○江口
政府委員 お答えをいたします。昨日来
高知の方から連絡がございまして、ただいままでのところ私たちが知っている限りのことを申し上げます。ただし昨日の連絡とまた本日の連絡が多少食い違うようなこともございまするので、将来におきましてさらに詳しく事情がわかればまた何かの形で御連絡をいたしたい、こう思います。
まず第一点の警察が長らく放置をいたしておったという事柄でございまするが、仰せの通り七時ごろから
会議は始まっておりまするけれども、十二時までそれが続いたということになれば計算上五時間に相なります。しかしながら、
事件が起りましたのはわれわれの調べでは十時半ないし十時四十分ごろから二、三十分の間でございまして、十時五十分、少くも十一時前には、
事件というか、現場の
暴行は終っております。それで、警察官がそういうことのためにかけつけましたのは、十時三十五分に仁淀中学の中平という
教諭でございましたか、その先生から電話があって、こういうことがあるからというので、まず署におりました者をかき集めて——警部補が現場に行っておりまするけれども、これは御承知の通り佐川から仁淀までは三十キロでございますか、とにかく一時間以上を要するところで、すぐ出かけましたけれども、それは終ったあとに行っています。それから第二陣として参りましたのは、御承知のように夜になりますと全員が署におるわけではございませんので、非常招集をしてかき集めて人数を送るということで、これはその後相当おそくなっております。また同時に県本部に対する報告もございましたので、県本部からは刑事部長、警備課長を指揮者として現場に急行をいたしておりまするので、
事件が起ったあとの
処置というものは、時間的にそういうことになるのでございまして、非常におそかったというふうには考えられないのでございます。
しかしながら、それじゃそういうところにそういう部隊がいなくても、駐在所なり何なりあることでございますから、どういう
措置をとったかということを私きのうから現地に問い合せておりまするが、それに対する答えは次の通りでございます。
まず仁淀には駐在所がございまして、そこは駐在所ですから一人の勤務でございます。
事件がいろいろございまするので、隣村の駐在を応援にやって二人でその日はおったわけであります。この二人が、今
辻原委員のおっしゃったような時間、七時から十二時までということをとりますと、
会議の始まりましたあとにおきましては、何かありはしないかということで校庭まで行っております。校庭で、中を見ながら、何かが起ればすぐ
処置をしなければいかぬということで、見ておったのですが、まあ十時半まではこちらが手がけるような事案は起ってないので、十時近く、森から、その
小林委員長を囲んで座談会に出ておった父兄のうち、女の方が多いようでございますが、五人、もう帰りたい、帰るについては途中がどうも薄気味が悪いということで、おまわりさん送ってくれということを何とかいう先生から要請をされて、その仁淀から森の部落まで、飯尾という駐在の巡査でありますが、これが送って帰っております。そして駐在所に帰ったところが、十時半ごろないしは四十分ごろ電話があって、仁淀の
高等学校で騒ぎが起っているという電話が、やはり本署に連絡をされた中平という
教諭からかかってきて、そこの方に出向きかけて途中まで行った。ところが今度は森
小学校の方から、今、中内という宿直の
教諭が村民に乱暴されているから、すぐ帰ってきてくれということを、本人が出かけた直後に、今度は駐在所の細君が留守番をしているところに言ってきた。これは現実の問題だものですから、今度は仁淀に行く方を、方向を変えて森
小学校に行った。森
小学校でやはり中内という
教諭は乱暴を受けておったのですが、行ったときにはもう帰っていた。しかしながら念のために、また来るかもわからぬというので、そこで三十分ぐらい話をしながら警戒をしておった。こういうのでございます。そして、それが帰って来て本署の隊と合流して、十二時近くにその仁淀の
高等学校の現場にはおもむいておるのでございまして、その駐在巡査の行動か敏速を欠いたかどうかということや、あるいはそういう状態のときに数人を送っていくことにすることが適当であったかどうか、あるいはそういう人はどこかに保護をしておいて、やはり現場の警戒に当るべきであったかどうかというような事柄については、なお詳しく調べてみなければわからないと思いまするけれども、警察活動のその日における
概要は、現在までわれわれの知り得ている限りにおきましては以上でございます。
それから第二に、そういう時期に県教組の不法監禁
事件の捜索なり逮捕なりをやったのばどうかという御意見もございます。その点につきましては、私たちもまことに、その時期が合致したというか、時期がそうなったということについては、誤解を招くおそれもありまするし、また警察の仕事としても、そういう重要なことを二つまで抱えてやるということは、もちろんこちらも一つずつやるよりは迷惑といいますか、困難であることはわかっておりまするけれども、これはああいう
事件を予想せずに、もちろん予想のできる問題でもございませんので、捜査令状なり逮捕状なりはおとといの三時にとっておったというふうに聞いておりまするが、やはりそうなってくると、あれはあれ、これはこれというふうに、警察の仕事は政治性を考えずに、今のお話と全く逆に
事務的にやっていく方がやはり正しいという判断のもとに
高知の方はやった、こういうふうに御了承願いたい。
それからあれはあれ、これはこれと申しましたついでに、今度の
事件の捜査でございますが、これは先ほども申し上げたように、その晩すぐ本部からは刑事部長、警備課長が出向いております。と同時に昨日は本部長自身も森の方に出かけて、そうしてできる限りの刑事を集めて、そうして捜査本部を佐川に設け現在鋭意捜査中でございますから、被疑者の身元が割れ、そうしてやりました行為がはっきりする日も遠くない、こういうふうにわれわれ考えております。