○堂森芳夫君 私は、
日本社会党を
代表いたしまして
岸総理並びに各閣僚の
演説に関連し、若干の質問を行わんとするものであります。
〔
議長退席、副
議長着席〕
岸総理は、一昨日の施政
演説で、「社会福祉国家の建設こそ
民主政治に課せられた使命である」と言っておるのであります。しかるに、
政府の提案して参りましたる予算案を詳細に検討しますると、全く独占資本にのみ奉仕し、低額所得者に対してはきわめて冷淡でありまして、よくも、おくめんもなく社会福祉国家の建設などと言えたものだと、ただその厚顔さにあきれざるを得ないのであります。(
拍手)
福祉国家の建設とは、まず、貧困の解消が先決条件でなければなりません。しかるに、
わが国の貧困問題の実態はどのようなものでありましょう。
昭和二十七年ごろを境として貧富の格差が激しくなり始め、貧困階層の固定、沈澱はまことに切迫した様相を呈しておるのであります。そうして生活保護法による被保護者と同じか、あるいはそれ以下の水準に属する低消費水準世帯の数は、
昭和三十一年四月一日において二百六万世帯、一千百十三万人でありまして、実に、
わが国の総人口の約一一一・四%に当
つておるのであります。貧困世帯のおもなる比重は、不完全就業の反映としての、あるいは就業能力喪失によりましての低所得で占められておるのであります。従って、その対策は、
最低賃金制を含む完全雇用と社会保障の達成以外にはあり得ないことが明らかであると申さねばなりません。しかるに、
政府の言う
最低賃金制とは、低
賃金を
合理化せんとする業者間の協定であり、また、予算案を見ましても、ごまかし年金制の創設を除きましては、社会保障費はすべて横ばいであります。これで、
総理は、まじめに福祉国家の建設ができるものと思っておられるのであるか、まずお伺いいたしたいのであります。(
拍手)
昨年五月の総選挙における
自民党の公約の一つとして
国民年金の創設があったのであります。しかるに、
政府提案の予算案を見ますると、その適用範囲はきわめて厳重にして過酷なる規制を行い、しかも、本年十一月より初めて無拠出年金だけを実施しようといたしておるのであります。これは全く羊頭を掲げて狗腐を売るものと断定してはばからないのであります。これで公約違反と思っておらぬのかどうか、
総理、大蔵大臣、厚生大臣にお伺いをいたしたいのであります。
ことに、看過し得ないことは、
国民年金は単に形だけを整えた程度でお茶を濁しておきながら、他の社会保障
関係費はほとんど横ばいで、
極貧層への配慮が、はでな
国民年金のかけ声で押し流されていることであります。それに、
国民年金の発足をきつかけに社会保険料の調整が行われまして、全く労働階級に対しては大きな負担の増加がきております。全く欺騰
政策といわねばならぬと思うのでありますが、いかようにお考えでありましようか。(
拍手)
また、去る二十二日開かれました社会保障制度審
議会の総会は、「
政府のような構想では、社会保険ではありながら、むしろ任意保険に近い考え方が随所に現われている。このため、社会保障の精神が大幅に後退し、防貧というよりは救貧的色彩が強い。その結果、
国民年金制度を最も必要としておる階層がこの制度から締め出されるおそれが多い」と指摘しておるのであります。全くその通りでありまして
政府の所見を伺いたいのであります。
次に、
国民皆保険についてお尋ねをいたします。
政府は、「
昭和三十五年度までに、全
国民を対象として、国保未加入者をして国保に加入せしめる」と言っておるのであります。しかるに、
行政管理庁が、昨年一月から四月まで行政監察を行いました。そうしますると、初年度における普及計画の達成率はわずか五二%程度であ
つてきわめて悪く、四カ年の達成は困難であると言っておるのであります。三十三年三月末の調査によりますと、医療保険の適用を受けておる者の数はおよそ七千万人弱でありまして、その総人口に対する普及率は七四・六%となっております。しこうしてなお全
国民の四分の一、約二千三百万人の未適用人口の解消が、これからの問題であるといわなければなりません。昨年の暮れ
国会を通過いたしました新
国民健康保険法に対しましては、本院において与野党一致で附帯決議がつけられておるのであります。これらの附帯決議が実行されてこそ、国保が真に全
国民に拡大して参る道であるのであります。しかるに、
政府は、来年度予算においては何ら顧慮しておらず、計画通りに果してこれで
国民皆保険の実現の自信がありやいなやを伺いたいのであります。
さらに、いまだ社会保険の対象となっておりません五人未満の事業所に働く
労働者の諸君を健保に加入させるべきであり、また、日雇い健保に当然含まるべき山林及び漁業
労働者にまで広げて給付を改善すべきだと思いますが、大蔵大臣、厚生大臣はいかに考えておられるのか、お尋ねをするのであります。
また、今日の
日本の医療保障制度というものを見ますると、各種保険が、群雄割拠の形で、それぞれの歴史的伝統を持って並立いたしておるのであります。さらに、これを受け入れる側である医療機関等を見まするならば、全く混乱の姿を呈しております。また、これらに支払われる診療報酬につきましてもばらばらであり、全く医療担当者を困惑させておるのであります。このように、どれを見ましても、
日本の医療保障には一貫した体系がありません。
政府が社会保障の充実をはからんとするならば、まず、制度の統合、一元化にメスを入れ、さらに、医療機関の体系的整備を行い、同時に、診療報酬の一本化を断行することが目下の急務であると思うのでありますが、
政府の具体的
方針について、
総理並びに厚生大臣にお尋ねいたしたいのであります。
次に、医療保険の円満なる運営のためには、医療担当者の心からの協力がなければ不可能であることは当然であります。しかるに、医療保険の療養担当者に対する適切なる指導監督と診療報酬額を審議することを目的とする中央社会保険医療協
議会の現状はどうでありましようか。このような醜状を呈するのは、全く
政府の重大なる責任と申さねばなりません。明快なる御
答弁をお願いするものであります。
次に、生活保護について伺いたいのであります。厚生省の調査によりますれば、一般勤労者と生活保護を必要とする階層との格差は、
昭和二十六年には一〇〇対三四であったのであります。一昨年、三十二年度では、一〇〇対二五に落ちておるのであります。つまり、生活保護者の生活はますます困窮し、何らかの緊急なる対策が必要となっておるのであります。厚生大臣は、これら保護世帯に支給する保護費の基準額を来年度は約七・五%引き上げようという意向で、猛烈なる予算の要求をいたしました。しかるに、決定いたしました予算案を見ますると、わずかにその基準は三・一%引き上げにとどまり、しかも、対象人員は本年よりも一万数千人減らしておるのであります。来年度は雇用の増大は見込まれません。しかも、物価は、一昨年四月の基準改訂と比較いたしますると、昨年末までに三%も上昇をいたしております。かりに、基準を三・一%引き上げたといたしましても、生活保護者はエンゲル係数が六円と相なるのであります。このような姿で、一体低額所得者は人間としての生活ができると思っておられるのか、伺いたいのであります。(
拍手)
次に、結核対策についてお尋ねをいたします。厚生省は、最近、結核実態調査なるものを発表いたしました。すなわち、医師の治療を必要とする患者は全国で三百余万人で、二十八年度の調査と比較してごうも減
つておらないといっておるのであります。また、三十二年度の厚生省の調査によりますると、生活保護世帯には一般世帯の十倍をこえる結核が集積しておるとも言っておるのであります。このように、結核対策とは、ある意味では貧困対策と申さねばなりません。従ってその対策は、予防、治療、後保護に至る一貫した対策を確立し、特に、治療費は全額国庫負担の原則をもって推進いたさねばなりません。しかるに、
政府の予算案を見ておりますると、本年よりも結核対策費はわずかに増と相なっておりまするが、これで結核の撲滅が期せられると本気で思っておるのか承わりたいのであります。年々の結核全治療費は実に大群数十億をこえるといわれておるのであります。結核による
国民的消耗の莫大なるに驚かざるを得ないのであります。不満ではあるが、厚生省が当初要求いたしました、せめて三十数億程度を濃厚感染源隔離に対し投ずるならば、結核の激減は火を見るよりも明らかであります。
政府に猛省を促すものであります。
次に、
失業対策について伺います。去る八日
政府が発表いたしました労働力調査
報告によりますると、昨年の十一月の労働力人口は、十月に比べて七十二万人減少しておると言っておるのであります。一方、完全失業者は四十九万人で、前月とは変
つていないが、一昨年、三十二年十一月の水準より六万人ふえたと言っておるのであります。すなわち、失業者の数は昨年よりも増加の傾向をとるものと考えなければなりません。その意味で、わが党は、少くとも、
失業対策事業における一日平均吸収延べ人員は増加し、かつ、生活最低保障の見地に立ち、日給ベースの増額と、稼働日数月平均二十五日分、期末手当二十五日分の支給を確保すべきであると考えているのであります。しかるに、
政府案によれば、吸収人員を二十五万人と、本年度と同じにいたしました。就労日数は、大蔵省原案の月二十一日を、わずか半日ふやしておるのであります。全く失業者に対して冷酷きわまるものといわねばなりません。(
拍手)しかも、失業保険に対しまして、国庫負担率を三分の一から四分の一に切り下げる
方針で予算を計上いたしておりますが、まことに、
政府の
態度は、
労働者に対しては冷酷と申さねばなりません。これらの点につきまして、
労働大臣の明確なる御
答弁をお願いしたいのであります。
以上、私は、社会保障の重要な問題について具体的に質問を試みましたが、さらに、社会保障の本質的な問題について
総理にお尋ねをいたしたいのであります。
国民年金は、本年からともかくも発・足する予定であります。これは、もちろん、形からいえば、社会保障の飛躍的な前進と申して差しつかえありません。年金と医療保障との二つがそろって社会保障は一本立ちといえるからであります。しかし、制度の形だけができただけで社会保障の全容が整つたというような錯覚に陥
つてはならないのであります。医療保障としての国保にいたしましても、生まれんとする
国民年金にいたしましても、ただ形だけのものであると断言して誤まりではありません。社会保障の充実とは、財政的裏づけを与えることであります。
総理は、祖国の安全のためにアメリカと結び、汚職につながるジェット戦闘機の買い入れに狂奔し、巨額な
国民の血税を浪費されんといたしておるのであります。これは、祖国防衛どころか、アメリカの死の商人のふところを肥やすのみであります。私は、社会保障の充実こそ祖国を守る唯一の道であると、かたく信ずるものでありまするが、
総理の率直なる
答弁をお願いしたいのであります。
次に、
中小企業について二、三の質問をいたさんとするものであります。
従来、
岸内閣は、
国会ごとに、
中小企業国会と公言しまして、その本質を隠蔽して参つたのでありまするが、去る臨時
国会に独禁法の改悪案を提案して以来、今
国会におきましても、
中小企業問題についてはほとんどこれを顧みず、もつぱら独占大企業の代弁者たる
態度を露骨に示してきたのであります。そこで、まず
岸総理並びに
経済企画庁長官にお尋ねいたしたいのであります。
政府は、さきに、世論のほうはいと起りました
反対にもかかわらず、独禁法の改悪案を臨時
国会に提案して参りました。独禁法の改悪が、いかに全国の
中小企業者や農民や一般消費者の間に
反対の声が強いかは、すでに
政府みずからもよく了承されるところでありましょう。幸か不幸か、警職法の唐突なる提案によりまして、ついに廃案となつたのであります。私は、党の立場からも、また、全国の農民や
中小企業者や一般消費者の声を
代表し、今
国会にも、いな、今後かかる改悪案を絶対提案しないと約束いたしてもらいたいのでありまするが、明快に御
答弁を願いたいのであります。(
拍手)
次に、
中小企業と大企業との
関係について、この際何らかの調整を行うことが必要であるが、
政府はいかなる対策を持っておるかという点であります。今日、大企業が、従来
中小企業の生産分野とみなされておりました産業分野へ進出し、
中小企業者の経営を圧迫し、生産秩序の混乱を招来している事例が多々現われておるのであります。かかる事態を放置するならば、大資本の重圧のもと、やがて
中小企業は存立し得なくなることは必然であります。このことは、単に
中小企業問題であるばかりではなく、憂うべき社会問題であるのであります。
政府は、これに対していかなる対策を講ぜんといたしておるのか。わが党は、かかる資本主義
経済下における弱肉強食的野蛮性に対しては、この際、これを適当に制御することは必要にして欠くべからざるものと思うのでありまして、
中小企業の産業分野の確保に関する法律及び商業調整法等、一連の諸法案を提案しておるのであります。しかるに、
政府は何らの根本的対策を持っていないではありませんか。
総理の
答弁を要求するものであります。
次に、通産相及び大蔵大臣に伺いたいのであります。
通産大臣は、常に、通産省は
中小企業省でなければならぬと言っておられますが、その通りであります。
政府は、来年度の
経済成長率は五・五%と予想し、貿易は三十億ドルと見ておるのでありますが、輸出製品の六割、あるいは下請を入れますと八割までを
中小企業がかせいでおるのでありまするから、輸出振興の成否は、かかって
中小企業対策にありと申しても過言ではありません。しかるに、来年度予算では、
中小企業対策費があまりにも少額であることには一驚を喫するものであります。
中小企業対策費は、通産省
関係分だけで見ますると、二十一億何がしかとなっております。そのおもなものは、過剰織機買い上げの補助金七億円と、設備近代化補助金の十億円などであります。設備近代化こそは、
中小企業の販路拡張にと
つて不可欠の要件であります。当初、通産省は、このために四十億を要求いたしましたが、結果は四分の一の十億となりました。今日、
中小企業近代化のためには少くとも六百億の資本を要するといわれておりまするが、これで貿易の振興など可能なりと考えておるのか、私は伺いたいのであります。
次に伺いたいことは、
中小企業への金融の問題であります。来年度は、
中小企業金融機関に対しまして五百六十七億の財政投融資を決定しておりますが、本年度とは大差ないのでありまして、
中小企業の金融事情は、こうも緩和されないのであります。たとえば
中小企業金融公庫においては、年々、申し込みに対し、およそ三割程度の貸付をようやく行なっておる程度であります。また、
政府融資は、来年度二百七十五億に対し、返済金は実に百六十六億に上り、その内容は、いかに資金が枯渇しておるかを証明するものであります。しかるに、巨大資本を目標といたしました輸出入銀行では、実に二百八十億の増と相なっております。実に本年度分の四倍を上回り、開発銀行では百二十五億円の増と相なっておるのであります。まことに独占資本の代弁者たる性格を如実に示すものと申さねばならぬのであります。(
拍手)そこで、これら
金融機関が強く要望しておりまする
政府出資を大幅に行い、また、
日本銀行からの借り入れを可能ならしめるような立法措置が必要であると考えるが、いかがでありますか。
また、
日本経済が三重構造といわれております特殊事情から申しましても、
日本経済が
中小企業に負うところきわめて大である点から申しましても、その育成強化のために、長期にして低利な金融が不可欠であると申さねばなりません。そこで、金利引き下げのために一般会計から利子補給を行うべきであると思うが、いかがでありますか。今こそ英断をもちまして実現すべきときであります。なるほど、来年度から、
中小企業の
金融機関は、それぞれ年三厘の金利引き下げを実行すると言っておりまするが、公定歩合引き下げへの世界情勢から申しましても、上述の理由から申しましても、さらに金利引き下げが必要と思うが、大蔵大臣、通産大臣の見解をあわせて伺いたいのであります。
次に、今回の税制改革について、あの非難ごうごうたる租税特別措置法の大部分のものが存続されていることについて質問をいたします。わが党は、これら一連の特別措置法を大幅に整理して、租税の公平と簡素化をはかり、廃止あるいは整理によって、優に平年度六百五十億の財源を得るものと見ておるのであります。しかるに、
政府は、きわめて小範囲の改正にとどめ、平年度百二十億程度の増収にとどめておるのであります。何がゆえに、
政府は、このように大資本のみについて特別措置が必要であるのかを、お伺いいたしたいのであります。(
拍手)
次に、零細企業者対策について伺います。その数はきわめて多く、態様の複雑性等により、とかく効果的な施策の対象とならなかったのが零細企業者であります。しかも、現下の
経済情勢においては、大企業と
中小企業との格差の拡大傾向とともに、
中小企業内部においても、その地位はますます困難の度を加えつつありますので、
経済的にも、社会的にも、これらの零細業者の維持安定をはかることは緊急のことといわねばなりません。さきに議決されました
中小企業等協同組合法の一部改正によりまして、これら零細業者の組織である小組合に対し、税制上、金融上の特別措置を講じなければならないと規定しているのであります。しかるに、今日、これらの人々は、金融上、税制上の恩典なく、その組織化はきわめて遅々として進まないのであります。
政府は、零細企業者に対して一日も早く具体的対策を講ずべきであると思いますが、その構想はいかなるものでありましようか、お伺いをいたすものであります。
次に、私は、斜陽産業なりといわれておりまする繊維産業について質問をいたすものであります。
昨年の十月初めの臨時
国会において、私の質問に対し、高碕通産大臣は、「従来の合成繊維偏重を改める。天然繊維との調整、
合理化をはかるために繊維行政を再検討したい。そのために繊維産業総合対策懇談会を十月末に発足させ、基本
方針の検討を開始する」と
答弁しておるのであります。繊維産業といえば、明治、大正、
昭和と三代にわたり、外貨をかせぐ第一位の産業として、
わが国の発展に大きい貢献をして参つた産業であります。今日、人絹糸工場の五割を初めとして、きわめて長期の、大がかりな操短を続けておるのであります。これは、単に
経済問題であるばかりでなく、大きな社会問題とも相なっております。また、繊維産業は、巨大独占企業による原糸のメーカーから、第二次、第三次の零細なる
中小企業が織布部門その他を受け持っておるのでありまして、繊維産業の将来は、特に
中小企業の倒産、
労働者の失業と連なる問題でありまして、すでに大きな社会問題と相なっておるのであります。一日といえども看過することができぬ産業であります。このような現状に対しまして、
政府はいかなる対策を持っておられるのか、詳細に承わりたいのであります。また、懇談会の結論はいかようなものになつたのか、お伺いしたいのであります。
最後に、私は、
岸総理にお尋ねをいたします。これは
政策の問題ではございません。事、
日本の
議会政治の運命に関する問題でありまするので、謙虚なお気持で御
答弁を願いたいのであります。
あなたを
国民は金権
政治の権化と思っておることは疑いのないことであることを、肝に銘じなければならぬのであります。(
拍手)あなたは、一昨日の
鈴木委員長の質問に対する
答弁においても、この件については一言も触れておられないのであります。あなたは触れるのがいやでありましょうが、一国の
総理として、
自民党の総裁として、この壇上から
国民に答える義務があると私は思うのであります。あなたは近く
総理の地位から去らねばならないのではないかと思うのであります。(
拍手)あなたは、昨年の選挙の直後、永久政権などと申されましたが、すでに今日では人心が去
つておることを知らねばなりません。最近の某新聞の世論調査によりましても、岸政権への信頼がとみに激減しておるといっておるのであります。一昨年の
自民党総裁の選挙には多額の黄金がばらまかれたと、アメリカの新聞にさえ報道されました。また、警職法の提案で混乱に陥りました、さきの臨時
国会の当時、あなたの党のある代議士は、あなたが議員の買収をはかったと言っておるのであります。(
拍手)また、つい先日の総裁選挙でも、松村さんは、「金権
政治から金のかからぬ
政治にするために立候補した」と言っておるのであります。これに対し、あなたは、あるいは、それは反主流派の言うことだと答えられるかもしれませんが、あなたの片腕である川島前幹事長は何と言つたでありましようか。「総裁選挙が三月まで延びると不潔な現象が起る」と言っておるのであります。(
拍手)これは、
反対派の宣伝だといって、簡単に私は否定できないと思うのであります。また、警職法の審議で
国会が混乱いたしました当時、あなたの党のある代議士は、代議士会で、「あなたは警察権力を握らないと
政治がやりにくいと言つた」と暴露をいたしておるのであります。(
拍手)あなたがいかに強く否定されましても、
国民は、あなたが金権
政治家だとの強い印象を持っておるのであります。この壇上から、
国民に対し、このような印象を与えておることに対し、どのようにお考えになっておるのか、率直な
答弁をお願いするものであります。
以上をもって私の質問を終ります。(
拍手)
〔
国務大臣岸信介君登壇〕