○辻原
委員 念のためその点をお聞きいたしましたので、私も配っていないと思います。なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、この
法案を
審議するについて、たとえば第一の大学院の問題、第二の短期大学の問題等は、これだけでは
審議のしょうがないのです。通例の
法律案でありますると、
法律のロジックについていろいろ質問をします。しかしこれは所要の、これらの大学を設置するのが是が非かという
審議をわれわれはしなければならない。これは従来も私は感じておったのでありますが、毎年次この設置法の
改正によって大学が新しく設置されます。しかしいずれの場合もそれについて、たとえばこの設置すべき
予定の大学院はどういうような規模で、どういうような
予算で、どういうような
編成をもってやるかということの資料の配付がないのであります。短期大学もその通り。それでは私は真剣な
審議が行われないと思う。そういうことの資料は、これは
委員会から要求があるまでもなく、
文部省が提示して、少くとも一見してその大学の構想がさだかに
委員にわかるようにするのが、
文部省の親切なあり方だと思うのです。これは今までかなり
審議して参りまして、私どももそのままきたのでありまするが、この機会にこれは
文部省に苦言を申し上げておきたいと思います。これくらいの資料はないとほんとうの
審議はできません。ここにある大学院なり国立短期大学はどういうものか全然わからないのです。それは質問すればいいじゃないかというのですけれども、時間等の
関係で、むしろそれよりも大したものでありませんから、資料を配付した方が、
審議にも好都合だと思うし、正確な
審議が行われるであろう、かように
考えますので、その点を
委員長にも
文部省にも要望をしておきます。
これに
関連をいたしまして第一に私が承わっておきたいのは、国立
学校の設置等に伴う
運営費あるいは施設、こういうものについての
予算の
関連でありますが、一般的な
予算についての御
説明をいただきました。その中でなお私どもも後刻質問も行いたいと思いますが、幸い本日は提示されておりますので、
一つだけ伺っておきたいと思います。それは国立
学校、
運営費全体を通じて
予算上約四十六億、約五十億円の増加を見積っております。この中で
説明を見ますると、これも大した
説明じゃありませんが、教官研究費にだけ
説明をされておりますから、それについて聞きますが、まずその教官研究費について、支給の
範囲はどうなっておるか。額、率はそれぞれ
説明にあるようにあげておりますが、支給の
範囲はどうか。これが
一つ。それから運用は具体的にどう行われておるか。これが第二。それからこれらの研究費は戦前と比較した場合に今年度の
予算措置のものと比べてどの程度のパーセンテージまで向上しているか。これは一応戦前の一般的にいわれる標準年次との比較においてどうなっておるかということを知りたい。それからもう
一つは、この
運営費全体の中で今も同僚
西村委員から指摘のありました管理職手当というものが入っておりますが、本年度は私少しく調べてみますと、これが
範囲を拡大せられておるようであります。その
範囲を拡大した分はどこどこであるのか、その
予算額は何ぼか、これを聞きたいと思います。
そこで若干それについて付言しておきますが、第一の、
範囲を伺いました私の
理由は、それは従来主として旧制の国立
学校の教官を中心にして教官研究費が出されておって、それを将来にわたって一般新制大学等にも拡大をしていこうという心組みがうかがわれるので、それが現在どの程度までいっているかということを知りたい。なぜかならば、科学
教育の振興、大学
教育の充実、こういうことを
考えた場合に、あ
まりにも日本のいわゆる科学者、その
範囲の中に含まれるいわゆる大学の教授、助教授あるいは研究所員、こういった人々の待遇が実質において低いのであります。それを改善し、十全の
教育活動なり研究活動を行なってもらうためには、やはり当面具体的問題としては、この教官、研究所員にたよらざるを得ない。そこで私は額を上げると同時に、すべからくこれが
範囲を拡大して、各大学において格差が起きないように
措置することが正しいのではないか、こういう意味でそのことを質問したのであります。運用はどうなっているかということの質問の
理由は、これは従来教官研究費と講座研究費と申しますか、そういうものを含めて研究費は、場合によると
学校のいわゆる営繕費といいますか、消耗品費、こういったものに化けることがしばしばあるようにわれわれは聞いておる。そうすることが大学の
運営にとって好都合な場へ言があり得ることも聞いておる。しかしそれは本来は私は正しくないと思う。それは結局他の面の
予算が少いために本来の目的のために研究費が使われていないということの証拠である。ですからそういう点を分明にする必要がある。大学
教育の充実、科学
教育振興の
立場から、足らざる点はこれを
予算上——
文部省はお金持で、先ほど
西村君からお話のありましたような、
教育長の給与もどんどん親切にお出しなさるそうでありますから、
一つこういう点についてもうんと重点を置いて支給する必要がある、そういう点から運用の点についても、従来混淆を来たしておる部分について
文部省はどうお
考えになるか、こういう点についても伺っておきたいと思います。とりあえずその点を付言いたしまして、四つの点について、言葉のロジックはけっこうですから、簡単にお答えをいただきたいと思います。