○保岡委員 私は、二月十八日に、
日本の南西諸島方面で
生産されます
カンシャ糖、特に黒糖の問題について
質問をいたしたわけであったのでありますが、本日、
北海道等の
テンサイ糖の
振興について、特に
日本てん菜振興会法案が審議されておりますので、これに関連いたしまして、二、三御
質問申し上げたいと存ずる次第であります。
北海道の
テンサイ糖が
国内砂糖甘味資源の非常に大事なものであることは、もう申し上げるまでもないことでありまするし、昭和二十八年一月に
てん菜生産振興臨時措置法という
法律ができまして、
相当厚く保護せられて今日に至っておるし、さらにまた、今国会におきまして、
砂糖消費税法の改正により、
関税と
消費税とが振りかわるというようなことによって、その自立をさらに促進される、なおまた、
日本てん菜振興会等が今度新しく発足されまして、今後ますますその発展のために寄与せられるということになりましたことは、非常に機宜に適した問題でありまして、私ども大へんに喜んでおる次第でございます。ところが、一方、同じ
国内の
砂糖甘味資源のうち、サトウキビを
原料にすを
砂糖、すなわち
カンシャ糖につきましては、従来かような保護育成ということが行われていないという感じがするわけです。もちろん多少のことはこれまでもいろいろと手が打たれたと思いますけれども、こういうような画期的な国の
法律制度等によって十分な保護が講じられたということをあまり聞かないのであります。ただ、終戦後八年間、南西諸島、特に奄美群島はアメリカに占領せられておりまして、復帰したのが昭和二十八年の十二月でございますが、復帰後、
政府といたされましても、奄美群島復帰特別措置法に基いて、八年間の荒廃あるいは長い間の島嶼としての後進性というものを復興しようということで、
相当な国費を投じて努力して今日きておられるのでありますが、その復興
計画の中において黒糖なるもの
生産の増強等についてある
程度の配慮をしておるということは申し上げることができると思うのであります。そこで、このたび
政府におかれましては、特に
農林省におかれましては、
国内砂糖甘味資源というものをできるだけ自給自足する、将来十年後には百五十二万トンを大体国民の
甘味資源需要というふうに想定されまして、そのうち、七十七万トン
程度に
輸入を押えて、七十五万トン
程度は
国内で自給する、そのうちの四十万トンは
テンサイ糖で充てる、あとの二十万トンを
カンシャ糖に依存する、最後の十五万トンを結晶ブドー糖に依存する、こういう大きな
方針を樹立せられましたことは、私ども、産業
振興の上からいいましても、また
輸入防遏の上からいいましても、
政府の一大英断でありまして、まことに画期的な御
方針だと思うのでございます。従って、今後
政府といたされましてもこの
計画の達成のためにあらゆる努力を払っていかるべきであると思うのでございますか、今回提案されておりますところの
砂糖消費税の改廃の問題、あるいはまた、今申しましたように、
日本てんさい
振興会を設置されるというような問題等につきましては、その
計画を達成されるために必要な措置としておやりになったことであろうし、今後その成果も非常に大きく上る、かように思うのでございますが、そういうような
考え方で、南西諸島方面、奄美群島方面の、あるいは沖縄群島方面の
カンシャ糖の
振興ということについては、私、
政府として十分な御
計画をまだ立ててないんじゃないか、立ててないばかりじゃなしに、十分実情を把握しておられるかどうかということについても疑問を持たざるを得ないわけであります。
そこで、私がお伺いいたしたいことは、
北海道の
テンサイ糖あるいは今後
日本全体に
暖地ビートあるいは寒地
ビートを奨励しようということでそれぞれ大きな
計画を立てておられるわけでございますが、それと同じような意味におきまして、将来
カンシャ糖において二十万トンを想定しておるわけです。その想定のうち十四万トンを沖縄諸島に求める、六万トンを奄美大島、秘子島なりの鹿児島県下の島嶼に依存していくということでありますか、これだけの大きな
計画を遂行する。これは、一面から申すならば、それぞれの島々の住民の農業を非常に大きく
振興させることにもなりまして、その面からも非常に喜ぶべきでありますが、一面また
日本の
砂糖資源の拡充強化ということにも非常に寄与することであります。それについての今後の
増産計画と、そういう諸般の
計画をいかようにお立てになるかということについて、一応承わっておきたいと思います。