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1959-02-17 第31回国会 参議院 決算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月十七日(火曜日)    午前十一時二十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西川甚五郎君    理事            仲原 善一君            西岡 ハル君            平島 敏夫君            小柳  勇君            棚橋 小虎君    委員            石井  桂君            稲浦 鹿藏君            江藤  智君            高野 一夫君            松村 秀逸君            相澤 重明君            森中 守義君            岸  良一君            竹中 恒夫君            天坊 裕彦君            岩間 正男君   国務大臣    内閣総理大臣  岸  信介君    国 務 大 臣 伊能繁次郎君   政府委員    内閣官房長官 鈴木 俊一君    法制局長官   林  修三君    防衛庁防衛局長 加藤 陽三君    防衛庁経理局長 山下 武利君    防衛庁装備局長 小山 雄二君    大蔵政務次官  佐野  廣君    大蔵省主計局長 石原 周夫君    大蔵省主計局次    長       佐藤 一郎君    大蔵省管財局長 賀屋 正雄君    国税庁長官   北島 武雄君    文部省管理局長 小林 行雄君    農林大臣官房経    理厚生課長   丸山 幸一君    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  八木 利眞君    建設大臣官房会    計課長     南部 哲也君   —————————————    会計検査院長  加藤  進君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    会計検査院事務    総長      小峰 保栄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十二年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和三十二年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和三十二年度国税収納金整理資金  受払計算書内閣提出) ○昭和三十二年度政府関係機関決算書  (内閣提出) ○昭和三十二年度国有財産増減及び現  在額総計算書内閣提出) ○昭和三十二年度国有財産無償貸付状  況総計算書内閣提出) ○昭和三十二年度一般会計国庫債務負  担行為総調書内閣提出) ○昭和三十二年度一般会計予備費使用  総調書(その2)(内閣送付予備  審査) ○昭和三十二年度特別会計予備費使用  総調書(その2)(内閣送付予備  審査) ○昭和三十二年度特別会計予算総則第  十三条に基く使用調書内閣送  付、予備審査) ○昭和三十二年度特別会計予算総則第  十四条に基く使用調書内閣送  付、予備審査) ○昭和三十三年度一般会計予備費使用  総調書(その1)(内閣送付予備  審査) ○昭和三十三年度特別会計予備費使用  総調書(その1)(内閣送付予備  審査)   —————————————
  2. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十二年度政府関係機関決算書を議題といたします。  本日は総括質疑を行います。ただいま御出席の方は加藤会計検査院長岸内閣総理大臣佐野大蔵政務次官佐藤大蔵省主計局次長の諸君であります。そのほかに林法制局長官も御出席であります。総理大臣は大体十二時半ころまで御出席になっておりまするので、まず岸総理大臣に対する質疑をお願いいたします。
  3. 小柳勇

    小柳勇君 総理大臣に第一点は綱紀粛正の問題で質疑をいたします。  会計検査院からの報告によりますと、経理上不当と認めた事項及び是正させた事項として五百一件ここに上っております。このように経理関係の不正、不当を防止するために総理大臣としてどのような方策とつてこられたか、年々歳々のこの国会総理大臣答弁を見てみますと、綱紀粛正をやるということについては毎国会答弁されておりますが、具体的にどういう施策を講じてこられたのか、第一にお伺いいたしたいと思います。
  4. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 綱紀粛正の問題はきわめて重要な問題でございますし、のみならず年々歳々会計検査院から、会計上の検査の結果における批難等事項も出ておりますので、これらをどうして防止するかということにつきましては、いうまでもなく歴代の総理も苦心して参っておるところでありますし、私も特にその点については意を用いて参つたわけであります。ただ、具体的にこれを防止するということにつきましては、何といっても一番大事なことは、各関係の公務員におきまして特に自分の職責を自覚して、そうして公正に仕事をするという精神的、道義的の考え方が中心、根底をなす問題でございますので、常に各省に対しまして私はその注意を喚起すると同時に、やはり責任を明確にすることが制度としてはぜひとも必要であるという考えのもとに従来も、根本のこれは行政制度の改革というような問題にも関連をいたしますけれども、それに至ります前にできるだけ仕事を簡素、簡明にしてそうして責任の所在を明らかにし、その責任に対してそれぞれ監督立場にある者が、その責任を明確に追及するというふうに指導もし、監督もしていくという、各省におきましてもこの会計検査院検査のほかに、それぞれ各省自体会計監査や、あるいは自分の方でやつております仕事そのもの検討しまして、誤まりなからしめるような制度とつておりますが、これの運用を特に強化して、そうして事態の改善をはかるように、特に各行政庁長官注意を喚起するようにいたして参っております。
  5. 小柳勇

    小柳勇君 責任体制明確化について意を用いて参つたという御答弁がございましたけれども、長い総理大臣の期間において御記憶のある具体的な対策は、どのようなことを今までにおやりになつたのか、その点御記憶があれば御説明願いたいと思います。
  6. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 時日ははっきりいたしませんが、一昨年であったと思いますが、特に各省に対して今私が申し上げましたような趣旨通達をし、それ以来各省から月々の報告とつておりまして、それに基いて今申しました責任体制を、現実にただ通達を一本出しておるというだけでなしに、それの実効を各省からとつておりましてこれが通達趣旨の徹底を期しておるということをいたしております。
  7. 小柳勇

    小柳勇君 ずっとこの新聞紙などで、各省庁、公社などで不正なども出てくるし、この検査報告の中にも具体的にいろいろ処置が出ておりまするが、そういうものに対して国民のこの血税に対する乱費あるいは不正工事など、非常な大事な問題もあるようでありますが、具体的に処置されたのでどういうのが総理記憶にあるものがあるか、特にこういうものをやつたというように当委員会で明言できるものがあれば、お聞かせおき願いたいと思います。
  8. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 具体的の、今小柳委員の御質問のように私自身具体的にこうなんだというよりは、むしろ各省大臣において今申しましたような通達に基いて、それぞれ自分の省の仕事につきまして、その趣旨に基いて徹底するようにやつておりますので、私がその報告として特に記憶しておるようなことは今残つておりません。
  9. 小柳勇

    小柳勇君 おひざ元閣僚の中にもいろいろとやかく世間から騒がれておるようなこともわれわれ聞いておるのでありますが、そういうおひざ元閣僚に対してどのようなお話をされておるのか、あるいは取扱いをされておるのか、まあこれは事実でないから、あるいは調べが済んでからというような抽象的なことでなくて、総理がもう毎国会で言っておられる綱紀粛正に対して、ほんとうに責任をもって言明されておるとするならば、そういう閣僚の中に煙も立たないのではないかと思うのですけれども、そういう処置をおとりになつたことがあればお聞かせおき願いたいと思う。
  10. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 閣僚は特に、今小柳委員の御指摘のように私は、綱紀粛正の根源はやはり閣僚また政党におきましては党の幹部において、特に政治の正常化綱紀の厳粛な維持ということについては、身をもって実現するようにしなければならぬこと言うを待たないのでありまして、私は常々閣議におきましても特にその点につきましては十分意を用いておりますし、また党におきましても党紀委員会等におきまして、そういうことについては特にわれわれとしては意を用いておるわけでございます。  なおいろいろなこの国会等において問題になりますようなことにつきましては、もちろん私としては関係閣僚初め党内の問題につきまして事実を明白に検討いたし、これを把握いたしておりまして、なおそういう点について世間の疑惑を招くようなことにつきましては格段の注意をいたしております。
  11. 小柳勇

    小柳勇君 閣僚あるいはおもな幹部の中で総理大臣の意向に反するような者がおつた場合には、一つの罰をもって全体的な戒めをやるというような御決意が、総理大臣にあるかどうかお聞かせ願いたい。
  12. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 不幸にしてわれわれがそういうふうに注意をいたしておりましても、もしもそれに違反するような事実ができますならば、これは官紀の振粛、綱紀粛正のために、もちろんお話のように、これはあるいは法によって、あるいは政治的の責任をとらすことによって明確にする必要があると思います。
  13. 小柳勇

    小柳勇君 第二の問題に入りまして質問申し上げますが、国の財政決算の重要なことは明らかでありますが、内閣として決算の実績にかんがみて、財政運営上ことに予算執行部面及び三十四年度予算編成において、具体的にどのような方策をおとりになつたか、お聞かせ願いたいと思います。
  14. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 一つはこの予算編成の場合に、私ども相当に意を用いたわけでありますが、従来この年度内使用ができませんで、後年度に繰り越される額というようなものが各省予算のうちに年々相当ございます。これはできるだけそういう事態が起らないようにしなければならぬ、またそういう事態が起る原因がどこにあるかというようなことを究明して、予算編成に当りましても、そういう事態のないように、すなわち年度内責任をもって実行できるところのものに限つて計上する、というふうな査定を厳格にする必要があると思います。それと同時に、この会計検査院等において指摘され、批難されておるような事項につきましては、それらの事態を再び繰り返さないようにするためにも、その原因等につきましても十分一つ検討をして、そうして予算編成の場合におきましてもこれを頭において編成する、さらに今度は予算執行面についてのことになりましては、今私が予算編成の場合に検討し意を用いたことを、さらに具体的に予算執行の面において、これはまたいろいろ工事の請負の問題であるとか、あるいはその他の契約の締結の問題であるとか、あるいはいろいろな市場や経済の効果の調査というような点につきまして、格段に意を用いていかなければならぬ、こう思っております。
  15. 小柳勇

    小柳勇君 具体的な問題については他の委員から質問があると思いますので、関連して質問しておきたいと思いますのは、各省庁ずっと回ってみますと、予算編成期大蔵省が非常にワンマンに、予算査定などにも発言力が強い、従ってその各省公社など大蔵省に対して訴え方が強いか弱いか、いろいろありましょうが、大蔵省考えで、大蔵官吏考えで国の予算が支配左右されるというような危険性を感ずるわけです。そういうものに対してお感じになつたことがあるのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
  16. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 三十四年度予算編成する場合におきまして、私どもはこの政党内閣の本質にかんがみて、政策的な、政党が公約をしておるような事項につきましては、すでにこの政党等内閣とが一体になってその予算の計上や、あるいは予算額というようなものにつきましても、大体規模というものについても、そういう点根本方針をきめまして、そうしてあとを大蔵省やその他事務当局においてこれを適当に、事務的に検討せしめるというふうにいたしたわけでありまして、なお事務的の予算であるとか、その他特に政策的と考えられないような年々きまつたところの予算等査定をどういうふうにするかという点につきましては、大蔵省主計局においていろいろな点を一年中しよつちゆう検討もいたしておりますので、そういう方面のエキスパートとしての意見が自然重要視せられることは私当然であろうと思うのです。しかし特に、この従来批難されておつたような、大蔵省事務当局中心になって予算編成するというふうなことは、三十四年度予算編成に当りましては、厳に私も注意いたしまして、今申しましたような方針編成をいたしております。
  17. 小柳勇

    小柳勇君 各公社はそれぞれ財政法を持っておりまして、それでたとえば剰余金などについての処理は、その公社などの長に権限を委譲されておる面があるのですね。そういう面のその使う、あるいはこれをどう処置するかということにすら、大蔵官僚がこれに介入するというような事実があったと記憶いたしておりますが、そういう面について総理はお考えなつたことはないのかどうか。もしあるとすれば、そういうものを今後どのように処置しようとされるかお聞かせおき願いたいと思います。
  18. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 私は、今公社その他の長に、法律で委任されておつたりまかされておるような事項について、何か大蔵官僚がそれに干渉しておるというような御質問でございましたが、そういう事実を実は聞いておりません。ただ公社その他のものについて、法律上あるいは予算上どの程度でもって委任しこれにまかすかというような範囲について、現行は少し狭過ぎるからもう少し広くまかすべきだというような議論につきましては聞いております。個々具体的の事項についてはやはり法の定めた通りを私は実行しておるものだと思います。
  19. 小柳勇

    小柳勇君 一昨年の三月二十三日に国鉄がとまつた事件、御存じでしようが、私その責任者だったのですが、そのとき国鉄公社としては、その剰余金が若干あったのでこれを職員にペイすることを考え労働協約を結んだ。一人平均四千六百円ですから労働者とつては相当重要な金です。その金を一週間の間大蔵省が決裁しない。そのために三月二十三日に汽車はとまりました。それが前日二十二日の午後六時ごろになって、初めてこれが組合側の方に通告がなされた、まだ決裁がもらえないので。そのようなことを岸総理大臣はお忘れでないと思いますが、これを国有鉄道財政法上そういうことが、しかも労働協約労働法としての効力を発生しなければならぬのにかかわらず、そういうものが実施されなかった。しかもその責任はだれがとつておるか、内閣とつておらない、国鉄当局とつておらない、労働者だけ十九名首にし、数万の者を行政処分にした。そういう事実に対して総理記憶があるかどうか、そしてそれについてどう考えるか御答弁願つておきたいと思います。
  20. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 一昨年春三月の鉄道職員争議の問題は、私も当時非常な重大な事態と憂慮いたしましたので、今お話の点につきましてもある程度記憶をいたしております。当時の今御指摘になりましたことに対する大蔵省承認が、どういう理由でどういうふうに取り扱つたかということにつきまして、私詳しく正確に記憶いたしておりませんので、あるいは大蔵省関係事務当局からお答えした方がいいかと思いますが、ただ私も、おそらく全体の、国鉄経済財政のことに関しまして全面的に政府監督もしておる、またそれに基いてある程度指示とか、あるいはこれの承認を得なければならないというふうな扱いになっておることは、全体の国鉄経済というものの健全性とその運営を誤まりなからしめるために、とつておる措置であろうと思います。ただ具体的に、それが当該争議の場合におけるところの争議そのものとの関連におきましては、私は大蔵省考えるべきものじやなしに、ただ大蔵省としては、今言うように、国鉄経済、それの健全性とそれの運営妥当性検討するという立場において、いろいろな点から審査をし、あるいはある程度指示も与えるということになるとこう思います。
  21. 小柳勇

    小柳勇君 もちろん、それは大蔵省としてその権限において、その予算なりあるいは金の使い方について介入することは、それは当然なことでありましょうが、そのように、ある企業責任者にまかせられた権限範囲内で、そして労働者とその責任者とが労働協約を締結して、それはいろいろ事情があろう、労働問題を解決して、もっと企業能率を高める、あるいは当面のいろいろな問題を解決すると、いろいろ事情はあろうが、そういう労働協約を締結したにかかわらず、一週間の間大蔵省はこれを決裁しない。そういう怠慢あるいは権力乱用、そういうものに対して、総理大臣としてはもっと責任ある御回答があつてしかるべきものだと思うのです。この点についての御回答を願いたいと思う。
  22. 岸信介

    国務大臣岸信介君) これはおそらく、国鉄の方でそういう協約をしたならば、大蔵省へ協議してその承認を求めるということになっておるのだと思います。それに基いて協議され、協議に基いて大蔵省審査、それは今申しましたように、大蔵省としては、労働問題そのものに直接関与するわけではございませんで、あくまで国鉄経済あるいはその運営妥当性ということで、適当であるかどうかということを審査したものだと思います。しかし何か権限を逸脱して、特に大蔵省が不当にこれに関与し、不当に当時これを引き延ばしたものだとは私認めておりません。
  23. 小柳勇

    小柳勇君 そうであれば、その翌日総理大臣みずから指令を出し指示を出して、そしてその金を支出しておられる、午後四時に。そのために、あの争議は一切解決いたしましたけれども、それをなぜそれじや総理大臣として、金の支出を大蔵省指示されたのか。そういうように大蔵省権限内のものあるいは協議したものであれば、総理大臣として大蔵省指示することはできないものではないかと、そういうふうに考えるのですがその点はどうですか。
  24. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 総理大臣としましては、あの事態とあの当時の各般の情勢から見て、早く事態を収拾することが国のために必要であるという見地に立って、大蔵省の今さっき申し上げましたような趣旨において検討を続けており、大蔵省としてはその当然の財政的な、また国鉄経済運営の上から意見があるけれども、さらに国政全体としては、大蔵省は、本来大蔵大臣としても、労働問題がどうだから自分たちはまかされておる権限を頭において考える、という立場にはないわけですけれども総理大臣としては各般のことを考えて、事態を早く収拾することが必要であり、またそれが絶対的にそうしなければならぬという意味において、当時大蔵大臣にもそういう趣旨のことを私が指令したと思います。
  25. 小柳勇

    小柳勇君 もう一度重ねて。その一週間前にそういう労働協約が結ばれてしかも総理大臣毎日新聞ごらんになりましようから、二十三日にはそういうことが起るかもしれないという予測はされたはずだと思う。それを汽車がとまらなければ、あるいは争議が起らなければそういうことをしないと、それで総理大臣一体任務が済むのであるか。しかもその責任総理大臣にはとつておられない。労働者だけを処断しておいて、そうして内閣もあるいは国鉄当局責任とつておらない。そういうことに対して一体総理大臣はどうお考えになるか。
  26. 岸信介

    国務大臣岸信介君) これは先ほどから繰り返して申し上げておるように、大蔵省としては、この大蔵省に協議し、大蔵省承認を受くべき事項を、大蔵省立場からいろいろ検討いたすのは、私は当然であると思う。それがいろいろな点において問題である場合において、そのことを一日や二日で決定できなかったというような事情に私はあったと思うのです。しかし事態の推移とともに、先ほど申すように総理大臣としては全体を見て、この問題をただ大蔵省立場からだけの検討にまかしておくことは適当でないとこう考えて、そういう処置をして事態を収拾するという処置に出たわけでございます。
  27. 小柳勇

    小柳勇君 まあその問題についてはあと労働問題になりますので、決算の問題としての質問でありますから、また別の機会に質問をいたしたいと存じます。  次は、第三の問題。三十四年度は三十三年度に対しまして一般会計で九百八十億円増、財政投融資において、八百四十億円増となっておりますが、これら予算または投融資資金増額に応じて、経理適正化のために特別の措置をはかったものがあれば、これをお聞かせを願いたいと思うのです。
  28. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 先ほど私が申し上げましたように、この予算編成に当りましては特に従来の経験から、翌年度に繰り越されるものを極度に査定しまして、そういうことのないように、それからまた先ほど来いろいろお話があり、年々会計検査院から指摘され指示されておるように、やはりこの予算使用の適正をはかるための監査等の費用をある程度見まして、十分適正な使用ができるような方向に、予算編成の場合において考慮をいたしました。
  29. 小柳勇

    小柳勇君 もう少し具体的に。非常に今総理大臣は抽象的に毎回そういうことを答弁するわけですね。そういうふうに毎回の国会答弁される、それよりもう一歩、もう総理大臣として具体的に私はお伺い申し上げたいわけです。具体的に一つお聞かせ願いたい。
  30. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 事務当局から答弁させます。
  31. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ただいまお尋ねのありました予算編成に当りまして、特に経理適正化意味におきまして処置をいたしました点につきまして申し上げます。  最初に総理大臣の御答弁のございました繰り越し関係でございまするが、これにつきまして従来特に問題が多かったのは、防衛庁関係経費であります。これは御承知の通りでございます。これにつきましては今回従来に増しまして経理査定を適正にいたしまして、なかんずく本年度内に支出することの見込みの少いものにつきましては、国庫債務負担行為によるというような方式をとりまして、ただいま総理大臣のおつしやいましたように、繰り越しが生ずるという重大な批難、あるいは不用額が多いという重大な批難、そういうものに対しまする事態の起らないような処置をいたしております。  また検査検収という問題につきまして、相当従来から御指摘会計検査院あたりからございますから、これにつきましては前年度に比べまして一千万円検査検収のための経費を加えております。災害復旧事業が遅延をいたしまするので、そのためにいろいろ検査院から御指摘を受けるような事態がございます。この点につきましては、今年度は二十八年度に関する災害復旧残事業を全部三十年度に終了いたしましたので、二十三年度に残りました災害につきましても、直轄につきましては一〇〇%、補助事業につきましては六五%、これは三十三、三十四両年度でございますが、その程度復旧事業が進捗するような予算を組んでございます。  それから各種の補助金につきましては、従来から検査院あるいは行政管理庁の御指摘をいただいております点もございまして、なかんずく零細なものであるとかあるいはすでに機能を果しておる、そういうようなものがございまして、これは補助金整理いたしまして、特に三十四年度編成のときに整理を重点的にいたしておるわけでございます。  なお保険事業につきまして、保険料の徴収、そのための人員が少いためにそれらの特別会計経理がうまくいっておらないという従来の御指摘がございまして、これは厚生保険労働者災害補償失業保険以下につきまして、おのおの人員の増加あるいは経費増額をいたしております。以上のような点が特に具体的に申し上げ得ると思います。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 総理大臣にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、三十二年度決算に当つて、やはり一番多く見られるのは不当、不正、あるいは繰り越し、こういうものの中のやつぱり横綱というのは、防衛庁あるいは国鉄というようなものがこの中でも指摘をされておるのでありますが、特に私は昨年末総理大臣に御質問申し上げました、防衛庁関係のいわゆるロケットの発注の問題について、その後具体的にどのように処置されておるのか、これは当時あなたは国防会議の議長であるから、防衛庁関係防衛庁の幕僚がやつたというだけでは済まされない、従ってそのときにはおわかりにならないという御返事をいただいたけれども、おそらくその後やはりこの不正、不当というようなもの、あるいは契約に当つてのそうした不十分な点については、是正をされる方向というものをとられた、こう私は思うのでありますから、従ってイタリアのスタッキーニ会社に対する発注の問題についてその後どのようになっているか、これを一つ御説明をいただきたいと思うのです。
  33. 岸信介

    国務大臣岸信介君) もちろん私国防会議の議長でございまして、国防の基本的な問題につきましては、私会議の議長としての責任を負うておりますが、いろいろな具体的の問題はやはり防衛庁においてやつております。今のロケットをイタリアの会社に注文した事案は、私の承知いたしております限りは、とにかく契約をいたします当時においては相当な注意をもって、もちろん契約化されたものであり、特別な性能、特別な機能を持っておるので、あの会社に対して注文をしたのでございますが、その後予期しないことのために会社が破産するというような事態になりまして、これが契約の履行を見ることができなくなつた、そこでわが方としてはこれが法律的な救済につきまして、あらゆる考え得る手段を講じておるという報告だけは受けておりますが、その後具体的にその法律的な救済がどの程度に進み、どれだけの効果をあげているかという具体的のことは、私承知いたしておりませんので、防衛庁の係から一つ責任をもってお答えするようにしたいと思います。
  34. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 相澤委員に申し上げますが、きようは防衛庁から参っておりませんから……。
  35. 相澤重明

    相澤重明君 私は昨日、総理大臣並びに防衛庁長官出席を求めておつたのです。従って当然防衛庁関係綱紀粛正関係について私はきようの御質問を申し上げる、こういう点で一応御連絡をしておいたわけでございますが、今委員長お話では、防衛庁長官がどういう理由かお見えにならぬということは、あとでこれは一つ責任をただしたいと私は思うのですが、もちろん防衛庁長官は本院の同僚であるし先輩である伊能君ですから、まだかわつたばかりですからこれは知らないと思うのです。しかし、防衛庁長官よりは私はむしろ総理大臣に昨年末私が御質問申し上げたんだから、そこで少くとも総理大臣として、国内の問題なら私はまだそれほどあなたに追及をするつもりはない、しかし事は外国との契約の問題であり、しかもこの取扱いについての問題については、会計検査院指摘事項について見ても私は遺憾の点が非常に多い、こう思うので、少くとも国の防衛問題についてその責任者たる総理大臣から、この点はお取調べがあつてしかるべきだ、こう私は考えておつたわけであります。その点はどうなんです。総理大臣、この検査院報告の三十一ページから三十三ページまでをお読みいただけばわかるように、これははっきりと防衛庁の契約についても不十分な点が私は相当あると思う。こういうことは率直にあなたもお認めになって取り調べられなければならぬと思う。しかも私が昨年御質問をしたときには、一体この契約をした担当者はだれか、その担当者の氏名を明らにしてもらいたい、こういうことをあなたに御質問をいたしたわけです。少くともこういうずさんなことをやつているようないわゆる防衛庁の担当官であるなら、処断をすべきである。国民の血税というものが防衛庁だから幾らでも金を使えるのだ、というような考え方というものはまことにけしからぬ話だ。こういう点で私は昨年の暮にあなたに、一体担当官はだれなんだと、しかし総理大臣だからなかなかそう簡単に全部はおわかりにならぬだろうから、それじや一つあとで調べて報告してもらいたい、こういうことを私は言っているので、もう年を越しているのだからきよう私は御答弁をいただきたいとこう思ったのですが、きよう総理大臣ができないというならどなたかかわりにできる人ありませんか。この大勢の中におりませんか。
  36. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 今防衛庁を呼んでおりますから、防衛庁責任者が参りますから、その上で明確にお答え申し上げます。
  37. 相澤重明

    相澤重明君 それでは防衛庁のイタリアの問題についての担当者の問題については、私はいいと思うのですが、特に会計検査院指摘している中で、総理大臣ちょっと私この文章を読みますからお聞きをいただきたいのですが、三十二ページのしまいから四行目の下の方に「三十三年三月三十一日を有効保証期限とする保険証券と引換に三十二年十月十八日右前払金がスタッキーニ会社に支払われたものである。」こういう点で指摘をされておるわけでありますが、この文章からいくと、いわゆる三十三年の少くとも三月三十一日を有効期限とどうしてきめたのか、こういう点について、契約上のことについても防衛庁がどういう方針とつているのか、こういう点についてはこれは少くとも私はあとで御質問申し上げますが、次期戦闘機種の選定の問題についても、こういう問題が端を発していると私は思うのであります。従ってこの会計検査院から指摘されていることについて、総理大臣としてはどう考えておるのか、この点の御答弁をいただきたいと思うのであります。
  38. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 三十二年三月三十一日を有効保証期限とした理由いかんという御質問でありますが、担当官が参りませんと、諸般の事情が明確になりませんものですから、しばらくお待ちを願いたいと思います。
  39. 相澤重明

    相澤重明君 総理大臣が、どうもちょっと、やはり防衛庁長官の方でなければいかぬということであるから、この点については譲りたいと思うのでありますが、少くとも、これは契約上の問題として、やはり防衛庁がやることが、こういうふうなずさんなことをやつておるのだということを、これは、私は明確にされたことだと思う。このことについては、あとで防衛庁長官をただしますから。  そこで総理に、先ほど小柳委員指摘をされたように、もしそういうようなことをやつて、国に損を与えた、国損を与えたというような場合には、あなたは、どういうふうにその担当官を糾弾されるのか、処断をされるのか。そういうお考えがあるのかないのか。この点は、綱紀粛正ともからむ問題でありますから、一つお答えをいただきたいと思うのです。
  40. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 十分、こういう契約をしました、取り結んだ事情を明確にいたしましてそれについて、担当官その他の者が責任ありとすれば、もちろん責任をとることは当然であります。ただ、従来のこの契約をいたしました事情というものが、まだ明確でございませんから、直ちにこれでもって、すぐ担当官を罰すると、こういう結論は、十分この契約をしました当時の事情を調べまして、これに過失があり、あるいは当然やらなければならぬ注意を怠つておる、あるいは悪意があったというようなことであれば、確かに、これは処断しなければならぬと思います。
  41. 相澤重明

    相澤重明君 総理大臣の今の御答弁を聞いているというと、調べてもし感心しないことがあれば処断をするというお言葉をいただいたのでありますが、私は、具体的な問題で一つお尋ねをいたしたいと思うのであります。  昨年、やはり私はこの決算委員会において、防衛庁の次期戦闘機種の選定に当つて、いろいろと衆議院において、あなたも答弁をされ、また御論議があったことを昨年お聞きをいたしたわけでありますが、具体的に今日は、決定をしておるのかどうか、次期戦闘機種について選定を、もうすでに決定をしておるのかどうか、この点をまず第一に、一つお尋ねをしておきたいと思います。
  42. 岸信介

    国務大臣岸信介君) まだ、最後の決定はいたしておりません。
  43. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、私は昨年衆議院の決算委員会においても、また本年の衆議院の決算委員会においても、これは一番新しいことでは、二月の衆議院の決算委員会において、現在は大蔵省の中におるようでありますが、当時、この次期戦闘機種の選定に当つての、まあ一番重要な役割を演じたと思われるのは、防衛庁の参事でしたかをしておりましたところの前国防会議事務局参事官、現大蔵省主計官吉村真一君を衆議院の決算委員会では証人として出頭を求めると、こういうことが言われて、あなたも、おそらくこの点はよく事情を御了承のことだと思うのですが、一体政府が、閣議なりあるいはまた省議なり等を行う場合に、一体内閣の官邸なり、あるいは各省の会議室を使用することを前提としておるのか、それとも、いやそういうことでなくて、各省は、予算がたくさんあるから、できるだけ外へ行って会議をやるということをお考えになっておるのか、その点は総理大臣、どういうふうに今日まで、政府を統轄しておる総理大臣としての立場とつてこられたか。これは、まあ吉村真一君の問題は、具体的にあとで直接あげていきますが、一つ、具体的にお答えいただきたいと思います。
  44. 岸信介

    国務大臣岸信介君) もちろん閣議は、官邸及び国会中は国会内において開くことに決定しておりまして、それ以外で閣議を開くことはございません。各省の省議も、それぞれその役所の会議室その他きめたところで開いておると思います。そういう責任のある会議というものは、一切そういう明確なところでやつております。
  45. 相澤重明

    相澤重明君 そういたしますというと、たとえば外部で会議をひんぱんに持つた、いわゆる省の役人が、外部でもって、たとえば料亭なら料亭で会議をひんぱんに持つたと、そういうような金は、別に役所から出るはずのものではない。これは、個人が飲むなり食うことならば別の問題で、個人の問題で、今の総理大臣の御答弁をお聞きするというと、これは少くとも官庁の会議というものは、閣議の場合は、総理大臣の官邸なりあるいは院内なり、あるいは省議においては各省の建物の中でやる、これが原則だと、こういうふうに理解をしてよろしうございますか。
  46. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 私がお答え申し上げました通り、今相澤委員の御質問通りであります。ただ、各省の——私よく承知しておりませんが、各省の、今申しましたような最後の決定をするという省議をするようなことをよそで開くということは、私は別に聞いたことはございません。ただ、準備の打ち合せであるとか、あるいは各省の事務の連絡であるとか、あるいは何かの調査をするとかいうことで、それぞれの役所の庁舎が狭いために、各省におきまして、あるいは定めた所において開いておるというような例はあろうと思います。  しかしそういう、いかなる場合におきましても、料亭等において、これを開くというようなことは、これはどうも常識上考えられません。
  47. 相澤重明

    相澤重明君 まことに、総理大臣としての御答弁は、その通りであつてほしいと思うのですし、私も、そうあつてほしいと思う。  ところが、これはすでに総理大臣も、新聞や雑誌を見て御存じの通りだと思うのですが、防衛庁が、いわゆる次期戦闘機種選定に当つての御相談だろうと思うのですが、このいわゆるイタリアのロケットを発注する前後において、あるいは前においてあるいはあとにおいて、そういう会合がたくさん持たれたということを、実は私はここに資料をたくさん持っておるわけだ。これは少くとも三十二年八月、今のいわゆるロケットを発注する当時の問題から、防衛庁の海幕の調査課の人たちや、あるいは整備局の人たちがたくさん、いわゆる会合を持っておるのを私は持っているわけだ、こういうことについて、一体今の総理大臣の言うのは、いわゆる会議は、原則としてそれぞれの省庁でやるということであるということは、私もその通りであると思うのですが、この人たちが一体たくさんの会合を、無慮百回にも及ぶような会合を持っておるということは、これは推定ですけれども——私は、全部持っているわけではない。しかし、私の調べただけでも、これだけのたくさんの資料が、三十二年八月から、八月三十日、九月五日、九月七日、九月十六日、九月十八日、十九、二十九、十月一日、二十八日、三十日、十一月六日、十四日、十七日、二十二日、二十七日、二十八日、十二月七日、九日、十日、三十三年一月四日、八日、十一日、十八日、二十日、二十二日、二十三日、二十七日、三十一日、二月一日、十二日、これは三十三年二月。これは三十三年まである。これは、言えば切りがない。どうでしよう総理大臣。これでは関係者が——あなたに差し上げてもいいです、これは——私は、よくわからない。内容は、しかしあなただつて、おそらくわからないだろうと思う。こういうことであると、私は相当問題になるのではないか。一体この予算というものは、どこから出るのか。  これは、おそらく個人が、こんなに大きな金を出し切れるものではない。総理大臣の給料だつて、こんなに行かれはしない。ましてやわれわれ国会の平議員では行かれはしない。一体それら防衛庁の役人が、幾らの給料を取つていますか。これは、一体総理大臣、どう思いますか。
  48. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 私、その資料を拝見しておりませんのでわかりませんが、相澤委員、どこで開いておりますか。それは場所は、防衛庁外だというのですが、どういうところで開いておりますか。
  49. 相澤重明

    相澤重明君 せつかくのお尋ねですから、一つ私から、答弁さしていただきたいと思います。三十二年八月三十日にはエスカイアで開いておるわけです。九月九日も同じく、九月七日は大乃、あるいは九月十六日には、やはりエスカイアで、これは東京です。こういうふうに、紅馬車もあるし、三田もあるし、なかなかバラエティに富んでおる所でやつておる。こういう点は、少くともこれは、私は全部が全部と思いたくないのですけれども、少くとも、そういうことを国民の間にばらまかれて、総理大臣が、そういうことを知らなかったということじや済まぬから、やはり、これは厳重調査をしなければならぬだろうと、こう私は思うのです。  これは私もあなたも、おそらく国会の威信、信用というものからいえば、そういうことがあつてはいかぬと、こう思うので、こういうことが、もしあるとするならば、これは処断もしなければならないし、ないとするならば、そういう新聞記事であるとか、あるいは雑誌の報道であるとか、あるいはそういうことを言うような人に対しては処断しなければならない。これは、国会の威信を取り戻すことであるし、政府に対する信頼を回復することである、こう思う。それについて総理大臣具体的なものを一々全部は見ておらぬようでありますが、少くとも防衛庁関係者が、そういうふうに出ておるということについては、これは、あなたの所信をお尋ねをしておかなければならぬと、こう私は思うのですが、いかがでしょうか。
  50. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 今日、衆議院の決算委員会におきましても、防衛庁あるいは国防会議の事務局に関係しておった者が、過去においてしばしば、いろんな人と会合をし、同時に飲食をするために、料亭その他のものを使用しておつて事実が今究明されております。おそらく今相澤委員のおあげになりましたことも、また場所等を聞いてみまするというと、一体、それは会議という名前に、何とかの会議といっておるけれども、私は、どうもそれよりも酒食を共にするということが主たる目的じゃないかと、今おあげになりましただけでは思うのでありますが、いずれにしても、公務員やあるいは政治家等が、そういうような、外部にいろんな疑惑を持たせるようなことは、これは政治なり行政というものを粛正するという意味から、厳に慎しまなければならぬことであると思います。  おあげになりましたような事実につきましては、十分一つ、今、衆議院でも究明されておりますが、政府としても、十分究明をいたしまして、これに対する処置をとりたいと思います。
  51. 相澤重明

    相澤重明君 総理大臣の時間が、あともうないようで、大へん他の委員も、御質問があるようですが、私は実は、きようはこの問題は、いま少しく発展をして質問したい要点がたくさんあるのですが、次回に一つ、私は譲りたいと思いますが、総理大臣、これは少し防衛庁を、今伊能防衛庁長官が来たけれども、何しろまだ新任ですから、一つ、やはり指導してもらわなければならぬ、総理から。そこで次のときには一つ、それを調査をしてあなたの方から、御報告を私はしていただきたい。  そこで今は、先ほど申し上げた衆議院の決算委員会でも、吉村真一君のことを取り上げておるようでありますが、私もこの点については、総理大臣と同じ考えを持っておつて、少くとも公務員が、重要な会議をする場合に、料亭あたりでやるべきじや私はないと思う。そこで、そういうもし事実があったとすれば、これはどうするか。総理大臣の隣りに佐野君、大蔵政務次官も坐つておるけれども、こういう点について一体どうするかということくらいは一つ、たとえば監察といいますか、さっきは何か、経理査定、それから検査検収なんというようなことは、大蔵省の方から言われたようでありますが、具体的に内閣の中で、そういうような、特に国民に疑惑を持たれるようなものについて、抜本的な監督をする、監察をするといいますか、そういうようなものをやはり強力なものを持つ必要があるのじゃないか。それは、あなたが総理大臣になってから、いつも国民の前に公約される三悪追放、あるいは綱紀粛正、こういう問題について、私は筋金を入れることだと思うんですよ。そういう点について総理大臣一つ、どうしたらいいのか、私はそれだけで、きようは質問を終つておきたいと思うんですが、どうでしような。
  52. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 具体的の問題につきましては、十分事実を究明して、私は適当なそれに対しては処置をしていかなければならぬと思います。先ほどおあげになりましたような具体的な問題については……。  ただ、制度の問題として、こういうことを将来なくするために、何か考える必要があるのじゃないかという相澤委員お話しであります。御承知の通り、現在行政監察につきましては、行政管理庁がございまして、各省の何についてもやつておりますし、また各省が先ほど申したように自主的な、それぞれの何を持っております。これをさらに強化するか、一そうこれを有効に動かす方法につきましては、私としても一つ十分、相澤委員お話の御趣旨については同感であり、また考えなければならぬと思いますから、検討していきたいと思います。
  53. 棚橋小虎

    ○棚橋小虎君 時間があまりないようでありますから、ごく簡単に申し上げたいと思いますが、岸総理は、第一回の組閣の初めに当りまして、三悪追放ということを施政の第一の目標として掲げられておつたのであります。私どもは、それに対しまして、心から共感を感じまして、岸総理が施政をやつておられる間に、この腐敗した官界の空気が一掃されるであろうと、大いに心から期待をしておったのであります。三悪の他の二つであるところの暴力であるとか、あるいは貧乏であるとかいうような問題については触れませんが、この汚職という問題一つとつてみましても、いよいよますます岸総理が、政府をやられるようになりましてから、汚職がひどくなってきている。この決算報告を見ましても、一般会計で五百件、十五億円、その他、これは公社であるとか特別会計を合わせるというと、莫大な額に上るであろうと私は思うのであります。  こういうことに対しまして、一体総理はどういう対策を考えておられるのかというようなことを、先ほど小柳委員からも質問をいたしましたが、あまり満足の御答弁を得られなかった。ただいま、また相澤委員質問に対しましては、行政管理庁の機構を強化して指導監督を厳にするというようなお話がありました。私は、そういうことも大事であるが、それよりも、もっと大切なことがあるのじゃないか。最近衆議院の方においても、いろいろ問題がありましたけれども、こういう下の方のいろいろな不正不当な支出というようなことのほかに、政府の首脳部が、大臣とか、総理大臣とかいうような人の身辺に対して、自動車がどうこう、グラマン機がどうだとか、あるいは別荘がどうだとかいうようなことが、ひんぴんと話題に上ってきておる。ことに外交関係について、インドネシアの賠償問題というようなことについても、どうも変な関係があるのだろうというようなことが言われておる。これについては、まだ真相が十分に究明されておらないし、総理は、絶対にそういうことは無根であるということを言われておるようでありますけれども、私は、そういうようなことを、真相を究明して、そういう事実があったかなかったかというようなことは、二の次でありまして、少くとも一国の総理大臣閣僚というような人に対して、そういうことが、国会で問題にされるということが、これは私は、非常な国民に悪影響を与えるのじゃないか、こう考えます。  で、こういうような会計検査院から指摘されておるような、いろいろな問題も、これは私は、こんなことは、もし総理を初め各大臣が、日本の官紀を粛正しなければいかぬと、綱紀を振張しなければいかぬという強い御決心があつて、そうして自分の身辺を清浄にして、みずから先へ立って全体を率いていかれると、そういうほんとうの熱意が下々まで徹底するならば、こんな小さな問題は、自然に私は影をひそめるだろうと思う。  ところが、ああいうことが大つぴらに国会で、いろいろ問題にされて、それもあとから何が出るやらわからぬということになってくると、官界だけではない、国民全体が、一体政府の首脳なんというものは、みんなあんなもんだ、われわれも、ちつとはつまみ食いぐらいは、当り前じゃないかというような気持が、私はびまんしてくるのじゃないか、現に、もうそうなっておる。こういうことに対して、総理は、三年前にりつぱな三悪追放というようなことを宣明されて、国民に約束をされております。  現在の官界の状況、国民に与えた印象をごらんになりまして、どういう御感想を持っておられるか、一応その御感想をお聞きしたいと思うのであります。
  54. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 御質問のように、私はこの綱紀粛正の問題、あるいは官紀振粛の問題のまず前提として、政治が清浄であり、粛正されておるということが一番大事だと思います。その意味において、内閣総理大臣はもちろんのこと、国務大臣や、あるいは政党幹部等の重要な政治家が、最も官界に対して範をたれるような行動をしていく必要が私はあると思う。今日衆議院等におきまして、いろいろなことが論議されておりますが、私は、あくまでもそれらの論議に対しまして、事実を鮮明していって、そして政治を清浄に行うことに対する国民の信頼と、また政治の責任に当つておるところの私初め各国務大臣の潔白なことを証明しなければいかぬと思います。  ただ最近、世間であげております事柄につきましても、事実無根な、ねつ造されておることが、相当流布されておる事柄につきましては、私非常に遺憾と思っております。これらのことは、この責任のある国会委員会その他におきまして、私は、十分に一つ明らかにし、そしてこれに対して、先ほど申しましたような、われわれの国民に対しての疑惑というものを明らかにする、国民の疑惑というものを一掃するように私も全力を上げるつもりでおります。
  55. 棚橋小虎

    ○棚橋小虎君 御答弁で、私はあまり追及するつもりはないのでありますが、ただいまの御答弁だけで、けつこうであります。どうか、その御答弁をお忘れなく、一つ必ず御自身の身辺を清潔に払拭されまして、そうして国民に対して、政府をほんとうに信頼をする気持を起させるように御実行なさることを私は熱望いたしまして、私の質問を終ります。
  56. 岩間正男

    ○岩間正男君 この前の三十一年度決算の総括質問におきまして、つまり昨年十二月の二十二日におきまして、私はこの決算委員会、国家の会計経理の中において、会計検査院が立ち入れないような、いわば暗黒面がある、この点については、非常に重大な問題じゃないか、たとえば公安調査庁の費用、あるいは警察のいわゆる捜査費云々といわれているような費用というものにつきまして、ここをもっと明白にする必要がある、民主的な財政運営をする立場から、この点を明白にすることは、非常に重要じゃないかという点について、総理質問したのであります。従って、これについて総理も、同感の意を表せられたと思うのでありますが、その後どのように、この問題を具体的に推進しようと考えておられるか、お聞きしたいのです。
  57. 岸信介

    国務大臣岸信介君) ただいま、岩間委員の御指摘のありましたような各種目について、会計検査院が全然検査の対象にしていないというようなことではなくして、やはりこれに対しましては、会計検査院が、一応みな検査の対象としている、こういうふうに私は理解いたします。
  58. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは会計検査院が二年前に、私の質問に対しまして、公安調査庁の調査費そのものが、一体、果してどういうような会計なり経理になっておるか、この内容について、調査をしているかということを質問しましたとき、非常に大まかなもので、そうして伝票を切るが、しかしその中で、いろいろな工作費、捜査のための、いわばスパイ活動費のようなもの、そういうものに対して、伝票の検査をすることはできない、そこに立ち入ることを拒否しているということを明白に答えられている、私はその事実に基いて質問しているはずでありますが、そうすると、二年前と現在では違つているのでありますか、会計検査院のその点の、最近変化があるのですか。  そうすれば、今のような御答弁で差しつかえないわけでありますが、そう聞いてもいない、その点いかがですか。
  59. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 会計検査院の方から、お答えします。
  60. 小峰保栄

    説明員(小峰保栄君) ただいま調査費、それから警察の捜査費、これについて検査の方法についてのお尋ねがございましたが、これは一通りの書面検査はやつております。それから実地検査の段階におきましては、最終末端の需要に対する証拠書類これも検査しているのであります。拒否されているというような面は、実はございません。
  61. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは、ただいまここに、私速記録を持ってきておりませんけれども、立ち入れないというのを聞いた当時、非常に問題になつたわけです。あのときは公安調査庁の次長が出てきておつたのでありますが、そういうものと関連して、私は、はっきりした事実に基いて言っているわけであります。  これはまあ、今そういう速記録がありませんから、この事実をここでつきつけてということになりませんけれども、非常にそこのところは、ずさんだと思う。経理の内容——大体公安調査庁の調査費なるものは、各地方の公安局ですか、そこへ渡されて、それが末端で使われるときには、非常に大まかな伝票で、行動費とかなんとかということで、そうして事実その中では、いろいろな活動費に使われている、あるいは酒を飲ませる、あるいはいろいろな工作をやる、そういうような、しかもとても国民としては納得できないような形で使われている、こういう点について、立ち入れないということが、明白に会計検査院は述べておつたと思います。そういう点から、とにかくこの点について、非常に最近の警察行政とも関連して、私は非常に重要な問題があると思うわけですが、こういう点について、私はこの前も質問したのですが、とにかく意を用いて、疑惑のないようにするということは、当然、しかしこれは、政府責任でもあると思うのですが、こういう点については、その後どういうふうに行われておるか、この点お聞きしたいのです。
  62. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 申すまでもなく、会計検査のやり方につきましては、これは会計検査院がきめることでございまして、内閣から、こういう方法で、こうしろということを指図すべきものではないことは言うを待たない。ただ申し上げておきたいのは、調査費であるとか、あるいは報償費というような費目において掲げられておる費用というものは、他の費目とは、私は性質の上において、やや違つた性格を初めから持っておると思います。従いまして検査院検査をされる場合において、全然立ち入りをさせないとか、検査の対象にならないというようなことであるなら、問題でありますけれども検査の対象にはするけれども、他の費目との間に、それぞれ検査の仕方等につきまして差異が出てくるということは、私は、こういう費目の性質上から当然出てくるのじゃないか、こう思います。
  63. 岩間正男

    ○岩間正男君 今の御答弁で、他の費目と違つた、初めから、そういう性格が違つておるのだという御答弁があったのでありますが、しかしこれはですね、そういうことを何ですか、首相として確認されるわけですか。つまり他の費目と違うという意味だったら、農林省と通産省は違うだろうし、そういう形の違いはあるだろうと思う。しかし、少くとも法律を施行する、それから警察なら警察法を施行する、そういう面においての違いというものは、これは当然あるでしよう、職務的な違いでありますから。  しかし、そういう性格は、あくまでこれは、憲法に規定された、しかもあくまでも警察の場合でありましたら、人権を守る、そういう点から、これは使用されることは、当然であると思うのでありますが、特に、これは最初から違つた性格を持っておるという点を認められておる点が、非常におかしいと思うのでありますが、いかがですか。
  64. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 私の申し上げたのは、あるいは調査費であるとか、あるいは報償費というような費目で掲げられておるところの経費は、ある特定の法律を施行するとか、あるいは特定の具体的の目標目的を持つた補助金だとか何とかというものとは、非常に広範な性質を持っておるという意味において、意味が違つておるのじゃないかということを申し上げたのであります。  もちろん警察が、人権、憲法の規定に従って、人権を擁護しなければならぬ、あるいはその他憲法の規定に基いて、これが使用されなければならぬ、あるいはこれが、不当の支出やあるいは乱費されてはいかんというようなことは、これは当然でありまして、そういう点において会計検査院としても、検査の対象になっておることは私は当然だと思います。  ただ目的そのものが他の何々の法律を施行するための経費というふうに、非常に具体的に明瞭になっておるものと違つて、広範な目的を持っておるという意味において、性格が違うということを申し上げておるのであります。
  65. 岩間正男

    ○岩間正男君 非常にその点があいまいで、警察の行政の性格と関連してくると思うのです。  私は、国庫の負担行為、国費を使うのは、あくまで法律あるいは法的根拠にこれは従わなければならぬというのは、当然だと思うのでありますが、たとえば警察官が、この職務を執行する捜査費を使う、こういうのは当然これは、この捜査権の発動をやつて使う、そういうものとして捜査費というようなものがあるんだと思う、警察の場合。そうすると捜査権の発動というのは、当然刑事訴訟法並びに警察官職務執行法、この二つに基いて、これは行わるべきだと私は考えるのですが、それ以外に、何かこのほかの行為を行うところの法的根拠がございますか、その法的根拠に立って、今のような御答弁がなされておるんなら、私は了承しますけれども、全然法的根拠のない、何か含み——その当時のいろいろな要求、あるいはまた当時の政治的な要求から、こういうものが乱用されるということになりますというと、これは、非常に私は重大なものを含んでおつたと思うのですが、いかがですか。  今の二つの法的根拠以外に、どんな法的根拠がありますかお聞きしたい。
  66. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 今お話のように、この犯罪の捜査というようなものは、それぞれの法規に基いてやられることは、これは当然であります。そういう意味における捜査費用というものは、これらの法規に従っての捜査行為に、必要な場合に支出されるということも当然だろうと思います。
  67. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、今申し上げました二つの法律以外に、これを使用するということは、非常に、乱用と考えていいわけでございますね。
  68. 岸信介

    国務大臣岸信介君) ただ、さっきから問題になっております、たとえば公安調査庁の調査費というようなものは、私は、今おあげになりましたような犯罪捜査に関する職務執行法や刑事訴訟法に基くところの犯罪捜査の費用ということじやなしに何するんだと思います。
  69. 岩間正男

    ○岩間正男君 公安調査庁の性格そのものも、そうすると法律に立脚しない、そういうような一つの何か、おかしな暗黒面があるというふうに、これは考えざるを得ないわけです。  しかし、これは公安調査庁の費用だけじやなくて、警察の捜査費そのものも、非常に最近問題になるんじゃないか、私は、最近の事例と関連して、これを具体的にお聞きしたいのでありますが、憲法で、当然これは警察官の任務としましては、犯罪を捜査すると、従って一般犯罪、つまり少年犯罪があるとか、暴力行為があるとか、こういうものについて、これは法の命ずるところによって捜査するのは当然ですが、しかしどうでしょうか、一般の公安ということに名をかりまして、労働組合を必要以上に捜査をする、あるいはまた、平和を守る平和団体をいろいろな面から、角度から、これを捜査をする、あるいは原爆に反対しておる原水協を捜査する、あるいは学生団体、婦人団体、農業団体、さらにこれは社会党、共産党こういうような政党に対して、非常に立ち入つた捜査をやつておるのでありますが、こういうことは、どういう一体根拠にこれは基くものでありますか、明らかにしていただきたい。
  70. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 岩間委員の御質問でありますが、この公安調査庁の調査というものは、公安調査庁設置法に基いておる権限や、あるいは破防法の執行のためのいろいろな調査をするために何しておると思う。今おあげになりましたような、これによって、何かその犯罪の捜査をしているというようなことは、私には、ちょっと理解できないのであります。
  71. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは、私は公安調査庁の場合だけ言っておるのではなくて、最近たとえば、それでは具体的に例をあげますが、大阪で御承知のように平野警察署で、ここの警備係長の辻井警部補、これが警備関係書類を落した、それが届けられ、そうしてそれが問題になりました。これは参議院の本会議におきましても、社会党の亀田議員から質問された。  ところが、その内容を見るというと、非常にこれは、驚くべきことがあるわけですね。今申しましたような政党、それから平和を守る団体あるいは民主団体、労働組合、こういうところに対して、必要以上にこれは入っておるわけです。  たとえばその中で驚くべきことは、まず第一に、工作者を作つて——情報提供者というもので、実は、これは簡単に一言えばスパイでありますけれども、こういうものを作る、そうしてこれに対して、金をやる、さらにこれを労働組合の中に送り込む、あるいはこれは共産党に入党を強引に勧める、そういうような関係で、いわゆるひもつきにして、そこからくる調査を非常に進めておる、こういう実態については、これは総理もお聞きになつたと思う。しばしばこのことが問題になっておるのでありますが、こういうことは、一体これはどういう法的根拠に基くのか。この点は破防法といえども、そういうような点について勝手に判断し、犯罪が起り、そして起るようなというような想定のもとにされるこの拡大解釈につきましては、非常に破防法についても当時論議のあったところで、これについては制限があるはずであります。ところが、それらの制限を逸脱して、今のような全く人権侵害に基くところの憲法違反の行為が繰り返されておる。こういう事実については、これは総理はどうお考えになりますか。
  72. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 今おあげになりました具体的の事実が適正であるかどうかは、これは事情を十分調査してみないというと判断できないと思いますが、警察官の職務のうちにも、いろいろな犯罪の予防というような点で、当然その範囲に入っておりますから、従ってそれがその点を逸脱しておることは、これはもちろん、憲法の人権擁護の上から許せないことでありますが、具体的に犯罪があつて初めてすべてのことが動くということでない、予防の点を考えますというと、いろいろ範囲も広くなるんじゃないかと、こう考えます。
  73. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 岩間君に申し上げますが……。
  74. 岩間正男

    ○岩間正男君 間もなく終ります。  労働組合の中へ委員を送り込む、その中で活動さす、たとえば大阪の例でありますが、この手帳によりますというと、全逓の東住吉支部に委員を、工作者を送り込んで、単に情報を集めるだけじやありません。その中に入って、現在問題になっておるのは警職法反対闘争だと、従って、警職法反対ということを盛んにそこで強調しろ、こういうようなやり方で、そうしてむしろ一つの扇動だと思うのでありますが、警察官がわざわざこの警職法反対の闘争を強化するために、そのようなスパイを背後から操作して使つている事実がある、明確にこれは出ております。ここにそういうれつきとした証拠があるんです。一体これは政府方針なんですか。私がお聞きしたいのは、こういうような警職法を通すというのが岸内閣の当時の方針であったと思う。そうして岸総理は、御承知のように、これは日本の民族の運命を決定するような重大な法案である。これは他のものを犠牲にしても通さなければならないというので、御承知のように三十国会はあのように騒いだ。国民の反撃は非常に強まつた。こういう態勢の中で、このような警察行政をやる者が、警職法にあくまで反対して戦えというような工作者を送つておるというようなことについて、これはどういうふうに一体考えになりますか。これもやむを得ざるところの、公安を守るための一つの任務である、仕方がないんだ、こういうふうにお考えになりますか、この点明確にお答え願いたい。
  75. 岸信介

    国務大臣岸信介君) その事実は全然承知いたしませんが、もちろん、私は、もしもそういうことが事実あるとするならば、それは政府方針でないということは言うを待たないと思います。
  76. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 岩間君、これは決算委員会関係のある質問をして下さい。
  77. 岩間正男

    ○岩間正男君 間もなく終ります。時間がもうないようでありますから……。  こういう問題ですね、こういうものを、しかも最近また共産党に入党工作をする。スパイを作つて、それを背後から支配をして強力に入党工作をかけて、そうして共産党に入党させたという例も大阪においてこれは行われておる。福島においても最近、福島の学芸大学の学生を多年にわたって警察がこれを背後から操作して、これを共産党に入党させる、こういうようなことを行なっておるのは、これも政府方針ですか。共産党にこのようなスパイを作つて入党させる、それを慫慂して、金をくれ、これを育成していく、こういうような方針は、これはどういうことになるんですか。
  78. 岸信介

    国務大臣岸信介君) もちろん、政府はそういう方針とつてはおりません。
  79. 岩間正男

    ○岩間正男君 ところが、全国的に現われている例を見れば明らかなように、非常に何かこのようなやり方で、共産党あるいは大衆団体に対して、不当な警察官の権力乱用が行われている。人権侵害の事実が行われている。この問題について一体総理は、たとえば共産党の細胞があるから、どうしてもそれを調べなくちやならないのだというような考えを、警察の諸君がしばしば漏らしたりするのですが、しかしこれはどうなんですか。たとえばどういうようなこれは法的根拠によってこのような必要以上に——当然これは、共産党は憲法に認められたところの天下の公党です。こういうような政党に対しまして、これに対して共産党の細胞があるので、この細胞を調べるのは当然だ、こういうような見解をとつているのでありますが、しばしばこの警察関係の諸君はこういうことをいうのでありますが、岸総理はこれについてどういうふうに考えられますか。
  80. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 共産党なるがゆえに当然調べなければならぬというような考え方は私ども持っておりませんし、同時に法律で認められている政党であれば、いかなる場合に何らもう調べなくてもいいというものでもなかろうと思うのです。要は、やはり治安の維持をしていく上において必要であり、また適当であるということにつきましては、それぞれの団体その他について、政党についてもある程度調べるということはやむを得ないことであろうと思います。ただその場合におきましても、その手段はやはり限られているのであつて調べる意味からいえば、どんな手段でやつてもいいのだというようなことは、もちろん考えなければなりませんから、適法な範囲内においてこれは調査をするということでなければならぬと思います。
  81. 岩間正男

    ○岩間正男君 共産党なるがゆえに特別調べるというようなことは考えていない。むろん、これは法的根拠は明らかでないことだと思うのです。この点は確認したいと思うのでありますが、しかしこれと関連して、あなたの国務相の、青木国務相は、共産党の細胞があるから当然これは調査してもよろしい、共産党の細胞があるから、大衆団体を調査するという事態も起るのだということも、公然と参議院の本会議において、亀田議員の質問に対して答弁している。そうするとこういうことは、明らかにこれはあなたのただいまの答弁と食い違う。私どもは、これは明らかに憲法違反な答弁ではないかと思うのですが、この点はいかがですか。
  82. 岸信介

    国務大臣岸信介君) それは、私は、青木国務大臣がどういうふうに答弁したか承知いたしませんが、先ほど申しますように、ただ形式的に、共産党なるがゆえに調べるということは、これは私は意味をなさない。ただ、国または地方の治安の維持その他の上から見まして、ある場合におきましては、共産党の細胞に対して調べるということも当然起つてくるだろうし、あるいはその他、社会党やあるいは労働組合や、あるいは自民党の支部につきましても調べるということにつきましては、これはあり得ると思います。そういう意味でお答えをしたのではないかと思います。
  83. 岩間正男

    ○岩間正男君 今そういうような言い方で言いのがれされておりますけれども、亀田議員の質問はそうじゃありません。具体的な例をあげたのです。たとえば入党工作をやつている。あるいは結婚を妨害して、ますますこのスパイ的な活動を強化させるために人権を侵害している。こういうような事実を具体的にあげて、そうしてそれについて、どうしてそういうような捜査をやるのか、これは法的根拠はどうだ。これに対して今のような答弁をしているのです。単に一般論としての御答弁では私はないと思うのです。従って、こういう点で、この警察関係の諸君は、まるで公然とそのことは正しいことだといわぬばかりにこういうことを言っているわけです。この点について私も質問をしたわけですが、青木国務相は当時答弁を拒否——しなかったのです。この点について、はっきりこれは総理はされてほしいと思うのです。それから、現状は、このような国務相が見解を持っていることによって、実際は末端の警察行政というものは全く乱れているのです。全く法的根拠に立たないところのいろいろな、つまり公安を守るという名目によって、どんどん拡張解釈をやる。そしてその結果は人権侵害をする。さらに、先ほど申しましたように結婚まで妨害をする、入党工作までさせる、資金をどんどんくれておる、その資金についての所在というものも明白でありません。中には、結婚の問題で非常にこれを妨害した場合に、君が工合が悪いならば、一生君のことを見てやることもできるのだというような形で、実に不当な形で彼らはやつておるわけです。こういう事実について、私は、非常に不当なやり方、こういうものについて、はっきり今後の行政の中で明確にされるというのが、少くとも総理大臣としての責任じゃないかと思うのです。警察行政について、私はこの前の総括質問においても、どうも行き過ぎているのではないか。大衆団体とか、あるいは平和活動家、民主的な諸団体に対して非常に重点を置いておる。そうして一般の人権を守る、あるいは暴力行為があった、犯罪行為があった、こういうものに対して捜査を怠つておる。現に荒川におけるところの通り魔事件というのは、すでにあの問題が発生してから一カ月になんなんとしておる。こういう中で、犯罪人さえつかむことができない。警察の主力というものが、全く、憲法によって明確にされておるところの人権を守る、国民の公安をほんとうに守つていく、こういうところに主点がおかれないで、逆に、労働者の弾圧、あるいはまた進歩的政党に対して、いろいろな調査の名による圧力をかけておる。こういうことによって日本の平和を侵害し、真に日本の正しい政治の発展について非常に圧力をかけてきておる。これは現在、先ほどから問題になつた岸内閣のいろいろな昨今問題になっておる汚職との関連、こういう点について、国民は納得しないと思う。指揮権発動の問題もこの前問題になりましたけれども、こういう問題を徹底的に一体追及する任務を果しておるか、こういう点については非常に怠つておる。先ほど、自民党も調べているのだというお話もありましたけれども、あのような、相澤委員の出したああいう問題については何一つ調べていないわけです。最近またいろいろ問題になっておりますところの汚職の問題について、徹底的にこれを追及する、こういうことには全く目をつぶつておる。必要のないものに対しては必要以上に、これは労働者や、あるいは進歩的な政党に対して弾圧を加えておるというのが現在のやり方でないか。
  84. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 岩間君に申し上げます……。
  85. 岩間正男

    ○岩間正男君 国家の経費の運用、こういうものに関連して、そのはっきりした態度をここで岸首相は表明すべきだと思う。従って、青木国務大臣が、国会の本会議議場におきまして、あのような正しくない答弁をし、しかも、それに対する追及があったのに対して、明確な答弁をすることができなかった。岸総理は、今、一応は、これについて人権侵害はしないのだ、共産党については、共産党なるがゆえにこれは調査しないのだ、こういうことを言われておるのでありますが、徹底的にこれを貫いて、あなたの方針としてこれを具体的に、一体その決意があるかどうか、この際最後に伺つておきたい。
  86. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 先ほどお答え申し上げました通り、われわれは、もちろん犯罪があれば犯罪の犯人を捜査して、これを検挙して、それぞれ法によって処断する、また、犯罪の予防につきましても、あらゆる面において警察は活動すべきものであり、また、公安を維持するためにおきまして、これに害があるというようなことを未然に防ぎ、また、そういう事態をなくなさしめるようにいろいろ努力をすることは当然であります。ただ、その方法として、行き過ぎや、あるいは人権じゆうりんというような事態の起らないように、これは警察権問題の担当として十分一つやっていくべきである、かように考えます。
  87. 岩間正男

    ○岩間正男君 最後に、大阪事件のような問題があるのですが、具体的に、あなたの今ここで答弁された方針とは全く違う。こういうものについて十全に調査して、そうしてこれについて政治的な見解を明らかにしてほしいと思うのですが、いかがですか。
  88. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 具体的問題につきましては、十分一つ私も真相を明らかにしたいと思います。
  89. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) では、総理に対する総括質疑はこれで終了いたします。   —————————————
  90. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 次に、昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書昭和三十二年度国有財産無償貸付状況総計算書を議題といたします。  まず、大蔵省から説明を願います。
  91. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) ただいま議題となりました昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書について、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について申し述べます。  昭和三十二年度中に増加しました国有財産は、行政財産千百六十億円余、普通財産九百二十一億円余、総額二千八十二億円余であり、また本年度中に減少しました国有財産は、行政財産四百七億円余、普通財産五百十五億円余、総額九百二十三億円余でありまして、差引総額において千百五十九億円余の増加となっております。これを前年度末現在額二兆二百九十一億円余に加算いたしますと二兆千四百五十億円余となり、これが昭和三十二年度末現在における国有財産の総額であります。  この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては、公用財産四千九百二十四億円余、公共用財産八十六億円余、皇室用財産九十五億円余、企業用財産六千八百五十四億円余、合計一兆千九百六十億円余となっており、普通財産においては九千四百九十億円余となっております。  また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地二千八百八十七億円余、立木竹五千五百八十三億円余、建物二千八百五十九億円余、工作物千五百五億円余、機械器具九十二億円余、船舶四百八十一億円余、航空機七百二十二億円余、地上権、地役権、鉱業権等の権利一億円余、特許権、著作権等の権利二億円余、出資及び有価証券七千三百十三億円余、合計二兆千四百五十億円余となっております。  次に、国有財産の増減の内容について、その概略を申し上げます。  まず、昭和三十二年度中における増加額を申し上げますと、その総額は二千八十二億円余でありますが、この内訳は、第一に、当該年度中の国と国以外の者との間の異動、すなわち、対外的異動によって増加した財産は千三百四十四億円余でありまして、このうち、購入、新営工事、出資等歳出を伴うものは千八億円余、寄附、代物弁済、租税物納、交換等歳出を伴わないものは三百三十六億円余となっております。第二に、国の内部における異動、すなわち、対内的異動によって増加した財産は七百二十七億円余でありまして、このうち、所管換、所属替、整理替等調整上の増加は五百二億円余、新規登載、引継洩発見登載等整理上の増加は二百三十四億円余となっております。  次に、減少額について申し上げますと、その総額は九百二十三億円余でありますが、この内訳は、第一に、対外的異動によって減少した財産は二百三十七億円余でありまして、このうち、売払、出資金回収等歳入を伴うものは百二億円余、譲与、交換等歳入を伴わないものは百三十五億円余となっております。第二に、対内的異動によって減少した財産は六百八十五億円余でありまして、このうち、所管換、所属替、整理替等調整上の減少は、五百三億円余、実測、実査等整理上の減少は百八十二億円余となっております。  以上が昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要でございます。  次に、昭和三十二年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について申し述べます。  国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条及び第二十六条の規定により地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は十五億円余でございます。また減少した総額は三億円余でございますので、差引十一億円余の純増加となっております。これを前年度末現在額五十一億円余に加算しますと六十三億円余となり、これが昭和三十二年度末現在において無償貸付をしている国有財産の総額であります。  この増減のおもなものを申し上げますと、増加したものは、公園の用に供するもの十二億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億円余でございます。  次に減少したものは、公園の用に供するもの二億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億円余でございます。  以上が昭和三十二年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。  なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。  何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
  92. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 次に、会計検査院の御説明を願います。
  93. 加藤進

    会計検査院長加藤進君) 昭和三十二年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。  昭和二十二年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書は、昭和三十三年十月二十八日本院においてこれを受領し、その検査を終えまして、同年十一月二十八日内閣に回付いたしました。  昭和三十一年度末の国有財産現在額は二兆二百九十一億七千二百余万円でありましたが、昭和二十二年度中の増が二千八十二億四千百余万円、同年度中の減が九百二十三億千四百余万円ありましたので、差引同年度末の現在額は二兆千四百五十億九千九百余万円となり、前年度に比べますと千百五十九億二千六百余万円の増加となっております。  次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、昭和三十一年度夫には五十一億九千九百余万円でありましたが、昭和二十二年度中の増が十五億二千余万円、同年度中の減が三億六千四百余万円ありましたので、差引十一億五千五百余万円の増加を見まして、同年度末の無償貸付財産の総額は六十三億五千五百余万円となっております。  また、国有財産の管理及び処分について不当と認めましたものは、昭和三十二年度決算検査報告に掲記しておりますが、これらの事項を取りまとめて申し上げますと、国有財産の管理に関するもの一三件、同じく処分に関するもの五件、計十八件でありまして、いずれも昭和三十二年度決算の御審議の際説明申し上げる予定であります。   —————————————
  94. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 次に、昭和三十二年度一般会計国庫債務負担行為総調書を議題といたします。  佐野大蔵政務次官より説明を願います。
  95. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) ただいま議題となりました昭和三十二年度一般会計国庫債務負担行為に関する報告につきまして御説明申し上げます。  昭和三十二年度一般会計におきまして財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる金額は、三十億円でございまして、このうち、駆潜艇「きじ」の復旧修理につきまして、昭和三十三年三月七日、閣議の決定を経て、総額一億五千万円の範囲内で国が債務を負担する行為をすることといたしました次第であります。  以上をもちまして昭和三十二年度国庫債務負担行為に関する報告といたします。   —————————————
  96. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 最後に、昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十二年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基く使用調書昭和三十二年度特別会計予算総則第十四条に基く使用調書昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その1)、昭和三十二年度特別会計予備費使用調書(その1)を議題といたします。  佐野大蔵政務次官より提案理由説明を願います。
  97. 佐野廣

    政府委員佐野廣君) ただいま議題となりました昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  昭和三十二年度一般会計予備費の予算額は八十億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十二年五月十五日から同年十二月二十七日までの間において使用を決定いたしました五十九億円余につきましては、第二十八回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十三年一月十四日から同年三月三十一日までの間におきまして二十億円余につき使用決定いたしました。  そのおもな事項は、河川等災害復旧事業及び河川等災害関連事業に必要な経費、失業対策に必要な経費、失業中の退職政府職員等に対する退職手当に必要な経費、租税還付加算金に必要な経費、退官退職手当の不足を補うために必要な経費等でございます。  次に、昭和三十二年度特別会計予備費の予算総額は七百二十一億円余でございまして、このうち、昭和三十二年六月二十五日から同年十二月二十七日までの間において使用を決定いたしました三百六億円余につきましては、第二十八回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十三年二月十二日から同年三月二十九日までの間におきまして百五億円余の使用を決定いたしました。  そのおもな事項は、失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費労働者災害補償保険特別会計における保険金支払いに必要な経費、国有林野事業特別会計における仲裁裁定の実施等に必要な経費、糸価安定特別会計における生糸買入代金に必要な経費、中小企業信用保険特別会計における保険金支払いに必要な経費等でございます。  次に、昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条及び第十四条の規定に基き、予備使用の例に準じて予算を超過して支出いたしました特別会計は、印刷局、資金運用部、特別鉱害復旧及び郵政事業の四特別会計でございまして、その内訳は、印刷局特別会計において支出しました台湾向けボンド紙の新規受注及び日本銀行券の製造数量増加に伴い必要な経費三億円余、資金運用部特別会計において支出しました預託金利子支払に必要な経費十一億円余、特別鉱害復旧特別会計において支出しました特別鉱害復旧事業に必要つな経費六千万円余及び郵政事業特別会計において支出しました業務量の増加等に必要な経費十三億円余でございます。  次に、昭和三十三年度一般会計予備費の予算額は九十億円でございまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和二十三年四月四日から同年十二月二十六日までの間において使用を決定いたしました金額は七十億円余でございます。  そのおもな事項は、河川等災害復旧事業に必要な経費、農業施設災害復旧事業に必要な経費、干害対策臨時事業に必要な経費、乳価対策に伴い必要な経費、中小繊維工業設備の処理に必要な経費、南極地域観測事業に必要な経費、東京国際空港の返還等に伴い必要な経費、租税還付加算金に必要な経費等であります。  次に、昭和三十三年度特別会計予備費の予算総額は一千九十六億円余でありまして、このうち、昭和三十三年四月二十二日から同年十二月二十六日までの間において使用を決定いたしました金額は四百四十七億円余であります。  そのおもな事項は、食糧管理特別会計における昭和三十二年産米の買い入れ増加に伴い必要な経費、国有林野事業特別会計における災害復旧事業等に必要な経費、糸価安定特別会計における生糸買入代金に必要な経費失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費等であります。  以上が昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件の事後承諾を求める件の概要であります。  何とぞ御審議の上御承諾下さるようお願い申し上げます。
  98. 西川甚五郎

    委員長西川甚五郎君) 本日の審議はこれで終了し、次回は公報をもって御通知申し上げます。  これをもって委員会を散会いたします。    午後一時二十二分散会