○
金丸(徳)
委員 先日の
委員会でいろいろお伺いいたしまして、はっきりいたしましたことは、
郵政当局の非常な御
苦心、御計画にもかかわらず、必ずしも現在の伸展の
状況が将来に向って安心していけるような
状況にはなっておらぬということでございまして、これをお配りいただきました資料によって見ましても、
簡易保険と
民間保険及び
農業共済保険といいますか、そういうものの
足取りを比較してみますると、これは
政務次官、表によってぜひ
ごらんおきをいただきたいのであります。省議その他の席上でよく御記憶になっておることとは思うのでありますが、この席上さらに復習するという
意味において
ごらんをいただくのでありますが、この表によりますると、二十五
年度におきましては
わが国における
保険分野の中で、
簡易保険が占める
件数の率は七七%、
金額が四六%、こういう
数字を示しておるのであります。それが二十六年に至りますると、
件数で五八%に減り、
金額が三四%に減ってきた。こうしただんだん減る
傾向をたどりまして、三十
年度に至りますると、
簡易保険は
件数において三九%、
金額におきましてはわずかに二三%
程度であります。それから三十二
年度、昨
年度におきましては
件数がさらに率を低めまして三三%、
金額にいたしましてはわずかに一九%ということであるのであります。これに対しまして、
民間保険がぐんぐん
伸びておることは、これは申し上げるまでもないのでありますが、さらに新しい
傾向といたしまして、数年前から始められておるところの
農業共済保険が、
件数、
金額ともに年を重ねるごとにふえておるのであります。こういう
状況は、なるほど
簡易保険も
金額及び
件数ともにふえてはおるけれ
ども、ふえる率というものは
わが国における
生命保険事業界の
事業全体の
足取りに比べますと非常にのろい、消極的といいますか、比較いたしますと非常に足踏みしておるような
状況でありまして、何といいますか、よそさんが進むのについてこちらの方はおくれてきておる、ますますおくれる
傾向が強くなっておるというような
状況になっておるのであります。こうしたことを私は非常に憂えるのであります。その
原因を先般もお尋ねいたしたのでありますが、あるいは
サービス面において遺憾な点もあるようであります。今後大いに改善しなければならない面もあるようであります。そうしてその
改善策の
一つといたしまして、今回御提案になっておるところの
家族保険というような新しいものをも御考案になったことであります。私
どもは大
へん御
苦心のあるところは十分お察しできますし、従いまして全幅の賛意も表したいのであります。しかしながら、これをもってして今のような非常に
足取りののろくなっておる
状況を一挙に挽回するということは、容易ならぬことだと思います。とうていそれをもって満足し、将来に期待をかけるということはでき得ないのではないかと思いまして、その辺にさらにもっともっと
工夫をこらしていただかなければならない点があろうかと思うのであります。
そこで、そういう
民間保険の非常な
発展の
状況あるいは
農業共済保険における、年とともに
発展していく
状況と比較いたしまして、
簡易保険がどうして
管理者及び
現場従業員諸君の
苦心惨たんの
努力にもかかわらず、こうした
状況に陥っているかということをつぶさに見てみますと、ここにはたとえばどうも
人手が足りないのではないかということも
考えられるわけであります。あるいはまたその足りない人の給与の面なり、あるいは
訓練教養の対策などにおいて、これは
国家公務員というようなワクの中にはめられておるからやむを得ないという
事情もおありかもしれませんけれ
ども、しかしながらそうしたことがやはり大きな
原因の
一つになっておるのではないかと思われる節もございます。それからもう
一つの点といたしましては、
サービス面において大いに改善しなければならないと申しながら、先般来問題になっておるところの
保険金額において、今の
経済状態に比較してあまりに低きに失しておるというような、言ってみますれば
現場職員の
活動面が非常に狭められておるというような点も大きな
原因でありましょうし、さらに
保険料の問題でありますが、最近新聞の伝えるところによりますると、
民間保険におきましては
保険料の低下を計画いたしておるそうであります。そうすると、ここにまた大きな問題をはらんで参るのでありまして、
簡易保険は低料にして簡便なる
保険を提供するといいながら、
民間保険と比較して必ずしも低料ではないのだ、案外高いのだということになりますと、一そうこの
足取りの
伸びを阻害する、減殺するというような結果を招くのであります。これらにつきましても
心配の種と申さなければならないのであります。そのほか
福祉施設の問題でありますとか、あるいは、私はきょう最後の問題としてお伺いしなければならないと思っておるのでありまするが、
積立金の運用に関しまして、長い間御苦労なさっておるのにもかかわらず、現在の
状況が必ずしも
簡易保険の
事業進展のために役立つような
方向あるいは方法においてやられておらないのではないかというような
心配もございます。そうした幾つかの問題がからみからんで、
わが国における
保険事業の全
分野が非常な大きな
足取りをもって進んでおるのにかかわらず、
簡易保険がこのような
停滞の
状況の運命に陥っているということになろうかと思うのであります。さような
意味におきまして、きょうは少しこまかくなるのでありますが、
一つ一つお聞きをいたして参りたいと思います。
第一に
定員の問題でありまするが、
現場の声をたまたま私
どもが耳にいたすところによりますれば、やはり今のような
募集難あるいは
維持難が訴えられるときにおいて、
手不足あるいは
人不足というような面がかなり現われてきておるのではないかと思うのであります。最近数年間における
簡易保険従業員の
定員の
増加状況というようなものを
一つお示しをいただきたいと思います。