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1959-02-13 第31回国会 衆議院 内閣委員会各省設置法改正案等審査小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月十三日(金曜日)     午後零時二十二分開議  出席小委員    小委員長 岡崎 英城君       平井 義一君    前田 正男君       石橋 政嗣君    受田 新吉君       木原津與志君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 寺尾  豊君  出席政府委員         検     事         (大臣官房司法         法制調査部長) 津田  實君         検     事         (矯正局長)  渡部 善信君         文部政務次官  高見 三郎君         文部事務官         (大臣官房総務         参事官)    齋藤  正君         農林政務次官  石坂  繁君         農林事務官         (大臣官房長) 齋藤  誠君         運輸政務次官  中馬 辰猪君         運輸事務官         (航空局長)  林   坦君         郵政政務次官  廣瀬 正雄君  小委員外出席者         議     員 石山 權作君         農林事務官         (大臣官房文書         課長)     和田 正明君         農林事務官         (林野庁林政部         長)      戸嶋 芳雄君         専  門  員 安倍 三郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第五二号)  文部省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第五五号)  農林省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第八九号)  運輸省設置法等の一部を改正する法律案内閣  提出第八六号)  郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第四三号)     —————————————
  2. 岡崎英城

    岡崎委員長 これより小委員会を開会いたします。  本日は郵政省文部省の各設置法改正案をまず取り上げ審議し、次いで法務省運輸省農林省の各設置法改正案審議いたしたいと存じます。それではまず郵政省について審議いたします。石橋君。
  3. 石橋政嗣

    石橋(政)小委員 それでは一、二点たけ質問しておきたいと思います。まず郵政省設置法関係ですけれども、今度の設置法改正主眼点一つは、省名を変えるということなんですが、一体なぜそうせつかくなじんだ郵政省という名前逓信省に変えなくちゃならないのか、理解に苦しむわけです。今もここで日本新聞協会というところから反対だという陳情がきているわけですが、どうしても逓信省に変えなくちやならない理由をまず最初に説明してもらいたいと思うわけです。
  4. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 その前にちょっとごあいさつをいたします。実はさきの国会電務局を含みまする郵政省名を改める設置法の一部改正案提出いたしました節にも、当委員会の各位からは非常な御理解と真摯な御審議を賜わつたのでありますが、この通常会になりまして、この電務局設置ということを、実はもう少し電波あるいは有線通信、こういったようなものを抜本的に一つ考える必要はないか。単に電務局を今作るだけでは、どうも恒久的な、これがよりりつぱな機構だということにはどうしても不十分であるからということで、一応電務局設置を中止いたしました。そのかわりというわけではありませんけれども、省といたしまして相当各般にわたりまする行政を行なっていかなければならぬ、こういう見解から見ましたときに、官房長がいまだ設置がないということにおきまするいろいろの不便等もございましてむしろこの際は官房長を置くということにいたしたい、こういう考え方を持ちまして今回の提案なつたわけでございます。私は各般行政関係その他現業等を持っております関係上、この設置法につきましては、主として廣瀬政務次官が御説明申し上げ、また御審議を賜わつたわけでありまして、その間きわめて当委員会に対する私の出席が悪く、この点まことに申しわけないと思っております。本日は実はそのおわびと、なお今後の御審議、また御協力をいただきますために出席をいたしたわけであります。どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。  ではただいまの御質疑に対してお答え申し上げます。これはしばしばお答えを申し上げておるところでありますが、昭和二十四年に郵政省、いわゆる逓信省というものが二分されたような格好になりまして、電波電気通信電電公社等所管が省からはずされまして、単に郵便、貯金及び簡易生命保険、この三事業をやる、所管とするということになつたことにおきまして、郵政省、こうなつたわけであります。その後またこれが郵政省所管になりまして、郵政省というのは郵便関係の省としてはふさわしい省名でありますけれども、これを電気通信事業も含め、電波関係をもあわせて所管とするということになりましたので、いわゆる郵便業務に加えて通信業務をもあわせ所管をする、こういうような観点から考えますると、逓信省改名をする方か適切ではないか。なお両院におきましても、委員会逓信委員会という名称にもなっておりますし、それから逓信省の逓の字が非常に問題にもなっております。これについては制限にはなつておりますけれども、当用漢字というものには入っておるわけでありまして、若干の御意見はあるかに聞いておりますけれども、省にとりましてふさわしい逓信省ということに改名をいたしていただきたい。同時にこれが省の改名によりまする特別の費用あるいは特に予算が相当額要るというようなことはほとんどございませんで、かつて使いました印判とかあるいはその他のものもこの際利用もできまするので、きわめて少額の経費でできるというわけであります。なお地方の局につきましては、すべて現状で進むということにもなりますので、いわゆる本省の省名逓信省に変える、かようなわけであります。
  5. 石橋政嗣

    石橋(政)小委員 私ども逓信省でも郵政省でも大してかまわないわけなのですが、なじんだ名前の方がいいのじゃないか。よほどの理由がなければ、わざわざ変える必要はないのじゃないか、かようなわけです。しかしこの点、一度本院の内閣委員会としては認めてやつた経緯もあるので、私はあまり強くは言いませんが、ただこれの名前とも関連して、今説明の中にもあった点で非常に危惧する点は、またこれを尖兵にして逓信省としておいて、あとでまた電務局は切り離して出そうという意思があるのじゃないか、この点だけは大いに懸念を持っているわけです。その点、するのかせぬのか、明確にしていただきたい。
  6. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 さような意思は全然ございません。将来これは検討いたしまして、私が申し上げたように、もはや有線のものと無線のものとを別々に取り扱うといってこれでいいかどうかというような点もありますので、将来の検討を要する問題として、ここではっきり電務局というものを取りやめたわけでありますから、ずっと先になればこれは私がここでこれを保証するというようなことはできませんが、少くも私の考えといたしましては、党といたしましても、当分電務局は作らない、こういうことを申し上げてはっきりいたしておきたいと思います。
  7. 岡崎英城

    岡崎委員長 寺尾大臣はちょっと公務がありますから………。
  8. 石橋政嗣

    石橋(政)小委員 次の問題点官房長ですが、これは文部省郵政省両方関係があるわけです。二十八国会でしたか、私たち小委員会を作つて審議した際も、官房長を新しく作ることは認めまいというので、修正削除した経緯があるわけですが、そういった院の意思が一度確定しておるにもかかわらず、なおまた今度出してきた、その必然性というものを、一つ納得いくように両方から説明してもらいたいと思います。
  9. 廣瀬正雄

    廣瀬政府委員 官房長新設につきましては、御指摘のように前々国会郵政省設置法の一部改正提案いたしましたときに、院の決定も、衆議院の方ははっきり官房長には否定的なようでありまして、そういうこともよくわかつておりますが、その後、できれば官房長新設をいたさずしてやつて参りたいということで、ずいぶんやつて参りましたけれども、どうしても郵政省といたしましては、御承知のように大臣官房に三部持っております。それから電気通信行政の担当のものといたしまして監理官が二人おるというような大きな世帯の官房であります。この官房の長がすわりまして、こうした部、監理官連絡調整をやる、また外部の折衝に当るというようなことも、どうしてもやむを得ないのではないかというようなことで、今回重ねてかような提案をいたしまして御承認を求めておるようなわけでございます。
  10. 高見三郎

    高見政府委員 第二十八国会におきまして御修正になりました院の御意思十分承知をいたしまして、重ねてお願いを申し上げるわけであります。行政事務総合調整という問題は、各省にわたって非常にむずかしい問題だと存じております。文部省におきましても、科学技術振興の問題が各局課にわたって非常に複雑な関連を持っておりますし、それから青少年の問題にいたしましても、学校教育の面と社会教育の面と非常に輻湊いたしております。これらの問題を総合調整をいたします必要と、それから文部省行政は対外的に各省との関連が相当多いのでありまして、これら渉外関係を一括して官房長の手によって処理させることがどうしても必要であるという観点から、押してお願いを申し上げておるわけであります。どうぞよろしくお願いいたします。
  11. 石橋政嗣

    石橋(政)小委員 今中央の省庁関係官房長のないところはどこどこか、おわかりですか。
  12. 高見三郎

    高見政府委員 私の知っております限りでは、文部省郵政省法務省、この三省だけだと存じます。
  13. 石橋政嗣

    石橋(政)小委員 私もそれは知ってはいるのです。あと三つしかないということを聞いている。お気持はわかるわけですが、ただ前に一度そういう院の意思が確定しているという点で、さらに検討してみたいと思っているわけです。  それから農林省関係ですが、やはり出先関係についても、できるだけ新しい役所を作ることはやめようじゃないかという基本線を実は前回の小委員会とつたわけです。今度名古屋農地事務局を新しく作るというわけですが、これを作らなくちやならない理由、この点を一つ説明していただきたいと思います。
  14. 和田正明

    和田説明員 御承知のように農地事務局は、終戦後非常な食糧不足の時代に、緊急食糧増産をいたしますための開墾とか、機械の利用とか、こういう仕事をいたしますこととあわせて、例の農地改革仕事を現地で処理いたしますために、全国六ヵ所に作つたわけであります。その際愛知、三重、岐阜三県が国営事業分担量が非常に多うございまして、京都農地事務局の管内に三県はなっておるのでありますが、非常に事業量が多いために、設置法建設事務所というものの設置が認められておりまして、名古屋で事実上独立事務として処理いたして参つた次第であります。その後も愛知用水公団とか、非常に事業量が増加いたしまして、名古屋事務所だけでは諸般の事務処理ができませんで、さらに京都にあります農地事務局の本局まで行かなければらちがあかないという事情なので、数年前から地元からいろいろ設置の希望もあり、また事業量の増大と事務処理の迅速を期します意味で、今回建設事務所農地事務局に昇格をいたしたいということで、御審議をいただくことにいたした次第であります。
  15. 平井義一

    平井委員 文部省設置法の一部を改正する件について、官房長を作るというのは悪いことではありませんが、これは文部省にないから作ろうじゃないか、そういうお気持で作られたのではたまらない。そういう子供のような話では困る。そこで、官房長会議とかなんとかに出て、今の課長ではつり合いがとれぬ、とかく押されぎみだという観点から、あるいは今の総務課長でも人物がおれば、統轄はできるわけだから……。今三つとか残つておらぬ。しからば法務省官房長を作るべきだと思うのだが、法務省はやらない、こういうのですが、どうしても作らなければならぬというのには、やはり理由がなければならぬ。ただ私の方はないから作るというような気持ですか、どうでしょうか。
  16. 高見三郎

    高見政府委員 これは平井委員お話の、ないから作る、これは各省間の折衝事務につきましては、今のお話のような面が多分にあるのであります。だから、私はそういう気持は毛頭持ちませんというようなことは申し上げません。確かにそういう一面もあるのでございます。ただ文部省官房で扱つております仕事というものは、実に私も驚いておるのでありまするが、たとえば人事課に例をとつてみましても、七十二の大学、五十幾つの付置研究所、ここにおりまするところの、人事管理をいたします関係の人員が六万名というような膨大な、ほとんど人事部を作らなければならぬほどの膨大な仕事を課がやつておるのであります。そうした点から申しますると、どうしてもやはり文教行政の円滑な推進をはかつていきまするためには、総合的な企画調整をやつていかなければならない。この必要が私どもにとつては、今お話しになりました観点よりはより重大なものとしてお願いを申し上げておるわけであります。その点は御了承いただきたいと思います。
  17. 平井義一

    平井委員 官房長にしなければ、今の課長では統轄ができない、今の総務課長にそれだけの仕事をさせればできるのであるし、また文教行政というものは地方教育委員会に非常に移つて、われわれしろうと考えでも、昔の文部省と今の文部省とは非常に違う。そこで官房長は作らぬというのがうるわしい姿であったと私は考えておる。それが、つり合いがとれぬから官房長を作つてくれと言われれば反対はしませんけれども、それなら、法務省の方もおられるが、つり合いがとれぬということになれば、法務省もこの際出したらいかがでしょうか。郵政省文部省法務省社会党にも御相談申し上げて、その三つとも置けば、もうあと、おれの方はないという心配はないと私は考えておるわけでありますが、今政務次官説明では、官房長が要る、ないからほしいのもあるが、大体仕事の上からいうと要る、それならわれわれとしても無理に反対するわけではありませんが、法務省の方がおれば見解を承わりたい、研修所を作るよりその方がいいですよ。
  18. 津田實

    津田政府委員 法務省におきましても、官房長が必要かどうかということは、すでに検討いたしたところでございますが、なるほど他省との折衝その他について、ある方がいい面もあるわけでございますけれども、いろいろな点で、また官房機構その他、省の機構簡素化ということも考えまして、ただいまのところは官房長必要性は認めておりません。さような次第でございますので、提案をいたしておらない次第でございます。
  19. 平井義一

    平井委員 それは非常にりつぱな答弁ですが、将来法務省は、来年あたりでも、官房長を作つてくれと言わぬようにしてもらいたい。  それから郵政省は、私は臨時国会で聞きましたから、もう質問は省きましょう。そこで運輸省の方に、政務次官がおいでになつたら質問したいが、運輸省設置法の一部を改正する件について、ジョンソン基地が返つてきたら施設をそのまま引き継いで、航空交通管制本部新設する、これはどういう仕事をするのですか。
  20. 林坦

    ○林(坦)政府委員 お答え申し上げます。現在空の交通整理ということは米軍に委任されて行われておりまして、それがアメリカ側との取りきめによりまして、日本側態勢が整いました場合には、これを逐次返還するという建前になっております。そしてすでに、航空分科委員会というのがございますが、それによりまして昭和三十四年の七月を期しまして、いわゆるジョンソンといわれております入間川の基地の中にございます航空交通管制センターを、日本側に返還する予定のもとに準備を進めておるのでございます。それが返つて参りました場合には、現在もうすでにそこにある程度の人間を送り込んで協力しながらやつておりますが、それがこちら側の責任において空の航主交通管制を行う態勢をとる。従ってそこに航空法による航空交通管制行政事務をとる場所を作らなければならない。その関係でそのセンターに今度航空交通管制本部というのを設ける段取りで、こういう改正案出したわけでございます。  そこでいたしますおもなる仕事は、飛行場飛行場との間をつなぎます航空路というのがございます。この航空路を通ります航空機につきましては、そのセンターにおいて航空路交通管制をいたしていく、従ってどの航空路をどの高さで飛ぶということをそこで許可を与える、こういうふうなやり方をして航空交通管制を行なっておるわけでございます。それぞれ飛行場等は、もちろん今度は飛行場方面管制区を設けておりますが、飛行場管制につきましては、それぞれの航空保安事務所が行なう、こういう建前になっております。
  21. 岡崎英城

    岡崎委員長 ちょっとこの際皆様に御報告いたします。この際委員質疑の都合上、先ほど郵政省より審議を始めると言いましたが、郵政省文部省法務省運輸省農林省の各案について御質疑があれば、一括して御質疑お願いいたします。
  22. 平井義一

    平井委員 その航空交通管制というのは、民間の航空ですか、自衛隊の使つているジェット機についてやるのですか。
  23. 林坦

    ○林(坦)政府委員 航空交通管制につきましては、全部の航空機についてでございます。従って自衛隊航空機はもちろん、米軍航空機といえども、みなそこの指示を受けつつ航行をする、こういう建前になっておるわけでございます。
  24. 平井義一

    平井委員 郵政省質問は、先ほど大臣答弁したのですが、電務局を引つ込めたと大臣は言っておりますが、私は、いずれこれは出さなければならぬ問題だと思う、電波と全部……。大臣は、私は近い将来には出さぬと言う。出さぬということではなく、今引つ込めたのですから、出したかったに違いない。それを引つ込めながら、出さないと寺尾大臣は言っておりますが、これは出さぬで済むものですか、出さなければならぬものでしょうか。ちょっと政務次官答弁を……。
  25. 廣瀬正雄

    廣瀬政府委員 ただいまの平井委員の御質問につきましては、先刻石橋委員からもお尋ねがありまして、寺尾郵政大臣から御答弁申した通りでございますが、御指摘のように、前回電務局という新しい局を設置したいということで提案したのでございますけれども考えてみますれば、電気通信行政は、有線無線を総合いたしまして、これを根本的に考え直さなくちやならないというような大きな問題がございます。その解決はなかなか早急には容易ではないと思いますので、先刻大臣がお答えいたしましたように、まあ少くとも私ども在任中はそういうようなことはできないのではないかと考えておりますけれども、しかし前回提案いたしましたときに、電務局を作ることが、あたかも日本電信電話公社監督を強化するというような誤解が一部にあったようでございますけれども、さようなことは毛頭考えておりません。ただ電気通信行政を担当いたしております郵政省の立場から、そういうようなことが必要でないかと考えておるだけでございます。電電公社監督法であります日本電信電話公社法には全然触れないで、設置法の問題として考えてきたのでありますけれども、不幸にしてさような誤解を生みました。しかしまた翻つて考えてみますならば、ただいま申し上げましたように電気通信有線無線を通じまして根本的に考え直す必要があるというようなことも考えましたものですから、出さないということにいたしておりますが、これは将来の問題として検討いたしたい、当分はさような必要はなかろう、かように考えておる次第であります。
  26. 平井義一

    平井委員 先国会出したものを引つ込めたのだから、社会党の方はみな覚えておるのですから、非常に審議の途上に困難を来たす。事務次官がおられるのですが、事務当局といたしまして、せつかく今研究中であるから成案ができたら提出いたしたいというのか、それとも今研究は打ち切つたというのか、ここで一つ説明つておかぬと、将来出てきたときに審議に困難を来たすのじゃないかと考えておりますが、いかがですか。
  27. 廣瀬正雄

    廣瀬政府委員 ただいま事務次官がおりませんですけれども、先刻大臣が御答弁されましたし、大臣の御答弁がただいまの省の方針でございます。これは検討課題であるとは思っております。検討課題ではあると思っておりますけれども、今早急に出すという考えは持っていないのでございます。しかしこの問題につきましては、省としましても大きな課題であると考えなくちやならない問題であるということは当然だと思うのです。さようなことで進みたいと思います。
  28. 平井義一

    平井委員 最後ですが、各省設置法ですが、その提出した法案をただ通せばあとはどうでもいいというようなお気持でおられては困る。郵政事業なら郵政事業全般のことを考えなければならぬ。とにかくこれさえ通してくれればというわけにもいきません。国会は永遠に続くのですから、どこの省も一緒ですが、この法案だけ通してくれればいいのだ、われわれの在任中に通してくれというのではなくて、各省とも将来の省全般のことを考えてだんだん変えていくというふうにしなければ、社会党さんも、出さぬでおいたのにどうして出したのかというようなこと”起りますから、従って、遠慮は要りません。将来こうしたいのだ、しかしまずここを変えてもらいたいというふうなお気持答弁をされ、お気持出していただかぬと、その場その場で逃げていくと、来年が困るということですから……。いずれも大した問題ではなく、反対するような問題もありません。社会党とは十分意見調整をはかりまして、一つ通過させたいと思います。どうぞそういうお考えでやつていただきたい、それをお願いして私の質問を打り切ります。
  29. 岡崎英城

    岡崎委員長 受田君。
  30. 受田新吉

    受田小委員 私は法務省関係するものを一つだけ質問しておきます。今回の改正案の骨子の一つである東京婦人補導院位置変更ですが、これがこの前の国会でも法務省設置法の一部改正東京府中市ということに定められておる。それを半年もたたぬうちにまた八王子変更するという法案改正案をお出しになるわけですが、こういうことになるとよほど法務省位置の選定に不用意であった、こういうことになる。法律事項というものは念には念を入れて政府検討を加えてお出しにならなければならない問題なのです。出してこの前の国会で通った、通った位置がまたこの国会変更されるということは、私はこういうことはしばしば繰り返さるべきではないと負う。従ってこういうことになりますと行政府責任はどうなるかという問題です。国会を愚弄しているのではないか。この前作つたものを半年たつてここで変えましたということは、事前に十分な調査検討が加えられていないということになる。一たび決定した以上は、そこをあくまでも推進するという努力を怠つているのではないか。その初めの決定のときのずさんさか、あるいはその後の努力不足か、いずれにしても八王子市に変更したということは政府の重大な失敗があったと思う。ことに法務省というのは世間の秩序を確立するお役所であつて、その最も厳正な、規律を確立すべき役所が、ちょっとしたことで位置変更をどんどんやられるということになると私は問題だと思う。法務大臣選挙事前運動をやろうと思って宮城県へ帰ろうとした、それを事務当局が押えて、法務大臣から事前運動をやつてはいかぬとしかりつけた。法務大臣は涙をのんで選挙区に帰ることをやめたという話である。それほど法務省は厳正なお役所なんです。公けの秩序を確立する最も大事なお役所なんです。そのお役所の権威を失堕するかかる法案提出については、一応の疑義を持つものでございますが、明確な御答弁お願いしたい。
  31. 渡部善信

    渡部(善)政府委員 私から事情を申し上げます。仰せのごとくこの設置法につきましては、当初府中市にいたしまして法律を通していただいたわけでございます。これは婦人補導院設置することにつきまして、まず敷地につきましては予算的な措置をとるわけには参らない状況でございました。当初法務省所管いたしております府中の刑務所の耕転地に選定をいたした次第であります。しかしその選定いたしましたにつきまして、ただいま仰せのごとく調査が足りなかったというおしかりを受けますればまことに申しわけない次第でございますが、当時の状況といたしまして、われわれの立場からいたしますれば手持ちの敷地を選定いたしまして、最もそこが適当なところだというところで実は国会の方の御審議をいただいた次第でございます。しかしながらその設置につきまして、工事を始めようといたしましたところ、いろいろ事務当局の間の折衝がございまして、府中市のあっせんによりまして今回の八王子の地所を得た次第でございます。この八王子の地所は府中の地所と比べまして、その場所の関係からいたしましてむしろ府中の地所よりもまさる土地が府中市のあっせんによりまして獲得することができまして、最もそこが適当だというふうに思いましたので、この際私どもの方で御変更を願うようお願い申し上げたいと存じまして、この法案提出いたした次第でございます。この八王子の土地につきましては、地元の関係からも申しまして、あらゆる点から考えまして最も適当な土地だというふうに考えましたので、婦人補導院位置変更お願い申し上げまして提出をした次第でございます。
  32. 受田新吉

    受田小委員 一言申し上げて私の質問を終りますが、そういう計画変更が軽々しく行われておる、しかもこれは法律なつた、その法律なつたものが半年も出ないうちにもう次の改正案を出されるということになつたのでは、法律の権威にかかわる。行政府は最初法案を出されるときに十分検討を加えて、特に婦人補導院の中に入る女性の皆さんに対しては、自分たちは府中ときめられたが、一般から忌避されて、またよそへ変えられるのだというようなことになると、この婦人に与える心証の上からいっても大へんな圧迫だと思うのです。希望を持って立ち上ろうとする婦人たちに、希望を失わしめるような措置がとられている。それでなくてさえも更生しようという婦人たちに、何か外部の圧力があるのじゃないかというような心理的な影響は相当大きいと思うのです。その心づかいを法務省が十分してやらなければいかぬのに、一ぺん法律できまつた、また半年たつて新しい法律提出し直すというと、補導院にいく女性たちが地元からいかに反対を受けているかがわかるような形ではありませんか。私はそういう意味からも法務省は常にあたたかい心づかいをして補導院の方へ入る人々に希望を与えるように努力しなければならない。これはその点非常にまずいことです。私は法務省というお役所に非常に信頼をしているのですけれども、地元のそういう反対とかなんとかいうものを、十分事前に手を打って彼女たちに希望を失わせぬような努力をしておかぬと、せつかく補導院はできたけれども、補導院に行く人々には非常にまずい気持でそこで勉強してもらうことになるおそれがあるのです。この人道的な問題をはらむ改正案だと私は思うのですが、法務省としては補導院に行く女性たちに対する希望を喪失せしめたという点において、どういう意見をお持ちでございましょうか。
  33. 渡部善信

    渡部(善)政府委員 その点につきましては、今後の運営の面におきまして十分配慮していきたいと存じております。御心配のような、入っておる者にひけ目をとらせないようにということは、今度の甲の原の土地の方は地元の関係から申しまして、また周囲の環境からいたしまして、非常に好適な場所でございます。その点はわれわれも十分考慮いたしまして、入るのにさようなひけ目を感じさせないように、今後の運営の面で十分配慮していきたいと存じております。
  34. 岡崎英城

    岡崎委員長 石山君。
  35. 石山權作

    ○石山權作君 林野の関係一つお聞きしたいのですが、今林業試験場というのはどこどこにありますか。
  36. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 試験場は東京の目黒に一ヵ所ございます。それでその他支場が何カ所かあると思います。
  37. 石山權作

    ○石山權作君 林業試験場というふうになりますと、内容的に見まして材質を調べるというのも一つのテーマであります。それから全国にわたる木の種類と土壌の関係をお調べになるというのも仕事だろうと思います。それから試験場の中で、あるいは林業の将来の一つの方法論というふうなものもやられているかと思いますが、その内容もお知らせ願いたいと思います。
  38. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 おっしゃる林業の材質の問題とか土壌と樹木の関係、それはおっしゃるように林業試験場で研究をいたしております。林木育種場との関係は、従来三十二年と三十三年は試験場で三カ所、それから特別会計の方の予算でもって二カ所、計五カ所をやつておりましてそして特別会計の方の二カ所も、その試験については実は林業試験場のその方面を担当しております職員が、実際上は委託を受けたような格好で行なっておりました。それを今度全部国有林野事業特別会計でやるということになりまして、試験場のその面はすべて林太育種場の方でやることにいたそうというのが今後の気持でございます。
  39. 石山權作

    ○石山權作君 よくお話がわからないのですけれども説明書に書いてあることによりますと、いい苗を作りまして、生長年限をきわめて短時日にして不足の分を補うという趣旨だと思います。御承知のように木材はうんと足りないのでございますから、いい苗を作つていただきたいのでございますが、もししいて私ら聞くとするならば、りつぱな設備をもって国家機関でその土壌に合う優秀な種というものを、それぞれ各地に指定し得るくらいの能力を持てれば、私は日本の林業というまのはうんと変つてくると思うのです。そうなると民間の種苗場など困るだろうと思うけれども、大きな目で見れば、せつかく国家で試験場をお持ちになっているわけですから、そのくらいの力を持ってもいいのではないかというくらいの拡充をはかったつて、私は決して無意味なものではないし、大きな力を持つ。ですからこの林業試験場なるものをうんと拡充した方がいいという意見です。  それと同時に、次に今度の設置法案に出てくるところの林木育種場の問題でございますが、この育種場の問題になるとかなりに問題が違つてくると私は思うのです。たとえば北海道、岩手、茨城、岡山、熊本の五カ所、こうしでそれぞれ苗をお作りになるわけですね。これは民間にも配るだろうし、国有林自体も補充するだろうと思うけれども、私はやはりここで問題になるのは、在来行なっておるところの営林局の種苗場あるいは試験場的なところ、こういうものがどういう格好で有機的にこの五つの育種場と結ぶかということなんです。これは土地と木というものは離すことができない。稲だつて同じことです。土地と木とは離すことができない。この五つの個所で育種されたものがあつちこっち、北海道にも一つあるし、東北にも一つあるから、それぞれ似ているといえば似ているでしようけれども、土地というものは断層があるわけですから、小さい道一本を境にして全然土質が違うということはありふれていることなんですから、これは今までの営林局の存在、営林局の設備を皆無にしてたとえば岩手なら岩手一県から国有林全部、東北に苗木を領布するのか、そういうやり方をとるかどうかということも私は疑問に思うわけです。やり方を伺つておるのです。
  40. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 現在の種苗の問題については、林業種苗法によりまして、これは民有林、国有林を問わずですが、母樹というものを指定をいたします。これは非常にいい種類の種子が取れるようにというので、これが大体十二万本くらい全国で指定をいたしております。そうしてそれに対しては補償をする。そこでおのおの各県の林務関係の方々がその種苗をとつて参りまして、それを原種にして苗木を作つて、それを種苗業者なりあるいは森林組合連合会等に配付をする、また県が直接配付している場合もあります。そして一般に配付をいたします。それが現在のやり方ですが、もう一つ根本的には、今おっしゃったように、林産関係も今の事情からいって、需要にマッチさせるにはこの木を非常に急速に伸ばさなければいかぬ。そこで最も早い生長の種子を手つとり早く配ることを考えなければならぬというので、今度は今の制度とは別に、恒久的な制度として考えたのが林木育種場で、そこで精英樹を選定しまして、これは大体三十三年度までに実施完了します。その精英樹による木からりつぱに短期間で生長し得るような、その地方々々に合つたような種苗を生産する。それがいわゆる農業の方でいう原々種圃ですが、それを今度は県あるいは営林局の苗圃に配りまして原種圃を作らせる。それを一般に配付しようという理想のもとに、これから出発しようというのが林木育種場であります。
  41. 石山權作

    ○石山權作君 普通のものとは違つて、一年で結果が現われるというようなものではないわけです。端的に言えば、予算上から見て、在来各地各所の営林局で行われている試験的なもの、あるいは種苗的なものの予算を相当整理をなさつて、そして新しい項目のある方へ予算を回す、こういうやり方なのか、新しく予算項目をきちんと起して、在来の研究あるいは種苗的なもの、それらのものは各営林局へ残すやり方なのか、やり方によっては混乱が起るのですが、皆さんの考えている意図がうまく現状の上に重なって効果を上げるかどうかの境目になるわけです。各営林局においてもこの問題については鋭敏になっているのです。自分の持っている在来の予算を削られるのではないか、仕事を取り上げられるのではないか、仕事に携わる者にとつてはもちろん心配でありますが、私たちの立場からいえば、そういう混乱によって、いわゆる適地適種であるべき目的が失われる可能性が三年、四年の間に起るわけです。たとえば岩手なり秋田に向くような苗ができるまでの間に、そういうようなことの起ることを心配するわけです。営林局では仕事、われわれの立場からいえば適地適種の問題が、そのことによって混乱が起るとすれば困るのである。早くいい種をやつて、うんと生長年限を狭めるいい種苗を作りたい、このことが今回の法案によって効果を上げ得るのだという、そのことをお聞かせ願いたい。
  42. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 今おっしゃったように、種苗は一日でも生産を休むわけにはいきませんから、従来の母樹林でもってやつている事業は、当分ずっと続けなければいけないので、それとは別に根本的にそれを考えようというわけですから、従来の仕事はそのまま営林局も続け、県の方も続ける、こういうことになるわけです。
  43. 石橋政嗣

    石橋(政)小委員 農林省に一点だけ確かめておきたいのですが、実はこの間二十八国会で同様に内閣委員会で小委員会を作つて各省設置法審議をいたしましたときに、各設置法について相当修正をやつたわけです。農林省の分については当時食糧庁に経理部を置くというのが原案の中に入っておつたわけですが、これは条件付で認めていいのじゃないかという結論に達しまして、小委員会として一応その条件をまとめて、私が本委員会におきまして質問をいたしたわけです。当時官房長はこの条件をのんでおるわけでございますが、御記憶があるかどうかわかりませんが、ちょっと申し上げますと、要するに経理部というものを新しく食糧庁の中に作つても、新しくまた一人えらい人をふやすのじゃないということの釈明があったわけですが、大体実行されておると思いますけれども、この委員会出しました条件といいますか、そういうものというよりも、官房長が約束いたしました点が実行されておるかどうかということを一つ確認しておきたいと思います。
  44. 石坂繁

    ○石坂政府委員 官房長が参っておりますから、官房長からお答えいたします。
  45. 齋藤誠

    齋藤(誠)政府委員 ただいま石橋委員から御指摘になりました食糧庁の経理部を設置するに伴つて、人員の増加あるいは経営の合理化という点において、他の人員の削減をするということが行われたかどうか、こういう御質問でございますが、その際における当委員会で私から御答弁いたしました通り、即刻食糧庁の総務部に所属しております調査官の定員を一名削減するという措置をとつた次第でございまして、改正いたしました期日はちょっと記憶しておりませんけれども、即刻実行いたしました。
  46. 岡崎英城

    岡崎委員長 本日はこれにて質疑を終ります。次会は来週の火曜日、本委員会散会後に開催することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後一時十九分散会