○高橋(禎)委員 ちょっと関連して。――この問題は
新聞の記事、それから先ほど来の両委員の質疑応答等を承わっておりますと、何か
関係の
神父が帰国したということは、この
事件の上からいけば長蛇を逸したという感じを抱かせるのであります。もとより
犯罪捜査はむずかしいことですし、またいろいろ偶然の
事情も出て参りますので、一がいに断定はできないのですが、しかし、
関係が
外国人であり、しかもそれが国外に出たということによってもう
事件が解決がつかない、そしてそれがこのまま終るというようなことではこれは
被害者の遺族の
方々の感情、それから
日本国民全体の
国民感情、それにまた将来の
外国人犯罪の取締りについての悪影響、そういったことをいろいろ考えますと、この段階でさじを投げてどうにもならないなんというようなことにしては大
へんだと思うのでありますから、今後
警察官並びに検察庁方面と十分
連絡をとって、これが解決をするように最善の
努力を払っていただきたいということを、まず希望いたしておきます。
そこでお尋ねをいたしたいのは、先ほど来質疑応答を聞いておりますと、この点はどうかなという疑問が起るのです。というのは、
外国人であるためにあまりにも大事をとり過ぎるといいますか、
捜査のやり方が不十分、不徹底であったのじゃないか、こういう感じを持つわけです。そこで、そういう場合には、どうしても
警察官は検事とよく
連絡をとって、そうして衆知を集めていくべきでありて、その一方が独走しておるというようなことになりますと、今日のような事態になると、
国民は非常な疑惑を持つ。
捜査が下手であったのじゃないかなという
疑いを持つわけです。
本件においては、当初から
警察当局は検察庁と十分な打ち合せ、協議、
連絡等をなさって出発されたものであるかどうか、その点をお伺いいたしたい。やはり渉外的な
事件ですから、これはほんとうに
関係者は衆知を集めなければならないのです。特に
捜査をやっておる段階において、
外国に出ていきはしないか、
出国するようなことがないかということもよく念頭に置いてやらなければならぬ。
本件の場合は、それは一体どう考えられておったか、非常に疑問なんですね。ただ
外国人なるがゆえに非常に手心を加え、不徹底なやり方をしていく、それだけに終ったのじゃないかという疑問なんです。少くとも
捜査の対象となる、
本件でいえばその
神父の
取調べを始めると、これが帰国するようなことはなかろうかということも、やはり考えてかからなければならぬ。ところが、そういうことになりますと、
出入国関係の人とか、その他外務省の方とか、いろいろの対外的な問題解決に
関係を持っておる人たちと相談もし、
協力を求めて、そうして手段を決定してやらなければならぬと思う。ただ漫然とやっておると、こういうふうに帰国してしまうと、どうにも手のつけようがない、こういうことになる。
本件はそういうことじゃなかったかと、私としましては疑われるのです。
国民全体としても、やっぱりそういう疑問があるのじゃないかと思うのです。だから、第一には、検察当局と当初から協議されたかどうかということ、第二には、これは
外国人であって、
出国するようなことがあったら
捜査はもう不成功に終ってしまうのだから、万全の
措置を講じてかからなければならぬ、いつ
出国するかもしれぬということを念頭に置いて
捜査をされておったものかどうかということ――ただあなたの御答弁といいますか、お考えだけでなくして、実際こういうふうな協議をし、そうしてこういうふうな
方法でもって、
出国するようなことがあっては大
へんだからというので、いろいろ
措置を講じておったのだということを、
一つ実証していただきたいと思うのです。