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高田委員 大蔵大臣にお伺いしたいのですが、今年度の
繭糸価格の異常な
変動、暴落につきましては、もう言うまでもないのですが、
業界はもとより、
農民としましても非常な動揺をして参りました。その問われわれは
農林大臣を通じまして
政府の意向をただして参ったのでありますが、いつも結局は
大蔵大臣、あなたのお
考えが那辺にあるやによって
決定されるかのごとく印象を受けまして、あなたの御出席を求めることすでに数回に及んでいるわけでありますけれ
ども、いつも御出席がなかったので非常に遺憾に思っておるわけでありますが、今度の
価格の
変動は、
一つには世界的な不況とか、いろいろ原因としては大きな原因があろうと思いますけれ
ども、しかしながら、私の見る目では、やはり
政府のこの事態に対処する態度が明確でないところにある。しかも、たまたま
大蔵大臣のごときは、
大蔵大臣の言明としてしばしばいろいろなことが伝えられた。この春は、例の百億をまず出そうというようなことで、さらに、世論がそれを承知しないで、二百億でなければ
てこ入れがきかない、こういう世論になってきて、結局百五十億ということになってきましたが、あの当時、その直前に伝えられましたことは、
大蔵大臣は、これは
新聞紙上にも出ておったのでありますが、今や絹
織物というようなもの、
生糸というものは時代おくれになったので不要であるというようなことを談話をされて、それが一般の
新聞に出ました。私が埼玉県の県庁の
蚕糸課に行きましたところ、
蚕糸課長がそれを出して見せて、こういうことだから困るのですよ、せっかく落ちつくべきところに落ちつきそうな気配が見えましても、
大臣がこういうことを言い出すからますます暴落に拍車をかけてしまう、何とか
高田さんが行って
大蔵大臣にこういうことを言わせないようにしてもらわなければ困る、こういうことを実は聞いておる。それから、今度は、ようやく
業界の世論も
農民の世論も高まって、百億ではだめだということになりまして、百五十億ということで春出したときには、何か、これ以外にはびた一文出せぬ、これが最後だ、あとは自由に
一つやってくれというようなことで、いわゆる手切金ということがこれまた世論になった。これは
大蔵大臣の手切金の言明ですよ。そういうことがあるから、せっかく金を出しましても、先物は依然上らなかったし、焼け石に水みたいに、すぐ七月の末ごろから暴落が始まった。始まったころになって、皆さんが、これは与党の附帯決議もあることだから、また法の建前として一カ年を通じて
繭糸価格を安定するということがはっきり書いてあることだから、何か手を打つだろう手を打つだろう、打ってくれと言っているときに、今度は
大蔵大臣は、これは結局
農民が悪いんだ、二割
調整に
協力しないで、
農民の責任だ、
農民が悪くてこうなったから、金はびた一文出せないというようなことが、これまた
新聞紙上に出た。こういうことで、私は、今度のこの
業界の
混乱については、
大蔵大臣の失言ですね、この責任はきわめて大きいと思うのです。まず第一に、その点について、
大蔵大臣のこれらの放言については相当責任があると思いますので、所信を承わりたいと思います。