運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1959-02-25 第31回国会 衆議院 予算委員会第三分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科員昭和三十四年二月二十四日(火曜日) 委員長指名で次の通り選任された。       井出一太郎君    大平 正芳君       小坂善太郎君    重政 誠之君       綱島 正興君    床次 徳二君       八木 一郎君    山崎  巖君       淡谷 悠藏君    石村 英雄君       黒田 寿男君    佐々木良作君       西村 榮一君 同日大平正芳君が委員長指名主査に選任され た。     ————————————— 昭和三十四年二月二十五日(水曜日)     午後一時四十二分開議  出席分科員    主査 大平 正芳君       床次 徳二君    山口六郎次君       山崎  巖君    淡谷 悠藏君       石村 英雄君    黒田 寿雄君       佐々木良作君  出席国務大臣         農 林 大 臣 三浦 一雄君         通商産業大臣  高碕達之助君         国 務 大 臣 世耕 弘一君     ————————————— 二月二十五日  分科員綱島正興君は委員長指名で第三分科に  所属を変更された。 同日  第二分科員山口六郎次君は委員長指名で本分  科に所属を変更された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十四年度一般会計予算経済企画庁、農  林省及び通商産業省所管昭和三十四年度特別会  計予算農林省及び通商産業省所管      ————◇—————
  2. 大平正芳

    大平主査 これより予算委員会第三分科会を開催いたします。  私が主査を勤めることになりましたので、よろしくお願いいたします。  本分科会は、昭和三十四年度一般会計予算中、経済企画庁農林省及び通商産業省所管昭和三十四年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管について審査を行うことになっておりますが、予算委員会理事会の申し合せにより、審査の期間は本日より二十八日までとなっております。よって本日は、本分科会所管全部についてそれぞれ政府説明を聴取し、明二十六日及び二十七日は、農林省所管及び通商産業省所管について、二十八日は経済企画庁所管について質疑を行うことにいたしておりますので、御了承をいただきます。  なお、議事進行の都合上、質疑をなされる方は、あらかじめ出席政府委員等要求の上御通告下さいますようお願いいたします。  では、昭和三十四年度一般会計予算中、経済企画庁農林省及び通商産業省所管昭和三十四年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管一括議題として審査を行います。順次政府から説明を求めることにいたします。  まず、経済企画庁所管について御説明を求めます。世耕国務大臣
  3. 世耕弘一

    世耕国務大臣 ただいま議題となっております昭和三十四年度経済企画庁予算案について御説明申し上げます。  歳出予算要求総額は三十七億五千八百九十一万九千円でありまして、これを前年度予算額二十九億九千八百四十万八千円に比較いたしますと七億六千五十一万一千円の増額となっております。この増額となったおもな理由は、離島事業費が五億九千九百四十一万三千円と、国土総合開発事業調整費において一億円増額となったためであります。  次に経費の内訳を申し上げます。  第一に、経済企画庁の項では、要求額は三億五千八十六万四千円でありまして、前年度二億九千二百五十三万二千円に比較いたしますと五千八百三十三万二千円の増額となっております。  この要求経費内容を御説明申し上げますと、人件費二億一千四百四十五万一千円と事務費一億三千六百四十一万三千円であります。  この事務費は、一般庁務の運営経費並びに次に申し上げる内容のものであります。  一、わが国経済に関する長期計画及び年次計画の策定、国際経済協力推進基本的経済政策企画立案並びに経済審議会その他各審議会運営等に要する経費が八百五十万一千円であります。  二、わが国内外の経済の動きを的確に把握し、また経済白書等報告書及び統計指標を作成する等経済動向調査分析に必要な経費が三千六百三十二万五千円であります。  三、わが国経済構造経済の循環その他経済の基本的な事項調査研究するために要する事務費が三千五百三十七万六千円であります。  四、河川、湖沼、港湾沿岸海域等公共の用に供する水域水質の保全をはかり、あわせて水質の汚濁に関する紛争の解決に資するため、水質審議会設置し、公共用水域調査に関する基本計画の決定及び公表並びに水質規準調査設定及び紛争処理事務を行うため、新たに二十名の定員を増加し、これに必要な事務費一千八百十九万九千円を要求しております。  第二に、国土開発調査費の項では、要求額は二千二百十一万六千円でありまして、前年度一千九百七十七万八千円に比較いたしますと二百三十三万八千円の増額となっております。  この経費は、国土総合開発法電源開発促進法特殊土壊地帯災害防除及び振興臨時措置法離島振興法東北開発促進法台風襲地帯における災害防除に関する特別措置法等の各法律に基きまして、それぞれ災害防除生産力の発展を促進する諸施策を樹立するために要する経費と、国土総合開発審議会電源開発調整審議会特殊土ょう地帯対策審議会離島振興対策審議会東北開発審議会九州地方開発審議会台風襲地帯対策審議会運営に要する経費であります。  なお九州地方総合開発促進するための調査費として、四百七十五万円を要求しております。第三に、土地調査費の項では、要求額は一億七千七百二十七万円でありまして、前年度一億七千六百八十四万二千円に比較いたしますと四十二万八千円の増額となっております。  その内容を申し上げますと、基準点測量におきましては四等三角点新設点数を九百五十点と予定しこれに要する経費として二千七百十七万九千円、国土調査法の規定によって、地方公共団体土地改良区等が地籍調査を行いますときの補助金として一億四千七十万円、土地分類調査水調査については六百八十万円となっております。  第四に、国土総合開発事業調整費の項では六億五千万円を要求しております。  国土総合開発法にもとづく開発事業は、各省各庁によってそれぞれ所管を異にして実施されるため、開発事業相互の進度に不均衡を来たし、総合的な効果が発揮せられない場合があります。このような場合に、経済企画庁がこれを調整いたしまして、総合開発効果を上げようとするものであります。特定地域及び調査地域並びに東北地方九州地方及び首都圏地域における開発事業を対象といたすものであります。第五に離島振興事業費の項と揮発油財源による離島振興道路事業費の項を合せて要求額は二十五億五千八百六十六万九千円でありまして、前年度十九億五千九百二十五万六千円に比較いたしますと五億九千九百四十一万三千円の増額となっております。この経費は、離島振興法に基きまして離島において国が行いますところの治山治水道路整備港湾漁港食糧増産等公共事業に必要な経費と、地方公共団体等が行いますところの公共事業農山漁村電気導入事業簡易水道事業に必要な事業費補助するための経費であります。この経費は、経済企画庁に一括計上したもので、その使用に際しましては、実施に当る各省所管に移しかえるものであります。  以上で経済企画庁予算説明を終りますが、なお、御質問に応じて詳細御説明を申し上げたいと存じます。何とぞよろしく御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願いいたします。     —————————————
  4. 大平正芳

    大平主査 続いて通商産業省所管について御説明を求めます。高碕通商産業大臣
  5. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 昭和三十四年度通商産業省所管予算説明をいたします。  ただいま議題となっております通商産業省予算各案について御説明を申し上げます。  まず三十四年度通商産業省所管一般会計予定経費要求額は百二十九億七千七百三十四万七千円でありまして、これを三十三年度予算額百八億三千七百三十七万九千円に比較いたしますと二十一億三千九百九十六万八千円増額することになるのであります。  三十四年度予算のうち政策事項につきましては、これを第一に貿易振興及び経済協力費、第二に中小企業対策費、第三に鉱工業技術振興費、第四に産業基盤強化費の四項目に分類いたしまして御説明申し上げます。  第一に、貿易振興及び経済協力費といたしましては、世界的な輸出競争激化情勢に対処して海外市場維持拡大をはかるため、前年度に引き続き各般の貿易振興事業充実強化するとともに、新たにプラント類輸出促進雑貨輸出振興のための施策を講ずることといたしまして、前年度対比三億二千百九十四万九千円増の二十億二千五百三十二万六千円を計上いたしております。  まず、貿易振興国家的中核団体として前年度設立されました特殊法人日本貿易振興会事業運営に必要な経費として、前年度対比一億九千七百九十三万七千円増の十億八千三百三万七千円を計上いたしまして、従来に引き続き海外市場調査国際見本市参加貿易あっせん所運営日本商品の海外宣伝等総合的に輸出振興事業推進する所存であります。  なお軽機械輸出振興につきまして、今国会法律案を提出し、御審議いただいておりますが、これが対外宣伝は、本振興会が行うことといたしておりますので、新たにこれがために二千万円を計上いたしております。  第二に、プラント輸出振興につきましては、従来から日本プラント協会補助金を交付してプラント類輸出に関する技術相談業務を実施せしめて参りましたが、今国会プラント類輸出促進臨時措置法案を提出いたしまして、本年度よりプラント輸出に伴いますコンサルティングの瑕疵に起因するリスク保証につき、国家補償制度を創設いたしまして積極的にプラント輸出振興をはかる所存であります。国が三十四年度補償契約を締結できる限度は予算総則第十一条により六十億円と定めまして、この補償契約により国が支払う補償金は、三十四年度中にはいまだその支払いを行うに至らない見込みでありますので、一応補償金百万円と事務委託費百万円を計上いたしております。また、プラント協会に対する補助金につきましては、前年度より事業規模拡充することといたしまして一億五千九百九十四万九千円を計上いたしております。  第三には、なお貿易振興関係といたしましては、生糸及び絹織物の海外宣伝費補助四千三百六十九万円、中共国際見本市開催費等補助六千二百九十一万一千円等海外市場開拓費として一億四千九百六十六万九千円、日本輸出雑貨センター仮称設置運営費補助五千二百八十九万円、輸出品検査改善強化費七千百三十二万八千円等輸出品品質意匠向上費として二億二千百三十四万三千円を計上いたしております。  右のうち輸出雑貨センター設置運営質補助につきましては、輸出雑貨デザイン盗用防止輸出検査の厳正をはかるため、新たに補助金五千二百八十九万円を計上いたしまして、これら業務に携わる業界の中核団体として本センターを設立し、デザインの登録、認証制度の確立、共同検査場設置運営等業務を行わしめることといたしております。  第四に、次に、経済協力対策費といたしましては、輸出市場の培養、輸入原材料安定的確保中小企業海外進出等をはかりますため、東南アジア諸国等に対し、その開発計画に協力いたしますことが、ますます重要性を加えつつありますので、これら諸国に対し、経済協力を積極的に推進する所存でございまして、前年度対比二億三千七百三十五万九千円増の四億九百三十二万八千円を計上いたしております。  おもなる経費といたしましては、前年度より継続のインドの西ベンガル及びマラヤにおける海外技術センター設置費二億四千十五万八千円、新たに設立いたします海外経済総合研究所調査事業費として一億円、ほかに投資等基礎調査費補助海外技術者受け入れ研修費技術者及び中小企業者海外派遣あっせん事業費等であります。  第二に、中小企業対策費といたしましては、中小企業わが国経済に占める重要性にかんがみまして、前年度対比十億二千五百三十二万八千円増の二十一億七千九十万二千円を計上いたしております。  中小企業対策費として、特に重点を置いた事項といたしましては、中小企業設備近代化でございまして、前年度対比四億円増の十億円を計上し、中小企業設備合理化を一そう推進することといたしております。  第二に、中小企業の第一線の指導機関強化をはかりますため、公設試験研究機関設備更新補助中小企業相談所運営費補助、都道府県の診断指導費補助等二億八千六百四十三万一千円を計上いたしております。  第三に共同施設補助につきましては、ほぼ前年と同額の九千五百万円を計上いたしましたが、共同施設については新たに工場排水の規制に関する法律に基きまして、工場に対し必要な汚水処理施設設置せしめることとなりましたので、特に中小企業に対しては共同施設としてその設置助成いたすこととし、従来の共同施設補助金新規に五千万円を増額計上いたしております。  なお、中小繊維工業設備調整補助金といたしましては、実質的には前年度同額の七億円を計上し、綿スフ及び絹人絹織機の買い上げを促進することといたしております。  第三に、鉱工業技術振興費でありますが、最近における先進各国の目ざましい技術の進歩に対処するため、前年度対比一億五千九百四十九万九千円増の十八億一千七百三十万一千円を計上いたしております。  おもなる事項といたしましては、まず国立試験研究所重要研究費等に必要な経費として、前年度対比一億九千七百八十九万二千円増の十二億八千九十五万四千円を計上いたし、国立試験研究機関設備更新近代化をはかりまして、前年度に引き続き電子技術オートメーション技術生産加工技術エネルギー対策技術汚水処理技術等わが国経済にとって喫緊の重要研究推進することといたしております。  なお、三十四年度におきましては、技術振興のための基本的問題である技術者待遇改善をはかるため、試験研究所研究員待遇改善費として所要の経費を新たに計上いたしました。  次に、民間における試験研究補助につきましては、四億三千万円を計上し、国家的見地より見て重要と思われる応用研究工業化試験機械設備試作等について助成強化する所存であります。  なお、中型輸送機につきましては、六千万円を計上して、前年度に引き続き設計研究を進めますが、三十四年度からいよいよ試作の段階に入りますので、経済援助資金特別会計から三億円出資し、これに民間出資を加えまして、特殊法人日本航空機製造株式会社仮称)を設立することといたしております。  なお、技術振興関係といたしましては、ほかに、原子力平和利用研究費として二億八千万円程度が科学技術庁より当省所管試験研究機関に移替される予定であります。  第四に、産業基盤強化対策費でありますが、前年度対比三億四千七百四十六万一千円増の十四億九千四百五十三万八千円を計上いたしておりまして、その内容のおもなるものといたしましては、まず、工業用水確保が今後における工業生産の伸長のため重要不可欠な基盤である点にかんがみ、工業用水道事業費といたしまして、北伊勢、横浜、北九州等地区継続事業のほかに、川崎、尼崎、大阪等地区新規事業に対し補助を行うこととし、前年度対比三億八千六百五十万円増の八億八千六百五十万円を計上いたしております。  次に、わが国産業生産性向上推進するため、日本生産性本部に対する補助として一億四千五百万円、天然ガス開発中小鉱山探鉱奨励炭田総合開発等資源開発費として一億一千六百六十八万七千円、石炭鉱害復旧事業費として九千二十五万八千円等の経費を計上いたしております。  以上をもちまして当省所管一般会計に関する御説明を終ります。  なお当省の所管いたしております特別会計につき、以下歳入歳出予算の大要を簡単に御説明申し上げます。  まずアルコール専売事業特別会計でございますが、三十四年度歳入予定額は三十三億一千四百三十三万一千円、歳出予定額は二十九億四千百八十四万四千円でありまして、資産、売掛金の関係を加減しますと、三十四年度益金予定額は三億六百二十三万八千円となります。  第二に、輸出保険特別会計でございますが、三十四年度歳入歳出予定額は、ともに六十七億九千二百九十一万六千円でありまして、歳入のおもなるものは、保険料収入九億四千六百二十三万円、資金運用収入二億八千五十万円、雑収入二億五千四百三十九万二千円、前年度剰余金五十三億一千百七十九万四千円であり、歳出のおもなるものは、支払保険金七億五千五百八万円、予備費五十九億九千百三十万六千円であります。  第三に、特定物資納付金処理特別会計でございますが、本会計特定物資輸入臨時措置法に基くもので、三十四年度歳入歳出予定額はおのおの二十八億九百三十四万円で、歳入のおもなるものは納付金二十八億八百三十三万円であり、歳出のおもなるものは産業投資特別会計繰り入れ二十八億円であります。  以上をもちまして一般会計及び特別会計予算概要につき御説明いたしましたが、この際当省関係財政投融資計画について簡単に御説明したいと存じます。  昭和三十四年度における当省関係財政投融資総額は一千五百四十七億円でありまして、これに自己資金等を加えた運用総額は二千八百四億円となります。これを昭和三十三年度と比較いたしますと、運用総額につきましては、三十三年度当初計画二千五百七十五億円に対しまして二百二十九億円増となります。  なお、本計画の前提といたしまして、電力鉄鋼についての世界銀行借款二百六十八億円が織り込まれており、またさらに経済情勢及び民間金融情勢の推移に応じまして財政投融資計画を弾力的に運用することによりまして、重要産業及び中小企業並びに貿易振興経済協力促進のための資金確保につき遺憾なきを期する所存であります。  まず、開発銀行でございますが、三十四年度における開発銀行融資重点は、わが国経済安定的成長を目標といたしまして、産業基盤強化産業構造高度化資源有効利用に直接的に貢献する産業に指向し、従来からの電力海運石炭鉄鋼特定機械合成ゴムと並び都市ガス化学肥料産業関連施設等重点的に取り上げることといたしました。運用総額は三十三年度の六百二十億円に対し、六十億円増の六百八十億円を確保するものとし、このため財政投融資といたしましては、三十三年度の三百二十五億円に対し、百二十五億円増の四百五十億円を確保する計画であります。なお、六百八十億円の配分計画電力二百五十億円、海運百八十億円、一般産業二百五十億円となっております。  次に中小企業金融公庫でございますが、中小企業設備合理化近代化が大企業のそれに比較して著しく立ちおくれている現状にかんがみ、設備合理化近代化とその企業の経営の安定化に資するための融資中心として運用いたすものとし、運用総額は三十三年度改定計画六百十億円に比し、三十五億円増の六百四十五億円を確保するため、運用部及び簡保資金借り入れ二百七十五億円を行うこととした次第であります。なお、三十四年度におきましては、前年度に引き続き直接貸しに重点を置くものとし、三十三年度の九十億円に対し十億円増の百億円を確保する計画であり、また中小企業者金利負担を軽減する見地から三厘程度金利引き下げを行う予定であります。次に中小企業信用保険公庫につきましては、三十四年度においては保証協会保証規模を拡大し、保証料率引き下げることによって、中小企業金融充実をはかるために、融資基金として産業投資特別会計からの出資十億円を行うことといたした次第であります。  次に商工組合中央金庫につきましては、中小企業に対する組合金融充実をはかるために、三十四年度におきましては、三十三年度当初計画に対し二十億円増の百五十億円の貸し出し純増を行う計画であり、このため産投出資十二億円、運用部及び簡保資金による商中債引き受け二十億円、計三十二億円の財政資金投入を行うことといたしております。また財政資金投入効果として懸案の金利引き下げを実現し得ることとなり、現在のところ平均三厘近い程度引き下げ予定しております。  次に輸出入銀行でございますが、三十四年度におきましては、三十三年度に引き続きプラント輸出促進をはかるとともに、東南アジア等に対する経済協力の進展と賠償の本格化等に伴いまして、三十三年度損初計画に対し七十億円増の八百億円の貸付を行う計画であります。このため三十四年度におきましては出資七十億円、融資二百九十億円、合計三百六十億円の財政資金投入することといたしております。なお、出資融資額配分につきましては、年度末に若干の貸し倒れ準備金を積み立て、かつ現行の輸銀貸付金利を維持し得るようにいたしたものでございます。  次に電源開発株式会社につきましては、三十四年度におきましては、前年度に引き続き田子倉、奥只見御母衣等の大規模貯水池式発電所の建設に重点を置き、ほぼ三十三年度並みの四百九十億円の工事規模確保する計画であります。このため四百億円の財政資金投入するほか、世界銀行からの借款の成立を期待し、これにより三十六億円をまかなう計画であります。  最後に石油資源開発株式会社につきましては、海洋試掘中心に、三十三年度に対しまして二億円増の二十九億円の事業規模予定し、このため二十億円を産業投資特別会計より出資する計画であります。  以上をもちまして通商産業省所管一般会計及び特別会計予算の御説明を終りますが、なお御質問に応じて詳細に御説明申し上げたいと存じます。  何とぞよろしく御審議の上、可決せられんことをお願いいたします。     —————————————
  6. 大平正芳

    大平主査 続いて農林省所管について御説明を求めます。三浦農林大臣
  7. 三浦一雄

    三浦国務大臣 昭和三十四年度農林関係予算案につきまして概要を御説明申し上げます。  まず一般会計における農林関係予算案の総体について申し上げます。  農林省所管合計といたしましては、九百二十八億百万円となっております。これに総理府所管北海道関係公共事業費九十三億九千四百万円、離島振興関係経費十五億一千八百万円、原子力平和利用等に要する経費一億円及び農林漁業基本問題調査会に要する経費百万円、労働省所管農林関係公共事業費一億七千五百万円、建設省所管農林関係営繕費八千九百万円、大蔵省所管農林漁業金融公庫出資金七億円並びに文部省所管麦製品学校給食費十五億七千百万円を加えました農林関係予算合計は、千六十三億五千百万円となり、これを昭和三十三年度当初予算に比較すると金額において五十五億一千六百万円の増となります。  かように関係予算におきまして増額を見ましたおもなものは、公共事業費において五十八億八千四百万円、糸価安定特別会計繰り入れにおいて二十億円、日本蚕繭事業団出資金十億円、牛乳乳製品学校給食及び調整保管において八億三千百万円、農林漁業金融公庫出資金において七億円、一九六〇年世界農業センサスにおいて六億四千四百万円、人件費において九億三千三百万円等であります。  この反面、減額になったおもなものは、非補助小団地等土地改良事業助成基金出資金において六十五億円、酪農振興基金出資金において五億円等であります。  次に本予算案編成重点について申し上げます。  第一に、農業生産基盤拡充に関する経費についてであります。  土地改良事業開拓事業等事業生産基盤拡充に要する経費といたしまして三百四十億四千五百万円を計上いたしました。  まず土地改良事業拡充に要する経費として百八十六億四千二百万円を計上し、その推進をはかることといたしましたが、このうち新たに水系開発事業といたしまして三十二億九千百万円を計上、水系全般を一体とした総合開発を目標として国営事業と関連県営事業の進展の不均衡を是正し、その効率的促進をはかることといたしましたが、この構想のもとにおいては、特定土地改良工事特別会計において実施中の四地区一般会計において実施中の国営十地区及び県営事業二十八地区を含み、それぞれ事業の推進をはかることといたしました。  (二) 次に水系開発事業以外の一般土地改良事業につきましても、その計画推進をはかるため百十九億四千九百万円を計上いたしましたが、そのうち特定土地改良工事特別会計事業につきましては、継続実施中の七地区計画期間内の完成に努めるほか、新規地区に着工いたすこととし、一般会計の国営地区につきましては、ダム頭首工等の施設を有する地区及び早期効果の発生可能な地区重点を置くとともに、新たに六地区に着工するほか、全体設計実施地区として七地区を採択することといたしました。また県営事業につきましては、特に完了予定地区、他事業関連地区、部分効果発生地区等を優先することとしております。団体営事業につきましては、国営、県営等の基幹工事に直接関連する末端工事の早期完成と、積雪寒冷等特殊地帯農業振興計画の達成に重点を置きますほか、前年度創設されました非補助小団地等土地改良事業助成基金による非補助低利融資を大幅に拡大することといたしました。  土地改良に関する調査計画といたしましては、二億二千三百万円を計上し、大規模新規地区について調査を開始するほか、特定河川につき水系開発基本調査を行うことといたしました。  (三) 次に愛知用水事業につきましては、国費二十二億円を計上、篠津泥炭地開発事業につきましては国費十二億一百万円を計上、それぞれ工事の進捗に努めております。  2、干拓事業につきましては五十七億四千九百万円を計上し、八郎潟その他の継続実施中の地区につき特定土地改良工事特別会計による計画期間内の完成を確保するとともに、さらに新規地区に着工するほか全体設計実施地区として新規地区を、調査計画地区として新規地区を取り上げることといたしました。  3、防災事業につきましては、海岸保全、防災ため池、老朽ため池、地すべり防止事業等に重点を置き、その計画推進をはかることといたしました。  4、次に、畑地土地条件の整備をはかるため、畑地土地改良事業に要する経費として、四億九千八百万円を計上し、地下水の開発利用調査や畑地灌漑事業を実施するとともに、同事業に対する現行補助率の引き上げを行うことといたしました。  また農地集団化事業を促進するため七千五百万円を計上し、従来の交換分合、換地計画に加え、集団化事業と関連する農道事業に対して助成を行うことといたしております。  う、開拓事業につきましては、これが刷新強化をはかるため、七十七億五千九百万円を計上し、次の施策を講ずることといたしました。  (一) まず開拓計画につきましては、新開拓方式に基き調査計画を進めることといたしまして、特定農地開発事業地域については新規地区、市町村農地開発事業地域については新規約四十地区調査を開始することといたしました。  (二) 開墾建設工事につきましても引き続きその促進をはかることといたしておりますが、国営地区については新規地区に着工するとともに、新規地区の全体設計を実施することといたしました。  (三) 新規入植につきましては、入植戸数を千七百戸とし、入植営農の質的向上を目標として基本営農類型適用地区の拡大をはかることといたしております。また営農不振の既入植地に対しましては、開拓営農振興臨時措置法に基く振興計画をもととして建設工事、開墾作業、土壌改良事業の遅延を取り戻す等所要事業の計画推進をはかりますとともに、旧債の借りかえとこれに伴う利子補給、振興対策資金の融資ワクの拡大及び中央開拓融資保証協会に対する政府出資増額等の措置を行いますほか、営農指導員を増員して指導を強化することといたしております。  6、なお、以上のほか災害復旧事業費として、六十二億八百万円を計上いたしまして過年災について極力残事業の解消に努め、三十一年災までについては三十四年度において完了いたすこととなっております。  第二に、畑作営農の改善に要する経費についてであります。  1、まず、畑地土壌生産力の低さを打破するため継続実施中の諸施策に加え、新たに畑地地方の培養保全に関する総合的な基本調査を行うとともに、従来放任せられていた畑地土壌病害虫防除事業を強力に推進するため、主要畑地の検診調査と被害激甚地の防除を実施するに必要な農薬及び防除機具に対する助成を行うこととし、これらに必要な経費一億三千二百万円を計上いたしました。  2、さらに畑作営農のための施策として別途農業改良普及事業において新たに畑作農業総合指導施設を設置いたしますほか、寒冷地帯の畑作改善対策といたしましては、前年度に引き続き大型トラクターの導入を行うとともに、北海道における寒冷地農業振興資金の貸付については貸付ワクを十二億円に増額することといたしました。また寒冷地適作物として有望なテンサイの振興をはかることとし、新たに東北地方に、テンサイを導入するための試作に対して助成することとしております。またテンサイ及びテンサイ糖業の改良発達をはかるため新たに特殊法人日本テンサイ振興会設置してこれに政府出資を行うとともに、寒冷地以外の暖地につきましてもその導入に必要な試験研究に対し別途助成措置を講ずることとし、これらに必要な経費として二億三千九百万円を計上いたしております。  3 以上の経費のほか、畑作改善の関連施策といたしましては、畑地土地改良事業や畜産の振興に意を用いますとともに、試験研究につきましては、地域農業試験場の畑作部及び畑作総合試験地の運営に必要な経費を、また農業改良普及事業につきましては、前年度に引き続き畑作関係特技普及員の増員に必要な経費を計上し、さらに農業改良資金につきましては、園芸作物優良種苗導入事業等を対象事業として取り上げることといたしました。  第三に、畜産振興対策に要する経費についてであります。  1、まず、酪農対策につきましては十五億五千六百万円を計上し、飲用乳等の学校給食の拡大(四十万石)のほか、新たに余剰乳製品の調整保管補助並びに消費普及啓蒙事業の推進を行う等、牛乳乳製品の生産と消費の均衡をはかるための施策拡充するとともに、全国七百八十地区における酪農経営改善安定計画の樹立指導等酪農振興法改正法の施行に必要な経費について助成を行うことといたしております。  2、次に家畜の導入につきましては、四億二千二百万円を計上し、寒冷地帯を対象とする家畜の国有貸付、有畜農家創設事業及び畜産による中小農振興対策による家畜の導入並びに世界銀行資金によるジャージー種乳牛の導入を引き続き実施して参る所存であります。  3、飼料対策につきましては、二億五千八百万円を計上し、その拡充をはかることといたしておりますが、特に草地改良及び自給飼料対策につきましては、高度集約牧野造成改良事業の拡大実施を行いますとともに、新たに、大規模草地改良を行うための必要な調査設計の直轄実施、農業改良資金制度による飼料畑の造成または更新のための資金の低利または無利子賃付等を新規事業として取り上げ、飼料自給度向上のための施策充実を期することといたしております。以上のほか、農家の購入飼料の需給安定対策につきましては、飼料需給安定法の適切な実施をはかるため食糧管理特別会計における飼料の輸入量を増加するとともに、政府売却基準価格につきましては、畜産物価格の下落傾向を考慮し、今後適正な水準に定めたい所存であります。  4、家畜の改良増殖及び衛生対策につきましては八億一千四百万円を計上し、従前の施策に加え、新たに乳牛の経済能力検定事業、種鶏場及び孵化場の登録事業、家畜保健衛生所の家畜衛生車の設置等につき助成を行いますほか、前年度着手した国立の種畜牧場の整備強化を進めるとともに、寒冷地和牛指導施設及び豚産肉能力検定施設を新設することといたしております。  第四に、蚕糸業の安定に要する経費についてであります。  1、まず、養蚕経営の合理化対策につきましては、三億七千一百万円を計上し、養蚕の生産性を高め繭の生産費を引き下ずるため、新た年間条桑育指導地の設置助成を行いますとともに、繭の需給事情に即応して養蚕農家が行う桑園の整理転換につき助成を行い、養蚕技術改良対策の強化等と相待って長期にわたる養蚕経営の安定をはかることといたしております。  2、次に繭糸価の安定対策につきましては、一般会計から糸価安定特別会計へ二十億円を繰り入れますとともに、繭価を適正水準に維持する目的で設置される日本蚕繭事業団に十億円を出資し、繭糸価安定の強化をはかって参る所存であります。  また、生糸の需要増進対策につきましては、一億円を計上し、従前の米国における消費宣伝事業及び市場調査を一段と強化拡充して参ることといたしております。  第五に農林畜水産物等の価格安定その他流通改善及び輸出振興対策に要する経費についてであります。  1、まず、食糧管理特別会計における米麦の管理を継続して参ることはもちろんでありますが、その他の主要農産物飼料等につきましてもその価格安定をはかりますため、一般会計から同特別会計農産物等安定勘定へ十億円の予算繰り入れを行うことといたしております。  2、次に、農林畜水産物の流通改善対策につきましては、新たに臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会を設置し、また青果物の市況速報を整備して生産者の出荷調査に資するとともに主要品目についての産地事情調査を行う等のため千三百万円を計上いたしました。このほか家畜及び食肉流通の改善のための施策を確立するため調査検討を行いますとともに、別に述べますように水産物及び木炭について流通調整対策を新たに講ずることといたしております。  3、農林水産物の輸出振興につきましては、生糸の海外消費宣伝事業のほか、輸出農林水産物の需要増進対策のため七千五百万円を通商産業省に計上し、海外市場調査及び宣伝事業を強化することといたしております。第六に、森林資源の育成に要する経費についてであります。  1、まず林野公共事業費につきましては、治山事業費に四十四億四千九百万円、造林事業費に二十九億三千百万円、林道事業費に二十五億九千九百万円を計上いたしております。これらのうち治山事業につきましては、復旧治山事業にあわせて予防的治山事業を拡充することとし、造林事業につきましては、林種転換を主とした拡大造林に重点を置き、また融資造林事業の伸展をはかるため農林漁業金融公庫の貸付条件を改善することとし、これに要する資金として一般会計より七億円を公庫に出資することといたし、林道事業につきましては、奥地林開発中心に林道網の整備を行うとともに、国有林野事業特別会計において新たに七億八千九百万円を計上し、民有林関連林道の開設を森林開発公団に委託して実施することといたしました。なお、以上のほか、林業関係災害復旧事業費に五億三百万円を計上いたしております。  2、次に保安林の整備につきましては、これが整備と維持管理に重点を置くこととし、水源林造成事業に一億三千二百万円を計上いたしましたほか、保安林の指定に伴う補償を実施することとし、これがため必要な調査を都道府県に委託することといたしました。  3、その他の林業関係の主要経費につきましては、まず、林木品種改良事業に千三百万円を計上し、林木の新品種育成のため年次計画に従って都道府県に対する必要経費助成を行いますほか、林木育種場の運営費を一括国有林野事業特別会計に計上し、林木育種場支場二カ所の新設を含めて育種事業の推進をはかることといたしました。また、木炭関係につきましては、四千八百万円を計上し、前年度に引き続き木炭生産指導を行いますほか、新たに木炭の流通の合理化及び生産者所得の安定をはかるため、系統利用機関等が行う流通調整事業に対し必要な助成を行うことといたしました。  第七に、水産業振興に要する経費についてであります。  1、まず、沿岸漁業の振興につきましては、沿岸漁業における生産力を維持増強し、漁家経営の安定をはかるため、三億五千四百万円を計上し、前年度に引き続き、水産資源の保護増殖のための助成及び漁業共済制度の試験実施に関する調査委託を行いますほか、沿岸漁業に対する依存度の高い海域につきまして総合的な沿岸漁業振興対策を拡充実施することといたしております。  2、次に漁業の生産条件の整備につきましては、国際漁場の確保と未開発漁場の開発についてその発展をはかり、また、漁港整備計画に基く漁港の整備事業を計画的に実施するため四十三億二千二百万円を計上し、継続三百八十二港及び新規四十八港について事業を実施いたしますほか、水産庁に漁港部を新設し、漁港関係調査等の充実をはかることといたしました。なお、このほか、漁港関係災害復旧事業に七億六千四百万円を計上いたしております。  3、水産物の流通改善及び需給の安定につきましては、千七百万円を計上し、従前の施策に加え、新たに漁獲が季節的に一時に集中する大衆多獲魚について価格の安定と系統利用の促進をはかるため、系統利用機関が行う流通調整事業に対し必要な助成を行うことといたしました。  第八に、農山漁村の振興に要する経費についてであります。  1、新農山漁村建設総合対策につきましては、既定計画に従って特別助成事業の新規計画樹立地域を九百八十五地域、事業実施地域を二千地域として事業の推進をはかることとし、これに必要な経費三十三億円を計上いたしております。  2、一般助成事業のうち、小団地開発整備事業等につきましては引き続き拡充実施するほか、新たに農山漁村僻地における電気導入事業を促進するための助成を行うことといたし、これらに必要な経費として四億九百万円を計上いたしました。  3、農山漁村青年の自立を促進し、農山漁村の振興に資するため、農山漁村青年対策を強化することとし、農村建設青年隊、農村建設班等の事業を継続実施するほか、新たに農業について中央及び地方に青年研修施設を、また漁業について地方に研究器械をそれぞれ設置することとし、これらに必要な経費として、二億五千四百万円を計上いたしております。  第九に、海外移住の推進に要する経費についてであります。  海外移住につきましては、前年度と同様一万人の送出を目標といたしておりますが、三十四年度は地方における移住事業活動を拡充強化するため、都道府県に専任職員を新設するとともに、地方海外協会に対する補助農林省に一元化してその充実をはかることといたしました。また移住に関する系統資金融通の円滑化をはかるため、農業拓植基金の設置に対して助成を行うこととし、これらに必要な経費一億二千九百万円を計上いたしております。  第十に、農林水産業諸団体の活動促進に要する経費についてであります。  1、まず、農業委員会の関係におきましては、その組織及び活動を維持するに必要な経費十億八千六百万円を計上いたしましたが、このうち新たに二千二百五十の農林漁業地域を対象として農業委員会の農家台帳整備に要する経費助成することといたしております。  2、次に、農林水産業協同組合関係につきましては、その検査指導に必要な経費一億二千九百万円を計上するとともに、連合会の整備促進対策及び不振単協の整備強化措置を既定計画に基き推進いたしますほか、三十四年度は、新たに、農林漁業組合職員の養成講習事業に対する助成及び農業協同組合中央会の監査士設置に対する助成を行うことといたしております。なお、三十三年度発足しました農林漁業団体職員共済組合に対しましては、給付に要する経費の一部と事務費補助するため一億四千七百万円を計上いたしました。  3、農業共済団体につきましては、損害評価に関する団体の機能の充実と職員の給与の改善に重点を置き、二十三億五千二百万円を計上いたしております。  第十一に、試験研究、統計調査及び技術普及の強化に要する経費についてであります。  1、まず、試験研究につきましては二十億九千九百万円を計上し、新規研究項目の追加、前年度に引き続く畑作試験部門の整備、放射線育種試験照射場の新設並びに研究管理協議会、試験研究運営調整費の設置試験研究管理体制の強化等を行うこととしております。  2、次に農林水産関係技術普及事業につきましては、園芸、畜産、機械関係特技普及員五百三十人、生活改善普及員九十二人、開拓営農指導員五十人の増員及び沿岸漁業改良普及員四十八人の新設等により、技術指導の充実向上をはかることといたしましたほか、農業及び林業普及所運営費の充実、蚕糸普及員の機動力強化及び待遇改善、畜産林業技術の普及指導の濃密化等を行うこととし、これらに必要な経費として三十一億八千二百万円を計上いたしました。  3、また、農林水産関係統計調査につきましては、既定の調査統計に加え一九六〇年世界農業センサスを実施して農林施策に必要な基礎的統計資料の体系的整備をはかることといたしております。また、これらの統計調査充実にあわせて、能率増進のため機動力の強化をはかることとし、これらに必要な経費といたしまして十五億八千九百万円を計上いたしております。  第十二に、農林漁業基本問題に関する調査促進に要する経費についてであります。  現下のわが国農林漁業が生産性向上、経営の改善、就業構造近代化等の基本問題に当面していることにかんがみ、わが国農林漁業の現状と将来のあり方に検討を加え、農山漁家の生活の安定に資するための基本的施策調査審議するため総理府に農林漁業基本問題調査会設置するとともに、これに伴い、基本的な重要事項について調査企画立案に当る所要の人員の増加を行うこととし、これらに必要な経費として三千三百万円を計上いたしております。  次に昭和三十四年度の農林関係特別会計予算案について申し上げます。  第一に、食糧管理特別会計について申し上げます。  この会計昭和三十三年度より六勘定に区分し、収支損益を明確にしてその処理運営をはかってきたのでありますが、今後も一そうその適正化に努力いたしたい所存であります。  三十四年産米の集荷数量は四百八十万トン、国内麦の買い入れ数量は百二十六万八千トンと予定し、また国内米の政府買い入れ価格は、予約減税の廃止に伴い、従来の減税に見合う額を事前売り渡し申し込み加算金に加えることとし、これを含めて百五十キロ当り一万二百五十円とするとともに消費者価格は据置といたしましたほか、米麦の管理につきましては従来の方針を継続して参ることといたしております。  外国食糧の輸入は、国内米麦の生産量及び持越量を考慮し、需給上必要な限度の買付を予定いたしております。農産物等安定勘定につきましても前年度に引き続きその買い入れ費を計上いたしておりますが、特にテンサイ糖につきましては砂糖消費税の一部を関税に振りかえることによりまして、テンサイ糖業の自立振興が可能となるよう措置することとし、輸入飼料につきましては別途申し上げましたように畜産政策の進展に応ずる方針をとることといたしました。  なおこの会計の損益見込みにつきましては、国内米、国内麦、輸入食糧の各勘定を通じまして三十三年度約三十七億円、三十四年度約二十八億円の損失を見込んでおりますが、調整資金は三十四年度当初なお約四十六億円の残がありますので、一般会計からの繰り入れば行わないこととし、農産物等安定勘定につきましてのみ前年度同様十億円を一般会計から繰り入れることといたしております。  第二に、農業共済再保険特別会計について申し上げます。  このうち農業勘定は、前年度予算に比べ六億二百万円の減少となっておりますが、これは三十三年度の推定引き受け実績を基礎に置いたこと等のためでありまして、これにより一般会計からの受入額は五億五千万円減少し、七十四億七千五百万円となっております。  家畜勘定につきましては、前年度に比べ五億七千万円の増加となっております。従来は牛馬につき死廃部分の最低共済掛金の二分の一を国庫負担いたしておりましたが、三十四年度からは死廃部分の共済掛金の二分の一を別に定める金額を限度として負担することとし、また乳牛については加入奨励金として乳牛の病傷部分に対する掛金率の上昇部分の一部を補助することとしたのでありまして、これにより一般会計繰り入れば二億八千万円を増加しております。  第三に、国有林野事業特別会計につき申し上げます。  この会計は三十四年度より林力の増強を経営計画に従って実施することとし、経済発展による需要の増加に対応し、生産基盤拡充を行い、なおその資金と組織を活用して民有林林政への協力をいたすこととしております。  三十四年度における伐採量としては千八百万立米(前年度千七百万立米)を予定し、歳出面におきましては林道、造林、治山事業及び官行造林等にその主力を注ぐ一方、林政協力といたしまして、国有林と関連する民有林林道の開発、従来一部一般会計の負担で実施いたして参りました林木育種場の運営等を行うほか、三十三年度剰余金見込額の一部を林政協力のため一般会計繰り入れました。これに伴い一般会計より農林漁業金融公庫に出資を行い、長期、低利による融資造林の促進を行うことといたしております。  第四に、糸価安定特別会計について申し上げます。  この会計歳出は、前年度に比べ大幅の増額を来たしておりますが、これは現在繭糸価格の安定に関する臨時措置法に基き、日本輸出生糸保管会社が保有する三十三年産の春蚕及び夏秋蚕繭にかかる生糸につき政府買い入れ期限の到来する九万三千俵分の買い入れ費のほか、借入金の返済、その他管理費を含め歳出の増加を要するためであります。これらの財源といたしましては、証券発行及び借入金二百七十五億円のほか、三十三年産生糸及び繭の買い入れのための経費の支払い財源の一部として一般会計より二十億円の繰り入れをいたすこととしております。  なお三十四年産繭及び生糸につきましては、別に設置される日本蚕繭事業団の事業と相待って、三十三年度と同様の方針により、繭糸価格の安定をはかりたい所存であります。  以上の各特別会計のほか、特定土地改良工事特別会計、開拓者資金融通特別会計につきましては、別途御説明申し上げておりますが、森林火災保険、漁船再保険、自作農創設特別措置、中小漁業融資保証の各特別会計につきましては、前年度に引き続きほぼ同様の方針で計上いたしております。  次に昭和三十四年度の農林関係財政投融資計画について御説明申し上げます。  昭和三十四年度における農林関係財政投融資計画は四百三十九億円でありまして、そのおもなるものは次の通りであります。  1、まず農林漁業金融公庫につきましては、三十四年度貸付計画として四百三十二億円を予定いたしております。この原資計画といたしましては、産業投資特別会計からの出資七十億円、一般会計からの出資七億円、資金運用部等からの借入金二百十五億円、回収金等百二十億円、計四百十二億円であります。なお、融資造林事業促進のための一般会計からの出資、非補助土地改良事業低利融資の拡大等につきましては、さきに述べた通りでありますが、このほか三十四年度は自作農維持創設資金を百億円と大幅に増額いたしております。  2、次に開拓者資金融通特別会計につきましては、三十四年度貸付計画は、営農及び共同施設資金五億七千百万円、振興対策資金二十三億八千万円、農地開発機械公団地区営農資金二億七千万円となっておりますが、この原資計画は、資金運用部等からの借入金二十八億円、その他回収金等でまかなうこととしております。なお、開拓営農振興対策の一環として不振開拓農家の償還能力を考慮し、本会計における償還金回収率を引き下げることといたしております。  3、特定土地改良工事特別会計の総事業費百十二億一千八百万円に見合う資金計画は、資金運用部からの借入金三十億円、一般会計からの繰入金七十億八千二百万円、その他十一億三千六百万円であります。  4、愛知用水公団事業の三十四年度事業費百十二億円に見合う資金計画は、国費二十二億円、資金運用部八十一億円、その他九億円であります。  う、森林開発公団の三十四年度事業費二十三億一千八百万円に見合う資金計画は、国費四億五百万円、資金運用部五億円、関連林道収入七億八千九百万円、その他六億二千四百万円であります。  6、農地開発機械公団事業におきましては、三十四年度の国営干拓事業に対します土木機械貸付事業等のための資金三億円を資金運用部から借り入れすることといたしております。  以上をもちまして農林関係一般会計予算案及び特別会計予算案並びに財政投融資計画概要の御説明を終ります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  8. 大平正芳

    大平主査 以上で説明を終りました。  明日は午前十時より開会し、農林省及び通商産業省所管を一括して質疑を行います。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時五十七分散会