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1959-02-19 第31回国会 参議院 建設委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十四年二月十九日(木曜日) 午前十時五十二分開会
—————————————
委員
の異動 本日
委員佐野廣
君辞任につき、その補 欠として泉山三六君を議長において指 名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
早川
愼一君
理事
稲浦
鹿藏
君 岩沢
忠恭
君
田中
一君
委員
小山邦太郎
君 西岡 ハル君 松野 孝一君
秋山
長造
君 内村 清次君 重盛
壽治
君 村上 義一君 安部 清美君 国務
大臣
建 設 大 臣 遠藤 三郎君
政府委員
首都圏整備委員
会事務局長
樺山
俊夫
君
首都圏整備委員
会計画
第一
部長
水野
忠君
首都圏整備委員
会計画
第二
部長
石塚
久司君
建設政務次官
徳安
實藏
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
首都圏
の
既成市街地
における
工業等
の
制限
に関する
法律案
(
内閣提出
) ○
参考人
の
出席要求
に関する件
—————————————
早川愼一
1
○
委員長
(
早川愼一君
) これより
建設委員会
を開会いたします。 まず、
首都臓
の
既成市街地
における
工業等
の
制限
に関する
法律案
を議題といたします。 御
質疑
のある方は順次御
発言
を願います。
田中一
2
○
田中一
君 これは、
提案理由
の
説明
だけ聞いておるので、一応
逐条説明
を聞いてみたいと思うのですがね。
早川愼一
3
○
委員長
(
早川愼一君
) それでは、
本法
案に対する一応の
説明
は聞きましたが、なお
補足説明
を
政府委員
からお願いいたします。 なお、本日の
出席政府委員
は、
樺山事務局長
、
水野
第一
部長
、
石塚
第二
部長
、以上の三氏であります。
樺山俊夫
4
○
政府委員
(
樺山俊夫
君) それでは、
首都圏
の
既成市街地
における
工業等
の
制限
に関する
法律案
の
逐条説明
を申し上げます。 第一条は、
目的
を
規定
しておりまして、すでに
提案理由説明
の際申し上げた
通り
でございますので、
説明
を省略させていただきます。 第二条は、以下の条文に出て参ります「
既成市街地
」、「
作業場
」、「
教室
」、「
制限施設
」、「
基準面積
」及び「
学校
」の
定義
をいたしたものであります。 第一項は、
既成市街地
の
定義
でありますが、これは
首都圏整備法
第二条第三項の
既成市街地
の概念と同じものといたしております。すなわち、
首都圏整備法
第二条第三項におきましては、
既成市街地
とは「
東京
都及びこれと連接する枢要な
部市
を含む
区域
のうち、
政令
で定める
市街地
の
区域
」と定められております。この
規定
によりまして、
東京
都におきましては
特別都市計画法
第三条の
規定
により
緑地地域
として指定された
区域
を除いた二十三区の全域、
武蔵野
市及び
三鷹
市についてはその大
部分
の
区域
を、横浜市、川崎市及び川口市におきましてはその
相当部分
の
区域
を
既成市街地
と定めております。 第二項の「
作業場
」とは、物の
加工業
を含み、
政令
で定める
業種
に属するものを除いた
製造業
の用に供する
工場
の
作業場
をいうことといたしております。
政令
で除外する
業種
としては、
新聞業
、
出版業
、
市乳製造業
、
製氷業
、生
コンクリート製造業等
を予定しておりまして、
住民
の
生活
上、製品の性質上等により明らかに
制限区域
内に立地せざるを得ない
業種
にのみ限定していく
考え
であります。 第三項の「
教室
」とは、
学校教育法
第一条に
規定
する
大学
のうち
政令
で定める
大学
を除いたもの及び同法第八十三条第一項に
規定
する
各種学校
のうち
政令
で定める各
棒学校
を除いたものの
教室
をいうことといたしております。
大学
または
各種学校
のうち、主として
制限区域
内の
住民
を
対象
としているような
施設
、たとえば
勤労者
を
対象
とする
夜間学校
は
政令
で除外していきたいと
考え
ております。また「
教室
」とは、いわゆる
講義室
をいうのでありまして、
実習室
、
実験室等
は除外しております。 第四項の「
制限施設
」とは、
作業場
または
教室
で、一の
団地
内にあるものの
床面積
の合計が次に御
説明
申し上げます
基準面積
以上のものをいうことといたしております。 第五項の「
基準面積
」とは、
作業場
につきましては、
工場
の種類に従って千六百平方メートル(約五百坪)以上で
政令
で定める
面積
とし、
大学
の
教室
につきましては二千平方メートル(約六百坪)、
各種学校
の
教室
につきましては千平方メートル(約三百坪)と
規定
したものであります。
作業場
につきましては、
中小企業
に与える
影響
を考慮いたしまして、
作業場床面積
千六百平方メートル(約五百坪)を
最低基準
とし、
従業者
百人
程度
以上の
規模
の
工場
を目安として、
業種別
に
政令
で
基準面積
を定めることといたしたのであります。また、
大学
及び
各種学校
につきましては、小
規模
のものは、主として
制限区域
内の
住民
の子弟を
対象
としたものでありますので、おおむね
学生
または
生徒数
が千人
程度
のものを
制限
の
対象
といたしまして
基準面積
を定めたものであります。 第三条は、
工業等制限区域
を
規定
いたしております。すなわち、
前条
で
説明
申し上げました
既成市街地
のうち、特に
人口
や
産業
の
集中
のはなはだしい
東京
都の特別区、
武蔵野
市及び
三鷹
市の
区域
を
工業等制限区域
といたしたのであります。また、
東京
都の特別区に属する
海面坪立地
については、真に
工業
の用に供されるものとして
首都圏整備委員会
、運輸省、その他
関係行政庁
が協議して定めた
区域
を
政令
で
制限区域
から除外したいと
考え
ております。 第四条は、要
許可行為
となる「
制限施設
の
新設
」の
内容
を明確にするとともに、
制限区域
内においては、
制限施設
の
新設
を原則として禁止し、ただ例外的に
東京都知事
の
許可
を受けた場合にのみ
新設
しうる旨を
規定
したのであります。
制限施設
の
新設
の
内容
としては、次の三つの場合に分けて
考え
ております。すなわち、第一に、
制限施設
の
新設
としては、さら地にその
作業場
または
教室
が
基準面積
以上の
工場
または
学校
を新築する場合であり、
本条
第一項で「
制限施設
の
新設
」と言っているのは、この場合を指しているものであります。第二に、
制限施設
以外の
施設
、たとえば倉庫、
事務所等
の
用途
を変更したり、何らの
用途
に供されていない
施設
を利用して、
基準面積
以上の
作業場
または
教室
に使用しようとする場合も
制限施設
の
新設
とみなすものであります。第二項第一号で
規定
しておりますのは、このことをさしておるのであります。ただこの場合、以前に
制限施設
であったことがある
施設
については、それが現在他の
用途
に使用されていても、それを再び
制限施設
として使用することは
許可
を要しないことといたしました。これは、
製造業
につきましては、
経済情勢
の変動により、
工場
を長期間閉鎖し、またはこれを一時他の
用途
に転用した後、
工場
を再開するような事例も多く見られ、この場合一々
工場
の再開の
たびごと
に
許可
にかかわらしめる必要がないと
考え
たからであります。「
制限施設
の
新設
」の第三の場合といたしましては、最初に
規模
の小さな
作業場
または
教室
を作り、その後同一の
団地
内において逐次
増設
する場合、すなわち、
作業場
や
教室
を新築したり増築したり、または
作業場
や
教室
以外の
施設
の
用途
を変更したり、あるいは
遊休施設
を
工場
や
学校
に利用することによって
作業場
や
教室
の全体の
床面積
が
基準面積
以上のものになる場合も
制限施設
の
新設
とみなすことにいたしたのであります。第二号の
規定
は、この第三の場合を
規定
したものであります。 第五条は、第四条第一
項ただし書き
の
許可
を受けて
制限施設
を
新設
した者は、その後に行う
増設
については
制限
を受けないこととした
規定
であります。
知事
が
制限施設
の
新設
の
許可
をいたします場合には、あとで御
説明
いたします
許可
の
基準
に従って、真にやむを得ないもののみを
許可
することといたしておりますので、一度
許可
を受けた
事業
については、それがその後の
情勢
の変化に応じて
増設
せざるを得なくなる場合であっても再度の
許可手続
を省略することといたしたのであります。 第六条の
規定
は、一の
地域
が
制限区域
となった
際等
における
経過措置
であります。すなわち、この
法律施行
前からある
既存
の
工場
または
学校
や、
工事
中の
工場
または
学校
について、あるいは今後
制限区域
が拡張される場合に、
既存
の
権益
を保護する必要がありますので、本則にかかる
措置
を
規定
したものであります。 第一項の
規定
は、一の
地域
が
制限区域
となった際、現にその
区域
内において
施行
されている
工事
にかかる
制限施設
の
新設
については、
許可
を要しないこととしたものであります。
制限区域
となる前から遂行されていた
工事
につきましては、他の
立法例
にもならい、これを救済することといたしたのであります。 第二項の
規定
は、一の
地域
が
制限区域
となった際現に存した
作業場
または
教室
についての
経過規定
でありまして、
既存
の
施設
について
制限
を緩和しております。すなわち、第一に、
作業場
または
教室
について、その
業種
を変更することによって
制限施設
に該当することとなった場合は、
許可
を要しないこととしたものであります。また、これらの
作業場
または
教室
の
用途
を廃止した後、これをそのまま
制限施設
に該当する
作業場
または
教室
に利用いたします場合にも同様な
取扱い
をいたすこととしたものであります。第二に、一の
地域
が
制限区域
となった際における
既存
の
作業場
または
教室
を拡張して、同一
団地
内においてその
床面積
を増加させます場合には、もとからの
作業場
または
教室
の
床面横
は除外し、新規に増加させる
部分
のみが
基準面積
に達するまでは
制限
しないことといたしているのであります。これは第四条第二項の
規定
の特例であります。 第三項の
規定
は、一の
地域
が
制限区域
になった際現に
工事
中の
作業場
または
教室
につきましても、
既存
の
作業場
または
教室
と同様に、第二項の
規定
について述べましたような
制限緩和
の
取扱い
をしたものであります。また、一の
地域
が
制限区域
となった際何らの
用途
に供されていない
施設
であって、以前に
製造業
または
学校
の用に供されていたもの、たとえば、
あき工場等
につきましても同様の
取扱い
をしたものであります。 第四項の
規定
は、一の
地域
が
制限区域
となった際現にその
区域
内において
作業場
または
教室
を
製造業
または
学校
の用に供していた者の
事業経営
に与える
影響
を十分勘案いたしまして、その
地域
が
制限区域
となった日から起算して六カ月以内に
知事
に届け出た場合は、その
団地
内におけるその後の
増設
を
制限
しないことといたしたのであります。 第五項の
規定
は、一の
地域
が
制限区域
となった際
作業場
または
教室
について
工事施行
中のものにつきまして、前項と同様に取り扱ったものであります。 第六項の
規定
は、
政令
の
改正
により
制限施設
の
範囲
が変つた場合の
経過措置
であります。
政令
の
改正
により
制限施設
の
範囲
が変る場合としては、第二条第二項及び第三項の
規定
に基く
政令
が
改正
されて今まで
制限施設
でなかった
工場
、
学校
が
制限施設
となる場合、並びに第二条第五項の
規定
による
作業場
の
基準面積
を定める
政令
が
改正
された場合が
考え
られます。かような場合には前五項の
規定
に準じて必要なる
経過措置
を
政令
で定め、
既存権益
を保護することとしたのであります。 第七条は、
許可
の
申請手続
についての
規定
であります。
申請書
に記載すべき事項を第一項において
規定
いたしますとともに、
制限施設
にかかる敷地及び
建築物
の
配置図
、その他
許可
の
基準
に該当するかいなかを判断できるような資料を
政令
で定めて添付すべきものといたしたのであります。 第八条は、
許可
の
基準
を定めております。すなわち、
知事
は、第四条第一
項ただし書き
の
許可
の
出講
があったときは、次の各号の一に該当する場合でなければ
許可
をしてはならないこととしているのであります。第一号は、
当該制限施設
の
新設
が
制限区域
内における
人口
の
増大
をもたらすこととならないと認められるときであります。これはこの
法律
の
目的
から見て当然であり、たとえばすでに
基準面積
以上の
作業場
を設置していた者がこれを取りこわして他の場所に移転するような場合で、そのために
従業員数
が増加するものでない場合等がこれに該当すると
考え
ております。第二号は、
当該制限施設
の
新設
によって、
制限区域
内における
住民
または他の
事業者
が、その
生活
上または
事業経営
上現に受けており、または将来受けるべき著しい不便が排除されると認められるときであります。これには主として
制限区域
の
住民
のために
技術習得
のための
各種学校
の
新設
がぜひとも必要である場合、
制限区域
内の
既存工場
のための
維持補修
の
工場
が必要な場合等も
考え
ております。第三号は、
制限区域外
において
申請者
が
当該申請
にかかる
事業
を経営することが著しく困難であると認められるときであります。これには
制限区域
内にある
親工場
に主として依存し、
制限区域外
に立地することが著しく困雑な
下請工場
の
新設等
々
考え
ております。第四号は、その他
政令
で定める場合に該当するときであります。これは、前三号に該当しないが、
制限区域
内に立地することがやむを得ないもの、たとえば
既存
の
大学
の学部、学科の
増設等
で、
学生
の
利便等
を考慮して必要やむを得ないものと認められる場合等を
考え
ております。 第二項は、
知事
が
処分
をするに当って、
産業政策
及び
文教政策
との調整をはかり、
処分
の適正を期するため、
申請
にかかる
製造業
または
学校
を所管している
関係行政機関
の長の
承認
を受けることを
規定
したものであります。 第九条は、
許可
または
届出
の
承継
の
規定
であります。すなわち、
制限施設
の
新設
についてその
許可
を受けた場合、または一の
地域
が
制限区域
となった際現にその
区域
内において
作業場
もしくは
教室
をその
事業
の用に供している者が、
知事
に
届出
をした場合もしくは第六条第六項の
規定
に基く
政令
の
規定
による
届出
をした場合において、これらの
施設
を
事業
または
学校
の譲り受け、相続、
合併等
の
包括承継
により
承継
した者があるときは、その者が、その
行為
が行われ、またはその事実があったたときから六カ月以内に
知事
に届け出たときは、
許可
を受けまたは
届出
をした者の地位を
承継
することとしたのであります。 第十条は、
許可
の
取り消し
についての
規定
であります。第四条第一
項ただし書き
の
規定
によって
制限施設
の
新設
の
許可
を受けた者は、すみやかに
工事
に着手すべきものであることは当然でありまして、正当な
理由
がないのに一年以内に
工事
に着手しないときは、
知事
はその
許可
を
取り消し
得ることといたしたのであります。この場合におきまして、
許可
の場合と同様に、あらかじめ
関係行政機関
の長の
承認
を要するものといたしたのであります。 第十一条は、
違反
に対する
措置
に関する
規定
であります。
本法制定
の趣旨にかんがみまして、
違反
に対する
措置
としては、
制限施設
のうち
基準面積
を越える
部分
の
使用制限命令
を出し得るようにいたしたものであります。 十二条は、
立ち入り検査
に関し必要な
規定
を設けたものであります。すなわち、
知事
は、第六条第四項に
規定
しております
届出
があった場合、第六条第六項の
規定
に基く
政令
の
規定
による
届出
があった場合及び
前条
の
規定
によりまして
違反
に対する
措置
として
制限施設
の
使用制限
を命じようとする場合、以上の場合に限り、
立ち入り検査
を行うことができることとしたのであります。 第十三条は、
聴聞
の
規定
であります。すなわち
知事
が第十条第一項の
規定
または第十一条の
規定
によりまして、
許可
の
取り消し
または
違反
に対する
措置
を行おうとする場合に、事前に公開による
聴聞
を行うことを要する旨を定め、もって、これらの
処分
の公正を期し、
関係者
の権利、利益が不当に侵害されることのないようにいたしたのであります。 第十四条は、
訴願
の
規定
であります。すなわち
本法
の
規定
による
知事
の
処分
に対し不服のある者の
救済措置
といたしまして、この
法律
の
主務大臣
である
内閣総理大臣
に
訴願
を提起し得る道を開いたのであります。
内閣総理大臣
がこの
訴願
を裁決しようとするときは、
首都圏整備委員会
及びその他の
関係行政機関
の長の
意見
を聞かなければならないこととし、裁決の公正を期することといたしたのであります。 第十五条は、国に対する
適用
を明示した
規定
であります。国がみずから
製造業
の用に供するための
工場
の
作業場
または
学校
の
教室
を
新設
する場合も、国以外の者と同様に
本法
の
適用
を受けさせることは、この
法律
の
目的
に照らして当然でありまして、
本条
はこの旨を特に明確に
規定
したのであります。 第十六条は、他の
関係法律
の
適用
についての
規定
であります。第四条第一、
項ただし書き
の
許可
の
対象
となる
制限施設
の
新設
に関しましては、
建築基準法
、
学校教育法
、
火薬類取締法等
の他の
法令
において、
本法
とは別の観点から
行政庁
の
許可認可等
の
処分
を要ることとなっているものもあります。
本条
は、このような他の
法令
と
本法
とが併列的に
適用
されるものであることを
法律
上明確にしたものであります。 第十七条から第十九条までの
規定
は、
本法
の
施行
に関し必要な
罰則
を
規定
したものでありまして、他の
法令
の類似の
規定
の
罰則
と均衡をとって定められたものであります。 附則第二項は、
本法
の
施行
に関する
事務
を
首都圏整備委員会事務局
をして行わしめるため、
首都圏整備法
について所要の
改正
をなすものであります。 以上でございます。
早川愼一
5
○
委員長
(
早川愼一君
) それではこれから
質疑
に入ります。御
質疑
のある方は順次御
発言
を願います。
田中一
6
○
田中一
君 前国会で
相当内容
については
質疑
をいたしましたが、ことに、
利害関係者
並びに
学識経験者
の御
意見
を伺ったのでありましたけれども、これに対して
政府
は、
参考人
の
意見
に対してどういう見解を今日持たれているか。私が聞いた
範囲
では、自分の了解としては、すべて
条件付き賛成
というように見受けられたわけであります。従って、これに対する
——大臣
が来ればいいのですが、
政務次官
が来ていますね。
徳安實藏
7
○
政府委員
(
徳安實藏
君) その問題は、私には
関係
がないのですが……。
田中一
8
○
田中一
君 それでは
大臣
が来てから質問します。
秋山長造
9
○
秋山長造
君 ちょっとお尋ねしますが、この
法律
は、ただ
人口増大
を防ぐということだけなのですか。
樺山俊夫
10
○
政府委員
(
樺山俊夫
君) 第一条に
規定
しておりますように、
首都
に対します
人口
と
産業
が過度に
集中
をいたしまして、
首都
としての
機能
が非常に低下をいたしておりますので、ただいまのお説のように
人口
の
増大
を抑制いたしますために、この
法律
をお願いしたわけでございます。
秋山長造
11
○
秋山長造
君
人口増大
を防ぐということになりますと、ここには大
規模
な
工場
とか
学校
がその主たるものという
規定
がしてあるのですけれども、事実上そうでしょうかね。たとえば
中小工場あたり
なら、やはり
工場
ができればそれだけ
人口
も相当ふえるということがあり得るけれども、最近のように
オートメーション
になってしまえば、これはもう大
規模
な
工場
ほど逆に人は余りふえない。むしろ総体的には
従業員等
は減っていくということじゃないかと思うのですね。
学校
は、それは確かに人がふえるけれども、私はむしろ
東京
なんかのような大
都市
の
人口増加
の
原因
というのは、
工場
とか
学校
とかというようなことではなくして、たとえば
商業
、あるいは今、
丸の内
から
西銀座かいわい
にやたらに建っているビルディングですね、いろいろなビルが、
高層建築
が続々と一切のあき地を埋めてしまって建っているわけですね。それから外堀を埋めて
高速道路
、いろいろ問題の多いあの
高速道路
ができて、これまた
道路
やらデパートやらわからないようなものがどんどんできて、そうしてやたらに
西銀座かいわい
がもう人の洪水で押し合っているような
状態
なんですがね。ああいうことこそ私は
人口増大
の一番大きな
原因
になっているのじゃないかと思うのです。そういうものを全然触れないで、ただ大
規模
な
工場
ということで、昔の常識なら、大
規模
な
工場
ができればそれだけ
人口
もふえるでしょうけれども、今の
状態
だったら、あるいは今後の見通しとしては、大
規模
な
工場
というものはますますかえって
従業員数
というものは少くて済む。従って
人口増加
というようなことにあまり
関係
がないのじゃないかと思うのですがね。その点はどうお
考え
になりますか。
樺山俊夫
12
○
政府委員
(
樺山俊夫
君) ただいまのお説にありました、大
規模
な
工場
は
オートメーション
化いたしまして、
人数
が少くなるという御
意見
は、一応ごもっともであると思います。ただ
業種
によりまして、
オートメーション
が非常に進んでおる
業種
もございますけれども、また他の
業種
におきましては、
オートメーション
によりまして
人数
を減していくことができない
業種
も相当あるように
考え
ておるのでございます。 それから、
東京
の
人口増大
の
原因
についての御
意見
でございますが、お説のように、いわゆる
中小商業
でありますとか、あるいはまた
サービス業
でありますとか、そういうものによります
人口増加
も確かにございます。ただ現在までの
統計
で見ましたところによりますと、
東京
におきまする
人口増加
で一番大きな
原因
になっておりますものは、
工業関係
の
従業者
が一番その大きな
部分
を占めておるのであります。その次は
学校
の
関係
の
転入者
があるという
統計
が出ておるのであります。そういった
意味
から、その大きな
原因
になっておりますものの、できます
工場
あるいは
学校
のために入ってきます
人口
をとりあえず押えていくということで、まず第
一段
の
目的
を達成いたしたい、かように
考え
ておるわけであります。 それから、この
法律
は、お説にありましたように、
東京
に入って参ります
人口
を抑制するのがおもな
目的
でございますけれども、私
ども首都圏整備
の
考え方
といたしましては、一面に
東京
に入って参ります
人口
を抑制いたしますと同時に、
東京
の
周辺
に
工業
を
中心
といたしました
衛星都市
を
建設
をいたしまして、そこに
人口
を
吸収
をし、また定着させるという
方途
とあわせてこの
法律
の実効を期していきたいというような
考え
で進んでおるのであります。
秋山長造
13
○
秋山長造
君 そういたしますと大
規模
な
工場
なり
学校
なりの
新設
を
制限
するという
方法
で
人口
の
集中
を食いとめていく、その限りにおいて食いとめていくということだけであって、それ以外のルートを通じて
人口
が
集中
するということはやむを得ぬでかまわぬのだ、こういう
考え方
に立っておられるのですか。
樺山俊夫
14
○
政府委員
(
樺山俊夫
君)
人口集中
の
原因
は、先ほども申しましたようにいろいろな
原因
で入ってくるのでございまして
都市生活
を営みますためにどうしても必要な、あるいは
サービス部門
でありますとか病院の
関係
でありますとか、こういったもので、
都市生活
を営みます上にどうしても必要なものがあるわけでございます。こういったものを
制限
いたしますことは、いわゆる
都市
の
機能
を阻害するということにもなるわけでございます。そういった
意味
からその問題には手がつけられないというのが現状であると思います。従いまして、
工場
、
学校等
で必ずしも
東京
内に立地しなくてもいいものがあるわけでございます。そういったものをとりあえず第
一段措置
といたしまして
対象
としてそれによって
人口
を押えていくということを
考え
ておるのでございます。 それで、先ほど申し上げましたように、
人口
の
流入
を防止します
方法
といたしまして、
東京
都の
周辺
に
衛星都市
を
建設
をいたしまして、そこに
人口
を
吸収
をいたしまして、それを定着させるという
方途
を目下鋭意育成をはかっておるような次第でございます。
秋山長造
15
○
秋山長造
君 そういたしますと、この
法律
は、
人口
の
東京集中
ということに対する抜本的な
対策
ということではなくして、抜本的な
対策
は、それはとても手がつかぬ、お手あげだ、まあしかしほうって置くわけにもいかぬから、
気休め程度
に少し隅の方をいじくってみようかという
程度
のものにすぎぬという感じを持つのですがね。同じやるならもう少し抜本的なものを
考え
てやったらどうですか。たとえば、それは外部から
東京
都に対する
人口流入
という問題もあるでしょうけれども、同時に、
東京都内
においても、
丸の内
から
銀座かいわい
のああいう
中心地帯
に対する
人口
の
集中
という問題もこれはゆるがせにできぬので、外から来るのはこういうことで多少ブレーキをかけるということになるかもしれぬが、しかしそれにしても、最近の西銀座辺の雑踏ぶりというものは、これは実にひどいですね。しかも、あれは堀でも今まで
通り
あったら、まだ多少気持だけでもあの辺にゆとりがあるでしょうけれども、もう堀もなくなったし、そして高速度
道路
などといってみたところで、これで一体あれは
道路
のために建ったのか、それとも新しく商店街を作るために
道路
という名前で
許可
をとって建ったやら、われわれは非常に大きな疑問を持っておるのですが、ああいう
措置
——とにかくあの
中心
部へますます人が
集中
して雑踏するようなことばかり手放しでやっておるのだから、
工場
だとか
学校
だとかいう
程度
のものをちょっといじくってみて、それで
人口
の
集中
を防ぐと言ってみたところで、私は無
意味
だとは言わぬけれども、あなた方の
気休め程度
の
法律
以外の何ものでもないと極言せざるを得ないのですがね。もう少し、やはり
首都圏整備法
か何か、その
法律
まであるのですから、こういうおざなりなものでなしに、もう少しやはり
都市
の
人口集中
を何とかするという抜本的な大きな方針というものを打ち出されたらどうですか。
樺山俊夫
16
○
政府委員
(
樺山俊夫
君) ただいまの御
意見
の中で、
首都
に対する
人口
の
流入
を防ぎますために、この
程度
の
法律
ではきわめて微温的なものではないかという御
意見
でございますが、お説のように、
首都
に対する
人口
の
集中
の
原因
は、いろいろな問題が、根本的な問題があると思います。従いまして、この
法律
によりまして抜本的にこの問題をすべて解決していくということにはならないのではないかというお説に対しましては、私どもも実は同感でございます。ただ、抜本的な
方途
はいろいろございますけれども、そしてまた、私どもといたしましても、できるだけそういった面に研究を進めましていかなければならないと思いますけれども、当面の実行可能な問題といたしまして、この
法律
によりまして、現在の
東京
に
集中
して参ります
人口
を幾らかでもとにかく防いでいくという
意味
合いで、数歩前進という
意味
で、一つこの
法律
の
意味
合いをおくみ取りをいただきたいと思うのでございます。 それから、
東京
の都内におきましても、
中心
のいわゆる都心部における混乱が非常なものであるという点は、全くお説の
通り
でございます。これらの問題に対しましては、
都市
整備という面から
道路
あるいは交通機関その他につきまして整備をしていかなければならない面もございますけれども、それ以外に都心の混乱をこれ以上助長いたしませんための方策といたしましても、お説のようないろいろな
考え方
をしていかなければならないと思います。たとえば池袋なり新宿、渋谷、五反田というような副都心の育成をいたしまして、都心に
集中
して参ります
人口
を副都心に引き寄せまして都心の混乱をできるだけ少くするというような
方途
も私どもといたしましては
考え
ましてこれを実行に移していくように施策をいたしておるのでございます。
秋山長造
17
○
秋山長造
君 都心の
人口集中
あるいは交通機関の雑踏をこれ以上助長しないための努力をされているというお話ですが、まあ私らが見た感じは、これ以上助長せぬように努力されておるような跡は全然見えぬのです。ますます助長されておるのではないかと思う。たとえば、あの外堀を埋めて西銀座の百貨店街を作ったのは、あれはだれの責任ですか。ますます助長しているじゃないですか。それをあなた、おざなりなことを言って、ちっとも押えるどころではない、あなた方自身がますます助長していると思う。あの雑踏の一番大きい責任はやはりあなた方に私はあると思う。都
知事
もあるかもしれぬが、それを監督しておるのがあなた方だろうと思う。だから多少のきき目ある実行可能なというところから手をつけるということは、わからぬこともないけれども、実行可能なということはこの実効が伴わぬということであって——実効というのは実際の効果ですよ。実効が伴わぬということだと思うのですよ。だから、これはもう少し総合的抜本的な、同じ新しく立法をやられるならば、総合的抜本的な立法をやられるべきであるということと、同時に、ほんとうに都心に対する
人口
の
集中
を防ぐという気持が事実あるならば、今あの手放しでどんどん、かえって
人口集中
をますます助長されておるようなことを何とか中止をされたらどうですか。あの
高速道路
なんかを見ても、上り口もなければおり口もないようなところを、どうやって自動車が通るのですか。あれを
道路
だと思う人はありゃしませんよ。どんないなかの人が
東京
見物に来ても、あれは百質店ができたのだと思いますよ。あれが
道路
だとは思いやしません。それも、道幅だって広かったり狭かったり、あれでどうして自動車
道路
を作るのですか。私は、しろうと
考え
かもしれぬけれども、全く常識で判断できぬのです。あの
高速道路
あるいはあの商店街、さらに堀をどんどん埋めたりしたのはだれの責任ですか。または、あれを埋めなんだ場合と埋めた場合と、どっちが
人口
の
集中
を防ぐ効果があるかということを、私は率直に聞いてみたいと思うのです。
樺山俊夫
18
○
政府委員
(
樺山俊夫
君) 抜本的な
人口集中
を抑制いたします
方法
につきましては、お説の
通り
でございまして、私どもといたしましても、この点は、将来十分調査をいたしまして検討をいたさなければならない問題であると
考え
ております。 それから、都心に集まってきたものを分散いたします
方途
といたしましては、私どもといたしましては、たとえば先ほど申しましたような
方途
によりまして、副都心を育成するというような
方途
で、都心に集まってきますものを極力防ぐという
方法
を講じておるのでございますけれども、お説のように、都心部に集まって参ります勢いは非常なものでございまして、かたがた、私どもの努力も必ずしも十分でない点がございまして、その勢いを完全に防ぎとめるということはなかなか困難なわけでございます。しかしながら、それにもかかわりませず、お説のように、都心に対します
集中
の勢いを何とか食いとめていくという
方途
を、今後とも私どもは十分努力をいたさなければならない、かように
考え
ております。
秋山長造
19
○
秋山長造
君 それは、おざなりの、ただ答弁のための答弁ですよ。努力をするといったところで、逆な努力をしていて、それを食いとめる努力をしていなければ、何ら将来こうするということはできっこないのです。これは、
政府
も
東京
都庁も、寄ってたかって、一致協力して、ますます
人口
を
集中
させ、雑踏させ、あの辺を混み入らすような努力をやっておられるからできぬので、それを将来調査して食いとめるなんて、そんなことをただ言うてみるだけで——調査なんということは、すでにできているはずですよ。ああいうことをして、それが一体
人口
の
集中
になるか、雑踏になるか、それとも、それを押えることに役立つのかどうかということは、すでに三十一年に
首都圏整備法
というものができて、そうして整備
委員
会もできているわけですから、その出時すでにそのくらいのことはわかっておって、専門家も集まっておられることだから、見通しも立っておるはずだが、それを手放しで、逆にどんどんやらして、また助長するようなことをやらしておいて、それを食いとめる道を将来
考え
るといったって、それはただ言うてみるだけで、ちっともきき目はありゃしませんよ。だから、何かこれを、ほんとうに
人口
が都心に
集中
し、都心がこれ以上雑踏しない手を打たなければならぬというお
考え
ならば、これは将来調査して
考え
るというようなことでなしに、もう
考え
ははっきりしておるわけで、やる気があるかないかということなんで、やる気があるならば、直ちに何か抜本的な手を打たれたらどうですか。高速通路の、あの西銀座のデパート街の
工事
をもうこれで打ち切るとか、何かそういうことをやられたらどうですか。これは
建設
次官どうですか。まあ所管外とおっしゃっても、やはり
大臣
の責任で、あなたは
大臣
を補佐しておられるのだから、何か一言あってしかるべきだと思う。
徳安實藏
20
○
政府委員
(
徳安實藏
君)
首都圏
の方の
関係
につきましては、一応私どもの方の
関係
でございませんものでございますから、これから
大臣
に次官から御
説明
申し上げますが、ただいまお話しになりました数寄屋橋のところの
高速道路
、下の方に店舗ができておりますが、この問題につきましては、昨日も衆議院の方の
委員
会で非常にやかましい問題になりましてただいま調査をいたしているわけでございます。 実はこの問題は、私が就任しない三、四年前からやかましい問題でありまして、衆議院では
委員
会で相当に御研究にもなり、究明なされた事件だそうであります。しかし、まだ結論が、どうにも
建設
省として手の下しようがなかったような法の盲点をついた案件らしゆうございまして、私どもうわさは聞いておりましたが、そうした問題の実態について詳しく
内容
を承知いたしておりませんので、ただいまもう一ぺん重ねてこれを掘り返して、どういう問題になりつつあるか、きのうからそうした問題に対する調査を開始しているような次第でありまして、非常に怠慢のようではございますけれども、過去のいきさつ等を聞いてみますと、非常に法の盲点がございまして、その結果、
建設
省でも手の下しようがなかったということが結局
委員
会でもずいぶん追及になり、また、つるし上げられるし、また、いろいろな
関係者
を呼んで究明されたようでありますが、過去において結局どうにもならなかったといういきさつがあるそうでありまして、これから、どういう経過になっておりますか、これも一ぺん調査すると同時に、今その当時の
関係者
はみんな役所におりませんが、これをもう一ぺん掘り下げて究明しよう、そうして善後
措置
等も、法に盲点がございましたら、これも一つ研究しようということで資料を衆議院の方に至急に出すことになりましたから、いずれ参議院の方にも御要望がありますれば、そうしたものに対する資料も出しまして、そうして御研究を願い、また私の方の役所でも、その点につきましては、世間からひんしゅくをかっている問題でありますから、何とか処置をとりたいと、かように
考え
ております。従って、
内容
については御
説明
申し上げ得る資料が整うまでお待ち願いたいと思います。
秋山長造
21
○
秋山長造
君 資料をいただいて、また質問してもいいのですが、ただ三、四年前から問題になってしかも、当時法の盲点をついてやったということがわかっておれば、もし
建設
省の方でそういうことがよくないと
考え
るならば、どういう盲点か知らぬが、すでにそういう盲点を穴埋めされる
法律
改正
をやられなければおかしいのに、それを当時盲点だから仕方がないということでほっぽって置いて、今、質問が出たから、あらためて調査して云々ということは、これはどうも、
徳安
さんには責任がないかもしれぬが、全く国民としてこれは腑に落ちぬ話だと思います。それで、なんだかんだと言って問題にされながらも、既成事実としてどんどん進んでいるのでありますから、これは一日々々進んでいるのでありますから、ただ、全く困った、仕方がないということでほうって置くということはどうですかね。
徳安實藏
22
○
政府委員
(
徳安實藏
君) ごもっともだと思うのです。しかし、
政府
の方でもその当時研究したようですが、その欠陥を穴埋めする
措置
をとらなかったということは、どういう経過になっておりますか、ただいま調査しておりますから、明細にそうした点もお示しできると思いますが、盲点と申しましても、結局権限が、だんだん、せんじ詰めてみますと都にあった、都に移譲された権限を悪用されたということで、それを
建設
大臣
なり監督官庁——
政府
の方で食いとめるような処置の法的根拠がなかったというようなことをいわれているようでありまして、そうして都の方でもだいぶ呼びかけて、
委員
会でも御究明になったそうでありますけれども、その当時、
許可
したときの条件と結果とは違うんではないかというような点について強く究明されたそうでございます。しかし
知事
の方では、最初のときはそうであったが、その後、都議会の
承認
を得て、そうして合法的な手続でしたというようなことも言っているそうでございまして、その決議録もとってみなければわかりませんが、問題が都
知事
の権限に移り、あるいは都議会の
関係
にあるというようなことについて、
措置
するような法的根拠が
建設
省にないというようなことでありまして、これはいろいろ憲法の問題なり自治法との
関係
がございまして、盲点と申しましても、簡単に片づけることができない盲点らしく見受けられるのであります。そこにいろいろ、究明はしながらも議員立法にもならず、
政府
の方もやむを得なかったという結果になっているように思いますので、これは私どもの方でも取り上げることと思いますが、各党でも一つ御研究願いまして、そうして
政府
も研究をいたしまして、努力はいたしますが、議員の各位におかれましても、議員立法でもけっこうでございますから、そうした問題の盲点を根本的に解決するというようなことを一つ御研究願いたい。決して
政府
が卑怯なわけではございませんけれども、なかなか憲法の問題とか、ほかの
法律
との
関係
がございまして容易にこの盲点を根本的に解決することができなかったような事態に——これは抽象的のようでございますけれども、ただいまきておるわけでございまして、その点につきましては一つ詳しく
内容
を見きわめまして、調査資料を提出いたしますから、それで一つ御論議をいただくようにお願いいたしたいと思います。
秋山長造
23
○
秋山長造
君
建設
省としては、あるいは
建設
大臣
としては、ああいうことはいいことだと、まあ
法律
上どうこうは別として、いいことか、それとも悪いことか、どっちだと思っておられるのですか。
徳安實藏
24
○
政府委員
(
徳安實藏
君) 結果から見ますというと、世間が非難しておりますように、私ども決していいことだと思っておりません。
秋山長造
25
○
秋山長造
君 そこで、そちらにお尋ねしますが、今、
高速道路
について
政務次官
からよくないという見解が述べられたのですが、そうするとあなた方は、やはり
首都圏
を整備していくための直接の責任を持っておられると思うのですが、で、あれに対してどういう手をお打ちに今までなったのか、また、今どういう手をお打ちになろうとしておられるのか。それからまた、
人口
の都心地区べの
集中
ということを食いとめるためにも、また、これ以上の交通地獄を緩和していくためにも、そういう手を打つことが必要だと思っておられるのか、それとも手放しでほうっておかれようとするのか、その点の一つ御方針をはっきり伺わせていただきたい。
樺山俊夫
26
○
政府委員
(
樺山俊夫
君) 都心に対します
人口
の混雑を防止します問題は、実は先ほど申しましたように、私どもの方で
考え
ておりますのは、副都心を整備いたしまして、都心に入ってくるものをそこで極力押えるということで、これは従来その方針でいろいろ施策を進めてきているのでございまして、お説のように都心に対する混雑は非常なものでございまして、これは何としても食いとめる
方途
を
考え
ていかなければなりません。その一環といたしまして私ども有力な
方途
といたしまして、副都心を強化いたしまして、それに諸
施設
を完備していく、こういう方向で従来ともやってきておりますし、今後さらに一そうこの点には力を入れて参らなければいけない、かように
考え
ております。
秋山長造
27
○
秋山長造
君 いや、従来とも努力してきたとおっしゃるのですけれども、それはさっきから私しつっこく言うように、努力したと思えぬと思うのですよ。むしろ逆に、ますます都心に
人口
が
集中
し、ますます交通が、雑踏がひどくなるような傾向をあなた方自身が助長しておられるのではないかと思うのです。それで、その一つの例として、あの堀を埋め立てて、あんな商店街を作ったということを言っているだけで、何もそれだけにとどまらぬのですけれどもね。で、これは都心への
集中
を食いとめて、副都心を助長していくというなら、副都心を助長していくということはわかりますが、都心への
集中
ということを、あらゆる手を打って食いとめなきゃならぬのに、食いとめるどころじゃない、ますます拍車をかけるようなことばかりやっておられてそれで都心へ
集中
することを食いとめるべく努力してきたと言っても、それは納得ができませんよ。私だけでなく、だれも納得できぬ。あなた自身も納得できぬだろうと思う。(「その
通り
だ」と呼ぶ者あり)これはだれが
考え
ましても、去年の今日と、それからことしの今日と、あすこのあの一帯に行ってみて、これはもう見違えるほど
集中
してきたという感じを持たぬ者はありませんよ。これはそういうことをほうっておいて、ほうっておくばかりじゃない、それを事実上助長するようなことをやっておいて、それでこれを食いとめるべく努力もしてきたし、今後も努力すると言うても、それはだれもあなた、そんなことを納得できるものじゃない。 それからもう一つ、
丸の内
辺に、もうビル・ラッシュといわれるほどやたらにビルがどんどん建っているというようなことも、あれはただ、まああの
高層建築
がよけいできれば外国人が来て、なるほど
東京
はりっぱだと思ってくれるから、手放しでやっておられるのだろうか知らぬけれども、やはり
都市
集中
という、
人口
の都心
集中
というような面から
考え
れば、ビルなんかどんどんあの辺の一カ所に固まって、軒並みにこれができれば、それはそれだけ
人口
は
集中
し、雑踏することはもうわかり切った話です。それは少々の
工場
なんかができるよりも、それはビル一つ建てた方がよほど
人口
は
集中
しますよ。だから、そういうことに対して、もう手放しで、ビルを幾らでもお建てなさい、幾らでも融資して上げますという方針でいかれるのか。それとも、ビルなんかについても、やはり
人口集中
を食いとめるという面から、何らかのブレーキをかけていかれるのかですね、そこらをはっきりしていただきたいと思うのです。で、まあここの法案にも、大
規模
な
工場
、
大学
、その他
人口
の
増大
をもたらす
原因
となるような
施設
ということで、まあ
工場
とか
大学
とかいうものだけでなしに、その他あらゆる
意味
において
人口集中
をもたらす
施設
というように、これは解釈できぬこともないような文句が使ってあるのですが、だからそこらで何とか、ビルなんかあの狭い
地域
へやたらにどんどん建てたり、また、やたらにあの商店街が次から次へ狭いところへ押し合いへし合いしてできたりするような傾向というものは、やはりこういう
法律
を作る以上は、こういうもので何らかの面から——これは全面的にこれを規制できぬにしても、少しでもやはり規制していくというくらいなことを
考え
られなきゃ、私はもう率直に言って、こういう
法律
は何ら焼石に水というようなものだろうと思うのです。
水野忠
28
○
政府委員
(
水野
忠君) ただいまの御
意見
、ごもっともでございまして、都心
集中
を防止するという御
意見
に対しましては、私ども全く同感でございまして、私どもの方におきましても、都心
集中
を防止するために、たとえば御例示にございましたようなビルの建築を規制するとか、いろいろな法はあろうかと思いますが、そういう点もいろいろ研究してみたのでございますが、実際問題としてそれを実施に移すということはなかなか困難なことでございますし、そこで私どもといたしましては、一つ、先ほど御答弁申し上げましたように、副都心を強化いたしまして、副都心に環境のいい、健全なビジネス・センターを作る、そうして都心に作るよりは副都心にそのビルなり健全な
事務
所が集まるようにする。そういうようなことを一つ大きな
都市
改造
事業
としてとりあえずやる。そういうようなことをまず第一にやるのが至当ではないか、というようなことを私どもとしては
考え
まして、とりあえずその第一着手として、ただいま構想を練って近く実施に移したいと思っているのでございますが、これは新宿の副都心の強化の問題でございます。新宿におきましては御承知のように淀橋浄水場という、ああいう便利な場所になくてもいい
施設
がございます。あれを別途郊外地帯に移転をいたしまして、その跡地約十万坪ございますが、この十万坪に第二、第三の丸ビル街を作り、そして都心へ行かないで、新宿という所に環境のいい健全な業務街ができ上る、こういうような
方途
を一つぜひ講じていきたい、いろいろ具体案をただいま練っておりまして、近く何らかの具体策が打ち出せるのではないかというふうに
考え
ております。そういうような新宿、それに引き続いて池袋、五反田、そういうような問題も引き続いて起ってくると思うのでございます。まあそういうような方向で、ただいま私どもはそういう都心
集中
を防止する一つの施策を講じつつある、こういうようなつもりでただいまのような答弁を申し上げた次第でございます。
早川愼一
29
○
委員長
(
早川愼一君
) 先ほど
田中
君の質問がありまして保留になっておりますが、
委員長
がお見えになりましたから御質問願います。
田中一
30
○
田中一
君 この
法律
は前国会で相当激しい論議があったのでありましたけれども、中でわれわれ
参考人
から聞いた
意見
を非常に妥当なるものであると見ているわけです。大体
条件付き賛成
という形のものなんです。まああってもなくてもいいけれども、まああってもいいだろうというような
程度
のものにすぎないと思うのです。そこでこういう批評というか、批判あるいは
意見
をお聞きになった
政府
としては、この
法律
の実施に当って覚悟のほどを一つ聞きたいと思うのです。われわれが審議の過程においても申し上げたことは、全くの、ざる法であるということです、実効がないということですね。しかしまあないよりいいであろうという
程度
のものなんです。いろいろ条文をごらんになると、こうするんだといってすぐに翻った除外例を設けるような作例になっている、全部が。むろん既得権というものは擁護しなければなりませんが、一つの決意をもって国民
生活
あるいは公共的な立場から法の実施をするという場合には、勇気が必要なんです。一応これはやってみるけれども、やってみた結果実効がないとわかったら、これは相当
委員長
としても
考え
なければならぬと思うのです。ただ残念ながら
首都圏整備委員会
というものは単なるプラン・メーカーであって、あっちの役所からつつかれ、こっちの役所からつつかれ、おのおのの所管する行政官庁の立場から主張するから、こういうことになると思うのです。ほんとうに
首都圏整備委員会
というものが自分の力を発揮しようとするならば、まず第一に
事業
費をチェックするような権限を持つこと、計画そのもの、プランだけでなくして、それに
事業
を遂行するための
事業
費というものを
委員
会が持たなければならぬのです。そうすればほんとうの国民が求められるような形の
法律
ができ上ると思うのです。そういう点について
首都圏整備委員会
の
委員長
としての遠藤さんから、この
法律
実施に当ってどういう態度で臨むかという点についての答弁を願いたいと思います。
遠藤三郎
31
○国務
大臣
(遠藤三郎君)
田中
委員
からのお尋ねでありますが、私はこの
法律
につきまして非常になまぬるい
法律
であって、万全の効果をとうていこれは期し得られないということをよく承知しております。しかし
首都圏
の問題は、ただいまも御
発言
がありましたように、いろいろな既得権あるいはいろいろな建前からの主張等ががんじがらめになっておりまして、なかなか困難であります。この
法律
を出すについても、
法律案
をまとめるにつきましても、
関係
各省との間に激論をやってきておるわけであります。私自身閣議で相当
関係
大臣
と何を言っているかというような調子で議論をして、ようやくここまでまとめてきたような実情でございます。それで、しからばこれをやめるかといいますと、これはやむべきではない、これはやっぱり一歩の前進であるので、だんだんこれを積み重ねていかなければならぬということで、少しでも前進をしていきたいと
考え
て、この法案を出しているようなわけであります。先ほど
秋山
委員
からもお尋ねがありましたけれども、私全く同感であります。今のような及び腰の態度でやって参りますと、これは
首都圏
問題というものは非常に解決しない、大いに勇気を出して前進をしなければならぬときがきているのじゃないか、その前程として一歩の前進をしていこうというのがこの
法律案
でございます。公聴会における各
委員
の
意見
も私はよく承知しております。これらの
意見
は一々ごもっともな
意見
でございまして、今後これは十分に留意し、たとえば
衛星都市
育成を早くやらなければならぬというような問題は全く同感でありますし、われわれもその
考え
でありますので、これらの
意見
をそれぞれ生かして、そうして今後抜本的な方策を進める基礎にして参りたい、こう
考え
ております。それには私は世論的な大きなバツクも必要であろうと思いますので、もう少し私の方でもこの
法律案
を通したあとで、PRを大いにやって、このままにしておいたならば、
首都圏
はもう
人口
が過度に
集中
いたしまして、むしろ弊害の面ばかり出てくるような好ましからざる
都市
ができ上ってしまうことをよく周知徹底をして参りまして、そうして
首都圏
のあるべき姿というものはこういうものであるということで、内閣としてもその決意をして強く進まなければならぬのじゃないかと思っております。しかし一挙にそれもできませんので、御指摘のように、はなはだなまぬるいことではありますけれども、あまりに目立つ、たとえば
学校
とかあるいは大きな
工場
なんかの
制限
から着手をしていこう、こういう
考え
でおりますことをよろしく御承知置き願いたいと思います。
田中一
32
○
田中一
君 問題は
首都圏
の問題じゃないのです。私は個人的にいうなら
首都圏
なんという計画は反対です。国の経済がある一つの計画性を持ったものにならなければ、
都市
というものの変貌というものは、常に自由経済のしわ寄せといいますか、結論といいますかというもので変ってくるわけです、なんでもございません、こんなものは。
東京
都を縮めようとするならば、まず役所を全部どっかへ移せば相当な激減があり得るのです。であるから
首都圏
をどうするとかいうことは問題じゃなくて、日本の経済というものが計画経済に移るか、あるいは現在のままの自由経済で進んでいくかということなんです。もうかればどんな
産業
でも起きるんです。損をすれば潤えていくんです。従って、根本的な国の政策というものがほんとうに確立すれば、
首都圏
の
区域
の問題、
地域
の問題でなくして、どうにでもなると思うんです。従って
産業
の計画性というものが確立しなければ何にもならぬのだということは、私はいつも言っていることなんです。もし、しいて言うならば、社会増が二十数万なんといっておりますけれども、もっと
周辺
に
産業
を起して、それらの失業者というものを
吸収
するような新
工場
こそ必要だと思うんです。社会増というものは浮浪者なんです。政治の貧困から生まれるものなんです。求めて地方の次男、三男が流れてくるんじゃないんです、
都市
では、かっぱらいしたって食えるんです、ごみ箱をあさっても食えるんです。こういう貧困な政治がもたらすところの結論が社会増ということになって現われてくるのです。
学校
や
工場
の問題じゃなくて、これは政治の問題だと私はそう
考え
ておるんです。で、そういう点について、根本的に政策の違っておる現在の
政府
の政策と、われわれとは平行線でございますから、これ以上は
質疑
はいたしませんけれども、こうした
法律
を作るよりも、よい政治をすることが一番大事であるということを申し上げておきます。これで私は
質疑
をやめます。
秋山長造
33
○
秋山長造
君
大臣
へあらためてお伺いします。先ほど
事務
局長にいろいろ御心への
人口集中
に対する
対策
の問題について質問してきたんですが、結局、私の受けた印象としては、机の上ではいろいろ
考え
られておられるようですけれども、事実はこれは皆さんの意向とは全く逆に、ますます都心に
人口
を引きつけ、殺到させ、
集中
させるように進んでおるということは、これは事実なんです。従ってこれに対して抜本的な手をお打ちになる必要があるということも、結論として当然出てくると思うんですが、それに対して一体、
大臣
は何とかしなきゃならぬというようなことでなしに、具体的にどうされるというおつもりであるのか。特にその一つの例として、問題のあの有楽町の所の
高速道路
ですね、
道路
というよりもこれは商店街ですが、これをどうするかという問題ですが、
政務次官
の御答弁によると、これははなはだ遺憾に
考え
ておる、いいとは思っておらぬというお答えなんですが、
大臣
が最高責任者だと思うんですが、あれをどうなさるおつもりですか、端的に一つお答え願いたいと思います。
遠藤三郎
34
○国務
大臣
(遠藤三郎君)
首都
への
人口
の
集中
の問題については、ただいま提案しておりますこの法案では、とうていその抜本的な解決はできないということは私も承知しております。しかしこの問題は相当決意をして思い切った
対策
を講ずる必要があると思っております。根本的にいろんな問題を
考え
ていかなければならぬ段階に来ておる、こう思うわけであります。特にあそこの新橋あたりの高架道の下部を商店に使っておる問題については、私も非常にあれは遺憾に思います。ただ、もう何年前ですか詳しい数字や年月は私忘れましたですが、非常に古い問題になっておりまして、あれを
東京
都で河川の埋め立ての
許可
をいたしまして、そうしてあそこに
道路
を作って、そうしてその下は商店に使わせるなり駐車場にするなり、そこは自由な形になっておったらしいのです。しかしこの問題は現在におきましては、まだ、一番ねらっておった
道路
が
道路
の役をなしておらないような状況であります。当初の
目的
は
道路
を作るということであったのですけれども、
道路
よりもむしろ先に辰ができてしまって、そっちの方が繁昌しておるというようなことで、
道路
はなかなか進んでおらないようなことであります。これは
建設
省としても非常に責任を感ずる問題であります。すみやかに当初の計画
通り
道路
を完成をさせるということを督励しなければならぬと思いまして、昨年の秋ごろから私は
東京
都の当局に反省を促し、すみやかに
道路
の
目的
を達するように、役に立つような
道路
にするようにということを急ぐことを命じておったのであります。あそこのちょうど数寄屋橋の手前の朝日新聞の前の所のガードは、最近できたようでありますけれども、あれはできてもまだ
道路
として役に立たない、今、駐車場のようなことに使っておるようであります。すみやかに
道路
を
道路
として役に立つようなものにさせることを一つ急がせたいと思います。そうしてその
道路
の下の使い方については、すでにその権利
関係
ががんじがらめにきまっておるらしいのですけれども、公正にあれを使用させるなら使用させるということで、ガラス張りで何人も納得ができるような
方法
をもって処理する、こういうことに指導をしていきたいと思っております。
秋山長造
35
○
秋山長造
君
大臣
もきわめて遺憾だという
意見
を表明されたのですから、やはり権限を持たれた当局としては、これを何とか目に見えた手を打たれるという責任があると思うのです。で今、
大臣
がおっしゃる
通り
、あのいきさつを調べてみますと、さっきの
政務次官
の言葉の
通り
、法の盲点をついたというかきわめて巧妙な手口で、もう初めから計画的にやっているんですね。
道路
ということはただうわべの看板であって、やはり今のような形を初めから計画的にやっておる。しかも
東京
都もまたそれを知りながら計画的にこれと共謀してやっておる、共謀という言葉はちょっと語弊がありますけれども、
東京
都もそれを知りながらやつているということは、これはもう否定できぬと思うのです。で、そういうきわめて悪らつな計画的な脱法
行為
をやって、しかも、その会社の重役なんかというのを調べてみると、会長は原邦造、重役は後藤隆之助、大倉喜七郎、石坂泰三、藤山愛一郎というような財界のお歴々がずらっと名前を連ねている、これは実にけしからぬと思うのですよ。これは
東京
都民をばかにしている、実際なめていると思うのです。それをこの
東京
のどまん中で堂々と大手を振ってやらしておいて、それで
学校
を
制限
するとか
工場
がどうとかいうような、そんなちゃちなことでは、それはとても
人口集中
だとか雑踏の緩和とかというようなことには、これは薬にしたくもならないようなことだと思うのです。これは都民はみんな言っておりますけれども、さらにこういう
法律
を出すんだというような詳しいことを聞いたら、何をとぼけたことをやっているんだ、あれはどうするんだ、こう言うと思う。だからあの
高速道路
の問題は、私はあらためてもう一日でも二日でも費して徹底的に究明しなければいかぬと思う。そして
建設
大臣
におかれても、一つ、今おっしゃった言葉の
通り
、これは何とか目に見える
対策
を早急に講じていただきたいと思うのです。ああいうことは実際あれを野放しで放っておいて、しかもあれで全くぼろもうけをしているのですから、ぬれ手でアワをつかむよりもっとひどい、白昼公然と
東京
のどまん中で、しかも
東京
都と結託してやらしているというようなことは、それは
政府
も結託しているといわれても私は反駁できぬと思うのですよ。少くも
首都圏
整備というような大きな建前でやっておられる
政府
としてはね。ぜひこれははっきりしていただきたい、特にお願いしておきます。
重盛壽治
36
○重盛
壽治
君 今の
高速道路
の問題は別の機会にもっと基本的にお尋ねしたいし、要求したいと思うこともありますから、これは留保しておきます。ただ一言言っておきますが、今
秋山
委員
の言われるように、あの
高速道路
の下に商店ができるようにあなたは答弁しておるが、そうではなかった。やっぱり
高速道路
は自動車を走らせる
道路
を作って交通の緩和をすることが第一、従ってその下は何になるか、倉庫とかガレージにするということが基本的になっていたはずで、それがもし
建設
省あたりの監督で、あなたの
考え
も下は商店にするのだという
考え
を持っているとすると、やはり交通緩和の点からも、あるいは都心地を整備する、という
考え方
から相当計画が違ってくると思うのです。私は至急に御研究を願っておきたい。別の機会に端本的な御質問を申し上げますが、この今上程されておる
本法
案の
既成市街地
の
人口
を抑制しようというこの案と、
首都圏
が出しておるこの案と、
建設
省との関連性ですね、これをちょっと一つ
大臣
に聞いておきたいと思う。
建設
省はどういうこれに対する
関係
があるのかないのか。
遠藤三郎
37
○国務
大臣
(遠藤三郎君) この案については
建設
省と密接な連絡をとりまして、
建設
省としては
首都圏
委員
会がやっております
事業
を、一体になって推進をするという態度でやっておるのであります。
重盛壽治
38
○重盛
壽治
君 推進しようという
考え方
はあるが、具体的にどういう面で協力するかという点と、責任の点がないわけですね。たとえば
知事
が
知事
の権限の条項内で
許可
をしようとするときに、その上の機関ということになると、文部省と通産省というようなことになってくるが、
建設
省の監督権とかいうものはどういうふうにあるのか、その点を一つ。
樺山俊夫
39
○
政府委員
(
樺山俊夫
君)
知事
の
許可
をいたします場合につきましては、それの国の監督機関といたしましては
内閣総理大臣
が当っております。
重盛壽治
40
○重盛
壽治
君 言葉じりをとらえるわけではないが、さっき
建設
次官がきて、次官に聞いたらその方は私は
関係
がないからと、こういう
程度
の、私は非常に
関係
の深い
建設
省が、その方の
法律
は何か
首都圏
審議会とかいう方でやっているので、私の方とは
関係
のないことなんだから、こういうもし感覚であるとするならば、こんな
法律
を作っても、やはりむしろ、この
法律
は一応
首都圏整備委員会
が作っても、
建設
省も運輸省も、通産省も、さっき
内閣総理大臣
がやるといったが、ほんとうに
内閣総理大臣
がみずからやる気魂を持たなければ、こんな仕事はできません。総合的にやる仕事でなければ、
首都圏
審議会というものが、せっかく
法律
にできたのだから、あれに何かやらしておかなければなるまい、そんなことでこんなものを作るならやらない方がいい。別の角度でほんとうに総合施策を
内閣総理大臣
が
考え
て、従ってこれに私はもう少し
首都圏
審議会というものが、言いかえるならば遠藤
建設
大臣
が、もっと力をもってこれをやろうという決意がなければ、紙に書いた
法律
を作っても何の裏付けもないものを作っているにすぎない、審議をするというにはむだじゃないか。局長は数歩前進したというが、そんなものは半歩前進しているかどうか、なきにまさるというそういう
程度
です。私はそういうふうに
考え
ます。この点の
考え方
をやはり
建設
大臣
あたりが踏み切って、
東京
都、
首都圏
というより、ほんとうに政治の
中心
である
東京
都を、都
知事
の権限というより国の権限で、もっと作り上げるということでなければ、あの雑踏の姿というものは少くとも国際的な
都市
とはいわれません。国際的に最も雑踏した、最もきたない
都市
であるということはいわれますけれども、りっぱな
東京
都だということはいえない姿だと思う。そういうことはどこからきておるのかというと、やっぱり私は一緒になっておやりになっているとまでは言いませんけれども、
政府
が
東京
都を、ほんとうに政治の
中心
地の
首都
を作っているという熱意に欠けている。ああいう雑踏の姿、ああいう高架
道路
を作らして、自動車の走らぬものを作って、こんどは
東京
都が何か仕事をしよう、どんどん地下鉄を推進しようとすると、その場所を出すどころではない、交付金を出すどころではない、起債のワクさえ希望
通り
にならぬというような、こういう
状態
では、なかなか
首都圏
の審議も、
東京
都の
建設
もできないと思う。ここらをもう少し
建設
大臣
あたりが率先してほんとうに
内閣総理大臣
が持つなら、その力をフルに使ってやっていくように、私は進めてもらいたいと思う。
遠藤三郎
41
○国務
大臣
(遠藤三郎君) ただいまのお尋ねの点はごもっともでございます。私はそういうつもりで実はやっておったのでございます。
首都圏整備委員会
と
建設
省というものは私は一体に思っておりました。今回の
首都
高速道路
の計画の
内容
も、
首都圏
の計画を基礎にしまして、それをすぐ
建設
省では受けて、
首都圏
の
道路
整備計画を進めておるというふうに、すべて一体にやっておるつもりであります。ここにいらっしゃる
政務次官
も、
首都圏
整備の次官ではないのでありますけれども、
建設政務次官
も
首都圏
の仕事を一緒にやっている、そういう
考え
でおりますから、一つ御了承いただきたいと思います。しかも総理
大臣
という言葉が出ておりましたけれども、あれは総理
大臣
でなくて、私は
建設
大臣
というふうに読みかえていかなければならぬ問題だぐらいに思っております。
首都圏
整備の問題は各省にも
関係
はありますけれども、やっぱり一番
関係
の深いのは
建設
省でありますから、そういう
意味
で、
建設
大臣
が当然に
首都圏
の
委員長
を兼ねるという、そういう建前にもなっているわけであります。 御指摘の点は、なお私どもも一そうはっきりそれを
考え
て、大いに熱を入れてやっていきたいと思っております。
重盛壽治
42
○重盛
壽治
君 そうすると、今のような問題は別におそらく
高速道路
法というものが出ようし、いろいろなものが出ると思いますが、そういうものの審議の過程を通じて、
建設
大臣
の
意見
を聞く、従って私は時間がありませんから、この法案の細部にわたってのことは申し上げませんが、四、五カ所聞いておきたいと思うことは、先ほどから言うように、まあないよりましだ、数歩前進じゃない、数歩というのはずいぶん価値のあることでありますから、半歩前進だという
程度
のもので、もっと露骨に言えば、今うろたえて作らぬでもいいのではないか。しかしせっかく
首都圏
ができたから、その
首都圏
の仕事として作らなければいかぬということなら、半歩前進だという
意味
で私はお聞きするのですが、あの法案を作って、
人口
の抑制の効果は、今までの僕の知っている
範囲
においては二万数千人だ、このように聞いておりますが、そのうち
学生
は千人弱だということを聞いていますが、その点を一つお聞きしたい。
水野忠
43
○
政府委員
(
水野
忠君) この
法律
に基く
制限
効果の問題でございますが、今御指摘がございましたように二万四千人ないし二万五千人、その
程度
に一応直接効果といたしましては
考え
ておるわけでございますが、ただ、この
法律
を手がかりといたしまして、できるだけ
工場
の新
増設
は行政指導により押えまして、
市街地
開発
区域
、いわゆる
工業
衛星都市
の方に立地していただくように勧奨していきたいと思っております。そういうことを
考え
ますと、今申しました数字よりも相当効果が出てくるのではないかというふうに
考え
ておるわけであります。 それから二万四千人ないし五千人の
制限
効果の中で、
学校
関係
でございますが、
学校
関係
は過去五カ年間の数字をもとにいたしまして計算をいたしますと、約千人
程度
の効果でございますが、ただ御承知のように、
学校
につきましては大
規模
な
大学
が一校
新設
されるというようなことになりますと、それによりましてまた相当な
人口
増が出て参りますので、ただ機械的に過去五カ年間の平均をとって計算いたしますと千人
程度
にすぎないのでございますが、この
法律
を制定しないで、大きな
大学
が一校でも
新設
されるというようなことになりますと、相当な
人口
増が出て参りますので、そういうことが防止されると
考え
ますので、一応数字は少いのでございますが、これは
統計
的な数字によった結果でございまして、相当なやはり効果があるというふうに
考え
ておる次第でございます。
重盛壽治
44
○重盛
壽治
君
首都圏
の土地内での
人口
抑制の
措置
としては、私は一応うなずかれるが、実際の
人口
抑制ということになりますと浮浪児をなくす、失業者をなくすということの方がどれほど
人口
が抑制されるかわからぬと思いますが、これこそ若干管轄外だという答弁になると思いますが、ただ御承知のように
東京
都は最近では二十数万人ずつ一年にふえていきますね、その一割にも足らない
法律
を作り、しかもかなり無理なことをやっていって、その効果がどういう
関係
になるかということが一つと、さらに
学生
が大体千人くらいとするならば、いっそ
学校
なんかはこの際除外した方がいいのではないか。これはまあ今あなたの言われたこともうなずかれるが、千人くらいなことでいろいろな手続をし、いろいろな複雑な問題を起しながらやることの方がいいのか悪いのかということが一つと。それからもう一つ、
学校
については、
学校
の
許可
の
申請
は、この第七条で建築前にすることになっている。建築前に
許可
をすることになる。今度文部省べ行って
許可
申請
をするのは、
建築物
が完成されたとき、あるいは完成に近いときにやるというようなことになっているのですね。そういうような
事務
的な問題のギャップはどこで調整していくのですか、一応お聞きしておきたい。
水野忠
45
○
政府委員
(
水野
忠君) ただいまの御質問でございますが、第一の
制限
効果に関連しての問題といたしましては、確かに二万四、五千人というような
制限
効果でございますので、二十数万人という、これは——大
部分
社会増でございますが、その数字と
人口増加
と比較いたしますと、その割合は低いのでございますが、先ほども申し上げました
通り
に、この
法律
を手がかりとして、
工業
衛星都市
へ立地していただくようにいろいろ指導勧奨する、こういう私は大きな効果があるのではないかというふうに
考え
ておりまして、この
法律
をやはり手がかりにしてそういう行政指導ができる、そこに大きな意義を
考え
ておるのでございます。 それから
大学
関係
も今御指摘がございましたように、また先ほども御答弁申し上げました
通り
に千人
程度
でございますが、これも過去五カ年間を平均いたしますのでこういう数字になるわけでございまして、一つの大きな
大学
が
新設
されるというようなことになりますと、
学生
数の当然の増加のみならず、これに伴いまして第三次
産業
が相当ふえて参りますので、これはもうばかにできない
人口
増になるのでございます。そういうものをやはりこの
法律
によりまして防止できる、こういうことでございますので、私は相当のやはり
制限
効果というものはあるというように
考え
ておる次第でございます。 それからもう一つの御質問でございまするが、
学校
関係
の
許可
の手続の
関係
でございますが、私どもの方では、
人口
増の抑制という見地から、学部、学科の
増設
なり
学校
の
新設
そのものが、果して必要やむを得ないかどうか、ということをよく審査をいたしまして、必要やむを得ない場合には
許可
をすると、こういうような観点でございますので、まず私どもの方へ、というと誤解がございましょうが、この
工業等
の
制限
に関する
法律
に基きましてまず
許可
申請書
を出していただく。そうして
許可
申請書
を出していただきますと、これを
許可
にするか不
許可
にするか、そういう場合におきましては、文部
大臣
の事前の
承認
を得るというようにこの
法律
はなっておりまして、その間の
学校教育法
との
関係
の調整、教育行政との調整というような点は、そういう文部
大臣
の
承認
というところで、はかっていきたい。そうして手続といたしましては、私どもの方へ
許可
申請
をまず出していただいて、それによってたとえばやむを得ないものとして
許可
される、こういうことになりました場合に今度は
学校教育法
に基きまして手続をしていただく。ところが先ほど申しましたように、文部
大臣
の事前
承認
というようなことをこの
法律
で
考え
ておりまするので、その間の調整は十分つくというふうに
考え
ておる次第でございます。
重盛壽治
46
○重盛
壽治
君 この八条の土地の裁量の
範囲
が非常に広範になっておるのですね。まあ全部がそうですが、特に一番の「
新設
が、
工業等制限区域
内における
人口
の
増大
をもたらすこととならないと認められるとき。」とこういうことは一体どういうことを当てはめるのか、それが一つ。これだけ都
知事
に権限を与えてしかも「
人口
の
増大
をもたらすこととならないと認められるとき。」と、これはどういう理屈でもつけられるのですね。そうすると、さきに希望している二万数千人が
人口
の抑圧にはならないということになって、実際には骨抜き
法律
となって、もっと露骨に言えば利権の温床というような
法律
にもなりかねない危険性があるようにも
考え
られる。御承知のように
東京
都にも都会議員なんというものがあるし、あるいはその他こういう仕事をする向きにはかなり資本家の手も動く。先ほど
秋山
さんの言われたように、
高速道路
の幹部の顔ぶれを見てもわかるが、そういう人たちの圧力によって、せっかくの
人口
抑制の効果がますますあがらないという逆な姿が出てくるのではないかと思いますが、その点のことは御研究なさったことはないのか、一応お聞きします。
水野忠
47
○
政府委員
(
水野
忠君) 第八条の第一号の
関係
でございますが、この「
人口
の
増大
をもたらすごととならない」とこういう場合はたとえば
工場
を作る、
学校
を作る、これはもう
人口増大
になるわけでございますから、これは当然その「
人口
の
増大
をもたらすこととならない」という場合ではないのでございます。ここで
考え
ておりますのは、
東京
都の
区域
内にあります
既存
の
工場
が古くなりまして、その
工場
をこわして同じ
程度
の
規模
の
工場
を別の場所に作る、そうすると元のままの就業者でございますからこれは
人口増大
にならない。やはりこの
法律
の第一条にございますように
人口
の
増大
を防止すると、これがこの
法律
の基本的な
考え方
でございまするので、そういう例は今申し上げましたようにきわめて少いと思いますけれども、そういうような場合にはやはり
許可
するのが至当である、そういう
考え方
でこの一号を挿入したのでございまして、これはもうきわめて例は少い。ただ第一条の
目的
にもございますので、その第一条の
目的
から
考え
まして、
許可
するのが至当だというような場合もあり得ますので、第一号を入れたのであります。
重盛壽治
48
○重盛
壽治
君 私はね、第一条のことは
水野
さんと逆に
考え
ておるのですね。たとえば
工場
を大きくしてそうして機械化していき、今まで百人使ったものが三十人でやれる、
工場
が大きくなるけれども、あなた方の趣旨は、人間は、
人口
は逆に抑圧するのだから一つ建てさしてくれ、よろしゅうございます、建てる、しかし建ててしまってから、そういう予定ではあったのだが、やはりこの機械ではうまくいかない、そういう喪をどんどんいけば、幾らでも裏街道があるということを私は言っている。裏街道を突かれる危険性がある。あとに
罰則
もあるが、その
罰則
も一年未満の懲役、十万円以下の罰金というようなことが書いてある。これは私は
罰則
なんかを作れということじゃありませんが、仕事をしようとするなら十万円ぐらいの罰金を納めたって、どんどん仕事を
増大
していけばわずかの間に収益が出てくる。こういうことを
考え
ると、この
法律
はあらゆるところが抜け穴だらけで、完備した
法律
でないということを感ずるのです。だから
施行
に当っては、よほどこの
法律
を上手に使うということを
考え
なければ、先ほど言うように、利権の温床になってみたり、
法律
を作ってみたが何ら
意味
がないということになっては私はならぬと思う。これは私は言いかえれば、結局基本的な問題に関連するけれども、
首都圏
側がこれまでに
法律案
に、
委員長
の言うことを聞くと大へんお骨折になったようですから、大へん御苦労であったけれども、それでもなおかつ
首都
閥が弱腰で、かなり痛めつけられて仕方なく作り上げたという感じの法案のように私は
考え
るので、一歩前進か半歩前進か知らぬが、そういう点からもう少し研究しなければならぬじゃないかと、こう
考え
るのですが、この点どこかから特に圧力が加わったということはないのですか。
遠藤三郎
49
○国務
大臣
(遠藤三郎君) ただいまのお尋ねでありますが、その一つの点は
東京
都にいろいろな市会議員や都会議員やなんかありまして、政治的になかなか筋の通った解決ができなくなるのではないかという問題でありますが、この問題については厳重に監督をして参る
考え
でおります。さらにまた建築の場合に、先に建ててしまって、もうしょうがないじゃないかというようなことが、一つの心配でありますけれども、この問題は今の
建築基準法
の一つの穴であったのであります。現在
東京都内
で
建築基準法
違反
の建物をどんどん作ってしまって、そうしてもうできてしまったからいいんじゃないかということで、すわり込んでしまうという事例がたくさんありますので、実は今回、ただいま提案をしておりますが、
建築基準法
の
改正
をしまして
違反
建築を直ちに撤去させる、そういう
法律
の
改正
を今提案をしております。そういう面からも既成事実を作ってすわり込んでしまったといったような、何人が見ても非常に不合理なことをそのまま見逃していくようなことをしないようにして、
基準
法の上においても厳格にその
法律
が励行できるような
改正
案を今用意して、御審議を願おうとしておるわけであります。そういうことをいろいろ総合的に勘案をいたしまして、そしてこの
法律
の趣旨を達成することができるように努めて参りたいと思います。
重盛壽治
50
○重盛
壽治
君 私は、この
既成市街地
の
人口
を抑圧しようということは、先ほどから各
委員
が言われるように抜本的、総合的態勢を作り上げていかなければならぬし、それとの関連性において
市街地
開発がどれくらい進んでいるかというようなこと、せっかく
市街地
にきめればそこの市長が
中心
になって汚職をやっておるような姿等も現われておるようだから、これとの関連においていろいろお聞きしたい。また私どもの方針も述べたいと思いますが、皆さんお忙しい向きもあるようでありますからこれは別に留保いたしておきます。 ただ最後に聞きたいことは、この
制限施設
、
衛星都市
に誘致するのにどういうような助成案を
考え
ておるか、これはやはり聞いておかなければいかぬと思う。
工場
は作ってはならぬという
法律
はできた、さてそこでこっちに誘致するという場合に何か助成
方法
を
考え
ておるのか、それを一つ。
水野忠
51
○
政府委員
(
水野
忠君) ごもっともな御
意見
でございまして、私ども
工業
衛星都市
の育成助長を強力にはかつていく、こういうことをぜひこの
法律
と並行いたしまして実施をいたさなければならないのでございます。そこでこの
工業
衛星都市
の育成助長
対策
といたしまして、まず第一に
考え
ておりますのは、
首都圏
内の重要連絡幹線
道路
網を根本的に整備していこう。そこで昭和三十二年度を初年度といたしておりますが、約六百億円の総
事業
費をもちましてこの重要連絡幹線
道路
網を整備していこう。そういたしますと、
工業
衛星都市
と
東京
との連絡が非常に便利になる、そういうことによりまして
工場
も誘致しやすくなる。こういうことを第一に
考え
ておるのでございまして、三十二年度、三十三年度、三十四年度はただいま御審議をいただいておりますが、この重要連絡幹線
道路
網の整備も着々軌道に乗りつつある状況でございます。 それから第二の
対策
といたしましては、
工業
衛星都市
の
建設
でございますので、相当大
規模
な
工業
団地
を取得造成をいたしまして、できるだけ低廉な価格でこれを
工場
経営者に分譲する、譲渡をする、こういうようなことは心要なことでございまして、これにはやはり何といいましても公的な機関が、そういう
工場
団地
の中核となる土地につきましては、みずから取得造成していこう、こういうことで日本住宅公団に三十二年度からこのような
工場
用地の取得造成
事業
を実施せしめておるのでございます。それで八王子等の
市街地
開発地におきまして、目下この
工場
用地の取得買収
事業
を着々進めておるというような状況でございます。 それから第三といたしましては、この
工業
衛星都市
内の、これは広い
意味
の
工業
立地条件でございますが、この
工業
立地条件を整備する。これには何といいましても、まず第一にその
市街地
開発
区域
内の
道路
、街路を整備する、それから
工業
排水路を整備する、
工業
用水道を
建設
する、こういうような予算を確保して
事業
の強力な推進をはかる、こういうこともおかげをもちまして着々進んでおる状況でございます。それから三十四年度からは新規な
事業
といたしまして、
工業
立地条件の整備のための公共
事業
が非常に進捗がアンバランスである、こういう場合におきましてはそのアンバランスを調整するという調整費が計上されておるのでございます。そういうことによりまして総合的にこの
工業
立地条件の整備が計画的に進められていく、こういうことを期しておるわけでございます。まあそのほか
工業
立地条件の整備の問題がいろいろございます。鉄道
事業
の整備の問題とかいろいろございますが、そういう点につきましても一歩一歩層実に整備を進めておるというような段階でございます。
早川愼一
52
○
委員長
(
早川愼一君
) 他に御
発言
ございませんか。——他に御
発言
もございませんようでありますから、
質疑
は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
早川愼一
53
○
委員長
(
早川愼一君
) 異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御
意見
のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
重盛壽治
54
○重盛
壽治
君 私は社会党を代表して一言申し上げますが、基本的には賛成をいたします。けれども先ほど来論議の中に言われましたように、極端なことを言いますと、あまりにも粗雑な法案であるという
考え方
を認めざるを得ないのであります。そこでこれの実施に当り、さらに
首都圏整備委員会
の仕事としておやりになるということだけでなくて、ほんとうにこれを実行するためには、
首都圏整備委員会
自体が、かなりな力といいましょうか、その力を持っていかなければならぬ。もう少し言いますならば、抜本的な方針としてやる場合には、
首都圏
事務
局の今のらち内ではこういう仕事は困難ではなかろうかと
考え
る。国の仕事として総合施策として抜本的な方針をさらに作っていく、いわゆる
首都圏
を整備するほんとうの仕事の、初歩的な仕事の一つとしてやっていき、これをさらに上回る
人口
の問題にいたしましても、すべての解決をつけ得るようなものを
首都圏
として
考え
ていってもらいたいという希望を一つ付言をいたしまして賛成をいたします。
早川愼一
55
○
委員長
(
早川愼一君
) 他に御
意見
もないようでございますから、討議は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
早川愼一
56
○
委員長
(
早川愼一君
) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。
首都圏
の
既成市街地
における
工業等
の
制限
」関する
法律案
を問題に供します。本案を原案
通り
可決することに賛成の方は挙手を願います。 [賛成者挙手〕
早川愼一
57
○
委員長
(
早川愼一君
) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案
通り
可決すべきものと決定いたしました。 なお本院規則第七十二条によりまして議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
早川愼一
58
○
委員長
(
早川愼一君
) 御異議ないと認めます。 よってさように決定いたしました。
早川愼一
59
○
委員長
(
早川愼一君
) この際
参考人
に関する件についてお諮りをいたします。
建築基準法
の一部を
改正
する
法律案
について
参考人
の出席を求めて、その
意見
を聴取したいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
早川愼一
60
○
委員長
(
早川愼一君
) 御異議ないと認めます。 なお
参考人
の人選並びに日時等につきましては、
委員長
及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
早川愼一
61
○
委員長
(
早川愼一君
) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。 本日はこの
程度
で散会いたします。 午後零時四十四分散会