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1958-12-25 第31回国会 参議院 建設委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年十二月二十五日(木曜 日)    午前十時四十六分開会   —————————————   委員の異動 十二月二十日委員松野孝一辞任につ き、その補欠として木島虎藏君を議長 において指名した。 十二月二十一日委員吉田萬次君は死去 された。 十二月二十二日委員稲浦鹿藏君、前田都男君及び山本利壽辞任につき、 その補欠として成田一郎君、井上知治 君及び後藤義隆君を議長において指名 した。 十二月二十三日委員後藤義隆君、成田 一郎君及び井上知治辞任につき、そ の補欠として山本利壽君、稲浦鹿藏君 及び前田佳都男君を議長において指名 した。 同日議長において高良とみ君を委員指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     早川 愼一君    理事            稲浦 鹿藏君            岩沢 忠恭君            田中  一君    委員            石井  桂君            松野 孝一君            武藤 常介君            山本 利壽君            秋山 長造君            内村 清次君            村上 義一君            高良 とみ君   政府委員    建設政務次官  徳安 實藏君    建設大臣官房長 鬼丸 勝之君    建設省住宅局長 稗田  治君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    北海道開発庁総    務監理官    中平 榮利君    建設大臣官房会    計課長     南部 哲也君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省道路局長 佐藤 寛政君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選建設事業並びに建設計画に関する  調査の件  (昭和三十四年度建設省関係予算並  びに北海道開発庁関係予算に関する  件)   —————————————
  2. 早川愼一

    委員長早川愼一君) これから建設委員会を開会いたします。  まず、委員の変更について御報告いたします。  十二月二十三日付、高良とみ君が委員に選任されました。   —————————————
  3. 早川愼一

    委員長早川愼一君) この際、理事補欠選挙を行います。  稲浦鹿藏君、前田佳都男君が一時委員辞任されましたので、理事が二名欠員になっております。従って、その補欠互選を行いたいと存じますが、その互選の方法は、成規の手続を省略して、便宜その指名委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 御異議ないと認めます。  それでは稲浦鹿藏君、前田佳都男君が、再び建設委員に選任されましたので、両君を理事指名いたします。   —————————————
  5. 早川愼一

    委員長早川愼一君) それでは昭和三十四年度予算案について、大蔵省から内示がありましたので、内示案について、建設省並び北海道開発庁から、それぞれ説明を聴取することにいたします。  まず、建設省から先に願います。
  6. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) きょうは大臣が出席するはずでございましたが、予算折衝関係がございまして、ちょっとこちらに出て参れぬものでありますから、私がかわって参ったようなわけでありますが、二十三日に内示を受けまして、ただいま検討いたしておりまして、ちょうど党内の調整並びに復活に対する今案をせっかく調整中でございまして、荒筋だけは新聞に出ておりますような状態でありますが、内容に至りましては、まだ公開していろいろと御論議願うような段階には至っておらぬと思いますけれども、大体荒筋だけは内示を受けておるわけでございますから、官房長から一応御説明申し上げますから、御聴取いただきまして、できるだけ私の知っておる範囲だけ御答弁させていただくようにいたしたいと思います。
  7. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) それでは昭和三十四年度建設省関係予算の第一次内示状況につきまして概括的な御説明を申し上げたいと思います。  お手元に差し上げました資料に即しながら御説明を申し上げたいと思いますが、今回の予算要求額につきましては、一般会計で二枚目の紙の下の方にございますが、一般会計で二千二百九十二億円、そのうち公共事業は千六百九十九億円、行政部費が五百九十三億円というものを要求いたしたのでございますが、これに対しまして内示額の全額は、トータルは千七百二十三億七千五百万円、一般会計内示されております。これは要求額に対しまして歩どまりが七五%ということに相なっております。  なお、この道路特会ダム関係予算につきましては、政府低利資金の借り入れが事業費として投入されますので、この点を見ますると、いわゆる財政投融資としてダム特会道路特会分として二百六十三億円を要求いたしましたのに対しまして、九十七億千二百万円が内示されておる状況でございます。これは要求に対しまして三七%の歩どまりということに相なっております。  これから各事項につきまして簡単に申し上げますと、まず一枚目の友の治山治水関係でございますが、この要求額といたしましては、総額五百七十七億余を要求いたしておりますが、内示は三百四十六億九千九百万円となっております。この点で特に申し上げておきたいことは、いわゆる河川特別会計の点が認められませんでしたので、要求に対しまして百九十億円ばかり減っておりまして、またダム特別会計借入金が二十一億にとどまっておりまして、結局この内示で御承知いただきますように、治山治水事業ワクは比較的小さくとどまっておるという状況でございます。なおこの内示の額の中には、ダム特別会計借入金の二十億三千二百万円が含まれております。  次に道路関係でございまするが、これは要求額九百四十六億八千万円余に対しまして、内示額は九百九十四億三千五百万円ということになりまして、むしろ要求額を相当上回っておりまするが、これはいわゆる産投特別会計に対しまして要求いたしました日本道路公団への出資金道路特別会計から五十五億円を出すというふうに査定されたためでございまして、つまりそのために要求額より上回ったという結果に相なっておりまして、他は道路関係といたしましては、ほぼ要求通り内示額と相なっております。なお借入金といたしましては、三十四年度要求額に対しまして七十六億八千万円がこれに含まれております。  次に、都市計画関係といたしましては、都市公園都市運動場及び下水道等都市計画予算要求額が八十二億七千一百万円でございましたが、これに対しまして、内示は十二億七千八百万円ということになっております。そのうちに特に申し上げたいことは、下水道関係が六十一億円の要求に対しまして、十億九千七百万円の内示というふうになっております。なお下水道につきましては、一般会計予算のほかに約七十億円の起債が充当されることが認められております。ただ下水道緊急整備五カ年計画につきましては、この際、大蔵省としてははっきり認めがたいという意向でございます。  次に、鉱害復旧関係は、特に申し上げることはございません。  災害復旧関係につきまして申し上げますと、二面八十一億四千万の要求に対しまして、二百四十七億九千二百万円の内示となっておりまするが、この基本的な考え方は、二十八災、二十九災、それから三十一災を完了するということと、また昭和三十二年災以降につきましては、緊要工事を三カ年で三・五・二の原則を守って施行するという考え方に基いて内示されたものでございます。ただ若干これで大蔵省のとりました査定額基準等につきまして問題があるようでございます。  その他、これもまあ入れまして、その他の付帯事務費等でございますが、これをトータルいたしまして、公共事業費合計は、先ほど申し上げました千六百四十二億九千九百万円の内示と相なっております。そのうちに道路特会と、ダム特会借入金分といたしまして、九十七億一千二百万円が含まれておるのでございます。  次の二枚目の表は、行政部費関係でございますが、公営住宅につきましては、予算要求は百九十億五百万円でございましたが、これに対しまして百十六億一千八百万円の内示となっております。で、これによりまして、公営住宅事業計画の基本といたしまして、備考に書いてございますように、公営住宅は四万九千戸来年度建設すると、そのうち一種と二極は、一種二万一千戸、第二種二万八千戸という割合でございます。なお、公庫、公団は、御案内のように、財政投融資あるいは民間借入金によってまかなわれるものでございますし、その他出資金もございますが、ついでにここにまとめておいたのでございますが、住宅金融公庫住宅は十万二千戸、公団住宅は三万戸というふうに査定されまして、計十八万一千戸。なお、そのほかに、御案内のように各省所管のその他住宅三一万戸がございますので、これを合せますと二十一万一千戸と相なります。戸数の全体の要求といたしましては、これも御承知のように二十万八千戸を要求いたしまして、これに民間自力建設の分を含めて総戸数五十六万戸を来年度見込むという要求をいたしたのでございまするが、政府施策住宅といたしましては、要求に対しまして七千戸減で二十一万一千戸というふうになりまして、他は民間自力建設のみに期待いたしまして、大蔵省としては、全体としては来年度五十六万戸の建設を見込む、こういう意向でございます。  次に、官庁営繕につきましては、総額三百三億二千四百万円の要求に対しまして、内示額は十九億九千三百万円でございます。これはすでに着工いたしておりまする大手町合同庁舎等継続個所完成を促進することという方針で認められておりまして、新規の着工は認められておりません。  次に、付属機関試験研究機関内示でございまするが、地理調査所では、新潟の地盤調査経費河川事業調査費で、七百万円ほど要求されております。また土木研究所では下水道研究室の新設が認められております。そのほか若干人件費等の増が認められておりまするが、大体その他は前年度とほぼ同様でございます。  以上、概略でございまするが、私の御説明を終ります。
  8. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  9. 秋山長造

    秋山長造君 ちょとお尋ねいたしますが、下水道起債は前年度幾らでしたか。
  10. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 下水道の本年度起債は四十億でございます。
  11. 秋山長造

    秋山長造君 それからもう一点、道路公団補助金の五十五億円というところをもう一度説明して下さい。要求額にないものが内示額で五十五億円出ているといういきさつです。
  12. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) 道路公団出資五十五億円につきましては要求をしない、こういう意味ではございません。お手元に配付いたしました資料の三十四年度要求額の中には抜けており、これは一般会計分として要求いたしまして、やはり五十五億のものを要求いたしたのでございます。従いまして、要求がないのにそれがふえた、こういうものではございませんので、そのように御了承願います。
  13. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 昭和三十四年度特別会計一覧表というのがございますね、その点について一つ説明をお願いいたします。
  14. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) 特別会計一覧表道路整備特別会計特定多目的ダム建設工事特別会計とございますが、道路関係について御説明申し上げます。  すでに、先ほど官房長から御説明があったかと存じますが、道路整備関係といたしまして、この事業的な経費として国費九百九十四億円、この資料の第一ページにございますように、九百九十四億円のものが認められたわけであります。これに対しまして特別会計一覧表、この三枚目の数字でございますが、歳入歳出別に書いてございます。また、「歳出内訳」というところで道路街路、種別に書いてございますが、ここの右の欄で、歳出内訳の、道路街路、機械、離島、災害関連道路公団事業、ここまでの合計が、第一枚目の表の数字九百九十四億に相なるわけでございます。特別会計といたしましては、そうした事業のほかにいろいろな歳入歳出が伴うわけでございます。この左の歳入のところにございますように工事負担金収入受託工事収入、雑収入、予備収入というような、歳入方面でそういうものが伴います。また、歳出方面では、付帯工事受託工事、他会計へ繰入、予備費というようなものをそれに付加いたしまして、道路整備特別会計の規模といたしましては、この資料にございますように一千十五億八千九百何がし、こういう数字に相なるわけでございます。
  15. 早川愼一

    委員長早川愼一君) それから、ダムの方を一つ……。
  16. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 特定多目的ダム建設工事特別会計について御説明申し上げます。  これは、御承知のように建設省で行なっております直轄の。ダムを施行するために必要な予算でございます。歳入及び歳出に分れておりますが、前年度と対比いたしまして、大蔵省の今回の内示額が入っております。  まず一番左の歳入の欄から御説明申し上げますと、「事項」のところに一般会計よりの受入金が書いてございます。これは一般会計に計上いたしまして、この特別会計繰り入れる金でございますが、前年度は六十億一千五百八十万円でございましたが、今回の内示におきましては六十一億五千七百五十二万八千円になっております。次は借入金でございます。この借入金は、当年度施行いたしまする工事地方分担に相当する金額を借り入れするわけでございまして、三十三年度におきましては十一億三千五百七十六万四千円でございますが、今回の内示におきましては二十億三千二百十七万二千円でございまして、この両方を合せた金額工事に充当されるのでございます。従いまして、前年度は約七十一億余りでございましたが、今回の内示は八十一億八千万ばかりになるわけでございます。この一般会計繰り入れに比較いたしまして、その借入金が今回ふえておりますのは、臨時特例が廃止になりますために、地方分担金がふえるわけでございます。従いまして借入金の額が倍近くも増大いたしているわけでございます。  次は電気事業者等負担金でございまして、前年度は十四億一千五百万円でございましたが、今回の内示におきましては九億六千九百二十七万六千円と相なっております。これは工事の進捗に応じまして、受益者負担金といたしまして、電気事業者等から負担をしてもらうわけでございますが、以上の一般会計支出に伴いまして生じてくるものでございます。  それから次は地方公共団体負担金が、前年度は六千四百十四万二千円の歳入でございましたが、来年度におきましては、一億三千五百二十六万三千円でございまして、これは、先ほど御説明申し上げました借入金を、すでに前年度あるいは前々年度にしておりまして、それに応ずる負担金交付公債に対する納付金が県から返ってくるわけでございまして、これが歳入に相なってくるわけでございます。  次は「その他」でございまして、前年度が四億九千六百万円余りでございまして、内示額が六億二千三百万円に相なっておりますが、これは委託工事であるとか、あるいは予備金であるとかいうものの財源に充てるための歳入ワクを作っておくことになっておるわけでございます。  次に、右側の歳出でございますが、建設費といたしまして、前年度は七十九億六千四百万円でございますが、内示額が八十五億円余りになっております。これは先ほど御説明申し上げましたように、主として一般会計繰り入れ並びに借入金に該当するものでございます。その内訳といたしまして、継続工事新規工事で、前年度継続が七十三億六千四百万円、新規が五億九千九百五十万円でございましたが、今回の内示においては、新規工事は今のところ認められておりません。実施計画調査工事費繰り入れたものはございますけれども、主として継続工事でございまして、八十五億一千万円になっております。  次は実施計画調査費でございまして、前年度は一億三千百五十万円でございますが、今年度は四千五百万円でございまして、これは昨年度に引き続きまして実施計画継続していけということで内示されております。  「その他」といたしまして、前年度は十億余り内示額は十三億六千百万円になっておりますが、これらは、災害等の起きた場合の予備支出とか、あるいはいろいろの給料とか、あるいは工事事務費等金額合計したものでございまして、歳出合計歳入に見合いまして、前年度が九十一億二千八百万円、今回の内示が九十九億一千五百万円余りということに相なっております。  以上、簡単でございますが、御説明を終ります。
  17. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 最後の表の「昭和三十四年度財政投融資一覧表」につきまして、簡単に御説明申し上げておきます。  財政投融資の総資金といたしましては、今回内示されましたのは九百七十九億でございまして、三十三年度八百二十九億に対しまして、百五十億円の増でございます。  道路公団につきましては、先ほど道路局長からもお話がございましたように、この合計の百四十九億のほかに、道路特別会計からの出資金の五十五億がございます。  住宅金融公庫につきましては、前年度三百二十八億に対しまして三百七十九億でございますが、これは一万戸の増加による事業所要資金としての増加がおもなものになっております。  住宅公団につきましては、前年度三百十二億に対しまして三百五十二億と、四十億の増になっておりまするが、これは戸数は前年度と同様でございますけれども、その内容におきまして、相当増強された面がございまして、資金の増となっております。  首都高速道路公団工業地帯開発公団、これは新規要求をいたしましたが、いずれも内示では認められておりません。海外建設協力株式会社も同様でございます。防火建築帯造成融資につきましても認められておりませんが、これは住宅金融公庫中高層耐火建築物融資の額に七億円増額が認められておりまして、その方面で認めたので、融資補助も打ち切る、補助も認められておりません。こういう説明でございました。道路特別会計につきましては、先ほど申し上げた通りでございます。ダム特別会計も、河川局長から申し上げた通りでございます。  以上でございます。
  18. 秋山長造

    秋山長造君 ちょっとダムのことをお伺いしたいんですが、新規は全然認められていないんですが、新規要求は、個所にして何個所くらい、金額はどのくらい要求されたのか、ちょっと御説明願いたい。
  19. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 特別会計におきましては、昨年度実施計画調査をやっておりました二個所がございますが、それも含めまして、三個所事業費として要求しております。それから実施計画調査といたしまして、五個所要求しておりまして、金額は、今はっきりした数字はわかりませんが、それらを合せますと、全部で七、八億のものだと思っております。
  20. 早川愼一

    委員長早川愼一君) それでは次に北海道開発庁にお願いいたします。
  21. 中平榮利

    説明員中平榮利君) 北海道開発庁中平総務監理官でございます。  ただいまお手元にお配りいたしました「昭和三十四年度北海道開発に関する予算内示額調」という二枚続きの書類がございますので、それをごらん願いたいと存じますが、まず、この御説明に入ります前に、私ども大蔵省に対します予算要求の態度と申しますか、方針について、ごく簡単にお話申し上げたいと存じますが、昨年の暮に、北海道につきましては、第二次五カ年計画というものを作りまして、閣議決定いたしまして、それに公共事業関係並びに文教、通信、交通に至るまで、大体北海道開発関係があると思われる事項を包含させまして、五カ年間の計画を作りまして、一応の仕事目標といたしたわけでございますが、それによりますと、北海道におきます公共事業費関係国費総額を、これははっきり金額を閣議できめたわけではございませんが、一応の私どもの心づもりといたしまして、千九百億ないし二千百億程度というふうに、幅のある数字を一応目標といたしまして想定いたしました。これをもとにいたしまして、今後の予算要求の基礎といたしたいというわけで、三十四年度要求におきましても、その金額もとにいたしまして、大体予算上は、今までの実績等から見まして、年率一九%程度伸びを見込みまして組んでみたわけでございます。そのような操作をいたしまして、なお昭和三十四年度特殊事情というものを加味いたしまして作りましたのが、今回の予算要求数字でございます。  その要求額は、お手元に配付いたしました表の第一ページの左から三つ目の欄にございます四百九十五億という数字事業費関係要求数字でございます。なおそのほかに庁費関係その外がございますので、事業要求総額といたしましては、第二ページの一番下から二つ目にございます合計の欄の五百三十一億というのが今回要求いたしました数字でございます。昨年度予算は、その左の欄におきまして、総額におきましては二百六十三億、事業費といたしましては第一ページの一番初めにございます二百四十九億というのが、昭和三十三年度予算数字でございました。そういったわけで、私ども要求いたしましたこの数字は、第二次北海道五カ年計画完成のために必要であると考えまして要求いたしたのでございますが、それに対します大蔵省内示翻案は、一番上の欄で、第一ページの左から四行目の三百億六千万円という内水を受けたわけでございます。これは本年度予算に対しましては一二〇%で、予算伸率といたしましては希望する数字に近いのでございますが、道路のように非常に伸びたものもありまして、一方かえって本年度予算より減っておるものもあるというような次第で、内容にわたりましてはいろいろ問題がございますので、ただいま細部にわたりまして事務当局で検討しているというような段階でございまして、こまかいことにつきまして御説明もできない点もございますので、非常に恐縮でございますが、ごく簡単に各項目にわたりまして御説明いたしたいと思います。  この表を見ていただきます際、前にも申し上げました通り、一番左が各項目でございまして、その次が三十三年度予算額、その次が三十四年度要求額三つ目の欄が内示額でございまして、間をあけておりますのは、第二次、第三次の内示がありましたときに、参考のために記入したいというのであけてあります。その次の欄が前年度との比較増減、△のありますものが減額の数字でございます。その次が前年対比、要求に対する比率を出しておるわけであります。この数字のほかに上にカッコしたものがございますが、これは臨就特失金額外書きいたしまして、これは予算といたしましては北海道開発庁予算には計上されませんで、労働省の予算に計上されるわけでございますが、実際の内容開発事業でございまして、仕事北海道開発関係でございますから、北海道におきまする公共事業伸びといったようなものを見る際には、やはり臨就特失を加えた金額で考える必要がございますが、外書きをいたしました順に内容についてごく簡単に申し上げますが、開発事業費のうち、いわゆる公共事業といわれますものと、食糧増産といわれますものとその他というふうに分けてございますが、まず公共事業の方には河川海岸保全河川総合、砂防、漁港、その他を加えまして、その中でもごらん下さればわかりますように、河川の方は六千六百万円の増額となっておりますが、その次の海岸保全、これも三千百万円の増となっておりますが、その次の河川総合の方で二千万円の減という数字が出ております。ちょっとこれだけを見ますと奇異のようにお考えになると思いますが、実は昭和三十三年度河川総合予算の六千万円というものと、このたびの要求額は全然性質が違うものでありまして、河川総合の本年度予算の六千万円は、桂沢ダムができますときの、このダムの底に沈む家屋の補償金金額を六千万円しておったのでありますけれども、それの三十三年度分の支払分があるわけであります。この六千万円の仕事は昨年限りで終っておるわけであります。その次に要求額の九千五百万円と書いてありますのは、これは金山ダムを来年度着工まで持っていきたいという意味で九千五百万円要求したのでございますが、実際は別個の性質でございますが、それを四千万円だけ予算を初年度として認めてもらっているということで、形式上は六千万円と四千万円ということでありますが、内容は全然違うものでありまして、四千万円は新規と考えていただいていいものであります。  あとそれぞれふえたり減ったりしておりますが、非常に金額も小そうございますし、一々御説明申し上げませんが、少し飛びまして第八番目の漁港というのがございますが、これは年々問題になるものでございまして、総花式に予算をばらまくために、なかなか完成港が出なくて利用できないというような非難を非常に受けているものでございますが、そういった非難を受けないようにできるだけ早く漁港として利用できるような形に持っていきたいということで、来年度は七港完成したいということで、相当大きな金額、二十二億三千万円を要求いたしましたが、それに対しまして査定いただきましたのが十一億八千万で、昨年度よりは一億三千九百万円ふえておりますけれども、これでは七港完成はおぼつかないというふうに思われる次第であります。  その次に港湾を四つに分けて、特定、緊急、苫小牧、港湾と四つに分けてございますが、これは要求の都合上非常に重要なものを抜き出して計いたわけでございまして、昨年度ゼロというふうにとれますが、これはちょっと意味が違いますので、昨年度は十二番目にありますが、やはり一本で予算がついているわけでございますが、それを今年度は四つに分けまして、一番上の港湾特定と申しますのは釧路の中央と、その他非常に重要港湾のうちでも特に重要である、できれば継続費ででも認めてもらいたい、というような特定の事業を抜き出しまして、一つ項目にいたしまして、その分を十九億要求し、その次の十番目の港湾緊急と申しますのは、室蘭のような特別会計に入ります、このたび新設を予定されております港湾の特別会計に入りますものを抜き出して要求したわけでございます。次に苫小牧港と書いてありますのは、これはやはり特別会計に入れていただく予定ではございますが、特に苫小牧は問題となるところでございまして、何もない所に新しい港を作るというようなことで、私どもも非常な意気込みでやっておりますし、また重要港湾、普通の港湾とかといったものとも違った特殊の港湾でございますので、特別会計のうちから苫小牧だけを抜き出して特別要求したいということで、妙な格好になりました。残りのものは、港湾とあります十二番目の項目要求してあるわけでございます。これに対しまして査定内示をいただきましたのは二十億円ということで、昨年度よりは六億二千五百万円増になっております。  あとは特に御説明を要しますのは道路でございますが、これは本年度予算といたしましては百十億というものはついておりますが、それに対しまして内示をいただきましたのが百五十二億でございまして、要求額に対しては八割七分程度、前年度予算に対しまして一三八%いただいておるわけでございまして、ここに上っております金額は、全額道路整備の特別会計繰り入れになるものでございます。これはちょっと遅刻して参りましてお伺いしなくて恐縮でございましたが、建設省の方からも御説明があったことと存じますが、一応原案を基礎にいたしまして、三十四年度といたしまして内地八一%北海道一九%の割合で、大蔵省は査定をしたそうでございまして、その金額が出ている次第でございます。  その次食糧増産がございますが、これは総額にいたしまして昨年度は六十三億の予算でございまして、それに対して百四十億を要求いたしましたが、内示をいただきましたのが六十四億で七千万円の増となってはおりますが、この中にはそれぞれふえたものも減ったものもございまして、非常に、七千万円程度の増では私たちの考えておりまする第二次五カ年計画の遂行はおぼつかないと存じまして、大幅の増額を今後要求いたしたいと考えておる次第でございますが、これはこの委員会とは直接の御関係はないことが多いと思いますので、この程度で省略させていただきます。  その次にその他といたしまして、第二ページ目の中ごろでございますが、その他の一の住宅でございますが、これは住宅整備三カ年計画に基きまして、三十四年度四千百戸を建てたいということで要求いたしましたが、査定は三千七百五十戸で金額といたしまして九億八千二ご目方円というものをいただいておるわけでございます。二番目の環境衛生でございますが、これも先ほど河川総合のところで御説明いたしましたように、本年度予算とその次の要求と、内容が全然違いますので、金額がふえた減ったという比較をするのは非常におかしいのでありますが、三十三年度予算は苫小牧の終末処理の完成分といたしまして、一千万円もらいまして、これは本年度完成いたしますが、三十四年度といたしましては、もうそれは終りましたので、小樽と旭川をやりたいということで、約二倍の金額二千百万円要求いたしまして、それに対しまして大蔵省は旭川だけをやれということで、一千万円をいただいたわけでございます。次の三番四番は離島のことでございまして、北海道には利尻、礼文その他離島がだいぶございまして、これに対しまして簡易水道と噴気をやりたい。もちろん離島の方の港湾とか道路はやっておるのでございますが、新規といたしまして簡易水道と電気をやらせたいということで要求いたしましたが、査定といたしまして第一次はゼロという内示がきたわけでございます。以下付帯事務費、工事事務費でございますが、このうち工事事務費の内示はゼロと出ておりまして、ちょっと奇異の感を抱きますが、これは本年度二千万円もらいまして来年度ゼロという意味ではございませんで、今まであげました各項目工事事務費を含んで内示されておりまして、いずれ計数を整理いたしまして、そのうちから工事事務費の分をこの欄に移しかえる、こういう仕組みになっております。  その次に開発計画費というのがございますが、これはいろいろ開発に関する根本となります調査研究、計画をするための経費でございまして、本年度は五千四百万円でございましたが、北海道における開発事業調査不十分のため思うように能率を発揮しないという非難をたびたび受けますし、われわれもそれを痛感しておるところでございますので、事業を行う前提となります調査研究並びに試験関係のことを十分やりたいということで二億円、本年度の四倍近い予算要求いたしましたが、そのうち各項目にわたりまして若干増額を認めてもらいまして、五千九百万というものを認めていただいておるわけでございます。  以下庁費関係で出入りがあるわけでございます。これが大体北海道開発庁におきます事業費並びに庁費関係数字ででございますが、あと関係機関といたしまして、北海道におきましては北海道地下資源開発株式会社というものと、北海道東北開発公庫というものと二つございまして、これについて簡単に申し上げますと、地下資源会社のことはここにあげておきましたが、最後の欄にあげましたものでございますが、簡単に申しますとこの会社は本年八月に設立いたしました会社でございまして、北海道におけるボーリングをやろうということで作った会社でございまして、現在ボーリング会社もありまして、北海道でいろいろ地下資源の探鉱をやっておりますけれども、ボーリング会社というものは当れば非常にもうかりますが、当らなければ経営がうまくいかないというようなことで、思い切ったボーリングができないので非常に業界から要望されておりまして、政府機関で一つボーリングをやってくれないか、石油につきましてはもうすでに石油資源開発株式会社がございまして、大々的に活動しておることは御承知通りでございますが、石油以外のものにつきましても一つ北海道でやってみようじゃないかというお話が起りまして、政府から二億円出資いたしまして、民間の方から一億円、資本金三億円で昨年八月設立いたしましてボーリング事業を始めておる次第でございますが、これが本年度十一月から最初のボーリングを始めたわけでございまして、ただいまのところまだあまり実績が上っておりませんが、これから大いに活躍してもらいたいと思って期待しておる次第でございますが、この会社に対しまして来年度は七億円を増資資金として、要求いたしましたところ、これは産投からの出資ということになるわけでございますが、それを二億円だけ認めていただいたわけでございます。  それから北海道東北開発公庫でございますが、これはお手元資料を差し上げる余裕がなかったので、ございません、恐縮でございますが、本年度は百四十一億円の資金仕事をしたわけでございますが、来年度といたしまして二百十億円の資金要求いたしておりましたが、いろいろ財政上の都合もございまして、それに対して百二十億円の内示がございました。これもあまりに少いのでもう少し増額要求したいと考えております。  以上はなはだ簡単でございますけれども、概略を御説明申し上げました。
  22. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 御質問願います。
  23. 内村清次

    ○内村清次君 政務次官とあるいは官房長一つお尋ねをいたします。  問題は、きょうは予算内示に対するあなた方の復活要求の忙しい時期と思いますからして、私も重点的に簡単に指摘して質問したいと思いますが、そこでこの内示に対しまして建設省関係といたしましては、一体どの点を総括して復活要求に努力されておるか、その点がわかっておりますならば指摘していただきたいことが一点です。  それから第二はこの治山治水関係項目で、聞きますると三十四年度からは新五カ年計画をまた新たに一つ立て直して、治山治水の予算計画的に計上するというようなうわさがありますが、それはそういうような方針であるかどうか。それからさらにこの治山治水関係特別会計というものを設けようというお考え方のようですが、この経緯を一つお示しを願いたい。それから河川項目で、これは前々からこの委員会を通じての御方針としては、重要河川は別として、中小河川に重点を置くというようなことがたびたび発言されておりましたが、今回のこの予算内示には中小河川に対する予算内示は一体どういうふうになっておるか。その次には、砂防が九十九億の要求額に対してわずかに五十八億というようなことは、これはこの委員会の意思に反する少額であると私たちは推定いたしますが、この点に対する今後のお考えはどうか。それから道路整備関係におきまして、道路予算は大体重点を入れられた予算額内示されておると私たちは考えておりますが、しかしこのうちで舗装の伸びというものは一体どのくらいの伸びが考えられるか、その点を一つお示し願いたい。  それから都市計画関係におきまして、従来戦災復興によるところの区画整理事業というものは、大体昨年度で打ち切るというような話も聞いておりますが、この関係は一体どうなっているか。と同時に新規河川改修によって区画整理事業という、すなわち都市計画がなされている面に対する予算内示は、あまりに少額に過ぎはしないかという感じが私たちはいたしておりますがこの点のお考えはどうであろうか。それから下水道関係ですが、これは大蔵省考え方はどうも私たちは納得いかない点がある。今回の予算内示におきましても、要求額よりはるかに少額な数字が出ておりますが、これは重点を起債の方に持ち込んでいるのかどうかという、この内容の点を一つお示し願いたい。それから災害関連と災害復旧の方ですが、特に災害復旧というのは、二十八災の災害復旧は打ち切られているというような、これはもう当然昨年度で打ち切りだというような話も聞いておりましたが、この関係は、この予算内示金額はその観点に立っての、いわゆる二十八災以後の災害に対する復旧関係予算内示かどうか、これを一つ説明願いたいと思います。大体以上。
  24. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) ただいまの御質問でございますが、実はまだ省内におきまして、ただいま計数の計算をいたしましたり、また要望の個所につきましても大体あらまし趣旨は抱いておりますけれども大蔵省に対して折衝いたしますのは今夕ころになろうかと思うのであります。ただいま非常に急いで大蔵省に持って参るものを今こしらえつつあるような最中でございますので、あまり詳しいことはここではまだはっきり申し上げる段階でないと思いますけれども荒筋だけは官房長から申し上げますから、この程度で御了承願います。
  25. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) ただいま政務次官からお答えがございましたようなわけでございまして、計数的にはまだ検討中でございます。省全体としての予算復活要求の重要項目という意味で申し上げますと、第一は治水関係でございますが、これは五カ年計画の規模の三千五百億を認めさせることと合せまして、治水特別会計の設置を要求いたしたい。大蔵省は五カ年計画の規模を二千四百億円というふうに査定いたしまして、今回の内示金額が出ているようなわけでございますので、そこらに根本的に問題があると思います。また特別会計借入金を認めることは、特定の償還財源がないというのに筋が通らぬじゃないか、こういうような議論で特別会計の設置につきましては、強硬に反対をいたしているような事情でございますが、これらにつきましてはあとでまた河川局長からもお話があること意いますが建設省としまして、強く復活の要求をいたしたい。次に治水関係のもう一つの問題点は、補助金等の臨時特例治山治水関係につきましては廃止されておりまして、道路だけは従来の補助率を継続しておりますが、この点が治水事業の消化の面で非常に問題がございますので、これを継続するように要求いたしたい。第二点は、災害復旧事業費増額要求を考えております。これは先ほどもちょっと申し上げましたように、今年度の災害の査定の問題について、大蔵省の認めているところと食い達っております。主としてこの面から増額要求するというふうに考えております。第三点は、道路につきましては先ほど申し上げましたようにおおむね予算上は認められておりますが、首都高速道路公団の新設につきまして復活要求をいたしたいと考えております。第四番は、下水道事業の増強を要求いたしたい。第五には、工業地帯開発公団の設置の復活要求でございます。第六番目は住宅関係といたしましていわゆる低額所得者の、一番低い層の所得者向けの八割補助住宅、これは認められておりませんので、この八割補助住宅の復活を要求いたしたい。それから防火建築帯の造成事業につきましても、先ほど申し上げましたように補助は落されておりますので、これにつきまして約二億円ほどの要求をいたしたい。第七番目といたしましては営繕関係でございますが、中央官庁として気象庁、総理府庁舎等、それから地方の合同庁舎の若干の新規着工を要求をいたしたいと考えております。第八番目といたしましては、海外建設協力会社の設立の復活要求を考えております。  その他いろいろございますけれども、おもな事項といたしましては産業開発青年隊の増強あるいは水防資器材の充実とか、そのほか試験研究機関あるいは調査費の充実、あるいは建設省の機構の問題、定員化の問題、それから建設機械の貸与事業融資というような問題を復活要求として考えております。  以上でございます。
  26. 田中一

    ○田中一君 まあ、われわれ委員会が政府の予算編成権に対して何かワクをはめたり、あるいは条件をつけたりという考え方はもっておらないわけですが、少くとも米田建設次官はおやめになりましたけれども、来年の参議院に出るということで、そうすると三十四年度予算というものは、米田参議院当選予算などということになると困ると思う。と同時にまあ当委員会ではかねがねとも本年度予算一つ——次官はどうしたのですか。呼んで下さい——政務次官に申し上げますが、私は何もここで政府の予算編成権に対して圧力を加えたり何かしようという考えではございません。少くとも当委員会が明年度予算の編成に当っていろいろ注文をつけておる。この注文というのは委員会のい意思ではございません。国民の意思を取り上げて要望をしておることは政務次官も御承知通りです。ことに前国会以来、前国会と申しますのは、通常国会以来、大臣がおかわりになった、当然三十三年度予算の審議に当っていろいろ大臣に要望をしておる問題も、三十四年度予算には必ず実現するという約束をしておるのです。それが大臣がかわったから、ことに次官もかわり、官房長もかわり、軒並みに全部かわっちゃったものですから、そこであらためて三十三年度予算審議の国会当時からの問題をあなた方に思い起していただいて、それがどういう工合に三十四年度予算に具現するかという点を伺いたかったから、各会派相談して本日の内示案に対する説明を聞きたいという委員会を持ったわけなんです。しかしこれはどこまでも参議院のわれわれの職責の範囲の中なのでありますけれども、皆さんに圧力をかけようという考えではございませんから、その点は前もって御了承願いたいと思います。  今、内村委員からいろいろ全般にわたっての質疑があったのですが、これは大へんなことだと思うのですが、私は総括的に重要と申しますか、国民から強く要求されておる点、政府がこれに対して必ず予算化を約束した点について伺いたいと思うのです。それは内村委員も言及したように、砂防予算の問題です。本年の九月十六日に当委員会は、災害にかんがみまして砂防予算の大幅な増額を三十四年度には計上しようという約束をし、建設大臣も、あるいは山本河川局長もその点については努力するというような御答弁があったのです。今、内示案を拝見すると、その努力のあとが何ら見出せないのです。ことに地方財政はどのくらいな赤字が解消され、豊かになるかということを御質問しなければならぬと思いますが、負担率の変更、地方負担が多くなっているということからみても、この点は一つどういうように努力のあとが見られておるか。私どもみますと、これは一生懸命砂防予算を減らすために努力したというふうにしか見られないのです。これは政務次官と河川局長から御答弁願いたいと思います。
  27. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) ただいま田中委員の御質問に対しましてお答えいたしますが、建設省予算に対して国民を代表される各委員から熱心な御発言が過去においてありましたことにつきましても、建設省は十分了承いたしておりますし、また御好意に対しましては、感謝いたしておる次第でございます。従って本日も特にそうしたお気持に対しましてお答えするために、各局長全部そろって参上しておるような次第でございまして、昨日来ほとんど不眠不休で大蔵省に対する予算の復活要求に対する原案作成に努力しておる最中でございますが、そうしたお気持でお開き下さった委員会に少しでも御趣旨に沿えないようなことがあっては大へんだということで、全部が参っておるような次第でございますから、この点はぜひ御了承いただきたいと思います。  先ほどお話がございましたが、予算要求につきましては、御趣旨を体しまして、相当大幅に御趣旨に沿うべく予算要求をいたしておったのでございますけれども、先ほど説明を申し上げましたように、砂防等につきましても非常に不満な査定が行われておりますので、これをいかにして皆様の御希望に沿い、また私どもの考えておりますような額まで獲得できるかということで、一昨日以来一生懸命で不眠不休で努力しておるのでございまして、その結果が閣議決定に至るまでにどの程度のものが獲得できますか、ただいまのところでは予断を許さない状態でございます。しかしこの委員会においての砂防関係等の強い御要望に対しましては、関係当局全部よく了承いたしておりますので、そのお気持を体しまして、今後何日かの期間があるわけでございますから、今夜ごろから閣議決定の線に至るまでに一生懸命で努力して、御期待に沿うようにいたしたいものと考えております。どうか皆様の方におかれましても間接的にも直接的にも一つ御協力をいただきたいものと思います。数字的の問題につきましては当該局長から御説明申し上げた方がいいと思います。地方公共団体に関する問題等につきましても、大蔵省の見解と各省の見解との関係におきまして必ずしも今日意見が一致しているわけではございません。ただいまお話になりましたような点につきましては、私ども建設省といたしましても同様な見解をもちまして、自治庁とも連絡をとって話し合いをいたしているのでありますが、大蔵省の方の強い壁がただいまのところでは打ち破れないような情勢でございますけれども、しかし地方公共団体の現在の財政上の豊かでないこともよく承知いたしておりますので、関係の役所とも共同いたしまして、そうした問題についても強く私どもの初志が貫徹できるように努力するつもりでございます。この点につきましてどうぞ一つ御協力いただきたいと思います。数字的なことにつきましては、各関係の局長からそれぞれ説明させていただくことにいたします。
  28. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 予算問題につきまして、ただいま政務次官から申し上げましたように、私どもは今まで努力いたしましたし、今後におきましても全力を尽しまして努力したいというふうに考えております。ただ大蔵省がただいま言っておりますのは、数字が差し上げた表にありますように、砂防につきましては四千四百万円の増額にとどまっておりますが、大蔵省の言うところは臨特を廃止するならば、この結果、事業量は私どもが当ったところによりますと、前年度は約六十六億七千万円の事業量をやったけれども、それが約六億五千万円の事業量がふえる、臨特を廃止するならばということを言うてきているわけでございます。この点に関しましては、ただいま田中先生からお話がありましたように、地方財政で肩がわりいたしまして事業量を増大するわけでございますので、地方の財政の関連におきまして大きな問題があるわけでございます。ひとり砂防予算だけの問題でございませんで、地方の財政全般という問題で考えなければならぬ問題であるとは思いますけれども、私どもはどうしても事業を拡大することがまず第一の条件でございますので、私どもはこれだけの事業量はまずもらったということで、その上に立ってさらに事業を増大していくという線に努力したいというふうに考えております。
  29. 田中一

    ○田中一君 私が大蔵省から聞いてみますと、砂防予算については建設省要求をしないからふえないのだと言っているのです。もしあなた方が私の言うたことがうそだというならば、大蔵省の人間を呼んで聞いてもいい、うそをついておりません。どうも今年度の災害を見ましても、当委員会は二へんにわたって災害地を歩いて参りましたけれもど、抜本的の砂防工事をやった所は災害が少いことは、私よりもあなたはよく知っているはずです。山本局長はどういう心組みで予算要求をしたのですか。ことに九月十六日の当委員会の決議、これに対しては、大臣は答弁しておる、絶対にこれは要求をくずさぬように努力いたします、要求の線をくずさぬということは、われわれ野党としては、要求通り通るとは思っておりません。おりませんが、少くとも、その熱意があるならば幾分かは有利であろう、ところが現実に今第一の内示案と申しますか、これを見ますと、そういう熱意がちっとも汲み取れないのです。これは結局歴代の何といいますか、技術官僚といいますか、ここに同僚の岩沢委員とか村上委員とかが、そういうような悪習慣を作ったというように私は聞いておるのです。これは過去の問題でありますから、そういう、もし、うそを言うなというなら、そういう著書を、私は本を見ましたから差し上げておきます。  そこで、山本さんは抜本的に砂防工事をしなければならぬということは、あなたは知っているはずです。その熱意を汲み取れぬから、砂防の面について申し上げるわけなんです。これは、まあ内示案等は今まであなた方が食言をしておるのであります。相当な食言をしておるのでありますから、他の河川工事の政治的な、政略的な河川工事予算を多少削っても、砂防工事というような、選挙民のおらない山の中の工事でありますから、選挙には不利かもわからない、しかしこれはしなければなりません。しなければならぬということは、よく知っているはずです。この点について、もう少し真剣な、当委員会の決議を尊重するという気持でもって御答弁願いたいと思うのです。場合によれば政略的な河川工事を多少カットしても、これに向けるのだというようなことの発言がなくちゃならぬと思うのです。  もう一ぺん伺います。
  30. 山本三郎

    説明員山本三郎君) まず第一の大蔵省に対して、建設省は砂防予算増額要求を出していないというお話でございますけれども、ここにあります通り、砂防につきましては九十九億二千二百万円を出しておるわけでございまして、昨年度は五十八億三千百万円でございますので、絶対、要求を出していないということはないと思います。  それから熱意の問題ということでございますが、それは、先生がお考えになりまして熱意が足りないというふうにお考えになるかもしれませんけれども、私どもといたしましては、決して砂防に対しまして、ほかの事業と比較いたしまして熱意が足りないというふうなことはしていないつもりでございます。お考えは、どういうことであるかということは、これは私の想像外のことでございますので、その点につきましては、わかりませんけれども、さらにこの点については、熱意を示していきたいというふうに考えております。  それから、結局最後の姿が、どうなるかということで御判断いただかなければならぬわけでございますけれども、現在の状況におきまして、砂防が、特に虐待されておるということは、大蔵省内示におきましても、私はないと思います。その増額の比率におきましても、砂防の方が、河川に比較すると事業量においては増額しております。比率におきましては、増額しておるわけでございますので、今後、それらの線を強調いたしまして、増額に努力したいというふうに考えております。
  31. 田中一

    ○田中一君 増額要求ということを言っているのではない、熱意の問題を言っているのです。  あなたは前年度より伸びているのだ、前年度より次年度伸びているということを言っておられるけれども、そんなしゃくし定木な人工的なものではないのです。実際に、本年度の狩野川の水害にしても、砂防をやっていれば、あれだけの災害はなかったであろうということは、われわればかりではない、あなた方が一番よく知っているはずです。前年度よりも飛躍的に倍か三倍かするというような熱意を示さなければならぬということです。前年度よりも伸びているからいいじゃないかというその態度というものは、われわれとらないのです。  それが、参議院の砂防予算をとれという、災害の実態から考えてみての参議院の決議にもとるのです。この決灘をするときにも、あなたは出席して、社会党の私ばかりじゃございません。自民党、緑風会等各代表の委員は、十分に政府を鞭撻したはずでございます。従って前年度よりふえたなんということは、言いのがれです。そういうものではないのだ。今こそ抜本的な工事を遂行しなければ、また大きな災害がくるということは言っているはずなんです。この点は、まだ私は足りないと思うんです。  これは、政務次官がおられるから、その点を追求してもどうもなりませんから、当委員会の総意の決議の趣旨というものを無視されないように、前年度よりもふえたからいいのだという決議じゃございません。これを重点的にやれという決議なんです。従って、山本さんの今の私に対するところの御答弁は不十分です。現に大蔵省主計局では、建設省は、そういう要求をしないというんです。重点的に砂防に、災害を守るために予算をつけてくれという強い要求がないのだと言っているんです。私は聞いている。ここにいる村上委員も聞いております。早川委員長も聞いております。これは徳安さん、一つしっかりとやってもらいたい。どうも砂防というものが、いつも言うように、山の中で選挙民もおらないんです。だから政治的な対象に比較的ならないような傾向にあるんです。それをわれわれは、本年は休会中に二へんも山を歩きまして、これこそ災害を守る根源である、これを直さなければならないのだというようにしみじみ感じてきているんです。でありますから、前年度よりも多少伸びているとか何とかいうんじゃなくて、抜本的な工事の遂行をしなければならぬということが、九月十六日の決議なんです。どうかそういう点は、当面の責任者であるところの河川局長の言葉としては、私は不満です。どうか徳安さん、一つよろしくお願いしたいと思うんです。
  32. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) ただいまのお話しごもっともでございまして、先ほど局長が申し上げましたように省といたしましては約百億に近い金額要求いたしているのでありますが、査定は、昨年に少しばかり金額においては上回る。ただし、臨時特例を廃止しますれば、一割以上増加にするのだという説明づきで参っているわけでございますが、これに満足しているわけではございません。  特に参議院の強い要請等も承知いたしておりますので、今後の復活要求につきましては、私どもも一生懸命で努力いたしたいと考えておりますが、何しろこの査定をする諸君が水害地を一ぺんも見たことのない連中がやっているような関係がございまして、私どもの党内でも、そうした諸君を一ぺん災害地につれていって、そうしてほんとうの実情を見せなければいけないだろうというような説まで今出ているような状況でございます。これは対内的な問題でございますが、非常に悪戦苦闘を続けてその増額に努力しているような次第でございますから、まだ幾分の余地も、もちろん日にちがあるわけでございますから、御趣旨を体しまして、最後までこの増額に対して努力いたすつもりでございます。どうぞ御了承を願いたいと思います。
  33. 田中一

    ○田中一君 砂防の問題については、それ以上言ってもしようがありません。山本さん、少ししっかり頼みますよ。あなた方が、いつも砂防予算を日陰に持っていくというような傾向にあるのだというような本を読んだんです。とんでもない話です。  次に伺いたいのは、相当、建設省予算増加している。官房長は、先ほど第十何位か、九位か、八位か、相当低い要求の順位でもって、定員の問題を考えている、要求したいと言っております。これだけの事業伸びて、人を一体どうするんです。人の問題を……。従ってもう一ぺん人の問題、この事業を遂行するのに人間をどうするかという問題を一つ明確にしていただきたい。これは一昨年来根本建設大臣の前、前任の大臣以来、事業の遂行に当っての定員増の問題については、強い省議をもって大蔵省要求しておった。本年度は、どういうことになるのか。そうしてこの仕事をどういう形でもって遂行しようとするのか伺いたいと思うのです。  それは予算面に、内示案には、どういう形でもって織り込んであるか、詳細を伺いたい。
  34. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 先ほど官房長が申し上げましたのは、これは、この機構の上から順次御説明を申し上げましたので、決して一位、二位、三位の順位によって、甲乙のある考え方で申し上げたのではないのでございます。つまり治水関係から、ずっと機構の上で取り上げて申し上げたわけでございまして、一位に申し上げたことが、一番重く用い、十位に申し上げたことが一番薄いのだという考え方でないので、この点は、一つあしからず御了承願いたいと思います。  その他の点につきましては、官房長から御説明申し上げます。
  35. 田中一

    ○田中一君 この問題は、北海道開発も同じです。仕事伸びているのですが、そういう点で、一つ御答弁願いたい。
  36. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 定員の増加の問題は、今回の内示におきましては純増、純粋の増加は認められておりません。道路関係で十名と土木研究所に五名というふうな増員が認められましたが、これは地建の定員から吸い上げて振りかえるというような内示内容になっております。  従いまして、田中先生の今お話のように、特に道路関係事業が大幅に伸びます関係上、直轄事業につきましては、地建の現在の定員、職員の振りかえ、配置がえ等ではまかない切れないという心配が相当ございますので、特に道路関係事業に従事する職員の定員といたしまして、相当大幅な要求をいたしたいと考えて、今、その員数等につきましては、検討中でございます。
  37. 田中一

    ○田中一君 そうすると、道路関係の点を申しますと、要求よりもふえてきたから、定員の問題は、その分だけ考えていなかったと言うのですか。今まで要求よりもふえた予算なんというものは、珍しく耳に聞くのですが、そうすると、どういう工合に増員を要求しようという考えを持っているのですか。これは、このままいったのじゃ仕事ができないので、おそらくあなた方の腹には、請負にみんな切りかえようという腹を持っているかもしれない。それならそれで、率直に言っていただきたい。これだけふえている仕事を今の定員でできっこない。どうしようというのです。それがこの面では私はわかりません。従って詳細に人間の問題については、どうするかの問題を……。お手元にあると思うのです、資料が。それを発表してもらいたい。  しかしこれは、道路ばかりじやありませんよ、全般に伸びているのですから、全部、各省について申し上げているわけです。
  38. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) 国民全般の方方の御要望によりまして、道路事業が、来年度におきましては相当やれるような情勢にありますことは、私として非常に喜んでおる次第でございます。しかしながら、この内示を受けましたような事業を有効適切に展開し、実施し、完了させようとしますには、いろいろなところに問題があるように私は思いまして、ただいまいろいろ研究中でございます。  その一つの問題といたしまして、これだけの仕事を果してうまくこなしていけるかどうか、田中先生の御指摘の要員の問題が、ただいま心配しております大きな問題の一つでございます。これにつきましては、この五カ年計画を立案する当初から研究いたしまして、本年度予算要求の際に、全般といたしまして約六百名に及ぶ定員の増をお願いしてある次第でございます。これに対しまして、この内示を受けました状況は、官房長から御説明のような状況でございますが、この状態では、私が満足できないばかりでなく、とうてい、いい仕事を来年度予定通り実施させるということは困難でございますので、どうしても定員の復活をお願いしなければならないかと存じます。  その考え方といたしまして、建設省並び地方を含めまして、道路工事を実施いたしておりますものに対しまして、定員の問題でいろいろ批判もございます。そのことも、よく考えなければならない。もっと能率を上げるというような御批判がずいぶんございます。従いまして、私どもといたしましては、まず現在持っておる定員、この定員をいろいろな方法でもって活用いたしまして、もっと能率を上げることを考えていかなければならない。  しかしながら、それだけでは、とうてい十分ではございませんので、どうしても純増をお願いしなければならないかとも存じます。従いまして、ぎりぎりのところ、どれだけ最小限度として定員を要するかということにつきましては、ただいま研究中でございまして、十分研究いたしまして、この必要数を出し、強く大蔵省の方へその、実現方について要求いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  39. 田中一

    ○田中一君 その要求の用意があるというから伺っておきますが、官房長に今度伺いたいのは、ここ数年来、各地建の職員から要求されております定員化の問題、これは、昨年は一定基準で、定員法上の職員に切りかえまして、むろん本年も、その基準が生きているとするならば、当然その基準に合う人間は定員化されなければならない。一貫した方針として一万二千名全員を定員化しろという要求を前大臣は出しておった。その意思を継いで、今の遠藤建設大臣は、どういう要求をしておるかどうか、その点について、詳細報告願いたい。
  40. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 建設省関係の準職員、補助員等の定員化の問題につきましては、田中先生がただいま申されましたように、この二年来の懸案で、昨年はある程度の定員化ができたことは御承知通りでございますが、来年度の、要求といたしましても一万一千七百五十六名の定員化の要求をいたしております。この内訳は、準職員が六千二十名、補助員が五千七百三十六名ということでございますが、公務員制度の改革の問題ともからんでおりまするが、この辺が、まだ必ずしもはっきり見通しがついておりません。しかしながら、私どもといたしましては、なおこれを一つ要求いたして参りたい、かように考えております。
  41. 田中一

    ○田中一君 昨年の基準というものを、これがそのまま生きておる、その思想が生きておるとすれば、当然、これは定員化さるべきだと思います。  従って、そういう主張は、建設省ばかりじゃございません、北海道も、運輸省も、農林省も、四大臣要求しておったのですが、これは本年度予算には、どういう形でそれが要求額の中に織り込まれてあるか、そのものは、実際には内示案には、どういう形でできておるか、建設省、開発庁に答弁願いたいと思うのです。
  42. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 先ほど申し上げました一万一千七百五十六名の要求をいたしましたが、今回の第一次の内示からは落ちております。従いまして、これはお話のように、他の省庁にも関係がございます。同一歩調をとって、今後の復活折衝に当りたいと、かように考えております。
  43. 田中一

    ○田中一君 そうすると、昨年と同じように、いわゆるあなた方は、新定員ということを言っているそうですね。新定員というものは、事業費から落すというような予算の組み方をしておって、旧定員が一般行政職の予算に入っておるのですか。私は、定員法上の職員が、新定員も旧定員もない。給与の給源というものは一つなんです。それが事業費に織り込んでいくというのは、どういう形なんですか。  事業費から支給しようという形は、どういう形なんです。その思想を伺いたいのですがね。
  44. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 俗に新定員という言葉を私も聞きましたが、これは昨年はまあ経過的に、そういうふうになって、まあ給与単価も少し今までの定員よりも低かったようでございます。今回の要求といたしましては、新旧の区別なしに一本のものとして要求をいたしております。
  45. 田中一

    ○田中一君 官房長、言っておるようですが、昨年は、法律の改正の方がおくれたから、どうなるかわからぬから、一応こうしたということならわかりますが、本年は、全部事業費でなくして、一般行政費から出ておるのですか。全部織り込んであるのですか。これは建設省、開発庁から、はっきり答弁して下さい。  従って新定員旧定員なんということは、昨年だけの過渡的な措置であって、三十四年度は、全部一緒になっておるということで、いいのですか。
  46. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 要求は、新旧の区別なく一本の形でいたしておりましたが、内示は、やはり事業費として、新定員の分はきておる、こういうふうになっております。
  47. 中平榮利

    説明員中平榮利君) 北海道開発庁要求いたしております定員の増加額は、全部で九千八十一名でございますが、このうち事業費増加に伴います要求が、約五千名ございまして、ただいま田中委員の御質問のありました常勤職員その他の定員への繰り入れの分といたしましては、四千二十四名要求いたしております。そのうち常勤職員が千九百十一名でございまして、常勤的非常勤と、まあ、俗に申しておりますものが二千百十三名、合計四千二十四名、こういうことになっております。  予算要求の方法は、ただいま建設省からお話ございましたのと、全然同じ歩調をとっておりまして、要求の方は、行政部費要求いたしておりますが、今までの定員は、全部事業費の方できております。この要求に対しまして、大蔵省の方からの内示といたしましては、ただいまゼロでございます。全然増加を慰めておりません。ただ、ごく特殊の例といたしまして、開発調査関係の要員といたしまして開発局に三名の増員を認めました。それだけの増加でございます。
  48. 田中一

    ○田中一君 もう一ぺん官房長に伺いますがね。はっきりと、昨年、法律改正によって定員法上の職員になった人たちの給与の給源というものは、予算上のどこに内示されておるか、内示案には、どこに入っておるか。  それからそれがもし旧定員とあなた方言っておる旧定員と違うものならば、旧定員はどうなっておるかということを、もう一ぺん明確に教えて下さい。
  49. 南部哲也

    説明員(南部哲也君) 一般の行政部費の職員という、旧定員というお話がございましたが、これは、第一表の行政部費の一番最後の雑件の中に、人件費が入っております。  それから新定員と申しますか、昨年定員化したものの内示は、各事業費の中に入っております。従ってこの表でごらんいただきますと、治山治水関係費、道路整備関係費、これらの中に入っております。  それで、今回の大蔵省内示で従来と違いました点は、行政部費の、旧行政部費のうちから、工事に直接に関係のあるものは、事業費の方に組みかえするということで、ただいま内示が来ております。これらにつきまして、どういう復活をするか、私どもの方といたしましては、定員に組み入れられたものについては、全部一括行政部費で計上するようにという折衝をしております。だいぶそこら辺のところ、意見が食い違っておりますので、目下復活折衝の途中にあるわけでございます。
  50. 田中一

    ○田中一君 どうも、ややこしいのですが、もう一ぺん念を押して伺いますが、そうすると、要求は全部一般行政費でもって、昨年の法律改正で定員化された人たちも含んで要求したけれども、昨年の法律で決定した員数だけは、工事費の中にぶち込んで内示が来た。こう言うんですか。  それとも、初めからあなたの方で、法律改正によって新しく定員化された職員の分は、昨年と同じように、工事費の中にぶち込んで要求したということなんですか、どっちですか。
  51. 南部哲也

    説明員(南部哲也君) 要求は、全部これは工事関係があるという観点から、項、工事事務費というもので要求しております。工事費というのは、予算上は、項、工事費と項、工事事務費と合せたものが、一応工事費ということになっております。予算といたしましては、従ってこの表で言うところの治水関係、あるいは道路整備関係という事業の中で要求いたしております。
  52. 田中一

    ○田中一君 そうすると、旧定員と称する定員の諸君は、工事関係がないというのですか。工事関係のある人もおるでしょう。一般行政部門におる人と現業部門におる人とが、両方あるでしょう。  その場合は、どういうふうに分けているのですか。そうすると、結局その分け方は、どうなんですか。
  53. 南部哲也

    説明員(南部哲也君) この工中に関係あるという言葉が、不明確だったと思いますが、基本の地建本局あるいは工事事務所、これらの基幹の人員というものは、行政部費の方から出ているわけでございます。  それから工事は、今回は工事の方の関係から申しますと、工事事業量というものは、毎年変動がございます。来年の例をとりますと、神奈川あたり急にふえる。そういったような関係の人件費といいますか、直接の工事関係のあるものにつきましては、河川事業費の中に入っております。従って、これらの作業は、最終的に、河川の総事業費道路の総事業費がきまったあとで、事業費が確定したあとで、その中から工事事務費として、どれだけのものが必要かという再査定を行いまして、決定いたしておる次第であります。
  54. 田中一

    ○田中一君 どうも会計課長は、今まであなた方のやったことを、何かうまく答弁を乗り切ろうという考えがあるんじゃないかな。率直に言ってごらんなさい、率直に。  昨年の法律改正によって、新しく定員化された職員の給与というものは、要求した案の中には、どこに入れて要求しましたか。
  55. 南部哲也

    説明員(南部哲也君) 工事事務費として要求いたしました。
  56. 田中一

    ○田中一君 昨年の法律改正前に、定員化されておる職員の給与の給源は、何に入れて要求しましたか。
  57. 南部哲也

    説明員(南部哲也君) 行政部費地方建設局で要求いたしております。
  58. 田中一

    ○田中一君 そうすると、先ほど、工事関係したものなんということは、これはあなた方の言った余分なことですね。そういうように分けて、いわゆる新定員と旧定員とは、給与の給源というものは、新定員は工事事務費の中に、それから旧定員と称する方々は、一般行政部費の中で要求した、こういうわけですね。
  59. 南部哲也

    説明員(南部哲也君) さようでございます。
  60. 田中一

    ○田中一君 これは、行管もおらんし、今後の課題にいたしますけれども、われわれは、法律を改正して、なにも給与の給源を二つに割っていいという考え方の前提に立って、法律を通したわけではございません。なぜ、少くとも行政機関職員定員法の職員になったのにかかわらず、予算の計上だけは、そういうように考えられておったか。これは、政府の、政府というよりも、建設大臣考え方は、どこにあるのか伺いたいと思うんです。  そういうように二つに分かるべきものじゃないんです。一般行政機関の職員なんです。昨年の法律でもって、改正されて増員された職員というものは、一般行政機関の職員なんです。現場の要員じゃないんです。臨時の職員じゃないんです。それに対する、どういう見解ですか、政府の考え方は。
  61. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) ただいま田中委員のお説、私どもも、実はごもっともだと思いまして、先ほど来、関係者の話を聞いておるわけなんでありますが、同じ定員でありながら、一方は行政部費の方で出ている、一方の方は、治水あるいは治山、あるいは道路整備費等で出ているということは、どうも私、ちょっとふに落ちない点がありますから、今、官房長とも話しておるのですが、官房長も、あまり詳しいことは知らないようでございますし、私どもも、しろうとですから、あまり知りません。これは、政府の何かこの間にいきさつがありますか、あるいは、予算の編成上、こうするのが見やすいので、したのですか、わかりませんが、至急ひとつ、内部を統制いたしまして、こうした誤った行き方がございましたら、是正するように努力いたしますから、きょうは、この程度で御了承いただきたいのでありますが。
  62. 田中一

    ○田中一君 もう一つ官房長に言っておきますが、本月の十五日の日に、建設、農林、厚生、運輸の人事主任官が、公務員制度調査室に集まって、何か相談しているんですね。何を相談したか、ひとつ官房長から伺いたいと思う。
  63. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) この内容につきましては、まだ十分承知いたしておりません。
  64. 田中一

    ○田中一君 鬼丸官房長は、十五日に官房長に就任しておったはずだが、十六日か。  この問題については、まあ政務次官も言うように、あまり追及しません。別の機会に譲りますけれども会計課長が言っているように、はっきりおっしゃい。何もそんな回りくどいわからんようなことを言って、ごまかそうといっても、無理ですよ。岩沢委員は、官僚のボスだから、よく知っておるかもしらんけれども、僕にはわからん。そういう考え方は、よくない、今政務次官の言うように。  そうすると、新定員というものを、将来どうしようという、何かの考えがあるに違いない。それは、われわれ法律を議決したところの院の意思というものを無視しておるわけだ。これは、そういう方法があるんだというような言葉をするならば、今言っておるように、地建に関する人たちは、全部地建費で出すというなら別です。この点については、十分政務次官におまかせしますから、官房長も、よく答弁を注意してもらいたい。
  65. 村上義一

    ○村上義一君 前刻来、いろいろ質疑があり、また、政務次官初め各位から御意見も伺いました。  現段階におきましては、非常な熱意をもって復活に努力せられるということに期待を持つ以外にはないのでありますがただ特に砂防費について一言私、希望を申し述べておきたいと思うのですが、私どもは、各地の水源地を視察いたしまして、その実情を見て、どうしても治水の要諦は砂防にあるという考えを、かたく持ったような次第であります。どうしても抜本的な計画を樹立して、急速に工事を進捗するようにせんければならんという考えに立って、当委員会におきましては、前国会の途中に決議をしたことは、御承知通りであります。政府も、この数字を拝見しますと、五十八億の本年度の実績に対して約百億の要求をしておられる。もちろん、建設省においては、この決議に加えて、また真に必要なりという御自覚のもと要求をしておられると拝察するのであります。しかるに、査定は、三十三年度とほとんど等しい額だということで、実は、非常に失望をしておるような次第であります。ぜひ、ひとつ今後の折衝に当って、少なくとも、この要求予算額の線まで復活せしむるように最善をお尽し願いたいと思うのであります。  なお、緊急砂防費の支出は、予備費からすべきものであるという考え方をもって、前々国会以来、つまり、前大臣以来、再々委員会の議に上っております。前大臣も、また遠藤大臣も、その趣旨をその通りに考えるというような御意見であって、まあこの点についても、今回の予算には、緊急砂防費というものも、この中に含んでおるように聞いておるのであります。結局、本年度と、何ら変らないという大蔵省の査定だと考えられるのでありますが、これでは、まことに遺憾にたえないのであります。前刻もお話がありました通り大蔵省の査定の衝に当っておられる諸君は現に水源地は見ていないというお話であって、また、その通りだと思うのでありますが、しかし、私ども、この決議案を携えて主計局に参りましたときには、よく心得ておるということを主計官も言うておられたのであります。従ってぜひ一つ、この緊急砂防費をこの予備金から支出するということにすると同時に、砂防費の復活について、最善を一つお尽し願いたいということを重ねてお願いしておきます。
  66. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) ただいまの村上先生のお説、先ほど来の田中先生のお話といい、まことにごもっともなことでございまして、すでに決議もいただいておりまするし、また本日の強い当委員会の御要請につきましては、私ども十分、心を新たにいたしまして、主計官にもお話し下すったそうでありまするから、これからも、そういう主計官に当りまして、うそをついてはいけんということを、一つども、強く要望いたしたいと思います。でありますから、一つ御協力をたまわりまして、ぜひ御期待に沿うように努力いたしたいと思いますから、御了承いただきたいと思います。  なお緊急砂防のことにつきましては、局長から答弁させた方がいいと思いますから、そちらの方から答弁させたいと思います。
  67. 内村清次

    ○内村清次君 このことは、委員会といたしましては、一貫した気持でもあるし、これはやはり、こういう段階にきましたならば、委員長といたしましても、建設省に連絡を取りつつ、一つ御協力を願いたいと、決議いたしました委員の一人といたしまして、委員長にも一つ、要望いたしておきたいと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  68. 早川愼一

    委員長早川愼一君) ほかに御質疑がなければ、本日は、この程度において、散会いたしたいと思います。    午後零時四十三分散会