○粟山
委員 今日の
NHKの
目的というものは、書かれたものにきわめてはっきりしておる。時間もないからくどくどと申し上げませんが、この
放送が国民に最大限に普及されてエフィシェンシーをもたらす。それから第二には、
放送が不偏不党である。真実及び自律を保障することによって
放送による表現の自由を獲得する。さらに三項目において、きわめて大きく、そしてはっきり表現されておることは、
放送に携わる
方々は職責を明らかにすることによって、
放送が健全な民主主義の発達に貢献するというように、きわめて簡単にこの大きな使命を締めくくって表現されておる。これは、味わえばまことにけっこうな味がしみ込まれるのであって、簡単にして要は尽きておると私は思う。そこで、
料金を六十七円から八十五円に値上げする、これは国民の多数の間には、たばこを一日に二つ、少くとも三つ四つ吸う人があるのだから、そういうたばこの好きな人からいえば十七、八円の値上りというものは何でもないというような方もありましょう。しかしながら、たばこも節約しなくちゃならぬという人々も、この進んだ文化の恩典にはぜひとも均霑したいという
考えで、無理にも一台のテレビをセコハンなり古物なりを買って持っているという方が少くないと思う。従って、
放送テレビのようなものは、これはわれわれが日々食事をしておる、その食事は満腹になればいいということのみに苦労されている人もあり、趣味なり興味なりというようなもので毎日
考える人もあると思う。一週間に二度くらい好きなものを食ってみたいというような
考えのある人も、いろいろあると思う。国民として、人間として生きるためには食事は絶対欠かすことはできないということにおけるその緊密なる
関係は、今日の
放送において、
テレビジョンにおいてイコールであるという観念において、私はこれは迎えてもいい、その必要性は迫っていると思う。ところで、さらにまた今日の国際情勢から
考えまするならば、国内においての国民に対する満足を得ることばかりでなく、近方ないし遠方、世界各地にこの機構と人的陣容を活用して、つまり国家の興隆と民族の発展と文化の
向上と、他民族に劣らぬところの発展を
考えて積極性を持たなければならぬ。これなくしてはこの必要性が、
日本は単に米とみそ汁でいいというだけでは済まぬ、それとはまた違う、もっと多角的であり、もっと真剣なものを要求しておる。そういう意味におきまして私は、社団法人からこれが私有財産を含まざるところの、今の法律によってこの性格の今日の
NHKがあることは当然だと思う。たまたま、たくさんな民放ができまして、さらに
テレビジョンのごときにおいても実に世界にまれなる多数の
テレビジョンが準備されつつある。私はこの可否を言うのじゃありません。民間の
事業は、これはもう何といったって利潤を
考えなくちゃならぬ。利潤を
考えないものの存在はあり得ない。ところが、
NHKの
仕事はインタレストというものを
考える必要がない。ベネフィットを
考える必要がない。配当とかを
考える必要がない。それ自体がそのものの
向上発展と
内容の
充実と、積極性を持ったところの民族の運命を盛り上げていくところの大きな
目的にさおさしていけばよろしい。従って、私はいろいろな面から
考えると、十八円上げてお前たちは何に使うのか、どうするのか、今
赤字を抱いて、
赤字を克服するという非常な熱意と決意のもとにおられることはけっこうだ、こう言って社会党の
方々も非常に寛大なお気持で、快くこれを御
承認あるであろうと私は想像しておったのであります。そういう点から
考えまして、私はここで常識的判断からいいますると、この今日の時勢の国民生活の上から、趣味によるところの消費財などの日々の消費の
状態から見て、社会党さんも御了解あるものと私は信じております。しかしなお、これにむだがあってはいかぬぞ、むだのないようにせい、科学技術も進歩すれば今まで金のかかった機械が要らなくなって、金のかからない機械で間に合うのだ、こういう点が
金丸さんの方の
考え方です。これは大いに
考えて、なるべく金のかからない簡単な機械でいくというのは発明の権威なのだ。そうして人手が少くて操作ができる、こういう点においても大いに練達堪能の人材がそろっておる
NHKでありまするから、これは十分お
考えになって、そういう面で日々に新たに、積極性を把握する上にこの進歩した科学技術を利用して、そうして
予算面に余裕を持たせる。しかし、これはもう今非常な金が要るんだけれ
ども、どうしても国際的に国内的に
考えて、これは大きな資本を投じなければいかぬ。金が要るんだ。とにかく購買費というものが要るんだ。その購買費を投入してもらわないときには、これはいわゆる
借入金においてまかなうもよし、今まで借りていたものを返さなくてもよし、銀行にいって、こういうような重要性があるのだからもう二、三年待ってくれと言われても、私は了としますが、ずいぶんやかましい森本君なんかも、そういうことがはっきりしておればこの舌鋒をゆるめると私は思う。そういうわけで、私は大きな期待を持って、どうか早くこれを通して、そしていろいろな面で積極的に御奮発を願いたい。
委員会で要求してあった資料をきょう突然ちょうだいして見ますと、これはどうも非常に大事なことであるが、
放送番組審議会の
運営状況についてというような簡単な項目だけで、名前は日々新聞で拝見しておるようなおえら方の集まりである。ところが、この問答というものはきわめて簡潔である。簡潔であるが、詳細の速記録を拝見すれば、それはわれわれが非常にこの
委員会で傾聴すべきうんちくある専門的なものが伺えるかもしれぬけれ
ども、これだけでは実は
参考資料になりません、ということを一言申し上げておく。しかし、これには簡単であるけれ
ども、実はかんかんがくがくであり、微に入り細にわたって、今日の国民生活においていたずらに感情を刺激し、いたずらに風俗を乱すことなく、いたずらに国民生活にショックを与えるようなことのない、そういう思いやりから十分な御検討があると私は
考えておる。人間というものは、私なんか病気して
考えたが、いかに脳を刺激することが食糧以上に健康に影響があるか、こういうことを
考えるときに、このうるさいほどに錯綜しておる電波、
NHKだ、民放だ、テレビだ、これが文化の姿なりといって、一億国民の健康を害し、健全なる精神の発育に何らかの支障を与えるようなことであってはこれは重大な問題だ。私は、
日本というものは戦後の復興は目に見るものにおいては顕著な発達があるけれ
ども、半面においては非難を受けるものがあると思う。それは第一線の国
会議員であるかもしれないけれ
ども、われわれのごとく四十年の政治生活からながめて、私は批判せざるを得ないものの多くの存在が、
日本国民の真の健康と真の発展を阻害しているものがあるということに痛切な遺憾を感じている一人である。しかも、これは外面的のことになりますけれ
ども、この
放送の任務はきわめて重く、使命は重大なものであるということを
考えますときにおいて、私はこの
料金の性格は、女か男か、あるいは公的のものか私的のものか、南か北か、東か西かという議論をするよりも、これが通過いたしました暁においては、もりもり皆さんの有する実力、天分と、長い間の御経験とその卓識によって、タレントによって、国民の負託にそむかないように積極性を持って当られんことを希望いたしまして、これは御返答がなくともよろしゅうございます、すぐれたる皆様の陣容に対して敬意を表して一言申し上げた次第であります。