○
説明員(
中平榮利君)
北海道開発庁の
中平総務監理官でございます。
ただいまお
手元にお配りいたしました「
昭和三十四
年度北海道開発に関する
予算内示額調」という二枚続きの書類がございますので、それをごらん願いたいと存じますが、まず、この御
説明に入ります前に、私
どもの
大蔵省に対します
予算要求の態度と申しますか、
方針について、ごく簡単にお話申し上げたいと存じますが、昨年の暮に、
北海道につきましては、第二次五カ年
計画というものを作りまして、閣議決定いたしまして、それに
公共事業関係並びに文教、通信、交通に至るまで、大体
北海道開発に
関係があると思われる
事項を包含させまして、五カ年間の
計画を作りまして、一応の
仕事の
目標といたしたわけでございますが、それによりますと、
北海道におきます
公共事業費関係の
国費の
総額を、これははっきり
金額を閣議できめたわけではございませんが、一応の私
どもの心づもりといたしまして、千九百億ないし二千百億
程度というふうに、幅のある
数字を一応
目標といたしまして想定いたしました。これを
もとにいたしまして、今後の
予算要求の基礎といたしたいというわけで、三十四
年度の
要求におきましても、その
金額を
もとにいたしまして、大体
予算上は、今までの
実績等から見まして、年率一九%
程度の
伸びを見込みまして組んでみたわけでございます。そのような操作をいたしまして、なお
昭和三十四
年度の
特殊事情というものを加味いたしまして作りましたのが、今回の
予算要求の
数字でございます。
その
要求額は、お
手元に配付いたしました表の第一ページの左から
三つ目の欄にございます四百九十五億という
数字が
事業費関係の
要求の
数字でございます。なおそのほかに
庁費関係その外がございますので、
事業要求の
総額といたしましては、第二ページの一番下から
二つ目にございます
合計の欄の五百三十一億というのが今回
要求いたしました
数字でございます。昨
年度の
予算は、その左の欄におきまして、
総額におきましては二百六十三億、
事業費といたしましては第一ページの一番初めにございます二百四十九億というのが、
昭和三十三
年度の
予算の
数字でございました。そういったわけで、私
どもの
要求いたしましたこの
数字は、第二次
北海道五カ年
計画の
完成のために必要であると考えまして
要求いたしたのでございますが、それに対します
大蔵省の
内示翻案は、一番上の欄で、第一ページの左から四行目の三百億六千万円という内水を受けたわけでございます。これは本
年度予算に対しましては一二〇%で、
予算の
伸率といたしましては希望する
数字に近いのでございますが、
道路のように非常に
伸びたものもありまして、一方かえって本
年度予算より減っておるものもあるというような次第で、
内容にわたりましてはいろいろ問題がございますので、ただいま細部にわたりまして
事務当局で検討しているというような
段階でございまして、こまかいことにつきまして御
説明もできない点もございますので、非常に恐縮でございますが、ごく簡単に各
項目にわたりまして御
説明いたしたいと思います。
この表を見ていただきます際、前にも申し上げました
通り、一番左が各
項目でございまして、その次が三十三
年度の
予算額、その次が三十四
年度の
要求額、
三つ目の欄が
内示額でございまして、間をあけておりますのは、第二次、第三次の
内示がありましたときに、参考のために記入したいというのであけてあります。その次の欄が前
年度との
比較増減、△のありますものが減額の
数字でございます。その次が前年対比、
要求に対する比率を出しておるわけであります。この
数字のほかに上にカッコしたものがございますが、これは
臨就特失の
金額を
外書きいたしまして、これは
予算といたしましては
北海道開発庁の
予算には計上されませんで、労働省の
予算に計上されるわけでございますが、実際の
内容は
開発事業でございまして、
仕事も
北海道開発関係でございますから、
北海道におきまする
公共事業の
伸びといったようなものを見る際には、やはり
臨就特失を加えた
金額で考える必要がございますが、
外書きをいたしました順に
内容についてごく簡単に申し上げますが、
開発事業費のうち、いわゆる
公共事業といわれますものと、
食糧増産といわれますものとその他というふうに分けてございますが、まず
公共事業の方には
河川、
海岸保全、
河川総合、砂防、漁港、その他を加えまして、その中でもごらん下さればわかりますように、
河川の方は六千六百万円の
増額となっておりますが、その次の
海岸保全、これも三千百万円の増となっておりますが、その次の
河川総合の方で二千万円の減という
数字が出ております。ちょっとこれだけを見ますと奇異のようにお考えになると思いますが、実は
昭和三十三
年度の
河川総合の
予算の六千万円というものと、このたびの
要求額は全然性質が違うものでありまして、
河川総合の本
年度予算の六千万円は、
桂沢ダムができますときの、この
ダムの底に沈む家屋の
補償金の
金額を六千万円しておったのでありますけれ
ども、それの三十三
年度分の支払分があるわけであります。この六千万円の
仕事は昨年限りで終っておるわけであります。その次に
要求額の九千五百万円と書いてありますのは、これは金山
ダムを来
年度着工まで持っていきたいという意味で九千五百万円
要求したのでございますが、実際は別個の性質でございますが、それを四千万円だけ
予算を初
年度として認めてもらっているということで、形式上は六千万円と四千万円ということでありますが、
内容は全然違うものでありまして、四千万円は
新規と考えていただいていいものであります。
あとそれぞれふえたり減ったりしておりますが、非常に
金額も小そうございますし、一々御
説明申し上げませんが、少し飛びまして第八番目の漁港というのがございますが、これは年々問題になるものでございまして、総花式に
予算をばらまくために、なかなか
完成港が出なくて利用できないというような非難を非常に受けているものでございますが、そういった非難を受けないようにできるだけ早く漁港として利用できるような形に持っていきたいということで、来
年度は七港
完成したいということで、相当大きな
金額、二十二億三千万円を
要求いたしましたが、それに対しまして査定いただきましたのが十一億八千万で、昨
年度よりは一億三千九百万円ふえておりますけれ
ども、これでは七港
完成はおぼつかないというふうに思われる次第であります。
その次に港湾を四つに分けて、特定、緊急、苫小牧、港湾と四つに分けてございますが、これは
要求の都合上非常に重要なものを抜き出して計いたわけでございまして、昨
年度ゼロというふうにとれますが、これはちょっと意味が違いますので、昨
年度は十二番目にありますが、やはり一本で
予算がついているわけでございますが、それを今
年度は四つに分けまして、一番上の港湾特定と申しますのは釧路の中央と、その他非常に重要港湾のうちでも特に重要である、できれば
継続費ででも認めてもらいたい、というような特定の
事業を抜き出しまして、
一つの
項目にいたしまして、その分を十九億
要求し、その次の十番目の港湾緊急と申しますのは、室蘭のような
特別会計に入ります、このたび新設を予定されております港湾の
特別会計に入りますものを抜き出して
要求したわけでございます。次に苫小牧港と書いてありますのは、これはやはり
特別会計に入れていただく予定ではございますが、特に苫小牧は問題となるところでございまして、何もない所に新しい港を作るというようなことで、私
どもも非常な意気込みでやっておりますし、また重要港湾、普通の港湾とかといったものとも違った特殊の港湾でございますので、
特別会計のうちから苫小牧だけを抜き出して特別
要求したいということで、妙な格好になりました。残りのものは、港湾とあります十二番目の
項目で
要求してあるわけでございます。これに対しまして査定
内示をいただきましたのは二十億円ということで、昨
年度よりは六億二千五百万円増になっております。
あとは特に御
説明を要しますのは
道路でございますが、これは本
年度予算といたしましては百十億というものはついておりますが、それに対しまして
内示をいただきましたのが百五十二億でございまして、
要求額に対しては八割七分
程度、前
年度予算に対しまして一三八%いただいておるわけでございまして、ここに上っております
金額は、全額
道路整備の
特別会計に
繰り入れになるものでございます。これはちょっと遅刻して参りましてお伺いしなくて恐縮でございましたが、
建設省の方からも御
説明があったことと存じますが、一応原案を基礎にいたしまして、三十四
年度といたしまして内地八一%
北海道一九%の割合で、
大蔵省は査定をしたそうでございまして、その
金額が出ている次第でございます。
その次
食糧増産がございますが、これは
総額にいたしまして昨
年度は六十三億の
予算でございまして、それに対して百四十億を
要求いたしましたが、
内示をいただきましたのが六十四億で七千万円の増となってはおりますが、この中にはそれぞれふえたものも減ったものもございまして、非常に、七千万円
程度の増では私たちの考えておりまする第二次五カ年
計画の遂行はおぼつかないと存じまして、大幅の
増額を今後
要求いたしたいと考えておる次第でございますが、これはこの
委員会とは直接の御
関係はないことが多いと思いますので、この
程度で省略させていただきます。
その次にその他といたしまして、第二ページ目の中ごろでございますが、その他の一の
住宅でございますが、これは
住宅整備三カ年
計画に基きまして、三十四
年度四千百戸を建てたいということで
要求いたしましたが、査定は三千七百五十戸で
金額といたしまして九億八千二ご目方円というものをいただいておるわけでございます。二番目の環境衛生でございますが、これも先ほど
河川総合のところで御
説明いたしましたように、本
年度の
予算とその次の
要求と、
内容が全然違いますので、
金額がふえた減ったという比較をするのは非常におかしいのでありますが、三十三
年度の
予算は苫小牧の終末処理の
完成分といたしまして、一千万円もらいまして、これは本
年度完成いたしますが、三十四
年度といたしましては、もうそれは終りましたので、小樽と旭川をやりたいということで、約二倍の
金額二千百万円
要求いたしまして、それに対しまして
大蔵省は旭川だけをやれということで、一千万円をいただいたわけでございます。次の三番四番は離島のことでございまして、
北海道には利尻、礼文その他離島がだいぶございまして、これに対しまして簡易水道と噴気をやりたい。もちろん離島の方の港湾とか
道路はやっておるのでございますが、
新規といたしまして簡易水道と電気をやらせたいということで
要求いたしましたが、査定といたしまして第一次はゼロという
内示がきたわけでございます。以下付帯事務費、
工事事務費でございますが、このうち
工事事務費の
内示はゼロと出ておりまして、ちょっと奇異の感を抱きますが、これは本
年度二千万円もらいまして来
年度ゼロという意味ではございませんで、今まであげました各
項目に
工事事務費を含んで
内示されておりまして、いずれ計数を整理いたしまして、そのうちから
工事事務費の分をこの欄に移しかえる、こういう仕組みになっております。
その次に開発
計画費というのがございますが、これはいろいろ開発に関する根本となります
調査研究、
計画をするための
経費でございまして、本
年度は五千四百万円でございましたが、
北海道における
開発事業が
調査不十分のため思うように能率を発揮しないという非難をたびたび受けますし、われわれもそれを痛感しておるところでございますので、
事業を行う前提となります
調査研究並びに試験
関係のことを十分やりたいということで二億円、本
年度の四倍近い
予算を
要求いたしましたが、そのうち各
項目にわたりまして若干
増額を認めてもらいまして、五千九百万というものを認めていただいておるわけでございます。
以下
庁費関係で出入りがあるわけでございます。これが大体
北海道開発庁におきます
事業費並びに
庁費関係の
数字ででございますが、あと
関係機関といたしまして、
北海道におきましては
北海道地下資源開発株式会社というものと、
北海道東北開発公庫というものと二つございまして、これについて簡単に申し上げますと、地下資源会社のことはここにあげておきましたが、最後の欄にあげましたものでございますが、簡単に申しますとこの会社は本年八月に設立いたしました会社でございまして、
北海道におけるボーリングをやろうということで作った会社でございまして、現在ボーリング会社もありまして、
北海道でいろいろ地下資源の探鉱をやっておりますけれ
ども、ボーリング会社というものは当れば非常にもうかりますが、当らなければ経営がうまくいかないというようなことで、思い切ったボーリングができないので非常に業界から要望されておりまして、政府機関で
一つボーリングをやってくれないか、石油につきましてはもうすでに石油資源開発株式会社がございまして、大々的に活動しておることは御
承知の
通りでございますが、石油以外のものにつきましても
一つ北海道でやってみようじゃないかというお話が起りまして、政府から二億円
出資いたしまして、民間の方から一億円、資本金三億円で昨年八月設立いたしましてボーリング
事業を始めておる次第でございますが、これが本
年度十一月から最初のボーリングを始めたわけでございまして、ただいまのところまだあまり実績が上っておりませんが、これから大いに活躍してもらいたいと思って期待しておる次第でございますが、この会社に対しまして来
年度は七億円を増資
資金として、
要求いたしましたところ、これは産投からの
出資ということになるわけでございますが、それを二億円だけ認めていただいたわけでございます。
それから
北海道東北開発公庫でございますが、これはお
手元に
資料を差し上げる余裕がなかったので、ございません、恐縮でございますが、本
年度は百四十一億円の
資金で
仕事をしたわけでございますが、来
年度といたしまして二百十億円の
資金を
要求いたしておりましたが、いろいろ財政上の都合もございまして、それに対して百二十億円の
内示がございました。これもあまりに少いのでもう少し
増額を
要求したいと考えております。
以上はなはだ簡単でございますけれ
ども、概略を御
説明申し上げました。