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1959-02-19 第31回国会 参議院 外務委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月十九日(木曜日)    午前十時三十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     杉原 荒太君    理事            鶴見 祐輔君            苫米地英俊君            森 元治郎君    委員            鹿島守之助君            笹森 順造君            重宗 雄三君            岡田 宗司君            曾祢  益君            羽生 三七君            佐藤 尚武君   国務大臣    外 務 大 臣 藤山愛一郎君   政府委員    外務政務次官  竹内 俊吉君    外務省アジア局    長       板垣  修君    外務省条約局長 高橋 通敏君   事務局側    常任委員会専門    員       渡邊 信雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○通商に関する日本国ハイティ共和  国との間の協定締結について承認  を求めるの件(内閣提出) ○国際情勢等に関する調査の件  (国際情勢に関する件)   —————————————
  2. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) それでは、これから外務委員会を開会いたします。  前回に引き続き、ハイティ共和国との通商協定に関する質問を続行いたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。——ございませんでしたら、私から政府側にちょっと要求しますが、この提案理由の説明の中に、この協定により、ガットの「第三十五条援用撤回にも等しい実質的効果を期待し得る次第であります。」と説明しております。このことを——この協定と、それからガットに関するハイティのとっている措置との関係——明確にしていただきたい。
  3. 高橋通敏

    政府委員高橋通敏君) 初めに条約的な見地から申し上げますと、御承知通りハイティガットの第三十五条を援用しているわけでございます。従いまして、実はガットの条文に拘束されるということになりますと、このハイティ共和国との協定のおもに第一条、第二条、すなわち輸出入物質最恵国待遇という点が、ガット規定通り最恵国待遇を受ける次第でございます。しかし、ハイティが三十五条を援用いたしておりますので、その適用を受けない。すなわち、最恵国待遇とか、貨物輸出入に対して、完全にいかなる関税を課そうとも自由であるという立場になるわけでございます。従いまして、その空白の点を、このハイティとの協定におきまして貨物輸出入について最恵国待遇を与えるということをここで約束いたしますので、実質的にはガット規定適用になるという結果になるわけであります。
  4. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 他に御質疑もございませんようですから、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  通商に関する日本国ハイティ共和国との間の協定締結について承認を求めるの件全部を問題に供します。本件承認することに賛成の方の挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手
  7. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  9. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 次に、国際情勢等に関する調査について、外務大臣に対する御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  10. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) この際、国際捕鯨取締条約から脱退通告をいたしましたので、その御報告を申し上げたいと存じます。  国際捕鯨取締条約は、減少しつつあります鯨類資源を保護しつつ、捕鯨産業を永続的に育成することを目標といたしまして、一九四六年ワシントン作成されまして、一九四八年十一月から施行されたものでありますが、日本にとりましても、北太平洋沿岸水域及び南氷洋におきます捕鯨は重要な関心事であり、特に、他の諸外国が主として鯨油の採取を目的として捕鯨するのに対しまして、日本の国民は古くから鯨肉を食用としておりますため、動物蛋白質の有力な補給源として捕鯨を重視しておることは御承知通りであります。従いまして、昭和二十六年三月、国会承認を経まして、同年七月からこれに加入いたしておる次第であります。  しかるに、現在南氷洋におきます捕鯨に参加している日本イギリスノルウエーオランダソ連の五カ国の船団は、二十をこえております。条約によって認められている同水域での捕獲頭数一万五千頭——これは白ナガスクジラで換算いたしております、一万五千頭のワク内で自由競争を行うとの条約建前につきましては、関係国間の協調が必ずしも順調でなく、また、南氷洋捕鯨に参加していない国が条約の中で十二カ国を占めておりますので、南氷洋捕鯨参加国の正しい主張がいれられないようなことも多いため、ノルウエー等は早くからこの条約運営ぶりにつきまして不満を抱くに至っておったわけであります。  最近におきまして、ソ連がその船団を著しく増強する計画を立てましたので、このままで自由競争を続けるならば、資源捕鯨手段の不均衡によりまして、重大な事態が起るとも考えられましたので、イギリスの主唱によりまして、昨年十一月にロンドンにおきまして南氷洋捕鯨参加五カ国の会議が開かれました。そこでは、第一に、ソ連捕獲鯨頭数の二〇%を割り当てるかわりに、その増強計画を今後七カ年間に三船団にとどめること、第一に、他の四カ国は、相互の譲渡以外には船団増強しないこと、残りの八〇%は他の四カ国間でその割当について来たる六月一日までに協議すること等が、各国政府に勧告されるに至ったのでございます。ノルウエーオランダは、この割当会議におきまして有利な地位を占めようとの見地もありまして、その後、昨年末までに、この割当会議が成功すれば取り消すことを条件に、この条約からの脱退通告を行なったのであります。条約第十一条の規定によりますと、ある年の一月一日以前に通告された脱退は、その年の六月三十日に効力を発生することになっております。また、一国が脱退通告いたしますれば、他の国もその通告について知らせを受けましてから一カ月以内に同様の通告を行なって、六月三十日以後脱退もできることになっておるのでございます。  ノルウエーオランダ通告は一月十一日通報されましたので、二月十二日までに通告すれば、右両国同一歩調をとれることになりますので、日本態度をいかに決定するかにつきまして、政府といたしましては慎重な検討を続けたわけであります。英国政府はこれに関しまして、去る一月三十日、議会におきまして従来続けられてきた国際協調が続けられることを希望して、英国脱退通告は行わないが、その後の情勢いかんによっては、再考すべきことを明らかにいたしております。  日本といたしましては、条約建前である自由競争が適当であると考えておりますので、右のような割当制度について、政府間で協定することには反対の立場をとってきたのでありますが、現状を放置することは不可能と考えられましたので、次善の策といたしまして、捕鯨業者間で自主的に割当につき協議決定することを主張して参ったのでございます。このため、ノルウエーの要請もありまして、割当に関してわが関係業者がこのような会議のイニシアチブをとることまでも考慮して参ったのでございますが、ノルウエーオランダ両国が、このような努力にもかかわりませず、ついに実際に脱退するに至りますならば、それによって日本がこうむることもある不利益は、はかり知れないものが考えられますので、かかる不利益を未然に予防する措置をとっておくことが、この際必要であるとの結論に達しました。従いまして、去る二月六日、今後の情勢の推移に照らしまして、取り消すことあるべき旨を明らかにしつつ、所定の手続による脱退通告を行なったのであります。  このわが国通告は、右のような意味から、全くの予防措置でありまして、わが国に対し不利益が与えられないことが判明いたしましたときは、発効前にいつでも取り消す用意があるのであります。わが国の真意といたしますところは、その真の意味での国際協調によりまして、捕鯨業が永続的に維持せられることでありまして、いたずらに国際協調を破ったり、ほしいままな行動を行うつもりは全くございません。従いまして、もしかりに、不幸にしてこの通告を取り消すことのできないような状態が生じまして、わが国脱退が実現したような際におきましても、わが国といたしましては、できる限りの範囲におきまして国際協調による鯨類資源の保存に努力する所存でございます。  なお、去る二月十七日には、わが国業界の招きによりまして、ノルウエー捕鯨業界指導者日本に参りましたので、これと協力して割当制度についての会議を成功に導き、最悪の事態の発生を回避することに、わが業界が全力を尽すよう、ただいま期待をいたしておるのでありますが、その際、政府といたしましても、十分なこれらに対しまして助力を与えていきたいと考えております。  以上、脱退通告をいたしました経緯とその内容につきまして御報告を申し上げたわけであります。
  11. 森元治郎

    森元治郎君 時間も大臣はないようですから、きょうは問題を深くは聞きませんので、端的に明確なところを一つお返事願いたいと思います。  日米安保条約交渉についてですが、今までは国内あるいは閣内党内意見調整ということに重点が置かれているように報道されておるのでありますが、相手側アメリカがどう出るかということについてお伺いをしたいと思います。  アメリカはいかなる案を日本が作ってきても、どれでもよござんすというふうに待っているように見えるのですが、そんなに甘いものなんでしょうか、お伺いいたします。
  12. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) いかなる案を作っていってもアメリカ承認するというわけではございませんので、やはりいよいよ交渉に入りますと、こちらの案に対しましても、いろいろな意見が出てくるかと思います。決してそういう甘く考えておるわけではございません。
  13. 森元治郎

    森元治郎君 私らの狭い範囲でですが、情報によれば、去年の暮れあたりからことしにかけて、岸内閣というものはどうも足元がふらついておる。しかも、しゃべることが、核兵器は一切持ちませんというようなことを総理大臣がしゃべっておる。そうして日本側の案と称するものが、何でも日本側の要求だけで、たとえば条約期限の問題でも、条約区域の問題でも、事前協議の問題でも、すべてがどうも日本側の言い分だけが出ておるというふうに、向う側はとっておるように思う。それが証拠に、そういうことは外務大臣総理大臣も知っておるでしょうから、このアメリカの誹謗をやわらげるために、この間の施政方針演説で、総理大臣外務大臣も、中立論あるいは不可侵条約のごときは観念論であると言って激しくしゃべったのは、それはアメリカに対してのせめてものわれわれ政府気持を伝えたのだというふうにわれわれは了承しております。大体腹の中では外務大臣もその通りだとおっしゃりたいと思うのです。  そこで、アメリカ国会を通るには、一つパターンというのですか、型というものがある。ところが、日本側が今党内調整外務大臣が当っておられる案の中には、アメリカが期待する国会通過に便利なようなものが強調されておらない、見えないと思うのですが、どうでしょう。
  14. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 正式の交渉をいたしておりませんから、アメリカ側が終局的にどういう考え方を持って、かりにわれわれの出しました案、もしくはアメリカ側が案を出してきますか、その意味では、まだはっきりしておりませんことはもちろんでございます。ただ、若干事務的な交渉あるいは字句使用等の問題について検討はいたしておりますが、そういう角度から考えまして、また同時に、いろいろワシントンダレス長官と私が現行安保条約の欠点というものはこういうところにあるので、日本側としてはそういうところを直してもらいたいのだというような前提のもとに話をいたしたわけであります。それらを総合いたしました上で、われわれとしては案を作って見せて参ることになると思うのであります。今日までのワシントンでのダレス長官に対するこの問題を取り上げるときの話、あるいはその後の若干の事務的な連絡あるいは字句等の問題についての実情から見まして、まだ非常にいろいろ困難な問題があることは、いよいよ条約文作成に入りますれば、本質上の問題ばかりでなく字句使用上の問題につきましても、いろいろ問題があると私どもは思っております。むろんアメリカ側におきましても、国会承認を得ることでありますから、国会対策上と申しますか、若干いろいろ希望もあろうかと思います。われわれは、それらの点については十分考慮しながら、考えをまとめていかなければならないとは思っておりますが、現在、具体的にまだ正式の折衝に入っておりませんので、入りました後、どういうふうに問題が起ってきますかは、必ずしも今日ここで予測はできませんが、しかし、そういう点についてわれわれは慎重に予備的な準備をして参りたい、こう考えております。
  15. 森元治郎

    森元治郎君 大体アメリカ側から三つの案が出て、日本の気に入りそうな案を三つ出してきたというふうに専門家は見ておるというふうに聞いておるのですが、いかがですか。
  16. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) まだアメリカ側が具体的な案というものは出しておりません。
  17. 森元治郎

    森元治郎君 アメリカ国会を通るパターンというのは、ヴァンデンバーグ決議であるということは、今日だれしも知っておるわけですが、この点について、日本側藤山さんが閣内あるいは党内に諮るときに強くこの点が押し出されていないように見えるのですが、どうなっておりますか。
  18. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) むろんアメリカ側がこの種の問題を扱いますときに、ヴァンデンバーグ決議の精神に沿っていくというようなことを考えておるとは、われわれもそういうふうに推察いたしております。ただ、これらの問題につきまして、安保条約改定前提として、とにかく日本憲法範囲内においてしか、われわれは改定の話し合いを進めていかないのだということは、前提として申しておりますし、また、事実上そうであるべきだと思います。従ってこれらの点については、日本立場というものはある程度アメリカも了解しておると思うのでありまして、そういう点につきましては、字句上の問題等とも関連いたしまして、われわれとしては十分考慮していかなければならないところだ、こういうふうに現在考えておるわけであります。
  19. 森元治郎

    森元治郎君 そうすると、現行安保条約にある例の漸増を期待するということは、お前は今持っていないのだから、当分アメリカが守っていってやる、その間に漸増を期待する、こういう気持というものは、改定条約の中に入るものですか。
  20. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 両国側防衛的な行動を共にしていくということは、日本侵略から守るということでありますので、むろん自分自身が、ある程度防衛力増強していかなければならぬし、また、防衛力増強することによって完全に増強されれば、あるいは日米安保条約というものも要らないことになる場合もあり得るかもしれませんし、大きな意味においては日本自衛力増強というのは、当然問題になると思います。ただ、日本自衛力増強していくということは、そういう意味において日本みずからがきめていくことである。ただしかし、防衛を共にしていくという以上は、お互い自分防衛力増強していくという自信をもって参らなければ、これはもう防衛力は一切増強しないのだ、あなたの防衛力で満足するのだというのでは、永久に日本防衛他国に頼まなければならぬという立場になるわけで、そういう意味においては、やはり防衛力増強ということも、ある意味においては、日本自体が必要であるというようなことも当然考えなければならぬわけです。どういうふうにそういう面を条約上表現していきますかということは、今後実際の問題として起ってくるだろうと思います。
  21. 森元治郎

    森元治郎君 そうすると、やはり新しい改定条約には自衛隊を維持して、これを強化していくという趣旨のことは、当然入ると了承してよろしいですか。
  22. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) やはりこの自衛力増強されなければならぬのでありますが、その増強のされ方が、何かアメリカの圧迫によって増強される、あるいは日本憲法を無視して増強するというわけに参らぬことは、まあ前提として憲法の問題としてわれわれも考えておりますので、精神的に言えば、日本が当然日本自身考え方防衛力増強していくという立場になって、初めて二国間のこうした本来の共同防衛ができるのではないかという意味においては、そういうことが条約に表わされると思います。
  23. 羽生三七

    羽生三七君 関連してお伺いしたいのですが、しごく常識的な問題で、これをお尋ねするのもどうかと思うのですが、そういうことになりますと、一体、日本アメリカ軍駐留を求め、アメリカ防衛を依存しておるというような状態から脱却できる、そういうときはどういう条件が出たときとお考えになるのですか。たとえば自衛力増強はどの程度とか、国際的な条件がどうなったとか、何か政府としてはこういうときになったら、一応そういうことから脱却できるということでなかったら、これは無制限というようなことで、こういう見通しがつけば、この程度自衛力ができたときにはアメリカ駐留は要らないのだとか、国際情勢がこうなればそんなものはなくても差しつかえないのだとか、何かそんなことがなかったら、全くこれは無制限的のように思えるのですが、非常に常識的なお尋ねですが、いかがですか。
  24. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 私も常識的なお答えをしておるわけなんですが、やはり日本他国からの侵略を守っていくという意味において、他国から侵略を受けるような国際情勢でなくなるということは、まあ一つの大きな原因じゃないかと思います。たとえば世界的に軍縮が行われて、そうして軍備が非常に最小限に各国ともなっていくというようなことになれば、日本他国から侵略される危険というものは一方から言えばなくなってくると思います。ですから、ただ日本自衛力が、現在の状態のままの世界不信の中で、どこまで増大すればいいかというだけの問題ではないと思います。ですから、そういうことはやはり現実の問題として常識的に考えていかなければならぬと思います。いかなる軍縮専門家にしても、日本の兵力がどれだけ、自衛力がどれだけできれば、まあ今の国際情勢で、どの程度か、ちょっとすぐ計算もできないことで、私も非常に常識的な答えをして相済まぬのですけれども、それだけ……。
  25. 羽生三七

    羽生三七君 そうすると、ほとんど半永久的ということですね、アメリカに依存するのは。
  26. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 今、世界各国の人が、世界の平和を念願しているという気持が相当強いことは、羽生さんもご存じだろうと思います。なかなかこれが不信関係でできないということ、また一方では、相当軍備縮小というような問題について、逐次各国とも熱意を持ってやってくるというような状態も、一面では不信がありながら、最新兵器増強しながら、また一方では、やはりそういう声も相当上っておりますので、半永久的とかいうようなふうに、あまり悲観をしないで考えていただいても、人類にそれだけの信頼を持っていただきたいと思います。
  27. 森元治郎

    森元治郎君 何かというと政府憲法ワク内ということをいつでもおっしゃるのですが、憲法ワク内という解釈が、われわれと政府とは全く違っておるので、アメリカ側もその点よくご存じで、幾らかこのワク内が広いワク内になっていくので、ですから私は何べんもしつこいようだが、アメリカ国会を通る場合も、日本側で、もう少しやるんです、自衛隊を強化していくんだということをはっきりうたわない限り、通らないのではないか。憲法ワク内ということもアメリカはあまり信用しておらない、押し方によっては幾らでも広がっていく、小さい核兵器くらいは持ってもいいような自民党の態度ですから、そういうことを約束しない限り、アメリカはなかなかうまくいかないと、こう思うのですが、もう一ぺん。
  28. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) この問題は、両国信頼関係の上に立って、そうしてでき上る問題でして、まあ憲法解釈というようなものが非常に相互不信を持つのだというような建前では、なかなか一緒になって日本を守っていくというようなことは考えられないのじゃないかと思うのでございまして、そういう相互信頼の上に立ちますれば、日本立場というものは十分了解できるだろうと思うのでありまして、ただ、むろんお話のように、アメリカにおいても国会を通過しなければならぬ問題でありますから、いろいろ議論もあろうと思います。従って、われわれとしてもそれらについて万全の交渉をもって参らなければならぬと思います。
  29. 森元治郎

    森元治郎君 私は藤山さんにお気の毒だけれども、今の日米安保条約交渉を見ておりますと、一番浮き上って、いるのは藤山さんとマッカーサー大使だと思う。マッカーサー大使アメリカ側から見れば、さっぱり日本情勢が把握できない、できないのは当然で、藤山さんが御苦労されている現状がよく証明しているので、マッカーサー大使更迭というようなことすらも、アメリカをよく知っているところの一部から私は聞いております。藤山さんも大いに党内をまとめるために奮闘されているが、選挙が忙がしいので、これはなかなかあなたの思う、ように引っぱっていけない。二人で——安保関係藤山さんとマッカーサー大使とで苦労されているという現状だと思うのですが、振り返ってみてどうでしょうか。(笑声)
  30. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) こうした大きな問題を取り扱いますときに、当事者が苦労するのは当然なことでありまして、これくらいのことでは苦労だとは存じておりません。
  31. 森元治郎

    森元治郎君 それではやはりお互いが関の代表——向うアメリカ代表、こちらは外務大臣で、やはり国を引っぱって責任を持って話し合っておるんですから、もう少ししっかりした態度をとらぬと、藤山さんがかねがねおっしゃる日米国際関係の信用の問題にも響いてくると思うので、先ほどのヴァンデンバーグ問題に関連する件についての御答弁は、慎重にやりたいというのですが、多分その問題は、今後大きな交渉に当れば、必ずや私はぶつかって、藤山さんの期待される七月調印はむずかしいと私は判断しますが、もう一ぺんお尋ねいたします。
  32. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 交渉事でありますから、交渉期間等を確実に予言することはむずかしいと思いますが、しかし、やはり一定の目標を立てまして、それに合せてできるだけ交渉を進める、また意見もいろいろありますところも調整をしてもらうということをやりませんと、問題がむずかしいだけにもう少し研究して、もう少し検討してというようなことで、だんだん延びて参りますと、かえって適当でないと思います。従って、当事者としての私は、やはり交渉目標というものを作りまして、期目的な目標も作りまして、できるだけそれに合せて努力をいたしているわけです。しかし、努力をいたしておりましても、諸般の事情、また日本側事情もございますし、あるいはまたアメリカ事情もありますから、必ずしも私の交渉目標の目にできるとまでは申しかねますけれども、しかし、できないからといって目標を置かない、もしくは延ばして目標を置いたのでは、こういう交渉はとかく長引くことになりますので、私としては、できるだけそういう目標を置いて努力したい、こう思っております。
  33. 森元治郎

    森元治郎君 そのお答えを聞くと、やはり七月とかおっしゃいますが、だんだん秋風も吹くころになっていって、そのころ果して岸内閣があるかどうかわからないだろうという私は想像をしております。  そこで最後の一点は、安保条約の前文にうたってある、今、日本は固有の自衛権を行使する有効な手段を持っていないから、アメリカの軍隊がいてあげますと響いてある。現在の自衛隊は固有の自衛権行使が有効なる手段までになってきているのでしょうか。平等双務ということをおっしゃるならば、有効なる手段でないものと双務平等では、向うはやれないと思うのですが、どんなふうにお考えになっていますか。
  34. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) むろん条約制定当時から見ますれば——今お話しのように、日本自衛隊もまだ純軍事的に見ますれば、あるいは必ずしも万全とは申し上げかねるかもしれませんが——逐次当時から見ますれば増強されていると、あるいは質的改善等どころじゃなかったのですが、質的改善もその後行われているということが言えると思うのでありまして、逐次にそういう状況になりつつあるという判断をいたしても差しつかえないと、こう考えております。
  35. 森元治郎

    森元治郎君 そうすると、まだ有効なる手段と断定はできないのですか。
  36. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 防衛力の問題は、作戦関係ともいろいろ関連いたしておりますので、しろうとの私が完全に有効であるとも完全に有効でないとも、そこまでは申し上げかねますけれども、少くともこの問題を取り上げていくような状態にはなりつつあると考えております。
  37. 森元治郎

    森元治郎君 それではたよりない平等であって、平等でなくなつちまうのですな、依然として、自衛権行使の有効なる手段を持たないからおれはいてやるというふうにアメリカは思うだろう。こっちは口先だけで平等とか、あるいは共同防衛のようなことを言っているだけで、両者の折り合いがなかなかつかないというふうに思うのですが、一体外務大臣交渉されるときに、作戦は知らないというけれども、防衛庁長官もおられるし、よく相談して、防衛問題を取り扱っていくのですから、何万という、陸上十八万、海軍十万、空軍千三百機、これができれば有効なる手段だということくらいは、当然御連絡の上御交渉なさっていると思いますが、その点は全然やっておらないのですか。
  38. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 防衛庁長官とも連絡をとっておりますが、一応現在の立場において、日本防衛力がある程度増強されてきて、そうして今回のような改正にはむろん差しつかえない程度まで増強を見ていると思います。ただ、この安保条約そのものを制定する立場からいいまして、日本の財政、経済の事情その他からいって、当然一国だけで防衛ができない、侵略から守れないということが、すなわち共産圏の中においても、あるいは自由主義陣営の中においても、マルティラテラルなこうした条約ができるゆえんの一つだと思うのでありまして、そういう意味からいえば、一国だけで必ずしも完全でないということもまた言えるのではないかと思います。そういう意味においては、あるいは完全でないということが養えるかと思いますが、しかし現状において、現在の安保条約を自主的に改正するという建前から見まして、特に防衛努力が欠けているとは思っておりません。
  39. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 衆議院の予算委員会の方はまだ開会に至っていない状況でありますので、まだ相当質問の時間があると思います。そのお含みで御質問願います。
  40. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 今の森君の質問に関連いたしまして、バンデンバーグ決議と、新らしい安保条約関係についてお伺いいたします。この間うち、藤山さんの構想か、要綱のようなものが新聞に出ておりますのを拝見いたしまして、だいぶ、どういう点を改定しようかということはわかってきたわけでありますが、そのうちで、バンデンバーグ決議と、今度の新しい条約はどういう関係において見ているか、そうしてその点について、外務大臣は、バンデンバーグ決議との関係においてどういうような条約に表現されるのか、内容を盛り込むか、そういう点がちっとも明らかにされていないのです。これはまあ先ほど森君の指摘されたように、向う側との話し合いでは、相当重要な点だろうと思うのですが、今の現行条約の前文にある例の日本自衛力漸増を期待するという形ですね、あれはどういうふうに具体的にお変えになって向うと話をするか、やはりこちらのあれもあろうかと思いますが、それらの構想の輪郭を一つお聞かせ願いたい。
  41. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) まだ最終的に前文なり各条を作成しているわけじゃないのでありまして、問題点についていろいろな意見のあるところをお伺いし、その意見の、多数の意見に従ってある程度案文の作成をやっていこう、こういう現状にありますので、具体的な案文としてはまだ持っておりませんが、しかし御指摘のように、この関連においてただいま申し上げたように、精神的には当然両国がそれぞれ自分の立場をもって自衛力増強していく、何でも全部を一括しておまかせするのじゃないという立場から考えましても、ある程度自衛力日本も今後増強していかなければならぬわけであります。そうした精神をどういう関係において表現するかということは、アメリカの議会の決議の問題もございましょうし、日本憲法の問題もございますし、それらについて十分慎重な考慮を加えながら作成して参らなければいかぬと思いますが、しかし、日本としてとにかく憲法上のある程度の制約があることは、これはもう当然捨てることのできない立場であります。そういうものもむろん守るという考えはございます。
  42. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 そこで、憲法との関係の問題が出てくるわけです。これはまあ非常にむずかしい問題だと思うのですが、まだ御構想ができ上っていないようでありますが、もう一点。現行の安保条約の前文によると、まあ自衛力漸増を期待するとなっている。アメリカの方で、おれの方でもってお前の方の自衛力漸増に大いに援助していこう、おれの方で作ってやるということは書いてないのです。しかしながら、実際において、日本の警察予備隊から保安隊になり、自衛隊になり、今日の自衛隊増強計画を見ておりましても、全くアメリカ計画とマッチした、しかも武器の貸与からいいましても、その他の点からいいましても、これはもうアメリカの援助を受けてやつておる。そういたしまして、その制式あるいはその他も向うとちゃんと合わしてある、いざ行動というときにも、いつでもちゃんと合わせるようにできておるわけです。してみると、向うが日本側に期待しておる日本自衛力、まあ端的に言えば軍隊を、これはアメリカ計画に基いて、いざというときにはアメリカの言いなりほうだいになって、そうしてアメリカの統合指揮下に置かれるようなものに作り上げていこうということなんで、どうも私どもは自主的なものとは認められないのです。その点で今後もそれが残されていって、ヴァンデンバーグ決議との関係で、そういう点が明確にはうたわれないでも、それがもととなって、今後の日本自衛力増強なるものも、アメリカ計画に基いてそれにマッチするように、しかも向うの相当直接、間接の援助なり、指図なりで作られると、うことになると、どうも私どもはこれは自主的な軍隊とは認められないという気がいたしますが、そういうようなものが今度の条約のうちにやはり依然として何らかの形で表現されていくということは、これはわれわれとしても改定に反対するやはり論拠の二つにしなければならぬ。それらの点については、どういうふうにお考えになっていますか。
  43. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) この日本他国からの侵略を共同で守ろうというのでありますから、むろん日本自衛力というもののその大きさというようなもの、これは問題があろうと思います。ただ、日本自衛力の大きさといいますか、そうしたものは、日本自身の経済状態なり、その他によってきまっていくということでありまして、かりにアメリカが武器援助等をやりましても、基本的にはやはり日本の経済力というものと合わした日本考え方で進められるべきものだと思います。  ただ、今御指摘のような、作戦の部面で同じような服を着るんだあるいは同じような装備を若干するんだというようなことは、これはまあ作戦行動上、共同でやる場合があるときには同じようなものが便利であるということで、そのこと自体は、私は特に従属的だというようなことを言えない、言わないでもいいじゃないかと、これはまあおそらくどの国においても同じような考え——ただ、むろんそうした面におきましても、日本の気候、風土の関係や何かで、そのままアメリカの装備が使えない場合もありましょうし、日本人の体質その他からも割り出されましょうし、やはりそれにいたしましても、日本の自主的な考えによって若干そうした問題はむろん変更されていくし、そうしたことがある。しかし、大きな筋においては、やはり同じような共同作戦をする場合には、同じような状態であるのが好ましいということは、これは言える。これはお互いに自主的な立場をとりながら同じような形式によって行動をするということは、私は可能であろうと、こう考えております。
  44. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 アメリカのあのヴァンデンバーグ決議というものは、これは、私は今まで各国の例を見ていると、相当きついもののように思う。そうして、これが他国のつまり自衛力増強といいますか、そういうものについて相当深い圧力にもなっておる。場合によれば、直接それらに関与することもできる基礎にもなっておる。日本側では自主的だ、何だと言っておりますけれども、現在の日本自衛隊増強されていく過程を見ておりますというと、いずれも向うの計画とマッチするという、どうもペンタゴンの方から青写真を示されて、それによっていろいろやっておる、こういうふうに思われるし、また、事実そうであろうと思うのであります。そういうようなことから考えてみますというと、非常に自主性を害されるような懸念があるわけであります。ある意味の内政干渉を合法的に認める基礎にもなってしまう気がする。これは私ども非常に重要なものだと思うのですが、今度の安保条約にもそういうものが残るというと、そうして運用いかんによってはそれが強く現われて参ります場合には、特に韓国の軍隊やあるいは台湾の軍隊の状況を見ておりますというと、そういう懸念がされるので、いよいよもってその点で対等とか平等とかいうものではないのじゃないかという気がしてくるのですが、それらの点、どういうふうにお考えか。その点で、あなたはアメリカに対して十分突っぱっていける自信をお持ちですか。
  45. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) アメリカ側は、この種の条約を戦後幾つか作っております。その大きな基本的な指針としてヴァンデンバーグ決議があることはもちろんだと思います。従って、アメリカとしてヴァンデンバーグ決議の精神を尊重されていくということは当然なことだと思うのですが、同時に、ヴァンデンバーグ決議にいたしましても、相手国の状況、政治、法制等の状況に応じてそうした精神を貫いていくという場合に、修正されることもあり得るということは、これはもう当然なことだと思います。ただ、基本的に言って、ヴァンデンバーグの精神に沿うということ自体が、日本が従属的だということは、日本だけが従属的だということは——他のNATO諸国、イギリスにしてもフランスにしても、こうした条約ヴァンデンバーグ決議の精神に沿ってやっておる国はみなアメリカの従属国だということは、言えないと思います。そうした精神のもとに防衛条約を作ったからといって、日本が特にイギリスとかフランスとかあるいはヨーロッパの各国と違って従属的になったのだというようなことは、これは言えないのじゃないか。ただ、むろんその国の法制上あるいは政治上の問題として、この適用に当って問題があるので、従ってその相手国によって、精神は基本的にはそうであるけれども、表現方法、その他いろいろのことについて考慮するということは当然なことだと思います。われわれとしてもそれは努力していくつもりなんであります。
  46. 曾禰益

    ○曾祢益君 私もちょっとそのヴァンデンバーグ決議の問題に関連して御質問したいのですが、ただいまの質疑応答を拝聴しておった感じから、どうもヴァンデンバーグ決議の精神は、これは字句でどう表現されるか、新条約ではわからないけれども、いわばそれは当りまえじゃないかというように外務大臣考えのようですが、私は、そのヴァンデンバーグ決議を受けたりあるいはそういう決議の趣旨が条約に出てこなくても、日本アメリカとの防衛協力ということは、確かに同僚議員からの質問があったように、いわゆる自主性が現実にはないと思うのですが、その面と、私はもう一つ重大だと思うのは、やはりこの条約の中にヴァンデンバーグ決議の趣旨がはっきり入るのか入らないのか、これはもとよりまだ形ができていないものだから、その議論は先走っているやにとられるかもしれない。これは安保改定という問題の私は一等大きなポイントの一つじゃないか。私白井のことを申し上げて恐縮ですが、前国会の際に、これは総理大臣に対する私の質問のときに、憲法の制約はあるけれども、しかし総理の安保改定の構想の基本は、やはり相互防衛条約というようなことを考えておられるのではないか。それに対するお答えは、大体肯定的であったわけです。私がなぜその点を非常に問題にしたかというと、相互防衛条約方式をとるならば、これは基本精神としてのヴァンデンバーグ決議というものが必ず条約の条項に出てくる。それは日本に対する干渉であるとか、軍事的支配であるという議論は別として、その政治面は別として、私は法律的にもあるいは日本の国防という観点からいっても、非常に大きな問題がそこに伏在しているということを指摘したい。つまりヴァンデンバーグ決議の精神は、締約国がその防衛力を維持し発展させる目的が、単にその国の自己の防衛にのみやるのではない。それは当然に自助並びに相互援助、つまり締約国それ自身の防衛のみならず、各自の、相手方との共同防衛という観念から防衛力を維持し、発展させるということが明瞭に書いてある。これを基本精神として、従って、条約区域においては——その条約区域をどこにとるかはこれは別ですよ、かりに外務大臣考えておられるように、日本国範囲内に限っても——これは当然にその建前からいけば、日本軍を維持し、発展させることが共同防衛なんです。従って、日本国における動作は常に共同防衛です。従来の日本政府が言っていたような、自衛のために軍隊を持つのだ、これが何が悪いのだ、憲法にもそういう抜け道があるのだ、そういう議論からいっても、そこに一大飛躍といいますか、逸脱といいますか、自国の防衛のためのみでない。一体軍備が、日本の現行憲法なりでも、今までの少くとも保守党の解釈からでも、できるのかできないのかという一つの難点がそこにある。私はそう思う。まじめに考えたら、だれもその点について、はっきり割り切れずに、ふらふらと、ただ漫然とヴァンデンバーグ決議けっこうだということになったら、えらいことになりはせぬか。こういう意味で私は御質問申し上げたわけです。大へん前置きが長くなって恐縮ですが……。ところが、そのときは総理は、その点に対する、憲法論に対する返事はあいまいであったけれども、結果的には、海外派兵はしないけれども、条約区域においては共同防衛は当りまえだ。ヴァンデンバーグ決議そのものに対する返事はなかったけれども、当然に相互防衛条約方式というものを肯定したような返事だった。ところが、その後日本の世論の圧迫のためだと私は思う、あるいは日本の世論の良識の結果だと言ってもいいと思うのですが、アメリカ防衛上助けてもらいたいという立場の国民も、そこまで運託生でいくのか、それはちょっと問題じゃないかと。ことにアメリカ軍の海外出動との関連ももちろんありますので、そこで、そういったような相互防衛方式というものを岸内閣自身が断念した。そこでその後、いわゆる藤山構想というものが伝えられたときに、これは藤山外相みずからのお言葉じゃありませんが、相互防衛方式でなくて、むしろ基地貸与協定的なものになるのだと。そこで、今日までむしろそっちの形できていたと思う。ただ、よく考えてみると、アメリカと外国の作っているこういう安全保障に関する条約には、両方、つまり相互防衛方式プラス基地貸与方式の場合もある。言うまでもなくこれはフィリピンの場合なんかそうです。その典型的なものです。そこで、私の心配していたのは、基地貸与協定方式の方が、少くとも国民の保守的な人たちでも、そっちの方がまあ安全じゃなかろうかという気持でだと私は判断しているのです。その方向でいくのかと思っていると、どうもまた最後の場面で、森君も指摘したように、アメリカ国会等との関連からいっても、果して相互防衛とか共同防衛とかいうことが全然出てこなくても、一体藤山構想が成り立つのかということが当然出てくる。しかも、もう一つ私が心配していたのは、日本国におけるアメリカ軍が、日本防衛する義務を今度はっきり書こうというのが、これが政府の売りものである。いわゆる自主性、相互性の一つのポイントになっているわけです。そうすると、日本駐留を認めるアメリカ軍には、日本防衛の義務を条約上明記させる。そうしておいて、今度は日本軍の方には共同防衛の義務を番かないといったら、これは何といってもアメリカの力でそれこそ不平等だといって文句を言うのじゃないか。  そこで私たちは、外務省の研究された案というものを、いまだかつて構想としても示されていないから、これは批判できないが、新聞で伝えられるようなことがもし正しいとすれば、まさに日本におけるアメリカ軍日本防衛の義務と対応して、日本におけるアメリカの基地に対する攻撃に対しては、日本軍は当然にアメリカ軍共同防衛するということをここに書いてしまう、そういうことを考えておられるらしい。そうなってくると、そのことについても、私は政治的にそこまでいくのは非常に問題だと思いますが、これはまあ議論の分れるところだからいたしません。しかし、そこまで考えるということになれば、それは前文で出てくるか条約の一条項として出てくるか、当然に継続的かつ効果的な自助並びに相互援助のために両締約国は防衛力を維持し、発展させるというようなきまり文句を、どうしても挿入せざるを得ないところにいくのではないか。そっちの方はいやだ、そしてアメリカ軍日本に対する防衛の義務だけ書こうということは、私は、これは幾ら何でもちょっと国務省やペンタゴンなりあるいは議会の方を納得させることができない。そうなってくると、せっかく相互防衛方式でない方向で、基地貸与方式でやるはずであったけれども、結局ずるずるべったりに相互防衛条約の内容を盛ってしまう。あわせて前文なりどこかの条項でヴァンデンバーグ決議の今申しあげた防衛力の持ち方の基本についても、今までの保守党の考えでなく、今までの保守党の解釈による憲法を逸脱して、日本防衛力日本の自衛のためのみならず、アメリカとの共同防衛のための軍隊である、これを維持し、発展させるのだということを、条約上きめることになるのではないか。そうなったならば、これは非常に政治的な結果についても問題であるのみならず、まず、憲法条文そのものからいって、これは非常に大きな疑問があって、政府の方では憲法範囲内でやりますと、これは海外に日本の軍隊が出動しないということのみ議論しているが、存外その前の日本防衛力を何のために持つのかということで、幾ら考えても、自衛のためが、今度は相互防衛も、国連憲章によれば集団的自衛権もあるわけだからというようなことで、また、日本の現在の防衛力意味というものが、ここに大きく転換するきっかけを作るということになったら、これは大へんなことになる、こう僕は思うのです。  大へん長いこと申し上げて恐縮ですが、そういうわけで、ヴァンデンバーグ決議等については、これは非常に明確な基本的態度でなければならないのであって、条文上どう扱うということよりも、当然にヴァンデンバーグ決議は当りまえなんだという観念で交渉されるならば、今の構想はどうであるか知らないけれども、これはとんでもないことになると思うのです。その点をはっきりと一つ御方針をお聞きいたしたい。
  47. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 先ほど申しましたように、一国だけでもって自分の防衛が、他国から侵略のあった場合に不可能である。従って、二国もしくは数カ国でもって防衛を協力してやっていこうというような建前からいいますれば、当然そういう意味においては共同の動作をとることになろうと思います。また、ヴァンデンバーグ決議の精神もそこにあるのではないかと思うのであります。今御指摘のように、たとえば日本におるアメリカ軍というものは、日本防衛に対して義務を負わされておるわけで、日本他国から侵略を受けたときに、日本自衛隊はむろん活動をすると思いますが、それとともに、アメリカ軍が共同動作をとるということも、これは当然あり得るのではないかと思います。そういう意味において共同動作、共同行為をとるということであるならば、当然あり得ることだと思います。でありますから、そうした精神からいって、字句上の問題でいろいろ言うことはとかく誤解を招く点があります。その点で、われわれもできるだけ言葉の使い方というものは注意しておりませんというと、いろいろな誤解が生ずる原因になるように思っておりますので、いろいろ注意はいたしておりますけれども、そういう意味においての共同行動は、これは当然なければならないし、するわけだと思います。ただお話のように、日本には憲法上の制約もあるわけでありまして、従って、日本防衛自身に対する日本自身努力というものは、これは当然なされなければならぬと思います。と同時に、ヴァンデンバーグ決議を広く解しましても、日本他国から侵略を受けないということ自体が、私はやはり極東の平和の一つの大きなもとだと思うのであります。そういう意味からいいましても、やはり日本として当然アメリカとともに日本防衛をするということは、一向に差しつかえないことだと考えます。ただ、そうした問題を、今申しますように、精神はそこでありましょうとも、表現をする場合に誤解を招くような点があってはいけない、そういう意味においては、われわれ注意していかなければならぬということを考えておるわけであります。当然、われわれとしてできるだけの注意は、その点に払っていくというつもりでおります。
  48. 曾禰益

    ○曾祢益君 共同防衛に関する共同動作があるだろう、これは実際そうだろうと思うのですね、そういう状況の上の話ですから。まあそのことから、一体条約上どう表わすかということは、私はこれは非常に政治的に大きな問題で、私は日本におけるアメリカ軍日本防衛する義務を負わせるということにのみ主点を置いた結果が、日本国としての条約上のはっきりした何らかの共同義務ということを設定することになるのは、これは非常な大きな問題であるし、私はプラスでないと思うのですが、それはそれとして、少くとも明確にしておかなきゃならないのは、ヴァンデンバーグ決議は、精神だとか解釈とかいろいろありましょうけれども、私の言いたいのは、こういうことです。その共同防衛のむしろ出どころである締約目は、いずれもその防衛力を維持し発展させるのは、継続的かつ効果的な自助、相互援助のためにやるのだという約束を、はっきり条約でするのかしないのか。そっちは少くとも日本憲法上からいって、これは憲法上できないと私は思うのです。その点はどうお考えですか。
  49. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 先ほど申し上げておりますように、むろん共同防衛をするわけでありますが、日本国他国から侵略された場合に、共同防衛行動をとるわけであります。精神においてはそこにあると思います。しかし、それをどう表現していくか、そして憲法上の問題もわれわれとしては考えて参らなければならぬわけであります。憲法範囲内でそれをどういうふうに扱っていくかということは一番大きな問題だと思うのであります。そういう意味において、今検討いたしておるわけですが、全然これは日本にいるアメリカ軍が一朝有事の際に、もうおれはおれ、自衛隊とは行動を共にしないのだという建前ではないというようなことだと思います。そういう意味からいえば、当然、条約一つの精神であると、こう考えております。
  50. 曾禰益

    ○曾祢益君 その点の議論はまた後にしましょう。
  51. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 ただいまの藤山外務大臣のお答えですというと、とにかく日本の内部においてはアメリカ共同防衛行動をすることになる。日本におけるアメリカ軍の基地が攻撃を受けるということになると、これは明らかに共同防衛範囲日本範囲だけれども、そういうことになる。そうすると、この点について現在の自衛隊法の第三条に、自衛隊の目的がはっきり書いてある。そういうような点について、これは自衛隊法の目的改正の問題も関連して起ってくるだろうと思うのですが、自衛隊法の三条の自衛隊の置かれている目的と、その点についてどういうふうな関係があるか、そして自衛隊法を変えなければならぬとお考えになるか、そこをちょっとお聞きしたい。
  52. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 日本自衛隊日本自身を守る——他国からの侵略から守るというために、他国に出て行って攻撃をするというようなことは当然あり得ないことだと思う。そういう意味における自衛隊の精神というものがあります以上、また、日本他国から侵略されたという場合に自衛隊が活動を起すということは当然なことだと思います。その場合に、今のような共同行動をとるということは、いろいろな形で考えられると思うのでありまして、連合的にやる場合、あるいは統一的にやる場合、いろいろな場合があろうと思います。が、しかし日本が守るという精神からいえば同じことなんでありまして、私としては、精神的にいえば問題はないんではないかと思いますけれども、しかし、まあ法律論その他から見れば、いろいろ議論があるとすれば、われわれとしても十分研究はしてみなければならぬ問題であると思いますが、今私からそれについて確定的な何かをお答えすることはいかがかと思います。
  53. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 自衛隊法の三条は変える場合も起ると、こう解してよろしいですか。
  54. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 変える場合が起るか起らないかを確定的にこの際申し上げることは、ちょっと無理だと思います。
  55. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 今までの外務大臣の御説明だと、これは変えなければならぬことになるんじゃないですか。少くとも日本範囲内での共同防衛に立つと、たとえばアメリカ軍が攻撃された場合に、日本アメリカ軍の、つまりアメリカ防衛の一部を分担するということになれば、自衛隊法の精神は変ってくるわけなんです。変えなきゃならぬ問題が起るのじゃないですか。起らないというと変なことになるでしょう。矛盾が起るのですが、あなたの御説明だと、変えなきゃならぬと思うのですけれども、どうでしょう。
  56. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 日本自衛隊日本を守ると、その際、そういう精神であることはむろんでありますが、それに対して協力をしてくれる国があるということだけを、平たく考えれば、特に改正する必要もないのじゃないかということも常識的には考えられますが、まあ法律的にあるいは自衛隊そのものの運営等から見て、どういうふうにそれを正確に判断していくか、今この席では、私として何とも確定的な御返事を申し上げかねると思います。
  57. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 そうすると、日本の国内でも、共同防衛ということはしなきゃならぬというようなことになってくると、これはやはり軍の行動ですから、ばらばらであってはならない。そうすると、統合参謀本部とか作戦本部という問題が、これは戦争が起ってから直ちに灘かれないので、何かそういう連絡機関というものも常設されなきゃならぬことになるのですが、これもやはり自衛隊法の改正の問題と関連してくるのですが、あなたが言われることになると、いよいよその必要がそういうふうに出てくるように思うのですが、その点はいかがなんですか。
  58. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) これは私の常識論ですから、非常に究極に詰められると、私としても先ほど申し上げているように御返事はできないと思いますが、たとえば日本を守るという共同の場合でも、分担区域をきめてやるというようなことになれば、必ずしも共同という意味が、いわゆる全く一つにミックスしちゃったというものと違う場合もありましょうし、いろいろ現実の問題としては、今御指摘のような戦争の状態侵略状態によっては、いろんな問題が起ってくる場合もあろうかと思います。それらの点については、防衛方面とよく話し合いをしてみないと、現実の問題として御返事はむずかしいと思います。
  59. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 そういう問題が起ってくるのですね、ヴァンデンバーグ決議との関係を突き詰めていきますと。そして今言われたように、それは地域の分担をして防衛するとかあるいは全部ミックスしてやるという問題も、やはり作戦統一という問題なんですから、そこに共同機関ということが常置されなければならぬという事態も起ってくるわけですね。それから戦争が起ったときのアメリカ軍日本軍との共同というものは、どういう形で行われるかということを、具体的にきめる常設機関という問題になってきますと大へんな問題なんですが、そういうことをどうもお考えにならないで交渉されることは、私は非常に危険な結果をなにすると思いますので、こういうような問題は、ここでもって指摘されたわけなんですから、それは一つ今後交渉される場合に、それらのものを十分に御考慮にならぬというと、国民はこれは大へんなことになった、いよいよ相互防衛条約の形になって、共同の作戦行動が行われて、そのために機関が設けられるというふうに、自衛隊の目的も変ってくるということになってきたら、これは国民は非常な不安と恐怖を二面において持つことになりますから、そこらの点は一つ十分にお考えになっていだたきたいと思います。
  60. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 日本が戦争に巻き込まれることについては、むろん国民は非常に関心を持っておりましょうけれども、日本国自体が侵略された場合にいかに守るかということについては、私は国民の大多数の者が反対ではないと、こう考えておるのであります。その方法をどういうふうに適当に処置していくかという問題であろうかと、こう考えております。
  61. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 今私が話したのは、条約改定と関連して、そういうような自衛隊法にも波及するところがあろうし、他のいろいろな法律にも波及するところがあろう、こういう一般的な、攻められたときに防衛するのは当りまえだから、国民がそれを支持するだろうというそういうばく然たる問題ではなくて、そういう形になっていよいよ現われてくると、国民はかえってこれはもう基地貸与協定どころの騒ぎじゃない、相互防衛条約になって、いよいよはっきり戦争の準備態勢の問題だというふうに考えて、不安と恐怖を抱いているようになったら……。そこらの点は十分に御研究をしていただきたい、こういうことなんです。
  62. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) 今の岡田君のなにに対して、外務大臣から発言ありませんか。
  63. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) いろいろ御意見承わりまして、われわれもいろいろ検討をすることは当然なことだと思います。ただ、日本自身他国から侵略されないようにする、侵略のときに抵抗するということ自体のために、何らか安保条約締結して、他の法制をいじるということは、これは、私は国民が皆支持するところではないかと思うのでありまして、(「そんな簡単じゃない」「そうはいかぬですね」と呼ぶ者あり)まあ日本他国の紛争にいたずらに巻き込まれるというようなその他の問題は、これは別であろうと思いますけれども、日本自身侵略をされる場合に、一番適当な方法で日本を守るということについては、やはり日本国民として、私は十分に了承を得られるのじゃないかと、こう考えておりますが、この点は議論にもなりましようし、ただいま御指摘のような点は、なおわれわれ十分研究してみたいと思っております。
  64. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 とんでもない考えだと思うのです。そうすると、そういう場合に、憲法をいじってもいいのじゃないか、国民の支持を得られることになるのじゃないかということになるわけなんで、そうその簡単に言われちゃ困ると思うのですがね。
  65. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) いや私は憲法をいじると申し上げているわけじゃないのですが、そう非常に飛躍していきますとお答えできない。むろん日本が守る場合の範囲内においての私は意味を言っている。まあ憲法改正というようなことが、第九条改正ということが、どういう関係を持つか、まだ、だれも考えておらぬことだと思うのでありまして、すぐにそれが憲法改正につながるというようにお考えいただくということは、少し尚早論じゃないかと私は思うのです。
  66. 森元治郎

    森元治郎君 一点だけ。今ヴァンデンバーグ決議国会における決議の話が出たのですが、日本国会でも、この間の核兵器一切を持ち込まないという決議あるいは宣言の問題は、岸総理と自民党の巧みな作戦によって消え去ってしまった。これを喜んだ人は自民党、岸さんも入ると思うのですが、それからアメリカもほっとしたように思う。もう一人ほっとした人があるのは、日米安保条約関係の行政府の一部、こういう人たちは、国会においてあのような決議をされちゃ大へんだというので、この問題が両党の国会対策委員会の交渉案件となったときに、干渉というほどであったかどうかは知らぬが、そのような決議をされちゃ困るというような、いろいろな説得といいますが、申し入れというようなものをしたように聞いているのですが、外務大臣はいかがお考えになりますか。
  67. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 先般の問題は 党がそれぞれの機関によって決定されたことでありまして、私どもとしては何らの……。
  68. 森元治郎

    森元治郎君 どうも私らの、においでかぐというか、耳で聞く、いろいろありますが、五感を働かしてみると、アメリカ側交渉している当事者の一部には、国会でやられると行政執行権を拘束されるから困る、こういう声があったように思うのですが、外務大臣は、総理大臣と同じように、国会で一切の核兵器を持ち込まないという総理大臣の御答弁そのものに御同感されるかどうか、その点もどうぞ。
  69. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 私は岸内閣の閣僚として、総理の方針である自衛隊は核武装をしない、アメリカから核武装、兵器の持ち込みは許さぬという精神を体しておるつもりであります。
  70. 森元治郎

    森元治郎君 アメリカ側では、少くもあのようなものを国会決議してもらっちゃ困る。アメリカじゃ国会を大へん大事にしますから、日本よりはずっと大事にしますので、国会できめられてしまったのでは、いわゆる事前協議の中の一項目に入っている海外出動と、核兵器など装備の点についての協議題目はなくなってしまう。そして作戦上もやりにくくなるので、非常にアメリカ側では、この点を国会では決議してもらいたくないという気持があったやに聞いておりますが、大臣はお聞きになっておりますか。
  71. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) この種の問題について、アメリカ側が何か希望なり干渉がましいことを言ったというようなことはございません。
  72. 羽生三七

    羽生三七君 何月に実際上話が妥結できるか見通しも困難でしょうが、どうもいつもこの委員会でわれわれは小出しにちょいちょいいろいろ承わっておりますが、政府としては、大体この安保改定については、こういう考えを持っておると——自民党のお出しになつた要綱程度のことはわかっておりますが、もっとわれわれにも自主的に政府のほんとうの基本的な方針がわかるような形を取る機会はあるのですか、これはどうでありますか。
  73. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 条約交渉のことでありますから、一々のこまかい点について、むろん交渉当事者を極端に束縛されるようなことでは非常に困難だと思います。従って、ある程度の幅を持って交渉をしなければならぬと思うのであります。従って、条約はこういうように必ずなるのだというような、はっきりとしたものはむろんどこにも私はお知らせできないのじゃないかと思います。しかし、ある程度の基本的な方針については、それぞれ内閣においても党においても決定をされて、その線に沿ってわれわれがいくことは当然なことだと思うのであります。そういう党のそれぞれの機関によって、あるいは内閣において決定さて参ります段階においては、おのずからその線がわかってくるのじゃないか、こう思います。
  74. 羽生三七

    羽生三七君 私の言っておるのは、条約締結したり、いろいろな法案を提案する権利を持っておる政府を、こまかく拘束するようなことを言っておるのじゃなしに、先ほど曾祢委員から御質問になったような基本的な性格について、少くも性格はどういうものかということを、もっと明確にしてもらわぬと、単なるこまかい取扱い上のことをどうこうと言うのじゃなしに、基本的な性格は政府としてはこう考えておる、こういうことをやるのだという、そういう点くらい、もう少し明らかにしなければならぬといけないのじゃないか、こういうことです。
  75. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) その点は、恐らく党においてもいろいろ論議されますし、むろんいよいよ最終的交渉の直前には、内閣も一応の方針決定をすると思います。その段階になりますれば、ある程度その方針、基本的な大きな方針というものは示すことができるのじゃないか、こう思っております。
  76. 曾禰益

    ○曾祢益君 これは比較的小さい問題ですけれども、行政協定の改訂ということは当然に行われると思うのですが、先般のこの委員会における質疑においても、たとえば防御分担金の問題等が出ましたが、やや政治的な大きな問題でないにしても、大臣承知しているように、アメリカ軍による労務あるいは需品ですね、そういう調達方式の問題が、これは私は行政協定を変える場合には、当然直さなければいかん。つまり裁判権の問題については、大体NATO方式といいますか、あれに直しまして、調達の問題が、依然としてアメリカ軍による直接調達のあれを許しております。たしか第十四条だったと思いますが、こういう点は、日本の労務並びにいわゆる中小企業的な業者の出血受注、いろいろな点で、日本の経済、社会に非常な問題を投げかけて、従って、もし行政協定改定されるとすれば、これは当然に、少くともそういう総合的な観点から、大蔵省その他は何を言うか知りませんが、日米関係の全般をあずかって、なるべくスムースにやらすという立場外務大臣としては、少くともこの調達問題については、NATO方式、日本政府を通じて、調達は労務にしろ需品にしろ、これは当然さるべきだと思いますその点はお答えいただけるか……。
  77. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 行政協定につきましては、大きな政治的な観点からの改定は、ある程度進めて参らなければならぬと思いますが、こまかい実務的ないろいろな問題になりますと、十分に検討を要するところがあるのではないかと思うのであります。そこらの点については、今日ただいまどうするということを申し上げかねるのであります。できる限り実際を検討したしでないと、どういうふうに改正するか、また、どういう時期にこれを改正するかということは、現在申し上げかねると思います。
  78. 曾禰益

    ○曾祢益君 私はまあ御遠慮申し上げて小さい問題と言ったわけですが、小さくして、しかもこれは少くとも米軍が日本に駐在している以上は、非常に大きな問題なんです。従って、そういう問題があることは御承知だろうと思うので、その点は改定の場合の一つの重要な問題としてお取り上げ願いたい。私は、間接調達方式をぜひ政府がとるように、私の希望を申し上げておきます。
  79. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 今度話が少し変るのですけれども、一昨日総評の岩井君と小山君が帰って参りました、例の漆だの天津グリの問題ですが、それについて、昨日衆議院の外務委員会質疑が行われまして、それに対する藤山外務大臣の御答弁を見ますというと、総評が、つまりああいう社会的団体というので、総評という名は指さぬ、不適当だというようなことでありましたし、それから自民党の福田幹事長に至りますというと、もっと激しい、やらせないというようなふうにも発言されておりますが、これは重大な問題だと思うのであります。それで総評自身が何も貿易部を設けて自分でもって取り扱うというようなことを言っているのじゃない。総評はもちろん向うと話をしてきても、こっちといろいろ話をして、そうしてその輸入の道を開こう、あるいはバーターでもってずっと交換で物資を出そうということになっているのですが、それに対してああいうことを言われるのは、これはやらせるおつもりでいるのか、やらせないおつもりでいるのか、そこを一つけじめをはっきりしていただきたい。
  80. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 日本の漆が逼迫していて、漆関係者と申しますか、漆器方面の関係者と申しますか、そういう人の相当多くが困っているという実情は、通産大臣等からも私聞いております。今日貿易の途絶しておりますときに、そういう事情のもとに中共側が漆を出そうというその考え方については、われわれ昨日も申したように、決して排撃をいたしているわけではありませんし、むしろ貿易がない時期にそういうことをされるということは、好意として受け取ってもいいと思います。ただしかし、このこと自体は純貿易の立場でありまして、従って、これを政治的にいろいろ使うということがもし考えられるならば、私はそれは中共側においても、今後の日中親善の上からいって、やはり考えてもらわなければならぬじゃないか。また、労働団体等がそういう問題を扱いますことは、私は貿易上あるいは商売しのことからいって、全く不適当である。そういう意味においては、今回の中共の、もしそれが真実とすれば、とられた措置というものは、私はやはり中共にも考えてもらわなければならない。これは中共といわず、どこの国の場合でも、われわれ友好親善関係を持続したいと思えばこそ、そういう点が、もし日本の国内の事情から見て不適当だと思えば、やっぱり率直に中共側にもこういうことをやっていただいたのでは不適当だということを率直に言うことが、将来の親善の基礎になるのじゃないかということを考えておりますので、私は、まだ岩井事務局長からも直接の話を聞いておりませんけれども、新聞紙上その他で言われておりますことでありますならば、不適当なことじゃないかということを申さざるを得ないと思います。
  81. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 漆や甘グリの輸入の手続といいますか、そういうやり方が適当でないという意味なのか、中国側が甘グリ、あるいは漆を出す、そのやり方が適当でないか、どちらですか。
  82. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 私はやっぱりこうした問題につきましては、やはり正常の商業活動を通じて出されることが必要であろうかと思うのでありまして、たとえば日中貿易組合の宿谷君も行っております。必ずしもそうした問題について他の日本商社もしくは日本の貿易組合もしくは政府を通ずる道がないとは思わないのでありまして、労働組合にこれを出すということは、中共側としても考えていただかなければならぬことじゃないか、こう考えております。
  83. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 総評が輸入してなんということは言っていないのですね。だから向うでは総評を通じて出すということは、必ずしも総評がそれの機関になるということじゃない。岩井君は話を持ってきたのですね。あるいはこれから適当な中国側と話し合えるような貿易団体と話をして、具体的にものを進めていくようになるかもしれない、それを軽々にそれはだめだということになり、それから特に稲田幹事長のごときは、かなり激しいことを言って、ほかから買えばよろしいじゃないかということを言っておる。ほかから買えるくらいなら因らないのですよ。一体話は総評が持ってきたこれはだれが持ってこようと私は差しつかえないと思う。私どもが行って、またほかの者が持ってきた場合にも、それは社会党が持ってきたのだから、お前の方が持ってきたものはだめだと、ごうおっしゃることになると思うのですがね、類推していくと。総評が持ってきたら、総評がすぐに貿易機関になる、自分のところに貿易部を作ってやるというわけじゃないのだから……。話を持ってきた、それをほかの貿易団体の方と話をしてやるというようなことになるのかもしれない。もし総評が自分でやらないで、そういうふうな適当な貿易団体と協議をして、具体的の方法で進めるというようなときでも、あれはいけないのだ、あれはもうわれわれの方では許さないのだ、為替の割当もしなければ、バーターも認めない、そういうふうにお考えですか。
  84. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 私が先ほど申し上げましたように、私はまあ新聞紙上を通じてだけこの事実を知っておるわけでして、総評の岩井事務局長からは具体的な話を何も聞いておりませんから、今御指摘のような点がどういうふうにあるのか私存じておりません。従って、そうした仮定の面に対して議論をするわけには参りません。少くも、もし総評自体が貿易の主体になるのだということであったら、私は適当ではない、こう考えておるわけであります。
  85. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 そうすると、あなたも軽率な発言をしたことになるのですね新聞記事を見て、まず総評がみずから輸入してどうのと言っておるときでないときに、適当でない、こう言うのは、まことに軽率だったと思うのですよ。そうじゃないですか。ですから私は、総評の岩井君が来て、実は総評だってあれは貿易をやったことのある経験のある団体じゃないのですから、困るので、結局やはり特別なそういうふうなものを、今まで取り扱った人たちと話し合って、おそらく具体的な方法を講ずるだろう。もしそういうふうな具体的な方法を講じたときも、これは適当でないと、こう言われるのかどうか。
  86. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 私は、今申し上げたような形で申し上げておるわけでありますが、ただ今のお話の前段のような場合においても、私はおそらく日中貿易組合の宿谷君も行っておることでありますから、必ずしも総評を通じてあるいは岩井君個人を通じて言わなくても、日本の日中貿易組合の常務理事が行っておることなんでありますから、そういうルートを通じて言われても私は差しつかえないのじゃないか、こういうことを私はどうも思わざるを得ないのでして、別段それは意図があって言われたかどうか、今ここで論議をする必要はないと思いますけれども、また第二段の処置として、どういう処置をとられるかわかりませんけれども、私の率直な感じを言えば、今申し上げたような感じが起ることは当然だと思わざるを得ない。
  87. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 どうも私に対する答弁じゃないのですな。私は、何も向うへ宿谷君が行っておるから、宿谷君を通じてやるのは当りまえだと言われる、これはあなたのお考えなんで、別に私はどうこう申し上げませんけれども、しかし、私が今お聞きしているのは、岩井君たちの持ってきた話、これはまだ総評が輸入して取り扱うのだとは何も言ってない。話を持ってくるのはだれが持ってこようが、これはかまわぬと思う。問題は、それから先、具体的に漆の輸入業者なりあるいは漆の業者なり、あるいは天津甘グリの輸入業者なり、これを加工して販売する者なり、適当な従来あったような方法で、そのうちのどれかの団体が取引をやるというときに、あなたそれを許すつもりがあるかないかということをお聞きしているので、向うが総評に言ったのがけしからぬとか、あるいは宿谷君に言うべきだとかいうことをお聞きしているのじゃないのです。
  88. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 私どもとしては、日中間の民間的な取引を政府として拒否しているわけではないのでありまして、民間的な貿易ができることについては、御承知のように反対はしておらぬのであります。
  89. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 そうすると、総評が話を持ってきて、これはあっせんですね、そのあっせんはいいというのですか、いけないというのですか。
  90. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) まあ中共に行かれた方が、中共側でも漆を日本に出す意思があるのだとか、あるいは甘グリを出す意思があるのだという程度以上に私どもは印象を受けたものですから、私どもはそういうあれを言っているわけで、それはこれからで4中共に行かれた方が、今中共はこういう考えを持っているのだということを言われることは、それは自由だと思いますが、何か先般の印象では、岡田さんは、はっきりあるいは岩井事務局長にお会いになって御存じかもしれない、われわれの会わない新聞紙上の印象では、今申し上げたような印象を受けておるわけですから、そう申し上げたのであります。
  91. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 そうすると、どうも新聞の記事だけでもって議会でああいうふうにはっきり発言されることも少々軽率だったと思うのです。もしあれがあっせんであって、一つの、山石井君が話を持ってきた。今度具体的なことは、たとえばそれに関係しておる全部の商社がやるとは思いませんが、そのうちの特別な商社でやる。しかもその方法は、従来の方法でやるという場合に、あなたはそれに対してまでそれはだめだと言われるのか、そういう方式をとっておれば、政府の方に許可を求めてきた場合に、それは従来の方式であったらば許すのか、そこのところをはっきりしていただきたい。
  92. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 通常の商業的な手続でこられる問題は、私は当然貿易の関係において当該監督官庁はそれを許されるだろうと思います。まあ外務省としても日中貿易そのものを拒否しておるわけでないですから。ただ、とかくそういういろいろな、まあ新聞紙上のことだけでお前答弁するのはけしからぬと言われますが、新聞紙上だけでの質問もずいぶんあるわけなんでして(笑声)ですから私もそういう意味において申し上げたのでありまして、まあ誤解のないように一つお願いします。
  93. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 いや、誤解されるような答弁をするからお伺いするので、そうすると、総評が持ってきた話は、これはあなたの方の気に入るか気に入らないかは別として、一つのあっせんである。そしてそれをこちら側の適当な団体が総評のその話を聞いて、そしていよいよ具体的に話を始めるというときには、あなたの方では、それが普通の今まで行われたような手続にのっとるものであるならば、これは政府としては決してそれを差しとめるようなことはない、こう解釈してよろしゅうございますか。
  94. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 漆を中共から入れることができるということについて、差しとめようという考えは持っておらぬのだと思います。ただ、中共との貿易問題というのは非常に大きな問題で、これをやはり健全なルートに乗せて参らなければならぬということは、われわれも考えておりますから、そういう見地からすれば、やはり出発点から、なるべく健全な商業ルートを通じていろいろ話があることが望ましいことは、これはもう当然なことだと思います。ただ、もう中共なりあるいは中共でなくても、ほかの国に行かれた方が、こういうような意図もあるんだという程度のお話があって、そしてその関係業者、あるいは漆、漆器業者等の組合等が行かれて話をされるというようなことは、それはニュースとしてあり得ることですから、それは別に差しつかえない、何らかの意図を持ってそういうことが行われたともし仮定されるならば、それは適当ではないということを私は申し上げたのです。
  95. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 適当でないということは、あるいは今後何ですか、たとえば正規のルートで話をする場合になったときも、動機がどうもおもしろくないから、それはやらせないということを含んでおるのですか、含んでないのですか。
  96. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) つまり、どなたが行かれても、ニュースとして持ってこられる、中共側は漆を出したいという気持があるので、一つ商売がこの際できるだろうというようなことは、当然あり得ることだと思うのでありまして、そういう意味解釈いたす場合には必ずしも差しつかえはない。ただ、日本の内政に何らかの区画を政治的につけるような考え方があれば、それは政府として好ましいことではないので、やはりそういうことは自制してもらうなり、あるいは適当に処理しなければならぬ場合があるかと思います。社会党等が行かれまして、いろいろ社会党の重要なニュースがいただけると思って、そういう意味で楽しんでおりますけれども、今言ったようなことについて、大体の基本的な考え方はそういうつもりでおります。
  97. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 もう一点だけ確かめておきます。今のお話ですと、やはりどうも動機が問題のようですが、どうも内政干渉にわたるようなことがあってはいかぬ。とにかく岩井君らが行って、日本に漆が入らないために関係者二十万に及ぶ人たちが非常に因っておる、向うで出そう、こういうことだと思う。そこで、その話を岩井君らが持ってきた、それですから、これは漆業者の方では非常に喜んでおる、いよいよそれを輸入するとなれば、そういう人たちが相談をして、そうしてその話を持ってきた総評とも相談をしてやるということは、これは当りまえのことだと思う。だから、私はこれは単なるニュースだと思いませんし、そういうような話を持ってくれば、相談するのは当りまえだと思います。その際に、どういうような形でやろうかということの相談まであってもいいと思う、その相談された結果、今までやってきたと同じような方式でもって、バーターなり、あるいは何なりで、いよいよ輸入するというときに、あなた方の方では、それはいけないと言われるのかどうかということを私は念を押しているのです。その一点だけイエスかノーかということをお答え願えればいいのです。
  98. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 労働組合であります総評が商業的行為にタッチすることは、私は適当だとは思いません。ニュースとして中共側がそういう意向を持っているんだと、従って日本の貿易業者なりあるいは漆を実際に使う人がそのニュースを聞いて、それでは一つ交渉をしてみようということ自体に対しては、むろんそれをとめるということはありません。
  99. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 ないのですね、そうすると、何も総評は自分でもって商行為をやろうというのではないですから、そうすれば、総評は今度漆の輸入業者のうちのどなたかと話し合って、そうして総評がアドヴァイスをするという形になって、その漆の輸入業者の方でいろいろ仕事をするということでいくならばこれは差しつかえないわけですね。
  100. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 経過から見れば差しつかえないと言えます。しかし、私は岩井君の立場として、それがやはりニュースを持ってきた立場以上に出られないことが当然なことであって、今後何か特定の団体でなければそういう話が聞けないということ、またその条件等についてそういう労働組合等が介入するということは、私は適当だとは思いません。
  101. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それはあなたの御判断ですけれども、しかし現実にこちらでもって適法な商行為の準備が整ったときに、それを差しとめるようなことはない、こう解していいんですな。
  102. 羽生三七

    羽生三七君 ちょっと関連して。私は、これは根本的に妙な食い違いがあると思うのですが、大体今日中間の貿易はなまやさしい状態ではないので、これを打開するのは大へんなことだろうと思うのです。これはいずれ機会があればあらためてお尋ねしたいと思いますが、それはそれとして、容易ならざる困難な条件の中で、しかし日本の漆器や漆を扱う連中が非常に困っているので、こういう連中をほうっておくわけにいかないから、たまたま総評の岩井君らが行ったのを機会に、その諸君の扱う漆、それだけに関連して、何とか一つ打開の道をはかってやろうということだろうと思う。向うが漆を売りたいんならどうこうというような、そんななまやしい認識では大へん問題の本質を誤ると思うんです。これはただ窓口としてということを言っておるだけなので、取扱いを自分で貿易業者みたいにやるわけではないんですから、当然それを認めるとか、認めぬとかいうような行き方をしていると、またあとのことに非常な差しつかえがあると思うから、私は率直に、取扱いのやり方について若干の議論はあるでしょうが、むしろこれが契機となって、もっと発展的な方向に行くようなお考えを持たれた方がよろしいと思います。私はあえて答弁を求めません。
  103. 杉原荒太

    委員長杉原荒太君) ほかに御質疑ございませんか。——それでは、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十三分散会