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1959-02-24 第31回国会 衆議院 内閣委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月二十四日(火曜日)     午後一時三十八分開議  出席委員    委員長代理 理事 平井 義一君    理事 岡崎 英城君 理事 高瀬  傳君    理事 前田 正男君 理事 受田 新吉君    理事 木原津與志君       今松 治郎君    植木庚子郎君       小金 義照君    始関 伊平君       田中 龍夫君    田村  元君       船田  中君   茜ケ久保重光君       石山 權作君    中原 健次君  出席国務大臣         国 務 大 臣 伊能繁次郎君  出席政府委員         府政管理政務次         官       濱野 清吾君         総理府事務官         (行政管理庁行         政管理局長)  岡部 史郎君         防衛庁参事官         (経理局長)  山下 武利君         法務政務次官  木島 虎藏君         文部政務次官  高見 三郎君         文部事務官         (大臣官房総務         参事官)    齋藤  正君         農林政務次官  石坂  繁君         農林事務官         (大臣官房長) 齋藤  誠君         運輸政務次官  中馬 辰猪君         運 輸 技 官         (港湾局長)  中道 峰夫君         運輸事務官         (航空局長)  林   坦君         郵政政務次官  廣瀬 正雄君         郵政事務官         (大臣官房文書         課長)     上原 一郎君  委員外出席者         農林事務官         (農地局参事         官)      正井 保之君         専  門  員 安倍 三郎君     ――――――――――――― 二月十九日  委員栗林三郎君及び中村英男君辞任につき、そ  の補欠として茜ケ久保重光君及び八木昇君が議  長の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 二月十九日  農地買収者問題調査会設置法案内閣提出第一六一号) 同月二十三日  文官恩給調整に関する請願綾部健太郎紹介)(第一六一三号)  同(天野公義紹介)(第一六一四号)  同(井岡大治紹介)(第一六一五号)  同(小松幹紹介)(第一六一六号)  同(杉山元治郎紹介)(第一六一七号)  同(西村英一紹介)(第一六一八号)  同(淺香忠雄紹介)(第一六三七号)  同(岩本信行紹介)(第一六三八号)  同外一件(周東英雄紹介)(第一六三九号)  同(薄田美朝君紹介)(第一六四〇号)  同(林讓治紹介)(第一六四一号)  同外一件(林唯義紹介)(第一六四二号)  同(根本龍太郎紹介)(第一六四三号)  同(鳩山一郎紹介)(第一六六九号)  同(廣瀬正雄紹介)(第一六七〇号)  同(足立篤郎紹介)(第一六八三号)  同(受田新吉紹介)(第一六八四号)  同外五件(遠藤三郎紹介)(第一六八五号)  同(大矢省三紹介)(第一六八六号)  同(鍛冶良作紹介)(第一六八七号)  同(片島港君紹介)(第一六八八号)  同(木下哲紹介)(第一六八九号)  同(河野密紹介)(第一六九〇号)  同(中嶋英夫紹介)(第一六九一号)  同(中村高一君紹介)(第一六九二号)  同(原茂紹介)(第一六九三号)  同(廣瀬勝邦紹介)(第一六九四号)  同(北條秀一紹介)(第一六九五号)  同(三宅正一紹介)(第一六九六号)  同(森島守人紹介)(第一六九七号)  同(安井吉典紹介)(第一六九八号)  同(秋山利恭紹介)(第一七四七号)  同(宇都宮徳馬紹介)(第一七四八号)  同(中馬辰猪紹介)(第一七九八号)  同外一件(福田篤泰紹介)(第一七九九号)  召集旧軍人関係恩給加算制復元に関する請願  (小泉純也君紹介)(第一六一九号)  同(西村直己紹介)(第一六二〇号)  同(楢橋渡紹介)(第一七〇三号)  同(山崎巖紹介)(第一七〇四号)  同(小金義照紹介)(第一七四九号)  同外四件(福田篤泰紹介)(第一八〇〇号)  暫定手当の本俸繰入れ促進等に関する請願(今  井耕紹介)(第一六四四号)  同(服部安司紹介)(第一六七一号)  同(矢尾喜三郎紹介)(第一七〇六号)  旧軍人関係恩給加算制復元に関する請願(山  下春江君紹介)(第一六四五号)  恩給法の一部改正に関する請願中馬辰猪君紹  介)(第一六六六号)  建国記念日制定に関する請願江崎真澄君紹  介)(第一六四六号)  同(小林絹治紹介)(第一六四七号)  同(中垣國男紹介)(第一六六七号)  同(丹羽兵助紹介)(第一六六八号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第一七五一号)  寒冷地手当増額に関する請願外一件(柳谷清三  郎君紹介)(第一六七二号)  同(飯塚定輔紹介)(第一六九九号)  同(石山權作君紹介)(第一七〇〇号)  同(栗林三郎紹介)(第一七〇一号)  同外三十三件(羽田武嗣郎紹介)(第一七五  〇号)  恩給法の一部を改正する法律案の一部修正に関  する請願木村守江紹介)(第一七〇二号)  山形県下の寒冷地給級地是正等に関する請願(  西村力弥紹介)(第一七〇五号)  軍人恩給是正に関する請願外二件(福田篤泰君  紹介)(第一八〇一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 二月二十三日  建国記念日制定に関する陳情書  (第三九四号) は本委員会参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  連合審査会開会申入れに関する件  郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第四三号)  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第五二号)  文部省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第五五号)  運輸省設置法等の一部を改正する法律案内閣  提出第八六号)  農林省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第八九号)  昭和三十四年度防衛関係予算に関する説明聴取      ――――◇―――――
  2. 平井義一

    平井委員長代理 これより会議を開きます。  内海委員長は所用のため不在でありますので、委員長指名によりまして私は委員長の職務を行います。  連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りいたします。ただいま外務委員会において審査中の外務省設置法の一部を改正する法律案につきまして、連合審査会開会申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平井義一

    平井委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 平井義一

    平井委員長代理 郵政省設置法の一部を改正する法律案法務省設置法の一部を改正する法律案文部省設置法の一部を改正する法律案運輸省設置法等の一部を改正する法律案及び農林省設置法の一部を改正する法律案の各案を議題とし、質疑を許します。受田新吉君。
  5. 受田新吉

    受田委員 最初に郵政省に対する質問をいたします。郵政省が今度逓信省省名を変更される点が今回の改正理由の第一点ですが、この問題については、この前石橋委員からも省名変更に対してなぜ逓の字を使わなければならないかということを尋ねたのですけれども、私もう一歩突つ込んで、この逓信省という名称を用いられるに至つた理由の中に——当用漢字ではあるが、しかしなるべく使つてもらいたくない二十八字の中に、これが国語審議会でも考えられておるという段階であるにかかわらず、そういうひつかかりが多少でもあるような文字をここであえて使わなければならない理由を、もう一度御説明願いたいと思うのです。
  6. 廣瀬正雄

    廣瀬政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、今度新しく使おうといたしております逓という字は、御指摘のように当用漢字には人つておりまして、国語審議会におきまして将来なるべく制限したいという希望の字ではあるようでございますが、現に行われております当用漢字にははっきり載つておるわけでございます。そこで、実は逓という字はあまり簡便でもございませんので、できるならば避けたいということも考えましたのですが、他に適当な名前がないので、現在郵政省でやつております行政実態と合せるのにはどうしても逓という字を使わざるを得ない、逓という字も、以前使つておりましたときの、あの中に虎という字があるのではない、略字の逓という字を使うということで提案をいたしておるわけでございます。現に逓信委員会とかあるいは逓信病院とか、逓信協会とか、全逓従業員組合とかいうように、逓という字は世間に広く使われておる文字でございますので、ぜひ一つお認め願いたいと思っておるわけでございます。
  7. 受田新吉

    受田委員 名称逓信と改めると、郵政という時代よりは総合的な意味があるというような理由があるのでございますか。
  8. 廣瀬正雄

    廣瀬政府委員 そのことにつきましては、先般来たびたび御説明申し上げておりますように、御承知のように以前は逓信省という省があったわけでございます。それが昭和二十四年に郵政事業電気通信事業をやります官庁二つに分れまして、郵便簡易保険郵便年金あるいは郵便貯金振替貯金というような郵政仕事をやります官庁郵政省ということになり、電気通信つまり電信電話を管理いたします官庁電気通信省ということになりまして、逓信省郵政省電気通信省二つに分れたわけでございます。その後、電気通信省昭和二十七年に至りまして事業実態が、国内の電気通信関係におきましては日本電信電話公社でやる、それから海外との国際通信におきましては国際電信電話株式会社でやる。公社と会社ができまして、その際電気通信つまり電信電話行政郵政省移つたのでございます。そのほか電波監理行政が時を同じくいたしまして昭和二十七年に郵政省に移つたわけでございまして、郵政省昭和二十四年に発足いたしました当初に比べまして、仕事の内容がぐつとふえて参りましたものですから、この行政実態と合せるために、郵政省逓信省と改称したい。昭和二十七年に電電公社あるいは国際電信電話株式会社ができ、電波監理行政郵政省に移りました当時変えておきますれば問題なかったわけでございますが、その後そのままで今日に至りましたようなわけで、なるべく早く行政実態名称を適合させたいということで、最近繰り返し提案をいたしておる次第でございます。
  9. 受田新吉

    受田委員 逓信の逓の字と郵政省の郵という字の語義について、詳細な比較を御説明願いたいのです。
  10. 廣瀬正雄

    廣瀬政府委員 逓という字は次々に通信をするということらしいのでございまして、郵という字はどうしても郵便とかあるいは簡易保険とか、郵便貯金というような在来の観念が入っておる郵政事業だ、かように考えておるわけでございます。
  11. 受田新吉

    受田委員 郵便とかいう意味というのでは納得できない。郵という字の語源、語義というものについて、どなたか政府委員専門家がおられたら、ちょっと。
  12. 上原一郎

    上原政府委員 郵便の郵という字も、宿所とか、あるいは次々と同様な語義ではありますけれども、従来使われておるのは、逓という字が実際に使われておるというところから、やや広い概念になっておるように解釈しております。
  13. 受田新吉

    受田委員 従来使われておることがやや広い語義だ、大体意味は次々ということで同じであるということになれば、別に事改めて逓の字にする必要もないのではないかということ、もう一つは今国語審議会意向が、なるべく使つてもらいたくない文字になっておるというものを、ことさらにここで刺激を与えるようなことがいいか悪いかという問題です。私この問題については、こういうことを一つ心配しておる。国語審議会という国語純性を議する機関がある。その機関考えられておるものは、政府がなるべく尊重するということが大切なことではないか。国語審議会がなるべく使つてもらいたくないような意向を持っていて、当用漢字ではあつても、これは使用するときには考えてもらいたいという範疇に入れておるような文字をここで持ち出すということになると、結局逓信省の逓の字が復活してお役所が新しくできたということになれば、そのことによって国語審議会一つの制約を加えるということになりはしないか。国語審議会がまつすぐに行こうとするのに、政治的にここで新しい文字を使うお役所ができるということになると、逓信省というお役所があるので当用漢字を制限することができなくなるという結果になりはしないか。ここに一つ問題がある。政治文字国語審議会を動かすということになるおそれはないかということを非常に心配しておるのですが、文部省国語担当の方あるいは総務のどなたでもいいのですが、政治的発言でなくて事務的に発言してもらいたい。
  14. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 ただいま受田先生のおつしやいましたように、国語審議会で、昭和二十一年に千八百五十字といういわゆる制限漢字当用漢字表を定めまして、これを政府に建議いたしました。これに基きまして、政府としては部内で使用すべき文字、あるいは社会一般使用を普及すべき文字としてこれを告示し、必要な訓令を出したのでございます。その後社会における実際の使用状況と照らし合せまして、同表の各字について再審議すべきではないかという意見が起りまして、昭和二十五年から昭和二十九年にわたりまして審議いたしました結果、当用漢字表は、全体として日常使用する漢字範囲を示すものとして、ほとんど妥当なものであるが、若干字についてはその入れかえを考えるベきではないかという考え方で、いわゆる当用漢字補正資料というものを世の中に公けにいたしました。これは将来当用漢字補正をする際の一つ参考資料として、一般批判を求めるという趣旨であったのでございます。今後なお実践を重ねることによってその実用性あるいは適正さが明らかにされるのである、こういう考え方補正の問題を審議会として報告があったのでございます。これにつきましては現在国語審議会としては正式の答申ということで、当用漢学補正するという意味の決議なり建議なりはいたしておらない段階で、世間に対して批判を待つという段階資料となっておるわけでございます。お尋ねのこの逓の字につきましては、その補正資料の中に入ってないわけでございますが、私どもとしては郵政省電気通信を含む意味逓信という省名に復帰したいというお考えでございますし、それから御質問にありました——これは私自身の考えでございますが、郵と逓の一字の語義というものは次々にとかあるいはいわゆる駅逓とかいう意味で、違わないかもしれませんが、郵政省でお考えになっておりますのは、従来の用語で逓信言つた場合で、電気通信その他の概念を包摂しようというお考えのように承わつておりまして、郵政という郵便行政というものでは、少し狭過ぎるのではないかというお考えのように私たちは受け取つたわけでございます。これは数回にわたって閣議決定なつたことでございますので、私たちとして特別の意見もございません。
  15. 受田新吉

    受田委員 私今のお答えでちょっと納得がいかないことがあるのですが、もう一つ具体的な立場からお尋ねせなければいかぬのですが、現実補正文字の中に考えられている逓の字が新聞雑誌等に使われておりますかおりませんか。
  16. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 新聞等ではこの補正の表を参考として実施しているように聞いております。従いまして新聞の方は私正確には存じませんが、使つていることは少いのではないかと思います。
  17. 受田新吉

    受田委員 少いというと、結局使つていることもあるというわけですか、あるいは逓の字はもう原則として使つていないということになるのですか、どちらかお答え願いたい。
  18. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 そこまで実は私はっきり存じません。
  19. 受田新吉

    受田委員 今総務参事官たるあなたは個人意見を最後に加えられたわけですが、個人の見解というものは事務官僚としてはあまり露骨に出してもらいたくない。公人としての御発言をお願いしたい。  そこで、新聞等においてはもう現に使われてない文字だ、通用してない文字だということになると、その通用されてない文字を今度新たに強制通用させることになるのですから、国会法案通つて通用を強制的にさせるということになると、政治力によって文字が生まれ、その文字国語審議会では補正すべきでない。現に逓信省というものがあるから、その方へ使わなければならぬ。今、国会の場合などは逓信委員会というのはあるが、これは国会立法機関の内部の機関であるから、外部に影響を及ぼすことはほとんどありません。逓信省となると一々通牒を出して、国民に行政事務上の浸透をはからなければならぬので、非常に影響力が大きくなる。だからこそこの法案を見ると、逓信の字に変えるためにものすごい改正要件が書かれてある。あの逓の字を使つたばかりにこの法案が分厚くなってしまつたのです。そういうややこしい法律手続を経てまでやらなければならないほど大きな理由があるかどうか。そうしてもう一つは、民間で現に使われてないということがはっきりしておるとするならば、政治的な形で生まれた文字を純粋な国語審議会などに圧力をかけて、現に通用した逓の宇だから国語審議会補正すべき文字じゃないということで、純粋な当用文字としなければならぬということに圧力を受けはしないかということです。
  20. 廣瀬正雄

    廣瀬政府委員 御質問の第一点の、なぜ変えなくては悪いかということにつきましては、先ほど来御説明いたしております通り、行政実態名称を合せたいということでありまして、これはぜひ必要な重要性があるものだと考えているわけでございます。  それから世間通用のことにつきましては、今文部当局からあまり新聞などで取り扱つていないということでございますけれども逓信委員会とか、逓信病院とか、逓信協会とか、全逓とか、逓という字は盛んに使われております文字なのでございまして、使つていることは事実でございます。決してこちらの方から圧力をかけてどうということは考えられないのではないかと思っております。ただしかし逓信省という省名になりますと、従来郵政省と呼称していたのが逓信省になりますから、使う度数というものが相当多くなるのではないかと思いますけれども、決して政治的に圧力とかなんとかということは考えられないのではないかと思っております。
  21. 受田新吉

    受田委員 逓信病院には一般電気通信関係の職員も一緒に含めた患者を入れる、すなわち逓信省改正された後のすべての関係役所患者を入れる病院であるかどうか。ほかに電気通信なりの病院があるかないか。それから全逓の場合は、昔の逓信省名称の逓という字をとつてあるけれども、これは電気通信組合とは別の形になっている。ただ従来使つた文字をそのまま残しているだけです。国会逓信委員会というのは政治的な形で生まれている委員会であつて、別に対外的に影響を与える逓信省の発足とは変つた性格を持つということについての御答弁をお願いいたします。
  22. 廣瀬正雄

    廣瀬政府委員 病院につきましては、電気通信関係もやはり逓信病院と申しておりますし、郵政省関係逓信病院と申しておりまして、どつちも逓信病院で通用いたしているわけでございます。それから国会とか全逓関係の御指摘でございましたが、全逓逓信従業員逓信という仕事昭和二十二年以来郵政省ではございますけれども実態を表わしているということで逓信という文字使つて全逓従業員労働組合ということになっておるわけでございます。
  23. 受田新吉

    受田委員 次官、われわれは別にこだわる意味ではないのですが、現に使われている逓信病院とか逓信委員会とかいうものがあるから逓信省にするという理論が、現実に成り立つか立たぬかという問題ですが、今まで郵政省変つて逓信病院はそのまま残つているということで、別におかしな感じがしなかったわけですが、そういう問題があることと、もう一つ、昔は逓信省といって、逓信大臣というのは伴食大臣、三等大臣であった。明治以来最も力のない大臣逓信大臣であった。しかしながら郵政大臣になって以来、ここに武知郵政大臣がおられますが、郵政大臣歴代大物なんである。郵政大臣という名になってから後に大臣貫禄が急に上つた武知さんなどはその例に漏れない。佐藤榮作氏にしても武知勇記氏にしても、党内の大物郵政大臣になっている。郵政大臣の方が貫禄がある。逓信大臣時代伴食大臣だった。こういうことも考えられなければならないと思うのですが、これは田中角榮君が郵政大臣になって、逓信という文字に非常に郷愁を感じられたのではないかと思うのですが、この意味から郵政という方がむしろ省貫禄を示すのには、新鮮さと、逓信省などという古い印象を与えない新しい力がみなぎるのではないか。むしろ郵政大臣郵政政務次官という方が貫禄があると思うのですが、一つお答え願いたい。
  24. 廣瀬正雄

    廣瀬政府委員 どうも貫禄の問題は私よくわからないのでございますけれども郵政より逓信になりました方が行政範囲がかなり広く意味される。またそれが実体にそぐつているというようなことだけは事実だと思います。貫禄のことはどうも私にはわかりませんのであしからず……。
  25. 受田新吉

    受田委員 では総務参事官、今の問題ですが、国語審議会が一度使われたこの文字に対して、現に逓信省と使われているからというので、そのために補正すべき文字の中からはずして、当用文字として現存させるということになるおそれはありませんか。逓信省名前が使われても依然として郵政省時代と変らないきびしい考えでいくということで変りはないかどうか、そこを一つ……。
  26. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 先ほど申し上げましたように、国語審議会としては、審議会で一応各方面の批判を仰ぐための中間的な報告として出されたのでございまして、その最終的な取扱いについては、私ども国語審議会としてはまだ進行の段階だと存じております。従いまして先生のおつしやいましたように、文部省として国語審議会審議自体に注文をつけるとか、そういうようなことは毛頭あり得ないことであろうと思いますし、国語審議会はいろいろな国語上の観点から、あるいは社会上のいろいろな観点から十分に今後、当用漢字補正の問題を審議して参る、かように存じております。
  27. 受田新吉

    受田委員 逓信省の問題はそれでおきます。また御苦労願う日があると思うのですが……。  私、この際ちょっと行管の方に伺いたいことがあるのです。山口長官に来ていただくことを希望しておるのですが、お見えになりませんので、やむを得ずあなたにお尋ねしますが、この間あなたの所管の行政審議会から答申があったわけです。その答申を拝見しますと、その中に行政機構の改善に関する希望として、審議会整理改革を断行するという意味の規定があるわけです。その審議会整理改革を行うということは、あなたとしては非常に重大なお仕事一つだと思うのですが、最近法案の中に出されている行政機構改革は、次長がふえたり、官房長がふえたり、あるいは審議会が相次いでできたりしている傾向があるわけです。全部それです。これは行管としては行政審議会答申に忠実にこの問題を考えて容認されたのか、あるいは各省の要求やむなく行政審議会答申を目をつぶつてお認めになつたのか、お答えを願いたいと思います。
  28. 岡部史郎

    岡部政府委員 受田委員お答え申し上げますが、審議会が現在非常にたくさんあつて、それが活用されていないのではないかという批判が多いことにかんがみまして、行政審議会といたしましては、この審議会の実情について調査いたしまして、多数ある審議会においてはいろいろな欠点のあるものもあるので、あるいは役目が終つたようなものもあるので、そういうようなものは廃止その他の措置をとるべきである、また審議会のあり方としてはこうあるべきであるというようなことが答申に見えておりますので、私ども現在あります審議会の整理につきましても、その答申の趣旨を尊重して扱いたいと思っております。これから各省の行政の実情に即して審議会を設けようといたします場合におきましても、この審議会答申の趣旨を尊重いたしまして、その構成であるとかあり方とかにつきまして、この線に沿うように処置いたして参っております。
  29. 受田新吉

    受田委員 行政審議会答申の申に、原則として閣議決定で設置したものは廃止する、やむなく必要なものは法律の手続による、その次にこの基準に照らして廃止統合すべきものとして四十幾つかの審議会を例示しておるわけです。その例示されたものと今回各省に設置されておる審議機関とをどういうふうににらみ合せてごらんになつたか、一つ一つ例をあげてお示し願いたいと思います。
  30. 岡部史郎

    岡部政府委員 お示しの通り、行政審議会は約四十の審議会を問題といたしまして、いろいろな基準を設けてその整理統合をはかつてはどうかということでございますので、そのうち特に廃止を適当とするものをあげられたものがございます。その第一の理由は、まず任務が終了したものは廃止するのが当然だというように指摘されてあります。これは全くその通りでございますので、この国会におきましてここにこの答申にあげられてありますが、科学技術庁及び農林省にある評価審査会あるいは通産省にある石油鉱業権評価審査会、特許庁にあります特許補償等審査会並びに工業所有権制度改正審議会、これらはいずれも廃止の手続を国会に対して法律の形でとつております。また閣議決定で設置されたものはこれは廃止する、そうして必要なものは法律の根拠づけを行うようにということでございますので、たとえて申しますると、ここに掲げてあります金融機関資金審議会というのが大蔵省にありますが、これは大蔵省設置法で設置することにする。その他の審議会につきましても必要なものは法律で設置することにいたしますが、その他のものは原則といたしまして閣議決定でこれを廃止したいと考えて、目下準備中でございます。
  31. 受田新吉

    受田委員 閣議決定で廃止したいというものの中にどういうものが今考えられておるのか、例をあげてもらいたいと思います。
  32. 岡部史郎

    岡部政府委員 現在閣議決定に基く審議会は、いろいろ御心配いただきましてだんだん減つて参りまして、現在総数八つでございます。八つでございますから、一々列挙いたしてみますと、内閣に設けられております治山治水対策審議会及び経済懇談会は、これは大体廃止してもよかろうというような内相談になっております。それから大蔵省の金融機関資金審議会はこれはもう法律で設けることになっておりますので、直ちに廃止の手続をとつてよろしいと思っております。それから労働省に設けております港湾労働問題審議会は今年の三月三十一日で廃止になりますので、これはこのままでよろしいといたしまして、もしも必要ならば別途法律で設けたらよかろうではないかとこう考えております。また原爆被害対策に関する調査研究連絡協議会も、大体厚生省の意向でもこれをこういう形で置かなくてもいいだろうということになっております。また外務省の賠償実施懇談会も、これも設けまして一年半の間一度も会議を開いてないというような状態でございますので、大体これも廃止できる見通しでございます。大蔵省にありますみつまた需給協議会は、これはミツマタ生産者の利害に重要な関係がございますので、これをどういう形にするかは慎重に今考えております。
  33. 受田新吉

    受田委員 今幾つか例をおあげになつたのですが、もう一つ審議会で問題があるのは、国会議員が連なっている場合、これは立法機関の人が連つている場合ですが、これなども国会議員は国会審議で十分努力できるのですから、それは入るべき筋のものじゃないというのが原則であろうと思うのです。そうした意味行政機構改革というものについては、やはりあなたの方としては筋を通して各省に迫つていかなければならぬ。官房長などというのも、これは大体各省にわたって連絡調整の責任とか予算獲得の責任とかいうものを負わされた形で、政治的な行動をするポストのような印象を受けるのです。そういう意味からできるだけ押えるという努力をされなければならぬと思うのですが、今度郵政省文部省が出されたことについて、行管としては何か考えられたのですか。
  34. 岡部史郎

    岡部政府委員 全くお説ごもっともでございまして、そういう点につきまして十分配慮いたした結果でございます。
  35. 受田新吉

    受田委員 配慮したのですね。そうしますと法務省は今ないわけなんだ。この間平井議員から法務省も作つてはどうかという御希望もあったのですが、法務省だけは必要がないと行管は認めたのですか。
  36. 岡部史郎

    岡部政府委員 官房長という制度は戦後の制度でございますが、これが実施された結果を私ども行政管理の立場から見まして、非常に有効な役に立つ制度であると考えております。そういう意味におきまして各省ほとんど漏れなく設けるようになつたわけでございますが、法務省だけは——これは法務省だけが特別要らないということではござませんけれども、法務省には特別の伝統、因縁、歴史がございまして、官房長はあった方がいいと考えられる意見もあるけれども、今の段階においてはそういういろいろな事情があるので、自分の方だけはこれは遠慮するというような形になっております。その実情につきましてはあるいはお尋ねがあればもっとざつくばらんに申し上げてもよろしゅうございますが、法務省の特殊性を尊重いたしまして、そういう取り計らいをしたわけでございます。
  37. 受田新吉

    受田委員 もっと詳しくといって、要点だけ言って下さい。
  38. 岡部史郎

    岡部政府委員 これはきわめて大事なことでございまして、法務省の前身である法務府には官房長という地位がございました。それが法務省になりまして官房長という制度をなくしたわけでございますが、これは行政機構等の改革とからみまして、その当時官房長に匹敵するような地位というものを、一つ他の地位を減らすり約束になっておりましたのが、いろいろないきさつで、そのほかの地位を残したものですから、そのかわり官房長は事情の許す限りがまんするというような約束になっていることも一つの原因なのでございまして、ちょっとざつくばらんに申し上げ過ぎた形になろうかと思いますが、そういうようなこともあります。そのほかは法務省のいろいろな運営の事情にもよる次第でございます。
  39. 受田新吉

    受田委員 これは少し政治的な改革であり過ぎるですね。われわれとしては聞き捨てならぬことだと思う。何か特殊な事情というのは、今までの行きがかりのものを残して官房長は要らぬというのは、これは取引に使われている。行政改革は取引ではいかぬです。これは実情に即して必要に応じて作られるべきものではないか。あなたの方が全く無統制にやつたのでは、これは何のことやらわからぬですよ。この前は、おそらくこれ以上は各省設置法の改正案は出ないだろうと思ったら、今度列を並べて襲いかかるようなものすごい改革案が出ておる。  もう一つ政務次官にお伺いしますが、去年の選挙のとき自民党の公約の中に、行政機構を整理して、機構の縮小をはかるということが一つあるわけです。川島幹事長からも選挙の第一声として発せられておる。御記憶があると思うのです。この自民党の公約と、それから現在各省が出しておる設置法改正とどういうつながりがあるのですか、ちょっと御答弁を願いたい。
  40. 濱野清吾

    ○濱野政府委員 申すまでもなく行政効率を高める問題でありますから、設置法の改正あるいは改廃などは当然行わるべきだと思います。そこで私どもといたしましては、とにかく過般国民年金行政機構についても御承知の通りの答申を受けて、われわれも十分その意見を述べて、ごらんの通りの法案ができたわけでございます。さらにまた公務員制度の問題等もこれはお互い大きな問題でありますので、総理府がただいま提出の準備中でございます。さらに港湾行政の改善問題につきましても、審議会答申を得まして大蔵省、運輸省とただいま折衝中でございます。さらにまた自治省の設置についても行政審議会の御意見等もあったものでございますから、ただいま私どもといたしましては自治庁を中心として、いろいろその実現方に努力しているわけでございます。審議会の整理の問題も、受田さんのただいまの質問の通りでありまして、いろいろ事情もございますし、まだまだいろいろ改廃する点もございましょうけれども、できるだけ公約に沿うてその実現方に努力しているわけでございます。
  41. 受田新吉

    受田委員 公約と現在やられているのとは調整がとれておらぬのです。これはみな機構拡充ですよ。縮小したという法案ではないでしよう。今回出された設置法では縮小されたものはないです。
  42. 岡部史郎

    岡部政府委員 縮小につきましても若干ありますが、今目ぼしいものを申し上げますと、厚生省における地方復員部、呉、佐世保、横須賀の三地方復員部の廃止というようなことも一つの例でございますが、私どももちろんできるだけ縮小に努力したいと思います。
  43. 受田新吉

    受田委員 任務の終つたものを例にとられてはいかぬですよ。任務が終れば当然なんです。これは時がくれば当然終るわけです。ちようど審議会が期間を切つて設けられたのが、その期間がきたらやめることと同じことなんですから、これは取り上げるまでもないのです。この自民党の公約の中にある機構の縮小とは、任務が終つたものはやめることであると解釈してよろしゅうございますか。
  44. 濱野清吾

    ○濱野政府委員 なるほど私どもは機構の大改革、むろん行政の効率を高めるという意味において改革しよう、こういうのでありますから、あるところによりましてはあなた方のおっしゃるように拡充に見える場合もあるかもしれませんけれども、しかし昔やつたような機構の改革、すなわち二割天引き、こういうようなことは私どもはやりたくないというふうに考えているわけであります。やはり私ども役所に入りまして一番むずかしいと思うのは、率直に申し上げますと、役所の事務量とその役所仕事の質というようなものがどういうふうに把握されて、どういうような見地から定員が生まれ、あるいは局、部が生まれるか、こういうようなことについて十分今検討して、ほんとうにどれだけの定員を縮小することができるか、あるいはどれだけの局、部を廃止することができるか、こういうような基本的な問題に私どもは入っていかなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。従いまして受田さんのように、ただいちずに頭から縮小されていないではないか、こういうようなことはよほど慎重に見てもらわぬと、ほんとうのことは出てこぬ。私は大臣にしかられるかもしらぬし、あるいは与党からしかられるかもしらぬと思うけれども、何でもかんでも切つてしまうことがすなわち縮小だという印象は、これは少々考えなければならぬ、こういうふうに思っているわけであります。これがお気に召さないかもわかりませんけれども、それがやはり役所仕事でも民間の仕事でも同じだと思う。ですから、受田さんからおしかりを受けても、そういうことに努力はするけれども、なかなかこれを縮小したというようには見えないかもしれません。しかしこまかく見ていただけば、これは効率が相当上って、そうしてさらになおふくるべきものが、あるいはある程度でとまつたかというような見方もできると思うのです。
  45. 受田新吉

    受田委員 あなたは、もっと広がるところをこの程度で押えたというので、われわれの努力を認めてもらいたいというようなお口ぶりのようです。そこで、現在程度の機構改革は認めてくれなければならぬというような意味にとれるのです。私はあなたの党の公約で、機構の縮小というような大方針を掲げられたことは、結局今まで官庁の能率を上げるのに、不要な役所、不要な局、部、課があつて、そこで権限争いなどもあるから、そういうときには一本にするというようなことがしばしばあつていいと思うのです。そういうものの実体的な縮小は一つもない。当然任務が終つたようなものだけを廃止するという意味では、これは機構改革の中に含まれている機構の整備縮小ということにならぬ。行政審議会答申にもそぐわないことだと思うのです。そこであなたのところの山口長官は、その公約の実施にはやぶさかでないということと、それから高級官僚の勤務評定も必ず実施して、午前八時半に登庁しない者は厳重処分するという約束もこの間してくれたのです。そういうことについて、つまり官庁の能率を上げて、そうして機構の中で整備縮小すべきものはやるというようなこともあつていいのじゃないかと思うのです。その点ちょっとお聞きしますが、あなたの行管の方で、その後高級官僚の方々の勤務評定をどういうふうに実施されておるか、ちょっと伺います。
  46. 濱野清吾

    ○濱野政府委員 私は不敏にして大臣の御答弁を伺つておりませんでしたので……。
  47. 岡部史郎

    岡部政府委員 行政官理庁の監察局におきまして、お尋ねの勤務評定という趣旨は、これはもう各省大臣の責任の問題でございますので、行政が能率よく、うまくいくように、各部門にわたって監察に努力しております。
  48. 受田新吉

    受田委員 そうしますと、これはちょっと横道にそれたわけですが、高級官僚の勤務については、定刻出勤ということはりつぱにできておりますか。その後資料提出願う機会があると申し上げておいたのだが、もうあれから二カ月以上たつていますが、大よそ資料も出ておると思うのです。
  49. 岡部史郎

    岡部政府委員 勤務時間だけについての調査ということは、この前も大臣から申し上げました通り、人事管理に関することでございまして、これは人事院の独占的な所管に属することであります。これを具体的にやるのは人事院の仕事だろうと思います。しかし監察局におきましても、行政運営を改善するために職員の勤務能率という点を見るのも当然かと思いますので、その点におきましては勉強していることと思うのであります。現在それについて資料ができておるかどうかということにつきましては、この席でちょっとお答えできかねる状態でございます。
  50. 受田新吉

    受田委員 個人の名誉にも関するものでしょうから、お答えできかねれば、後刻お二人で一つ詳細に資料を出してもらいたい。これは問題だと思う。つまり役所へ行っても、局長、課長クラスで八時半に登庁していない者がある。官庁の執務時間は午前八時半に始まる。できれば政府において、これより相当期間にわたって、高級官僚の方々の勤務状況を一つ御調査の上、国会に御報告を願つたらわれわれとしては非常に仕合せだと思います。これも当局でできる仕事かどうか一つ伺いたいと思います。
  51. 岡部史郎

    岡部政府委員 勤務時間を定めるのは、これは御承知の通り給与法ではっきりきまつております。給与法を完全に実施するのは人事院の独占的な権限になっておりますので、実はそういうような資料国会に差し上げるという二とも、これは人事院の権限に属することでございますので、先ほど申し上げました通りの意味におきまして、一つお取り計らい願いたいと思います。
  52. 受田新吉

    受田委員 行政監察ということは、勤務時間は対象にはなりませんか。勤務時間は対象の外にありますか。
  53. 岡部史郎

    岡部政府委員 行政監察は行政の運営が能率的に行われるように監察することでございますので、もちろん公務員が勤務時間内において能率を上げられるようになっておるかどうかということは、その監察の対象の中に含まれることと考えております。
  54. 受田新吉

    受田委員 高級な方々の能率がどうかということは、そうするとやはりあなたの方の調査の対象になりますね、やろうと思えば……。
  55. 濱野清吾

    ○濱野政府委員 なると思います。
  56. 受田新吉

    受田委員 しからばその対象になるものの調査をお願い申し上げて、その各省にわたる事務の能率化に、行管としては御協力あらんことをお願いしておきます。  いま一つ審議会委員の問題ですが、委員の顔ぶれの中に、もう特定の人で、どの委員会にも顔を出す人があるわけですね。これは例をあげません。大学の先生であつても、ある特定の人がひんぱんにそこにおいでになる。そういうようなことでは大学の先生の任務が尽されるかどうかという問題が起るわけです。委員会審議会へ出るだけでもう精一ぱいではないか。そういう場合に、各省のそういう審議会委員会等に委員を任命される際に、一人の人が幾つも幾つも出ておらぬかということを調査をされて任命されておるのか、そんなことは全然連絡もなくて勝手に任命されておるのか、お答えを願いたい。
  57. 岡部史郎

    岡部政府委員 ただいまの受田委員の御説は二重の意味においてまことにごもっともでございますので、政府側といたしましてもその点は慎重な手続をとつておりまして、そういうことのないように、かねがね配慮をいたしておりますし、その実情もある程度まで調査しております。また任命に当りましても、あまりダブリ過ぎないように、できるだけの努力は、政府全体、ことに総理府を中心として細心の注意を払つております。
  58. 受田新吉

    受田委員 これもあなたの方でなさるお仕事一つだと思うのですが、審議会委員の顔ぶれに二重、三重になっておる一番多いのがどれだけあるか、具体的な例があればそれを示してもらいたい。今それをお調べになる間に、もう一つ政務次官に伺いますが……
  59. 岡部史郎

    岡部政府委員 直ちにお答えできますから……。ただいま受田委員からの御指摘の点につきましては、一応調査ができております。従って具体的な方のお名前までわかつておりますが、それは省略させていただきます。三十三年の三月現在の調べによりますと、審議会委員を兼ねておる数で、十六から二十までを兼ねておる方が三人いらつしやいます。十一から十五までを兼ねていらつしやる方が九人ございます。それから六つから十までを兼ねていらつしやる方が四十九人、それでかなり多いものですから、私どもも十分に慎重に配慮しているわけでございます。それから一つから五つ以下の方が二千三百六十四人、こんな数字が一応手元にございます。
  60. 受田新吉

    受田委員 二十も二十近くも委員会を兼ねるということになると、これは一週間のうちにほとんど毎日顔を見せなければいけない人も出てくると思う。それでは大学の先生の任務は勤まらぬ。大学も欠講々々、休講々々ということになる。本務の方を怠つて兼務の方を本気でやるということになる。これは私は本末転倒もはなはだしいものだと思う。もう一つは同じ顔ぶれがそういうふうにどの委員会審議会にも顔を見せなければ人がおらぬかということです。人材雲のごとくおる今日、その人でなければならぬということはあり得ないことだと思う。そういう意味からも人材を適宜簡抜するという、そういう配慮が必要だと思う。前の行管の長官をされた河野さんのごときは、行政審議会委員など任命されるのに、伝えられるところによれば、その委員の半数の二十名というものは河野長官みずからが委員の人選をされたということのように聞いている。長官自身の頭脳のいいことはわかりますけれども、実際において個人的な感情で有名人が幾つも委員会を兼ねるということになる。もっと人材を野から見出すという努力をしなければならぬと思う。これは今まで行管が行なつた大きな失態だと思う。今後これを是正していきたいと仰せられましたが、これを具体的に是正する方向をどういうところへ持っておられるか。今後の方針を伺いたい。
  61. 岡部史郎

    岡部政府委員 まことにごもっともなお尋ねでございますが、ただ大学の先生の名誉のためにちょっと申し上げておきたいと思っておりますが、大学の先生方も講義に差しつかえるようなことがあつてはいかぬというので、こういう審議会委員を非常に強く辞退しておられるのでございますが、実情は、ぜひその先生に出ていただかなければ困るというので拝み倒すようにしてお願いしているのが実情でございます。もちろん講義という本来のお仕事を妨げないように、その数を制限するということが筋だろうと思っております。それでこの審議会委員は、大体各省大臣が任命権を持っているものが多いわけでございます。また総理府が一番たくさん行政審議会を置いておりますが、総理府に置かれる審議会は総理大臣が任命権を持つ。それで総理府の人事当局といたしましては、極力この審議会委員があまりに一人の方が多過ぎないように、具体的の場合におきましてはいろいろチェックするという努力もされておられるわけでございます。政府全体といたしまして、そういう努力の方向にあることを御了承いただきたいと思います。
  62. 受田新吉

    受田委員 あなたは講義に差しつかえないとおっしゃったけれども、講義に差しつかえがあることはしばしば学生からも聞いておるし、それから一方審議会の方の側から見ると、その方の委員は大学の講義があるからきょうはこれへ出てこれないと言うのですね。結局そんな委員を任命しておるがゆえに、その審議会に欠席する委員がたくさんおるわけだ。両方損をしておるのです。精励恪勤してはおらぬです。出席率を見ていただけばわかると思う。ろくに出席もしない。拝み倒すようにして頼みに行つたけれども審議会に出て審議される日数が非常に少いというような委員を拝み倒される必要がありますか。もっと誠意を持って研究される人が有名でない人の中にある。そういう人がやがて有名になる。そういう努力をしないで、各省が勝手ばらばらに有名人を任命するということに問題がある。もう一つ行管が全体の調整をはからなければ、総理府がやるわけがないのです。総理府は総理府で所管がある。各省のすべてをやるのは行管でやらなければならぬと思う。そういう人選についてあなたの方でまとめられるわけですか。だれがやられますか。
  63. 岡部史郎

    岡部政府委員 今の制度では、各省に置かれる審議会は各省大臣がその責任において任命されることになっております。総理府におきましてはもちろん総理大臣が任命されることになっております。ただ何といっても総理府の地位といたしまして、総理府に置かれる審議会委員が各省の審議会委員とダブることが多うございますから、従いまして総理府の審議会委員の人選に当ってそういう点にいろいろこまかい意をいたすということが、全体として今受田委員の御指摘のような方向、改善の方向に向う一歩であろうと考えております。そういうことで受田委員の御指摘のような、すなわち広く専門的な人材を求めるということにつきましては、政府全体として異存がないことでありますし、そういう方向に努力しなければならぬとみな考えておりますので、御意向が次第に実現することと思っております。
  64. 受田新吉

    受田委員 そうするとその委員の任命に対する調整機関というものが総理府ということになりますか。
  65. 岡部史郎

    岡部政府委員 法律的に人事についての調整機関がどことははっきりは申し上げにくいかと思いますけれども、先ほど申し上げたようないきさつで事実上そういう調整が進みますし、また各省がそういう心組みになればかなり実績が上ることと考えます。
  66. 受田新吉

    受田委員 それは総理府が調整機関になるということも一つあると思いますが、行管としてはこういう審議会とか委員会とかいうものに対する行政運営上の責任を持っておる役所なのですから、あなたの方で、同じ顔ぶれが各省にまたがるときは十分注意し、指導するということの責任がないですか。
  67. 濱野清吾

    ○濱野政府委員 ただいまのお話その通りでありますけれども、今の制度の上から見ますと、各省の大臣委員を任命するものですから、その調整はやはり内閣全体としてやらなくてはなりませんが、お説の通り業務の運営改善とか能率を向上するとかいう見地から、私の方で総理大臣一つの上申をして、その長官に指示を与えることができる権限がございます。その権限を行使して私の方から総理大臣に上申書を出すことにいたしますから、その点御了承を願いたいと思います。ただ法律上の調整というのは事実はできない制度になっております。
  68. 受田新吉

    受田委員 政務次官から対策について御意見を伺ったので、あなたのそうした形の努力を待望しておりますから、次会にまた実態を把握するために御質問します。  では行管の方に対する質問は一応終りまして、文部省関係の方に尋ねさせてもらいます。高見さんにお答え願いたいのですが、あなたは青年を愛するという総理の施政演説の意味からも、今度の文部省設置法改正案の中にあるところの国立中央青年の家の設置については、相当総理の指示も直接いただいたのじゃないかと思うのです。いかがですか。
  69. 高見三郎

    ○高見政府委員 これは文部省としましても青年の家の中央センターを持ちたいと思っていたところ、たまたま東富士の演習場が開放せられたというところで、内閣の方に青少年問題協議会がありますが、その方でも同じような構想を持っておりますので、一体となってこの計画を進めたわけであります。所管は文部省の所管ということに話し合いをつけたわけでありまして、今回御提案申し上げたわけであります。
  70. 受田新吉

    受田委員 岸総理の御意思が特にこの面に現われてはおりませんか。
  71. 高見三郎

    ○高見政府委員 御質問の御趣旨がよくわかりませんが、岸総理も非常に御熱意を持ってこの問題を処理しようということでありますし、文部省としてもぜひこれをやりたいということで今回お願いをしたわけであります。
  72. 受田新吉

    受田委員 総理は施政演説においてしばしば、青年よ、立てと激励をされております。そういう意味から青年対策としてこれが具体化された一つの現われであるかどうかということをお尋ねいたします。
  73. 高見三郎

    ○高見政府委員 もちろん岸総理もこの問題について非常な御熱意をお持ちになりまして、総理御自身もこの場所を御視察になっておりますし、総理の御意思が反映してできたということについては間違いがないことであります。
  74. 受田新吉

    受田委員 そこで一つ問題があるのですが、総理は青年に奮起を要望されておられる。その青年がいわゆる昔式の古い考え方の青年であってはならない、民主主義の基盤に立つ青年でなければならぬ、そういう意味から、この国立中央青年の家というものの設置の目的、その運営の内容ということについてあらまし伺って、質問を続けたいと思います。
  75. 高見三郎

    ○高見政府委員 この施設は、御承知のように東富士のキャンプにおきまするアメリカ駐留軍の、どちらかと申しますとレクリェーション施設であったのであります。私ども今度考えております中央青年の家というのは、全国へたくさんの青年の家を作りますが、その青年の家の中央センターをここへ持っていきたい。もちろん青年を団体宿泊させますし、団体訓練はいたしますが、これの運営は、昔のいわゆるヒットラー・ユーゲントというようなものの考え方でおるのではありませんで、むしろ青年がおのおののグループにおいて団体的な修練を積んでいく、それは国なり県なりあるいは地方団体なりの指導者によって指導すると申しますよりも、むしろグループ活動による団体訓練を積んでいく、こういう構想のもとに進めておるのでありまして、従来のいわゆる団体宿泊とか団体訓練とかいうものの観念とは大よそ違っておる自治的な集団の活動、こういうところに重点を置いて考えておるわけであります。
  76. 受田新吉

    受田委員 これは一億一千万円以上の金をかけてお作りになるわけですが、その金の内容はどういう使い方になっておるのでしょうか、ごく要点だけお答え願いたい。
  77. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 本年度の予算は一億一千九百万円でございまして、人件費が約六百万、施設費が六千二百万、設備費が三千百万、事業費が一千万、維持費が八百万余、以上のような内訳でございます。
  78. 受田新吉

    受田委員 六千二百万という施設に要するものは、現にここにある分のほかに別に建物を建てるわけですか。
  79. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 施設につきましては、既設の施設、これは二千八百坪余りでございますが、これの補修、改修等が主でございまして、新設としては、ただいま政務次官が申し上げましたような団体の野外活動等のための炊さん所、それから屋外の食器の洗い場等でございます。
  80. 受田新吉

    受田委員 ここで訓練をする、宿泊訓練をする責任者はどういうふうになっておるのか、ここで常時勤務するのか、どういう形になっておるのか、内容をお示し願いたいです。
  81. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 この青年の家の職員といたしましては、所長のほか、青年の教養の向上あるいはいろいろな助言をなすための専門的な職員、その他直接この青年の家の管理に当る事務的な職員、合計二十名を予定しております。
  82. 受田新吉

    受田委員 その二十名の内訳で、国家公務員である職員は——みなそれに入るわけですか、団体の形のものもあるわけですか。
  83. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 ただいま申し上げました二十人は国家公務員として定員内の職員でございます。
  84. 受田新吉

    受田委員 こうした問題に関連するのですけれども、今文部省の現業の仕事をやっておるのが、文化財保護の形で姫路のお城を作る職員がおるわけですね。これは七、八年間で仕事が片づくということなんです。こういう現場の職員の立場は、どういう形に置いてあるのでしょうか。
  85. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 文化財の補修修理等をなす専門的な職員は、文部技官として国家公務員がおるわけです。そのほか作業に伴う臨時的な職員もあると思いますが、ただ文化財の保護事業は、まだ相当長期にわたっていろいろお仕事がありますので、文化財の職員等が数年後にもうなくなっていいというようなものはないと存ずるのであります。
  86. 受田新吉

    受田委員 現場の、たとえば姫路のお城を作っている作業に当っている職員、いわゆる常勤的性格を有する非常勤職員、そういう人々の身分確保ということも考えておるのですね。都合によれば定員の中に入れるというような場合もあり得るわけですか。
  87. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 これは文部省部内共通の問題でございますけれども、常勤的性格を有する職員につきましては、文部省としては機会あるごとに必要なものは定員内の職員とするように交渉をいたしております。
  88. 受田新吉

    受田委員 もう一つ最後に文部省にお伺いをしておきたいのですが、この青年の家というものは、中央においてそうした訓練をすると同時に、地方でもしなければならぬということで、地方にももうすでに自発的に作っているところがある。そこへは適当な補助を与えているということでございますが、全国でどのくらいそういう施設ができておるのか、これもお示し願いたい。
  89. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 実は地方に置きます青年の家、県なり市なりで設置しております青年の家は、昭和三十年度から主十二年度まで国の補助を受けておりますものが二十六施設でございます。本年度すなわち三十三年度で、さらに十六施設が補助を受けて、現在建築中でございます。
  90. 受田新吉

    受田委員 それに対する補助率は幾らですか。
  91. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 三十三年度並びに三十四年夏二分の一の補助でございます。
  92. 受田新吉

    受田委員 私は文部省のこうした企画については、原則として反対するものではございません。青年のために大いに修練の機会を与えることはけっこうだ。ただこの運営のあり方について文部省はよほど考えてもらわなければいかぬ。あなたのところの文部大臣は由来自民党の文部大臣だから、自民党の文教政策を推進するのが私の責任だとおっしゃる。教育の中立性などはおよそ忘れたようなことをおっしゃっておる。今顧みて、大野さんなどは、非常に中正だったと思うのです。あなた御自身も、かつて仕えた大臣のうちでどれが一番中正であったか、中正の度はおわかりだろうと思います。最近の文部大臣は非常に偏向しておる。その意味から、青年の訓練に当っては文部大臣は、たとえば自民党の某代議士が勧めたものを選ぶとかいうような形にしないで、公平な人選をはかって、そうして訓練の内容なども非常に開放的で実質を重んずる、民主主義の基盤をこわさないというはっきりしたものにしなければならないと思うのです。そういうところの用意はできておりますか。
  93. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 学校教育のみならず社会教育におきましても、教育の政治的中立ということは厳重に関係者として心すべきことでございます。現に地方の青年の家におきましても、これは一律な内容ではございません。地域によりましては技術的な訓練ということを主とするものもございますし、主として屋外活動等、体育関係の授業を主とするものもございます。これはそれぞれ地方の実情に応じ、地方の地域青年団の活動に即応して、十分自主的に事業が営まれておるものと考えます。
  94. 受田新吉

    受田委員 青年団の中央の会合などで、とかく選ばれる代表が保守系の方のあっせんによる人々が多いわけです。こういうことは非常に考えなければならぬ。それは地方の府県は保守系の知事が多いがゆえに、知事の任命による教育委員が、前の公選制度と違って、知事の鼻息で任命されておるから、そこで選ばれる人選なども保守系の顔がきいているおそれがあるのです。ここをどうか運営の面で中正を保つように、たとい自民党の文部大臣であっても、教育の中立は社会教育も含むのだということではっきりしてやってもらいたい。ここは自民党の代議士であり、文部省の政務次官である高見さんも十分心得えてもらわなければならぬ。その点ははっきり中正を保たれるか。人選、運営に当る所信をここでもう一度披瀝していただきたい。将来それが誤まったならば、今度はあなた方に対する責任を追及することになるのです。
  95. 高見三郎

    ○高見政府委員 文教が政治的中立を保たなければならないことは、何党の大臣であろう、何党の政務次官であろうとこれは不変の原則であります。私どももその点についてはおっしゃるまでもなく中正に処置をいたす覚悟であります。さよう御承知を願います。
  96. 平井義一

  97. 石山權作

    石山委員 農林省の設置法によって職員その他が五人増される。五人はどういう役職をお持ちになる方だか、お聞かせ願いたい。
  98. 石坂繁

    ○石坂政府委員 正井参事官が来ておりますから、参事官から……。
  99. 正井保之

    ○正井説明員 名古屋に農地事務局を新設いたしますが、そのために必要な職員としまして五名の増員が予定されております。
  100. 石山權作

    石山委員 私は増員五人の役職名を聞いているのです。たとえば局長さん一名ふえる。何々課長さん、何々課を設ける、こういうことを聞いているのであります。
  101. 正井保之

    ○正井説明員 事務局長に当るもの、それから現在名古屋には建設事務所長がございまして、部長に相当する職でございますので、他に事務局長のほか官房長、管理部長、計画部長、それと官房の課長一名というものが予定されております。
  102. 石山權作

    石山委員 そうすると五人の増員のうち四人まで高級の役職というふうになるだろうと私は思うわけです。そうしますと、私表面から見ると、何か高級官僚を作らなければ、役職名を作らなければならなくて、事務所を事務局に格上げしなければならないというような印象にこの説明の中では受け取れるわけです。必要度というよりも、何か皆さんのグループの中でそろそろ局長にしなければならないから、幸い日本じゅう見渡してみたならば、名古屋の方があいていた。あそこを少し格上げをしてその人を回してやるという、こういう印象を受けざるを得ないのですが、そういう点はいかがでございますか。
  103. 石坂繁

    ○石坂政府委員 ただいま石山委員の御質問のうちには、いかにも人のために役所を設け、もしくは拡大するような御印象をお持ちのように伺ったのでありますが、この名古屋の農地事務局の設置は、提案理由のときも御説明申し上げましたように、従来名古屋建設事務所というものがあったことは御承知の通りであります。しかるに愛知県、岐阜県及び三重県の三県をこの事務所は所管いたしておりましたところ、この三県の農地関係仕事、農業土木等の仕事は、事業量も非常にふえて参ったわけであります。かたがた従来の建設事務所だけでは十分でございませんので、今回新たに農地事務局に昇格させたのでありますが、農地事務局に昇格いたしますれば必然的に、今正井参事官から御答弁申し上げましたように局としての機構を整備いたさなければなりませんので、最小限度に五名をふやしたわけであります。決して有山さん御指摘のような趣旨でやったのではないのでありますから、この段はよく御了承をお願い申し上げます。
  104. 石山權作

    石山委員 私、おそらくそういうふうな建前で進んでいるだろうと思います。無理に拡張しようとしたのではないだろうと思いますけれども、それに対してはやはりわれわれとしては農林関係をもう少し見た上でないと、適正であるかどうか、なかなかこっちは言い得ないと思います。  それからもう一つは、今定員法等の問題ともからみまして、各省でそれぞれの人員を求めているわけなのです。そうした場合に、局が一つできて五人の方が増員された。しかもその増員の仕方が、どうも上の方だけが整備をされて——調整その他に私はいいだろうと思う。局長ができることは、所長さんよりも権限があって、いろいろな点でやりいいだろうと思いますが、むしろ私の言いたいことは、上の人だけが五人ふえてしまって、下の方がそのままの形ではいびつなのではないか、事業量に即応した局の設置に対してはいびつなのではないかということでございますが、その点はいかがでございますか。
  105. 齋藤誠

    齋藤(誠)政府委員 ただいまの御質問は、名古屋農地事務局ができることに伴って高級の幹部五名だけをとったのでは、全体の人的構成において不公正な、不合理な形になるのではなかろうか、こういう御質問のように伺ったのでありますが、先ほどから申し上げましたように現在名古屋農地事務局の母体になります名古屋建設事務所というものがございまして、これが三県にわたる建設事業を行なっているわけでございます。この事務所に使用しておる人員が約四百名近くおるわけであります。従ってこれらの人間は当然農地事務局に引き継がれるわけでございます。五名要求いたしましたものの職掌につきましては先ほども申し上げた通りでございますが、なおこの四百名をも加えまして、農地事務局全体としては現在四千二百五名の定員を持っておりますが、これらは各事務局の事業分量を考慮して各事務局間の定員配置をいたしておりますので、今御指摘になりましたような点につきましては、現実に名古屋事務局でどのような事業分量になるかというようなことを十分あわせ考えまして、人的構成について不公正なこと、不合理なことのないように、事業が円滑に遂行できるような体制を整えたい、こういうことで考えている次第でございます。
  106. 石山權作

    石山委員 林野庁の方にお願いしたいのですが、おりますか。
  107. 平井義一

    平井委員長代理 林野庁はおりません。
  108. 石山權作

    石山委員 政務次官、代行いたしますか。
  109. 石坂繁

    ○石坂政府委員 今林野庁長官は農林委員会であなたの方の委員から質問を受けておるものですから、こっちに出席できかねているような状況でございます。
  110. 石山權作

    石山委員 では農林政務次官にお聞きします。あなたは専門の方でいらっしゃるだろうけれども、林と麦、稲とではだいぶ趣きが違うので私も常識的な質問になるだろうと思いますが、一つ稲と林を引き比べていただきたいと思います。稲の場合は各県で国から援助をいただいたりして試験場なんかも設け、その県でも山間地方とか平野、海岸地方というように分けて、非常に綿密にいい稲の苗を作っております。その苗は強制するわけではなく、指導するわけなんです。今度の林野庁のやり方は、試験場を一つにして種苗場も大げさにやる、こういうようなやり方でございます。私は何も民間事業を抑圧しなさいとか、民間事業が悪いなどとは今申し上げたくないわけですが、木というものは大体三十年間くらいかかるわけで、苗が悪いとそれが三十年間何ぼかずつマイナスになって国土の面積を占有するわけです。やり方によっては、二十年で三十年の在来の大きさだけの木がとれるというやり方があるわけで、そのねらいでやったのが今度の林野庁やり方だろうと私は思います。ですから林野庁といたしましては、それをやるからには優良な種を見つけ、優良な苗を作られると思うのですが、それをただ国有林だけでまかなうというような考え方でいれば、私はどうも間違いなのではないかと思うのです。これを作るということは賛成でございますけれども、その後の経営の仕方がどうであろうか、そういうことをお聞きしたいと思うわけです。
  111. 平井義一

    平井委員長代理 石山君に申し上げますが、それはこの前の委員会で同じ質問をされたと思いますので、ごく簡潔にお願いいたします。
  112. 石坂繁

    ○石坂政府委員 林野行政、造林の問題が長期にわたる事業であるということは御指摘の通りであります。しかるに戦争中及び戦後の乱伐もしくは過伐等によりまして山林が荒廃し、一方材木の需要が増しておるにもかかわらず、その不足を来たしておることも御承知のところだと存じます。従いまして、この際農林省といたしましては林野行政につきまして長期の計画を立てて、一面造林に努力いたしますとともに、奥地林の開発の目標を立てております。従いまして、その一つの基礎的仕事として、今回御審議を願っておるように林野庁に林業試験場、林木育種場両方を設置することになったのでありますが、ここで原々種を作りましてその苗を一面営林局を通して国有林に配付する、また他面都道府県を通しまして民有林に配付するという建前をとっておるのであります。従いまして、あるいはこの林木育種によって民間の苗業者を圧迫するのではないかという御懸念もあろうかと思いますけれども、ルートが違いますので民間の事業を圧迫することにはならないと思います。なお、長期にわたる性質の事業でありますから、長きにわたって試験研究の結果等を保存する必要がありますので、かたがたこの試験場の設置をお願いしておるような次第でございます。
  113. 石山權作

    石山委員 法務省の方はおいでですか。
  114. 平井義一

    平井委員長代理 木島政務次官がおります。
  115. 石山權作

    石山委員 今度の法案を見ますと、文章の書きかえ、地名の書きかえのようなところが多いようでございますが、少年院に関して事実上こういうようなことがあるわけですが、それはこういうことです。たとえば某所に少年院を建てる場合、実際上からいうとその当該地はあまり歓迎しないわけです。場所もなるべく市から離れたところ、当然その土地の所有者は農民の方が多いわけです。その買収等にからんで——法務省の方々は、農民から見れば法律の神様みたいに思われているわけです。しかしその買い方が、調べたところから見ますと尋常の手段ではないというふうな傾向があったことを私見たのです。農民はそういう格好で承諾した、当然これは国有財産に編入されるわけでございます。しかし残念ながらその少年院が予算の関係で建たなくなった。そうしたら当然土地はその農民に返還されることになるのが在来の例でございます。しかし法務省と契約されたその条文をよく見ますと、口で言ったことと書かされた条文が違っているわけです。土地を農民に返してもいいし、返さなくてもいいというふうなあいまいな語句を使っているわけであります。私ほんとうからいえば、時間があればその原文を持ってきてどっちが正しいのだ、こういうようなやりとりをするのも一つの手段だろうと思うけれども、それではあんまりですから申し上げませんけれども、たとえば移される場合、土地を買われる、そういう場合は信頼されているだけにあやまちのないような言辞と行動をとっていただかないと、私が知り得た範囲内では、どうも法律を守る方にしてはあまりに政治家的な言辞を弄して土地を買収し、そしてそこに少年院が建たなくなったら、うやむやの形で今度は大蔵省の地財の方へころがしてしまって何ら関係しない、そういう問題が起ると長くかかります。そのうち当人の判事さんはどこかへ転勤してしまう。秋田もその通りであります。そういう例がありますから、移す場合はそういう非難を買わないようによろしく注意していただきたい、こういう喚起の声であります。
  116. 木島虎藏

    ○木島政府委員 今御指摘のあったようなことは、おそらくこういうことだろうと思います。法務省としては今お説のように場所を変えたいということで内交渉をしておった。ところが予算が取れないというようなことで、そういう結果になったのだろうと思います。その内容を見ませんとよくわかりませんが、今おっしゃったようなことがあって、法律を厳格に施行する番人の法務省、そこでそういうような疑いを国民に抱かせるようなことはよくないので、よく注意いたします。
  117. 平井義一

    平井委員長代理 石山君にお願い申し上げます。三時半から本会議が開かれるそうでありますから、できる限り御簡潔にお願い申し上げます。
  118. 石山權作

    石山委員 次に航空の基地等の関係でお聞きしたいのです。今の場合民間のことをおもに聞きたいわけですが、今外国から入ってきている飛行機に乗るお客さん、それと日航機で外国へ行くお客さん、そういう数はどういう関係になっておりますか。
  119. 林坦

    ○林(坦)政府委員 国際線に乗るお客のうちで日航機の占めておる割合というるのは、大体二〇%ないし二五%くらいとなっております。今申し上げたのは太平洋でございますが、さらに全般を通算いたしますと一五%くらいになっております。
  120. 石山權作

    石山委員 私三年くらい前に大蔵委員をやっているとき、九州へ国政調査に行ったことがございます。そのとき非常に残念に思ったり不愉快に感じたことは、板付飛行場であったわけですが、アメリカの飛行機が飛んでいるために、私たちはなかなか着陸ができなかった。飛び立つときも、ジェット戦闘機か偵察機か、どっちかだったと思います。戦闘機が多かったと思いますけれども、いずれこれが二十機くらい飛び立つまでは待機をしなければならない、こういうことでした。それから待合室なども、まるで火事にあった、あるいはもちろん戦災にあったような形でしたが、バラックで、休む個所も非常に祖雑で、これが国内航路の非常に大切な飛行場だというふうには考えられませんでしたが、その当時と今と比較して、国内航空路線としての重要起点としてちゃんと整備をされているがどうか、そういうことをここでお聞きしたいということと、場所が狭い——羽田なんかもその通りですが、日本で使う場所が狭いというようなことを言っているのですが、そういう点はどうなっているのか、新聞で報道されるような格好で実際は運営されているのか、実情を少し詳しく知らしていただきたいと思います。
  121. 林坦

    ○林(坦)政府委員 ただいま板付におきまして出発あるいは着陸の場合に、だいぶ待たされたという御体験に基く御質問でございます。この点は確かに板付の基地は、あそこにジェット機が離発着いたしております関係上、ジェット機の性能、その性質から申しまして、あまりエンジンをふかしたまま待つということができない、非常に不経済な点もございますし、また油の余裕をたくさん持っておらぬ関係から、着陸する場合にはすみやかに着陸しないと危険であるといったような問題もございますので、相当ほかの飛行機がそのために滞留を余儀なくされたり、上で待たねばならぬという場合があることは事実でございます。しかしこれは何も米軍だからそうだという意味ではないのでございまして、ただいま申し上げましたようにジェット機の扱いに対するきめ方によりましてそういう結果になっております。そこのジェット機の利用の頻度が、かつての朝鮮事変の際のようなわけではございませんので、その点は現在は非常に改善されておると存じます。なお福岡の板付の飛行場の待合室その他の面でございますが、これも一昨年でございましたか、あそこにターミナルのビルディングをすでに完成いたしまして、現在におきましては旅客の方々にそうした不自由をおかけしないように手配いたしておるわけであります。また民間機の滞留する場所等も別にできておりまして、この点は数年前とは見違えるほど改善されておるはずでございます。
  122. 石山權作

    石山委員 つかないお尋ねをするような格好になりますが、航空路というものは公的使命を帯びておりますか。
  123. 林坦

    ○林(坦)政府委員 航空路は現在管制の対象になっておりまして、指定された航空路を通る場合には、どこのどの飛行機でもセンターの統制を受けて通るというのが現状でございます。
  124. 石山權作

    石山委員 局長さんは私の言ったことを別の観点から御答弁されておるわけなのです。航空路は公共的な——たとえば道路、港湾は公共的といわれておるわけでしょう。最近はだんだん世の中が変ってきて、私の企業でさえも公的使命があるなどといっておる時代ですから、航空路の場合はどうでしょうというふうにお聞きしておるわけです。
  125. 林坦

    ○林(坦)政府委員 航空路は現在におきましては一般的に通行する場所でございますから、公共的な性質をもちろん持っておると存じます。
  126. 石山權作

    石山委員 そうすると日本国全般から見た場合、航空路は片寄っていはしないかということなのです。どうも裏日本のわれわれを忘れていはしないか。私は航空図というものは宣伝等でも飛行機に乗るとよくいただきます。ここから何キロで、ここからここまでの間を何時間で飛ぶ。ところが残念ながらあの航空図を見てみても、裏日本には航空路らしいものがないわけですが、そうすると裏日本の連中は公共の利便から置き忘れられてもいいというふうなことにもなりかねないのですが、その点はいかがでございますか。
  127. 林坦

    ○林(坦)政府委員 私の申し上げた航空路の公共性という意味が、多少食い違っておったと思います。ただいまの御質問にありました航空路といわれるのは、われわれの方ではいわゆる路線と称しておるものだろうと思いますつが、要するに旅客航のサービスが、裏日本においてはほかの方面に比べてやや不足しておるのじゃないかという意味の御質問だと存じますので、その点について申し上げたいと思います。もちろん現在までのところにおきましては、裏日本方面は飛行場その他の完備もいたしておらなかった面もあり、またその他の施設等も十分にできていなかった点もございますので、そういう点の航空路線が十分に今まで開かれていなかったということは事実であると思いますが、そういう観点に立ちまして、新潟方面あるいは佐渡等につきましても来年度の予算にはこれを計上することにいたしまして、整備をはかるというようなことも考えております。それらに従って逐次路線を延ばすということはわれわれとしても配慮いたしておるところであります。
  128. 石山權作

    石山委員 港湾局の方、おられますね。航空に関して何も港湾局の方を引き出すわけではないのですが、やはり委員の方方に全体から見ていただきたい、聞いていただきたい意味もあって、私お呼びしたわけなのです。今の局長のお話を承わると、設備がないからというようなことなのです。私は後進国——裏日本は後進圏といわれておるわけですね。こういうふうなものは是正するのが国家の役目だと考えておるのです。おくれたところは自由にまかせておけばどんどんおくれていく。いわゆる経済交流の価値のある関西地方あるいは京浜、こういうようなところももちろん大切ですけれども、これらにまかしておけば裏日本はますますさびれてしまう。東北、北海道はさびれてしまう。国の任務としては、そういう片寄らないことをやるのが私は大きな行政上の任務だと信じておるのです。それにもかかわらず、局長みたいなお話であれば、いかにも何かそこに会社を起して自力でやれるのだ、やらなければこっちだって何もできないのだというような御意見になるだろうと思います。私はそういう言い方で物事を見ていられることは非常に残念です。  港湾局にお尋ねしますが、港湾の方でも、今盛んに一万トンの船がなければ港としての価値がないと世間でいっているわけなんです。どこの裏日本の港も一万トンの船を入れたいといって今必死になっている。ところが現実から見れば——これもあなた覚えているように重要港湾の指定というような格好で、せんだって経団連の答申などを見ますと、これを地方から取り上げて国営にするようなお考えがかなり濃厚に出てきております。そうすると裏日本ではこれから何とか日本海を利用して貿易をやりたいのだと考えている場合、それには一万トンがなければならないという悲願、こういうふうなものがまたもや今のような格好で置き去りを食う心配があるのですが、港湾局では今まで裏日本へもかなり目をかけていただいたという経緯があります。今後どういうふうな考え方で進めていくかということをこの場合お聞かせ願いたい。
  129. 中道峰夫

    ○中道政府委員 港湾の整備の点でございますが、ただいまお話のございましたように港湾につきましては、私どもの方は経済企画庁の構想等によりまして、五ヵ年間程度の長期計画を立てております。これは現在の地方の実情を考えまして、また将来これがどういうふうに発展をするだろうかという点をいろいろな面から検討いたしまして長期計画を立てて、その線に基きまして年度ごとの予算を作成しておるわけでございます。ただいまお話もありましたように、一万トン岸壁の件でございますが、これは秋田、酒田等にこの計画がございまして、現在着工いたしておりますし、さらに三十四年度、つまり来年度は一そうこれを促進するような措置を考えておるわけでございます。
  130. 石山權作

    石山委員 私、港湾局長にお願いしておきたい点は、飛行機の航空路の問題等を聞いても、裏日本は置き去りを食っているということなんです。航空路の場合はまずまずというふうな気持もあるけれども、港湾の場合は置き去りを食ったら、今の港湾の背後には工業というものが控えておる。昔のようにただ交通機関であり、ただ土地との連絡機関であるというのと違う。その土地の死命を制する経済の基盤になるのですが、私はまたあとでこの問題はあなたの方の委員会に出て十分お聞かせ願いたいし、私たちの気持も聞いていただきたいというふうに考えておりますが、これはまあ打ち切りまして、航空局長にもう一つ。裏日本に三十五年度までに何とかして飛行場を設けたい、こういう念願で運動を盛んに起しておる県がそれぞれあるのです。あなたはそれをまだできていないからとかなんとかというふうにおっしゃるのですが、そういう陳情をどういうふうにお考えになっておるか、一つ聞かしていただきたいと思います。
  131. 林坦

    ○林(坦)政府委員 裏日本の民間航空の基地といたしましては、南の方から申しますと、美保がございます。これは現在すでに定期航空が通っております。また小松というのがございますが、これとの間にも定期航空が通っております。それから新潟がございますが、新潟との間も東京—新潟間は航空路が通っております。しかし先ほど申し上げましたように、まだ施設その他が十分でないというので、来年度の予算をもちまして新潟も整備したい。また佐渡の方も一つ作ろうという計画を立てております。それから富山等も非常に熱心に要望をされて参りました。これに対しましても、政府部内におきましてもいろいろ検討いたしました。しかし今度のところは場所の問題でまだ多少疑問の点もございますので、さらに研究を進めるということで、政府部内ではそういうところまで進んでおる状況でございます。(「もっと北に進めて下さい」と呼ぶ者あり)さらに北の方も、秋田あたりもまた要求がございますけれども、具体的な問題としてはまだそれほど具体化しておらぬ現状でございます。おいおいこういうところも進めて参りたいと思います。
  132. 平井義一

    平井委員長代理 最後に、大事なことですから、航空局長に私から質問いたします。現在、米側が担当しております航空交通管制事業は、日本政府側に全面的に移管をするそうですが、その時期はいつごろになりますか。
  133. 林坦

    ○林(坦)政府委員 現在米軍が委任を受けてやっております航空交通管制の業務は、大体飛行場ごとに逐次こちら側に返って参っておりますが、その中核とも申すべき入間川のセンターは、実は大体この七月一日を期して日本側に返るという段取りで、すでに収用の準備を進めておる現状でございます。
  134. 平井義一

    平井委員長代理 航空交通管制の仕事が七月に返ってくるというのは、行政協定に基くどのような取扱いによってですか。
  135. 林坦

    ○林(坦)政府委員 行政協定の第六条第一項に基きまして、日米合同委員会で決定されました日米の政府間の取りきめがございまして、航空交通管制についての取りきめでございますが、この中に日本側に十分な力がついたという点についての日米間の意見の一致を見るときまでは、航空交通管制組織の管理を米軍に委任する、こういうことになっておりまして、そういう点について両方の意見の一致を見た場合にはこちら側に返す、こういう建前になっておるわけでございます。
  136. 平井義一

    平井委員長代理 センターの受け入れについて十分準備は整っておりますか。
  137. 林坦

    ○林(坦)政府委員 そうして昭和三十二年の四月に合同委員会の下部機構であります航空分科委員会というものが開かれまして、その航空分科委員会におきまして、昭和三十四年七月一日に移管することに大体合意が成立しておるのです。
  138. 平井義一

    平井委員長代理 これにて各案についての質疑は終了いたしました。  これより郵政省設置法の一部を改正する法律案を除く他の四案について討論に入りたいと存じますが、特に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  法務省設置法の一部を改正する法律案文部省設置法の一部を改正する法律案、運輸省設置法の一部を改正する法律案及び農林省設置法の一部を改正する法律案の各案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  139. 平井義一

    平井委員長代理 起立総員。よって各案はいずれも原案の通り可決いたしました。  なお各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 平井義一

    平井委員長代理 御異議ないものと認めます。よってそのように決定いたしました。     —————————————
  141. 平井義一

    平井委員長代理 国の防衛に関する件について調査を進めます。本日は特に昭和三十四年度防衛関係予算について説明を聴取することにいたします。伊能防衛庁長官。
  142. 伊能繁次郎

    ○伊能国務大臣 昭和三十四年度防衛庁予算案に関して御説明を申し上げます。すでにお手元へ参考の予算案に対する大要を御配付してございますので、その大綱につきまして私から御説明を申し上げたいと思います。  昭和三十四年度の防衛庁の歳出予算の総額は千三百六十億四千万円でありまして、これを昭和三十三年度の歳出予算額千二百億六千万円に比べますと、百五十九億八千万円の増加となっております。これが機関別の内訳は、陸上自衛隊が六百四億八千万円、海上自衛隊が三百二十二億三百万円、航空自衛隊が三百九十億百万円、その他官房各局、付属機関が四十三億五千四百万円でございます。このほか国庫債務負担行為として総額百九十八億八千七百万円を計上いたしておりますが、その内訳は航空機の購入について三十一億八千二百万円、器材の整備について百三十二億四千六百万円、施設の整備について十四億九百万円、艦船の建造について二十億四千八百万円でございます。また継続費の昭和三十五年度以降年割額として新たに五千三億五千百万円を計上しております。  これらの経費の前提となった来年度増強計画の概要は次の通りでございます。  陸上自衛隊におきましては、制服職員の定員は三十三年度通り十七万人とし、一般職員の定員のみ三十三年度の一万一千九百八十一人を千四百九十九名増加し、従来学校、補給処等に勤務していた制服職員を部隊の新編増強に振りかえるいわゆる一般職員と制服職員との転換を行なって、方面総監部、地区施設隊等を新没することといたしております。  海上自衛隊におきましては、艦艇十隻の建造を計画しているほか、米国から艦艇八隻の貸供与を予定するとともに、大型対潜哨戒機P2V7の国庫化第二年度としての生産を見込んでおります。また人員については、現在の制服職員二万五千四百四十一人、一般職員二千二百十二人の定員をそれぞれ二千二百二十六人及び五百五十七人増加することといたしております。  航空自衛隊におきましては、教育訓練の充実強化、補給機構の整備拡充及び航空警戒管制業務の増強等、既存部隊の質的向上と後方支援体制の確立のために必要な経費を重点的に計上するとともに、飛行教育集団司令部、中央補給処等の設置を行うこととするほか、新たに航空団一の増設を計画しております。また人員につきましては、現在の制服職員二万六千六百二十五人、一般職員三千四百二人の定員をそれぞれ六千六百人及び千人増加することといたしております。  官房各局、統合幕僚会議及び技術研究本部等の付属機関におきましては、三十三年度の制服職員三十六人、一般職員三千二十一人の定員をそれぞれ七名及び百九十三人増加し、技術開発等の進行をはかることといたしております。  なお、予算の積算に当っては、前年度に引き続き極力繰越額及び不用額を少くすることを目標として、実行の可能かつ確実な経費のみを計上いたしました。  何分よろしく御審議を賜わりたいと思います。
  143. 平井義一

    平井委員長代理 ただいまの説明に対する質疑は次会に譲ることといたします。次会は公報をもってお知らせすることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十六分散会      ————◇—————