○滝井義高君 私は、
日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府
提案の
国民年金法案に対し、岸総理以下
関係閣僚に対して質問をいたさんとするものでございます。
福祉
国家の建設は、保守、革新を問わず、高く
国民の前に掲げられた大理想でございます。私
たちは、福祉
国家の理想を達成するためには、経済の繁栄と祉会
保障の拡充強化をはからなければならぬことは、岸総理がたびたびここで言明をせられる
通り、言うまでもないことでござごます。
静かに
わが国祉会
保障の
現状を顧みてみますと、その一つの柱である医療
保障の面におきましては、昨年十二月、新
国民健康保険法が成立をするここによって、九千万の
国民が、三十五年末までに
国民皆保険の恩恵を受ける絵ができました。また、他の一方の重安な柱である
所得保障の
制度については、現在
雇用関係にある千九・百四十八万人のうち千三百六十三万人の諸君が、厚生
年金、共済組合、恩給等で、小完全ながら
老後が
保障せられております。これは、日本における全就労
人口四千二百三十八万人の三割二分にしか当らないのであります。
〔
議長退席、副
議長着席]
言いかえまするならば、
わが国の働いておる
人口百人のうちで六十八人は、その
老後、あるいは重大な疾患にかかった場合、あるいは一家の働き手が死亡したような場合には、その遺族、これらのものに対しては何ら
保障がせられていないという不安な情勢に置かれておるというのが、現在の日本の姿でございます。このような中で、政権担当以来ニカ年、金のかからない道徳教育や勤務評定等の文教政策、あるいは警察官の職務を拡大しようとし、警察
国家の
実現を招来しようとする、あの警察官職務執行法の反動的な政策の
提案に狂奔をしたその岸
内閣が、今、長期安定政権の夢が消え、与党の一部からも見放され、
国民の大
部分からあいそをつかされた現段階において、本
国会に
国民年金法案を
提出し、わが
党提出の
法案と対決して
国民的討議を行うことができることを、
国民とともに喜びたいと思います。(
拍手)これによって
所得保障の
制度は、全
国民的な規模に
発足をするその糸口を見出すことができたのでございます。
この機会に、私は、日本の貧弱な社会
保障にまつわる根本的な二、三の重要な点について、岸総理の所見をまずお伺いいたしたいと思います。
そのまず第一は、日本の社会
保障には体系がないということでございます。医療
保障を見てみましても、病院、診療所の経営主体はばらばらでございます。しかも、その設立も無秩序、無計画に行われておることは、厚生大臣が身をもって体験をしている
通りでございます。しかも、その
制度は、
国民健康保険あり、健康保険あり、日雇い健康保険あり、共済組合ありと、実にばらばらでございます。さらに、それらの
制度の中における診療報酬の支払いも、甲、乙二木というばらばら
制度をとっておるのでございます。
一方、
所得保障の面を見てみますと、既存の法的な
被用者年金各法、すなわち、厚生
年金や共済組合等、十種に及ぶものが相並立、対立をして、
国庫負担も、
保険料率も、
年金額もばらばらであります。そのばらばらな上に、今やここに
国民年金制度が加えられたのでございます。
この日本の社会
保障の姿は、まさに錯雑と混乱と継ぎはぎだらけの姿を呈し、そこに一貫した体系を見出すことができないというのが、現在の日本の社会
保障の姿でございます。(
拍手)しかも、そこに一貫した体系がないばかりではございません。その精神は一体いかなるものによって運営をせられておるかと言うと、愛情豊かな社会
保障の精神が貫かれておらずして、冷酷無情なる保険主義によって貫かれておるというのが、これが現在の日本の社会
保障の姿なのであります。(
拍手)一体、岸総理は、この
国民年金制度の
発足に当って日本の社会
保障に体系を与えるだけの勇気があるかどうかを、まず第一にお尋ねをいたします。
第二には、
わが国社会
保障には、長期経済計画に見合う、総合的な、長期的な社会
保障計画が欠除しておるということでございます。昨年未発表された厚生白書は、社会
保障の役割は経済政策を推進させる上に欠くことのできない重要な要素であるといっています。すなわち、経済政策を進めるためにも、社会
保障自体を前進させるためにも、社会
保障の長期計画を樹立する必要があると思うのでございますが、岸総理並びに経済のヴェテランといわれる世耕経済企画庁長官は、財政的な数字の裏づけをもって、長期経済五カ年計画に見合う社会
保障の五カ年計画を、ここに
国民の前に数字をもって示していただくことを
要望いたしておきます。
第三には、行政機構についてでございます。社会
保障の行政機構は各省にまたがり、各省割拠の弊を露呈いたしております。このために、事務は複雑化し、組織の一元化が行われていません。従って、そこには、むだな金が乱費せられており、浪費が多いという姿でございます。この際、岸
内閣総理大臣は、思い切って、日本の各省にまたがっておる、これら各省割拠の弊をなしておる社会
保障関係の機構を一元化して、社会
保障省を作る意欲があるかどうかを、お尋ねいたしたいのでございます。(
拍手)
以上三点について、岸総理の明確な答弁を承わりたいと存じます。日本の社会
保障の幾多の欠陥を是正することは、
国民年金制度が
発足するに当って当然行わなければならぬ前提条件でございます。岸総理の答弁は、そつがなく、実にうまいといわれております。
国民は、この岸総理の答弁を、ヤマブキの花だと言っておるのでございます。しかし、太田道灌の故知ではございませんが、みの一つだになきぞ悲しきと言われることのないよう、誠実なる答弁をもって、この
国民年金制度の
発足に当って
国民の前に明白にしていただきたいことを、私は特にお願いいたしておきます。
次に、
国民年金法案の具体的な
内容についてであります。
第一点は、現在の各種
年金制度との
調整の問題についてであります。すでに野田さんもこれに触れました。岸総理は、三十六年までに、すなわち、
拠出制の
年金が行われる三十六年までにはこれは明白にすると申しました。一体、そういうことでいいでしょうか。
年金制度を知らない人には、それでごまかしがきくかもしれません。しかし、
国民年金制度が
発足したならば、その
発足した翌日から、
国民年金制度から
公的年金制度に移る人があり、現在の
公的年金制度から新しくできた
国民年金制度に移る人があるのでございます。この
通算の問題を解決せずしてどうして
国民がこの
年金制度についていくことができますか。この際、もっと具体的に、この議場を通じて政府は
通算制をとるのか、それとも二重加入制をとるのか、どちらにしても、将来における
年金制度の一元化されていく方向を
国民の前に明白にしなければ
国民はついていかない、この問題は解決をせられないのでございます。この際、あらためて、もう一回、明確なる政府の方針を、私は坂田厚生大臣並びに岸総理にお伺いをいたしておきます。
さらに第二点は、今回の
拠出年金制度は
完全積立方式をとっております。底の浅い日本経済は、絶えず経済変動り波に洗われております。これをいかなる
方法で乗り切っていくか。強剛
適用で二十五年ないし四十年の保灰料を長い間支払い、それに見合う牛金額が確実に保証されないとするばらば、
保険料の滞納は必至であります。
国民生活水準の向上、並びに著しい経済変動の生じた場合には、一体、具体的にどのような
方法で
国民に保証をするのか。佐藤大蔵大臣の野田ごんに対する答弁は、経済の変動による影響については、通貨価値の安定に里点を置くなんという、こういう抽象的な答弁では、われわれ
国民は納得することができません。(
拍手)少くとも、わが
社会党の、案におけるがごとく、生計費その他諸
事情の変化によっ、
年金額が一割以上増減をするような場合には、厚生大臣のもとにある
国民中金審議会の意見を聞いて直ちにその
手続をとるというくらいの案を、政権を担当しておる政党が出すことができないというのが、これが
国民年金制度の失態であるのでございます。(
拍手)さらに、重要な点は、この
国民年金り
積立金の問題でございます。
積立金は、野田さんも指摘したように、一年五百億ずつ、最高時においては三兆ないし四兆円の金が積み立てられます。」の問題については、今、大企業ばかツではなくして、
国民の福祉その他にも金をつぎ込むとおっしゃいました。当然そうであろうと思います。しかし、問題は、新しくできる
国民年金だけにあるのではございません。現在の厚生
年金において、すでに現在二千七百十八億円の
積立金がございます。さらに、失業保険においても、三十四年度末には六百億をこえる
積立金ができるのでございます。厚生
年金は、そのピーク時には二兆億に上るのでございます。そうしますと、労働者の
積立金、新しくできる
国民年金の
積立金を総合するとき、そこにできるところの
積立金の総額は、六兆をはるかにこえるという莫大な金になります。一体、政府は、このような莫大な金を、いかに総合的に日本の産業の発展と民生安定のために運営をしていくのか。この際、もっと具体的に、
運用の方針を私は明らかにしてもらわなければならぬと思うのでございます。今までのような大資本奉仕の資金
運用部を通じての
運用の仕方では私
たちは納得することができませんことをつけ加えておきます。大蔵大臣の明白な御答弁をお願いいたします。
さらに、政府の出しておる
国民年金制度は、その
年金額があまりに低いということでございます。一体、これで
年金と言うことができるでしょうか。
老後を
保障するという
援護年金も、日本の
平均寿命は、男女を通じて六十五才です。それを、七十才からわずかに千円を
支給します、こういっております。そればかりではございません。
拠出年金も、六十五才になって、二十五年ないし四十年の
掛金をして、そして年額が二万四千円から四万二千円、月額にして二千円から三千五百円。自民党の皆さん、政権を担当せられておる岸総理大臣、東京都における成年男子の
生活保護における基準額は、一体幾らとあなたはお考えになっておりますか。三千五百十円です。人事院の給与勧告における十八才の標準生計費は七千五百六十円になっております。
老後を
保障する
年金が
生活保護の三千五百十円にまで達しないというこの姿が、政権を担当しておる現実の政党一の打ち出す政策と言えましょうか。(
拍手)断じて言えないのでございます。一体、岸総理、このような政府案の
老後保障の、人間無視の思想を憤るのは私だけでしょうか。全国九千万の
国民は、この
年金を憤って、第二の
生活保護と言っておるではありませんか。政府みずからも、立案をした
人々は、きわめて謙虚に、これに
援護年金とつけておるではありませんか。私をして言わしめるならば、今回政府が出したこの
援護年金は、どろなわ式の、羊頭狗肉の政策であり、近く目前に迫った参議院
選挙、地方
選挙に対する
選挙年金であると言っても過言ではないのでございます。(
拍手)
さらに、
老齢援護年金の
支給条件でございます。野田さんも正直に申しました。
選挙のときには、われわれは無
拠出年金をやるのだといってかねを鳴らして回った議員が、この中にも、一相当与党の皆さんの中にはおるはずでございます。ところが、今度の
法案の
建前を見て下さい。決して無
拠出が
原則になってはおりません。
老齢年金の
支給条件は、
保険料の
拠出期間あるいは
拠出すべき
期間を
建前にしておるのが、今回の政府案なのでございます。こういうごまかしをやることは
選挙において公約したことに反すると思うのでございますが、厚生大臣、一体いかに考えておるのか、明白にこの議場を通じて御答弁を願いたいのでございます。
さらに第四点は、
母子援護年金において、その
対象児童は
義務教育終了前でなければならぬということになっておることであります。これは、貧乏人の
子供は、十六才になったならば、
義務教育を終ったならば働けということなのでございます。かつて、与党の中には、貧乏人は麦を食えと言った大臣がございました。まさに、この、貧乏人は麦を食えという、冷酷無情な、あの一貫した思想によって貫かれておるのが今回の政府の
母子援護年金であるということが、これによっても明白でございます。(
拍手)もし、
義務教育を終ったら貧乏人は働けということでないとするならば、この際、坂田厚生大臣は、この議場を通じて、十八才まで引き上げましょうという言明ができるかどうか、お尋ねをいたしたいのでございます。
さらに、
障害援護年金については、外科的疾患を中心にして、きわめて重症の一級
障害のみについて
障害年金が与えられることになっております。一体、政府は、われわれが、臨時恩給等調査会を通じて、外科的な疾患ばかりではだめだ、恩給の問題においては内科的な疾患も考えてやるべきだという強い主張をして、これを取り入れました。しかるに、今回の
障害援護年金においては、依然として、政府は、外科的な疾患を中心とした内臓疾患、精神
障害、あるいは、あの業病といわれるハンゼン氏病——いわゆるレプラ、こういうものに対する思いやりが、一片のかけらとしても出ていないということを、ここに私は指摘いたしたいのでございます。これらに対する厚生大臣の所見を承わりたいと思うのでございます。
第六点は、今回の
拠出年金制度は、二十才から三十四才までは月に百円、三十五才から五十九才までは月に百五十円出すことになっております。体、このような
保険料がとれるかどうかという問題でございます。坂田厚生大臣の答弁は、きわめて抽象的でございました。御存じのように、すでに昨年末をもって、皆保険は大きく前進しようといたしております。現在、三十四年度においても、一世帯当りの
国民健康保険の
保険料は三千六百九十円と相なっております。この
国民健康保険においてさえもが、その金額において一割、世帯において二割は脱落をしておるという、この現実を見落してはなりません。三十四年度において、三千六百九十円は、ウナギ登りに、今や医療
内容の向上によって上りつつあります。その場合に、今回さらに百円ないし百五十円の月額の
保険料、年間にして千二百円ないし千八百円がその三千六百山口の上に加わるということです。皆保険政策と
国民年金制度とは、並行して今や進もうといたしております。貧しい日本の中小企業や農民が、果して、これをたえて、順当な
保険料の納入が行われるかどうかという問題でございます。具体的にお聞きをいたします。一体、政府は、この
国民年金に加入する
対象人口を何人と見ておるか。そして、その
対象人口の中の何割が順当に
保険料の支出可能の数と見ておるかを、この際、この議場を通じて明白にしていただきたいと思います。日本においては、現在二百四十六万世帯、千日十三万人という、ボーダー・ライン層、低
所得階層があることは、厚生白書か昨年天下に明示したところでございます。今や、日本におけるこれらの低
所得階層は、太平洋における日本海溝の、あの海の水と同じように沈着をし、固定化の傾向をたどっておることは、厚生大臣もよく知っておると思います。もし、こういう
状態で進むならば、
拠出年金の
保険料の徴収というものは、きわめて低
所得階層だけを限ってみても、困難な
状態が出てくると思います。その場合、
保険料を十年以上納めていなければ
老後保障のためのこの
国民年金額はもらえないということは、今坂田厚生大臣がここに言明をした
通りでございます。そうすると、経済の浅い、そして浮き沈みの激しい日本において、果して、低
所得階層の諸君がこの
国民年金制度の恩典を受け得るという確信が厚生大臣におありかどうか、明白にしていただきたいと思うのでございます。
さらに、第七点の、
国民年金と、いわゆる
生活保護の
関係は、さいぜん答弁があったから抜かします。
第八点の、
年金の財政問題に関してでございます。この問題については、特に岸総理と佐藤大蔵大臣の見解をお尋ねいたしておきたいと存じます。
三十六年におきましては、すでに、恩給、特に軍人恩給はピークに達します。三十六年においては、軍人恩給は千三百億に達するのでございます。先般、予算委員会において、岸総理大臣は、私の質問に対して、
国民年金制度の
発足に当っては、日本の恩給
制度、特に軍人恩給と
国民年金の
調整は責任を持ってやると言明をせられたのであります。岸総理の答弁が、真に一国の総理としての答弁であり、
国民に信頼される答弁であるとするならば、この機会に、恩給
制度と
国民年金制度との
調整をいかにするかを
国民の前に明らかにしていただきたいと存じます。
さらに、佐藤大蔵大臣にお尋ねをいたします。御存じのように、
昭和三十六年には日本の皆保険政策が完了をいたします。皆保険のために政府の
負担をしなければならない額は、すでにわれわれの社会労働委員会を通じて大蔵当局が言明をしたごとく、約四百億円の
国庫支出が必要でございます。さらに、三十六年には、今申しましたごとく、恩給、特に軍人恩給がピークに達し、軍人恩給だけで千三百億に達します。さらに、木
国民年金が、三十六年四月から
拠出制が開始せられます。しかりとするならば、その
財政負担は、四百億ないし四百五十億、少く見積っても、このくらいになるのでございます。これら三つのものの総計だけでもすでに二千百五十億、二千億をこえる金が要るのでございます。皆さん、
昭和三十四年度予算書をひもといて見て下さい。三十四年度における、恩給も加えた広義の社会
保障費は、二千七百億円でございます。過去の日本の社会
保障の歴史を見てみても、一カ年間に予算の増額した額は、最高が百億
程度でございました。今回、
昭和三十四年度においては、
国民年金に百十億の予算を組んだために、画期的な二百億の増加になったのでございます。しかるに、
昭和三十六年の広義の社会
保障費の総額を見てみますと、どんなに少く見積っても三千五百億かかるのでございます。
昭和三十四年度に比較して七百億ないし八百億の歳出増、
国庫負担増となることは、火を見るより明らかです。佐藤大蔵大臣、一カ年間に四百億だけ社会
保障費を、三十五年、三十六年と増加するだけの腹がまえをこの際持っておるかどうかを、私は明らかにしておいていただきたいと思うのでございます。
なぜ私がこういう質問をあえてここに申すかというと、前厚生大臣橋木龍伍氏が、先般、東北の旅行先で、防衛費を削ってでも
国民年金制度を実施する必要があるという談話を発表いたしました。帰るとともに、前防衛庁長官左藤氏からかみつかれたことは、すでに新聞が報じておる
通りでございます。現在の日本においては、減税か
国民年金かが議題となっておりますが、やがて、三十六年以降における日本の財政においては、減税か
国民年金かではなくして、バターか大砲かが大きく日本の政治をゆさぶる問題となることは、火を見るより明らかであると申さなければなりません。(
拍手)
さて今や、
国民生活は大きな断層を作って、窮乏化しつつあります。厚生自書は、低
所得階層の増大傾向を、
国民生活の前途に立ちふさがる、黒々とした鉄の壁だと称しております。この鉄の壁を打ち破る計画と熱情を持たねぱならぬと思うのでございます。われわれがこの熱情を持たなければ、断じてこの
年金は実施することができません。佐藤大蔵大臣は、これらの財政
状態を勘案し、真に三十六年度から
拠出制の
年金制度を漸進的な形において推進する意思があるかどうかを私はお尋ねいたします。
最後に、簡単に、
年金の事務機構について特にお尋ねをいたしておきます。今回、
年金の事務機構は、厚生省の
年金局、都道府県の
年金課、そして
社会保険出張所、さらに市町村と、こういう工合になっております。しかも、別にその
年金の支払い事務は郵便局が行うことになっておるのでございまするが、予算額を見てみると、末端の市町村においては、現在三千九百四
程度の市町村がありますが、一億五千五百万円の予算です。一市町村当り五万円を割る
状態です。自治庁長官は、一体、このような貧弱な財政で、責任を持って
年金の事務を遂行ができるか、
保険料の徴収が可能かどうか、この機会に、自治庁当局の立場として明白にしておいていただきたいと存じます。
さらに、郵政大臣についてでございます。郵政大臣は御存じの
通り、現在、郵便局は一万五千九百二十三局あります。この郵便局に与えられる金は七千五百万円でございます。一郵便局当り五千円を割るという
状態です。これで、政府支払い事務が、あの多忙な郵政事務の間で順当に遂行できるかどう炉、この機会に明白にしておいていだきたいと存じます。これをもって私の政府
提案の
国民年並
制度に対する質問を終りたいと存じます。岸
内閣は、社会
保障の体系化と、事務の簡素化と、そして経費のむだを省いて、
国民的な福祉のための平金
制度を遂行するために一切の情熱をささげることを特に
要望いたして私の質問を終りたいと存じます。(
拍手)
[
国務大臣岸信介君
登壇〕