディミクストコンクリートの
製造
、金属の溶射、砂吹、鉄板の
波付加工
、
ドラムカン
の洗浄又は再生、パルプの
製造等
であります。 準
工業地域
におきましては、木材を原料とする活性炭の
製造
、動力つちを使用する金属の鍛造、動物の
排泄物
を原料とする医薬品の
製造等
であります。次に
緩和
いたしましたものとしましては、
商業地域
におきまして、塗料の吹付の
馬力数
をゆるめましたのと、準
工業地域
におきまして、
化粧品
の
製造
、石けんの
製造
、
手すき紙
の
製造
、少量の金属の溶融、出力の合計が四キロワット以下の金属の
圧延欣寺
であります。なお、これらは準
工業地域
において
緩和
しましたものを、
商業地域
で禁止するようにしたものであります。さらに従来、
危険物
の貯蔵、処理につきましては、
工業地域
以外の
用途地域
では一律に禁止されていましたが、準
工業地域等
では多少厳に過ぎる面も見られますので、
危険物
の質、量等により、
地域別
に差をつけて
制限
をするようにしたものであります。 第五十一条、これは
既存建築物
に対する
緩和
でございますが、この
改正
につきましては、
現行
の内容は第八十六条の二で一括
規定
することとしましたので、
現行
の第五十四条に相当する内容をここに
規定
したものであります。 第五十二条、これは
特別用途地域
に関する
規定
でございますが、この
改正
につきましては、地方的な
特殊産業等
に対して、
特別用途地区制
をさらに活用できるように、第四項におきまして
建設大臣
の承認を得て条例で、
用途地域
、
専用地区
の
基本的制限
の一部を
緩和
できるよう改めたものであります。 第五十三条につきましては、
現行
の第五十三条に相当する内容は次条に送りまして、本条では
現行
の
地域制
が
建築物
の
用途
のみを
制限
しておりますが、
建築物
の
構造
、
建築設備
についてもこれを規制するごとにより、
用途地域
の指定の目的を達成できるよう条例を制定する
根拠条文
を
規定
したものであります。 第五十四条、これは
卸売市場等
の
用途
に供する
特殊建物
の位置に関する
規定
でございますが、この
改正
につきましては、
都市計画
の施設として決定しているものを除きまして、
現行法
では、
建築審査会
の同意と公開による聴聞を行なって、
特定行政庁
が許可することになっていますが、この許可は広域的な
都市計画
として検討するのが適当でありますので、
都市計画審議会
の議を経るごとに改めたものであります。また政令で定める軽微なものの新築、増築については、許可を要しないものとしております。 第五十五条、これは
敷地面積
に対する
建築面積
の割合に関する
規定
でございますが、この
改正
につきましては、第一項第三号を追加して公園、
道路
、
川等
の内に建つものについては、この
制限
をはずすこととし、第二項において
過少宅地
が多い等土地の状況により、やむを得ない場合は
規行法
の
敷地面積
から三十平方メートルを差し引く
制限
は、実状に沿わない面もありますので、
特定行政庁
が
建設大臣
の承認を得て、第三十三条第一項の
市街地
について指定する
区域
につきましては、
敷地面積
の六割まで
建築
できるように改めたものであります。 第五十六条、これは
空地地区
に関する
規定
でございますが、この
改正
につきましては、第四項において隣地に
公園等
がある場合その他政令で定める場合には、
建築物
の
外壁等
と
隣地境界線
との
保有距離
の
制限
をはずしたものであります。 第五十七条、これは高さの限度に関する
規定
でございますが、この
改正
につきましては、
現行法
の
ただし書き
と
同等程度
の効果を有し、都市計計画上
支障
のないものについても
例外規定
を
適用
できるなら改めたものであります。 第五十八条、これは
道路
の
幅員
と
建築物
の高さの
関係
に関する
規定
でございますが、この
改正
につきましては、第五十七条第一項各号の一に該当する場合には、
建築審査会
の同意を得て
特定行政庁
の許可によりこの
制限
を
緩和
できるように改めたものであります。この場合第五十七条に
規定
する高さをこえるものにつきましては、第五十七条
ただし書き
の許可と同一の観点から審査することになりますので、どちらか一方の許可でよいことに調整したものであります。 第五十八条の二、これは高架の
工作物
内に設ける
建築物等
の高さの
制限
の
緩和
に関する
規定
でございますが、これにつきましては、事柄の性質上、一般の
建築物
と同一に規制するのは不合理と思われますので、
特定行政庁
が、交通上、安全上、
防火止
及び衛生上
支障
がないと認めるものについては、第五十七条及び第五十八条の
規定
を
適用
しないこととしたものであります。 第六十一条、これは
防火地域
内の
建築物
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
耐火建築物
または
簡易耐火建築物
を定義つけたことにより
字句修正
をするとともに、階数が三以上のものは
耐火建築物
としなければならないこととしたものであります。 第六十一条の二、これは
防火地域
内における既存の
建築物
に対する
制限
の
緩和
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、これを第八十六条の三で一括
規定
することとしたため削ったものであります。 第六十二条、これは準
防火地域
内の
建築物
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
現行法
で階数が三以上であるか、または
延べ面積
が五百平方メートルをこえる
建築物
は
耐火構造
とすることになっておりますが、これを
簡易耐火建築物
でもよいことにし、四階以上または
延べ面積
が千五百平方メートルをこえる
建築物
は、
耐火建築物
としなければならないことに改めまして、都市のすみやかな
不燃化
を図ったものであります。 第六十四条、これは
開口部
の
防火戸
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
耐火建築物
及び
簡易耐火建築物
の定義を設けたことにより、字句の修正をしたものであります。 第七十九条、これは
建築審査会
の組織に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第二項で
市町村
の
委員
と都道府県の
委員
との兼任を禁じておりましたが、実情にかんがみましてこれを除くことにしたものであります。 第八十条、これは
委員
の任期に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
現行法
では
委員
の任期が満了した場合、
議会等
の
関係
で後任の
委員
の任命がおくれ、
法運営上支障
を生ずることがありましたので、第三項におきまして、任期の満了した
委員
は後任の
委員
が任命されるまでその職務を行うこととしたものであります。 第八十条の二及び第八十条の三につきましては、従来
建築審査会
の
委員
の
欠格条項
や
解任事由
に関する
規定
が全く欠けておりましたので、この際他の
審議会等
の
委員なみ
に整備したものであります。 第八十五条、これは
仮設建築物
に対する
制限
の
緩和
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
仮設建築物
について
適用
を除外する条項及び期間を整理したものであります。 第八十六条、これは
総合的設計
による一団地の
建築物
の
取扱い
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
耐火建築物
または
簡易耐火建築物
を
相当数
一面配置して
建築
する場合には、
木造密集市街地
の火災と状況が異なり、特に外瞳の
開口部
の
防火戸
を設ける必要がないと思われますので、
特定行政庁
がその位置及び
構造
について防火上
支障
がないと認めるものについては、
防火戸
の設置を
緩和
できる
規定
を設けたものであります。 第八十六条の二、これは既存の
建築物
に対する
制限
の
緩和
についての
規定
でございますが、これにつきましては、
法適用
前から存する
建築物
については、第三条第二項により、
増改築等
をする場合を除いて、本法を
適用
しないこととされていますが、
増改築等
をいたします場合には、本法の
規定
が全面的に
適用
されることとなりまして、
構造
全体に影響を及ぼすような
規定
、すなわち第二十六条
防火壁
の設置に関する
規定
、第二十七条、
特殊建築物
の
構造制限
に関する
規定
、第四十九条、第五十条
用途地域等
の
建築制限
に関する
規定
、第六十一条、第六十二条第一項
防火地域
、準
防火地域
内の
構造制限
に関する
規定
につきましては、経済上無理と思われる場合も出て参りますので、政令で定める範囲内で
適用
を
緩和
しようとするものであります。なお、本条と同趣旨の第五十一条及び第六十一条の二の
規定
を本条に吸収したものであります。 第八十七条、これは
用途
の変更に対するこの
法律
の
適用
についての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、従来明確を欠いた点もありましたので、これを全面的に改めてその
関係
を明らかにしたものであります。 第八十七条の二、これは
建築設備
への
準用規定
でございますが、これにつきましては、
昇降機
その他の
建築設備
を設ける場合にも、これらの
建築設備
の
重要性
にかんがみ、
建築工事灘
の確認を要することとし、この場合一つの
建築設備
について千円以内の
手数料
を納めるべきものとしたものであります。 第八十八条、これは
工作物
への準用の
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、ウォーター・
シュート飛行塔等
の
遊技施設
につきましても
構造耐力
の
規定
を準用することとしたものであります。 第九十条、これは
建築工事現場
の危害の防止に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
危害防止措置
に違反がある場合に、
建築物
に対すると
同様是正措置
をとれるように明確にしたものであります。 第九十一条、これは
建築物
の
敷地
が
区域
、
地域
または
地区
の内外にわたる場合の
措置
に関する
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、
建築物
は、その
敷地
の過半が占める
区域
、
地域
または
地区
の
制限
の
規定
を受けることになっておりますが、
高度地区
に関しましては、指定された
部分
だけ高さに関する
制限
を課すれば、目的を達成できるものでありますから本条から除いたものであります。 第九十三条、これは許可または確認に関する
消防長
の
同意等
についての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、今回の
改正
により、設備だけ設置する場合にも
手続
を要することとしたことに付随しまして、消防及び
衛生方面
との連絡を整備したものであります。 第九十四条、これは異議の申し立てについての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第三項において、
建築審査会
の
裁定期間
を、
公聴会
の
事務処理等
から見て従来の二十日から一月に延期したものであります。 第九十八条、これは罰則についての
規定
でございますが、これの
改正
につきましては、第九条第一項の
違反是正命令
に従わない者のに対して、
現行法
の
罰金刑
のほか六カ月以下の
懲役刑
を課すことができるように改めたものであります。なお第九条第十項に
規定
する緊急の場合の
工事施工停止命令
に違反するものに対しても同じ刑が課せられることとしたものであります。 第九十九条から第百二条までの
罰則関係
は、
実体規定
の
改正
に伴って整備したものであります。
付則関係
につきましては、
施行期日
を公布の日から起算して八カ月をこえない範囲で各
規定
につき政令で定めることとしたものであります。なお
住宅金融公庫法
の
簡易耐火構造
に関する
部分
の
改正
は、
貸付条件等
の
関係
から昭和三十五年四月一日から施行することとしたものであります。
関係法律
の一部
改正
につきましては
防火規定
の整備に伴いまして
防火地区内借地権処理法
、
住宅金融公庫法
、
官公庁施設
の
建設等
に関する
法律
、
耐火建築促進法
の用語を整備いたしましたことと、
手続関係
で
消防法
、
住宅金融公庫法
、
清掃法
、
日本住宅公団法
を整備いたしましたものであります。 以上本法案の概要を御説明いたしましたが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
早川愼一
5
○
委員長
(
早川愼一君
) それではこれより質疑に入ります。本日は、
説明員
として
建築
指導課長前岡君、農林省農地局中島農地課長が見えております。御質疑のおありのお方は順次御発言を願います。 ちょっと
速記
をとめて下さい。 〔
速記中止
〕
早川愼一
6
○
委員長
(
早川愼一君
)
速記
を始めて下さい。
田中一
7
○田中一君
政令
におそらくいろいろなものを譲るのだと思うのですが、たとえば、
不燃材料
とは何か、どんなものをいっているのか。せんだっても参考人にも質問しておいたのですが、
不燃材料
という
定義
だけでは、どこで
不燃材料
と認めているものが
不燃材料
かというと、たとえばせんだっての参考人の意見では市川さんは省令できめてくれ、それから古川さん、大須賀さんはJISで認めてくれ、統一してくれ、それから内藤さんはいろいろ役人らしい理屈を言っていましたがね。どういうものを
不燃材料
と
定義
づけるかということです。まただれがそれをきめるかということですね。というのは新しい材料がどしどし出ております。そういう点に対する認定といいますかね、この
法律
できめておりますところの
不燃材料
というものは何か。また
政令
でどういうようなきめ方をするのか。最初にそれを伺いたいと思うのです。
稗田治
8
○
政府委員
(
稗田治
君)
防火
関係
の材料につきましては、一応
防火性能
に関するJISの試験の規格をきめるわけでございます。従いまして、その規格に合っておれば新しい製品でも使えることになるわけでございますけれども、やはり
一般
にただJISの何号の規格というような表現でも、かえってわかりにくい面もあるかと思いまして、石綿板であるとかあるいは鉄網、ラス・モルタル塗りとか、そういった平易にわかる普通名詞は例示として使いたいと思っております。
田中一
9
○田中一君 どこでその
不燃材料
という決定をする権限を持っておるのですか。
法律
に
規定
するとこれは強制されるのです。従って、ラス・モルタルというものというその決定する権利はどこにあるのですか。権利はだれが持っているのですか。あの工法をやってみたが今まで燃えなかったから
不燃材料
だ、こういうような今までの経験からくるところの通念でやるのか、もっと学問的にごうなっているからこうなんだということでもなければならないと思うのです。同じ
不燃材料
でも
火災
の場合熱が千度をこえる場合と七百度である場合とでは、その結果というものはおのずから迷ってくるわけです。千度が瞬間千五百度、千八百度になった場合にどうなるかということになると、これまたむずかしい問題が起ってくるわけです。単に
火災
現場に行って熱度を調べたりするわけではないのですから、推定とか経験をもって判断をすると思うのです。従って、もう今日の自由経済の世の中では続々と新製品というものは生まれてきている。またそれを実際にすすめているような設計技術家もいるわけです。そうした場合実験するような
学校
は日本にたくさんあります。京都大学でやったらいいというものも東京大学では否定する場合だってある思うのです。そういう
不燃材料
を
法律
できめる以上その
不燃材料
を便わなければならないのです。その場合これが
不燃材料
である、安心なものであるということを決定づける権限はどこにあるのか。
稗田治
10
○
政府委員
(
稗田治
君)
不燃材料
につきましては一応通常の
火災
程度の温度では発火して燃えない、という材料が
不燃材料
になるわけでございますけれども、それぞれ
政令
で
規定
する場合、たとえば
不燃材料
で被覆すると申しましても、厚味等の
関係
から熱の伝導の工合等も違ってきますので、燃えない材料であっても厚味が何ミリ以上なければいけないとか、そういうことを同じような
防火性能
を有する規格に統一しまして定めるわけでございます。
田中一
11
○田中一君 たとえば鉄板ても熱を伝導しますから、鉄板は燃えないでも裏が燃えるということはあり得る。しかし間隔をおいたならば熱が遮断されて燃え移るのが違ってくるということ、従って
不燃材料
というものは工法、工作によって度合いが違ってくるわけです。特に燃焼性の板に鉄板をもって、熱を加えた場合には板は伝導しますから燃えてくる。間をおいた場合にはどうなるか、間をかりに何寸おいたとかいうことになるとどうなるか、というような場合には追うと思うのです。だから
政令
ではそうした工法の点からも、あるいは材料そのものの質の問題からも、今言っている厚味の問題もそういうこまかく
規定
するつもりなのかどうか。
稗田治
12
○
政府委員
(
稗田治
君) その使用上の
目的
に従いまして、工法におきましても
規定
するわけでございます。
田中一
13
○田中一君 そういうこまかくほんとうに
規定
するわけですか。
稗田治
14
○
政府委員
(
稗田治
君)
不燃材料
を使用する場合、
不燃材料
の厚味であるとか今
委員
のおっしゃいましたように空間を設ける、またパッキングで空間を設けるとか、そういうことは同じ
防火性能
を持たせるように
規定
するつもりでございます。ただ厚味を全然要しないというような
目的
の場合には
規定
はしないわけでございますけれども、
防火性能
の必要な所には同じような水準で線を引くつもりでございます。
田中一
15
○田中一君 いろいろな名称なり商号なりを登録して、材料に固有名詞というものをつけて自分の商売を保護するためにたくさんやつております。そこであなた方が
政令
で
指定
する
不燃材料
の場合、むろんそうした登録されているような名称はおそらくしないものと思うのですが、その点はどういう形で材料に対する
指定
をするのですか。あるいは規格というものを明らかにして、たとえば不燃板というものはかくかくかくかくのものであるというような
規定
をしようとするのか。通念でわれわれの使用しているところの名前、宣伝が行き届いているものは、そんなことを言われるよりも何か一つの材料の名前を言った万が、ああこういうものかということになる。これは
建築
技術家の問題ではない、しろうとの
施工
主がこんなものがほしい、あんなものがほしいという場合もあるわけですれ。そういうものはどんなように
規定
をするつもりであるのかですね。
稗田治
16
○
政府委員
(
稗田治
君)
政令
等に材料の例示をいたします場合には、普通名詞で例示をするつもりでございます。従いまして商品名などは取り入れないというつもりでございます。なお性能につきましてはJIS等で規格をきめることになるわけでございます。
田中一
17
○田中一君 たとえば現在
建築基準法
の施行令にある第百十一号の「(
防火
上主要である材料)」というところに「セメント、メタルラス、ワイヤラス、木毛セメント板、」とありますが、あるいはこの木毛セメント板というのは、名称登録をだれか取っておった場合にはこれは変えますか。これは今までに往々あるのですよ。たとえばある人が火山砂利を
原料
にした壁
構造
体を作ったが、こんなものは何年も前からずっと普通やっているのです。にもかかわらず特殊局がこれに特許を与えている。そのために毎年莫大なる特許料を取っているという例もある。二年も三年も前から実際やっている。 やっているにもかかわらずそういう登録なりあるいは特許の
申請
なりをして、それが間違いだか正しいか知らぬけれどもそういう権利を与えられて、国民が莫大なる不当支出をしているのですよ、こういう事実がある。この点につきましては、当時の
住宅局長
の大村己代治君が抗告をしたけれども取り上げられなかったということがあるのです。従って
政令
で材料を
指定
する場合には非常に慎重にしなけはばならぬのです。あなたの方で特許局全部調べて、こういう名詞の登録があるかないか、ただここにあるように木毛セメント板などというものはどこかで名称を取っていたらどうします。そういう点は慎重に特許局その他を全部調べて
政令
で
指定
するということになるのか。この点非常に危険を感ずるわけですね。あなた方も迷惑な話なんですよ。しかしまた今日の特許法なり登録制なりというものがある以上、その権利も守らなければいかぬ、そういう点の態度を一つ伺いたいと思うのです。
稗田治
18
○
政府委員
(
稗田治
君) 品名につきまして例示をいたます場合は、普通にたとえば鉄であるとか、セメントであるとか、材料そのものを示すような言葉で、商品名と誤解のおそれのないような、
一般
に流布されているそういう言葉を使いたいと思っているわけであります。なお木毛セメント板につきましては、日本工業標準規格ではっきり質につきましては
規定
されておるわけであります。
田中一
19
○田中一君 ここに
建設大臣
が
指定
する日本工業規格、JISの問題が書いてありますがね、これは規格の問題です。規格の問題はそうするとこの通りですね。JISできめているものに適合するものをむろんとると思いますけれども、名称の問題なんです、結局。これは今言う通り全部調べますか、特許局にどういうものが今名称登録になっているかというような点を。
稗田治
20
○
政府委員
(
稗田治
君) 名称につきましては、できるだけ材料そのものを表わすような名前、そういうものを
政令
に入れていきたい。従いまして、今、田中
委員
のおっしゃいましたような非常に疑義の生ずるようなものは、これは一応の例示でございますから、そういうものは避けたいと思っております。
田中一
21
○田中一君 第六条の
確認
及び
申請
、
手数料
の額が
昭和
三十五年に
本法
が施行されたままで据え置かれておる、
実情
に沿うようにその
限度
を増額するというが、増額する
限度
はどういうものを持っているか、一つここに当
委員会
に提出願いたいと思います。
政令
の
改正
案の
内容
というものを。
稗田治
22
○
政府委員
(
稗田治
君)
手数料
の上限の増額につきましては、物価水準等によりまして、それにならいまして引き上げたわけでございますけれども、零細な
建築主
に負担を増すということも今日の状態におきましてはいかがかと思いますので、できるだけ、たとえば十五、六坪以下の住宅といったようなものにつきましては、現在
政令
で
指定
されておる程度に押えておきたい、そういうように考えておるわけでございますが、現在
政令
案としましてわれわれが研究中であります詳細の各規模等につきましての段階につきましては、後刻案をお届けいたします。
田中一
23
○田中一君 せんだっても参考人に質問したときも申しヒげたように、建設省が所管する
手数料
、各種の
手数料
等の金額も全部出していただきたい。それから他の役所の所管の
手数料
等も、何年にこういう
手続
によって幾らの
手数料
を払ったということを全部あけていただきたい。と申しますのは、単なる建設省の問題ばかりでないのです。二十五年から今日までの間に——これはむろん地方の監督をしたり指導をしたりする面の予算の計上が足りないのじゃないかということを内藤参考人も旨っておりました。実態はどうなっておるかということを調べなければいかぬと思うのですよ。それはまあめんどうでも一つそれは当
委員会
に提出してほしいと思います。そうした後にこの質疑はいたします。
稗田治
24
○
政府委員
(
稗田治
君)
手数料
の増額につきましては、他の
法律
の施行の
手数料
との均衡の点もございますので、できるだけ調べたわけでございます。なお漏れなく調査いたしまして、資料としてお届けいたします。
田中一
25
○田中一君 ちょっと、今農林省の農地課長が来ているようですから、その方を先に一つだけさしていただきます。 現在、農地の地目
変更
という問題ですね、これはどういう
手続
によって行なっているか伺いたいのです。
中島正明
26
○
説明員
(中島正明君) 農地の転用につきましては、農地法の第四条、第五条並びに第七十三条に
規定
がございまして、第四条は、これは自分の持っております農地を自分が転用する場合でございます。それから第五条は、これは他人から農地を買いまして、あるいは他人の農地の上に借地権を設定をいたしまして転用する場合でございますが、いずれも五千坪以下の場合は都道府県知事の
許可
を要する、一件面積が五千坪をこえる場合には農林大臣の
許可
を要することになっております。 それから、第七十三条でございますが、これは開拓地でございまして、開拓地につきましては、売り渡しをいたしまして、政府が未墾地買収をいたしまして売り渡しをいたしますが、開拓者に売り渡しをいたしましてから五カ年たちますと、そこで成功
検査
をいたします。その成功
検査
を終りましてから三カ年間は、これはすべて農林大臣の
許可
を要することになっておりまして、ただいま申し上げました五千坪以下は知事の権限ということがこちらの方ではございませんで、すべて農林大臣の
許可
を要するということになっております。
田中一
27
○田中一君 大体われわれ今まで通念として、農地
委員会
がこれに対する意見を答申しておるというようになっておると理解しておるのですが、現在でもやはり農地
委員会
の答申ということに基いて比較的その線で
許可
されるというようなことがあり得るのでしょうか、実際の運用の面においては。
中島正明
28
○
説明員
(中島正明君) ただいまの
許可
の
申請
の
手続
でございますが、それはまず地元の農業
委員会
に
申請
書を、それぞれ知事あてなりあるいは農林大臣あてなりの
申請
書を提出をいたしまして、農業
委員会
で意見をつけまして、それを知事に進達をする、こういう
手続
を経ることになっております。なお、知事が
許可
をいたします際は、都道府県にあります農業会議の意見を聞いて
許可
をするという
手続
にいたしております。ただいま田中先生から御指摘の点でございますが。相当件数が——私正確な資料を持ってきておりませんが、一年間に十数万件というような多数の一件数にわたりますので、県で
許可
をいたします際に、一々現地を見るというだけの費用も、あるいは余力もございませんので、非常に面積の大きいものあるいは承要なもの等につきましては、県でみずから現地調査をするというようなことをやっております。こまかいものにつきましては、現地の事情なり何なりよくわからない点につきましては、農業
委員会
の意見を尊重用して、それに基いて
許可
をするというような工合の通常になっておると思います。
田中一
29
○田中一君 そこで、今お話しの農地法第四条、第五条と、次に私が伺いたいのは、
建築基準法
の第六条の
許可
申請
の運用の点でありますけれども、現在この
建築基準法
の
許可
申請
には、農地が宅地に転用が
許可
されたという決定がなくてもうちが建てられるのです、
許可
できるのです、いまの
現行法
は。そこに正しいものであっても
違反
したとか不正であるとかといって宅地業者等が引っぱられる例がたくさんある。事実調べてみるとこれは違法ではないのですよ、慣例としてやっていることは。ここに法の欠点があるのではないかと思うのです。
建築基準法
の万で第六条の
規定
でもって、何もそれが農地であろうが、宅地であろうと、家を建てるなら、それは宅地であるという前提に立って
許可
をするわけです。こういう点はあなたの方でも非常に迷惑な話でしょう。何か農業
委員会
あるいは農業会議とだれかとが結託して、とやかくいわれるようなこともある。何も
許可
しないのに家が建つたじゃないか。ところが事実、
建築
の
許可
を
申請
する方は
建築基準法
で
許可
してあるのです。
許可
してしまうから建ってしまうのです。ところが事実また農業
委員会
または農業会議でもって決定されておらぬという場合はたくさんあるのです。ここに問題があると思うのです。これは農地法の欠陥かあるいは基準法の欠陥か、この点は農地局の万から一つ卒直に、何も遠慮することありませんよ、次官がおったって。率直に言って下さい。
中島正明
30
○
説明員
(中島正明君) ただいまの御指摘の点につきましては、実は私どももかねてからそういう
建築基準法
と農地法の運用上の連絡がどうもうまくいっていないという話を聞いておりまして、建設省にも、実はできるならば
法律
の
改正
をして、農地法と
建築基準法
の連絡をもう少しよくするようにしていただきたいというようなお願いをいたしておったわけでございますが、これは建設省の方でも、伺いますと、農地法のみならず、あるいは河川、
道路
の占用
許可
等についても同じような問題がございまして、それらについて総合的な調整をできたらしいということで、法制局にもそういう案で実は交渉をされたというように伺っておりますが、私ども伺いました
範囲
では、
建築基準法
は、これは
許可
ではございませんで、これは建設省からお答えになった方が適当かと思いますけれども、
建築
の
許可
ではなくて、
建築物
が一定の基準に適合する場合には
確認
をしなければならないという
規定
になっておりまして、従って極端に申しますと、
土地
について当てがあろうとなかろうとと、言うとおかしいのですが、農地の転用
許可
があるなしということには一応かかわりなく、一定の基準に適合しておれば
確認
をしなければならない、こういう建前になっておりますので、特に農地の問題だけを取り上げまして、農地の転用の
許可
のあったものだけ
建築
の
確認
を与えるというような取り扱いは、法制上の問題として困難であるということを伺いまして、それではまあ
法律
の
改正
の問題としては、あるいは将来の問題としてさらに検討は要するとしても、さしあたりの対策といたしましては、建設省の
住宅局長
と農林省の農地局長の連名の通達を都道府県知あてに出しまして、
建築主事
の
建築
確認
と農地の転用
許可
の連絡を一つ密接にやっていくようにという指示をしようということで、ただいまその文案につきまして住宅局の方と協議中でございます。たとえて申しますと、
建築
の
確認
の
申請
がございました際には、そういう農地に
建築
をしようとする場合には、できるだけ、あらかじめ農地法の
許可
を受けてこいというような御指導を
建築主事
に願いますとか、あるいは
建築
確認
を通知をいたします際に、農地に
建築
をしようとする場合にはあらかじめ農地法の
許可
を受けてから
建築
に着手しなさいというような指示をしていただきますとか、そういう方法によりまして、農地の転用
許可
と
建築
確認
との連携を密にいたしまして、今先生から御指摘のございましたような事態をなるべく
防止
したい、こういうことでただいま具体的な案を建設省の方と協議中でございます。
田中一
31
○田中一君
徳安
さんに伺いますが、今私が農地課長に質問しておるような事態なんです。従って宅地に関するトラブルは、建設省が所管する
建築基準法
の一面不備とは言えるのですけれども、そこに一つの盲点がある。解釈の盲点です。これは
建築基準法
であって宅地の問題ではないといわれれはそれまでなんです。ところがそごに盲点がある。それで数々の不正問題や何かが起り得る余地を残している。あなたはこれは
建設政務次官
だからどうも言いませんが、国務大臣である大臣が、これは何も、おれは建設だ、おれは農林だ、おれは建設だから農地のことは知らぬなんというようなことは言えないんです。こういう盲点があって、今伺ってみると、何万件というような問題が年々農地
委員会
または農業会議の方で
審議
されているんです。われわれはそういう事例をたくさん知っております。それが摘発されるんです。そうすると、誇大に何か不正があるようなことをいわれることも往々にあり得るのです。今まで農地問題でそうした問題でもって片方は建設省が
許可
をして家を建つちゃう。それは何かというと、当法この農地は宅地に転用されるものという前提でそれは
許可
を受けるから、
許可
を与えられて建ってしまうということになるんです。こういうことは、同じ責任ある政府の中でもって、これはいたずらに犯罪を作る余地を残しているということであって、これはよい政治じわございません、従って、ただ単に行政指導でものを解決するなんということじゃなくてほかの
関係
があろうとなかろうと、この問題は、今回の基準法の
改正
でもってどっかにそれは織り込んだっていいんではないか。河川の問題、
道路
の問題あるでしょうけれども、現実に河川、
道路
の場合には公共性の強いものが多いからいいけれども、
建築
の場合には全くの個人の私有財産が多いんです。その点に対してどういう考えを持っているか、伺いたいと思うんです。
徳安實藏
32
○
政府委員
(
徳安
實藏
君) ただいまの田中
委員
の御質問、私ども実はもっともだと思いまして、この案をこしらえますときに、そうした
一般
の万に迷惑がかからないような処置をこの法に織り込むべきだ、こう実は考えまして、強く法制局と折衝さしたのであります。ところが、これは私も
法律
家でないから詳しいことはわからぬですけれども、この基準法は
建築物
の
構造
を
規定
するものであって、そこに
建築
をしろという
許可
はないのだ、こういう、
法律
の解釈がそうでございまして、従って、
建築物
の
構造
を規制する
建築基準法
、これによってかりにきめられまして、いいということが
確認
されましても、家を建てるということはまた別なんだ。ですから、農地法によって
許可
を得ないところにこれを建てたのでは、これはいけないんで、やはり二段の
法律
の
適用
を受けるわけだから、農地が宅地に転用されてから、その基準法による認定のものを建てるのだ、こういう行き方をしなければいかぬのだというような、どうしても法制局では承知しない結果ですね、やむなく一応今は見送りの姿になったわけでありますが、非常にこの
法律
には矛盾が今日多いように思います。従って、今のところでは、先ほど農林当局からもお話がございましたように、今、せめても両方の連携を密にいたしまして、そうして受付の窓口で十分指導しまして、
建築基準法
による認定を得ましても、建てる場合には当然宅地として十二分に
確認
された場所、農地ではいけないのだ、農地に建てるときにはこういう
手続
をして宅地にして下さいというような指導を十分しょうということで了解事項になったようでございましてこれは、私ども非常に遺憾に思います。 ですから将来は、法の建て方、こうはっきりと割っての考え方で、法制局では、そういうことを言っておるようでございますけれども、
建築物
を建てる場合におきましては、やはりこういう場所でなければ建てられないのだ、建つちゃいけないのだということぐらい一カ条入れてもいいんじゃないか、こう思うのですが、今申し上げたような
関係
で、法制局との折衝の結果、どうしても入れられませんので、こうしたことになったわけであります。
田中一
33
○田中一君 そこに、市川君なんかがこの間言っておるように、
都市計画
との関連を持った
建築
基準をやらなければいかぬということですね。 この基準法の中に、ただ
建築
構造
物ということに対する規制ばかりじゃなくして、政治性が入っておる、社会性も入っておる、これは全くの技術上の問題ばかり言っているのじゃないです。やはり社会性なり政治性が入っておるのです。この中に織り込んであるのです。だから宅地法という
法律
を作るつもりですか——どうすれば、それが規制されるか、国民が知らず知らずに、
建築基準法
という
法律
によって犯罪を助長されるのです。
建築基準法
という
法律
の、不備のために、あるいは
建築基準法
という法云々を言わないまでも、いわゆる
建築物
を建てるという、この国民の意思、これを間違った方へ力を貸していくというような形の
法律
、これは、やはりあっちゃならぬと思うのですよ。
建築基準法
は、全部建物そのものに対する規制ばかりじゃないのです。国民生活も、社会生活も、あらゆる面において、全部言ってておるのです。火事の問題にしても、
道路
の問題にしても、全部そうです。全部これは、そのために、
道路
制限
なり何なりあるわけですよ。宅地そのものに対してはないのだということはあり得ない。ただ単に、
建築物
だけの
構造
なら、
構造
という技術的な面だけを規制しておるところの
法律
ならいざ知らず、たくさんあります、そういう社会性というものを織り込んであるものは、私はやはり、これはよくないと思うのです。法制局が、そう言ったから、これは今度入らないのだというのはいかん。 そういう間違いを知らず知らず国民が犯していくのですよ。その間違いを犯していくということに、
建築基準法
が手を貸しておるのです。これはいけない。どうすれ、はいいか。一つ政府の見解を伺いたいと思うのです。
徳安實藏
34
○
政府委員
(
徳安
實藏
君) 最も国民にわかりやすい方法で、
建築
するときに、
違反
を犯させないような
措置
をとることが最も必要だと思います。従って親切なやり方で申しますならば、こうした
法律
の中にも、わかりやすく一条書き入れるということも必要ではないかと、私ども実は考えたのです。 ただ農地法に関しましては、農地法によるいわゆる農地は、宅地ではないから、住宅は建てられないのだという原則ができておるわけでありますから、そこに宅地として家を建てるということは、法に
違反
しておるわけです。従って農地には、家を建てるということはいけないわけですから、そのいけないということを国民に徹底させるという、今の段階では、そういうこと以外にないと思いますが、それに当りましても、農地に、この住宅その他の建造物を建ててならぬということは、これは、大体今、国民で知らない人は、おそらくないと思いますが、もしそうでないとしましても、今申しましたように窓口で、そういうものを
許可
いたしまするときには、これをお建てになるときには、農地ではいけませんよということを十二分に理解させるようにいたしまして、そうして、もし農地でありますれば、宅地の
手続
をとって転換して、地目を
変更
させてからお建て下さいというようなぐらいの指導を十二分にするという以外に、ただいまの建前ではないわけであります。 しかし、ただいま田中
委員
のお話のように、もっと親切なやり方で申しますならば、農地には建つちゃいかんのだ、だからしてはならない、いけないのだから、
建築物
の
構造
を規制して、
建築基準法
による認定につきましても、まず宅地であるということを明示してから、認可をしてやるというような考え方も、一応織り込んでもいいのじゃないかというふうに、私ども実は、常識上は考えるわけなんであります。もっとも今お話のように
同意
見になりますけれども、法の建前から、どうしても法制局の方で承知しないで、こうした結果になったのでありますが、この点につきましては、今後十分研究さしていただきます。
田中一
35
○田中一君 現在一定規模以下の
建築
申請
というものは、
届出
制になっているのです。あなたの方では届けができたら、すぐに登記所へ行ったり、あるいは現場へ行って、これが宅地としての転用が
許可
になっているかどうかという問題を
確認
して出すという親切をしますか。
稗田治
36
○
政府委員
(
稗田治
君) 今、田中
委員
が御意見を述べられた点につきまして、多少正確に申しますというと、
建築基準法
におきましては、
確認
というのと、それから
建築基準法
が、
都市計画
上その他から禁止しているというものを、解除する
許可
という三つの
手続
がございます。それで
確認
いたします
区域
というのは、これは全国に行きわたっているわけ、はないわけでございます。大体は、
都市計画区域
内は、全部
確認
を要するわけでございますけれども、
都市計画区域
外でございますというと、これは
確認
は、特に必要なところは、
区域
を
指定
して、
確認
の
手続
を義務づけているわけでございます。そういうようなことになっておりまして、
確認
は、御承知のように小さなものであれば、
申請
が出てから、もし
内容
が基準法に
違反
していなければ七日以内、それから大きなもの、あるいは特殊な
構造
のものにつきましては、三週間以内で、これを
確認
しなければならないというようになっているわけでございます。 それで全国の、全般的に申しますというと、
確認
の
区域
外でございましても、着工の届けば、これは出すことになっているわけでございます。着工の届けば、ごく簡単なものでございまして、これは
届出
を、別に、受領したというような、相手に通知するものではなくて、
建築
の勅態統計上必要でございますので、そういうことを
法律
で実施しているわけでございます。 従いまして、われわれが、この農地法の
許可
の
関係
との
支障
につきまして、現在考えておりますことは、
建築基準法
は、おのずから第一条に書いてございますような国民の生命、財産を守り、なおあわせて
都市計画
的な観点からも、公共の福祉を増進するというような、そういう建前で全部
制限
規定
かできているものでございますから、もし、そこに建てるとすれば、こういう形、こういう
用途
のもの、こういう
構造
でなければならないということで、
確認
あるいは
許可
を実施しているわけでございます。 従いまして農地等の場合に、
建築
の
確認
なり
許可
がありましても、なお他の
法律
の
適用
は、当然受けるわけでございますので、農地法の
適用
を受けるような危惧のある
敷地
を選んで参りました場合には、着工する前に農地法の
許可
を得なければ、農地法の
違反
になりますという注意書きをつけて、
申請
者によく
説明
して渡す、あるいははっきり、受付のときに農地であるということが、
建築主事
の方で
確認
できる場合には、これは農地であるから、先に農地法の
許可
をやられたらどうですかといったような指導で、
建築基準法
の
許可
なり
確認
が、全部他の
法律
のあらゆる
許可
を得たものだというような誤解のないように指導していきたいというように考えておるわけでございます。 従いまして、こちらが
建築基準法
の実施を担当しておる
特定行政庁
としまして、農地法の
関係
に密接に連絡し、御協力する
範囲
は、
確認
の
手続
、
許可
の
手続
が興るというものだけに限られるのではないかというように考えるわけでございます。
田中一
37
○田中一君 今、何でしょう、小さい住宅などは届けをすればいいのでしょう。
稗田治
38
○
政府委員
(
稗田治
君) 今の
都市計画区域
内とか、
確認
区域
内は、これは市衛地
建築物
法の場合には、
届出
と認可と二つの事項にわかれておりましたけれども、現在は、全部それが
確認申請
という
手続
に変っておるわけでございます。
確認申請
は、この基準法の
制限
条項
に照らして、全部趣旨が合っておるというという証明をして渡すといったような形のものになっておるわけでございます。 なお多少、あまり事務の
手続
が煩項では困るというので、準
防火地域
とか、あるいは
防火地域
以外では、小さな増築というようなものは、これは
確認
を要しないということになっております。
田中一
39
○田中一君 小さな住宅の場合は、えてして農地の中に、ぼんぼん建っていくのですよ。それは政府が一生懸命宅地造成に対して力をかしているからですね。どうも、そういう傾向があるのですね。 もう宅地として分譲もしてしまっておる。農地としては安いものだから、高いもので分譲してしまって、なおかつ、農地法の転用の決定が下りていないにかかわらず、やっておるところが、たくさんあるのです。こんなことないどころじゃない、あり過ぎるのです。あり過ぎるから、各地から、そういうような
法律
改正
の要望があるわけですよ。で、行政指導といっても、こういう
法律
がございますよ、と教えただけでは、徹底しないものなんですよ。この
建築主事
が、
確認
をすると、それは、もう完全なものだというように誤認するわけですよ。それは行政指導といっても、どういう形で行政指導するか、それは一つ、もう少し農地局の方で納得するような方法でやっていただきたいんです。 それで、今、原案について相談中というから、この
法律
の仕上る前に、そのお互いの申し合せ事項なり、具体的な、こういう方法をもって、それを行政指導いたしますと、効果ある行政指導ということを目途にして、了解事項を出して下さい。 このものについては、私ここで質疑をやめますが、それに対する御答弁を願いたいと思うのです。両方から出して下さい、農地局の万からと。
稗田治
40
○
政府委員
(
稗田治
君) 効果のある行政指導を、もちろん考えなければならないわけでございますが、現在、建設省として考えておりますのは、窓口で受け付ける場合に、農地法の
適用
を受けるおそれのある
敷地
につきましては、一応の注意を与える。なお
確認申請
書にも、先ほど言いましたように、農地法の
許可
を要する場合には、それを得てからでなければ、農地法の
違反
になるという注意書きを全部添付する。そういうことで、
申請
人の手元には
確認
書が参るわけでございますので、
建築主
の万に、農地法に違背するといったような積極的な意図がなければ、大体
目的
は達せられるのではないかというように考えているわけでございます。 なお、
特定行政庁
なり府県なりに、共同通牒で出します案文につきましては、目下協議中でございますので案がまとまりましたら、お届けいたします。
中島正明
41
○
説明員
(中島正明君) ただいま
住宅局長
の方からお話がございましたように、目下案文につきまして、相談をいたしておりますので、まとまり次第、お届けするようにいたします。
早川愼一
42
○
委員長
(
早川愼一君
) それでは、本日は、この程度にして散会いたします。 午後零時十五分散会