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1958-12-22 第31回国会 参議院 運輸委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年十二月二十二日(月曜日)    午前十時四十四分開会   —————————————   委員異動 本日委員成田一郎君、井上知治君、森 山豊壽君、榊原亨君、有馬英二君及び 柴谷要辞任につき、その補欠として 稲浦鹿藏君、前田佳都男君、小西英雄 君、石原幹市郎君、高野一夫君及び中 村正雄君を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大倉 精一君    理事            江藤  智君            三浦 義男君            相澤 重明君    委員            石原幹市郎君            稲浦 鹿藏君            小西 英雄君            平島 敏夫君            中村 正雄君            松浦 清一君            市川 房枝君            岩間 正男君   国務大臣    運 輸 大 臣 永野  護君   政府委員    運輸省海運局長 朝田 静夫君    運輸省鉄道監督    局長      山内 公猷君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○海上運送法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○運輸事情等に関する調査の件  (計画造船に関する件)  (私鉄運賃に関する件)  (揮発油税等の増徴に関する件)   —————————————
  2. 大倉精一

    委員長大倉精一君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  柴谷要辞任中村正雄補欠選任榊原亨辞任石原幹市郎君が補欠選任されました。   —————————————
  3. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 海上運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本法律案は、去る十二月十人目、永野運輸大臣から趣旨説明聴取済みであります。また同日、衆議院から送付されました。  本法律案に対して御質疑のある方は、順次御質疑を願います。ありませんか。    〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 御質疑もなければ、質疑は終局したものと認めます。  それでは討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——御意見もないようでございます。直ちに採決に入ります。  海上運送法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  5. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 御異議ないもりと認めます。よってさよう決定いたしました。   —————————————
  7. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 次に、計画造船に関する件について、その後の経過報告を願います。
  8. 永野護

    国務大臣永野護君) 十四次造船計画につきまして、かねて合理化審議会から、選考基準方針というものを示されておりますので、その線に基きまして、開発銀行十分意見の調整をはかりまして、全く両者の意見が一致いたしましたところを、一昨日の夜深更でありますか、決定いたした次第でございます。  個々の割当につきましての御説明は、また他日の機会に譲りたいと思いますが、大体の方針といたしましては、定期船に、いわゆるライナーに重点を置きまして、これを今までの総花主義をやめまして、重点主義といたしました。そうして激しい国際競争に対処し得るように割り振りをきめたのであります。その結果、中速船はやめまして、高速船ばかりといたしまして、それを日本海運界の中核的の存在である郵船、商船、三井、この三社に二隻ずつ割り当てまして、あとは山下と崎と新日本に一隻ずつ割り当てたのであります。不定期船につきましては、運輸省が年来とっておりまするオペレーター重点ということに中心を置きまして選定いたしたのであります。今度新しく出て参りました鉄鉱石専用船につきましては、従来の実績、そうしてその会社の実質、それから荷主である製鉄業者意向なんかも取り入れて決定したのであります。タンカーにつきましては、開発銀行から提出されました資料に基きまして合理化審議会意向を取り入れて決定しましたのであります。それからもう一つ中型不定期船につきましては、これまた、先ほど申しましたような合理化審議会答申案開発銀行意向によりまして決定いたしました。  その結果、定期船は六社九隻、大型の不定期船は一社一隻、鉱石船は五社にして五隻、それから不定期船中型は六社にして六隻、タンカーは四社にして四隻、合計二十二社で二十五隻であります。総トン数は二十五万七千二百三十トン、予定の二十五万トンよりは七千二百三十トンふえましたけれども、これは資金操作をいたしまして、その運営ができるように見込みを立てた次第でございます。  右御報告いたします。
  9. 松浦清一

    松浦清一君 今、計画造船の将来を見通しての計画上の可否についていろいろ議論があるところでしょうが、当面の問題として、二十五万トンの建造を達成せしめる、その金融のもとになる財政資金大蔵省との交渉の経過ですね、それだけ一つお答えを願いたいと思います。これが解決いたしませんと、せっかく二十五万トン計画されても、また去年みたいに問題になりますから、希望するところは、しっかりとこの財政資金融資措置についての折衝をやってもらいたい、こういう点、経過をちょっと御報告を願いたいと思います。
  10. 朝田静夫

    政府委員朝田静夫君) ただいま大臣から御報告がありました今度の十四次計画造船選考の指名をいたしますと、二十五万七千二百三十トンになったわけであります。財政資金は、御承知のように当初百八十億の開発銀行資金として計上されておったのでございますが、今回の十四次計画造船が非常に難航いたしましたのは、市中金融の円満な協調というのが、海運界事情あるいは金融事情等からいたしまして、非常に難航をいたしました原因であります。そこで追加融資といたしまして、大蔵省とも相談をいたしました結果、百八十億は百九十億に、その過程において追加融資をしていただくことになりました。今度の選考の結果、トン数はふえて七千トン余りふえておりますけれども、財政資金の面につきましては百九十億の範囲の中で達成ができる、こういうふうに考えております。と申しますことは、その中で約三億余り余裕がございます。市中銀行の方の資金計画通り範囲内でやって参れる見込みでございます。
  11. 松浦清一

    松浦清一君 来年はどうですか、今折衝最中というのですけれども、その経過は、わかる範囲内で……。
  12. 朝田静夫

    政府委員朝田静夫君) 今度は二十五万トンの計画を立てましてただいま予算折衝段階に入っておりますが、二百九億四千四百万円というのが来年度の財政資金の要求でございます。この二百九億は、一体どの程度までわれわれとしては予算が獲得できるかという見通しは、いまだ立っておりません。来年度の計画造船のあり方その他について議論が相当ありますし少くとも二十五万トン程度建造量は、今の海運事業の実情あるいは世界海運動向等とも考え合せまして、私どもはこの二百九億の獲得に全幅の努力を傾けたいと、こう考えておるようなわけでございます。
  13. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 本件に関するなお細部の質疑については、次回に譲りたいと思います。   ━━━━━━━━━━━━━
  14. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 次に、私鉄運賃に関する件について、その後の報告を求めます。
  15. 永野護

    国務大臣永野護君) 私鉄運賃値上げ問題につきましては、かねて申し上げました通り私鉄会社経理内容が、安全運転を確保するのに危惧を感ずる程度まで悪くなって参りました。なおその上に年々ふえます都市の人口をさばきますためには、今の全くのすし詰めを緩和して、いわゆるサービスを向上するという必要も非常に迫って参りましたので、ある程度値上げはやむを得ないと存じておりましたところ、運輸審議会でも各社ごとに精細なる検討をいたしました結果、各社別相当程度値上げはやむを得ぬという報告が出て参ったのであります。そこで運輸省といたしましては、そういう一般情勢に加うるに運輸審議会答申案を基礎といたしまして、近くある程度値上げを認めたいと存じております。最初年内にぜひとも値上げを実行いたしたいと存じておりましたが、年末年始のときに値上げをするのはどうであろうかという政治的配慮もありましたので、できれば年末と三カ日くらいは猶予いたしまして、四日または五日というようなときから値上げを実行したいと、こう考えておりますが、今もう少し、きょう一日あるいは午前中、あと一時間くらい多少検討の余地のある点が残っておりまするので、いましばらくの御猶予を願いたいと思います。
  16. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 本件について御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  17. 岩間正男

    岩間正男君 私は特にお伺いしたいんですが、私鉄運賃の問題につきましては、第三十国会の初頭に、これに対しまして昨年度の関連もあり、われわれとしては十分これを検討しなければならない。政府方針についても、どうもその後自民党内閣として必ずしも一貫した方針で貫かれていないんじゃないか、こういう点もありまして、さらに各会社経営内容、このものをやはり相当慎重に検討する必要がある。ことに公共事業という建前からしまして、この問題は非常にやはり政府方針と、並びに大衆に与える影響から考えて慎重にやる必要があるということで、実は経営内容資料を出していただいて、これに基いて十分に当委員会検討して、そうしてそういうような審議経過を反映してもらいたいということが検討されておった。ところがきょう資料をいただいたんでありますが、われわれ委員会としては、これを検討するのには相当なやはり時日が要るわけです。いきなりこれを見て━━この資料は一応政府側資料であり、また、われわれ自身も調査を進めておるところであります。で、このような委員会審議国会における形はこういうことになっておるんですが、一方的に━━国会が御承知のような空白状態を生じまして、その間におきまして政府側では、運輸大臣中心にして、私鉄運賃値上げをやるのだ、そうしてこれが政府内部あるいは自民党の中においてでも、この問題についていろいろなやはり考えの対立があったように聞いておるのです。  私がお伺いしたいのは、資料を出していただいて、そうしてこれを慎重にわれわれは検討するし、それから、先国会以来の継続の問題であるので、この問題をぜひやはり考慮してもらいたいということにこの委員会意向としてはなっておるのですが、こういうような意向について、これはお忘れになったのかどうか、この意向を反映して、あくまでも国会審議を尊重されるということに基いてこのたびの私鉄運賃の値上をきめられたのかどうか。この点において、私たちとしては、国会がああいう状態になって委員会も持てなかった。ようやくきょうになって、最後のどたんばでやるという形に追い込まれておるのですが、こういうことは非常に私ども考えまして、国会運営上おもしろくないのじゃないか、こういうふうに考えられる節もあるのですが、この問題の経緯ですね、果して国会意思、当委員会意思というものを尊重して、この意向を十分に反映されるという考え大臣におありになるのかどうか、この点お伺いしたい。
  18. 江藤智

    江藤智君 関連して。今、岩間委員からいろいろお話がありました私鉄運賃につきまして、詳細な会社経営内容にまで入って当委員会において検討して、その結果を得なければ、この大臣行政権限を発令することは困る、それが当委員会意見だというように私は拝聴したのでありますけれども、これはどうも行政と立法との関係がいささか混同されておるのではないかと思います。私らは大きく、大体、私鉄運賃を上げるのが適正であるのか、あるいは現在の社会情勢から見て不適当であるかというような政治的な考慮は、これは当委員会として当然やるべきであろうと思いますけれども、そう詳細な資料によって、行政府の行うようなところまで入るというつもりはないのです。でございますから、今、われわれがみんな含めて、岩間委員の言われたようなことが当委員会意思であるようにもし岩間委員がおっしゃるならば、われわれとしては、その点においては全面的に賛意を表しておるのではない、その点を一つはっきりさしていただきたいと思います。
  19. 岩間正男

    岩間正男君 今、関連質問がありましたが、詳細というのは、この詳細の内容については、いろいろ立場の違いもありまして、これは違うと思うのです。私は、まあ、だから経営のぎりぎりの微細なものまで、全部そういうことまで申しておるのではありません。大綱をとにかく資料を出していただいて、その上において検討して、そうしてさらに現状とにらみ合せて、そうして当委員会意思が反映されるというようなことは、とにかく当委員会できめられておったはずですよ。ところが、きょうのこの段階になって、二十二日という全く歳末を控えて、最後のおそらく委員会になるような段階になって、国会自然休会に入ろうという段階で、これは形式的な審議になるのじゃないか。だから事前に、これはPRの段階かどうか知りませんけれども、新聞などには、方針決定され、これについて閣内の議論もあった、それから自民党政調会の中でも何か意見があった、こういうようなことで先に出されてきたわけですね。当委員会関係では、この点はやはり私は尊重されたということには実はなっていないじゃないかと思う。だから当委員会に出されてこういうものを出されて、それからここでこれについての意向もやはり十分反映してほしかった、こう考えるので、大臣もこの点は御了承しておられると思うのですが、この点は一つ国会審議があのような思わしくない形で空白になったということは、われわれは認めます。認めるのだけれども、そういうような点について一方的に出されたという点について、必ずしも妥当ではなかったのじゃないか、こういう点を私は質問をしておるのであります。だから、江藤委員の詳細の内容ですが、われわれがぎりぎりの経営の中に入って、一銭一厘までというようなことは、これは行政権の侵害でありましょう、考えておるわけじゃありません。しかし、大綱は把握してそうして一方におきまして、これは何としても会社経営状態というやつは国民が非常に疑問に思っているのです。一方で一割ないし一割二分の配当をやっている。その中で、会社経営がどうも不合理だ、そういうことのために値上げをするということについてこれはやはり世論の見るところ、これに対して国民賛成しているかというと、必ずしも賛成していない。大部分は反対で、反対運動がやはり今院外でほうはいとして起っているのです。この問題をやはり背景として、国会としての任務を遂行する、これは当然だと私考えますので、この点に対して大臣のお考えはどういうところにあるのか、これをお伺いしたい。私たちとしては、この国会においてどうも国会軽視のきらいがあるのじゃないか、こう感じておったわけです。これはひがみかもしれませんけれども、やむを得ないといえばやむを得ないのだけれども、今度の国会空白が、逆に私鉄運賃値上げを有利にした一つの面があるのじゃないか、そういう点をお伺いしたい。
  20. 永野護

    国務大臣永野護君) 岩間委員のお説、ごもっともと思います。私ども決して国会審議権を軽視したわけではございません。ただ岩間委員も仰せになりました通り、ここしばらくの間、国会運営が正常を欠きましたために、資料提出の時期が非常におくれましたことは、相済まぬことだと思っております。ただ、御了承を願いたいのは、この国会でさらに審議を重ねることにいたしまして、値上げの時期がだんだんおくれて参りますると、先ほど申し上げましたような、多数の人命の安危をあずかっておりまする運輸行政の一環といたしまして、安全運転に関する確信が持てない程度にいわゆる修理の不十分というようなことが起りつつある。また年々歳々ふえます人口をさばきますためには、どうしてもこの程度の積極的の増設をしなければならぬ。その資金をどうして調達するかという問題が、全く差し迫った問題として起っておりまするので、今申しましたような資料提出がおくれましたことは、まことに遺憾に存じまするけれども、そこは御了承願いまして、年内決定はさせていただきたい。ただし実行はまあ来春早々ぐらいまで延期するのもやむを得ぬかと、かように考えておるのでありますから、まげて一つ御承認を願いたいと思います。
  21. 岩間正男

    岩間正男君 この資料をいただいたのでありますが、これの検討を少しいたす時間がほしいと思いますから、こういう意向を反映していただくということが方針になっておりますから、その点を御了承願いたい。やはり、急速になぜうなずけない決定年内に急がれるのか、わからないのでありますが、それと関連してお伺いしたい。  この前のお話では、運輸大臣は、今申されましたように、会社経営資金の面で非常に困難だ、現在の状況では経営が思わしくない面があるので、従って資金がよりつかない。それを解決するためにも、どうしても値上げが必要だと、こうおっしゃった。しかしその当時は、これは閣議においてこの問題が出されたけれども、しかし他の物価影響するところが非常に大きい。従ってこの点の考慮から考えるというと、全体の立場として私鉄運賃値上げはすべきじゃない、こういうふうに閣議で一応決定されたということをあのとき当委員会で申されたわけであります。で、私はお伺いしたいのですが、あれから、あのとき質問申し上げましてから二カ月たつかたたないか、この二カ月間にそのような物価変動━━他物価に対する影響が非常に大きい。従って低物価政策をとろうとしているところの政府方針から考えて望ましくない。ところが、その二カ月で少くとももう影響を与えないのだ、大丈夫だ、もう私鉄運賃値上げがあっても他の物価にはさし響きはないんだ、こういうことでなければ、これはそういう見きわめが、そのような条件変化というものがここに明確にされなければ、少くとも私は政府方針としては、これは一貫した態度にはならぬと、こう考えるんです。その一体根拠がどこにあるのか。一体二カ月の間にそれだけの経済変動があったのかどうか。他物価影響を与えないという根本理由をはっきり取り消すに足るような条件がその後経済界に起ったのかどうか。少くともそうでなければ、これは非常に私はおかしいと思うんです。そういう点から、この点は政府間におきましてもどういうふうに問題になったのでありますか、その点をお伺いいたします。
  22. 永野護

    国務大臣永野護君) はっきりと何カ月であるということは申し上げかねますけれども、日本経済全般がこの秋から冬にかけまして、非常に安定を取り戻したということは著しい現象であります。いわゆる神武以来の好景気神武以来の不景気に急転落いたしましたために、非常にドラスティックな方法をとったのでありますが、それがだんだんと日本の各産業界に浸透いたしまして、国際収支も見違えるばかりによくなりました。いわゆるなべ底景気も、そのなべのふちまではい上ったような状態になったと、われわれは一応見たのであります。その意味から申しますると、来年度の産業界動向は、全般的にすこぶる明るいと、私はそう見通したのであります。しかし今の運賃連鎖反応を起す危険のあることには十分な関心を払っておるのでありまして、そのために十三社一斉に値上げをするというようなことは避けまして、本来の理由からいえば、十三社どの社もある程度値上げをしなければならぬというような数字になっておるのでありますけれども、特に打ち捨てておけないという数社に限定いたしまして値上げを認めまして、そうしてその今心配になっておる連鎖反応程度も見きわめつつ次の段階に移りたい、こういうような扱い方をいたしましたのも、その理由はあげて今岩間委員のおっしゃるような点を勘案したからであります。私は、今の程度、今われわれが考えております、最も経理内容に無理があると思うところくらいは値上げを認めましても、そう悪影響は起さないという見通しのもとに立ちまして、ここで値上げを認める、こういう決意をした次第でございます。
  23. 岩間正男

    岩間正男君 だいぶ経済見通し、楽観的にお話しになったんですが、少しこれは楽観し過ぎる。なべ底からはい上ったと、けっこうだと思うんですけれども、なるほど、国際収支は、輸出が少しこれは伸びた。しかし個々伸び方が問題だと私たちは見ておるんです。ここで議論しても長くなりますからやめますけれども、御承知のように、物価をだいぶ割って、そしてダンピング的な形で何とかそれを埋めるということで、むろん、これは最初の三十一億五千万ドルの線は回復できないが、こういう形で、これはそういう点からの一つの犠牲が伴って、出血的な形で輸出は何とかされているというような形だと思うのです。それでまあなるほど大資本の面ではそういう一つの希望を今つないでいることは、これはわれわれも了承している。しかし、私鉄運賃値上げによって一番影響を受けるのはそういう層じゃない、大衆の層なんです。この前も、冗談の話でありますけれども、大臣は車にお乗りになっていて私鉄に乗ったことはない。われわれらいなものですから……。ところが、大衆はそうはいかないのであります。大衆立場からしますと今どうかと、御承知のように賃金はほとんどストップです。全く賃上げということは行われない。ほとんど政府方針として低物価だからというので、御承知のように賃金は全くくぎづけです。こういうところに私鉄運賃が上ってくる、そうするとこの影響するところが電気料にもラジオの聴取料にも、その他いろいろな面に響いていく、そういう傾向が非常に出て参るから、この点が問題になってくるのですが、大衆生活条件を見れば、一体そういうことになっていないと思うのです。そういう事情考慮されたならば、全体の景気見通しは少しなべ底からはい上りつつあるようだと、そういう努力を今やっていると、そういうところだけを根拠にされて、しかも著しいくらい好調だというお話ですけれども、著しいというのは少し違うと思うのですね。そういう条件で、個々のそういうことを理由にしているが、この二カ月間に経済見通しのそれだけの変化、そしてそれだけの基礎的なはっきりした数字変化というものは、私はないと思うのです。そうすると、どうも今お話の点は、物価値上げを、私鉄運賃値上げ理由づけるために、そういう点をおっしゃっておられるように聞えるのですが、少くとも大衆生活の面、こういうものとにらみ合して、一体私鉄運賃値上げは正しい、そうしてもう大丈夫これを可能にしているから、そしてそれに伴うところの他物価への影響が大丈夫吸収できるのだ、そういう措置も十分考えられてこの点をお考えになっていらっしゃるかどうか。少くとも運輸大臣は同時に国務大臣でありますから、国民生活のそういう全面的な洞察の上に立って、この私鉄運賃値上げをやっていただかないと、非常に私は困るのじゃないかと思う。私鉄経営の面だけを見、しかもその経営の面は、まだまだ問題があるということで、私たちも、いただいた資料並びにわれわれの調査をもとにして、これはもう時間がありませんので、十分にこれを議論するわけにいきませんが、まあやりたいと思うのですが、そういうのに立って、しかもここで年内に急速にこういうことを決定するという必要はあるのかどうか、この点を私たちは非常に疑問に思わざるを得ないのです。どうでしょうか。  特にお聞きしたいのは、大衆生活に対してどういうふうな見解をおとりになるのか。今の景気見通しは先の問題として、それはなかなか遠いことで、大衆の面まで返ってくるかどうかわからない。それなら来春に賃金値上げのはっきり政府計画をしているかどうかというと、そういうことは絶対ない。やはり依然として低賃金政策でくぎづけするということには変りはないはずです。そういうことをしておいて、しかも値上げ影響はないだろう、こうおつしゃられても、これはどうもつじつまが合わぬ、こういうふうに思うのですが、いかがでしょう。
  24. 永野護

    国務大臣永野護君) 日本の国全体の景気見通しにつきましては、岩間委員と私との間に多少見解の相違があるように見受けます。しかし、これは数字が歴然と示しておりますので、数字を御検討願えば御了解願えるかと思うのであります。  次に、大衆生活の問題をどう考えるかという御質問であります。この点も私は十二分に考えてこの値上げの問題は考えたのであります。今のままで参りますと、安全運転に確信が持てないということは、それは会社のためではなくて、大衆の利益を考えておるのであります。かりに今のままに放任しておきまして、あるいは列車事故でも起って、多数の人命に対して危害でも起りますと、その全責任は運輸大臣にあるのであります。従いまして絶えず、事故が起ってからでなくて、事故の起る前に、事故の起らない程度の保守を命ずる責任と義務があると思うのであります。その意味におきまして、私はこの値上げの基本的の根拠を求めておるのでありまして、決して会社の困っておる点を重点的に考えてこの決意をしたものではないのであります。お前は大衆の利益を考えないじゃないかとおっしゃるのでありますが、大衆の利益を考えればこそ、一刻も早くこの値上げをやって、少しも心配のない程度の保守をやらさなきゃならぬ、こう考えておるのであります。他面、その上に皆様御承知のように、デパートその他、消費資金の動きを見ますると非常に活発であります。デパートの売り上げ、あるいはいろいろ映画館その他の娯楽設備の繁盛は非常なものであります。そういうことだけで私は万事を決してきめるわけではありません。私は、そのねらいます重点安全運転国民大衆に迷惑をかけないようにする。飛行機でも落ちますと、あの保守が悪かった、監督が悪かったというので非常におしかりを受けておるのであります。そうしてその飛行機が落ちてから、今度、飛行機の安全運転に関する費用を出しますと、皆さんほとんど御異議なしに認めていただけるのであります。都市の交通機関にいろいろな不都合が起ってからこういう処置をとりますと、岩間さんのような御質問はないのであります。けれども、私どもは、いわゆる雨の降らない間に雨具の手当をするというような意味においてこの値上げ考えておるのであります。
  25. 岩間正男

    岩間正男君 時間が、本会議になったので、私は問題だけこれなにしておきますけれども、今のはどうも、これは大臣いつも展開される議論ですが、この前この問題については私たちは見解を申し上げたのです。安全運転のため、大衆の利益のためだと……。しかし大衆のふところだって困っておるので、こういう方式については、われわれは了承することはできない。しかも、今の方式を見ますと、そういう大衆のサービスをやるとか、運転のためだとかいって、この前、四年ばかり前値上げをしたのですが、その結果がうまくいったかというと、うまくいかないのです。値上げ一つの、安全運転のためだということは、全くえさだけで、看板だけ掲げていて、実際は値上げでそういうことはできなかった。そういう実績もあるので、この方式は私はまずいのじゃないか。それから資本主義経営立場に立って、大体ちゃんとそういう設備をやって、設備に伴うところの運賃値上げをやるというなら、また話はまだわかる。しかし、自分で今から設備をやるのだ、そういう条件を、大衆運賃から先に取って、そうしてそれでもってやらなきゃならないという方式なんです。これは資本主義経営の中で合理的だということは考えることはできない、少くともですね。こういうような点で、今、安全運転のため、大衆の利益になるのだというような議論を展開されたのでありますが、結局、安全運転のために、だからそれじゃ大衆のために値上げをしてやるのだということになるのでありまして、このところはその言葉自身が非常に矛盾です。これは大衆のためを考えるのでしたら、安全運転のための設備を、これは公益事業の立場から、これに対する適当な国家の方策を出す、そうしてしかも、それは大衆の犠牲によってこれをするということでない方向を選ばれることが当然の私は方式じゃないかと思う。そういう点から考えまして、私どもこの点はなかなか了承できない。それから会社経営が果して——これは資料をいただきましたが、こういうことは私どもは十分検討して、しかも一方、とにかく相当高額な配当をやっているわけですね。東武、京成、阪神、京阪、名鉄、西鉄なんというのがほとんど対象になっている。私鉄六社の配当の状況、これは私どももちょっと調べたのですが、政府としてはお持ちになっているかどうか、こういう資料も発表していただきたい。大衆はこの点から見ますから……。そうしてとにかく、この点が明確でなければ、やはり今の私鉄運賃値上げについては絶対に了承することは私はできない。大衆はこういう立場をとっている。私どもはこれを代表して、この点を明確にすることが委員会の責任だと思いますから、ぜひこの点やっていただきたいと思うのです。なお、この問題については、本会議が終ってから再開された中で、委員長質問を継続していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  26. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 速記とめて。    〔速記中止〕
  27. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 速記つけて。
  28. 市川房枝

    ○市川房枝君 私鉄運賃値上げの問題でありますが、これは先ほどお話しがありましたように、これは運輸大臣の権限でありまして、国会はこれに対する何ら権限を持っておらないことはよく承知しております。しかし、問題は非常に国民関係の深い問題でありますので、この問題については岩間さんと同じように、もう少し委員会で早く時間をとっていただきたかったと思うわけであります。もう値上げがほとんど決定されているような段階でいろいろ申し上げても、何にもならないのでありますけれども、まあ私どもは、消費者の側からこの問題については相当な陳情を受けております。やはり値上げは困るというので。  簡単に伺いたいのでありますが、今大臣は、安全のためには値上げをして施設をしなければならぬ、こういう御意見、私ごもっともだと思います。消費者側も、値上げをして、施設をよくしなければ危いのだと言われますと、特に交通機関のものは、これは国鉄のときもそうでありましたけれども、ちょっとそれに対しては値上げは困るといえなくなるといいますか、やはり安全は一番保証してもらわなければ困るということになりますが、従って、この立場は私はごもっともですけれども、一方、ほんとうは何といいますか、一種の脅迫と言っちゃ悪いのですけれども、こういうふうに受け取れるのですね。もしそうならば、消費者側から見ればほんとうに、それじゃ安全が、こういう点が危いのだ、こういうふうに直したのだということを、はっきり具体的な事実をもってしていただく、値上げのときだけそう言って、あと一体それがどうなったのかですね。それでまた相変らず故障、事故が出ているということは納得ができないというか、過去においてはやはりそこがはっきりしないものですから、何となく納得がいかない、こういう点が一つあると思います。ですから、もし値上げ━━これはもう決定的に行われるだろうと思うのですが、私は、そのあとの問題として、その点はっきりしていただきたいということと、それからもう一つは、私鉄会社の事業内容、私なんかことにしろうとでございますから、よくわかりません。いろいろきっとあるのだろうと思いますのですが、納得のいかないのは、私鉄私鉄を基本としていわゆる関連産業をやっておいでになる。デパートだの遊園地だの映画館だの、そうしてそれはなかなか繁盛して相当の利益だといっているし、この間聞いた私鉄は、何ですか、ベース・ボールですか、何かの球団を持っていて、そしてその選手にボーナスだけで、やれ三千万円よこせ、いや二千五百万円にまけろとかいうことがあったらしいのですけれども、一体そういうことをやっている私鉄が、経営がうまくいかないからといったって、ちょっと大衆に納得できないのですよ。ですから、勝手に私鉄がいろいろな関連産業をして、それでそっちの方に力を注いで、肝心の私鉄の方とか、交通機関の経営というか、運営の方には何だかあまり力を入れないのじゃないか。消費者は、乗る人たちは結局しようがなしに乗るので、私鉄がサービスが悪いということは、これは国鉄に比較して、国鉄のサービスが非常によいとは思いませんけれども、国鉄よりも私鉄のサービスが悪いのだということはみんな承知している。そして運賃も全体としてどっちかというと、私鉄の方が高いのだということになっておりますが、そういう私鉄自身の経営の問題ですね、そういうのは一体運輸当局としては、何も自由勝手にさせているといいますか、そういうのは一体どうなんですか。私の方は少し疑問を持つのですが。
  29. 永野護

    国務大臣永野護君) 実は、こういう一般大衆の方々にわかりやすい事例をもって御説明申し上げなければならぬと思うのでありますが、私どもがこつこつと研究いたしました結果を、こういうふうに法案にまとめて出しますときに、言葉が非常に下世話になりますけれども、百日の説法へ一つのようになるのは、これは数字は何も見ないで一般大衆は論議するのですけれども、一番言いたいのは、今市川先生がおっしゃった、私鉄は苦しい苦しいと言っていて、何千万円もの給料を野球選手に支払って養っているじゃないか、これはこまかい数字に入るこんな説明書を出しても、この一言で粉砕されてしまうのであります。大衆に与える影響、この説明は実に苦しいのでありまして、先生から一言、ああいうボーナスを払っているのに苦しいとは何事だと、一言をおっしゃられると、その説明は、膨大な資料を提供して、それの説明をしなければならぬようなところに追い込まれるのでありますが、この点われわれ決して考えないわけではありません。ある意味から申しますると、そういうことをいろいろやっておったお陰で、とにもかくにも今までの料金でやっていけたのだ。一口に申しますると、大福帳、資金繰り方法から申しますると、私鉄はやっていけるのであります。つまり入ってくる運賃で労務者の給料その他のものを払うことができるのであります。大福帳内の現金出納帳からいったらできるのであります。従いまして、それはきょうあすを争うものではない。やっていけるのであります。けれども、それを正確ないわゆる簿記的観点から見ますると、ごく端的に申しますると、保守費を食っているのであります。なすべき保守を怠って、給料その他のものを払っておるのであります。従いまして、その結果が現われるときは、どっとくるわけであります。そのときそのときのつなぎはとれていくのであります。それで、今申しましたような遊園地でありますとかその他は、この運賃だけでいったら赤字になるのを、そしてもっと早く値上げの問題が起るのを、とにかく今日までつないできたのは、関連産業をすることによりまして、とにかく今日まで運賃値上げの問題を引っ張ってき得た一つ理由だと申しても過言ではないのであります。  これは数字につきまして詳しく御説明申し上げますと、一般大衆が、今市川先生がおっしゃるような疑問を持っておりますことは、私ども家庭で娘や家内がそういう質問をするのであります。一体おかしいじゃないか。私鉄が苦しいといって、ああいう膨大なる映画館を作ったり、遊園地を作ったりする。そんな金があるのならというのが、ちょうど個人の計算でいいますと、ああいう何かぜいたくなことをやるのはみんな余った金でやるものですから、あれだけの設備をするくらいならば金が余っておるのであろうというふうに一般大衆考えます。無理がないと思いますけれども、あれは決して余ったんじゃなくて、それに見合う借金がふえているのであります。会社の財産は一つもふえているのではないのであります。会社の財産がふえているのではないのでありますけれども、収入はふえるのであります。それによって、もっと早く値上げの問題はやらなければならぬのを、ここまで引っ張ってき得たあれが材料になっておるのであります。それがどういうふうな数字上の経過をとっておるかということを申しますことは、これは岩間委員が要求されましたように、それを数字で御説明申し上げますと納得がいく、われわれはそれを検討して、これは値上げしなければならぬといったのでありますから、そういうことに関心を持たないでやっておったわけではございません。  ただ、理論といたしましては、一体こういう大衆の最も切実な生活と結びつく仕事を、資本主義経営の営利会社でやるのがいいかどうかという問題は、今の問題を離れて、私は議論の余地があると思います。ことに相当高率の配当をしているではないかという御非難は、これはごもっともだと思います。でありますから、議論としては、今、岩間委員の言われるようなことも十分考えなければならぬと思います。しかし、今いわゆる資本主義経済でこの私鉄経営しておりますこれを認める以上は、どうも今われわれが提案しておりますような運賃値上げは認めなければならぬというところまでまっしぐらにその終点に達するのであります。けれども、別のレールのあることは私ども認めておるのであります。そうして、どちらがいいかということは、ゆっくり検討すべき問題だ、検討する値打ちのある問題だとは思いますけれども、今日、今の機構で運営している以上は、われわれの処置をお認めいただく以外に方法はない、こう考えておるのであります。   ━━━━━━━━━━━━━
  30. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 先ほどの委員異動に追加して、おくれましたが報告を申し上げます。  井上知治君、森田豊壽君、有馬英二君及び成田一郎君が辞任し、その補欠として前田佳都男君、小西英雄君、高野一夫君及び稲浦鹿藏君が選任をされました。   ━━━━━━━━━━━━━
  31. 市川房枝

    ○市川房枝君 今の大臣の御説明、私はある程度わかります。数字でなくても、そういうこともあり得ると思うのですが、一般の大衆立場でむしろ私は申し上げているわけです。いわゆる私企業といいますか、というものは、やはり金をもうけるということが主なんでありまして、もうけるいろんなやり方について、大衆は何といいましょうか、すなおに信用はなかなかしていないということですね。だから、いろいろ苦労してやっていて下さるでしょうけれども、そのいわゆる消費者のためを思ってやっていては下さるまいということが基本にある。それから、今私ちょっと例にあげました野球の方の選手の問題なんか、私そういうことは非常に素朴なことなんですが、やはり政治というものはそういうものであって、やはり一般の国民の感情といいますか、気持をやはり取り上げてほしい。ただ数字で、理屈でこうなんだといっても、なかなか一般にはわからないので、それはわからず屋だというふうでなくて、だからやはり、私鉄の方のああいう問題なんかも、大衆の気持を私は考えてやってくれることが必要だと実は思うわけです。  それからもう一つ最初に私お伺いしました今後の値上げ後における安全の問題ですね、私鉄の。それに対する監督といいますか、そのことで……。
  32. 永野護

    国務大臣永野護君) 申し落しまして相済みません。その点は十二分に気をつけまして、せっかくの値上げが他の方面に流用されない、すなわち、安全運転とサービスの向上にしぼって、そのなにを使わせますように、これは監督官庁といたしまして十二分に気をつけて参るつもりでおります。  それから、今の国民感情が大切じゃないかという点も、それもごもっともでありますから、私鉄がそろばんからいいますと、ああいう施設をする方がいい結果が起きて、運賃の養いになっておるのだという説明があるのでありますけれども、しかし、そこまで数字を見て検討する人は少いものでありますから、そういう人の立場考えて、まああまり派手なことは慎しんだらいいだろうというような注意は与えますけれども、これは法制上から申しますと、実は私どもに権限がないのでございます。営業の具体的の施策と見なければならぬと思いまするので、私鉄は野球団なんか持っちゃいけないのだということを命令する今のところ権限ございません。しかしながら、そういうことを抜きにいたしまして、大衆相手の仕事は考えぬといかぬぞという注意は与えるつもりでございます。
  33. 相澤重明

    ○相澤重明君 議事進行について。本会議も開かれておりますから、私ども社会党としても、私鉄運賃値上げについては反対なんですよ。それで、まず第一に政府の低物価政策というものが放棄されたのかどうか。それから、第二点は、各委員から指摘をされておるように、大衆生活一体どうなっているのか。これは私どもは数字的にあげるならば、やはり生活は圧迫をされておる。この事実は否定することのできない資料を持っておるわけです。そういう上に、私鉄運賃値上げをどうしてもしなければならぬという経理上の、われわれに納得させるような説明ができるかというと、なかなか私は今のような資料だけではできない。こういう点について、やはりまだこの問題について時間をかけなければならぬ私は問題であろうと思う。しかし、まあ先ほど申し上げたように、本会議も開かれておりますから、ここで一応、なお、あとこういう問題については討議をすることにして、そうして先ほど委員長、理事の打合会で一応御承認いただいたガソリン税等の値上げ反対の決議事項をこの際一つ先にやっていただいて、そうして休憩をして、午後再開をするというふうに、もし委員長の方でできるならお取り計らいいただきたい。委員長の方で、どうしても午前中にやってしまうというなら別でありますが、時間が非常に短かくなって、今度中途半端なことでは審議できないと思うのです。そういう点で議事進行を一つ委員長に提案をいたします。
  34. 大倉精一

    委員長大倉精一君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  35. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 速記を始めて。  ただいまの相澤君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 異議ないものと認めて、次に移ります。   ━━━━━━━━━━━━━
  37. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 次に、道路運送事業に関する件を議題に供します。  本日は道路運送事業に関するガソリン税等について、自動車局長より説明を求めます。
  38. 相澤重明

    ○相澤重明君 すでに各委員の手元に決議文の案文ができておりますので、この際、自動車局長説明を求めるのは当然でありますが、一応省略をして、直ちに決議の内容に入っていただいたらどうかという動議を提出いたします。
  39. 大倉精一

    委員長大倉精一君) ただいまの相澤君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 大倉精一

    委員長大倉精一君) 異議ないものと認めて、決議の内容に入ります。
  41. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは私から一つ動議の提案を申し上げたいと思うのですが、今、政府でいろいろ討議されておるようでありますが、私ども運輸委員会としては、交通運輸の確保の点と、大衆生活を圧迫しない、こういう考え方に立って次のように案文を一つ作りましたので、皆さんの御審議をいただきたいと思うのです。  現在わが国の道路の現状よりみて道路の急速な整備の要は認めるが、その財源を揮発油税等石油燃料を対象とする税収入に大幅に依存することは発展途上にある自動車運送事業を圧迫するのみならず、延いては自動車運送事業の運賃に転嫁されて国民大衆の負担を増す懸念もあるので、道路整備計画の財源を揮発油税等の大幅増徴に依存しないよう要望する。  右決議する。  以上であります。
  42. 大倉精一

    委員長大倉精一君) ただいまの相澤君の提案に対して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 大倉精一

    委員長大倉精一君) では、さよう決定いたします。なお、本決議の関係方面への伝達方法等は、委員長に御一任を願います。  先ほどの動議に従いまして、暫時休憩いたします。    午前十一時四十六分休憩    〔休憩後協会に至らなかった〕    —————・—————