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1959-03-25 第31回国会 参議院 決算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月二十五日(水曜日)    午後一時四十一分開会   —————————————   委員異動 三月二十日委員仲原善一辞任につ き、その補欠として新谷寅三郎君を議 長において指名した。 三月二十三日委員新谷寅三郎君及び森 田豊壽辞任につき、その補欠として 仲原善一君及び勝俣稔君を議長におい て指名した。 三月二十四日委員仲原善一辞任につ き、その補欠として小幡治和君を議長 において指名した。 本日委員小幡治和君、高野一夫君及び 奥むめお辞任につき、その補欠とし て仲原善一君、大谷瑩潤君及び北勝太 郎君を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西川甚五郎君    理事            仲原 善一君            西岡 ハル君            平島 敏夫君            小柳  勇君            棚橋 小虎君    委員            稲浦 鹿藏君            井上 清一君            大谷 瑩潤君            勝俣  稔君            松村 秀逸君            相澤 重明君            東   隆君            大河原一次君            鈴木  壽君            森中 守義君            北 勝太郎君            天坊 裕彦君            岩間 正男君   国務大臣    郵 政 大 臣 寺尾  豊君   政府委員    防衛政務次官  辻  寛一君    防衛庁防衛局長 加藤 陽三君    防衛庁人事局長 山本 幸雄君    防衛庁経理局長 山下 武利君    防衛庁装備局長 小山 雄二君    大蔵政務次官  佐野  廣君    大蔵省主計局司    計課長     末廣 義一君    農林大臣官房経    理厚生課長   丸山 幸一君    運輸大臣官房会    計課長     向井 重郷君    郵政政務次官  廣瀬 正雄君    電気通信監理官 松田 英一君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明員    大蔵省主計局総    務課長     中尾 博之君    林野庁業務部長 田中 重五君    日本電信電話公    社総裁     大橋 八郎君    日本電信電話公    社業務局長   吉澤 武雄君    日本電信電話公    社施設局長   平山  温君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選昭和三十二年度一般会計予備費使用  総調書(その2)(内閣提出衆議  院送付) ○昭和三十二年度特別会計予備費使用  総調書(その2)(内閣提出衆議  院送付) ○昭和三十二年度特別会計予算総則第  十三条に基く使用調書内閣提  出、衆議院送付) ○昭和三十二年度特別会計予算総則第  十四条に基く使用調書内閣提  出、衆議院送付) ○昭和三十三年度一般会計予備費使用  総調書(その1)(内閣提出衆議  院送付) ○昭和三十三年度特別会計予備費使用  総調書(その1)(内閣提出衆議  院送付) ○昭和三十二年度一般会計国庫債務負  担行為総調書内閣提出) ○昭和三十二年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和三十二年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和三十二年度国税収納金整理資金  受払計算書内閣提出) ○昭和三十二年度政府関係機関決算書  (内閣提出) ○昭和三十二年度物品増減及び現在額  総計算書内閣提出)   —————————————
  2. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず委員変更を申し上げます。三月二十三日森田豊壽君、三月二十四日仲原善一君の辞任に伴いまして、勝俣稔君、小幡治和君が補欠としてそれぞれ選任せられました。三月二十五日小幡治和君、高野一夫君、高野一夫君及び奥むめお君の辞任に伴いまして、仲原善一君、大谷瑩潤君北勝太郎君が選任せられました。   —————————————
  3. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 理事補欠互選を行いたいと存じます。  ただいま申し上げました通り、三月二十日理事仲原善一君が委員を一時辞任されたために、理事に一名欠員を生じております。従来の慣例もあり、理事互選委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 御異議ないと認めます。仲原善一君の補欠として、仲原善一君を理事に指名いたします。   —————————————
  5. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十二年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基く使用調書昭和三十二年度特別会計予算総則第十四条に基く使用調書昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(その一)、昭和三十三年度特別会計予備費使用調書(その1)、以上六件、並びに昭和三十二年度一般会計国庫債務負担行為調書を一括して議題といたします。  委員会要求によって資料が提出されておりまするが、ごらんいただきまして、これについて御質問を願いたいと思います。前回に引き続き質疑を続行いたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 小柳勇

    小柳勇君 林野庁質問いたします。この前仲裁裁定実施に伴う予算流用について質疑いたしましたが、その後ここに資料が提出されておりますので、私が質問いたしました要意に沿って、この資料を御説明願いたいと存じます。
  7. 田中重五

    説明員田中重五君) 御説明申し上げます。お手元にお届けいたしました昭和三十二年度仲裁裁定に伴う予算措置について御説明を申し上げたいと存じます。それの第一ページにございますが、仲裁裁定実施に伴う所要額といたしましては、管理費といたしまして、合計五億六千五百九十九万九千円、事業費といたしまして、十三億一千七百二十五万九千円、その合計といたしましては、十八億八千三百二十五万八千円というものを必要といたしたのでございますが、これの予算措置といたしましては、管理費におきまして、一億九百四十二万三千円を既定経費から支出をいたしております。予備費使用額といたしましては、四億五千六百五十七万六千円と相なっております。それから事業費におきましては既定経費といたしまして、七億七千九十一万六千円を支出いたしました。他の部からの流用といたしまして、五億二千六百三十四万三千円、予備費使用といたしましては二千万円ということに相なっておりますが、前回小柳先生の御質問要旨といたしましては、このうち管理費において、職員俸給既定経費の中から予算措置を講じていることは、人件費に対するしわ寄せがきているのではないかどうかという御質問のようであったと承わっていますが、特にこの管理費職員俸給、それから同じく人件費といたしまして、常勤職員給与について申し上げますが、職員俸給におきましては、既定予算の中で、二千八百十八万円、予備費使用額といたしまして、二億五千六百七十六万七千円を使用いたしております。また常勤給与につきましては、既定予算の中で三千八十万一千円、予備費といたしましては、一億一千一百三十八万二千円を使用いたしておりますが、職員俸給におきましては、三十二年度といたしまして、たまたま年度内に退職者が四百四十四名でございまして、これに対しまして充足を行いましたのが、四百九十四名ということに相なっております。結果といたしましては充足の方が多かったのでございますが、ただこの退職した側の職員は、比較的年令におきまして高令者が多い。従って賃金額も高い。一方充足された者といたしましては、比較的年令層が若い。従ってベースが低いというようなことがございましたのと、充足の時期におきまして、手続その他で時期的にズレがあったというような関係もございまして、結果といたしましてここに職員俸給といたしまして、二千八百十八万円という余裕を生じたのでございます。常勤職員給与におきましても、ほぼ似たような事情にございまして、三十二年度中におきましては、その総数で二百五十五名が退職いたしております。それから定員内に昇格いたしました者が四百名、合計両方合せますと、六百五十五名というものが定員内繰り入れあるいは退職ということで欠員となったのでございますが、これに対しましては、定員内と同様に充足措置を講じたのでございますが、その充足された者は百八十六名ということに相なっております。この常勤職員充足につきましては、その常勤職員に昇格させるべき方針等につきまして、十分に慎重を要する問題でもあり、で、そういう観点から一月以降に充足された者が多かったという関係もございまして、定員内職員と同様にやはりそこに給与予算余裕を生じたという結果と相なったために、資金的な余裕を生じた次第でございます。職員給与につきましては、大体以上のような事情から、余裕を生じたものをこれにあて、さらに予備費移流用等をしたというような次第でございます。  なお、定員内のそのような事情における異動に伴うところの手当その他に若干の余裕を生じておるために、それぞれの目において剰余が出ておりますが、ただこの表におきまして、職員手当で、これで一千一百六十万一千円というものを既定経費の中で移流用をいたしております。この職員手当のうちで特にこれに充てられましたものは宿日直経費でございます。宿日直と申しますのは、これは営林局の庁舎、これが全部で三百五十一カ所ございます。そのほかに事業場の現場の機関といたしまして事業所これが五百五十三カ所ございます。で、このうちのこれらの施設におきまして、宿日直にあずかる者の給与でございますが、この事業所の中で事業計画の一部の変更等がございまして、宿日直者を配置する必要がないというような個所も生じた関係上、この不用額が積算をされまして、ここに計上されておりますような額になったという実情でございます。  それから、なお超過勤務手当の百十二万円につきましては、先ほど申し上げました定員異動に伴う剰余でございます。  それから休職者給与につきましては、これは当該年度におきまして、休職者が比較的少なかったというような理由から剰余を生じたものでございますし、なお国家公務員共済組合負担金、この点につきましては、これは各月々の職員給与精算額に応じてこれを繰り入れて参るということにいたしておるのでございますが、この年度におきまして、先ほど申し上げました定員内の異動等関係もあり、支給額精算がおくれたというようなことから繰り入れに至らなかったために、三十二年度といたしましては、この程度剰余を生じたというような結果と相なりまして、これらのものがそれぞれ必要な仲裁裁定原資として充てられる結果となったという次第でございます。  それから次は事業費の分でございます。事業費といたしましては、これはこの前御説明を申し上げましたと存じますが、常用作業員以下、不定期あるいは臨時雇作業員給与でございます。これにつきましては、特に大きなものといたしまして、二ページにございますが、製品費といたしまして、既定予算の中から五億八千七百四十万四千円、これを支出をいたしております。また治山費におきまして、一億五十二万八千円、それから官行造林費におきまして七千百五十一万五千円、民有保安林買い上げにおきまして六百十八万六千円、なお比較的額は少くはありますが、林野整備費で百七十九万九千円というものをこれに原資として充てております。三十二年度事業計画といたしましては、これは予算編成当時、つまり三十一年の秋から暮れへかけてでございますが、三十二年度木材価格高騰相当に見込まれるのではないかという見通しがございまして、その当時といたしましては、当然年次計画に沿いまして計上さるべき各事業計画、特に製品費におきましては固定資産の評価、そういう点におきまして、今も申し上げました収入増見通しというものを裏づけといたしまして、相当年次計画を繰り上げた形における事業計画を組んだのでございますが、しかしその事業計画が実際にその年度実施に当った後の実情を見ますと、いろいろ変更を要する面もございまして、ここに予算編成当時とはある程度変更計画の面に来たした結果といたしまして、この予算上の剰余を生じたのでございます。で、これが自然裁定原資として充てられるというような結果と相なったのでございます。  それから治山費でございますが、これは特に林野庁といたしましては、民有保安林買い上げまして、それを国費をもって治山工事を進めるということをいたしておりますが、その民有保安林買い上げ、これが三十二年度におきましては、先ほども申し上げました木材関係高騰というようなこと、主として理由はそういうところにございますが、買入れ価格につきまして、なかなか折衝過程において話のまとまらなかった面が少くなかったというようなことから、その買入れ面積のある程度の予定に対する減を来たしたのでございますが、そういう理由から、自然これを行うべき工事費、これの減を来たしたということで、治山工事費予算に対する実行の減となって現われたというようなものがこの原資に充れられたという結果となったのでございます。民有保安林の買い入れ、あるいは林野整備費、これにつきましても、やはり民有保安林買い上げと同じような相手方事情に基きまして、予算に対する実行量の減少となって現われたのがそれぞれの支出経費の減となった次第でございます。それからやや大きい額といたしまして、官行造林費の七千百五十一万五千円というのがございます。官行造林と申しますのは、国有林の方で一般公有林野造林をいたしまして、分収をするという制度でございますが、三十二年度ごろからその造林対象団地水源林としての機能を保たせなければならないというような地域に対しては、私有林もこれを対象団地として入れるというようなことで予算編成をしたのでございましたが、ところが私有林公有林等と違いまして、所有関係がきわめて複雑であるというようなことから、やはり官行造林の契約の締結がなかなか予想した時期通りに参らない、そこで、従ってこれに造林をしていく事業量計画通りに相ならなかったというようなことでございまして、この年度におきます官行造林計画量面積で申しまして二万四千町歩ということに相なっておりましたのが、一万八千町歩程度にとどまったというような結果、これが事業量の減に伴う経費の減ということになって現われました。これが仲裁裁定実施のための原資として使用されるというような結果に相なった次第でございます。  大体前回の御質問要旨に対しまして以上お答え申し上げた次第でございます。
  8. 小柳勇

    小柳勇君 内容についてはよくわかりました。この前人件費に対してしわ寄があったのではないかと心配いたしまして、そのしわ寄せというよりも退職金、その他非常勤のものを常勤にしたり、定員が変ったためにこのようなものが出たということはよくわかりました。で、根本的には、この前言いましたように、四月の初めに一年間の見通しが立っていたのかどうかということの質問から始まったわけです。途中で補正予算を組んだのが年二回あったにかかわらず、翌年の三月の決算期になりまして、閣議にかかって予備費流用された。それで逆に言いますと、結果についてはわかりましたけれども、その結果を出すために林野庁当局が非常に苦労されたのではないか、このようなことを私は懸念したわけです。十八億の裁定を捻出するために、買うべき材木を買わない。とか、あるいはやるべきいろいろの治山などを削減して裁定費を捻出したのではないか、そういう心配をしたわけです。その点については、一年間の見通しがついたから補正予算も二回あったけれどもやらなかった、このようなことであるかどうか、もう一回部長から説明を伺わせてもらいたいと思います。
  9. 田中重五

    説明員田中重五君) お答え申し上げます。年度当初におきましては、先ほども申し上げました事業計画につきまして、相当に例年に比較いたしまして、その程度を上げた事業計画を、木材収入の増ということを裏づけといたしまして計画をし、そのような事業が進められていくという前提で、この管理費というものは組まれたというような観点からいたしまして、年度当初の見通しといたしましては、仲裁裁定に伴う必要原資というものは、その相当額予備費使用に依存しなければならないという考えでおったわけでございます。ところが先ほどからるる申し上げましたような事情から、結果といたしまして、当初の計画と、事業実行をいたしました結果とが差異を生じたというようなことで、既定経費に対する余裕を生じたのでございます。で、そういうような結果から申しまして、年度当初に既定予算でこれをまかなうという考え方は、私どもといたしましてはなかったということをはっきり申し上げたいと思います。
  10. 小柳勇

    小柳勇君 わかりました。で、三十二年の四月に裁定が出たのですから、ちょうどそれからもう二年になります。その二年の間に、現業職員に対しては、給与についてはどのように処置をなされたか、お聞きしておきたい。
  11. 田中重五

    説明員田中重五君) 職員に対する給与是正につきましては、これは林野当局といたしましても常にこれを考慮し、努力をいたして参っております。従って、まず年度々々の予算編成過程におきましては、当面の相手方であるところの大蔵省事務当局とはきわめてこれを精力的に、当方の要求が通るように努力をいたして参っております。で、今の時点におきまして、結果としてこれを振り返ってみますと、今ここに問題となりましたところの三十二年度における仲裁裁定実施によるところの千二百円のアップなり、あるいはまた昨年度といたしましては、基準内賃金の一%アップというようなことで漸次改善がなされてきておると考えております。また一方、事業費の支弁にかかるところの常用作業員以下につきましては、定員内職員ベースアップに伴いまして、それとの均衡において、たとえば三十二年度裁定におきましては、常用作業員については、常勤作業員平仄を合せる。あるいはまた臨時作業員につきましては、当時のPWのアップ率等を参考にいたしまして〇・八六の増を、引き上げを行ったというような実情がございます。また三十三年度におきましては、今申し上げました定員内職員の一%のアップに伴うところの、それに平仄を合せた改善がなされておることを申し上げておきます。
  12. 小柳勇

    小柳勇君 最近の実情についてはわかりましたが、きょうかあす仲裁裁定が出るようになっておりますけれども、全林野の方は入ってないようです。その後二年間に、今おっしゃったような是正がなされたものと私承わっておきますが、さっきの予備費流用する場合、あるいは閣議にかけます前に、大蔵省などにいろいろ交渉をなされたと思うのですけれども大蔵省などで特別の抵抗を感ずることはないですか。林野庁なり、各こういう現業官庁が、裁定が出た、そいつを閣議へ出してくれぬか、大蔵省に聞く場合に、お前のところで何か事業費流用してやっておけと、こういうことで、大蔵省で何か特に出してやらない、無理して林野庁の方で捻出したというようなことではないのですか。
  13. 田中重五

    説明員田中重五君) 今御質問の点につきましては、私どもといたしまして、予算折衝過程におきまして、常に大蔵省理解を深め、その認識を新たにしてもらうような努力を重ねて参っております。で、大蔵省といたしましても、そういうような林野庁折衝の態度については、十分な理解を持っておると考えられます。
  14. 小柳勇

    小柳勇君 先日から聞きますと、この林野庁予算というものは、非常に幅がありましてやり方によっては自由に動かせるような印象を受けたわけです。しかしまあ、今一生懸命苦労されて、新年度予算も成立するところでございますが、新たにこれからの職員給与の問題もございましょうから、そういう問題については、一つ積極的に善処してもらうとともに、裁定が出ました場合に、自分のところのそういう人件費などのしわ寄せによって裁定がまかなわれていきますと、タコが自分の足を食べるのと同じでございまして、どこかでやはり無理していきますので、そういうことを私は懸念いたしましたためにこのような質問をいたしました。説明わかりましたから、林野庁に対する質問は終ります。  大蔵省質問いたしまするが、きょうかあす裁定公社なり現業官庁について出ようといたしておりまするが、出ました場合に、これは大臣でなくてはわからぬかもしれませんが、方針としてはどのような方針をもって裁定費用を捻出されようとするのか、お聞かせおき願いたいと思います。
  15. 中尾博之

    説明員中尾博之君) 裁定があした午後あたり出るということは承わっております。おりまするが、これは実は大蔵省と申しますが、もちろんこれは予算関係のあるごとでございまするが、その予算の前に、その裁定政府としてどういうふうに受け取るかという問題は、政府全体の問題でございまするので、まだ本日大蔵省としてどうかということを申し上げると、かえって差しさわりがあろうかと思いますので、御了承を願いたいと思います。
  16. 小柳勇

    小柳勇君 課長さんで、無理もないことと思いますが、今私の質問でお聞きの通りでございまして、ちょうどこの予算編成期です。で、これが三月中に、予算編成する前に裁定が出まして、これを閣議にはかりまして、たとえば補正予算を組めとか、すぐ手続がとれますと、それは各省とも心配なく予算を取って参りまするが、しばらくたちまして、もう補正予算は間に合わないということになりますと、各省庁自分のところの予算で動かしながらやっていく、そうすると、また来年なり、決算の前にそのような費用をどうするかという問題が起ってくる。われわれとしては、この予算予算として、これからプラス・アルファされる方向裁定予算がきまって参りませんと、各省公社とも、なるべくその裁定は出せない方向に念願するわけです。そのような無理なことでは勤労意欲も落ちますし、また各監督官庁監督者としてもなかなか困ろうと思いますので、大蔵省当局は私の言わんとする点を考慮されて、なるべく早い機会に裁定が完全に実施されて、新たな生産に資することを希望いたしまして、質問を終ります。
  17. 相澤重明

    相澤重明君 今の小柳委員質問裁定実施については、これはやはり大蔵政務次官なり、大臣に出てもらわなくちゃならぬ。そこで一応確認をしてからこの問題はやっていくようにしたいと思います。
  18. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) ちょっと申し上げますが、政務次官はすぐ参りますから。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  19. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 速記を始めて。
  20. 小柳勇

    小柳勇君 それじゃ、防衛庁のこの前の債務負担行為の中で、駆潜艇きじ」の破損の問題について、質問の途中で保留いたしましたので、この前に次いで質問いたしますが、いま一回駆潜艇きじ」が座礁いたしましたときのいきさつについて御説明願いたいと思います。
  21. 山下武利

    政府委員山下武利君) 前回説明いたしましたところと若干重複いたすかもしれませんが、重ねてやや詳細に御説明を申し上げたいと存じます。  「きじ」の事故の起りましたのは、昭和三十二年の十二月十八日でありまして、場所は下関基地隊吉見港でございます。吉見港にこの「きじ」という船が、同型艦の「たか」という——これは両方とも駆潜艇でございますが、係留いたしておりましたときに、あらしのために係留のブイがそれをつないでおりますところの主鎖から離脱いたしましたために、船が漂流をいたしまして、そうして風によって陸岸の方に押し流されまして、防波堤の外側に押し上げられたものでございます。で、この事故の直接の原因になりましたのは、その前年であります昭和三十一年の六月に施工しておりましたところの係留ブイの主鎖とそのブイの鉄架とをつないでおりますところのピンが、その当日の強風と激浪のために、このピンが頭部側から抜けまして、主鎖がブイから離脱した、こういうような状況でございます。で、当時その駆潜艇の司令と艇長は、一応寒冷前線が近づくということに対していろいろな情報を得ておったようであります。万一の事態に備えて相当の警戒をいたしておったのでございます。警戒の状況をごくかいつまんで申し上げますと、あとの調査によりまして、実はブイが漂流を始めた時刻は、前回もちょっと申し上げましたが、午前零時四十五分前後ではなかろうかというふうに推察をされております。これは当時、その吉見港のポンドの中に同じ自衛隊の「よしきり」という、これは掃海艇でありますが、これが横づけになっておりまして、その艇長がたまたまどうも「きじ」が漂流しておるらしいということを認めたという記録があるのでありますが、それがどうも零時四十五分ごろであったようだということがあとの調査でわかっておりますので、それから推察をいたしまして、大体そのころあたりだったろうと思われます。そこで、その事故は、要するに防波堤に乗り上げたことによって起ったのでございますが、その乗り上げた時刻は一時ごろでありますので、その間が大体十五分前後であろうかと思われます。で、その十五分間の事態でありますが、当時寒冷前線の接近ということが予想されましたので、船の方では相当の準備をいたしておりました。たとえば二十二時五十分には総員が起床いたして、艦内の警戒閉鎖等に当っております。同時に荒天部署につけとの下令をいたしております。三時二十二分ころには総員が集合いたしまして、注意事項等を当直士官から達示いたしております。当時この直接警戒に任じておったのは当直士官と、その下におりますところの当直海曹及び当番の二十と、この三名でありました。当直の海曹と当番とは一時間交代を命令されておりました。また機関部の方におきましては、機関員は三名が当直をいたしておりました。これは三交代の発令になっておりまして、十二ノット十五分単位、つまり十五分のうちに十二ノットのスピードが出せるような準備を常に機関部としてとっておくということでありますが、そういうような指令を受けておったような状況でありました。ところが当日は非常に風が激しくて、雨が降っておったために目標を認めることが非常に困難な状況にありました。たまたまブイが流れるといったようなことは、当時予想しがたかったような事情がありましたために、船が陸岸に押し流されているということが、当直の者にも不幸にして気づき得なかっような状態にあったと思われます。たまたま機関長が手洗に行って、ついでに艦橋の方に上って参りました。これが零時五十五分ごろと後の調査で認められております。そこでしばらく陸岸の様子を見ていましたところが、どうも非常に陸に近寄っているらしいということで驚きまして、すぐに当番の者に艇長に知らせるようにということを命令いたしますと同時に、機関部の方に対して機械の発動を命令をいたしました。ほとんどそれと同時くらい、ちょうど一時くらいであったと思われますが、艇長が自室でもって待機しておったのでありますが、異様なショックを感じました。そのときはすでに陸岸のそばにありますところの防波堤の捨て石がありますが、それに船が一部接触をしたと思われるのでございますが、ショックに艇長は驚きまして、すぐに艦橋の方に上って参りました。そしてプロペラを回せということを指令いたしたのでありますが、そのときはすでにプロペラは海底につかえて回らなかったという実情にありまして、そのまま船は風に押されまして、防波堤の横に押し流された、こういったような実情でありました。  で、本件はこの前にも申し上げましたように、いろいろその後に調査をいたしましたのでありますが、いろいろな実情からみて、ほとんど大半不可抗力と認められるものもあるのでございますが、なお、まだ関係者の完璧な措置があったならば、あるいはこういうふうな大事に至らなかったのではないかと思われる節もあるのでございまして、その点についてきわめて防衛庁としては遺憾に存じておるような次第でございます。
  22. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) ちょっと申し上げておきますが、防衛庁長官はかぜを引かれまして発熱して、きょうお休みでございますので、防衛政務次官の辻寛一君に御出席を願っております。それから大蔵政務次官は、今農林水産へ一時行っておられますが、間もなく帰ってこられます。それから郵政大臣は後刻出席される予定でございます。以上申し上げておきます。
  23. 小柳勇

    小柳勇君 「たか」と「よしきり」が周辺にいたように発言されましたが、そうなんですか。
  24. 山下武利

    政府委員山下武利君) その通りでございまして、「たか」はナンバー・ワンの第一ブイに係留されておりました。
  25. 小柳勇

    小柳勇君 この前言いましたブイの方の調査はなされましたか。
  26. 山下武利

    政府委員山下武利君) 吉見港におけるブイの状況でございますが、吉見港には元海軍時代のブイが十四個ばかりあったのでございますが、昭和二十四年度にこれを揚げてみましたところが、相当に古くなっておって使いものにならないものが多かったのでありまして、そのうちで良好なもの三個だけを設置いたしておったのでございます。その後三十一年の六月に至りまして、さらにそれを揚げて調べましたところが、その中に一部いたんでおるところがありましたので、それの改修をいたしてさらに設置をいたしたというふうな実情にあります。そのときに、問題になりますところの例の鉄架でありますが、それが三つ必要なところが、下関基地隊におきましては、旧海軍時代に使っておって十分に使いものになるところの手持品が二個しかなかったのでございまして、それを第一ブイと第三ブイとに設置をいたしました。問題になりますこの第二ブイにつきましては、手持品がなかったためにいろいろと市中品を探してみたのでありますが、それも手に入らないといったような事情にありましたので、当時下関にありますところの運輸省の第四港湾建設局の手持ちしておりましたところの起重機船に使っておるところの鉄架、これを使えば十分に用をなすというふうに当時判断をいたしたのでございます。これが後に調査報告会でも若干問題になったのでございますが、この鉄架は海軍時代のあとの二つに比べまして、初めの海軍時代のものの方は四十二ミリの幅を持っておるのに対しまして三十八ミリの幅しかないということでありまして、ことにこの用途が起重機船に使います関係から若干違っておるのでございますが、しかし、これも十分に吉見港においては使いものになるということを当時の主任者が判断をいたしまして、ただその鉄架のピンが若干長くよそにはみ出ておったので、それがブイの外側を傷つけるということをおそれまして、それをある程度の長さを残して切断をして、そうして切ったところをガス熔接をしたというふうな工事をいたしております。外見は非常にこれでもって規格にも適合しておるようにも見えますし、またそれでもって計算上は大体十八トンぐらいの力が出るということで、他の二つのものに比較して遜色ないということを当時判断をいたしまして、それを入れておった。ところがガス熔接をしたこと自身が、かえって横の方向の運動に対して弱い状態になったのではないかということをあとから指摘されたような実情でございます。ブイの設置に至りました実情は以上のようなものであります。
  27. 小柳勇

    小柳勇君 当時乗員四十名でしたけれども、そのときの負傷者などはどのような情勢ですか。
  28. 山下武利

    政府委員山下武利君) 幸いのことに負傷者は一名もございません。
  29. 小柳勇

    小柳勇君 そうすると、その事件発生のときの責任者というのは艇長ですか。
  30. 山下武利

    政府委員山下武利君) その当時の責任者として後日処分を受けました者は、第一駆潜隊司令、それから「きじ」の艇長、「きじ」の当番士官、「きじ」の当直海曹、下関基地隊司令及び下関基地隊本部造修課長、以上の六名でございます。
  31. 小柳勇

    小柳勇君 その処分というものは、今の発言によりますと、ブイの熔接が計算上はよかったのだけれども、その熔接が弱かったというような発言でございますけれども、その調査委員会としてはこの原因はブイのチェーンの熔接が弱かったということで結論を出しておられるのですか。
  32. 山下武利

    政府委員山下武利君) 今申しました中で、下関基地隊司令及び下関基地隊本部の造修課長は、ブイの設置に関して十分な注意が足りなかったということで処分を受けております。
  33. 小柳勇

    小柳勇君 私はここに気象庁の当時の風速などの注意警報などを調査しております。それによりますと、気象庁から下関における警戒警報が出ておる。強風注意報が出ておるわけです。突風が来るかもわからぬ、このような注意警報が出ておったのであるが、このような警報が出ておって、なお吉見港に、ブイに係留しておるということについては、調査委員会としてはどのような判定をされておるか。
  34. 山下武利

    政府委員山下武利君) 当時の艇長はその当日の気象状況につきまして、今お話のありました下関地方気象台の強風注意報、これは十五時五十分発表のものでございますが、それも十分に承知いたしておったわけでございます。調査委員会といたしましては、当時はこの程度の風であればブイに係留しておくということについて別に責任を追及したことはございません。
  35. 小柳勇

    小柳勇君 そうしますと、突風注意報が出ても、吉見港のブイに係留をしておくことについては、今の海上自衛隊においては許せると、こういう判定ですか。
  36. 山下武利

    政府委員山下武利君) この程度の風であればブイに係留しておくことについて別に危険はないと判断したわけでございます。
  37. 小柳勇

    小柳勇君 あとの修理の問題ですが、初めの予定よりも予算が増額いたしまして、しかも予定よりも修理期間が延長しておりますが、この点について説明しておいてもらいたい。
  38. 山下武利

    政府委員山下武利君) 予算は、三十三年三月七日に国庫債務負担行為額として閣議決定で一億五千万をいただきまして、翌三月八日に一億四千七百五十万円で契約を締結いたしました。四月一日に至りまして、追加契約として二千九百五十万円を契約をいたしました。合計が一億七千七百万円と相なった次第でございます。この復旧費につきましては、当時一億五千万を若干こえるであろうということが判明しておったのでございますが、大蔵省と協議の結果、当時は三十二年度の海上自衛隊の成立予算の中から捻出しなければ他に財源がないということでございまして、極力器材費を節約したり、あるいは繰り延べたりすることによって出し得るところの財源を一億五千万程度であろうということに見通しが立ちましたので、その準備をいたしておったのでございます。その後にいろいろ検討を加えました結果、復旧工事の性質上、この予算総則第八条の災害復旧等の国庫債務負担行為使用すべきであるという結論に達しましたので、これで大蔵省の承認を得たのであります。前に一億五千万の範囲内で契約するということに準備を進めておりましたために、その調達準備が間に合わずに、とりあえず一億五千万ということの範囲で契約をいたしまして、その残りの工事は、新年度つまり三十三年度の歳出予算の節約でもって契約をする、こういうことに相なったわけでございまして、結局全体の契約が一億七千七百万円ということに相なったわけでございます。  それからあとのお尋ねの、契約の終期が延びたことでございますが、これは、当時はエンジンのクランク・シャフトはそのまま使えるということに考えておったのでございますが、修理をして参ります段階におきまして、それを取りかえなければならないということになった関係から若干工事が延びまして、約七ヵ月ばかり工期を延期せざるを得ないということに相なった次第でございます。
  39. 小柳勇

    小柳勇君 新造船で半年ばかり後に座礁で破損してあと修理に入っておって一年半休んでおるわけです。初め見積りするときも、相当専門屋が見ているのでしょうが、今おっしゃった、たとえばクランク・シャフトの曲りなどについても、技術屋が見ればわかるのですが、それが具体的な竣工期日についても相当延伸があったというのは、何かはかに理由があるような気がするのですが、どうなんですか。
  40. 山下武利

    政府委員山下武利君) それは新造船を作りますときの見積りと違いまして、非常に異様な状態でもって座礁をし、破損をいたしておる船の修理のことでありますから、最初に全体の見積りを立てるということはなかなかむずかしい次第でございます。実は、座礁いたしましてから、応急の復旧にかかりますまでの間に風浪等にゆられまして、意外に船底等が不規則にいたんでおった関係から、武器だとかあるいはエンジンだとかいうところに相当な浸水をいたしまして、初め予想したよりは相当大きな損害だったというようなことがあったわけでございます。会社の方といたしましても、これは、この船を作りました飯野造船が実際はこの修理にも当っておるわけでございますが、なかなかこまかいところまでは見えなかった事態があるのではないかということを想像いたしております。
  41. 小柳勇

    小柳勇君 結論的に、処分のことでございますが、ずっと話を聞いておりますと、直接の責任というよりも不可抗力であった、で、直接の原因はブイが切れたのだと、こういうことで、自衛官その他相当の処分を出しておられるが、この責任の所在は、なお私としてははっきりしないようにも思うのですが、調査委員会としては、最後の結論ということでやっておられるのであるかどうか。  それから、なお事故調査委員会のおもなる記録でもございましたら、これはきょうでなくてもいいですから、お出し願いたいと思います。
  42. 山下武利

    政府委員山下武利君) 処分の理由でございますが、先ほど申しました六名に対しましては、要するに船の管理保全あるいは操艦が十分でなかったという側の責任と、それからブイの係留について注意が十分でなかったということの両方の理由から、おのおの処分が行われているわけでございます。本件は非常に微妙な関係がございまして、当時としてはあるいはやむを得なかったと思われる面も多いわけでございますが、何分にも海上自衛隊始まって以来という大きな事故でございました関係から、そういうことの責任と将来を戒しめるという意味からいたしまして、こういうような処分になったというように聞いております。
  43. 天坊裕彦

    ○天坊裕彦君 ちょっと今の問題に関連して……。あるいは話が途中に出たのかもしれないのですが、私聞いておらなかったのですが、こうした艦艇の海難事故に対する調査委員会というものは、どういう機構でどういう顔ぶれでできているか、ちょっと教えていただきたい。
  44. 山下武利

    政府委員山下武利君) 本件の事故、調査委員会の構成は、三十二年六月二十七日に設けられたのでございますが、委員長は海上幕僚監部の幕僚副長、委員といたしましては、同じく海幕の防衛部長、技術部長、防備課長、管理課長、艦船課長、及び武器課、防衛課、訓練課、防備課の課員、それから司令部の地方総監部の防衛部長、実科学校の教官、以上の人々でございます。
  45. 天坊裕彦

    ○天坊裕彦君 まあ問題は、この結果の重大さその他で機構も変るのだろうと思うのですけれども、今伺ったところでは、部内の方ばかりだということになる。これは問題によっては防衛庁の最高責任者の責任問題も起る場合もないとは言えない場合も出てくると思うのだけれども、何か専門家みたいなものを入れたような機構も考えなければならぬのじゃないかと思うのですが、そういうふうなことを研究なさる必要はないですか。
  46. 辻寛一

    政府委員(辻寛一君) お説ごもっともでございますので、やはりそういう第三者的の専門家を選ぶ必要もあるいはあろうかと思いますが、まあ再びあってはならぬことでございますが、十分そういう点も考慮に入れまして、どこからみていただきましても、これは不可抗力であったか、あるいはそれに対する検討が足りなかったということが、十分第三者に納得ができるような方法でやって参りたいと思っております。
  47. 小柳勇

    小柳勇君 防衛次官が見えたようでありますから、質問しておきます。私は担当官に今ずっと質問して来ましたが、チェーンが切れまして六百メートルばかりゆられて行った。そその間に波がひどかったために目的の灯が見えない、目標がさだかでないのでついに突風にぶち当った、このような報告を受けました。当時士官と下士官と兵の三人当直に立っておって、それが見張りをしておったにもかかわらず、チェーンが切れる、その切れる衝動というものが私はあったように思うわけですよ。突風が来てチェーンが切れた、チェーンが抵抗しておりますからね。それからチェーンが切れてふっと移動するならば、私は士官が立っておるならば、それは振動で感ずると思う。私もそういうような船の経験があるから思うが、それをはっと思って、なお六百メートルゆられておって間に合わなかった。このようなところにおいて、海上自衛隊の士気を私は云々しなければならぬじゃないかと思うわけです。その点について一つ次官お聞きになったことがあれば、聞かしておいてもらいたいと思います。
  48. 辻寛一

    政府委員(辻寛一君) その事故の発生につきまして、これを発見いたしましたことがおそかったということにつきましては、確かに手落ちがございましたのでございますが、なおその振動等につきましては、全然感じなかったというお話でございますが、しかしそういうような、やはりただ部内だけの調査委員会でありますと、そういう場合御疑問なんかも出るかと思いますけれども、今天坊委員から御発言のありましたような方法によって、今後委員会ども作って参りたいと思っておりますが、そういうことのないように念願して、この事故を貴重な体験といたしまして、再び不祥事故を起さないように心がけるつもりでおります。
  49. 小柳勇

    小柳勇君 それからもう一つは、修理工事がこれは予算の都合で追加はやむを得なかったとしても、修理の期間も初めの予定よりも延長しておる。しかも、一年半も訓練を休んでおるわけですが、その点についても工場、修理ドックの方とのいろいろのいきさつの話し合いもありしょうが、次官の知っておられる範囲内を一つお話しして下さい。
  50. 辻寛一

    政府委員(辻寛一君) 詳しく一つ政府委員からお答えいたさせます。私一向に存じませんので。
  51. 小柳勇

    小柳勇君 政府委員説明は聞きましたから、これは大きな一つの政治的な政務次官努力に待つところが大きいから、政府委員と御相談なすって、こういうものをなるべく早く訓練させるように希望いたします。  次に大蔵次官に質問いたします。さっき林野庁予備費使用の状況を質問いたしました中で、林野庁裁定実施するために、昭和三十二年の三月に裁定が出まして、予算が十八億要った。ところがその中でずっと一年間の間やり繰りやり繰りしてやって参りまして、ついに一年間最後の決算のときに、三月の年度末に予備費をどうしてもとらないので二億七千万使ってある。いろいろ質問いたしましたので、内容はよくわかりましたが、十八億裁定の分の予算が必要である。これが年度当初に出たわけですね。であればその一年間はこれはどういうふうな仕事をやるかという、ちゃんと計画を持って予算を組まれたのだから、その林野庁予算に手をかけないで、別途予備費使用というものを、あるいは補正予算というものを、当然閣議としては決定して、林野庁は今まで通り仕事をやれ、この裁定が出たら人件費については予備費使用させようということでやらなければ、今後とも各公社各省裁定については非常に各省とも困る。そのようなことがあったのであるが、今度きょうかあす裁定が出来ますが、このような裁定が出た場合、政務次官はどのような方針でこの裁定を消化しようとされるか、お聞きしておきたいと思います。
  52. 佐野廣

    政府委員(佐野廣君) 大蔵省といたしましては、できるだけ既定予算によってやっていただくようにお願いをいたしたいことは申すまでもございません。が、しかしいろいろの事情もあるでしょう。しかし予備費の問題につきましては、昨年八十億、追加いたしまして九十億になりましたが、ちょっと私途中中座いたしまして、御質疑の内容を少し漏らしておるのじゃないかと思いますので、ちょっと一つ政府委員から……。
  53. 小柳勇

    小柳勇君 もう少し詳しく言いますが、これは数字は政務次官、なかなか大へんでございますからいいですから、方針だけ私きょう聞いておきたいと思って、質問をいたしたわけですが、裁定があした出ますね。その中で各公社なり各省現業職員給与ベースアップを幾らかやれ、そのためには概算費用が幾ら要るということがわかります。この間労働大臣裁定については完全に実施するようにこれを尊重して努力しますという発言をしておるわけです。そうしますと、閣議で当然裁定実施しようとすることがきまりますね。きまりますけれども、あと予算については各省で一つ自分のところでまかなえということになりますと、各省庁とも困るわけですね。ちょうど今は年度当初でしょう、ちゃんとやる仕事を計画して予算を組んでおる。これに裁定が出てくる。今度はこの裁定についてどうするかということで、せっかく予算は組んだけれども、今度はまた工事費を削るとか、あるいは林野庁では材木を買わぬとか、部内で操作しますと、せっかく仕事をやろうと思っておりましても、その裁定が出たために仕事ができない。そうすると各省とも困るわけです。そうしますと、人件費は若干プラスになりますね、職員は喜びますけれども、そのために事業ができないというと、これは国としての政治的に非常に大きな問題であるので、そういうような裁定が出た場合は、その工事費を削るとか何とかでなくて、予備費がたとえば何十億、何百億あるならば、それでいくとか、あるいは補正予算を組むとかして、なるべく全体的に閣議で一つ大きな立場できめてやって、部内操作でこそこそやらないような方針をとってもらわぬと困るわけです。そういうものについての方針を一つ次官から聞いておきたい。
  54. 佐野廣

    政府委員(佐野廣君) この仲裁裁定を尊重しなくてはいけないということにつきましては、これは申すまでもございません。従来におきましても、いろいろ御議論はございましょうが、政府といたしましては、これで御満足いかない点もあったかと思いますけれども、この態度におきましては変りはないわけでございます。従いまして明日のことにつきましての御質問でございますけれども、これにつきましては、まあ今労働大臣が答弁申し上げたという御発言でございますけれども、この中身につきまして、まだ今日私ども承知をいたしておりません。が、しかしながら公企労法の三十五条でございますか、この規定に述べております通り政府といたしましては、「当該裁定実施されるように、できる限り努力しなければならない。」ということに相なっておりますこと、これを十分尊重いたしまして御趣旨に沿うようにいたしますが、今の予備費の云々というふうなことにつきまして、まだ話が出ておるわけではございません。しかし仰せのように既定の事業等を圧縮するとか、そういうふうなことのないように処置をできるだけいたしたい。かようには考えますが、まだその裁定の内容その他につきまして、どの程度のものかということがわかりませんので、資金上の措置ということにつきましても、まだ的確なるお答えのできない段階でございますので、御趣旨は十分尊重いたすことを御答弁申し上げておきたいと存じます。
  55. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 速記をとめて。    午後二時五十八分速記中止    —————・—————    午後三時二十一分速記開始
  56. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 速記を始めて。  これより討論に入ります。御意見のおありの方は、予備費を承諾するやいなやについて明確にされた上御発言を願います。  他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十二年度特別会計予備使用調書(その2)、昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基く使用調書昭和三十二年度特別会計予算総則第十四条に基く使用調書昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その一)、昭和三十三年度特別会計予備費使用調書(その一)、以上六件を問題に供します。昭和三十二年一般会計予備費使用調書(その2)外五件は承諾を与うべきものと議決することに御賛成の方の挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  57. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 全会一致と認めます。よって昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件は、いずれも全会一致をもって承諾を与うべきものと議決されました。   —————————————
  58. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 次に、昭和三十二年度一般会計国庫債務負担行為調書を問題にいたします。  本件について異議がないと議決することに御賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  59. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 全会一致と認めます。よって全会一致をもって異議ないものと議決されました。  なお、ただいまの案件に関し、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議、ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。   —————————————
  61. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十二年度政府関係機関決算書並びに昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書を議題にいたします。防衛庁の部の御審議をお願いいたします。
  62. 森中守義

    ○森中守義君 前回防衛庁に対しまして、防衛通信のことにつき二、三お尋ねいたしましたが、単にこれは防衛庁関係のみにとどまりませんので、前回質問を保留して、本日郵政大臣及び公社総裁の出席を求めたのでありますが、防衛庁以外の郵政及び電電公社前回の模様を御存じなかろうと思いますので、前回私か質問をいたしました主たる要点について御参考までに申し上げておきます。  それは、現行の自衛隊法の百四条及び百一条並びに七十六条、この三つの自衛隊法に関係をいたしまして、公衆電気通信が防衛庁に対してどういったような態勢をとっておいでになるのか、これを中心に私は前回お尋ねをいたしております。しかもその究極に述べんとするものは、およそ日本電信電話公社は、公衆電気通信法を中心にして事業を経営する形態である。従って防衛庁に、自衛隊に対する協力態勢に一つの限界点が必ずなければならぬ。いやしくも公衆電気通信の範疇を逸脱をして、いたずらに軍事通信に公衆電気通信が利用されるということになるならば、明らかにわが国の通信政策に大きな汚点を残すというのが私の一つの所論であります。このことを中心にいたしまして、現在の実情をつまびらかに承わらんとしたのでありますが、冒頭に申し上げましたように、関係各位の臨席をその日求めておりませんでした。本日再び重復するような内容になるかわかりませんが、二、三お尋ねをしようと思うのであります。  そこで、ただいま申し上げました自衛隊法百四条及び百一条、七十六条、この三つの条項に対しまして防衛庁のお考え、さらに電電公社の御所見及びこういう事態の仲介的といいましようか、許認可の焦点に立つ郵政大臣の御所見をまず最初に承わっておきたいと思います。
  63. 寺尾豊

    ○国務大臣(寺尾豊君) 今の御質問は、防衛庁それから電電公社、それから私の所見、かように御質問があったようでございますから、その順序がよかろうと、私はかように存じております。
  64. 辻寛一

    政府委員(辻寛一君) ただいま御指摘のありました第百一条は、自衛隊と電電公社のみならず、他の諸官庁との密接な連絡で、いわゆる精神的の面を強調しておる条文でございまして、さらに第百四条は、防衛出動の場合を規定いたしておるわけでございます。これにつきましては、まだ一度もこの条文によりまして発動要請をいたしたことはございません。協力方をお願いいたしたことはございません。
  65. 大橋八郎

    説明員(大橋八郎君) ただいまの御質疑の電電公社関係の問題といたしましては、自衛隊法の第百四条の関係かと存じますが、ところで自衛隊法の百四条におきましては、今日までまだ一度も実際に適用されたことはありませんのですが、しかし本条の適用される場合は、自衛隊が出動するような、いわば非常な非常事態というべき場合に相当いたします。この場合には、ある程度一般公衆通信に影響を与えるということも、やむを得ない場合も生じようかと思います。しかしながらこれが適用に当りましては、その事態等、公衆通信に与える影響等を十分考慮いたしまして、できるだけ公衆通信に支障のないように計らいたいと存じております。
  66. 寺尾豊

    ○国務大臣(寺尾豊君) ただいま防衛庁次官並びに電電公社総裁がお答え申し上げましたように、この問題につきましては、有線電気通信法、公衆電気通信法、こういう法律がございますから、そのワクの範囲内において、私といたしましては、防衛庁の要請なり電電公社のこれに対する対処方というものを律していくべきである、特に公衆電気通信、いわゆる公衆の通信に支障が起るというようなことは、極力これを避けるべきである、こういう考え方で、主としてこの二つの法律に基いて、そのワクの範疇において、できるだけ防衛庁の要望に沿っていくべきだ、かように考えておる次第であります。
  67. 森中守義

    ○森中守義君 関連三条の概念的な解釈については、今郵政大臣及び防衛政務次官あるいは公社総裁の御答弁の通りであろうと思います。そこで今防衛庁が具体的に、要するに通信機関をどういったように利用されておるのか、その利用が百四条あるいは七十六条、これにややもすると抵触をするようなところまで深みに入り込んではいないか、こういう疑いを私は持ちます。ただし百一条は、先刻防衛政務次官が言われたように、一種の精神規定である、これは常時気持の上に存在することでしょうから、この条項をあえて私は指摘しようとは思いません。しかし概念的な関連三条の拡大解釈が具体的に現在の防衛通信の状態の中に、もしも存在をするとするならば、これはわが国の通信政策上、一大ゆゆしい事件と言わなければなりません。こういったように私は考えるのです。従いまして、防衛庁が今お持ちになっている通信機関の利用の状態及び通信計画についての見解、こういうものを防衛庁当局から最初に承わっておきたいと思います。
  68. 辻寛一

    政府委員(辻寛一君) 装備局長からお答えをいたします。
  69. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) ただいま御指摘の自衛隊法七十六条一項はいわゆる防衛出動の規定でございまして、外部からの武力攻撃あるいはそのおそれある場合に、わが国を防衛する必要があると認めるときは国会の承認を得て、自衛隊の全部または一部の出動を命ずることができるという規定でございまして、いわゆる非常の事態を予想した規定でございます。百四条はそれを受けました規定でございまして、百四条には、たとえば公衆電気通信設備を優先的に使用することについて措置を求めるというような規定になっておりますが、それはそういう非常の事態を考えた場合の規定でございまして、現在自衛隊を整備し、運行して参ります際には、もちろんこういう規定を土台にして考えるというようなことは絶対にないわけでございます。現在いろいろ公社施設等を利用さしていただいておりますのは、防衛庁としては普通の需用者としていろいろ協力をお願いし、申し込みをし、また公社の方面におかれましても、そのワク内でいろいろ扱いをされているというような実情でございまして、七十六条、百四条の規定は全然普通の運用では考えておらないのであります。
  70. 森中守義

    ○森中守義君 それでは、今装備局長が言われた電電公社施設を利用されているこういうお話でありますが、その種類別、つまり極超短波、それから超短波、さらに有線の内容について御説明を願います。どういう種別を利用されているか、そうしてまた将来、防衛通信上不足としてどの程度のものをさらに必要とされるのか、具体的に述べていただきたいと思います。これは今日国会の防衛論争が非常に熾烈をきわめておりますが、核兵器と同じように、わが国の防衛上通信というのは一種のその動脈をなすと思う。従って相当防衛当局においては通信網の整備、拡充強化、これに力点をおかなければならないというのは、防衛上の一つの常識的な概念だと思います。その通信計画についてお答えいただきたいと思います。
  71. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 現在自衛隊が専用しております回線は陸、海、空三自衛隊を通じまして、電話回線で二百二十七、電信回線で四十ございます。それから無線の設備を一部借りております。無線の関係防衛庁自体でやっておるものも相当ございますが、一部借りておりまして、検見川の送信所、焼山の送信所、大形の送信所、そこにそれぞれ送信機を借りまして利用しております。それから幹線の関係でマイクロウエーブを札幌から現在熊本まで十二チャンネル、そのうち東京—福岡の間は二十四チャンネル、これを考えておりまして運用いたしております。今後の問題といたしましては、大ざっぱに申しまして陸上自衛隊関係はそうあまりふえないと思います。海上もそうふえないと思いますが、航空の関係等につきましては、もうちょっと増強整備の関係でそれに伴いまして少しお願いするようなことになりやしないか。これもそう従来の傾向と比べて急に多くふえるというような状況ではないと思います。
  72. 森中守義

    ○森中守義君 今の極超短波の内容はちょっと数字的に問題があるようです。ただし検見川、あるいは焼山ですか、この問題は合っている。ただし有線については相当違っておりますよ。私が調査したのでは、有線は二百四十一回線、このほかに市内回線二十六、従って合計二百六十七回線を有線の場合には防衛庁は専用しておる。それと今の御説明からいくならば、陸上自衛隊はさほど大した専用回線は要らぬ、要るのは航空だということですが、航空関係はどのくらい必要とするのですか。それと同時に、このチャンネルは無制限に存在するのですか、制限があるのですか。御承知のように今テレビの時代に入ろうとしている、こういうテレビあるいは新聞社、こういうところも大いにこういうものを必要とする。のみならず一般公衆もまたマイクロウエーブによって大いに通信の恩恵を受けなければならない、そういうときに航空にどの程度必要とするのか、具体的に述べていただかなければなりませんが、要するに周波数に制限があるのかないのか。そしてまたそういう制限のある周波数を、航空に必要なためにむやみに電電公社要求をするおつもりであるか、その点もあわせてお答えをいただきたいと思います。
  73. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 私が先ほど申し上げました数字は、市外だけをとっております。市内の方はあちこちで各地で契約しております。その数字はのけております。  それから陸の方はそう大して何だがと申しましたのは、今後の問題、現在ありますのは、陸が大半でございます。半分程度陸でございますが、今後の問題としては、陸はもうそうふえない、ただ空の関係では多少ふえはしないかということでございます。今後の需要の見通しを今具体的に数字で言えと言われましても、実は防衛計画そのもの——来年度の防衛計画に伴いまして、それに応じて通信の需要をお願いするわけでございまして、三十四年度予算によって出ておりますが、具体的には今後の問題は防衛計画はどう立つかということによるわけでございます。しかもその防衛計画というのは、国防の基本方針といたしまして、国力、国情に応じて順次漸増するということになっておりまして、その第一次整備目標も御承知のような目標で、今大体三十五年度で大部分のものは終る、一部三十七年ということになっておりますが、それに基きます通信関係の需要というものは、そう急激にふえるものではないということを一般的に申し上げたという意味であります。
  74. 森中守義

    ○森中守義君 私はそういう御答弁は実は長官がお見えになりましてから、第二次防衛計画が三十七年に終りますね、その第二次防衛計画の内容について、もう少し多角的にいろいろお尋ねしたいと思いますから、ここで今装備局長のお答えに対して、さらに深入りをする必要はこの際はありません。ありませんが、国力に応じて漸次増強していくということでありますけれども、おそらく私は装備局長が御存じであるのか、あるいは知らないのか、どっちか知りませんよ。知らないけれども、今の自衛隊の各配置の状態、こういうものからして、戦前と戦後は通信の形態が極度に変っております。しかも核兵器とある意味においては同じような比重を占めるくらいに、今日の部隊の移動、あるいは編成、こういうものについては、通信というものは欠くことのできない重要性を持っている。そういうときに将来の見通しがないというとぼけた答弁は受けとれない。そういうずさんな計画ですか。防衛自体がいいか悪いかという論争はこれは別です。そのことになれば私はまた別な意見を持っておりますが、およそ防衛庁が防衛計画を進めていく中において、しかも年次的に一定の計画を持っている、そういう現在の時点に立って考えたときに、航空において何チャンネルほしい、陸上において幾らほしい、そういうような計画が自衛隊にないとは思わない。もしそれが事実であるとするならば、防衛庁の防衛の方針そのものに対して私は大きな疑問を抱かざるを得ない。もう少し正確に計画があるかないか、事実を事実として言ってもらいたい。それでなければこういう国民の通信が、ややもすると軍事通信に切りかえられるおそれがある。私はそういうことを憂えます。ないとは私は言わせない。必ずお持ちであろうと思う。なければ一体防衛庁の通信関係はどういう仕事をしているか、そう言われてもしょうがない。もう少し正確な将来の通信計画について答弁を承わらなければ承知できません。
  75. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 先ほども申し上げましたように、第一次の防衛整備計画は、大部分三十五年度、艦船、航空機等の関係では終末三十七年度ということで現在進行中でございます。これは最終の目標はきまっておりますが、各年度ごとの具体的な目標というものは、各年度ごと防衛庁で来年度の業務計画というものを七月ごろまでにきめまして、それに基いていろいろ予算等もはじきまして、それで具体化していくという関係になっておりまして、従って三十四年度予算では、三十四年度の業務計画に基くいろいろな細目が予算案には具体化されておりまして、通信関係ももちろん含んでおりますが、先ほどの話では、将来どうなるかというようなお話でございましたので、それ以後の問題は具体的に陸上自衛隊ではどうふやす、あるいは飛行機がふえて基地がどうなるということがきまりませんことには、具体的な数字というものはきまらぬわけでございまして、その趣旨を申し上げたわけでございます。全体の傾向といたしましては、陸上の方はもう大してあまりふえぬ。航空関係は例の警戒管制組織の施設一連の問題その他いろいろございますので、航空関係はある程度今後もふえるだろうということ以上に、具体的な数字的には今申し上げられるような具体的資料をわれわれも持ってないわけでございますそういう意味を申し上げたわけであります。
  76. 森中守義

    ○森中守義君 ただいまの答弁で、防衛庁の通信計画が諸般の情勢というようなことで、将来の見通しをお持ちでないようです。そのことについてははなはだもって防衛庁の通信計画はずさんをきわめている。一言にして私はそう言えると思います。ただいまの答弁を了承しておきましょう。従って、今の装備局長の答弁から参るならば、これ以上陸上関係においては通信の拡大はまずあり得ない、あるのは航空だ、その航空に対してどの程度の専用回線を必要とするかという問題が将来に残っておる、こういったように了承してよろしいのですね。
  77. 小山雄二

    政府委員(小山雄二君) 大体ざようでございます。
  78. 森中守義

    ○森中守義君 そうしますと、先刻のお三者のお答えからほぼ明らかになりましたが、要するに百四条、それに七十六条、この関連二条の関係については、現実的にはこういう事態は今具体的に取り行われてはいないということですか。
  79. 辻寛一

    政府委員(辻寛一君) その通りでございます。
  80. 森中守義

    ○森中守義君 これは、将来についても同様に、公衆電気通信を防衛通信に大いに利用するという御意思を現行法に照らして持たないというように受け取ってよろしいのですか。
  81. 辻寛一

    政府委員(辻寛一君) 万一防衛出動等のありましたときは、この条文によりまして協力方を要請いたすつもりでございます。
  82. 森中守義

    ○森中守義君 そんなことは聞いていない。今具体的に通信計画をする際に、この関連二条にうたわれているようなことはしないのか、こう聞いておるのです。なるほど防衛出動、あるいは自衛出動そういう場合にはこの二条が生きてくるわけだ。そのことがいいか悪いか、これはまた別問題であるが、この関連二条がそういう事態になったときには、政務次官の言われることを適合するのです。そうでなくて、今日のような事態にこういう状態がありはしないのか、あるいはそういう意思を持って通信計画をしやしないのか、こういうことを聞いておる。
  83. 辻寛一

    政府委員(辻寛一君) さようなことはございません。
  84. 森中守義

    ○森中守義君 ないということなので、ここに一つ具体的に問題を出しましょう。私はあると思う。それは、先刻装備局長から、有線の専用回線数及びマイクロの専用回線数、あるいはまた専用の施設の利用状況、こういうお話がありました。これはいろいろ質疑応答の中で、おのおの見解の相違という点も中には出てくるかもしれない。けれども私は、具体的にこの問題を考える場合に、どうしても百四条、七十六条のような事態が現実に行われておる、こういうふうに指摘せざるを得ない。それは、昭和三十年十一月十九日、電特営第九七〇、これによって、現在当委員会委員である増原恵吉君、当時の防衛庁次長及び当時の電電公社靱副総裁との間に協定が結ばれ、これが昭和三十二年三月二十七日電特営第二三三号ということで協定の更新が行われております。これが百四条、七十六条を具体的に立証する内容であるということを私は指摘したい。もちろん先刻の装備局長の答弁は、一般の公衆電気通信の需要者という立場から公社との間に協定を結んだというような意味にとれないことはない。しかし、事これが部隊の編成の問題や、部隊の移動の問題等に利用されるならば、これはたとえ公社とか防衛庁との協議の形はそうであったにしても、実体においては軍事通信と言わざるを得ない。ここのところは非常にむずかしいかみ分けの問題でしょうが、私はそう思う。そこで問題になりますのは、要するに十二通話路分としては、マイクロを専用しておるといいますが、これは公衆電気通信法の五十六条を受けて、電信電話営業規則の第三百五十一条のどの項に一体該当するのか、このことを公社の総裁から承わりたいと思います。
  85. 大橋八郎

    説明員(大橋八郎君) 法的根拠を示せというお話のようでございます。ただいま御指摘の周波数の帯域設備のうち、専用につきましては、これは専用サービスの中の無線専用に当るものであります。現在は、公衆電気通信法の第二条第三号、この規定で、「電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供すること。」、こういうふうに規定されておるのでありまして、「その他電気通信設備を他人の通信の用に供すること。」ということが通信専用サービスの根拠になっておるわけであります。この専用設備の提供につきましては、同じく公衆電気通信法の五十六条、この規定におきまして、かように規定しております。「公社又は会社は、前三章の規定による公衆電気通信役務の提供に支障がないとき、又はその提供に著しい支障がなく、且つ、公共の利益のため特に必要があるときは、公衆電気通信設備の専用の契約の申込を承諾しなければならない。」、かように規定しております。こういうような条件が具備した場合には、これを拒絶することができない、こういうことになっております。それからさらに、同じく法律の第五十九条には、「公社又は会社は、専用させることができる公衆電気通信設備の範囲内においては、専用契約の申込の全部を承諾することができないと認めるときは、郵政大臣の認可を受けて定める基準に従い、公共の利益のため必要な業務を行う者の専用契約の申込を優先的に承諾しなければならない。」、かように規定されておるわけであります。この規定によって優先取扱いの基準というものが作られておるわけであります。それからさらに、それに関連した条文として、同じ法律第六十条にはかように規定されております。「公社又は会社は、専用契約の申込があった場合において、専用させることができる公衆電気通信設備がないときは、申込をした者がその設置に必要な費用の全部若しくは一部を負担し、又は物件の全部若しくは一部を提供することを条件として、その申込を承諾することができる。」、かように規定をいたしております。そこで、これらの法律を受けまして、専用の種類が電信電話営業規則というものに規定をされております。その営業規則の第三百五十一条には、一は市内専用、二は市外専用、三は無線専用、テレビジョン中継用設備以外の無線設備の専用、第四がテレビジョン中継の専用、かように四つの種類に分けて規定されておるわけであります。
  86. 森中守義

    ○森中守義君 わかりました。そこでお尋ねしますが、電信電話規則の三百五十一条、専用の種類ですね、今総裁が指摘された三号の「無線専用、テレビジョン中継用設備以外の無線設備(無線設備に附属する有線連絡線を含む。)の専用」という工合の規定になっているのですね。この「テレビジョン中継用設備以外の無線設備」という、このことが果して周波数帯域を含むものかどうか。私の見解からいくならば、これは無線設備というのは、おそらく周波数帯域を含まない。何もかも全部防衛庁にまかせておるわけです。おそらくこの無線設備というものの中には含まれないのが正しいのではないか、帯域というのは。そこはどうですか。
  87. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) お答え申し上げます。この専用線の種類でございますが、今の現段階におきましては、ただいま申し上げたように市内専用、市外専用、並びに無線専用、それからテレビジョン中継専用というのがあります。実はこのテレビジョン中継専用も初めは無線専用の形態というふうに考えておりました。しかしその技術の分野をはっきりすること、かつまたサービスとしてあまねく普遍されたサービスになるということから、一つのやはりテレビジョン中継専用というサービスの種類にきめたわけであります。従って今日の段階におきまして、無線設備の中に一応は周波数帯域設備も入れておりますが、いずれはやはり今申し上げたように広く使用されるということになった場合、あるいは技術的にも一般の無線の設備と区分けした方が使用者にもまたよいし、あるいはサービス自体においてもよろしいという見解になれば分けるつもりでおりますが、現在は無線専用の範疇に大きく分ければ入っておるというような扱いになっております。
  88. 森中守義

    ○森中守義君 非常に広義に解釈をしたような苦しい弁解をされているようです。そういう広義の解釈にかければ、吉澤局長の言われる無線設備と言われる中に周波数帯域が入るかもしれません。しかしこれは厳密に技術的に専門的に検討していく場合には、私は周波数帯域は無線設備には入らない、これがこの三号の正しい解釈である、こう思う。それを保証するようにこの電信電話規則の付属料金表の第五類、専用に関する料金、この項に機器の種別、扱い上、内容上きわめて具体的に明示してある、一体どこにこの専用料金の中に周波数帯域という用語がありますか。専用としてこれを認めている付属料金表の中のどこにありますか。これはまた特殊な防衛庁との間に料金の定額制をおとりになっている、これも問題がある、年間の定額になっている。これも問題がありますが、おそらく吉澤局長はこの第三の無線専用、つまり「実費」という項をお示しになると思う。しかしこの無線専用の実費という以外にどこに周波数帯域を規定している電電公社の料金表がありますか。もしあるならばお目にかかりたい。ということはこの専用施設の三の無線設備ということは、これは周波数帯域を含まないという意味なんです。どうお考えですか。
  89. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 今の御指摘の御疑点がおありになるようでありますが、現在は専用の種類によりまして料金をおのおのきめております。現在は電気通信全般の料金といたしますと、法定にしておりますか、さもなくば認可によって料金をきめております。これは公社限りで料金はきめないことになっております。その料金の中に無線専用としてこれは実費ということで認可を得ております。その実費をどうとるかということは、これは正しい見解のもとに実費を基準としてやるということで料金の算定は公社にまかされております。そこでその次の問題は、今の周波数帯域が無線専用でないという問題に逢着するならば、なるほどおっしゃる通りでございますが、今の現行法におきまして、やはり無線専用の一内容であるというふうなことになっておりますがゆえに、法的にも、かつまた無線専用として実費という項を適用している次第でございます。  なお付言いたしますと、無線専用と申しますのは結局有線と違う、これはもう御存じの点でございますが、無線のこの設備を使いまして、それの設備そのものを専用する場合もございまするが、帰するところは周波数によってどういう周波数を使うかということが無線の基本になりますために、周波数の普通の場合でございましたら、音声周波によってやる場合もございましょうし、かつまた今日のマイクロの技術の進歩に伴いまして、一応のユニットとしますと、十二通話路の通信のバンドが一つのユニットであるという意味で、一周波数帯域というものが生まれてきているわけであります。
  90. 森中守義

    ○森中守義君 その次にですね、今吉澤局長の御答弁は非常に抽象的なんです。というのは第五類、これをずっとごらんになって下さい。非常にこまかに種分けをしておりますよ。たとえば第一には市内専用の料金、装置料、電信機械の料金、写真とか交換とか、非常にこまかになっているのに、周波数帯域というきわめて幅の広い、しかも今日の進歩したわが国の通信技術の大きなウエートを占めている周波数帯域がこの規定の中にないというのは、一体何を意味するか。電電公社はどういう経営をしているのですか。この規則の中になぜうたわない。結局うたっていないというのは、元来先刻指摘をした無線専用のあの設備の中に入らない。つまり常時だれにもこういうものを周波数帯域として専用せしむべきでないとしう見解に立つところに付属料金表にも出ていない、私はそう思う。もし吉澤局長の御所見をそのまま採用するとするならば、はなはだもってこの付属料金表というものは疑いがある。これはあなたが一番専門家で御存じの通り、マイクロというものは今日の進歩した通信技術の最先端を行っております。そういう先端を行く回線を専用させて、なぜ料金表に載せないのか。これは貸さないという建前であるから料金表に出ていない。これが私はこの規定のでき上った趣旨だろうと思う。それを貸しているじゃないですか。このくらいこまかに具体的に専用せしむるであろうものは積算の根拠を明らかにして、どういう場合には何百円、どういう場合には幾らというように電電公社の経営上の問題として明示されている第五類の専用料金に関する項目の中に周波数帯域をなぜ入れない、どうして入れておかない、これが問題なんです。
  91. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 御意見は全くその通りであります。実は周波数帯城の初めて起りました、先ほど来問題になっています防衛庁に初めてその例が開かれております。当時は、周波数帯域というものによって専用するというような事例が一つもございませんでした。防衛庁としましては、この周波数帯域によりまして多目的な利用をしたい。またその他経済的な意味もいろいろございました。そこで、周波数という初めての出し方ができたわけでございます。そこで、これは先刻も申し上げた通り、現行体系から見るというと、無線専用に入ることは事実でございまして、その中に分化するというところは、これからの改善の問題になるだろう。こういう御所見、私もそう思います。従って今後におきまして、防衛庁のみならず、この周波数の利用というものが相当ふえてくるだろうというように私ども考えております。従って、それに対処するためには、御指摘の通り、一つの周波数帯域専用、こういうものを設けまして、料金制度ともに完備していきたいというふうに目下検討しております。
  92. 相澤重明

    相澤重明君 関連。今吉澤局長の答弁を聞いておると、防衛庁からこの問題が起きた、こういうことですが、それはいつからですか。いつからそういう事態になりましたか。
  93. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 初めて専用といたしまして使っていただきましたのは、昭和三十一年十二月と思います。従ってその問題が起りましたのは、それからしばらく前の、工事期間を要する間におきましてそういう御要望があったわけでございます。そういうことであります。
  94. 相澤重明

    相澤重明君 総裁にお尋ねしておきたいのですが、現在は三十四年ですから、三十一年の十一月なり十二月にそういう問題が出た。その後電電公社ではそういう点について、今のこの大へんいろいろな規則とか規定を出されて森中委員もやっておりますが、そういう点、議論が部内でなかったのでしょうか。いかがでしょう、総裁。
  95. 大橋八郎

    説明員(大橋八郎君) 私の就任以後はまだその問題に逢着いたしておりません。しかし、想像いたしますに、おそらく今までほかに現実の問題がその後起らなかったために、そういう議論がまだ問題にならなかったと思うのです。しかし、最近承わるところによりますと、二、三防衛庁以外にも、この帯域の専用を許してもらいたいという希望があるように承わっております。従って、これをいよいよ現実に許すことになりますれば、今後もほかにも出てくるかもしれません。そうすると、やはり何か一つの基準を別に設けまして、明確にする必要がおそらく起ってくるだろうと、かように考えております。
  96. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、総裁の今の答弁ですと、これからは御検討をされて、早急に立案をするというお考えと承わってよろしいのですか。
  97. 大橋八郎

    説明員(大橋八郎君) この現実の問題が、ちょうどさしかかった一、二の問題が申請されておるようでありますが、それが許可になるまでにはその基準を設けたいと、かように考えております。
  98. 森中守義

    ○森中守義君 もう一つお尋ねしますが、今、将来の問題というのを相澤質問の答弁として総裁から承わったのですが、すでに防衛庁が三十一年、つまり具体的には三十一年の十一月十九日に当時の増原次長と靱副総裁との間に協定ができ上りましたね。実施は少しおくれておるようですが、この前後を通じて、たとえば民間放送あるいはNHKもしくは朝日、読売、毎日、こういったような新聞社あたりからの御希望はなかったのですか。あるいはその他にこの帯域を提供しているところがありますか、現在において。
  99. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) この防衛庁との協定の前後におきましては、全然周波数帯域専用の問題はございません。またそのときにおいても、そういう例もございません。最近におきまして防衛庁以外にこの方式で買いたいといいますのは、先ほど総裁の答弁されたような次第でございます。
  100. 森中守義

    ○森中守義君 この帯域の専用というのは、現在の新聞、あるいはラジオ、テレビ、こういうものが公社のものを借用されているのに比し、著しく飛躍をした専用の状態であることは、これは間違いないと思うのです。そうであるならば、これから検討しようということですが、一体電電公社の営業規則というものの精神は何ですか。おそらく私が常識的に判断し得る問題としては、公衆電気通信法のあとを受けて、これは一般公衆に対して、電電公社はこういう営業をやっております、その内容はこういうものですと、これを告示または周知していくのがこの規則の精神でなければならないと思う。おそらく防衛庁と電電公社の間に協定が成立をした周波数帯域の内容というものは、新聞もラジオも、その他の専用を求めておる、あるいは専用を必要とする人たちが知っておったかどうか、これが問題であります。どうして規則にそのことをうたわないか。やみ取引だと言われても仕方がない。防衛通信に協力をしていると言われてもしようがありません。私は本来電電公社がほんとうに公衆電気通信法に忠実であるとするならば、防衛庁と単に協定を結んで、一歩高い、一歩拡大をされた周波数帯域の専用を提供する。それと同時に、新聞に対しても、ラジオに対しましても、その他の利用者に対しても、こういうものを公社は営業としていたしますということをなぜ告示しないか。そういうところに全国の無線専用の設備の問題も出てくるし、どうしても電信電話営業規則に違反する疑いがある。いわんや料金の項目には周波数帯域はないではありませんか。こういったように問い詰められてもしようがない。営業規則は法律事項じゃない、これは電電公社の総裁が公衆に対し、利用者に対して告示、周知をするのがこの営業規則なんです。そういうことですよ。国会の承認を必要としませんね。これは公社の問題としてできるのです。防衛庁に周波数の帯域を専用提供するとするならば、一般に対してなぜ告示しないか。そういうところで、防衛庁に対し電電公社が進んで軍事通信に協力をしようとすると言われてみたり、あるいはまた防衛庁が電電公社に対し不当に圧力を加えて、公衆電気通信を軍事通信に掌握をする意図がある、こう言われてもしょうがないじゃないですか。なぜ告示をしないのか。それを一つもう一回明らかにしてもらいたい。
  101. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 営業規則の性格上の問題について御意見がございましたのですが、全くこれは法律並びに省令、それに準拠して営業の約款としてこれはやってきております。従いまして、その内容につきましては、この営業規則というものは、内容を周知するということになっております。特に料金に対しまして、必ず告示するということになっております。そこで、これはまあ手続論になりまするが、料金を新しく設定いたします、これは必ず所定の手続をもちまして告示もしくは周知するという手段をとっております。そこで今の防衛庁との問題でございますが、御存じのように、無線専用は実費でいくということでございますから、ケース・バイ・ケースによって実費の立て方も違うであろうし、また先ほど来申し上げておるように、一つの定型化するというようなまだ事案でもなかったものですから、その意味では一般に周知するという方法をとりませんでした。従って、周知しないから、それでは一般の利用はなかったか、そういうことを今日思い返してみますというと、実はその当時におきまして帯域を専用をしていくというような希望は、そういう利用形態が実はほとんどございません。今御指摘のように、NHKとかあるいは新聞社というような関係におきましては、通信に関してはきわめて鋭敏でございます。従って、もしもその当時においてこのような利用の意図があるならば、必ずや私どもの方にそういう申し出があったであろうというふうに今からでも考えられます。今日二、三の新聞社がこの利用形態を申し出たのも、話の内容を聞きますと、最近のことですが、最近海外の問題に刺激されまして、こういう新しい方式はないか、こういうものをとってはどうかというような御相談からきたような次第でございます。従って、特にこの点を周知しなかったとか、こういうことを知らしては相ならぬとかいうような意味ではございませんでした。その必要を感じなかった次第でありますが、しかし先ほど申したように、これを一つの制度としてやる以上、広く周知してよくやっていきたいというふうに、今後の方針は考えております。
  102. 森中守義

    ○森中守義君 これは大へん吉澤局長に気の毒な言い分ですが、私は問題がこういうように提起をされて、そうしてあれやこれや言われるのも立場上やむを得ないかとも思う。しかし、もう少し率直に一つお互いに話し合いをしょうじゃありませんか。    〔委員長退席、理事平島敏夫君着席〕 これは私はあなたがどう言われても、防衛庁との間には一種の密約というのか少くとも周波数帯域を電電公社防衛庁に完全に全国のネット・ワークができるように提供したということは、これを一般に解放したならば公社の利潤はもっと上るはずだ。それを防衛庁に九区間も完全な全国ネット・ワークができるような状態で提供するということは、これは許しがたい問題です。それと、先刻の法律問題はしばらく最後のところに回しておきたいと思いますが、今どうもやはり防衛庁対電電公社の間には何かある。それを私は敷衍するためにもう一つ申し上げておきたいし、お尋ねをしたいと思うのです。それは、今日マイクロその他専用回線として出している防衛庁以外の所から設備費を取っていますか。設備費を出さしていますか。しかもこの設備費を取ったために、それで年間のきわめて低額な料金決定をされておるようです。それは設備投資の利子であるか、そういうものを含んでおるかどうかわかりませんが、とにかく設備費を防衛庁は出しておる。しかもこの設備費は全額ではない。一部として三億五千万ぐらいしか出していない。ほかの新聞社やあるいはNHK、こういう所からも設備費を取って年間の定額制をきめております、そういう例があるならば一つお答えをいただきたい。
  103. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) この専用設備費につきまして、設備がない場合にはその設備費を取ることができるというのが法律にございます。しかし、今日の公社方針といたしまして、公衆通信をみずから提供する義務があるというような関係から、設備費をなるべく負担するということは避けております。例外的に多少の例はございますが、やはり公社は設備はする、しかし料金でこれをカバーして償却あるいは利子を支払う、こういう方針でおります。
  104. 森中守義

    ○森中守義君 ますますおかしいではないですか。なぜ防衛庁に対してそういう扱いをするのですか。そういうことを電電公社がおやりになるから……。あるいは防衛庁が無理やりに要求したのかもしれない、それは。私は、この際はどちらがどちらとも言いませんけれども、そういうなるほど法律事項はある。それは私も読みました。するならするで、ほかの新聞社もラジオもこれはなぜしないのです、同様に。防衛庁だけどうして特段の扱いをするのですか。
  105. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 今の、非常に例外的であるとこう申し上げたのは、大多数の場合には設備費というものを取らないのですが、現実にNHKとかという場合におきまして、ことにテレビにおきましては中継専用の回線はこれは取りません。これは同一に公社の方で電話線のマイクロと一緒に建設すれば済むものでありますから、取りません。端末の特殊設備につきましては、原則的に端末設備については設備負担金をいただくと、こういうことになっております。その他の一般の専用につきましては、きわめて例外だということを申し上げておるわけであります。そこで、何ゆえにしからばこれを防衛庁だけに設備費を取ったか、こういう観点に御意見が展開したように伺いました。これは当事の事情といたしまして、マイクロ計画並びに建設計画におきまして、公衆通信に関する限りの一つの計画を立てておったわけでございます。そのときにおきまして、この周波数帯域に当るバンド使用要求を受けましたときには、建設費をそちらにさくことは公社としてはできない。しかし防衛庁としてはぜひ必要である。期間的にも迫っておるというようなときにおきまして、建設費をその当該の無線部分に関する限りは持つからというような御要求があり、公社も、またそれが建設費によりましてこれは他の資金の方に影響しない限りにおいては、その希望に応ずることも差しつかえない。また一般公衆通信計画もそれによって萎縮あるいは縮小させることもないという見通しのもとに、このような制度を始めたわけでございます。
  106. 森中守義

    ○森中守義君 お答えを伺っておるとだんだん複雑怪奇になる。今、吉澤局長が言われるような状態というのは、単に一需要者、一希望者である。あえてそういう認識に立つならば、防衛庁だけではないはずです。NHKにしても朝日、読売にしてもみな同様なことを言い得るのであります。また公社が第一次五カ年計画第二次五カ年計画過程の中において、防衛庁の九区間だけを作るために設備費を取らなければどうにもならないという事態は私は発生しないと思う。それをどうして防衛庁だけ設備費を出させたのですか。その他の所からどうして取らないのですか。取るのがいいのか悪いのか、これはまた論議は別ですが、とにかくこの場としては、防衛庁だけ、その他の専用提供者に比べて、やっていないことを防衛庁だけはやっておる。しかも料金は年間の定額制をとっておる。こういうところに何かしら防衛庁対電電公社との間に釈然としない通信上の特殊関係が存在するのではないかということが、この委員会としては問題になってくるのです。私は今資金操作上の問題であるとか、例外中の例外だということでは、これは納得できません。そういう御意思であるならば、なぜその他の所もそういうようにしないのか。そういうことです。しかも全部私は詳しくは拝見しておりませんが、いただいた二、三の資料からいくならば、各報道機関も三十年、三十一年あるいはその前、いずれもが報道の迅速を期するためにマイクロの専用の希望がほうはいとしてあったようです。しかもそういう個々の社と電電公社との話し合いの中においては、こういうことは話題に供されても一向差しつかえない。当時そういうことをその他にしないでいて、どうして防衛庁とだけ特殊な設備負担をさしてみたり、年間の定額制にするということは私は了解できない。もう少しその辺を明らかにして下さい。何としても納得できない。
  107. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) その間の事情につきましては、公社側のみの事情を申し上げるのみでなく、防衛庁側のまた事情もあったやに私ども思いますから、防衛庁側からその間の御説明を願いたいと思います。  当時の事情といたしましては、一般の回線の希望者が、たとえば新聞社、通信社、NHKがあったと思いますが、それは何百回線中の一回線というような場合において、あるいは建設がなかなか間に合わないという場合には、来年度の建設の計画に延ばしていただく、こういう場合はよくあることであります。設備的に見ますと、きわめて困難で、分界点がなかなかできない。かつまた一回線の額というものは、そう莫大なものに上らないという状態が普通の場合でございましたが、この防衛庁の場合におきましては、御存じのように十二チャンネル分を札幌から福岡までいく、これは莫大なる建設費に当るわけであります。そこで公社としましても、これに応ずる場合には建設費の方でやはりワクがない。従って建設費という問題が、一つのこのような状態を生じた理由となっておるのであります。あとは防衛庁の方の当時の事情を一つ御聴取願いたいと思います。
  108. 森中守義

    ○森中守義君 防衛庁はもっと重要な部面に入ったときにお尋ね上ますが、防衛庁、ちょっとお待ちになって下さい。今の問題にそれじゃ関連して聞きますがね、この十二路線を専用させるために、全体の設備総額は幾らかかっておりますか、それが一つ。それから一通話路当り設備総額は幾らですか。さらに一年間の保守維持費は幾ら、さらにまた人員の配置即人件費は幾らかかっておりますか。もちろんここに防衛庁が設備負担——設備投資というべきかどうか知りませんが、とにかく札幌—仙台、東京—仙台、東京—大阪、大阪—広島、この間に出した金はわずか三億一千八百五十四万五千円それから福岡—熊本間が二千二百七十四万八千円、東京—福岡間が七千八百七十四万一千円、札幌—旭川、旭川—帯広間が五千八万円、これだけの金を防衛庁は出している。従って電電公社が工事計画上、資金上、急速に、日限をある程度切った状態の中で工事計画をするのに非常に困るから、この金を出さしたというのなら、一体十二周波数帯域を専用させるための設備総額は一路線幾らかかるのですか、先刻申し上げたことを具体的にお述べいただきたい。
  109. 平山温

    説明員(平山温君) お答え申し上げます。今、森中先生が読み上げになりました区間、それからその区間に対して防衛庁側から公社の方に納めていただいた設備負担金は、先生のおっしゃった通りでございますが、こういうルートを作る全体の金がどのくらいかということを申し上げますと、これは成立予算額を申し上げますが、最初の札幌—仙台、東京—仙台、東京—大阪、大阪—広島、広島—福岡、この区間を全部ひっくるめまして、これに要する全体の予算額が十七億九千九百万円でございます。その次に福岡—熊本の分でございますが、これが十四億五千三百万円、それからその次、東京—福岡間、これが三十三億五千五百五円、それから最後の札幌—旭川、相川—帯広の分でございますが、これが四十六億八千六百万円。今申し上げましたのを全部総計いたしますと、百十二億九千四百万円でございます。これは先ほど先生がおっしゃいました設備負担金の合計額が四億七千万円でございまして、この四億七千万円は百十二億九千四百万円の四・二%でございます。
  110. 森中守義

    ○森中守義君 さっきの吉澤局長のお答えからいきますと、ただいま平山局長が説明された通り、全体の設備総額は百十二億九千四百万円もかかっておる。これに対する防衛庁の負担は四億七千万円、わずか四・二%ですよ。こういうような状態ですよ。それでなおかつ公社の工事計画、あるいは通信計画に著しい支障を来たさないと言えますか。防衛庁が半額の六十億を持つ、あるいは七十億を持つ、百億を持つ、少くとも電電公社の工事計画に支障を来たさない程度の額をもって防衛庁は負担をする、それならば話はわかる。しかし四・二%ぐらい持って、それでこういう特殊な状態に置いたということはどこを押して出るんです。
  111. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 今の数字につきましては、実は四%について、やや私としては、資料は見ておりますが、よく、詳しく見ないと今の数字と違うかもしれません。そこで建設資金の問題から、一つは、先ほど趣旨を申しましたのですが、実は当時の事情を、私どもこういう方針に出るべきじゃないかということを、一つつけ加えさして御説明を申し上げたいと思います。  この公衆通信というものは、公社がこれは全部責任を持ってやる、その場合において私設の通信が随所に現われるということ、これは必ずしも国家としての経済的の面において得策でなかろう、こういうことが一貫した政策だと思うのでございます。のみならず電波の問題につきまして、電波が限りがあるために、一人の人が専用してしまうということは、これはまた電波の効率を発揮する上にきわめて国家的な問題だと、こう考えて参りました。その場合におきまして、もしも防衛庁がみずからこの施設を作るということは法律上不可能ではございません。なし得ることでございます。しかも公衆通信においてこの防衛庁の通信をまかない得るならば、やはり一貫した公社が一緒に設備をし、かつまた国家的にも二重施設を避け、あるいは電波の効率を最も発揮することがいいのではなかろうか、こういう意味から、公社もまた進んで、むしろ防衛庁通信が、独立してみずから敷設するということを避ける意味においても、これはある程度こちらがお受けすべきではないか、こういうような考えがあったわけでございます。
  112. 平山温

    説明員(平山温君) 少し補足させていただきます。先ほど四・二%と申し上げましたのは、森中先生の読み上げられました全区間についてのことを申し上げたのでございますが、今問題になっております三十一年十二月に開通した分だけについて見ますと、先ほどの中で、札幌—仙台、東京—仙台、東京—大阪、大阪—広島、広島—福岡、これに対する設備負担金が三億一千八百万円、これに対する——これは防衛庁の分でございますが、電電公社としてこのルートを作るに必要とした全体の予算額が十七億九千九百万円、この分でみますと、先ほどの四・二%に相当するパーセントは一七・七%でございます。ですから当時の事情としては四・二でなくて一七・七%、防衛庁のお使いになる分に相当する実費の建設費は一七・七%、こういうふうに御了解をお願いしたいと思います。
  113. 森中守義

    ○森中守義君 四・二、一七・七というまあこの比率は、それはよくわかりました。しかし問題は、要するに金額において電電公社が必要とした金が百十二億九千四百万円、これに防衛庁が設備負担した金が四億七千万円、あまりにもこれは言いわけにすぎない、こういうことです。ただもう言いわけをしているにすぎない。しかもこの九区間というものは、何人ももう手が入れられないように防衛庁のネット・ワークの中に入っておる。これを併用する、あるいは共用する、そういうことであるならば、そういう面から電電公社は収益が上るでしょう。しかし、設備資金を百十二億九千四百万も出しておる。そうして年間においては一体この総額が年額の問題からいくならば、一億二百二十八万一千円、六百六十六万四千円、二千三百万、六千八百八十四万五千円、六千八百八十四万五千円、    〔理事平島敏夫君退席、委員長着席〕 こういうような年間の定額を取っておるならば、電電公社の経営が成り立ちますか。この九区間の経営において、共用、併用しておるならば、その他の道から収入もあるから、それならば公社はいい、しかしこの面から見ていくならば、明らかに電電公社防衛庁のために百十二億九千四百万の設備投資をして、それで通信を、専用回線を提供しておる、こういうことにしかならないじゃないですか。その点を一体どういうようにお考えですか。
  114. 平山温

    説明員(平山温君) 私が言葉が足りませんでしたので、あるいは先生が誤解をしてらっしゃるんではないかと思いますので、少し補足さしていただきますが、先ほど百十二億と申し上げました、あるいは三十一年の分の十七億九千九百万円と申し上げましたのは、このルート全体の予算額でございまして、この金は防衛庁に提供している施設を作った金だけじゃなくて、全体の公衆通信をも含む金を全部引っくるめて申し上げたわけでございます。防衛庁に提供している分の金はどのくらいだったかと申しますと、設備負担金の程度防衛庁の分はできているわけでございます。ですから百十二億が決して防衛庁に設備を提供するために百十二億の投資をしたのでございませんで、先ほど先生がお読み上げになりましたような区間のマイクロ・ルート、一般の公衆通信を作るに必要な全体の金が百十二億だった、かような意味で申し上げたつもりでございましたが、言葉が足りなかったようでございますので、補足させていただきたいと存じます。
  115. 森中守義

    ○森中守義君 そこはよく理解できました。しかし、おそらくこれだけの九区間を防衛庁がとったために、総額四億七千万円で済んだかどうか、この点一つ、もう少し正確に数字を出してみて下さい。もしお持ちでなければ次回でもけっこうです。とにかくこの九区間を完全に専用さしておいて、それでば、不当に高い設備をして防衛庁に安い料金で使わせるというならば、これは一体電電公社が経営上成り立つものかどうかという問題が一つ出てくる、明らかにそういうことなんです。それと、防衛庁は形だけ設備資金を出しておいて、あとは自由自在に九区間を、帯域を使っておるというわけですか、はなはだもって……。これは軍事通信に電電公社が協力しておる、こういったように極論をせざるを得ないのです。だから今、平山局長が言われる百十二億九千四百万がその通りであるとするならば、そのうちの幾らが防衛庁関係の九区間を作るために要った金であるのか、それを一つ正確に調べてもらいたい。今出るならばお答え下さい。
  116. 平山温

    説明員(平山温君) お答え申し上げます。マイクロ・ルート全体の建設費の中で防衛庁の提供しておる分だけどの程度かかったのか、それにつきまして、先ほど設備負担金の総額は四億七千万円いただいておりますが、その程度だと申し上げたのですが、このことについて、もう少し補足させていただきたいと思います。先ほど先生がお読み上げになりました区間に対しまして、防衛庁のために特に新しいのを作ったり、別なものを作っておるものは一つもございません。そこで同じ電波を使って公衆通信として作っておるマイクロ施設、これは一ルート一つの電波で四百八十チャンネルできる方式でございますが、その四百八十チャンネルできる方式の中の一部の十二チャンネル分だけを提供するわけでございます。もしこれを機械的に十二提供いたすとしまして、四百八十分の十二と勘定いたしますと、四十分の一でございますから、これは二%か何がしになりますけれども、この百十二億というのは、最初から全部四百八十チャンネル実送しておりませんので、その辺のところは少しこまかい計数でもお目にかけぬと御了解願えないと思いますが、おおよその見当といたしまして、四百八十の施設の中の十二チャンネル分だけを提供しておるということでございますので、大体建設費のオーダーというものが先ほど申し上げました程度で済むということを御了解願えるのではないかと存じますので申し上げた次第でございます。
  117. 森中守義

    ○森中守義君 その点は、ここに詳細な資料をお持ちでないならば、大体比較論としては平山局長の言われることで私はわかります。しかし、もう少し正確を期するために、次回に四百八十チャンネルに対して十二チャンネル、これを具体的に数字として出してきて下さい。私はやはり防衛庁の設備負担金である四億七千万とこれを比較をしてみて、それで四百八十の中の十二チャンネルを使わしておるならば、その分から一体どの程度一般に開放して収益が上るものか、この料金との比較もしなければなりませんから、それは一つ次回にお願いをしたいと思います。  そこでもう一つお尋ねいたしますが、こういったようにして、どうもやはり釈然としない状態のままに事態が推移しておる。そこで、先刻私も指摘をし、かつまた吉澤局長も指摘をされましたように、この使用に関する料金の中で、無線の実費ということで算定をして、この年間の定額制がはじき出されておるものか、そしてまた端末局あたりの話は先刻出たようですが、やはり電送の方の経路として機械を必要とするときには有線を経由する場合もあるでしょう。特に広島あたりはそういうことが記録に出ております。そういう場合の機械専用料、回線専用料こういうものの計算がどうなっておるか、少くとも年間のこの定額制という積算の根拠、これがほんとうに実費であるのか、あるいは大ざっぱに検討してこれだけ年間の定額としてもらいましょうという話であるのか、これをお尋ねしておきます。従って、先刻お尋ねした中に答弁が漏れておるつまり四百八十チャンネルのうちの十二チャンネルのために補修費、維持費が幾ら要るのか、そのために人間が何名配置されておるのか、そういう公社が負担しておる十二チャンネルに対する諸経費を、この際一つ出してもらいたい。
  118. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 実費算定の内容についての御質問と存じますが、実費の対象といたしましたものは、先刻も平山局長から詳しく御説明しましたように、マイクロ回線の部分におきまして十二チャンネル分に当るバンドを対象としておるわけであります。それを、この設備負担金として公社がちょうだいしております。それに対しては、この利子と減価償却ということを課さない、しかし、その他におきましては電力もございます。あるいは年々補修するのに取りかえ補充の物品も要ります。かつまた人件費も要ります。大むねそういうような計算におきまして、マイクロにおきまして平均大体どのくらいそういう人件費がかかるだろうかというようなこと、あるいは取りかえ補充の物品費はどのくらいかかるだろうかというようなことを考えまして、そのコストが結局いかほどかということで、今の十年間のライフの間は以上申し上げましたような利子と償却費に当るものはいただきませんが、料金中二つの部分を除いた料金は、これはいただく、ただし、それは十年に限る。十年過ぎたら新しくまた設備をもらうなりあるいは公社がみずから施設した場合はそれ相当の料金というものを換算していただく、こういうふうに考えておりまして、観念といたしましては、その料金の先払いを、一時払いをしていただくがゆえに、その十年間の料金は先払いの分だけは差し引いて料金をちょうだいしておる、従って料金を全部計算いたしますと、一応収支なりあるいは公社経営としましてもこの実費を下らない範囲でございまして、経営的に一応の成り立つ計算ということでやっておるわけでございます。
  119. 森中守義

    ○森中守義君 非常に私はただいまの答弁で不安を感じます。確実に原価計算をやったことがありますか。なるほど減価償却問題であるとかあるいは設備投資に関する年利の問題であるとか、そういうものを考えて、この程度ではこうと言われておる。しかし、事業経営をしていく上において、もう少し正確な根拠を持つ数字を出していかなければ、こういう大ざっぱな目見当の年間の定額制というのは、はなはだこれは電電公社の欠損であると同時に、もっと広げて言うならば国損に値する、こういうばかなことはありませんよ。のみならず、協定の七条によれば「乙は、物価の変動、給与の改定その他やむを得ない事由により料金の改定があるときは、前条の専用料を改定することができるものとする。「この場合において、乙は、あらかじめ、甲の意見を聞くものとする。」こういう制限条項を設けておる。おそらく電電公社が、補修に幾ら払った、人件費を幾ら払った、そういうものをはじき出してみても、結局防衛庁と協議なしにはこの改定はできない、こういう制限条項をなぜ設けたか、こんなばかな話がありますか。私は今、吉澤局長が、設備投資に対する年利の問題や減価償却の問題でこの程度だと言うことでは、これは公社の経営は、はなはだもって危険であると言わなければなりません。そういう状態で電電公社を経営しておるのですか、全部を。おそらくその他の料金計算等は、付属料金表によってきわめて厳密に行われておるはずです。なぜ防衛庁だけわずか四億七千万程度の設備負担をしてもらったということで、年間の定額制をとるのですか。そうして第七条の制限条項を設けて置くのですか。そういう点が私にはわからない。
  120. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 今の料金の算定方法につきまして、あるいは私の言葉が足らないために御疑点をいただいたかと存じます。料金は実費による、実費の計算につきましては、御承知の通りできるだけ原価計算をすべきであります。かつまた、この場合におきまして従来の類似の保守料あるいは保守要員がどのくらいかかったかというようなことも積算の根拠にいたしまして、それから物品にいたしましてもどのくらいな取りかえ補充の物品が要るだろうか、また電力料にいたしましても、どのくらい電力が要るだろうかというような根拠に立ちまして、それらの物品費、人件費並びに電力料その他の諸経費、こういうものがこの料金の主体になっておるわけでございます。従って、これをもしもそういうような利子とか減価償却をオミットしなければ、それにプラス利子及び減価償却が加わったものが現在の周波数帯域の料金である、こういうふうに結果的にはなるわけであります。
  121. 森中守義

    ○森中守義君 一応の理屈は通る、しかしそれはあくまでも理屈である。事業経営の実体に沿っておるとは言えません、断じてそれは沿っておるとは。しかし、この七条に関係してもう一つ言いたいことは、昭和三十二年に協定が締結されて、それから今日まで物価の変動、給与の改定は何回か行われましたが、この間において防衛庁に対して料金改定を申し入れましたか。その後ずっと三十二年以来、このあなたからいただいた資料のままの年間の定額できておるのです。経済企画庁が毎年物価の指数を発表して、給与の改定もしばしば行われておる。当然そういう機会というのは、協定締結以降何回となく訪れておると私は思うのです。何回やりましたか。
  122. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) この協定の条項についての問題はあとにします。この料金につきましては、やはり全般的な料金におきまして、改定の必要ということは、おっしゃるようにこのコストが高くなる、あるいは明らかに安くなるという著しい場合には改定する必要があるのであります。従ってそういう面から、この十年間を律するに一回限りでこのような料金をきめるべきではない、こういうような意味であのような条項をこしらえて、今後の物価の変動その他の条件に適合するようにあれをきめたわけでございますが、その後におきまして物価も変動いたしております、あるいはベースも変動いたしておりますが、料金全般としましてこれを上げるという必要の点まではまだ行っていないと、そう私ども考えておりますが、ひとりこれだけを料金改定をするという理由があるならば、他の電気通信全般の料金につきまして実は今日この全般的な改定案を目下研究中でございますので、それと比較検討する必要がありますので、それまではこの第七条の条項を話し合うことはやっておりません。
  123. 森中守義

    ○森中守義君 あまりにも問題が具体的になり過ぎて、しかも問題の一つ一つを提起はしておりますが、それに対する徹底的な論争をいまだ交しておりませんから、これは自今じっくりとこの問題についてはやりたいと思います。従って、きょうは私はこの程度でこの場においては終っておきたいと思いますが、要するに、防衛庁の長官を、私はその他の問題で、きょう出席を求めておりました。御病気であれば、これは国会議員といえども大臣といえども、人権は尊重されなければなりませんから、あえて言いませんが、とにかくあなたはこれだけの論議の過程から、何かお感じになったと思う。さらに公社の大橋総裁も何かお感じになったと思うのです。どちらの論議がいいか悪いかというのは、これはこれからの問題になってくる。しかし、きわめてバラエティに富んで飛び出してきた問題の中から、この次には、一つもう少し正確に一つの結論を得たいと思います。そこで、私はやはり防衛庁がこの話をしかけていったのか、電電公社が大口の顧客として防衛庁に話をしかけたのか、その態様は知りません。それはこれから明らかにしたい。しかしいずれにしても、その他のものがやっていないことを防衛庁はやっている。また電電公社はこれを受けて立っておる。それは何としても正常な状態ではありません。私は新聞なり、あるいはラジオなりその他の電電公社の設備を専用したいと申し出をし、そのことがいれられた人たちが、こういう防衛庁と同じような恩恵にあずかっておるならば、それならばこれは論及の必要はないのです。しかし問題は、ひとり防衛庁にだけ十二チャンネル九区間を、周波数帯域として提供、しかもわずか四億七千万という設備資金を出しておる、それを減価償却、設備投資の年利こういうことで年間の定額制によって十年間も保障されておるとするならば、まさにこれは防衛庁以外の、公衆電気通信を利用する国民の立場に立つならば、これは断じて許すわけに参りません。私は何としても、これは防衛庁が全国にマイクロ・ネットワークを作られることによって、防衛通信の計画を策定をしよう、電電公社はこれに協力をして、表面の理由は、大口の需要者である、大口の利用者である、何人も成規の手続を踏めば云々という、大橋総裁の法律を中心にした解釈は、この際は、断じて実態においては成り立たない。こういうことが今日においては言えると思うのであります。自今、もう少し私はこの質問の内容を残しております。次の機会に特に時間を割愛してもらって、もう一度この問題に言及してみたいと思いますので、一応きょうはこれをもって私の質問を終ります。
  124. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) では本日の防衛庁に対する質疑はこの程度で終ることとし、次回は公報をもって御通知申し上げます。  散会いたします。    午後五時三分散会