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1959-02-25 第31回国会 衆議院 予算委員会第二分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科員昭和三十四年二月二十四日(火曜日) 委員長指名で次の通り選任された。       小川 半次君    小澤佐重喜君       楢橋  渡君    野田 卯一君       古井 喜實君    保利  茂君       水田三喜男君    山口六郎次君       今澄  勇君    岡  良一君       田中織之進君    成田 知巳君 同日  山口六郎次君が委員長指名主査に選任され  た。 同月二十五日  主査山口六郎次君同日主査辞任につき、その補  欠として綱島正興君が委員長指名主査に選  任された。     ————————————— 昭和三十四年二月二十五日(水曜日)     午後二時九分開議  出席分科員    主査 綱島 正興君       小川 半次君    小澤佐重喜君       加藤 高藏君    楢橋  渡君       水田三喜男君    田中織之進君    兼務       小松  幹君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 坂田 道太君         労 働 大 臣 倉石 忠雄君  出席政府委員         文部政務次官  高見 三郎君     ————————————— 二月二十五日  分科員山口六郎次君は委員長指名で第三分科  に所属を変更された。 同日  第三分科員綱島正興君は委員長指名で第二分  科に所属を変更された。 同日  分科員古井喜實辞任につき、その補欠として  加藤高藏君が委員長指名分科員に選任され  た。 同日  第四分科員小松幹君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十四年度一般会計予算文部省厚生省  及び労働省所管  昭和三十四年度特別会計予算厚生省及び労働  省所管      ————◇—————
  2. 綱島正興

    綱島主査 これより予算委員会第二分科会を開催いたします。  私が本分科会主査の職務を行うことになりましたので、よろしくお願い申し上げます。  本分科会は、昭和三十四年度一般会計予算中、文部省厚生省及び労働省所管、同特別会計予算厚生省及び労働省所管について審査を行うことになっておりますが、理事会の申し合せによりまして、審査の期間は本日より二十八日までとなっております。従いまして本日はまず本分科会所管全部についてそれぞれ政府説明を聴取し、明二十六日は厚生省所管、二十七日は労働省所管、二十八日は文部省所管について質疑を行うことにいたしておりますので、さよう御了承をお願い申し上げます。  それでは昭和三十四年度一般会計予算中、文部省厚生省及び労働省所管、同特別会計予算中、厚生省及び労働省所管を議題といたし、審査に入ります。順次政府より説明を求めることといたします。  まず厚生省所管について説明を求めます。坂田厚生大臣
  3. 坂田道太

    坂田国務大臣 昭和三十四年度の厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について、御説明申し上げます。  昭和三十四年度厚生省所管一般会計予算における総額は、一千三百五億四千二百五万五千円でありまして、これを昭和三十三年度予算一千七十二億五千七百五十四万五千円に比較いたしますと、二百三十二億八千五百五十一万円の増加と相なり、前年度予算に対し、二一・七%の上昇を示しております。また、国家予算総額に対する厚生省予算の比率を見てみましても、前年度八・一七%であったのが、九・二%と相なっております。  昭和三十四年度の予算編成に当りましては、社会保障確立強化に特に意を用い、医療保障については、新国民健康保険法の実施を通じて、既定の計画通り昭和三十五年度末に完了することを目途として、国民保険の推進に一段の努力をいたしますとともに、今回、国民の要望にこたえ、新たに国民年金制度を実施することとし、昭和三十四年度中にこれが第一歩を踏み出すこととしたのであります。これによって、わが国社会保障制度体系的整備は画期的な進展を見ることとなるわけでありますが、これと並行して、結核対策の強化、生活環境改善、低所得者層福祉向上児童福祉充実等厚生行政の中核となる諸施策を強力に推進することといたしております。  次に、特に重要な事項について、その既要を御説明申し上げます。  まず、第一は、国民年金制度の創設に必要な経費であります。所得保障本格的形式としての国民年金制度を創設する方針のもとに、昭和三十四年度においては、まず、経過措置として、無拠出年金を取り上げ、老齢、障害、母子と三つの援護年金の給付を、十一月分から実施することとし、その四カ月分の所要経費百億七千八百万円余を計上いたしております。援護年金具体的内容を申し述べますと、老齢年金につきましては、七十才以上の老人に一人月額一千円を支給することとし、その受給対象人員を百九十八万六千人と予定して、これが必要経費七十一億五千五百万余円を計上いたしております。障害年金につきましては、一人月額一千五百円とし、その受給対象人員を十八万二千人と予定して、これが必要経費十億九千二百万円余を計上いたしております。母子年金につきましては一世帯月額一千円を基本とし、その受給対象を四十万七千世帯と予定し、これが必要経費十八億二千九百万円余を計上いたしております。また、援護年金の適正な運営を期するため、事務機構としては、年金局を新たに設け、中央、地方を通じ千八百人の職員を置くこととし、これに必要な経費九億七千四百万円余を計上いたしております。  第二は、国民保険の推進と、その基礎的条件整備に必要な経費であります。医療保険四カ年計画の第三年目として、新たに被保険者六百十万人の増加をはかることとし、三十四年度末の被保険者数を、四千二百五十二万人と見込み、年間平均三千九百万人として所要経費を算定いたしております。  すなわち、対象人員増加医療費の伸びを勘案して、療養給付費補助金及び財政調整交付金として百七十三億六千二百万円を計上いたしておりまして、これを前年度に比較いたしますと、五十四億二千六百万円の増額となっております。また、事務費補助については、一人当り単価を前年度の九十円から九十五円に引き上げることとして三十七億五百万円を計上いたしております。  次に、国民保険基礎的条件整備でありますが、まず、公的医療機関整備につきましては、前年度に引き続き、僻遠の地で経済的に民間診療所の開設を期待できない地区に対して、公的病院出張診療所を開設せしめるとともに、公的病院整備を行うこととし、これらに対する補助九千四百万円余を計上しております。また、国立病院整備改善のため、十一億七千六百万円余を国立病院特別会計繰り入れるとともに、国立療養所整備改善についても所要の配慮をいたしております。  第三は、結核対策に必要な経費であります。結核対策につきましては、健康診断予防接種の徹底と化学療法の普及により、おおむね所期の成果を上げておりますが、従来結核患者の管理と、いわゆる濃厚感染源患者隔離対策については、なお十分でないうらみがありました。今回、結核対策としては、特にこの面に重点を置き、新たに保健所単位に二百個所の特別地区を設け、一定率以上に入院措置を行なった場合には、そのこえた部分に対する患者の入院治療費公費負担につき、国庫補助率を二分の一から三分の二に引き上げ、地方費負担の軽減をはかることによって、濃厚感染源患者入院措置を重点的に実施するとともに、特別地区における結核患者管理の徹底をはかることといたしております。この濃厚感染源対策に要する経費は三億五千九百万円余でありまして、前年度の九千七百万円余に比し二億六千百万円余と大幅に増額いたしております。  なお、この特別地区保健所活動を強化するため、二百保健所については医師の給与単価を引き上げることといたしております。  右のほか、国立結核療養所経費を加えまして、結核対策費は百六十四億八千四百万円余と相なり、前年度に比し六億六千万円余の増額となっております。  第四は、生活環境改善向上に必要な経費であります。明るい生活環境を実現するため、特に環境衛生施設整備をさらに強力に推進することとし、簡易水道については十一億円を計上し、また、都市における屎尿処理抜本的解決策として、下水道終末処理施設整備するため五億四千五百万円、屎尿の衛生的処理を行うための屎尿消化槽等整備に四億五千万円をそれぞれ計上し、いずれも前年度に比し相当大幅に増額いたしております。  第五は生活保護及び社会福祉の増進に必要な経費であります。まず生活保護費でありますが、生活扶助対象人員については景気変動等の影響及び人口増加に伴う自然増を勘案いたしまして、最近の実績人員に対し四%程度の増加を見込み、月平均百四十八万人余と予定し、また最近著しい増加を示しております医療扶助入院人員につきましては、三十二年度実績人員の一〇%増を見込んで所要経費を算定するとともに、消費物価の変動を勘案いたしまして、生活扶助の基準を引き上げることとして五億一千七百万円余を計上いたしております。  また社会福祉施設整備並びに運営等につきましては、特に養老施設に重点を置いて一そうの推進をはかるとともに、施設職員の期末、勤勉手当等を増額し、この結果生活保護費として四百十六億三千八百万円余を計上いたしておりまして、前年度に比し、三十四億一千五百万円余の増額となっております。なお精神薄弱者保護更生援護をはかるため、新たに収容施設の設置に助成の途を講じ、二千五百万円余を計上いたしております。  さらに低所得者層対策として、前年度通り世帯更生資金貸付補助金として三億円、医療費貸付補助金として二億円をそれぞれ計上いたしております。  第六は、児童保護に必要な経費であります。まず児童福祉施設に収容している児童の生活を保障する児童措置費につきましては、特に保育所における保育料負担軽減をはかるため一部徴収基準を緩和し、保育料四百五十円の階層を所得に応じ四百五十円と三百五十円の二階層に分けることといたしまして、この徴収緩和に伴う所要経費一億九千九百万円余を増額計上いたしました。  なお、保育所の保母その他児童福祉施設職員待遇改善をはかるため、期末、勤勉手当を倍額に増額するとともに、石炭手当を新たに計上いたしました。  このほか児童福祉対策としては、前年度に引き続き、母子健康センター児童遊園保育所等整備をはかることとし、また結核療養所に入所して医療を受けながら学校教育をおさめている骨関節結核児童につき、新たに公費負担制度を実施することとし、所要経費一千四百万円余を計上いたしました。この結果、児童保護費として八十二億二百万円余を計上し、前年度に比し五億六千六百万円余の増額となっております。なお新たに国立女子教護院を設置して、非行性の高い児童を収容することとし、初年度の所要経費として、四千八百万円余を計上いたしております。  第七は医療制度の調査に必要な経費であります。国民保険の進展に伴う医療事情の推移にかんがみ、医療に関する制度及びこれに関連する基本的事項を調査審議するため、新たに医療制度調査会を設けることとし、所要経費二百六十万円余を計上いたしております。  このほか国立公園国定公園施設整備のため一億五千九百万円余を計上し、また地方改善事業費としては前年度の約倍額の四千九百万円余を計上して同和対策の推進をはかることといたしております。  以上、昭和三十四年度厚生省所管一般会計予算についてその概要を御説明申し上げたのであります。  次に、昭和三十四年度厚生省所管特別会計予算の大要について御説明申し上げます。  まず第一は、厚生保険特別会計についてであります。厚生保険特別会計につきましては、一般会計より健康保険給付費財源繰り入れ十億円、日雇健康保険給付費財源繰り入れ十七億五千二百万円余を見込みまして健康勘定におきましては歳入歳出とも八百二十億六千五百三十二万七千円、日雇健康勘定におきましては歳入歳出とも六十一億五千五万三千円、年金勘定におきましては歳入八百十五億三千七十七万五千円、歳出百五十九億六千百十八万七千円、業務勘定におきましては歳入歳出とも五十三二百五十二万一千円をそれぞれ計上いたしております。  これは、日雇健康勘定についてはての医療費上昇傾向に伴う財政の現状に照らし、給付費に対する国庫負担を十分の三として計上し、年金勘定については標準報酬最高額保険料率を引き上げることとし、健康勘定については、保険料率の引き下げを見込むこと等を内容とするものであります。  第二は船員保険特別会計についてであります。船員保険特別会計につきましては、疾病部門その他について、三億四千四百二十万円余の一般会計よりの繰り入れを行い、これに要する経費といたしまして、歳入七十三億六千二百九十一万四千円、歳出五十五億一千一百七十七万三千円を計上いたしております。これは年金部門保険料率を引き上げ、疾病部門及び失業部門保険料率を引き下げること等を内容とするものであります。  第三は、国立病院特別会計についてであります。先に述べましたように、国立病院施設改善のため、所要財源一般会計より繰り入れするのほか、六億六千八百八十一万五千円の国庫債務負担行為を計上し、国立病院特別会計といたしましては歳入歳出とも九十五億六千五百三十九万六千円を計上いたしております。  最後に、あへん特別会計についてでありますが、本年度のアヘン買い入れ予定量は、輸入六十一トン、国内産三トンでありまして、一方製薬原料としての売り渡しは五十五トンを予定いたしておりまして、あへん特別会計といたしましては歳入歳出とも三億八千四百五十五万七千円を計上いたしております。  以上、昭和三十四年度の厚生省所管一般会計及び各特別会計予算案につきまして、その概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ本予算案の成立につきましては、格別の御協力をお願いいたす次第であります。     —————————————
  4. 綱島正興

    綱島主査 次に労働省所管について説明を求めます。倉石労働大臣
  5. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 今回提案されました昭和三十四年度一般会計及び特別会計予算中、労働省所管分につきましてその概要を御説明申し上げます。  先づ第一に、一般会計におきましては、歳入において総額十億四千七百三十万二千円でありまして、前年度の七億八千八百二十一万四千円に比較いたしますと、二億五千九百八万八千円の増加となっております。この歳入のおもなものは、国家公務員等退職手当暫定措置法に基き、退職した政府職員並びに政府関係機関職員に対し、失業中の退職手当を支給するために必要な財源を、特別会計等から一般会計繰り入れまたは納付するための負担金であります。  一方歳出におきましては、総額三百九十一億五千四十六万二千円でありまして、前年度の三百八十八億五千五百二十万五千円に比較いたしますと、二億九千五百二十五万七千円の増加となっております。  次に、この歳出内容について概略御説明を申し上げたいと存じます。  その一は失業対策に必要な経費であります。本年度わが国の経済は、調整過程を脱して逐次上昇が予想されており、失業情勢も先行き次第に改善される見通しでありますが、なお過渡的な情勢の推移に対処して、失業対策事業について一日平均二十五万八千人の規模を確保するとともに、事業内容においても所要改善措置を講ずる等、失業対策整備充実をはかるため、これに必要な経費として一般失業対策事業費百八十四億二千三百万円、特別失業対策事業費三十七億円、失業保険費負担金八十八億三千二百万円、政府職員等失業者退職手当七億二千四百万円、合計三百十六億七千九百万円を計上いたしております。  なお、このほか建設省所管臨時就労対策事業費七十七億円を計上いたしておるのであります。  その二は、中小企業退職金共済制度実施に必要な経費であります。  中小企業労働者福祉条件が、大企業のそれに比べて著しく低位にあり、かつ、このために、雇用が不安定であることにかんがみまして、中小企業にも退職金制度確立して、労働者福祉の増進と中小企業の安定に寄与するため、中小企業退職金共済制度を創設することといたし、これの実施に必要な経費として、五千七十九万二千円を計上いたしております。  なお、中小企業退職金共済法案は、本国会に提出いたしております。  その三は、職業訓練に必要な経費であります。  産業に必要な技能労働力を培養し、雇用問題の解決と産業基盤の育成に資するため、さきに職業訓練法を制定し、総合的な職業訓練制度確立をはかりその充実を期した次第でありますが、さらに本年度におきましては、この制度の重要な柱として国家技能検定実施し、労働者技能修得意欲を増進し、わが国産業界における技能水準向上をはかるとともに技能労働者社会的地位向上に資することといたし、これの実施に必要な経費として、五億七千四百四十九万八千円を計上いたしております。  このほか、失業保険特別会計において、十四億三千二百七十五万六千円を計上いたしておりますので、これを加えますと、総合的職業訓練制度運営に要する経費総額は二十億七百二十五万四千円となります。  その四は、労使関係安定促進に必要な経費であります。  労使相互が、国民経済のにない手としての責任を自覚し、さらに、信頼と納得による円滑なる労使関係確立をはかることが経済発展の基盤であることにかんがみまして、常時的確に労働運動並びに労使関係の動向を把握するとともに、中小企業における労使関係近代化促進並びに労働教育充実をはかる等の施策を講ずることといたし、これに必要な経費として、八千七百八十四万八千円を計上し、また労使関係の合理的、かつ、円滑なる調整をはかるため、中央労働委員会並びに公共企業体労働委員会に必要な経費として、一億三千八百七十三万円を計上いたしております。  その五は、労働保護行政に必要な経費であります。  労働者保護福祉の万全を期するため、労働基準法及びけい肺及び外傷性せき髄障害に関する特別保護法並びに臨時措置法の適正かつ円滑なる運営をはかるとともに、特に本年度におきましては、現下の産業災害の現況にかんがみまして、五年後における産業災害を半減させることを目途に、災害防止対策を強力に推進することといたし、さらに最低賃金制度につきましては、労働者労働条件改善に資するのみならず、ひいては企業公正競争の確保、国際信用維持向上等国民経済の健全な発展を促進する上にも必要でありますので、わが国経済並びに中小企業の実態に即した最低賃金制度実施することといたし、その他産業安全研究所労働衛生研究所整備充実等労働保護行政に要する経費として、二十億三千七百十六万円を計上いたしております。  なお、最低賃金法案は、本国会に提出いたしております。  その六は、婦人及び年少労働者保護に必要な経費であります。  婦人及び年少労働者保護の問題の重要性にかんがみ各種の調査啓蒙活動を進めるとともに、特に中小企業密集地に働く青少年労働者保護福祉をはかるため青少年ホームを増設し、また未亡人等婦人職業対策推進するため、内職相談施設家事サービス職業補導施設充実をはかるのほか、婦人の地位と生活向上並びに売春問題対策等に関する施策を講ずることといたし、これに必要な経費として、一億一千七百十三万九千円を計上いたしております。  その七は、職業安定行政に必要な経費であります。  現下の雇用情勢にかんがみまして、総合的な雇用失業対策を円滑かつ強力実施する必要がありますので、これが推進第一線機関である公共職業安定所職業紹介機能を強化して、これが効率的運営を期するとともに、駐留軍離職者並びに身体障害者等雇用促進に関する施策を講ずるため、これに必要な経費として、三十七億五百八十四万二千円を計上いたしております。  その八は、労働統計調査に必要な経費であります。  労働関係における賃金給与問題の重要性にかんがみ、合理的賃金体系確立に資するため、賃金構造調査実施するとともに、毎月勤労統計調査整備するのほか、前年に引き続き、労働生産性統計調査及びその他労働事情に関する各種統計調査実施し、あわせて、これら諸統計から得られた結果を総合的に分析し、労働行政施策に必要な基礎資料整備し、もって労働問題の合理的解決に資するため、これに必要な経費として、二億四千四百六十四万八千円を計上いたしております。  その九は、国際協力に必要な経費であります。  国際労働憲章に規定されている義務を履行し、積極的にこれに協力するために必要な分担金及びILO関係の諸会議への出席旅費等経費として、七千五百四十四万六千円を計上いたしております。  その十は、その他一般行政に必要な経費であります。  大臣官房等における行政事務費として、四億三千九百三十六万九千円を計上いたしております。  その十一は、庁舎新営に必要な経費についてであります。  労働行政施策推進第一線機関である、公共職業安定所並び労働基準監督署庁舎は、老朽、狭隘のもの多く、業務遂行上多大の支障を来たしている現状にかんがみ、抜本的にこれが整備をはかることといたしましたほか、前年に引続き労働本省庁舎の新営を促進するため、これに必要な経費として、建設省所管官庁営繕費三億四千三百四十九万一千円、失業保険特別会計一億二千七百六十五万六千円、労災保険特別会計五千五十三万六千円、合計五億二千百六十八万三千円を計上いたしております。  第二に、労働者災害保険特別会計につきまして申し上げます。  この会計歳入歳出はいづれも三百六十一億六千四百七十五万一千円でありまして、前年度の三百十六億四千四百六十九万六千円に比較いたしますと、四十五億二千五万五千円の増加となっております。  歳入の主なるものは、保険料収入の二百九十九億三千百七十三万六千円と、支払備金受入れの四十四億九千五百三十六万七千円であります。  また歳出のおもなるものは、労働者災害補償保険給付費の二百六十六億二千九百二十万八千円でありますが、このほか、業務上の災害疾病をこうむった労働者療養を目的とする労災病院等施設を設置、運営せしむるため、労働福祉事業団に対して行う出資並びに交付に必要な経費として、十四億八千七十九万二千円を、またけい肺及び外傷性せき髄障害に関する特別保護法並びに臨時措置法に基き、けい肺患者及び外傷性せき髄障害患者に対する療養、休業の給付等のため、六億五千七百二十九万二千円を計上いたしております。  第三に、失業保険特別会計につきまして申し上げます。  この会計歳入歳出はいずれも四百八十八億三千六百四十五万三千円でありまして、前年度の四百九十五億九千二百六十一万四千円に比較いたしますと、七億五千六百十六万一千円の減少となっております。  歳入のおもなるものは、保険料収入の三百五十一億九千二百万円と、一般会計より受け入れの八十八億三千二百万円であります。  また歳出のおもなるものは、失業保険給付費の三百五十一億六千百万円でありますが、このほか、本会計積立金より生ずる利子収入の二分の一額を充当することにより、労働者福祉増進をはかることといたし、総合職業訓練所中央職業訓練所簡易宿泊施設労働福祉館、並びに被保険者住宅等を設置運営せしめるため、労働福祉事業団に対して行う出資並びに交付に必要な経費として、十四億一千八百四万七千円と、その他の保険施設費並びに公共職業安定所庁舎新営費として二億六千百九十五万三千円合計十六億八千万円を計上いたしておるのであります。  なお、この予算は、保険料率においては、従来の千分の十六を、昭和三十四年六月より千分の十四に、又国庫負担率においては、従来の三分の一を四分の一に引き下げて算定されておりますが、これが関係法案については近く本国会に提出いたす予定であります。  以上、昭和三十四年度労働省所管一般会計及び特別会計予算につきまして、概略御説明申し上げたのでありますが、何とぞ本予算の成立につきましては、格段のお力湊えをお願い申し上げる次第であります。     —————————————
  6. 綱島正興

    綱島主査 次に、文部省所管について説明を求めます。高見文部政務次官
  7. 高見三郎

    ○高見政府委員 昭和三十四年度文部省所管予算の大要につきまして御説明申し上げます。  昭和三十四年度文部省所管予算額は、千七百九億千二百三十六万三千円でありまして、これを前年度予算額千五百四十一億五千三百二十七万五千円に比較いたしますと、百六十七億五千九百八万八千円を増加いたしております。  この文部省予算額を一般会計予算額に比較いたしますと、その比率は一二%となっております。  次に昭和三十四年度予算のうち重要な事項について申し述べたいと存じます。  第一は、義務教育費国庫負担制度実施に必要な経費であります。  義務教育の機会均等と、その水準の維持向上をはかるため、公立義務教育諸学校の教職員給与費の実支出額及び教材費の二分の一を国で負担するため必要な経費でありまして、給与費としては、本年度小、中学校児童生徒の減少に伴う教員三千七百七十人の減少が見込まれますが、他方公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律の実施、すなわち、すし詰め学級の解消と教員定数の整備の五カ年計画による教員増を七千八百三十八人と見、差引四千六十八人の増員に必要な経費と、さらに初任給基準の引き上げ、昇給原資、期末手当の引き上げ等を含めて、所要経費九百七十三億五千七百万円を、また教材費としては、父兄負担の軽減をはかるため、児童生徒一人当りの単価を約二割程度引き上げ是正して所要経費十七億二千九百万円を計上したのであります。  なお公立養護学校整備特別措置法に基き、公立養護学校の教職員給与費及び教材費の二分の一を国庫において負担するに必要な経費七千四百万円を計上したのであります。  第二は、文教施設整備に必要な経費であります。  国立文教施設につきましては、学術及び科学技術教育の振興に即応する施設重点的に企画するとともに、戦災を受けた施設の復旧、老朽校舎の改築、新たに学生会館等の施設整備するため、その所要経費三十五億二千九百四十八万千円を計上したのであります。  公立文教施設につきましては、これが整備に必要な経費七十七億二千九百五万二千円を計上したのであります。  特に本年度においては、政府重点施策として、公立文教施設整備五カ年計画を立てまして、前述の教職員定数の面とあわせ施設の面から、いわゆるすし詰め教室の解消その他公立文教施設整備をいたす所存でありまして、初年度分として四十七万七千坪分を見込んでおります。同時に鉄筋鉄骨造の比率を前年の三〇%から五〇%に引き上げるなど、文教施設の量と質の両面につきその充実を期した次第であります。  以上の方針により一般校舎の不足すなわちすし詰め教室の解消、屋内運動場の整備、学校統合の促進、危険校舎の改築等を計画的に実施することとしたのであります。  なお、このほか昭和三十三年度に発生した災害復旧費及び鉱害復旧事業費として一億二千七十五万四千円を計上したのであります。  第三は、科学技術教育の振興に必要な経費であります。初等中等教育については、理科教育及び産業教育の振興に留意し、それぞれの振興法に基く補助金を五億円及び八億円に増額計上し、特に産業教育については前年度に引き続き、高等学校に電気、機械それぞれ十五課程、工業化学五課程及び産業科十五校を新設して産業界の中堅技術者養成の要望にこたえて、約五千人の生徒増募を予定し、また中学校の産業教育設備の充実をも期しております。  国立大学においては、理工系の十八学科増設、工学部第二部の新設、短期大学の新増設等により、約千人の学生増募を行なって科学技術者の養成に備え、また前年度に引き続き、五大学、三研究所において原子力に関する講座または部門の増設を行い、物性研究所、蛋白質研究所等の拡充をはかるなど、科学技術の進歩に即応した学術の振興に特段の措置を講ずることといたし、また在外研究員の派遣に必要な経費増額して一億六千万円を計上したのであります。  さらに科学研究の重要性にかんがみ、研究の促進をはかり、その振興に資するため科学研究費交付金等に必要な経費十五億四千六百四万四千円、また私立大学についても、同じ趣旨に基き理科特別助成費として三億九千百四万五千円、研究基礎設備補助として二億四千百九万円をそれぞれ増額計上したのであります。  なおこのほか民間学術研究団体補助九千百八十一万五千円、さらに前年度に引き続き第四次南極地域観測事業費二億千二百万円を計上したのであります。  第四は、国立学校運営に必要な経費であります。国立大学七十三、国立高等学校八、大学付置研究所五十八、大学附属病院二十三を維持運営するために必要な経費でありまして、本年度におきましては、さきに申し述べましたように、科学技術振興の線に沿いまして、北海道大学外十六大学に十八の理工学系の学科を新設し、広島大学、鹿児島大学にそれぞれ医学研究科を、京都大学工学研究科に航空学専攻を、東北大学、東京大学、東京工業大学、京都大学、大阪大学に原子力研究に関する講座または部門を増設し、名古屋工業大学及び九州工業大学にそれぞれ工学部第二部を、岐阜大学外二大学に短期大学部を新設、山形短期大学部外五学部に学科を、さらに講座研究費並びに教官研究費及び学生経費についてかなりの増額を行なって基準経費充実をはかる等の措置を講ずるため必要な経費を含めまして四百四十六億七千四百三十七万八千円を計上したのでありますが、このうち国立学校の項に三百二十三億二千七十六万三千円を、大学附属病院の項に八十五億二千七十四万円を、大学付置研究所の項に三十八億三千二百八十七万五千円をそれぞれ計上したのであります。  第五は育英事業の拡充に必要な経費であります。優秀な学生、生徒で、経済的理由により修学困難なものに学資を貸与する事業を行なっている日本育英会に対し、奨学資金の貸付と、その事務費の補助に必要な経費四十五億六千七百三十四万八千円を計上したのであります。本年度は特別奨学生制度を拡充強化し、前年度に引き続きまして、さらに千人を増加し、六千人の新規採用者を予定いたしたのであります。  第六は教育の機会均等の確保に必要な経費であります。義務教育の円滑な実施をはかるためには、経済的理由により就学困難な状態にあるものに対して、特別の措置を講ずる必要がありますが、これがためいわゆる準要保護児童生徒に対し、教科書費については一億九千三百四十二万一千円、給食費については二億三千五百二十一万五千円、医療費については七千九百六十万円、さらに本年度より新たに修学旅行費についても、同様の趣旨によりまして八千七百六十四万七千円の補助をそれぞれ計上したのであります。  次に盲、ろう学校及び養護学校の小、中学部の児童生徒に対し、従来、教科書費、交通費、学校給食費等に対する補助が行われており、又高等部生徒に対しては、教科書費、給食費について補助がなされていましたが、本年度より新たに交通費を補助する等のため必要な経費を加えて、一億四千八百六十九万四千円、さらに特殊学級設備として新たに特殊学校用スクールバス購入費を合せまして千八百五十二万円、また僻地教育の充実をはかるため従来の施策を続けるとともに、僻地勤務教員宿舎建築費補助については、建設戸数の増加をはかるほか、本年度新たに補助率を二分の一に引き上げ、さらに、バス、ボート購入費、僻地学校保健管理補助金を含め六千三百七十九万一千円を計上いたしました。  なお、勤労青少年教育の振興は社会教育の推進と相待って行わなければなりませんが、特に定時制高等学校設備費及び通信教育運営費の補助として一億百九十二万八千円、夜間高等学校の給食施設及び設備費の補助として千二百二十二万二千円をそれぞれ計上したのであります。  第七は社会教育の振興に必要な経費であります。従来に引き続き青年学級の改善充実をはかるため、七千七百八十二万六千円、公民館等設備の整備に二千五百万円、本年度より新たに、団体宿泊訓練を通じて健全な青年の育成をはかるため、静岡県御殿場市に国立中央青年の家を設置するため一億一千九百万円、さらに前年度に引き続き地方青年の家施設整備に六千万円、また新たに地域青年活動を推進するため二千万円をそれぞれ計上するほか、青少年教育、婦人教育、音楽演劇の普及、教育映画録音教材等社会教育として特別に助成を必要とする事項を一括、社会教育特別助成費として、これに五千七百六十一万八千円をそれぞれ計上したのであります。  第八は体育の振興に必要な経費であります。体育スポーツの振興をはかるため、前年度に引き続き地方スポーツを充実するため、千三百七十一万七千円、第八回冬季オリンピック大会の参加を初め国際スポーツの交歓に寄与するため八百九十五万四千円、スポーツ団体の助成として日本体育協会等に対する補助金千三万一千円、本年度新たにプールを付設した体育館を全国五カ所にスポーツセンターとして新設するため三千万円、また前年度発足した国立競技場の施設設備を充実するとともに、維持管理運営に必要な経費として三千二百五十七万九千円をそれぞれ計上したのであります。  なお青少年スポーツ、レクリエーション活動を助成するため、野外活動、スポーツ青少年団指導者養成等につきまして、特別に助成するため、体育振興特別助成費として、六千八百三万二千円を計上したのであります。  第九は学校給食の助成に必要な経費であります。学校における給食を通じまして、児童生徒の心身の健全な発達に資し、かつ食生活改善に寄与するため、さきに申し述べました夜間定時制高等学校給食施設及び設備費補助金、準要保護児童生徒に対する給食費補助金のほか、公立小中学校給食施設及び設備費補助金として一億八千四百九十三万七千円、学校給食会に対して、その取扱い数量が増加すること等を勘案し、その運営費に必要な経費として千九百八十七万九千円を、さらに学校給食用パンの原料代の一部を国庫において負担することに伴う所要額を食糧管理特別会計繰り入れるため必要な経費十五億七千万円を計上したのであります。  第十は国際文化の交流及び文化財保護事業に必要な経費であります。東南アジア及び欧米等から来日する留学生並びに沖縄の内地派遣研究教員及び学生に手当を給与するのと、本年度新たに東南アジア、中近東よりの学生招致旅費、さらに沖縄教育に対する協力援助を推進するため指導主事等を派遣する等に必要な経費を含めて八千百三十四万六千円を、外国人留学生の受け入れ等の事業を行なっている日本国際教育協会に対し、その事業費の補助に必要な経費千百七十七万円を、また第三十三回国際学士院連合会総会その他の国際会議に出席するための外国旅費七百二十三万七千円を、国際文化事業団体補助として、特に前年度に引き続き日仏会館の改築費の補助を含めて二千三百二十五万円をそれぞれ計上したのであります。  次に文化財保護事業は逐年その成果をあげてきておりますが、本年度も前年度に引き続き国宝、重要文化財のうち特に防災施設整備重点を置きまして、保存事業充実をはかるため必要な経費四億六千六百三十八万円を計上し、また国立劇場の敷地も決定されまして、その設立準備のため必要な経費二千万円を前年度に引き続き計上し、その事業の促進を期することとなったのであります。  このほか昨年改訂を見た教育課程の全面実施のため教員の現職教育を徹底いたし、さらに校長等につき、研修の機会を拡大する目的で海外派遣の道を開き、また市町村教育長の給与につき一部国庫補助を行なって市町村教育委員会の育成をはかり、さらに学校管理下における児童、生徒の負傷その他の災害に関して必要な給付を行わせるため、日本学校安全会を設ける等のため新たに予算の計上をはかった次第であります。  以上文部省所管に属する昭和三十四年度予算の大要につきまして御説明申し上げた次第であります。  何とぞ十分御審議の上御賛同賜わらんことを切望いたします。
  8. 綱島正興

    綱島主査 以上で政府説明は終りました。
  9. 田中織之進

    ○田中(織)分科員 ちょうど文部政務次官がおられますので、審議のため必要な資料を一つ出していただきたいと思います。それは義務教育関係の関係で、いわゆる準要保護児童生徒に対する教科書、給食費、医療費等が本年度予算に計上されておりますので、その対象人員を、できれば府県別の数を出していただきたい。それから義務教育費関係の不就学児童数、それから長期欠席児童数等について、府県別の数字が持ち合せであればそれを出していただきたい。以上を資料として出していただくよう要求をいたしておきます。
  10. 高見三郎

    ○高見政府委員 だいぶむずかしいように思いますが、できるだけ準備いたします。
  11. 綱島正興

    綱島主査 本日はこれにて政府説明を終りました。明日は午前十時より開会いたし、厚生省所管について質疑を行います。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時三分散会