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1959-06-19 第31回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年六月十九日(金曜日)    午前十時五十九分開会   —————————————   委員異動 六月十三日委員片岡文重辞任につ き、その補欠として小柳勇君を議長に おいて指名した。 本日委員小柳勇辞任につき、その補 欠として内村清次君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    理事      相澤 重明君    委員            平島 敏夫君            内村 清次君            松浦 清一君            岩間 正男君   説明員    運輸省鉄道監督    局長      山内 公猷君    運輸省自動車局    長       國友 弘康君    日本国有鉄道総    裁       十河 信二君    日本国有鉄道副    総裁      小倉 俊夫君    日本国有鉄道常    務理事     吾孫子 豊君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査の件  (交通事故に関する件)  (日本国有鉄道志免鉱業所に関する  件)   —————————————
  2. 相澤重明

    理事相澤重明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  六月十三日片岡文重君が辞任、その補欠として小柳勇君が選任せられました。  また本日、小柳勇君が辞任、その補欠として内村清次君が選任せられました。   —————————————
  3. 相澤重明

    理事相澤重明君) まず、最近における自動車事故、特にトラック並びに遊覧バス事故について御報告を求めます。  なお、本日の政府関係者出席について、運輸省鉄道監督局長山内公猷君運輸省自動車局長國友弘康君、国鉄総裁十河信二君並びに副総裁小倉俊夫君、常務理事吾孫子豊君の諸君であります。  それでは國友自動車局長の御報告を求めます。
  4. 國友弘康

    説明員國友弘康君) 最近の自動車事故につきまして御報告申し上げたいと思います。  まず、最初にバス事故につきまして、最近、ことに貸し切りバス転落事故が非常にふえて参りましたので、その状況について御説明を申し上げたいと思います。貸し切りバス転落事故につきましては、五月の下旬に岡山県下におきまして死者七名を出す事故があり、さらに六月の上旬に長野県下におきまして死者五名を出します事故がありまして、これについては私どもといたしましてもまことに遺憾としておるところでございます。この両者とも、連日の降雨によりまして軟弱となり、崩壊しやすくなりました道路路肩車両を乗り入れたことが原因となっております。かつて昭和三十年ごろにバス転落事故惨事が相次いで起りまして、同年の昭和三十年に内閣に交通事故防止対策本部が設けられまして、そのときにいろいろと検討を加えまして、交通事故防止対策要綱が決定されました。その要綱に基きまして翌三十一年に道路運送法の一部を改正いたしまして、及び自動車運送事業等運輸規則の改正を行いまして、運行管理に関する規定を整備いたしました。また、特にこの運輸規則の第二十四条に、一般貸し切り旅客自動車運送事業者に対しまして、運行経路における道路事前調査を義務づけるというような措置もいたしたわけであります。また建設省に要望いたしまして、道路から転落のおそれのある危険個所防護柵を設置するように道路管理者への指示をするように要望いたしまして、その指示を得たのでございます。また運輸省としましても、運転者注意を与える措置といたしまして、バス事業者路肩危険標識を危険な所には設置するようにということで、そういう指示をいたした次第でございます。その後、幸いにしてこのような対策の効果も上りまして、昭和三十二年、三十三年の両年とも死者を伴う貸し切りバス転落事故は皆無という好成績をあげておりましたのでありますが、今回の続いた事故に対しましては遺憾にたえない次第でございます。  しかも、これらの事故は、運転者注意はもちろんでありますが、防護柵あるいは路肩危険標識が設置されておれば避け得たと思われる事故でありますので、運輸省といたしましても、五月下旬に警報を発しまして、これらの施設を再検討の上、整備を促進すること及び運転者注意を喚起することを事業者指示いたした次第であります。一方、バス事業者の団体であります日本乗合自動車協会におきましても、事故対策委員会におきまして、六月上旬にバス事故絶滅に関する措置、声明を発しまして、運行管理者運転者の教育の徹底労務管理科学的研究安全運行のための諸施設整備等事故防止徹底を期することにいたしました。  さらに、ここでつけ加えて申し上げますと、バス事故の、バス死傷事故につきましては、最近歩行者自転車乗りに対する死傷事故が多い状況を示しておりまして、最近の統計によりますと、バス事故によります死者の数のうちの約七割がこの歩行者あるいは自転車乗りに対する事故でありまして、またその七割のうちの約八割が、停留所から発車するときに起る事故であるという数字を示しております。これに対しまして運輸省としましては、先ほど申し上げました運輸規則の第三十四条によりまして、バス運転者に対しまして発車直前に警音器を吹鳴することを義務づけておるのでありますが、近く保安基準を改正いたしまして、前下方の確認装置、これは鏡でありますが、鏡をつけさせまして、前の方の下の方がよく見えるようにアンダー・ミラーをつけさせまして、バス車両に備えつけることを規定して、こういう方面事故防止徹底をはかりたい、こういうふうに考えております。  それからトラック事故につきましては、まあいろいろ従来からも御報告申し上げておったところでございますが、昭和三十四年度のわれわれの方の一番さしあたりの措置といたしまして、トラック事業監査を実施いたすことにいたしておりますが、これは路線トラック監査、そしてこれには長距離運行実態把握に重点を置いて監査をいたす予定にしておりまして、東海道及び山陽道運行します長距離事業者を主として監査し、一部東北地方長距離事業者対象といたしまして、おおむね四十業者前後を監査対象として、従来は年間を通じて監査を実施しておったのでありますが、本年度は六月、七月中に全部を完了することを目途として、早急に乗務員の配置の状況とか従業員数とか、労務関係休養施設運行実績事故統計、その他諸般の事項について監査を実施したいと考えております。  以上バストラック事故について御報告申し上げました。
  5. 相澤重明

    理事相澤重明君) ただいまの御報告に対し、御質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 内村清次

    内村清次君 バス事故ですね。これはこの統計にも表われておりまするように、特殊自動車としては五百五十三件ですか、それから自動車関係一般が九百四十七件、トラック事故にしましても、自動車関係事故は非常に多いようですが、問題はこの件数の多いのに比べて——もちろんこれは乗客死傷という問題がついて参りますし、非常に世間に対しましてもこれは惨たんたる状態を呈するわけですが、その個所ですね、事故を発生するところの個所、この個所踏切の方が多いのか、あるいはまたは山間道路の場合の方が多いのか、この個所の点がどうなっておりますかが一つ。  それからその事故原因といたしまして、運転手過失によるもの、あるいはまたその過失の中におきましても、運転手のいわゆる勤務状態からくるところの事故原因だとかいうような点がどういうふうになっているか、その点を一つお知らせ願いたいと思います。
  7. 國友弘康

    説明員國友弘康君) バスの大きな死傷事故を起こしますものにつきましては、転落事故がそういう原因になることが多いのでありますが、転落事故はむしろ山間農村地帯というところに起ります。それでまあ今の踏切事故よりはむしろ転落事故等におきましての事故自動車バスとしましては多く死傷者を発生しております。その事故原因につきましては、これはやはり行き違いなり、追い越しなりの場合にその軟弱な路肩に乗り入れまして、そこからすべり落ちたり、路肩が崩壊して転落して事故を起こすということが多いのでありまして、その際に、私どもといたしましては、運転者労務関係休養状況等につきましても、事故原因の究明のためによく調査いたしておりますが、まあその多くの場合は、行き違いとか追い越しの場合に運転を行き過ぎまして、そうして路肩まで乗り入れて、路肩が崩壊して事故を起こすというふうな場合が多い状況になっております。
  8. 内村清次

    内村清次君 この件数報告は、これももちろん、私たちといたしましても、原因調査の上についても、また全般的な自動車事故に対する対策としても必要でございますけれども、問題は、ただいま私が言ったように、たとえば乗客死傷を出すような惨事を引き起こす個所別ですね、それからその勤務状態、こういう点をやはり委員会一つ出していただきたいですね。どういうふうな原因でこういう事故が起っておるのか。最近観光バスが非常にひんぱんに運転されておる。これに対しまして、どうもその営利方針か何か知らぬけれども乗務員休養あるいはまた勤務状態というものを無視した営業方針をとっておるような会社がありはしないかという点が、私たち専門家の方といたしましては一番注意をしておるところです。こういう点が確かにあるはずです。だからこういう面を一つあなたの方では十分調査して、その勤務状態がどうなっておるか、あるいは運転手の酷使をやっておりはしないかというような点を十分調べていただきたいと思いますが、これが今回の事故を非常に多くなしておるところの原因一つではないかと私たちは考えておるわけです。  特にいま一つ局長にお尋ねしておきたいことは、もちろん運転手教養その他の問題もありましょう。ありましょうが、どういった形によって運転手養成というものがなされておるかどうか、この点につきまして、特に営利会社方面につきましてのそういう教養課程という問題を調べておられますならば、一つ報告していただきたい。
  9. 國友弘康

    説明員國友弘康君) バス重大事故につきまして、今、内村先生からの統計的な数字、これを一応申し上げますと、昭和三十三年の事故を申し上げますと、踏切、これは一般乗合一般貸し切りとを含めて、総計の数字だけ申し上げますが、踏切事故につきましては、件数昭和三十三年中に十六件で、死者だけ申し上げますと、死者が十三名、それから死傷事故という整理をいたしておりますが、先ほど申し上げました七割のあれが、バス発車時に歩行者その他をひきます事故ですが、これが五百七十七件で、死者を二百七十七名出しております。それから転落事故が、件数にいたしまして百八十三件で、死者を六名出しております。それから多いのは衝突事故というのが二百二十二件で、死者五十四名を出しております。その他転覆とか火災とかございますが、大きいところではこのような状態を示しておりまして、具体的にはその事故の起りました会社ごとに詳細に、ことに重大事故を起こしまして、死傷者が相当多いときには、陸運局、本省からもその調査員が参りまして、事故原因、及び先生の仰せられました労務関係その他につきましても十分調査しておるのでありますが、もし具体的な資料を提出いたしますのでしたら、こういう事故ということを指定していただいて、そういう幾らかの例について申し上げたいと思うのであります。  それから運転手教養につきましては、運転免許証は、事業用自動車を免許します場合には、高度の運転技術を要するようなふうに、この前の事故防止対策で、これは警察署の方でございますが、措置をされまして、運輸省といたしましても、教養につきましてはスケジュールを作りまして、十分会社運転手教養するような措置を講じておりまして、そういう教養の面につきましては、十分われわれとしても配慮をいたしておるつもりでおりますが、今後ともその点については十分やっていきたいと考えております。
  10. 内村清次

    内村清次君 バス自動車と列車との衝突事故、これが踏切線上での事故というものが相当ある。これは事故が起れば非常な死傷者の出る事故が起りますけれども防止対策としては、いろいろな方面からも、どちらかとすると、金のかかる面もありましょうけれども、大体簡単です。しかしこれはどうしても事故が絶えないという所には、またその方法としてはあとでお尋ねいたしますが、平面交差でなくて、立体交差施設という面が、これは最も必要でありましょうし、どういった計画がどうなされておるかということも、ぜひこれは運輸省関係も含め、国鉄関係も含めて一つお話を願いたいと思います。ただその不測の災害を起こす原因は、こういった雨期が近づいて参りますと、時に山間道路あたりも、あるいは難所というか、屈曲の激しい道路関係におけるところの運転事故、これが非常に悲惨な事故を起こしますが、これに対しましては、先ほど言ったような運転手教養の面もありましょうし、それからその勤務状態の点もあろうし、これを何とかして防止しなくてはならない。これは人為的に防止ができますから、防止しなくては、この惨事というものは、何年たっても決してこれは防止できないわけです。この点を抜本的に防止するには一体どうするかという点が、やはり最も力を入れる点ではないかと思うわけです。それにつきまして、道路関係と、それからバス会社運転手関係として、ここの所は非常に危険だというような点に対する予告、そういうような問題は緊密に連絡がとれておりますかどうですか。
  11. 國友弘康

    説明員國友弘康君) 事故防止につきましては、先生のおっしゃいます道路関係、これは非常に影響が大きいわけでありまして、根本的にはやはり道路をよくしなければいかぬと思いますが、実は昨日も道路局長と話をしましたのですが、昨日道路利用者会議がございましたので、そこでも一般の会員にも申しましたのですが、ここの道路は通れるとか、ここの道路は危険なんだというようなことを、運輸省警察建設省と一緒になって、何とかはっきりとわかるように、また話はちょっと違いますが、たとえば道路が開通しておらないような場合には、その道の曲り角の以前に何か標識を立てるとか、そういうような点についてよく打ち合わせて、一般運転者に迷惑をかけないような措置を講じようじゃないかというようなことを、昨日も実は道路局長と話しましたのですが、まあそういう措置をいたしまして、一般利用者にそういう迷惑をかけないようにしたいと考えておりますのと、それから先ほど申し上げました危険個所防護柵を作ること、及びよくそのバス事業者ならバス事業者に対しまして、バス運行しております道路をよく毎日注意させまして、そして路肩危険標識というようなものも立てるし、それから運転者にそのつど注意を与えるような措置を講じていきたいと考えております。
  12. 松浦清一

    松浦清一君 自動車事故に関連してちょっとお伺いをしたいのですが、乗用車のことですが、乗用車の数が多いことが事故の発生の原因になるかどうかということを、専門的にどう解釈しているか知りませんが、自家用車は届け出をするというと何台でも許可されるものなのですか。
  13. 國友弘康

    説明員國友弘康君) お答え申し上げます。自家用車につきましては、使用の場合に登録をいたしますが、その登録をいたしますれば運転免許証を持っておる者は運転できるという形で、現在制限はされておりません。従いまして、その増加傾向は非常に多いわけでありまして、最近の傾向といたしましては、自動車の台数は軽自動車、これはスズライトとかスバルとかスクーターまで入れまして、この二月末現在で二百二十七万両でございますが、最近、三十三年の四月から三十四年の二月までの月平均増車の模様を申し上げますと、一般運輸省で検査をいたしております比較的大型の自動車は、月に平均いたしまして、これは一月でございますが、日本全国で一万三千七百二十六両ふえております。それから軽自動車━━スズライトとかスクーターのたぐいでございますが、これが一カ月に一万四千二百八十五両、合計一月に二万八千両程度ふえておるのでありますが、これの中の大きなふえ方を示しておりますのは自家用車でございます。自家用車については、そういうわけで、現在増車についての制限というものはございません。
  14. 松浦清一

    松浦清一君 これはまあいいか悪いかという問題は別問題として、最近自家用車を利用して営業を行うという傾向が総体にふえつつあるようですが、一般的な傾向としてはどういう状態でしょうね。
  15. 國友弘康

    説明員國友弘康君) 私どもとしましても自家用車、いわゆる白ナンバータクシーというものにつきましては、いろいろな形態がありますので、これらに検討を加えておるのでございますが、今一番新聞紙上等に書かれておりますものは、いわゆる共済組合を作りまして、その共済組合組合員、それは運転者が正式の組合員になりまして、そのほかには加入組合員としまして一般労働組合人たちが参加して、共済組合の内部の人たちを輸送するという形で、白ナンバー運転しておりますものが、まず神戸に発生いたしまして、その後関西地方から最近横浜にも発生したという報告を受けておるのでございますが、これらにつきましては現在問題になっておりますが、しかし、われわれの検討を加えました結果は、やはり一般的の需要に応ずる形にどうしてもなりますので、これはわれわれとしては違法だと考えております。これにつきましては警察庁の方とも連絡をとりまして、取締り措置を進めておる状況でございます。
  16. 松浦清一

    松浦清一君 実際そういうことがあるかないか知らないのですけれども東京あたりではハンカチタクシーといって、ハンカチを売って、そうしてハンカチを買ってくれたお礼に乗せたのだ、こういう形でやっているところ、古本を貸して、そうしてその借代かなんかで乗せているとか、いろいろな手を用いてやっているようですね。そういう傾向はだんだんと広まっていきつつあるという状態らしいのですけれども、そんな実態は把握しておられますか。
  17. 國友弘康

    説明員國友弘康君) ハンカチタクシーとか古本タクシーとかというようなものが去年あたり盛んにいわれたわけでございますが、現在の傾向といたしましては、むしろハンカチを出すよりは、先ほど例を申し上げました共済組合形態をとりますタクシーにつきましては、メーターをつけておる車もございますが、五十円を表示をいたしまして、そうして十円で乗りましたときにその組合に加入するという形態をとりまして、そうしてあとの四十円が乗車賃である、こういうような形で運行をしておりまして、この方が非常にふえて参りました。それからハンカチを渡すというよりは、もうむしろ最近は白ナンバーで適当にお客さんと交渉をして、乗せていくというたぐいのものが東京あたりでも相当数散見される状態であります。これらにつきましては、発見することに取締り対象として取り締っているのでございます。
  18. 松浦清一

    松浦清一君 これは一年ほど前、名古屋に初めて白ナンバー営業自動車が非常にふえたということで、この委員会で問題にしたわけです。それが全国的に広まって、これは取り締れ、取り締れといったって、とても取り締れないような状況になりつつあるのですけれども、何か手がありますか。あれよあれよといっている間に自家用車を無制限に許可するのですから、これはなんぼでもふえてきて、どうにもこうにもしようがないという結果になるのですけれども、何かいい手がありますか。
  19. 國友弘康

    説明員國友弘康君) お答え申します。これは抜本的になくしてしまうということにつきましては、なかなかむずかしいと思います。われわれとしては、われわれ自身、それから警察庁の方ともよく連絡をとりまして、極力そういう違法な状態をなくすようなこと進めていきたいと思っておりますが、さらに今問題としまして、たとえば東京都におきましては、黄ナンバータクシーが多いか少いかという問題もございますので、それらにつきましては、現在東京陸運局自動車運送協議会検討を加えておりますが、その結論を得ましてから、まず営業用タクシーにつきましての適正な需給状態を考えまして、そしてそれに伴いましてその後に白ナンバーの方を取り締っていくと、こういう措置に及んでいきたいと考えておる次第であります。
  20. 松浦清一

    松浦清一君 タクシーの数が多いとか少ないとかいう、そういう問題でなしに、いろいろ聞いてみるというと、中古の車を十万円ほどで月賦の約束で買うて、それで始めるというと、一年ぐらいで償却をして次の車を買う金ができるというんです、実態は。そういうことになるというと、これはもうああして取り締る、こうして取り締るというのは単なる理想論にすぎなくて、追うても追うてもふえてきて、まるっきり自動車界は無秩序になる。それに対してそれを取り締っていくというようなことにいい手がありますかということです。
  21. 國友弘康

    説明員國友弘康君) 実はこれはやはり需給の問題でありまして、まあどうしてもそういうことをやりたいということでやる人はおると思いますが、適正なタクシーについての需給状態が考えられました場合には、そういうものはだんだん減っていくんじゃないかとも考えておりますので、それでまあある程度そういう措置が考えられました上で、私どもとしては抜本的にこれをなくすということについてはまだ実は名案を持っておりませんのですが、できるだけ徐々に違法状態をなくしていきたいと、こう考えておるのでございます。
  22. 岩間正男

    岩間正男君 関連して。私はこれに出席しなかったんだが、四、五日前に個人営業許可大会東京で持たれたはずです。これについておそらく、自動車局に陳情したと思いますが、あんた聞いておりますか━━聞いておりますか。どういうことを根拠にしているのですか。つまり個人営業を認めてもらいたい、これはまあ個人営業の自由ですね。こういう問題はこれは憲法にも保障されており、だからこれをやりたい。それから今の東京の場合二十台という制限なんですね。どうも行先き不安だというんですね。老後にも全然保障がない、こういう形では希望が持てない。従ってそれが事故原因にもなっているんじゃないか。従って個人営業をむしろ認めて、フリーにやった方がいいんじゃないかという主張のようなものを、私はちらっと見たわけですが、これについては現在の法律があり━━法律じゃないですね、省令ですな、法律じゃありませんね。あんた法律法律と言っているけれども、違う。その省令でああいう一つの、二十何年でしたか、あれで縛られている。これを根本的にやはり検討をしてみておるのかどうか。これはいろいろありましょう。あなたたちが今進めておられる一つ省令に基くところの規制ですね。それと非常にここでいろいろな点で対立をするわけですね。またこれに対するいろいろな意見もあるわけです。認める方がいいというような大新聞あたりにもそういう論調をやっているのもあるし、われわれとしては、ことに私は運輸委員立場からこの問題については検討の余地があるだろうけれども、今進めているそういう運輸省方針、そういう問題があるものですから、私はこれについてわれわれの態度を明らかにしていない。しかし国会としては、こういう問題については、これはとにかくそういう要求があり、そういう具体的な事象が起ってきた場合は、これは検討する必要があるのじゃないかと思うのです。従って関係当局にこの問題をどういうふうに処置するのか、今までの単にもうきまっている規制があるから、それの面であくまでもそれをやっていくというのは、局長さんの立場としては一応そうなると思うのですが、これはまあ大臣がいないから、大臣が出てきたら聞いてみようと思うのですが、どういう工合に処置しておりますか、その点だけ。
  23. 國友弘康

    説明員國友弘康君) 個人営業の問題につきましては大会もございまして、理由といたしますところは、今先生のおっしゃった理由通りであります。そのほかに特定事業としての免許申請を出しておりますのは、共済組合形態でやりたいというものでございます。そういうように形態は違っておりますが、理由は今先生のおっしゃったようであります。これは道路運送法の運用といたしまして、タクシー事業の免許をいたしているわけでございます。これにつきましては道路運送法の免許基準の適用をいたしまして、それによって審査をして、免許とか却下とかいうことをきめるわけでありますが、これの運用の状況につきまして、たとえば地方におきましては個人持ちというものも認めている例がございます。ただ六大都市とかそういうところでは現在認められておりませんが、この問題は新聞その他報道機関等にも非常に取り上げられております。われわれとしても真剣に検討しなければならない問題だと思って、現在真剣に検討いたしておりますが、まあ、さしあたり東京の事態につきまして、現在個人営業の申請につきましても、相当数の申請が出ております。先ほど申し上げました東京陸運局道路運送、自動車運送協議会の答申を得ましてから、あと具体的な事案の審査をいたしまして、結論を出しますまでには、この個人営業につきましても、われわれとしての真剣に討議した結果の方向をまとめて措置をいたしたい、こう考えております。
  24. 岩間正男

    岩間正男君 これはちょっと議事進行と関連するのですが、なんですか、自動車事故、それから自動車と関連したこと、それから列車の事故、それから志免をやるのですか。時間は大体どれくらいですか。
  25. 相澤重明

    理事相澤重明君) 時間はあまりないのですがね。
  26. 岩間正男

    岩間正男君 ないのですか。それで運輸大臣は来る見通しはあるのですか。
  27. 相澤重明

    理事相澤重明君) きょうはないのです。
  28. 岩間正男

    岩間正男君 ないのですか。そうするといろいろあるのでね、その中で特にまあ総裁も見えているのだから、志免の問題もやるとすれば、私の質問も今までたまっているし、膨大にあるのだから、われわれ何時間でもやるのだから、それをやっちゃまずいと思うので、大体いつごろと目安をつけていただいて、志免の問題をやるならやるようにしていただければ、國友局長に聞くことはたくさんこれはあるのです。実は今までの一応私はここで総決算をしておかないと、これはまずいのです。実際私は運輸委員を継続してやることになるかどうかもわからない。やるとしても、やらないとしても、今までのたとえば十六カ条の勧告書、こういう問題に対して一体ほとんど報告を聞いていない、正式には当委員会では。関連して、さっきからの事故の問題は非常に深いいろいろな関連を持つので、このやり方、それから内閣の中に設けられた事故対策委員会というのは、現在あるのかないのか。これは盲腸になっているのかどうなのか。これはあるとすれば、大体このような事故発生についてはもっとしなくちゃね。むろん私たちの小委員会の問題もあるわけです。それが関連してくるわけです。そういう点で、大体の時間の目安を委員長の方で立てていただければ、私たちはそれに応じた質問をやりたいと、こう思っております。
  29. 相澤重明

    理事相澤重明君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  30. 相澤重明

    理事相澤重明君) 速記をつけて。  ほかに御発言ありますか。別に御発言もなければこの程度にとどめます。   ━━━━━━━━━━━━━
  31. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、鉄道関係事故について報告を求めます。
  32. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 鉄道の事故につきまして御報告申し上げます。  お手元に提出いたしてあります資料によりまして簡単に御説明をいたしたいと思います。  初めに国鉄関係でございますが、昭和三十三年度運転事故件数表というものが資料の一番初めに書いてありますが、これをごらんになっておわかりになりまするように、三十二年度の事故の総数が一万八千百三十六件、三十三年度におきましては一万七千百二十六件で、パーセンテージにいたしまして対前年度九四%ということになっております。それぞれのこまかい事故種別につきましては省略さしていただきますとともに、また事故種別の説明につきましては備考欄に書いてありますので御参照願いたいと思います。  ただこの表の中で特に御説明を加えなければならないのは、事故種別の中の一番最後の欄に「その他」とありまして、昭和三十二年度が五千九百一件、昭和三十三年度に七千百六十七件、パーセンテージにいたしまして一二二%と書いてありますが、これは備考欄の一番下の「その他」の中には三十二年度までには事故の中に入れていませんでした地くずれによる解放事故を計上いたしまして、地くずれ解放事故は千三百六十一件ありますのでございます。それで三十二年度と同じような統計の取り方をいたしますと、パーセンテージが下りまして、大体九七%、その他事故も大体昨年並みということでございまして、国鉄におきましては、三十三年度は三十二年度に比べまして事故が少なくなっておるということを示してあるわけでございます。  で、先ほどのお話の中にも踏切事故というものの重大性が指摘されておりますが、それにつきましては次のページにこまかく載っております。  この数字よりも、そこに図示をいたしておりまするので御説明をした方が便利であると思いますのでごらん願いたいと思いますが、三十三年度におきます踏切事故件数の全体は二千五百四十三件でございます。その中での事故種別の内訳表というものはそこの欄にありまして、直前横断というものがほとんど大半を占めた七七・四九%でございます。その右の方に掲げておりますのは責任事故二十三件の内訳を書いてあるわけでございます。この中には国鉄の責任において起こしました踏切事故でございます。遮断機を降下しないというのが三〇・八%、以下早期開ひ━━列車がまだ通り切らないのに上げたというのが六件、二六%、その他降下遅延、防護不良というものがございます。これが事故原因別でございまして、踏切事故障害物別、どういう外的なものによって踏切事故が起ったかというものでございますが、これはその下の欄にありまするように「その他諸車」といいますのが一千六十六件、四一・九五%、約二千五百四十三件の事故の四割二分がこの事故でございます。これは御承知のように、この右に書いてありますオートバイ、スクーター、バイクモーターというようなもの、あるいは自転車というような交通機関として非常に多いものでございますから、踏切事故も多いということを示しておるわけでございます。  その次のページに参りまして、この上から二つがただいまの図示によりまして御説明したものと大体同じようなものであります。踏切事故によりまして、一体それでは年間どれくらいの損害額が起っておるかというものをそこに床しておるのでございまして、部内の損害が一億一千七百万円、部外の損害が三億四百万円、合計いたしまして四億二千一百万円というものが踏切事故におきましてその富がなくなっておるということを示しておるわけでございます。  最後のページは、最近昭和三十三年度六月以降の重大事故の一覧表をそこに列挙いたしております。  次に民鉄関係の事故でございますが、国鉄と同様、同じような式によりましてとりましてお手元に差し上げております。これによりますと、事故の総数が三十三年度におきまして一万八千七百九件、三十二年度に比べまして一〇六%、私鉄の関係におきましては対前年度比六%ふえておるということになっております。同じく踏切事故の内容というものもそこに示しておりますが、大体傾向は国鉄と同じような傾向をたどっておるということがこの表をごらんになっておわかりになると存じます。  そのほか踏切警手の責任と、先ほど国鉄のところで出ておりました鉄道側の責任、あるいは通行者の不注意というものを含めまして事故原因別の件数表をそこに書いてあります。それからまた障害物別件数表というものもそこに書いてあるわけでございます。  最後のページは国鉄と同じように、最近におきます地方鉄道・軌道の重大事故というものを一件ごとに拾い出しまして概況の御説明を申し上げてあるわけでございます。  概して申し上げまして、鉄道事故はそうふえていないということは言えるわけでございますが、この中でも、先ほど御指摘になりましたように踏切事故というものが決して減らない、ふえている傾向にありますために、また踏切事故というものが単なるほかの事故と違いまして、重大な死傷を起こす場合が多いものでございますので、この防止措置につきまして、われわれもいろいろ検討いたしております。そのためにはまず踏切状態を十分把握いたしますとともに、さらに進んで、その事故を一体どうしてなくすかというところにまで進まなければならないわけでございますが、国鉄、私鉄関係、毎年各社調べておりますが、本年度は一つ大々的に調査をしてみようということで、一つ一つ踏切のいわゆるいろいろな交通情勢というものの調査をすべく現在準備を進めております。それとともに踏切事故を絶対になくすということのためには、何といいましても立体交差ということが非常に重大でございますが、これまた非常に問題が複雑でございます。そのためには、われわれといたしましては、何らかの立法措置が必要ではないかということで、現在立法の段階においても検討いたしておりますが、まあ問題はその経費がどう分担されるかということが、現在まだ各省間で意見の一致を見ていないわけでございまして、まあこれを大別して申し上げますと、全然鉄道も道路もないところへ鉄道が敷かれ道路が敷かれるという場合には、受益者の割合において負担すればいいということはいろいろ考えられるわけでございます。また現在道路があり、あるいは鉄道があるところへ新しく鉄道なり道路なりが敷かれた場合には受益者が負担をするということで、新しく敷くところが経費を起こすということも理論上そう議論のないところでございますが、現在平面交差をしておるところを立体にするという場合に、その費用の負担をどうすべきかということが、道路関係と鉄道関係でなかなか意見の一致を見ないわけでございまして、この点何らか早く各省との意見の調整をして立法いたしたいということで、現在努力をいたしております。まあ長年の間各省等で連絡しておりますが、問題はどこにあるかと申しますと、国鉄と道路関係というところではほとんど今までも協定ができておりましてやっております。これはそう問題はないわけでございますが、私鉄となりますと、非常に大きい私鉄から、もう現在補助金をもらってもやれないというような私鉄と、企業形態がまちまちでございます。一律に鉄道側が何割持つということの決定がなかなかむずかしいわけでございます。また必要を認めていても、現在赤字で困っているのが、ただ鉄道を上げるといいましても、その個所だけ上げるわけではないのでございます。全体的にその部分につきまして高架になるというような点があり、それによって利益するところは踏切警手の費用、踏切遮断機、その他の保安施設の維持費ということでございますので、果して私鉄の経済がそれにたえられるかどうか。そうすることによって会社をやめなければならないというような問題等もございまして、それらを一体どう具体的の問題において十分妥当な結論が出し得るかということの折衝を始めているわけでございます。その折衝が終りませんとはっきりしたことを申し上げられませんが、私といたしましては、できるだけ次の通常国会にはそういう法案の立案をいたしたいというふうに現在努力をいたしておるわけでございます。  非常に簡単に申し上げましたのでございますが、大要この資料の御説明はそのようなわけで終らしていただきます。
  33. 相澤重明

    理事相澤重明君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  34. 相澤重明

    理事相澤重明君) 速記を起こして。
  35. 岩間正男

    岩間正男君 今の立体交差の問題ですね。これはまあ法案を出されるという準備に着手して、ずいぶんその点今まで、国会に出される出されるといって出されなかった。その点でお聞きしたいのだが、一体調査が十分できておるのか。交通事故の問題、事故をなくすという観点もあるけれども、夕方の、ことにラッシュの時間に、たとえば池袋の天気のときなんか見てごらんなさい。二十分でも三十分でも平気でとめているのは鉄道の横暴ですね。実にいばりくさっている。全くほかの車は全然ストップだ。ああいうところからくるロスですね。何か四億何がしの事故による損害がここに数字が出ておりますけれども、私は実際あの交通を遮断されて、前近代的だと思うのだね、あのやり方は。あれによるロスというものは何十倍じゃないかと思う、こういうものの計算でいいますと。それからラッシュ・アワーに一体どこの踏切は何分とめた。最大限度は一日のうちに全体として何分とめているのか、最も単元で長いのは何分か、こういう調査は十分できておるのか。それを立体交差すれば一体どのくらいの予算が要るとか、その予算をどういうふうにするとか、こういうことでないと、いわゆる私鉄と交渉して、こんなみみっちいことをやったってこの問題は根本的に私は解決つかぬと思う。従って、そんな無準備な格好で法案を出されるのではがちゃんこを必ず食いますよ。私はそういうふうに思うのだ。私自身があれを見て驚いた。二十分間待たされた。これは選挙のときだったから気があせっていたかもしれないが、どういうふうにするか。こういう問題についてちゃんと調査が国鉄側にありますか。こういう重要な、ことにもうラッシュ・アワーの非常に交通ひんぱんな所でとまるのです。ああいう所なんか東京だけでも何十カ所とある。これはある意味では魔の踏切です。目に見えない魔の踏切だ。そこで人が何人殺されたということも非常に大きい問題、人権問題ですが、しかし、それ以上に大きい交通上のロスですね。不経済、ああいうものについてのはっきりした対策調査の上に立てられたのかどうか。そうしてはっきりした今の立体交差の問題を一つの大きなやはり対策として取り上げていくのでなければ、とても私は、一運輸省のできるところじゃないと思うのだね。そういう点について私御意見を伺いたい。
  36. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 先ほどちょっと御説明に触れましたように、この十月にそういった一斉調査をすることになっております。資料といたしましては、国鉄におきましては、三十一年に調べた資料がございます。その際には一つ踏切で一体どのくらいの時間がかかったかというような資料がございますが、私鉄におきましてはまだそういった十分な資料を持っていない。それで今言いましたような、そういった踏切の本質的なものを検討する際にはぜひ必要であるということで、この十月にそういうことをやるわけでございます。ただその遮断されたことによりましてどれだけ経済的な損失があるかということの算出はなかなか困難でありますので……。
  37. 岩間正男

    岩間正男君 それはしかしやらなければいかぬ。
  38. 山内公猷

    説明員山内公猷君) できるだけわれわれその算出の方法を考えてみたいと思います。
  39. 岩間正男

    岩間正男君 それと、今の予算の問題、予算化すればどのくらい要るかというのをやっていますか。
  40. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 現在予算化の問題は、全国的に調査をしようということは考えております。ただ、われわれのやっておりますのは、立体交差だけでないわけでございまして、現在の踏切が果して交通量に対して、一種、二種、三種とありますが、それで適当であるかどうかというようなものまで含めまして、今調査をした上でそういったものも検討しようということになっております。
  41. 松浦清一

    松浦清一君 長い質問を申し上げようとは思わぬので、簡単に答えてもらいたいのですが、この三枚目の報告の中に重大なのがあるのだが、下から二番目の播但線のトンネルのあの事故が起ったときに、原因がはっきりわからないというような報告だったのですが、この原因を見ると、「車掌が停車駅にて制動手配を怠ったため」と書いてあるのですが、これはその後明確になったのですか。
  42. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 播但線の事故原因につきましては、まだ窒息死亡しました機関士の解剖の結果が出ておりませんので、最終的には決定はいたしておりませんですが、大体の推測につきましては、委員会にも御報告を出しましたし、発表もいたしておるのでございます。それの原因は、この表は私きょう初めて拝見いたしたのでございまするが、今まで調べました結果としましては、隧道の中で排煙のために機関士が失神いたしまして、そのために下り勾配にかかってからブレーキを締めることができませんでカーブで脱線して隧道に衝突した、こういうことに相なっております。
  43. 松浦清一

    松浦清一君 そうするとここに書いてある「車掌が停車駅にて制動手配を怠ったため」というのは、これはちょっと言い過ぎじゃないのかどうか。なかなかこれは大へんなことなんですよ。
  44. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) まあ事故が起ります際には、いろいろ手違いであるとか、過失であるとか、あるいは天災であるとか重なってきますので、このうちの、簡単に書きますと、どれを主要な原因に取り上げるかということに相なってきますが、私どもの方では、もちろん、こういう場合に車掌が的確にブレーキをかけられればこの事故を防げたであろうとは思いまするが、まあただいま申し上げましたように、最も主要な原因は、やはり機関士が窒息煙のために失神いたしたのが一番大きな原因であろう、こういうように考えております。
  45. 松浦清一

    松浦清一君 ただ、これは回送車であったからよかったんですが、たまたま五百人も乗客がいたとすれば、ほとんど全滅に近い大きな事故が起っているわけです。それが車掌の責任であるように書いてあるのは、大へんな職務上の重大問題のように思うんですけれども、こういうような判断の仕方をするということは、今小倉さんのおっしゃるような事情であれば……。
  46. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) あの列車には後部の方に車掌が乗っておりまして、下り勾配になりまして、非常に速度もつきましたので、ブレーキをかけるために、車内を通行して、一番後部のブレーキのついている車まで参ろうと思ったのですが、そのときにはすでに動揺が非常に激しくて、そこへ到達するのに時間がかかって、そのうちに衝突してしまった。こういうことでございまして、もし車掌が、事故が起ります前にブレーキのある車に到達してブレーキを締めれば、あるいは未然に防げたかとも思いまするが、そういう点で、ブレーキをかけられなかったというのも一因でございますが、しかし、ただいま申し上げましたように、非常に動揺が激しくてブレーキまで進むことができなかったということでございまするから、その車掌の責任であるかどうかは、さらにいろいろの解釈をしなければならぬと思います。
  47. 松浦清一

    松浦清一君 小倉さんはなかなか国会答弁が、いつもやられるものだから上手になってきて、そう思わせられてしまうのですが、ここに書かれた通りであるとすれば過失死になるわけですね、なくなった人が二人おるのですから……。そういう判断をしておられるというのは、あなたのおっしゃる━━機関士が煤煙のために窒息して失神状態になったことが主要な原因だというふうにおっしゃっておられるんだから、これは怠ったということと、できる状態ではなかったというのはだいぶ意味が違いますから、そういう理解の仕方をされるということは、副総裁、もう少しお考えにならないというと大へんな結果になるんじゃないかと思うんです。そのことと、このトンネルは前に事故が起ったことがありますし、いろいろ問題のあるトンネルなんです。その後どういうふうに処置されたか。また、される方針であるか。トンネル自体の━━たとえばディーゼル車にかえるとか、トンネルを広くするとか、そういう計画を立てておられるかどうか。一緒にお答えしていただきたい。
  48. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) お手元に出ております資料の「原因」のうちの後段につきましては、さらに運輸省と相談いたしまして、あるいは訂正をお願いすることに相なるかもしれませんですが、さらに運輸省と相談の上で御回答申し上げたいと思います。  ただ、私のただいまの気持では、やはりあの事故は、煤煙のために機関士が窒息して、そのために起った障害である、こう考えておりますから、この点さらに運輸省と相談いたしてみたいと思います。  それから、事故あとの手配でございまするが、これは、あの場合に、石炭のカロリー等も十分調べましたが、カロリーも十分、規定通りの石炭のカロリーもございまじたし、定員定数も規定通りになっておりましたのですが、さらに、ああいうことにかんがみまして定員定数を減らすということと、それから、石炭のカロリーをさらに上げるということをいたして、さっそく手配をとったのでございまするが、一般的に申しまして、隧道で煤煙がたまるような個所につきましては、機関車に排気装置をつけることを今手配いたしております。そのほか防毒マスクの帯用を励行するように指令も出しておいた次第でございます。
  49. 松浦清一

    松浦清一君 それでなくなった二名というのは機関士の方ですか。
  50. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 機関士が死亡いたしております。車掌は死亡いたしておりません。
  51. 松浦清一

    松浦清一君 どうも非常に重大問題だから、よく考えておいてもらわぬと、車掌さんが生き残って、機関士が二名なくなっているのだから、今の後段の部分は非常に問題を残すと思うから、よく考えて下さい。
  52. 岩間正男

    岩間正男君 これは取り消したらどうですか、あとの方は……。これは第一義的な原因じゃないですよ。そのあとの二義的な原因なんです。第一の原因は、もっと国鉄自身が責任を感じなくちゃならぬと私は思うのです。防毒面をつけて運転しなければならないという状態がすでにおかしいのだ。しかも窒息死に落した経営者が、どれだけの責任を感じておるか、これは非常に重要だと思うのです。それでこれは第二義的な原因━━車掌が超人的な努力をすれば避けられたかもしれないようなものを持ってきて、これを怠ったためなどと書くのはいささか軽率じゃないか。その前に責められなくちゃならないのは経営者です。経営者がここに至らした……。それでこれに対してどうですか。機関士に対してどういうような善後処置をとられたか。それから、国鉄としてのこれに対する責任をどういうふうに考えておられるか。それから、その後の、何か防毒面をつけるくらいのことでは、これは解決できないのじゃないかと思うのですが、これはどうですか、人命からいって、働く人の命を守るという点からいって……。どうもこれは驚いたですな。
  53. 相澤重明

    理事相澤重明君) 先に文章のことがありますから、山内君から……。
  54. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 「車掌が停車駅にて制動手配を怠ったため」、これははっきりしないものもございまして、申しわけないと思いますので、訂正させていただきたいと思います。
  55. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは今の資料の、「車掌が停車駅にて制動手配を怠ったため」というのは、これは削除をしていただきます。次に小倉総裁
  56. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 事故原因は、先ほど申し上げましたように隧道の中の窒息でございまして、これにはいろいろな悪い条件が重なって生じたのでございます。悪い条件と申しまするのは、機関士が隧道の手前で、蒸気不昇騰のために一たん停車いたしまして、さらに石炭を追加して蒸気を上げて隧道に差しかかった。で、その場合にまだ速力がついておらなかったのと、交代いたしました直後でありましたために、煙の発生が多かったことと、それからちょうど列車の速度とほぼ同じほど追い風が吹いておったというようなことで、隧道内に煤煙が非常にたまったというようなことがございまして、これはまあ一応突発の偶然のことが重なったということでございます。もちろん、管理者といたしましては、十分道義的な責任も考えましたし、それから、死者に対しましては殉職といたしまして、手厚い弔意を表した次第でございまするが、これの原因は、ただいま申し上げましたような、だれの過失ということも直接的には因果関係がつかないのでございます。なおまた先ほど申し上げましたように、この種の事故防止のために蒸気機関車の排気ということもただいま着々進めておりまするし、またカロリー━━石炭の質を上げる、あるいは牽引定数も、全般の隧道区間につきまして牽引定数の再査定もいたしておりまするし、そういう点を十分注意いたしまして、この種事故を再発しないように努力しておる次第でございます。
  57. 岩間正男

    岩間正男君 総裁にお聞きしたいのですが、やはりこれはこういう事故は万全を期して起こさないだけの配慮がなされなくちゃならないと思います。どうも起ってしまってからこれは仕方がないなどということでなくて、大体、機関士の諸君が隧道の中で窒息したというようなことは、世界的に考えたって、どうも労務管理の上から見て、そういう事態が、偶然が重なったから起ったという説明で言われておるけれども、私はこれは重大問題だと思います。これは基本的な考え方としてどうでしょう。総裁はこういう管理者として、責任者として、どういうふうに今後処置されるか、この点一応承わっておきたい。基本的な問題ですから。
  58. 十河信二

    説明員十河信二君) 私も同様に考えます。同様に考えまするがゆえに、先刻副総裁からお答えいたしましたように石炭の品質を向上する、牽引定数を考慮する、なおその上に排気設備を取りつける、そしてさらに防毒マスクを使うというふうな万全の処置を講じたい、こう考え、今着々進めておるような次第でございます。
  59. 内村清次

    内村清次君 この種の危険な隧道はあなたの方では調査しておりますか。
  60. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) しております。
  61. 内村清次

    内村清次君 それでは全国的にどのくらい残っておりますか。
  62. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 今手許に資料を持っておりませんが、この程度の建築限界の隧道はまだ十数あるいは数十ございます。この播但線は民営から国営に買収いたしましたものですから、そのときは建築限界が小さかった。この種の隧道はまだ全国的に相当あると思いますので、逐次改築をいたしていきたいと思います。隧道の改築は非常に困難でございまして、生きている線を改築するというようなのは、金の点でなくて非常に困難が伴うものでございますから、そういうやり方も考究いたして、できるだけ建築限界の小さな隧道の改築をいたして参りたいと考えております。
  63. 内村清次

    内村清次君 かつて私は運輸委員会に所属しておりました際に、北海道の十勝隧道の問題が起きたわけです。そのときも委員会といたしましても、この問題については十分再発をしないようにというような問題も提起しておりましたし、先ほど副総裁からも言われましたように、正確な数字ではないかもしれませんけれども、これは全国あげまして大した数字はないわけです。もちろん隧道の改築には相当の費用は要りましょう。要りましょうが、事人命の問題になってきますると、輸送は毎日のことであるし、牽引定数という問題も、先ほど総裁も言われた。この問題もやはり御調査なさって、やはりそういった不祥事故が再発しないように、第一番に人命尊重の立場からやっていく。しかも輸送の業務に携わっておる従業員は、毎日しかも非常な心配から輸送の業務に当っているのですからして、その人たち死傷するというようなことは、これは経営者として最も恥ずべきことですよ。これはもう絶対にこれは起らないようにするのが当然なことだと私たちは思っておりますが、あとわずかばかりとおっしゃるならば、至急にこの事故が起らないようにしていただきたいということを私は強く要求いたしておきます。
  64. 松浦清一

    松浦清一君 いずれこの委員会委員長がきまるでしょうが、本年度の一つの計画として、これは委員長にお願いしたい。志免炭鉱の問題もいいけれども、交差点とそれからトンネル、その一番危いような所を一つ本年度の視察の計画の中に入れておいてもらって、予算編成の前に、金のかかることだから、金を必要とするならば、どうしたらいいかということを検討するような、それを一つ記録にとどめておいて、調査の重要事項として一つやろうじゃないですか。
  65. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは今松浦委員の御希望の点については、特にこの運輸委員会としての重要な問題であるから、交差点あるいは隧道等の問題については現地調査を行う、そういうことで、なお政府に対しても、国鉄に対しても予算化を促進してもらうというような点で一つ積極的に進めていくように、委員会として一応皆さんの御意見をまとめておきたいと思います。これは交差点というのは踏切関係ですね。それから国鉄の隧道関係。  それじゃ以上で、別に他に御意見もなければ、この程度で次に移りたいと思います。
  66. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次は、志免鉱業所に関する件について、その後の経過についての御報告を求めます。
  67. 十河信二

    説明員十河信二君) 去る四月の二十七、八日であったかと思いますが、衆参両院の運輸委員会におきまして、志免鉱業所の現地調査を青山博士等にさせる必要があるのではないかという御決議がありました。その御決議の趣旨を体しまして、自来約一カ月にわたって労働組合といろいろ折衝をいたしました後、六月の初めに青山博士一行に現地へ行ってみてもらうことにいたしたのであります。不幸にして御承知のような行き違いが起りまして、死傷者を出したということはまことに遺憾にたえないところであります。その後、そういう事情で調査ができませんでしたので、参りましてから労働組合と当局の間でさらにいろいろと協議を重ねました結果、最近ほぼ両者の間で意見がまとまりました。この調査に参加する組合側の推薦者の名前も出てきました。これからいつどういうふうに調査を進めていくかということについて目下協議中であり、なお詳細の経過につきましては、吾孫子務理事から御報告いたさせることにいたしたいと存じます。
  68. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 大体の模様は今総裁から申し上げた通りなんでございますが、お話の通りただいま総裁が申されましたように、四月の二十七日に当運輸委員会の御決議がございました。その際またいろいろ御質疑等もありました経適から、青山委員会の御一行に現地調査をお願いすることにいたしたわけでございますが、それにつきましてはいろいろ国鉄労働組合の方の側にも意見がございましたので、できるだけ円滑に調査の目的を達するようにいたしたいと思いまして、五月の一日以来約一カ月にわたっていろいろと組合側とそのことについて相談をいたしておりました。しかしながら五月一ぱい話をいたしましたが、遺憾ながら両者の話はなかなかまとまりませんので、お互いに円滑に調査をしようということについて、協力しようという意思は組合側の方にもうかがえておったのでありますけれども、なかなか最後的には話がまとまらない、こういうことでやむを得ずそれではとにかく前の国会のいきさつもあるから、当局側としては青山先生の御一行に現地調査にいっていただくことにする。しかし調査の当日までこちらとしては組合側の方の話がまとまるのをお待ちはしておる。組合側の方のお話がまとまりさえすれば、いつでも組合の推薦する人も受け入れる、こういうようなことで現地へ参ったのでありますが、残念ながら当日まで話がつきませんで、あのような事態を生じたことになったわけでございます。しかしあのことが一つの契機になりまして、その後組合側とさらにいろいろと折衝がありました結果、組合側の推薦する学識経験者五名を加えて、今度こそ労使双方円滑に調査が行われるように協力しようという申し合せができたわけでございます。それでただいま総裁から申し上げましたように、近日中に組合側から推薦される三人の方にもおいでいただきまして、今後の調査の進め方等についてお打合せを願うつもりでおります。ただ組合側から推薦されました方のうちのお一人は九大の教授でありますので、今九州大学の方に正式におさしつかえの有無を御返事いただくように申し上げております。その御返事がたぶんまあよろしいという御返事になると思いますが、そうしましたらまあ来週早々にでも関係の皆さんにお集まりをいただいて御打合せを願おう、大体そんな段どりで始まっております。なおこまかいことにつきましては、お尋ねがございましたならば御説明申し上げたいと思います。
  69. 相澤重明

    理事相澤重明君) 以上の点につきまして、御質疑のある方は順次御発言願います。
  70. 内村清次

    内村清次君 ただいまの総裁及び吾孫子務理事の御報告を聞いてみますと、今吾孫子理事の言われました中に、非常に遺憾な言葉があるのですよ。それはまあ経緯としては、あなたの方ではそういうふうな感じを持っておられるかもしれませんが、あのような事態のためにそれが一つの転機となってきた話し合いが進められた、こういうような言葉があるのですね。これはあのような事態というものは私たちは最もおそれた事態です。これはおそらくあなた方の国鉄当局といたしましても、志免の問題を含めた経緯の中でも一番これは不祥事件だったと思うのです。現地の従業員の人たちが、百何十人という人たちの傷害を起こして、しかもまあ警官の暴力によってこういった傷害が起るというようなことは、これほど不祥事件はないはずですよ。委員会は決してこれを望んでおらなかったはずです。今まで委員会は何回もこの問題については開かれて、そうしてあなたが言われましたように、また総裁が言われたように、四月の二十七日の決議というものの内容を見てごらんなさい。この骨子は一つは現地の人たちとも十分理解を得て、組合とも理解を得て、円満な解決をするためということが第一点です。  第二の点は、国民に対するところの疑惑をとくというようなこの二点を中心として、そうしてその円満な解決をする。あるいは委員の一人の人が、それには組合も協力してもらいたいというようなことも発言されておったようですが、組合は終始当局と団交を開いてその条件的な問題については話し合ったはずですね。しかしああいった不祥事件を起こして、それが一つの転機になったというようなことは、これは慎んでもらいたい。私たちもあの現地の様子をラジオやテレビ、新聞その他で見てこれは大へんなことだというふうに考えた。そこで私はああいった事態が発生するということを予測しながらも、総裁は強行されたというその真意はどこにあったのですか、総裁。おそらく予測されたあなたたちの予定の行動だったと私たちは認定しておるのですが、そういった行動をどういうためにされたわけですか。総裁に私は聞いておりますよ。
  71. 十河信二

    説明員十河信二君) この問題は、申すまでもなく長い間の懸案でありまして、国民のまた国会の皆さんにも非常に御心配をおかけしており、まことに私ども相済まぬと、こう考えます。国会の決議の御趣旨に従って、一番問題になっておるところは八百万トンの実収量であるか千二百万トンの実収量であるかというところ、そこが一番争いになり、疑惑を受けておる点でありますから、その点を一日も早く明瞭にしたい。それには国会からも御決議がありましたその経緯を見ますると、現地を調査することが必要じゃないかということでありましたから、なるべく早く現地を調査して、そうして皆さんの疑惑をといてもらいたい、こう考えまして、私はさっき吾孫子君からも申し上げたように、組合の方でもよほどその点は了解してくれておると思います。だんだんそういう傾向が強くなってきておるのでありますから、国会の決議もあることだから、ああいう事態を引き起こすということは想像いたしておりません。それでありますから、青山博士などの御都合もあります、いろいろお忙しい御用をたくさんお持ちになっておる方でありますから、そういう方の御都合がつくときにやっていただきたい、こう考えましてやった次第でございます。
  72. 内村清次

    内村清次君 総裁の真意は私たちが推察するところは、これは確かに委員会でも八百万トン及び千二百万トンという数字の違いというものは論議されました。しかしその論議をきっかけとして再調査の点も決議の趣意であったことはこれは間違いありません。ありませんが、総裁の方ではそれまでには十分組合と話し合いをつけて、そうしてその国会の委員会で論議になった焦点を一つ調査をしようじゃないかという熱意が……その不調のままに強行しておられる。それだからして一面委員会の趣意を何とか通そうというのは表面的な理由で、実際は早く払い下げをしようという魂胆であなたやったことは事実でございましょう。どうですか、その点。
  73. 十河信二

    説明員十河信二君) 国会の皆さんからもまた国民の皆さんからも、一日も早くこの疑惑を解くようにという御趣旨のお話があるものですから、私も一日も早く一番の問題になっておる八百万トン、千二百万トンという点を一日も早く明らかにしたい、これは私そういう熱意をもって組合に対しても、こういう国会の決議もあるのだから、何とか一つ協力してもらいたいということを、しかも決議があってから後も引き続いて一カ月にわたって組合と折衝して参ったのであります。そういう趣旨でありまして、私はああいう事態を引き起こすようなことが万々ないと、こう考えて出ていったような次第であります。
  74. 内村清次

    内村清次君 それはあなたの答弁といたしましてはほんとうの真意ではないのです。実際はあなたの方では早く払い下げを強行していこうという真意のためだったと、私たちはこれはもう間違いない事実です。というのは私はきょうは、内閣もかわってしまっておりますけれども、前運輸大臣の重宗君あたりは、常に、選挙中にかかわらず六月中には払い下げをやる、国鉄総裁の意向に従って払い下げをやる、何回ですか、その談話を出したのは。山口に行っては談話を出し、どこに行っては談話を出すというふうなところで、行く先々でそうやった談話を出しておるのです。この点は大臣がかわっておりますから重宗君には私は、実はこれは大きな大臣の意向としては間違った考えだ、大臣がいわゆる引き継ぎを受けたところの運輸省方針とは違った考え方だというふうに考えておりましたけれども大臣がかわっておりますからしてその機会を得ませんけれども、そういう傍証的な監督官庁の当の責任者が常にあなたの意を体して世間に発表しておるのです。ちょうど監督者とその監督者でない被監督者との間が、地位が転倒しておるような発言が往々にしてなされておる。そう見ますると、これはもうあなたの気持ちとしては早く一つ払い下げを強行していこう、何が何でも強行していこうというような御意思で、あの再調査というものがなされたと私たちは認定しておりますが、間違いじゃございませんか。
  75. 十河信二

    説明員十河信二君) 今の御認定は多少誤解がおありになるのじゃないかと思います。大臣からも私に対してああいうふうな、八百万トン、千二百万トンというふうな疑惑があってはまことに相済まぬ話だ、実地調査、現地調査を早くやってもらいたいという督促を私は大臣からも受けておるのでありまして、監督者と被監督者の地位が転倒しておるなんという事実は毛頭ありませんですから、その点はどうか誤解のないようにしていただきたいと思います。
  76. 内村清次

    内村清次君 そこでですね、もしこの炭量の再調査をするということだけであるとしたならば、事前に組合との了解は十分つけたはずだと思うのです。組合との団体交渉で組合側は四項目か何か条件に出しておりますね。その四項目の中の二項目という問題については全然あなた方の方ではこれを拒否しておられる。しかし、一応委員会でこの問題は一ぺん考え直そうじゃないかというような意見も多くなっておるときにおいて、それでは一つまず再調査という問題が焦点となって、その再調査の炭量次第によってはさらに行く先の経営の問題も考えていくというような話し合いがつくのはこれは当然じゃないですか。そういうことをあなたの方では二項目だけは拒否しておられる真意というものは、ただ形式的に炭量だけは一つ調べていこうということが第一点。第二点の点は、これは委員会でも問題になっておりますように、青山委員会というすなわち諮問機関に対しましては、これは私たちはどうもまだ疑惑を持っておるのです。今回は組合の代表が三名加わっておりまするからして、この結果がどうなっていくかは今後注目していかなくちゃなりませんけれども、ただ総裁の諮問機関としての青山委員会の答申の項目というものに対しては、どうも私たちは一方的ではなかったかという感じがまだ強いのです。その強い問題を総裁はとにかく委員会がああ言うからして青山委員会の何人かが現地に行って、そうしてそれを信憑づけていく、裏づけしていくということのために形式を整えていく、そうしてその腹は払い下げを強行するというようなお心持ちではなかったか。ということはこれは私たちが━━私一人でなくして多くの委員の方々も国民もそう考えておりますが、総裁はそうではないんですか。
  77. 十河信二

    説明員十河信二君) 先刻申し上げましたように、この問題は多年の懸案でありまして、長い間かかって検討し続けた問題で、その結果国鉄も政府も方針をきめておるのでありますから、その方針は今のところ変えません。その方針を変えないということは今お話の通りでありまして、ただ最も疑惑の焦点となっておる八百万トン、千二百万トンについては現地へ行って一度現地の実情を調査して、そうしてもう一応確めようじゃないかということで国会の決議を尊重して出て参った次第であります。たびたび繰り返して申し上げておる通りであります。
  78. 内村清次

    内村清次君 総裁は常々組合に対しまして、あるいはまた従業員に対しましては、親と子の関係にあるということを言っておられますね。親子の関係というものは、これは切っても切れないところの愛情というものが中になくちゃならぬのです。ところが、その愛情のある処置であったならば、あんなに強硬な方針がどうしてとれますか。しかも現地の百何十人の負傷者に対して一体どういうようなお考えをあなた持っておられますか。
  79. 十河信二

    説明員十河信二君) 不幸な負傷者に対しましては、私は心から御同情申し上げております。私は今お話の通り、私の部下である従業員は私の子供同様に考えております。おやじがうちへ入ろうというのに子供がそういうふうなことをするとは私は毛頭考えなかった。私は今もなおずっと続けて子供に対しては十分な愛情をもって臨んでおるつもりであります。
  80. 内村清次

    内村清次君 それはですね、総裁、なぜあなた方の調査を拒否したかという点は、これはあのときに話し合いもつかずにあなた方は職権をもって強行調査をやる、もしこの調査をされたならば、あなた方と青山委員長及びまた数人の委員会人たちはこれは馴れ合いだ、これをやられたならば自分たちは首が飛んでしまう、一家路頭に迷わなくちゃならぬ、こういう心境から恐らく話し合いをやって下さい、組合と十分話し合いをやって、そうして組合の提出条件を十分そしゃくしてもらって、白紙の状態調査をしてもらいたいというような気持が一ぱいだったから、あなた方の調査に対しましても、これは一つ話し合いをしてくれというような気持ちが、これは現地すなわち地元の従業員の方の一致した、家族を含めた気持ちであったと私は思うのです。そこをあなたが察せなくちゃどうしてほんとうの親といえましょうか。あなたはあなたの御意見だけでこれを払い下げすることが親子の情だ、子供を思う親の心だ、そうおっしゃっておるけれども、そうは考えておらぬでしょう実際。もしそれをされたならば自分たちは路頭に迷う、こういっておるのですよ。まだ労働条件もいろいろなすなわち執務条件も何もきまっておらない、その現地の問題としましては、そういった空気まではまだなっておらないでしょう。それには十分なやはり調査をするにはする形の組合との十分なる話し合いがあってこそ、あなたの親としての気持ちじゃないのですか。そうして現地の、これはきょうは小柳君も来ておりませんけれども、あるいはまた衆議院の方では、委員会では河野君あたりからもその当時の状態も訴えられたと思いますけれども、あなた方は現地に行って見ていらっしゃるはずだ、警官はどういう処置をとっておるのです、警官は何かトンネルというような方法をとって無抵抗の者を一人々々ゴボウ抜きに引き抜いて、あとは何百人の警官のところをくぐらせて行ってそこでぶったり叩いたりする、こういうような非道な処置をやっておるのですよ、そのためにあんな負傷者が出ておるのじゃないですか。そうしてそういった警官をあなた方は要請されてそして出動を頼んだ、これはあなた子供に対する親の処置でございましょうか、この点は一つ深く反省してもらいたいと思うのです、総裁どうです。
  81. 十河信二

    説明員十河信二君) 私は従業員がいろいろな心配をするのは無理はないと思います。そこでそういうことの心配もない、給与が低下するようなこともさせない、国鉄へ帰りたい者は帰るというふうに手配をしよう、あらゆることを話し合いによって円満に解決しようじゃないかということを、繰り返し繰り返し長い間かかって折衝をしておるのであります。それでありますから決して今お話のような無慈悲な従業員の生活も何も顧みないで強行しようなんで、そういう考えは毛頭持っていないのであります。その点はどうか誤解のないようにお願い申し上げたいと思います。
  82. 内村清次

    内村清次君 まだ労働条件の点までお互い質疑をする段階ではございませんけれども、ただ申し上げますと、配置転換をしてレール側に返すといっても、一体どういった行く先の楽しみがありますか。やはり親子三代も四代も続いて、あの炭鉱に働いてきた従業員の気持ちになってみたならば、あそこがやはり死に場所でしょう。あそこによって希望をつないでいる方々です。また炭鉱が譲り受けられて、そこに転身してもその就職の行く先がどういうふうになっていくかということは、これはしろうとが考えてもわかった問題です。そういうような不安の状態で納得がまだされておらない問題のときに、あなたはそういうことをおっしゃるけれども、実際あなたがなるのじゃないのですよ。実際の生きる道を考えていく人たちは従業員です。こういう問題はまだまだやはり深刻に考えてやらなければならない、あなたの義務こそあれそれが幸福なりと断定することは、これはまだ早いですよ。しかもあなたも七十年来のあの炭鉱の継続に対して、何ページかの期間を総裁としてなっておられますけれども、あなたの今の立場は、そういうものに対してはまだまだ深刻にお考えにならなければならぬ立場にあるわけです。だからこの点は何もあなた方とそういう問題まで質疑を取りかわそうとは考えておりません。これは将来の問題です。ただ私たちが申したいことは、先ほどから言っておりますように、なぜそんなに早く払い下げを強行しなければならないか、この一点だけです。もう少しあなたはなすべき仕事がありはしないかという点です。この点に対して具体的にお尋ねいたしますけれども、私も委員会その他の傍聴は最近いたしました。またこの国民の疑惑といたしましての、いろいろな処置に対するあなたにからまったところの問題につきましても、まだ解けておりません。決算委員会は二十二日か二十三日ごろに開くと、こう言っておる。また運輸大臣はかわりました。運輸大臣のきょうの談話によりましても、十分国鉄の事情を聞いた上で、強行しないと言っておるが、あなたの気持ちとしては一体どういうふうにお考えになりますか。最初六月中には必ずやるというような言質は、これは衆議院の運輸委員会では取り消しておられるようですが、そうでございますかどうか、こういった点を一つ具体的にお話し願いたい。
  83. 十河信二

    説明員十河信二君) 今運輸大臣もかわったばかりでありまして、私まだお目にかかってない。きょうは午後初めてお目にかかることになっております。よく御相談申し上げまして、運輸大臣とも、十分協議をとげた上に、自後を慎重に進めていきたいと考えております。
  84. 岩間正男

    岩間正男君 時間がないようですから私二、三点。今の質問に対する総裁の御答弁を聞いておりまして、納得のいかないことが出たのであります。  第一に、既定方針を変えないのだ、それから第二次の調査は、あくまで基本方針を貫くためにそういうことをされたということになるのですか。総裁は、国会で決議された当委員会の決議、衆参両院の決議があったので、その決議によってああいうような調査をされたということを言われておるのですが、しかし調査というものは、われわれの考えでは、調査の結果によっては当然これを強行しないということもこれはあり得るという前提なしには、調査というものは意味を持たぬと思いますね。最初から既定方針をどこまでも貫くんだ、どんな調査の結果が出たにしてもそれは自分でどこまでもやるんだ、こういうことだったら調査の必要は私はないと思うのです。単にこれは国会の決議ということをかさに着て、それで強行するところの理由を作るための調査になる。こんな調査は無意味です、全然。われわれは少なくとも国会の決議によって調査をすべきだという意図の中には、無理があっちゃいかぬ、どこまでもやはり正しい方法でこれはやってもらいたい、従って実情を把握するんだ、そういうことの前提にははっきりと、その事態によっては今までの方針を変えるということを前提としなければ、これは調査というものは意味ないし、決議の趣旨も全くそこにあったと思うのです。ところが今のお話を聞きますと、どうも既定方針は依然として変えないんだという、そういう立場に立って調査を強行された、ここに一切の私は無理があったんじゃないか、あの事態を起こした原因もここにあったんじゃないか、こういうふうに考えられるんですが、少なくともこの前、あの六月初めの調査に臨まれるときの総裁の腹の中ではどういうことを考えてあの現場におもむかれたか、そのときの心境をつまびらかにされたい。
  85. 十河信二

    説明員十河信二君) 調査をいたしました結果、新しい事態が起ってくる━━たとえば極端に申しますると、石炭があると思ってたのがなかった、あるいは八百万トンとか千二百万トンと思っておったのが、それが何千万トンもあるというふうな新しい事態が起ってくれば、もちろんそれによって方針を変えるということはあり得ることは申すまでもないのであります。ただ調査に行くことが、方針をすっかり御破算にして、そうして白紙に返して調査に行くのかというとそうではない。方針は国鉄も政府もすでに決定しておるのでありまして、その方針調査の結果によって新しい事態でも起って変えるまでは変えられていないということを申し上げたまでであります。その点はどうか誤解のないようにお願い申し上げたいと思います。
  86. 岩間正男

    岩間正男君 どうも私はやはり今の御答弁に矛盾があると思う。新しい事態が起れば変えるんだ、少なくともその前提に立ってこれはやる、しかし依然として一方では方針はあくまでその通り持っていくんだ、この二つの言葉はいかにも矛盾がないようですが、よく考えてみると私は矛盾があると思う。だから最初にこの調査に臨む態度というものが、少なくとももう少しその結果を尊重する、そして結果によって少なくとも今までの方針について変更を加え得るという、そういう前提なしには私は成り立たないのじゃないかと思う。ところがどうもその点が非常に私はあいまいだと思う、今の御答弁では。そして調査は行われなくてああいう事態を引き起こした。しかも先ほどの御答弁ではああいう事態が起るということは予想もされなかったと、こう今、心境を漏らされているわけですね。私は非常に、先ほどから親子論争がありましたがこの親子論争とも考えて、現実を総裁はやっぱりつかんでいられないのじゃないかと思う。労働者の主張として今一体何を志免の三千の現場の労働者たちは要求しているのか、この点を一応聞いておられるということだけで、ほんとうに真情を一体理解されて、その上に立っていられるのか。私は少なくとも、ああいう事実が起らないだろう、こういうことは予測もしなかったと言われている、そこに明らかに現実との食い違いがあったんじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点は、こういう事態を引き起こされた現在に立って見てどうですか。なぜ一体ああいう事態が起ったか、そこに総裁の問題の把握の仕方、それから少なくとも現場の労働者の要求についての理解の仕方が非常に不十分であった、ここからあのような事態が起ったというふうに判断せざるを得ないのでありますが、これはどういうふうに、今この事件を経過したあとにおいてあの当時のことを考えられてどうお思いになりますか。
  87. 十河信二

    説明員十河信二君) 私は労働組合が依然として反対しておるという認識は持っておりました。持っておりましたが、あの反対の仕方についての私の見通しがすこぶる甘かった、それは御指摘の通りです。私はどこか他の場所でも、甘かったと自分でもそういうことを反省しております。新聞にも自分の見通しが甘過ぎたということを反省いたしております。その点は仰せの通りであります。
  88. 岩間正男

    岩間正男君 では甘かったから警官を出した、こういうことになりますか。甘かったから、現実をよくつかんで真剣に労働者の要求に対して再考するというふうに変わらなければ、これは親子関係なんといったって話にならないのです。口先だけだ、あなたの場合は、甘かったから警官を出したのだ、梶棒だとかピストルだとか、あの要請をしたという結果になる。あそこで十分に、ほんとうに、少なくとも問題を相当白紙に戻す立場で、ほんとうにあそこで労働者と話し合うという立場をとられなかった。それをしようと思ったのかどうか知りませんが、結果においては警官を要請したということで、ああいう事態を起こした、これはどういうわけですか。甘かったという判断をどっちの方に持っていかれるのか、今私は二つあげましたが、どっちの方に持っていかれるのですか。
  89. 十河信二

    説明員十河信二君) 私は青山博士に無理にお願いして現地に行っていただくのでありますから、万全を期して十分に手配をしておくことが必要だ、こう考えましたから警察当局に対しても、そういうえらい事態が起ろうとは自分は思わぬが、しかしこういうふうないろいろな意見があるから、青山博士一行を御案内するについては警察当局としても十分の御配慮をいただきたい、ということをあらかじめお願いいたしておきました。その警察当局がどういう配置をするか、どれだけの手配をするかということはこれは私にはわかりません。私はただそういうことを警察当局にお願いしただけであります。あとのことは警察当局の判断によってなされたことで、私はその点については申し上げかねると思います。
  90. 岩間正男

    岩間正男君 少なくとも総裁が今度の問題についてはほんとうに科学的な調査をして、その調査の結果については十分に事態を処理する、正しい方向に処理する、こういう立場でいかれたら、私はああいう事態は起らなかったと思う。あなたの方針は、依然として自分の方針はまげないのだ、どんなことが起きたってまげないのだ、こういうことでいかれて、しかもそういう事態に対する抵抗も予測されたのでしょう。警官に頼まれたということはそういう結果で、そうしてそういう事態が起る場合に警官の出動をあらかじめ要請された。ところが今の警官というものは、これは総裁知っておられると思うのですが、砂川事件と全く同じやり方でやってきておるのですが、必要以上にやるのです。総裁はそれを知っておられたかどうか、その点は明らかでありませんけれども、なんですか、そうすると、ほんとうに親子関係なんといっておるけれども、都合の悪いときは警官を引っ張ってきてやる親子関係ですか。私はこんな親子関係は聞いたことはないのだけれども、私は総裁の温情主義は首尾一貫しないと思う。総裁の意図だったか、ほかの人の入れ知恵だったか私は知りませんが、それはどう考えますか。
  91. 十河信二

    説明員十河信二君) 私は以前にもどの機会かにお答えしたと思うのでありますが、私の子供にはそういう乱暴をするのがいないという信念に立っているのであります。ところが不幸にしてあの場所には私の子供ばかりじゃないです、他人のいろいろな分子がわっしょわっしょと押しかけてきているのであります。それゆえに、いかなる事態が起らぬとも限らないということを警察の方でお考えになり、判断をせられたことと私は考えております。
  92. 岩間正男

    岩間正男君 どうも、だから十河総裁は現実のやはり労働者が何を考え、何を要求しているか、こういうことをもう少しおつかみにならないと、残念ながらやはり認識不足という烙印を押さざるを得ないのですよ。自分の職場を取られるのでしょう。内村さんがさっき言ったように親子三代というような、そしてとにかく今まで志免を守ってきたのです。私どもまだ志免に行ってみませんけれども今までの何を聞いてみると、相当これは軍部から引き受けて、しかも経営状態はあまりよくなかった、それをとにかく現場の三千人の労働者が常々として最近は黒字に転換するまでこれはやってきたのです。しかも自分の山として、そしてこれは国鉄の食べものになる石炭を掘る、こういう立場からやっているのだ。それを今度は親の方で、どうもこの親は少し冷酷じゃないかと思う、子供にも十分相談しないで、だれかと話し合ってこっちの方に入札で売るということ、こういうことをきめちゃってこの結果をのめ、こう言われたって、今の労働者が果たしてそれで、はいと言ってなんぼ親子だってこれは言えるかどうか。それが果たしてほんとうに親のためにもなるかならないかわからない。しかも外部の圧力などということも、背景などということもずいぶん問題になっている、こういう中で私はそれに対して、またその現場の労働者の考え方が正しいというので、これに対していろいろ労働者の連帯の立場からも、あるいは民主的な勢力がここに行って応援するという事態も起ってきます。これは日本の労働者の、世界の労働者の姿です。そういう事実を見ないで、子供だけならいいけれども、ほかのものが入ったから今度警官まで頼まなくちゃならなかった、こういう言い方では、私は今の労働者階級の全体の戦い方ということについては、全然これは認識不足ということになる。残念ながら少なくとも、国鉄の何十万の労働者をあなた自身が、親子関係でほんとうに今度はずっとこの労使の関係をうまくもっていくということを考えていられるのですが、そういう立場に立つなら、私は今のような認識では非常にこれはやはり問題だ、ここに原因があったのじゃなかったですか。一体あのような問題を起こしたのは、最後になれば警察さんに頼む。そして警察さんが最近目に余って、あなたが五頼むと十くらい出てくる、おせっかいをやるのです。こういう最近の姿を知っていたなら……こういう事態が起るこの根源というものを総裁は今の現実をどうも把握していない、労働者の少なくとも要求、労働者がほんとうに胸の中で考えておるこういうものについて、はっきりつかんでいなかった、そこから起ったのではないかと思うのです。どうですか、この点について深く反省されない限り、この問題のほんとうの解決というものはあり得ない。こういうふうに私考えるのですが、どうですか、この点お聞きしたい。
  93. 十河信二

    説明員十河信二君) そこらの点になりますと、岩間委員と私とどうも食い違うと思うのです。私は事態の見通しが甘かったということは深く反省しておるのであります。けれども警官がどうとかこうとかいうことは私はそういうことは考えていないのです。警官はちゃんとそれぞれ法律によって訓練されているのでありますから、そういう間違いを来たすことはないということを、それは人間ですから実際はいろんなことがあるかもしれませんが、大体ないというつもりでわれわれは警察の保護に安心して生活を託しているのです。
  94. 相澤重明

    理事相澤重明君) ちょっと速記とめて。    〔速記中止〕
  95. 相澤重明

    理事相澤重明君) 速記つけて。
  96. 岩間正男

    岩間正男君 警官の問題、ここで論議するのはやめましょう。総裁のぶつかられた警官とわれわれのぶつかった警官とずいぶん違う。それからこれに対する現状の把握もまた違いますが、ここの論議はやめますが、私最後に時間がないから申し上げますが、とにかく見通しが甘かったと、こういうふうにはっきり反省されたのですが、この上に立ってどういうふうに進められるのですか、私先ほど言いましたように、だからもっと見通しが甘かったから、苛烈にここのところどうしてもやるのだ、こういうことなのか。調査の上に立って今までの方針というものは必ずしも固執しない、そうしてはっきり新しい事態に対してほんとうにこれは白紙に還元して、白紙に還元とまで言わなくても、その方針において大きな変更を加えて、そして労働者の要求、現場の要求を、これから調査の結果が示すそういうものに立ってはっきり方針をきめると、こうお考えになっているのか、最後にこの点新しい事態に対処する総裁の心境をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。いかがですか。
  97. 十河信二

    説明員十河信二君) その点につきましては、先刻も申し上げましたように、組合と十分協議をいたしまして、組合との間に話がついておるのであります。それでありますからそう御心配下さることはないと、今度は甘過ぎはしないと、私はそう思うのです。
  98. 相澤重明

    理事相澤重明君) ちょっと速記とめて。    〔速記中止〕
  99. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは速記をつけて。  他に別に御発言もなければ本日の委員会はこれをもって散会いたします。    午後一時七分散会