○
高田小
委員 先ほどの御答弁の中で
一つだけ
関連して質問したいと思うのです。これは農地被買収者問題
調査会と
農林漁業基本問題調査会の二つの
法案についての質問に対する御答弁なんですが、
政府の方では
補償はしない、こういう方針は始終繰り返してお聞きしている
通りでございますので、その
通りと確信しておりますが、そういう結論を持っておりながら、一方には
調査会というものを作って、そうしていろいろ
議論をさせ、時間をかげながら、最後には
政府の
考えている
通りの方向へ持っていって、結局納得さして
補償はしないということに持っていくというのが、おそらく
政府の
考え方だと、ただいまの御答弁では思う。なぜそんな回り道をするのか、結局今問題になってわいわい騒いでいるから、
調査会の方で冷却の時間をかけて鎮静していく、こういう
意味で
調査会を作る、こういうことです。そうしますと私
ども、また
石田さんが伺っておりますのも、要するにここに出されている
農林漁業基本問題調査会というものは、何の目的で、何を
調査するために出したかということを明確に聞きたいので、いろいろ質問しているわけなんですが、ただいまの非常に御上手な御答弁でいきますと、私は
調査会の方も
基本問題の方も意図されていることがよくわかるような気がする。それは党内でもすでに自民党の方では、
基本法の問題をずいぶん熱心に御
研究になって、学者なんかの
意見を十分集められた
基本法というものについての、相当明快な結論を出されるところまで行かれたに相違ない。
先ほどの御答弁では……。そうしますと、もしそれをやるとなりますと、
財政の
方面では莫大な投融資、莫大な
予算を計上しない限りそれはできないにきまっているのです。だから明確です。
政府の方針は、
農林漁業関係に対してはどの程度の
財政をさき得る余地があるかということは、国全体の
予算から見まして、当然結論は出ている。それはすでにここ数年間の
予算の組み方を見て明白なんであって、これは
政府全体の、国政全体の見地から見ると、
農林漁業に対する
政府の力の入れ方というものははっきりしておると思うのです。だから一方には、党内にもそういう
政府の
考えている
ワクを打ち破らなければならぬような大問題を持ち上げてきたし、
農業団体でも
農業基本法を作れ、今にして根本問題に取り組まなければ、毎年々々
農業はジリ貧じゃないか。
農林大臣みずから言われる
通り、十年先には救うべからざる状態になってしまうのですから、事はきわめて重大なんですね。そこまで来ているために、世論は
承知しないのですよ。
政府みずからが抜本的に
農業に対して
考え方を変えてもらわなければしょうがない。それには国をあげてうんと
予算を、少くとも今までの国全体の
予算の二割なり三割を
農業の大転換と躍進のために使えという押え切れない声が出てきているのです。といって、これを真正面からやるということになると、
政府は大へんなことになる。何とかしてこの声を二年間くらいの間に鎮静させなければならないので、
政府の方針はきまっているけれ
ども、今これを押しつけるのはどうしてもまずい。だから、今
法案は出せないのです。
農業基本法というものを出したら大へんなことになってしまう。そのために
調査会というものを出して、何を
調査するのか、結果がどうなるかということについて自由に討論させるわけです。討論をさせるのだが、結論については、現状からあんまりはみ出すようなことは——ちょっぴりくらいはともかくとして、だめだという
ワクが当然かかっていると思う。ですから、この
基本問題
調査会というものがどうもはっきりしない。これは農地の被買収者の問題と同様に、世論に対するゼスチュアあるいは鎮静剤、時間かせぎ、選挙対策、こういう疑いを故意に持つわけじゃないが、自然に持たざるを得ないのです。今までの御答弁からしても……。ですから、はっきり言えばそういう何かごまかし的なことは非常にまずいのじゃないか。だから両方とも、
基本問題
調査会も被買収問題
調査会の方ももっと率直に
政府は——今までだって
農林大臣は一生懸命
日本の
農業の振興のためには全力をあげてやってこられているのですから、今さらあらためて
考え直して、これから心を入れかえて倍の
予算を組みましょうというわけにはいかないのですから、正直に、もっと具体的に、たとえば調べるならこういうことを調べる、こういうことをこの
委員会へ諮問するというようなことが明確に出て、諮問の結果によっては
財政措置もできるのだというところまで具体性のある出し方をしてもらわないと、この
法案が何のために出されたかということが再びわからなくなるのです。だから、
先ほどの被買収者問題に対するあなたの御答弁そのものも、旧地主さんが聞いたら非常に怒ると思うのです。全然僕らをばかにした
法案を出したということになる。この
法案についても同様です。そういう疑いを実際に受けますよ。持たざるを得ない。そういう疑いを持たれた場合に、あなた方はいいえ、そんなことはございません。もしここで結論が出れば、
農業関係はかりに今の倍くらいの
予算を組んでも農地の新たなる造成をやるとか、零細経営の解消のためにこれこれの手をもってやるとか、そういうようなことまで腹ができてやろうというならば、何を諮問するかということは言えるはずだと思うのです。ですから私はここで聞きたいのは、そういう
考えかどうかということと、もしそうでないというならば、この
調査会に具体的に何を諮問するのですか、具体的にどういうことをテーマとして出すか、具体的に、列挙的に、例示的に御説明を願いたい、こう思うのです。