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1959-02-18 第31回国会 衆議院 逓信委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月十八日(水曜日)     午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 淺香 忠雄君    理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君   理事 進藤 一馬君 理事 橋本登美三郎君    理事 小松信太郎君 理事 金丸 徳重君    理事 原   茂君 理事 森本  靖君       椎熊 三郎君    武知 勇記君       平野 三郎君  早稻田柳右エ門君       渡邊 本治君    大野 幸一君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 寺尾  豊君  出席政府委員         郵政政務次官  廣瀬 正雄君         郵政事務官         (郵務局長)  板野  學君         郵政事務官         (貯金局長)  加藤 桂一君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      大塚  茂君  委員外出席者         郵政事務官         (大臣官房文書         課長)     上原 一郎君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 二月十八日  理事原茂君同日理事辞任につき、その補欠とし  て森本靖君が理事に当選した。     ————————————— 二月五日  駅内に無集配特定郵便局設置請願佐々木更  三君紹介)(第九六三号)  三谷公民館公衆電話架設請願森本靖君紹  介)(第九六四号)  高井部落農村電話架設請願森本靖君紹  介)(第九六五号)  手結山地区電話普通加入区域編入に関する請  願(森本靖紹介)(第九六六号)  影仙頭及び小川部落農村電話架設請願(森  本靖君紹介)(第一一三二号) 同月十日  神戸市に簡易保険郵便年金加入者保養ホーム  設置に関する請願小松信太郎紹介)(第一  一八八号)  同(五島虎雄紹介)(第一二九五号) 同月十六日  四ツ谷部落等農村電話架設請願福井盛太  君紹介)(第一四四六号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事の互選  郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属  の運用資産増加額の一部を交付するための大  蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例  等に関する法律案内閣提出第六三号)  簡易生命保険法の一部を改正する法律案内閣  提出第一〇二号)  郵政行政に関する件      ————◇—————
  2. 淺香忠雄

    淺香委員長 これより会議を開きます。  郵政行政に関する件について調査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。金丸徳重君。
  3. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 私は大へんこまかいことをお尋ねして恐縮でありますが、郵便事業全般にわたることでもありますので、多少こまかくなることもお許しをいただいて私のわからない点を御解明願いたいと思うのであります。初めに数字にわたりますので郵務局長の方からお答えをいただき、さらに全般的の問題について郵政大臣の御方針を承わりたいのであります。  大体戦後十何年か経まして郵便事業も一時の非常の状態から脱却して通常状態、平衡の状態に入ったと思うのでありますが、この機会に各種郵便コスト計算といいますか、どの種類のものがどのくらいもうかって、どの種類のものはどの程度損をしておるかということについて承わっておきたいと思います。
  4. 板野學

    板野政府委員 お答え申し上げます。原価計算関係につきましては、私の方では経理局で毎年の郵便物数あるいは決算上の支出というような面からいろいろ試算をし、計算をいたしておるわけでございますが、一応三十二年度におきまする主要種別ごと計算の結果を申し上げてみますと、第一種郵便物で六円四十二銭、第二種で四円四十一銭、第三種で六円三十一銭、第五種で六円三十五銭、それから普通の速達で二十七円五十九銭、普通小包が百二円二十六銭、書留小包が百二十四円八十銭、大体このよう状況になっております。
  5. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 そうしますと一種の方では三円五十八銭というもうけになり、二種の方で五十九銭のもうけになります。今のお話そのまま承わってそういうことになるのですが、一つざっと承わりたい。
  6. 板野學

    板野政府委員 個別の原価から申しますと、ただいま先生がおっしゃいましたように、一種の方では三円何がしのもうけというか、そういう計算になります。二種の方におきましては、年賀はがきを含めたものの計算が四円四十一銭ということになりまして、通常はがきだけになりますれば、これは計算はここにございませんけれども、五円をちょっと上回るのではないかという見込みでございます。
  7. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 二種の方でもそうすると損をする、通常だけでは損をするということになりますか、年賀の方は四円でありますから、これを抜いて通常の二種だけで計算してどういうことになりますか、もう一度承わりたい。
  8. 板野學

    板野政府委員 年賀はがきを抜きますと、大体とんとんか、ちょっと損をするのではないかというよう計算になると思います。一応これは見込みでございまして、まだはっきりしたものではございません。
  9. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 そこで、この三種以下の方ではかなりの損をしていそうだという計算になりますが、一種の方では相当のもうけがあるのにかかわらず、郵政省の全体の利益が上ってこないところを見れば、三種以下においてはかなりの損をしておるとざっと見なければならないわけでありますが、その三種以下のうちのどういうものについてどの程度欠損を生じておるか、それについてちょっと承わっておきたい。
  10. 板野學

    板野政府委員 三種原価が一応ここに六円三十一銭と出ておりまして、三種の中には低料扱いのもの、いわゆる月三回以上の発行にかかる新聞紙等が一円でございますので、その分につきましては五円何がしの赤、それから低料金以外のものは四円でございますので、その分についても少し赤が出る。それから四種につきましては、その中の種類によりまして、たとえば種子のごときは百グラムまで二円、あるいはその他の盲人用点字のごときは一円というような工合でございますので、これも相当の赤字が出る。それから五種は、一応ここでは六円三十五銭というよう原価が出ておりますが、これは百グラムについて八円ということになっておりますので、この分については、重量その他の関係もございますので、赤になるか、あるいは少し得になっておるかという判定が非常にむずかしいのでございまするけれども、一応形式的にはこれは黒というよう数字が出ておるわけでございます。
  11. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 そういたしますと、小包郵便の方は一応別といたしまして、通常郵便の方につきましては一種、二種は大体とんとん、それから五種の方は幾らかもうけになりそうだ、四種については、これは損は覚悟だけれども数が少いということで、問題はやはり低料扱い三種にあるように思うのであります。そこで、こういう傾向三種において非常に損をして、一種の方でもうかっておるのにかかわらず、原資的に考えてなお施設の十分なる対策がとれ得ないとか、あるいは局舎の金をよそから借りてこなければならないとか、あるいは定員の増ができないとか、給与の面でとかくどうも窮屈であるとかいうよう原因を探ってみますと、三種における欠損が大きな原因であるように思われるのであります。こういう傾向は、終戦前にもあったのか、また終戦後において特に顕著に現われきておるのか、その点の御観察を承わっておきたい。
  12. 板野學

    板野政府委員 終戦前におきましても、やはり三種料金が非常に安過ぎるのじゃないかというような点は、従来とも非常に問題になっておるわけでございまして、終戦後におきましても、特に最近の傾向といたしまして、三種以下が非常にふえておる。その量を申しますると、昭和二十一年におきましては、一種は全体の四一%、二種は四一%、三種以下が一八%というよう状況でございましたものが、三十二年におきましては、一種が二一%、二種が三七%、三種以下が四二%、このような大きな増高を示しておるわけでございます。特に三種以下は非常にかさものでございまして、重量あるいは容積も非常に大きいということからいたしまして、事業のいろいろな取扱いの面におきましても、相当こういう三種以下がふえるということによりまして、あるいはこれを運搬するようないろんな施設、あるいは舎局の面につきましても、相当こういう面の増加というものを考え施設をしていかなければならないし、また私どももそういう考えのもとでいろいろ計画をし、また実行にも移しておるよう状況でございます。
  13. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 委員私も実は郵務局の方からちょうだいいたしました資料で勉強をいたしたところによりますと、二十一年ごろと昨年の取扱い部数などを比べてみますと、その他のものは別といたしましても、いかにもこの三種ふえ方が多い。これは数量だけで見てもそうでありますが、さらに目方といいますか、かさの点からいきますと、大へんふえ方ように思われる。二十一年、二年あるいは三年ごろ、あの紙の事情の悪いときにおきましては、雑誌もきわめて薄かった、新聞もせいぜい四ページ程度のものであったのでありますが、それが現在におきましては十何ページという新聞が出されておりますし、雑誌などの面におきましても、早い話が二十ページか三十ページで薄い紙かさで出されたところのあの逓信協会雑誌が、今はもうりっぱな体をなした協会雑誌として世間にこれも多数出ておる。その他の市販されておるところの一般雑誌などにおいては、その量と申し、かさと申し、非常なものだと思うのです。ここに現われておるような、二十一年においては、第一種が四一%、第三種が一八%というようなのに対して、三十二年度においては、第一種が二一%、二種は別といたしましても、三種が逆に四二%というふうな、数においても逆転しておるばかりでなしに、かさでいきますと、取扱い労力の面からいきますと、これは数倍どころか、十数倍も、あるいはそれ以上のものになっているように思われるのです。そういたしますと、これは料金問題は別といたしましても、それに対する対策というものがどの程度に取り行われておるのか。たとえば区分だなの問題でありますとか、あるいは局舎の広さの問題、あるいは逓送用のその他の用具の問題、あるいは集配人のカバンの問題、自転車施設、そういうものが、終戦直後における数、量のものと現在における数、量、こうしたものと比較して、果して適当になされておるかどうかについて承わりたいものであります。
  14. 板野學

    板野政府委員 お答えいたします。こまかい、自転車とかあるいは自動車等数字を持ち合せておりませんので、またいずれ後ほど提出いたしたいと思いますが、大体私ども対策といたしましては、局舎の面におきましては、一人当りの使用坪数の改善をはかりまして、相当坪数増加考えまして最近の建築をいたしておるようなわけでございます。またこの集配関係につきましては、集配のいわゆる機動化というものをはかりまして、自転車で積めないのはバイクモーターなりあるいはスクーターあるいは自動三輪車をもってこれを運ぶ、また非常なかさのもの、非常に重量の多いというようなものは専用自動車でこれを集配するというような方向に着々と計画を進めておるようなわけでございます。また非常に部数が多いので集配カバンの中に入り切らないというようなところも相当ございますので、そういう場所につきましては、本年度から前送保管所、いわゆる機動力でそういう集配個所の多いものは先に送っておくというよう保管所なりまたは保管箱というようなものを設置いたしまして、郵便局から出るときにはそうたくさんかさばったものを持って出る必要がないよう方法考える、また自転車なりスクーターうしろに積みまする集配カバンも小さいものですから、そのカバンのかわりに集配箱というようなものもただいま試作をしておりまして、早急にこれも配付をいたしまして、集配カバンで足りないようなところの補いをいたしたい、また私書箱につきましても、これもできるだけ一つ郵便局に十分にこれを備えまして、できれば利用者の方がここまで取りに来ていただくような措置も講じたい、このよう考えております。またポストにつきましても、利用のたくさんあるようなところにつきましては、たくさん入るよう大型ポストをできるだけ配置するようにただいま考慮いたしておるわけであります。
  15. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 いろいろとこれに対する対策を練っておられるようでありまして、その点御信頼をいたしておるわけでありますが、ただ私は山の中に住んでおりまして、逓送を受け持っておられる人たち、それから特に集配を受け持っておられる人たち苦労をまのあたりよく見ておるものであります。終戦直後などにおきましてはそれほど目につかなかったのでありますが、最近はあのカバンに入り切れない、例の郵便屋カバンというのは口が大きくて、その方面によくたとえ話にとられるくらい口が大きいのが特徴でありますが、あのカバンに入り切れなくて、そうして何か妙な袋に入れて背負い歩いているというような例もよく見ます。それから、ことに山を越え谷を渡って一軒々々配達するというような場合においては、かつて終戦直後などにおいては手でもってある程度のものは持ち歩けて、そうして一軒々々配るのにそれほどの労力を感じなかった。ところが現在におきましては、あの重いものを背負ってそして山を越えたりまた谷を渡ったりして受取人のところに届けておるようであります。この点が私どもには最近非常に目について参っておる。それはどういうわけかと思って、実はそんなことも気になったものですから、物数状況はいかがかとお尋ねいたしましたら、こういうふうな数字を明らかにされたのです。これで見ますと、なるほど二十数倍、三十数倍というふうな、量の面でまた目方の面でそれほどのものがふえております。終戦後数年間と今日とを比べてみますとそのようになっておるのです。そういうふえ方に対して、果して郵務局あるいは経理局といったよう郵政当局の方でとっておられるところの対策というものがマッチしておるかどうか、この点が非常に心配になったのです。いろいろと御苦心なさっておられて、今のポストの大きさの問題であるとか、あるいは自転車増備であるとかいうようなことをお考えになっておられるようでこの点はありがたいのでありますが、しかし考えてもそれは間に合わない程度考え方であっては不親切ではないかと思うのであります。十分に間に合うよう対策が現在の郵政財政の中で考えられるのかどうか、これを一つ数量的にお考えをお示し願うと私どもは安心できるわけでありますが、いかがでありましょうか。
  16. 板野學

    板野政府委員 先生の御指摘まことに私どもありがたく感謝しておるわけでございまして、私どもといたしましても、最近の非常に増加する三種以下の物数に十分に対応できるだけの施設というものを早急に整えることがなかなかできずに今までおるということは、大へん申しわけなく思ってはおるのでございますが、幸い今年の使用計画をただいま計画中でございまして、十分にこれが満足いけるよう使用計画ができるかどうか、私どももちょっと見通しがつきませんけれども、できるだけ一つ先生の御趣旨に沿うよう方針でこれらの問題の解決をしていきたいというよう考えております。
  17. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 実は私がお伺いいたしておきたいそれは、また同時に大臣の御決意をも承わることになるわけでありますが、特別会計という立場からいって非常に金が足りない、やらなければならないことがあるのにかかわらずおくれておったということは私は事実だと思います。現にそういうことは数字的にいっても十分証明できますし、ことにこの人員の配置の不十分な点、自転車あるいは今のバイクモーターといいますか、そういうものの増備さるべくしてまだされ得なかった原因は、何としてもやはり特別会計赤字を生み出したくない、いや赤字になってはいけないというような前提に立ってのものがずいぶん大きく影響しておるからだと思います。そうしてそれを探ってみますと、やはり三種以下に苦労の増す原因もあるし、赤字の増す原因もあるというようなことも、ここにはっきりして参ったわけでございますし、それから今後といえどもその傾向はなお増せばといっても減るということにはなりそうにもない。そこで問題は果してこの三種料金というものが——三種以下と言いたいのですが、主として三種、この三種料金というものがこれで適正と考えられるものかどうか、こういう点について検討をされ、お心がまえがおありかどうかを、これは一つ大臣から承わりたいのであります。
  18. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 最近非常に激増いたしまする郵便物、しかも戦後当時とは比較にならぬような、それに数十倍するといってもいいようにこの第三種郵便物等がふえておるがこの問題をどう考えるかという御指摘でありますが、私はきわめてこれは重要な問題であるということを考えるわけであります。従ってお尋ね三種郵便物というものをこのままでほうっておいていいかどうかという御指摘につきましては、私どももこの点についてはこれをどうするか、たとえば料金を改定するということになれば法律改正を伴い、また他の料金との関連もあるので、相当これは慎重にやらなければならぬ問題ではないか、しかし慎重にやらなければならぬということによって、いつまでもこれを放置するということは許されない問題だということは、もうはっきり申し上げられると思います。従いまして今局長からお答えいたしましたように、たとえば第三種郵便物の一円というようなものについてはすでに一通について五円三十一銭というようなマイナス、赤字になっておる、あるいは四円とするものにいたしましてもなお二円三十一銭というよう赤字、これが累積をしていくということであれば莫大なものになるばかりでなく、お示しのように、これに従業する職員の労苦、また過労というようなものにもいろいろと大きな影響を及ぼすのではないかということは御指摘通りだと思います。従いましてこの問題につきましては、先ほど来局長お答えを申し上げております通り料金問題というものは十二分に、これは最近の実情を調査もいたしておりますし、この問題については検討を加えまして、どうこの問題に対して対処していくかというようなことは、私は喫緊の問題として取り上ぐべき重要な案件じゃないか、さよう考えておりますので、この料金改定をいつにするかということは、重大な問題ではありますけれども、この実相を十二分に調査をいたしまして、正しくこの実態を把握いたしまして、そしてこの問題について根本的な解決に資したい、さよう考えております。
  19. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 料金を引き上げるというようなことは、今の段階におきましては、直ちに着手されるということについては重大問題だということはよくわかります。そこで、検討をされて、適正な方法をお考えいただくということにいたしまして、しかし何といたしましても、今郵便現業員の一番苦労の種は、やはり三種以下の——小包を含めてでありますが、量の増大と、それから目方増大と同時にかさの大きくなってくる傾向であります。用紙事情の非常に窮屈だった時分におきましてはそれほどでもなかったのでありますが、最近は全くこれが自由になったことでありますから、目方もふえてくるし、ますます大きくなってくるようであります。そこで、料金問題とは別個といたしましても、これに対する現場従業員労苦の軽減といいますか、能率の向上のためによほどの対策を進めておいていただきませんと、非常に思わぬところに問題が起きてくるのではないかと思います。ことに都市の関係におきましては、いろいろの新しい施設が進められておるようでありまするからいいのでありますが、地方の方はとかくそれがおくれがちだ。山の中なんかにおきましては、ついそれが怠られがちになる心配を私は持つのであります。しかしその三種以下の郵便物の量、かさ目方の多くなる傾向というものは、都会よりもむしろ地方においてそのパーセンテージが高いように思われる。文化のおくれたところの方にとかく雑誌がよけいに送られて参る、あるいは、その他のそういう面が多くなる。これはいいことである、そうでなければならないと思いまするけれども、それだけに、その方面にその対策を重点的にとっておいていただきませんと非常に困る種がそこから出てくるように思うのであります。さよう意味におきまして、自転車なりカバンなり、あるいはもっと進んではモーターのついた諸逓送あるいは集配用具というものの増備を十分にお考えいただく、特に地方の方のために考えを重く置いていただくようにお願いいたさなければならないわけであります。そういうことは、金がないからといって言いわけのできることではないと私は思いまするから、さよう意味におきまして両者かね合せての御供給を一つお願いいたしまして、この問題につきましての私のお尋ねを終らせていただきます。
  20. 淺香忠雄

  21. 森本靖

    森本委員 大臣施政方針関係をいたしまして、簡単にお聞きしておきたいと思います。  それというのは、今郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣委員会において審議をされておりますので、これは内閣委員会において質問をしてもいい事項でありまするけれども、一応時間の関係上、この委員会において大臣に直接聞いておきたいと思います。今回の設置法改正において官房長設置をせられるわけでありますが、現在の郵政省の本省における部局長というのはどうなっておりますか、私も大体は知っておりますが、あらためて大臣から次官局長、それから部長地位をちょっと説明願いたいと思います。
  22. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 これは私よりも森本委員の方がもっとお詳しいかもしれませんが、御承知のように、局長が六局長、それから大臣官房部長、それから電気通信監理官二名というのが大体主たる機構になっておるわけでありまして、大臣官房の三部長はこれは同列、各局長ももちろんそうでありますが、そういったような一応形になっております。
  23. 森本靖

    森本委員 それで、大臣の下に、これはむろん副大臣としての政務次官があることは別ですが、その下に事務次官があって、その事務次官の下に六局長あり、三部長あり、それから電気通信監理官がおるというわけですが、現在のこの位置づけというものはどうなるんですか。局長部長電気通信監理官のいわゆる席次といいますか、そういうものはどうなっているんですか。これは事務次官でもおったらよくわかると思うんですが……。
  24. 上原一郎

    上原説明員 お答えいたします。席次と申しますと、はなはだむずかしいのでございますけれども、ただ単に並べ方ということになって参りますと、今森本先生がおっしゃったように、政務次官事務次官は別といたしまして、そのあと一応官房ということで文書課長が参りまして、その次に電気通信監理官二名が入って、それから官房人事資材建築、それから郵務貯金、電波、経理ということでずっと並べてあります。
  25. 森本靖

    森本委員 並べてありますが、そこで私の聞いておるのは、現在のこの指揮命令系統というものは、要するに部長は直接次官に直属するということになるわけですか。その指揮命令系統をちょっと御説明願いたい。どうも郵政省電気通信監理官というのはえらいようで、また下のようであり、ちっともその地位がはっきりわからぬので、その指揮命令系統というものはどうなっておるかということです。
  26. 上原一郎

    上原説明員 人事部長資材部長等官房に置かれた部長は、組織的にはこれはやはり大臣の部下というか、大臣指揮命令を受けております。ほかに電気通信監理官というのは、これは特別な職ということで、大臣官房において大臣官房のうちの事務電気通信監理事務を所掌するということで、いわば組織論としての部長ではございませんで、特別な職ということで、特別な別の条文で規定しておる、こういう関係になっております。
  27. 森本靖

    森本委員 それで、これはやはり事務的には事務次官が三部、六局、電気通信監理官の上になるわけでしょう。指揮命令系統としてはどうなんですか。この部長次官を追い越してそのまま大臣と直属と、こういうことですか。
  28. 上原一郎

    上原説明員 それは局長と同じことでございます。
  29. 森本靖

    森本委員 そうすると、電気通信監理官と三部長、六局長というものは同列に置いて、次官にいわゆる指揮命令を仰ぐ、こういうことになるわけですか。
  30. 上原一郎

    上原説明員 さようでございます。
  31. 森本靖

    森本委員 そうすると、通常この官房の三部長というのと電気通信監理官というのとは、席次というのは大体どうなんですか。並べ方は。
  32. 上原一郎

    上原説明員 それは並べ方でございまして、別段どちらがえらいとか下だとかいうことはございません。
  33. 森本靖

    森本委員 これは並べ方は一応その人の個人としての経歴とか、個人としての古さとかいうことでおそらく今まで席次をきめておると思うのですが、私が聞いておるのは、一応官職としての席次ということになるとこれはどうなるのですか、あくまでも同列ということですか。
  34. 上原一郎

    上原説明員 形式的に申し上げますと同列でございます。
  35. 森本靖

    森本委員 そうすると文書課長という地位はどうなるのですか。
  36. 上原一郎

    上原説明員 これは非常に複雑でございまして、直接次官指揮命令は受けますけれども、かといって局部長よりも下たというような位置に置かれておりますが、ごく形式的に申し上げますと、やはりこれも官房事務については同列である。そのほかの上下の問題になりますと、これは実際上の問題でありまして、法律的には同列であると申し上げざるを得ないと思います。
  37. 森本靖

    森本委員 そこで、今度の官房長ができた場合の文書課長はどうなるのですか。
  38. 上原一郎

    上原説明員 官房長ができた場合の文書課長ということになりますが、それじゃ現在の文書課長はどういう職務であるかということをごく簡単に申し上げますと、形式的に申し上げまして総合調整の事務と対外連絡、あるいは法令その他庶務ということになっております。そのうちの事務を分担いたしまして、現在文書課と調査課というのがございますけれども、文書課は主として法令関係事務をあれする、それから調査課はどういうふうにするかという問題になりますけれども、総務課的なものを持たせるといったようなことで、官房長は文書課と現在のところの調査課、あるいは今のところ別のことを考えておりますけれども、そういったものを部下に従えるということになります。
  39. 森本靖

    森本委員 その別のことを考えているということはどういうことですか。
  40. 上原一郎

    上原説明員 現在の文書課長と申しますか、文書課の事務が非常に広範にわたっておりますので、これを二つに分けるということでございます。
  41. 森本靖

    森本委員 そうすると今度の設置法官房長ができ上った場合には下の方の構成はどうなるのですか。
  42. 上原一郎

    上原説明員 お答えいたします。文書課長、それから、これは名称がまだきまっておりませんけれども、今考えておりまするのは総務課長といったようなものを考えております。
  43. 森本靖

    森本委員 そうすると調査課というのはなくなるのですか。
  44. 上原一郎

    上原説明員 ええ、なくなります。
  45. 森本靖

    森本委員 あとこの官房長ができることによって変るような課はありませんか。
  46. 上原一郎

    上原説明員 ございません。
  47. 森本靖

    森本委員 そうすると官房長の下に直属の部下としては文書課長と総務課長とこの二つだけですか。
  48. 上原一郎

    上原説明員 ごく組織論的に申しますとそういうことでございますが、そのほかに現在ありますものとして専門調査官というのがあります。それから電波監理審議総務官というものも置いておりますが、そういった職に属するものがいわば官房長の直接の指揮下に入るというふうに考えております。
  49. 森本靖

    森本委員 そうすると今の三部長地位はどうなるのりですか。
  50. 上原一郎

    上原説明員 この三部長は、御存じの通り国家行政組織法の二十一条だったと思いますけれども、現業官庁につきましては特別の定めをすることができるというふうに規定されております。従ってこの郵政省部長というものは格局長と同格というふうに一応概念づけられると思います。従って官房長は、この部長に対して、各局長に対すると同様に、総合調整という面については大臣の命を受けて特別の所掌事務について連絡調整に当ることができますけれども、具体的な指揮命令関係というものはございません。
  51. 森本靖

    森本委員 大臣にお聞きしますが、この官房長を置いた場合、官房長地位というものは、郵政省の中においてどういう位置づけを行うつもりですか。次官局長部長、それから電気通信監理官と、今でもいいかげん序列がやかましいときにおいて、今度こういう官房長ができ上った場合に、この官房長というもののいわゆる位置づけというものをどういうふうにお考えですか。
  52. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 三部長と同格という考え方をいたしております。
  53. 森本靖

    森本委員 これは速記録に残りますので、一つはっきりとしておきたいと思いますが、三部長と同格ということになりますと局長よりは下ということになるわけですか、一応概念的に申しますならば。——これは大臣に答えてもらわぬと、文書課長の答弁ではだめなんです。設置法改正案として官房長の新設をするということを内閣提出で出してあるわけですから、ここで大臣一つ位置づけというものを明確にしてもらいたい。というのは、将来必ず位置づけとかいうことで、問題が起るとは考えぬけれども、ああでもない、こうでもないという論争が必ず省内において起ると思うのです。ですからこういう際に一応大臣として将来の問題を考えて明確にしておいてもらいたい、こういうことです。
  54. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 部局長と同格、かよう一つ御了承題います。
  55. 上林山榮吉

    ○上林山委員 関連。森本委員の今の質問は私は非常に適切だと思うので、われわれもときどきそういうことを考えて、一体どうなるんだろうということで疑問を持っておるのですが、今大臣お答え部局長と同格である、こういうことで一応郵政省としての考えはきまったかと思いますが、しからば仕事の内容、それから各省の官房長とどういうふうに違うか、各省の官房長と同じ仕事を取り扱うかどうか、あるいは同じ仕事を扱わないとするならば、これは各省の設置法でそれぞれきまっているわけですが、ほかの省で言っている官房長郵政省で言っておる官房長とは、身分も仕事の内容も違うということになるのかどうか。この点について一つ明瞭にしておきたいと思う。これはやっぱり各省とのかね合いもございますので、この点は一つ明確にしておきたいと思います。
  56. 廣瀬正雄

    ○廣瀬政府委員 設置法につきましては私が内閣委員会に出ることが多うございますので、私から大臣にかわりましてお答え申し上げたいと思います。官房長官房の長といたしまして官房の三部並びに監理官の調整連絡に当るというのが仕事であります。それから他の省の官房長との関係でございますが、全く同じ取扱い官房長でございます。
  57. 上林山榮吉

    ○上林山委員 そうすると疑問がまたわいてくるのですが、地位部局長と同じである、ところが各省の官房長もあるいは部局長と同地位であるかもしれませんが、取り扱う仕事の内容は、ことに省を代表して、たとえば大蔵省との折衝なりあるいはその他のいろんな折衝等については、どちらかといえば、大臣次官に次いだ扱いを総括的にやることが相当あるようにわれわれは聞いておる。するとその矛盾は、地位部局長であるが、仕事の内容は省全体の横の連絡あるいは外に対する総括的な折衝、こうしたようなことになるというのですか。
  58. 廣瀬正雄

    ○廣瀬政府委員 外部の折衝につきましては、大臣にかわってやりますこともあり得るわけなんですけれども、そういうような外部関係は各省によりまして、官房長の実力と申しますか、省内における関係から、いろいろ仕事の内容が違っているようであります。たとえば建設省のごときは、官房長というのは組織の上からは他の省の官房長と同じでございますけれども、非常に実権を握っておりまして、官房長からよく事務次官になるというような道が多いようでありますが、大蔵省の官房長のごときは、局長よりも月給が少いというよう関係になっておるようであります。
  59. 森本靖

    森本委員 今政務次官から、たとえば次官コースというようなことについては、よそはこうなっておるという話がありましたが、官庁というところは非常に序列ということを昔からやかましく言うところでございまして、これが下手なことになると、官庁内の指揮統率といいますか、非常に混乱を来たしますので、特にこれは執拗でございますけれども私は質問をしておきたいと思いますが、もしこの官房長を置くならば、本来ならば文書課長並びに総務課長官房長が統括するということは当然の理として、一応三部長というものも官房長のもとにある。そうして局長次官から指揮命令を受けるわけですから、次官官房長、それから官房長は三部長指揮命令権があって、そしてその横に局長という格好で筆頭局長というような形がこの官房長というのには最も望ましいんじゃないか。そういうふうな位置づけをしておけば、あまり間違いがないじゃないか。ところがさっきのよう部局長と同格ということになりますと、実際の場合部長局長が同格といったところで、現実の問題としては局長が上であって、部長は下としたものです。そこで今度次官にだれがなるか、かれがなるかという問題になるので、大体平生から一つの構想というものを、そうとっぴな人事というものが行われぬような形のものを作っておいたら間違いないと思う。だからせっかく官房長を作るにしても、この官房長というものが三部長、六局長とまた同格ということになると、競争相手が一つよけいふえたということになって、非常にややこしいやり方になるんじゃないか。官房長というものの地位をつけるなら、私はやはりこの際大官房長なら大官房長という建前において、その官房長のもとに三部長と、それから直属の課長としては文書課長、総務課長がある。そして筆頭局長という地位にあって、結局局長クラスと並べるというふうな形をとるのが最も明確じゃないですか。それを今言ったよう官房長は三部長、六局長と同格ということになると、同格の者が十人できて、なかなかむずかしい格好になるのじゃないかと思いますが、現実の問題ですよ。理論でなしに現実の問題としてはそういうことが持ち上ってくるのじゃないか。さらに電気通信監理官という地位を位置づけるにつきましてはなかなか不可解な位置づけをしなければならぬ官職にあるわけです。
  60. 廣瀬正雄

    ○廣瀬政府委員 ただいま森本委員から御意見がありましたが、現在郵政省考えておりますことは先刻大臣からお答えいたしましたように、この官房という面から申しますれば三部長と同格である、郵政省全体から考えますと部局長全体と同格であるというよう考えておるのでありまして、官房の長といたしまして、一応長ではございます。三部、二監理官を連絡調整をいたしますけれども、実質の仕事の上からはその上に乗っかっているというよう考えではないのでありまして、三部長は先刻文書課長から御説明いたしましたように現業の官房部長でございますので、実質は張り出し局長と申しますか、そういうよう局長同格の仕事をやっておりますことは御承知の通りなのであります。でありますからその上にさらに副事務次官というようなものを作るのでなくて、部長局長同格の官房長であるというように今のところ考えております。
  61. 森本靖

    森本委員 そういう部長局長と同格の官房長だったら必要はないじゃないですか。どうして部局長と同格の官房長が現在必要なのですか。現実の問題としてそんな部局長と同格の官房長を置いて、その官房長が一体どういう役割をするか。その調整をするのなら今の文書課長でけっこうできるわけであって、文書課長は先ほど調整をするということを言われておったが、ただこれが三部長の上になる、あるいは局長の筆頭局三長ということの官房長というものを置くなら、これは意味があると思うのです。
  62. 廣瀬正雄

    ○廣瀬政府委員 今の文書課長を非常に拡大強化したというような格好になるのでございますが、文書課長の仕事が現在非常に忙しゅうございまして、ほんとうにてんてこ舞いをやっております。私が入りますまではそんなことはなさそうに考えておりましたけれども、入ってみまして文書課長官房の中における、また他の局長等との連絡調整の仕事がいかに大きいかということにびっくりいたしておるようなわけでありまして、非常に多忙で仕事がさばけないものですから、どうしても他の省のよう官房長が必要だということを考えるに至ったのであります。まあそのほか御承知の通りに特定郵便局が全国で一万四、五千ありまして、その特定郵便局の仕事というものは各部局にまたがっておりますが、そういうまたがっております仕事を調整するというような仕事もございますし、それから電気通信につきましても監理官がやっておりますけれどもいろいろ調整の仕事もございますし、そういうようなことでどうしても官房長が必要だというようなことになったわけなのでございます。
  63. 森本靖

    森本委員 現在の文書課長が非常に忙しいので官房長——忙しいということについては私もよそから見ておってよくわかります。ただそういう官房長を置くとしたら、今の官房長にちょっともがはえたくらい、ちょっくらえらくなったというくらいで、三部長と同格にするということの考え方は改めて、やはり官房長というものの位置づけを明確にすべきではないか。そうしないと同じクラスの者がよけいできたら、これははっきり言ってけんかのもとですよ。大体官庁というところは先ほどから私が言っておるように序列ということを尊ぶところですから、一つ階級が違ってくると案外命令系統がすなおにいく。ところが同格ということになるとなかなかやかましい。お前はおれに指揮命令権はないということになりがちの場合が往々にしてあるわけです。それを今六局長、三部長と同格と言ったけれども、現実の問題としては、郵政省内としては局長の一クラス上という形の体制をとっておるわけです。だからそれと同格の者を一人置くということは、運用面で現実の問題としてはなかなかむずかしいのじゃないか。せっかくあなたが考えておるような問題はやはり現実に運用していくという面については、私が言ったような大官房長というよう考え方における官房長の任命をしていった方がもっとスムーズにいくのじゃないかということを考えておるわけです。その点について大臣の代理として政務次官から御答弁願えればけっこうですが、その位置づけというものについて現実にこの問題を処理していく場合においては、大官房長というよう考え方に、たとえば副事務次官というよう考え方における官房長というものを考えていかなければ置く意味がないんじゃないか。かえって置いただけで混乱をするのじゃないか、こういうことを言いたいわけですが、どうですか。
  64. 廣瀬正雄

    ○廣瀬政府委員 官房長の各省における立場、地位なんというのは、私いつも同じだと思いますけれども、実際の取扱いの面になりますと、大蔵省のごときは官房長をやった者が局長になるというようなことで、局長よりも多少格が低いよう取扱いをやっているようでございます。ところが建設省のごときは、これは技術屋と事務屋が交互に事務次官になるというような慣習もございまして、官房長から事務次官になる者が建設省にはあるようでございますが、省によっていろいろ違うようでございます、そこで郵政省といたしましては、今のところ他の部局長と同列に考えておりまして、同格に考えておりますけれども、実際の仕事の運用によりまして適材を適所に据えるというようなことになってくるのではないかと思っておるわけでございます。
  65. 森本靖

    森本委員 適材適所においてということでありますが、それは現実にこれを施行する場合にはそういう考え方でやらなければならぬということはけっこうですが、ただこれを現実に運用する面については、やはり郵政省としては建設省のようないわゆる副事務次官というふうな考え方において官房長を扱っていった方が、この官房長を置いた意味が出てくるのではないかということを言っておるわけです。だから現在この法律がかりに通過をするという段階になった場合は、この問題を大臣としてもそういう考え方でやっていった方がよくはないか。これは今のだれそれ、かれそれの人間に当てはめて考えておったのでは話にならぬ。これは全体的ななにから見て、そういう地位、位置づけというものを考えていった方が、官房長を置いたということについての意味が出てくるのではないか。その下に文書課長と総務課長がやはりまだおるわけですから、その上にできた官房長部局長と同格でまた部長が一人ふえたというような格好でやられるとかえって意味がないのではないか、私はこういうことを言っておるわけです。これは非常に将来にとって大事な点ですから特に聞いておるわけです。
  66. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 森本さんの御意見も私は非常によくわかります。ただその人事の運用、こういったようなものにおいて、官房長というようなものがいつでも次官になるのだというルートではなくて、むしろそういう非常にすぐれた、あるいはまた序列その他からいっても官房長に、次の次官になり得られるような経歴の者がそこへたまたますわれば、その人が次官になるということもございましょうし、またほかの方に、より先輩、より実力者があったとすれば、またほかの方の局長次官になることもあり得るのではないか。そういうことで特に今回の官房長そのものを、御意見は私はよくわかりますが、今回当省で設置ようといたします官房長としては、一応部長局長と同格ということにおいて、そうして御注意の点等につきましては、官房長に非常に比重の重い、そういったような実力者を必要とするということであれば、官房長にそういうものを任命するということもできましょうし、その辺のところは運用よろしきを得てやっていきたい、かよう考えております。
  67. 森本靖

    森本委員 私の言っておるのは、何も官房長になった者が次に次官になるという意味ではないですよ。その指揮命令系統というものを明らかにしておいた方がこういう問題についてはいい。これは今までも、要するに局長なり部長なりが、自分より下だと思っておった者がぽこつと次官になったような経験も今まであるようですから、必ずしも——その問題は別として、ただしかし平生の業務を運行する場合において、やはり序列というものが一応きまってないと、これは苦い経験が郵政省にはあるわけです。せっかく官房長というものをこしらえるなら、実際官房長をこしらえる運用面において、そういう点をよく考えてやってもらわないと困る、こういう私の発言です。  そこでちょっと参考までに聞いておきたいと思いますが、現在の俸給ですね。これは経理局長か人事部長じゃないとわからないと思うのですが、今の本省の部局長の俸給の等級表というものはどうなっておりますか。
  68. 上原一郎

    上原説明員 二等級でございます。
  69. 森本靖

    森本委員 全部二等級ですか。
  70. 上原一郎

    上原説明員 全部二等級です。
  71. 森本靖

    森本委員 二等級は幾らから幾らまでありますか。
  72. 上原一郎

    上原説明員 ちょっと今お答えできませんが、あとで……。
  73. 森本靖

    森本委員 事務次官はどうなっていますか。
  74. 上原一郎

    上原説明員 一等級です。
  75. 森本靖

    森本委員 この二等級というのは、本省以外にはどこどこですか。
  76. 上原一郎

    上原説明員 本省以外には、地方郵政監察局長地方郵政局長地方電波監理局長が一応該当者ということになっております。
  77. 森本靖

    森本委員 そうするとこの事務次官を除いた以外は、今全部二等級ということですね。
  78. 上原一郎

    上原説明員 予算的にはみなそういうことになっております。
  79. 森本靖

    森本委員 現実には……。
  80. 上原一郎

    上原説明員 現実にもさようになっておると存じておりますが、詳しいことはまたお知らせいたします。
  81. 森本靖

    森本委員 これは個人の名前も出てきますから、そういうことを質疑応答でやるのも何ですから、本省の部局長電気通信監理官、そういうのと、それから現在の事務次官の一応の俸給の等級表と、そういう序列がどうなっておるか、一つわかる資料があったらほしいのですが……。
  82. 上原一郎

    上原説明員 資料を提出いたします。
  83. 森本靖

    森本委員 その資料はあとでいただくことといたしまして、なおこの官房長の位置づけの問題について、私はさらにちょっと質問をしておきたいと思います。郵政省としては、これはせっかくもしでき上ったものが紛争の種になったり、あるいはまた混乱をする種になったりして——どうせ大臣とか政務次官とかいうものは長いことやるものではないから……。ところが官房長を一たび法律で置いたら、これはずっと置くわけですから、これが時の郵政大臣なり政務次官考え方によってどうにでもなるということになると、これは非常に人事の混乱ということにもなりかねない、こう思って非常にその点の運用を心配しておるわけですので、(金丸(徳)委員「関連質問」と呼ぶ)これは後ほど質問をすることにして、今関連質問があるようですから……。
  84. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 ちょっと今の問題に関連しまして、実は大事なことだと思いますので私もお伺いいたしたいのでありますが、この官房長あるいは一局を作るというような機会はめったに回ってくるものではありません。郵政省の各部局というのは、それぞれなかなか忙しい現場をたくさん持っておるものでありますから、局長も次長もなかなか忙しい。そういう忙しい結果が、とかくよその省との連絡が欠けてきた。次官がおりますからいいとはいうものの、次官だけでは間に合わない面が出てくる。ことにいろいろ政治折衝などをする場合においては、各局長あるいは次長がそれぞれなさる場合よりも、もっと別な調整的な立場から、次官と相協力してそういう行動を起す必要がたびたび出てくるのではないかと思っておったのです。そういう意味におきましては、今度の官房長設置というものは非常に大事な意義を持っておると私は思います。これをただ単に文書課長が忙しいから、一課では間に合わないから総務課を分けて二つにした、それでその二つのものを合せたものを統轄する意味において官房長を置くということでなしに、それでは私はかってとられたような総務部長でよかったと思う。総務部長でなくて官房長という名をとったのは、総務部長という純事務的な仕事ばかりでなしに、さらに加うるに次官にかわって政治的な行動もとれるという、各部局の調整連絡もとれるという高度の立場を持つからそこで意義を非常に深く高く持ってくるのだろう、こう思っておるのです。そこで、実際の人事につきましてはいろいろお考えもあろうかと思いますが、考え方の基本といたしましては、官房長はやはり官房長という名にふさわしい仕事、意義を持たせるような方向でいっていただきませんと、何かつまらない感じがするのでありますが、一体その点はどうでありましょう。
  85. 廣瀬正雄

    ○廣瀬政府委員 さっきの私の説明にいたしましても、渉外的な仕事が非常に重要な要素である、使命であるということも申したつもりでございますけれども、その点が内部のことに重点を置かれまして、あるいは軽く申し上げたかもしれぬと存じますが、御指摘ように対外関係におきましては非常に大きな、大臣に直属いたしまして、政務次官あるいは事務次官あたりと一緒に仕事をやってもらうという面が非常に多いのじゃないか、かよう考えておるわけでございます。ただ、政治的にいろいろやるということについては、大臣なり政務次官という文句がございますから、それ以外にやります面というものは非常に多いと思っておりますので、そういうことに非常に大きな期待を持っておるわけであります。
  86. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 それが結局人事の扱いについて今度大きく出発される場合において大事だと思いまするので、そのようなお扱いをなさる方針を持たれることが私は今度の機会におきましては大へん大事だと思いまするから、これはお答えいただかなくても腹の中におさめておいていただければいいことではありますけれども、どうかそのよう一つお進めが願いたい、こう思うのであります。     —————————————
  87. 淺香忠雄

    淺香委員長 次に、郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属の運用資金の増加額の一部を交付するための大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等に関する法律案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案を一括議題として質疑に入ります。  質疑の通告があります。これを許します。進藤一馬君。
  88. 進藤一馬

    ○進藤委員 第二封鎖によりまして切り捨てられました貯金を旧預金者に返すのは当然でありまして、今回の政府の措置はまことにけっこうだと思っておりますが、民間金融機関の大部分はすでに金融機関再建整備法によりまして第二封鎖預金の復活を終了いたしておるようでありますが、その状況を承わりたいと思います。
  89. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 お答え申し上げます。民間の金融機関におきまする第二封鎖の復活の状況でございますが、銀行預金の第二封鎖預金は各銀行を平均いたしますと六割七分に相当するものが切り捨てられたのでございますが、その後経済事情の好転に伴いまして旧勘定の整理のために設けられましたいわゆる調整勘定というものに利益金が生じて参りましたので、昭和二十八年二月に地方銀行の一部が旧債権者に利益金の分配を開始いたしましたのを初めといたしまして、次いで三十年五月には六大銀行が分配を完了いたしまして、昨年十二月をもちまして全部の銀行が分配を完了して、この調整勘定を閉鎖したということを聞いておる次第であります。また保険会社におきましても、昭和三十二年一月から三月までの間に調整勘定の利益金の分配を完了したということを聞いておる次第でございます。まだその分配を完了いたしておりません金融機関といたしましては、相互銀行それから信用組合の大部分、それから農林中央金庫、庶民金庫というようなもの等がございます。
  90. 進藤一馬

    ○進藤委員 郵便貯金の第二封鎖預金の払い戻しがおくれました理由はどういうわけでしょうか。それとこのような立法措置をとらなければならないその御趣旨をお尋ねいたしたい。
  91. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 お答え申し上げます。この郵便貯金等の第二封鎖の切り捨てにつきましては、御承知のように旧大蔵省預金部の運用資産に戦争のために非常な赤字を生じたのでございまして、いわゆる赤字を一切昭和二十四年二月二十一日に処理いたしたのでございますが、その際に一般会計から三十六億一千万円という金額の補償金を受けて、なお一億六千九百万円という郵便貯金の第二封鎖の分を切り捨てまして、いろいろいたしましてその赤字を処理いたしたのでございます。従いまして大蔵省預金部等損失特別処理法の規定によりまして、旧大蔵省預金部の資産から生じました利益金をもちまして、運用益をもちまして、この三十六億一千万円の一般会計から借りております補償金を将来返せということに法律の規定上なっておる次第であります。それがすなわち昭和三十三年十二月末日をもちまして、二十六億三千万円という利益金が生じたのでありますが、まだ十億足りませんので、将来この十億を生み出してから一切一般会計に借金を返しまして、初めてその上で今度は法律を要しないで、政令の定むるところによりまして郵便貯金の旧預金者等に返すことができるということになるわけでございますが、まだ十億足りませんので、大体これが昭和三十七、八年ごろには一切三十六億の金を返せるというふうに私たちは考えておるしだいでございます。そういう次第で法律の建つ前が、一般会計に返してから返そうということになっておったのが一つの理由。それからもう一つには、先ほど御説明申し上げましたように、民間の方面におきましていろいろ信用組合であるとかあるいは相互銀行、いわゆる昔の無尽でございますが、そういった相互銀行等がまだ分配を完了いたしておりません。そういったことからいたしまして、今まで第二封鎖の補償がおくれておったという次第であります。  それからまた第二の御質問の、今度のような立法措置を要しまする理由は、二十四年二月二十一日をもちまして第二封鎖の貯金の債権というものが一応消滅いたしておりますので、これを、大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の定めておりまするこの法律の規定は、一般会計にその三十六億の金を返してから初めて返すということになっておりますのを、臨時特例を設けまして、それを返す前に二十六億の利益金から二億四千百万円の金を先借りいたしまして、今回旧預金者に交付する、こういう手続が必要でありますので、こういった非常にむずかしくて長い題名でありますが、法律の改正を必要とすることになった次第であります。
  92. 進藤一馬

    ○進藤委員 切り捨てが行われました昭和二十四年からすでにもう十年も経過しております今日、当時の通帳などが紛失しておるものが多いのではないかと思うのであります。このようなものに対しては交付金が受けられないというような場合があるのではないかと思いますが、そういう場合に対してはどういうふうな措置をとられるのでありましょうか。
  93. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 お答え申し上げます。ただいまの御質問のように、すでに切り捨てになりましてから十年たっておりまするので、中には通帳を紛失したり、あるいは当時の金融通帳等も紛失いたしまして何ら証拠物件を持っていないという方もあるいは多いかと考えるわけでございまして、これに対処いたしますためには、切り捨てが行われました当時私どもの方で、中央貯金局の貯金原簿に切り捨てられた額とそれから残った額を明記いたしておりますし、またそのほかに第二封鎖預金設定額報告書というものと、それから第二封鎖預金切捨額報告書というものを郵便局で作りまして中央貯金局に送りましてそれを保管いたしておる次第でございます。またその他第二封鎖預金の索引簿といったようなものも貯金局に送っておるわけでございますので、そういった資料等を調べまして、この法律が施行されました暁におきましては申請者の申請書類と引き合せまして確認いたしまして交付をする、こういうことを考えておる次第でございます。
  94. 進藤一馬

    ○進藤委員 交付金に利子を加算して払われることになっておりますのはまことにけっこうでありますけれども、その利率はどういうふうになっておりましょうか。
  95. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 第二封鎖預金の内訳といたしましては、郵便貯金と郵便振替貯金の二種類があるわけでございまして、郵便貯金につきましては昭和二十七年の四月一日に利率の改正がございましたので、それまでは旧利率の年二分七厘六毛、それから改正後は現行の年三分九厘六毛という利率で利子額を計算いたしまして元金に加えて交付するわけでございます。振替貯金につきましては利率の変更がございませんでしたので、年二分二厘八毛ということで計算いたしました利子をつけて交付する次第でございます。
  96. 進藤一馬

    ○進藤委員 その交付金の総額なり、また交付を受ける人員と、一人当りの平均受取金額はどの程度のものでしょうか。
  97. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 交付金の総額は二億四千百万円でございます。その内訳は元金に相当するものが一億六千九百万円でございまして、利子に相当する額が七千百万円でございます。それから交付の対象になりまする人員は八万一千三百人でございまして、その内訳は郵便貯金の預金者が約八万人おります。その他が郵便振替貯金の加入者でございます。また一人当り平均受取金額を申し上げますと、大体郵便貯金の方が二千八百円くらいでございまして、振替貯金の方は七千百円くらいになると思います。
  98. 進藤一馬

    ○進藤委員 郵便年金についても第二封鎖があったのじゃないかと思いますけれども、その方はどうなっておりましょうか。
  99. 大塚茂

    ○大塚政府委員 郵便年金につきましても同じように第二封鎖になりまして切り捨てられた預金がございますが、これは法律を要せずして政令で貯金と同じようなことがやれることになっておりますので、貯金の方でやりますのと期日を同じゅうして政令で同じようなことをやりたいと考えております。
  100. 進藤一馬

    ○進藤委員 あと保険の問題と郵便の問題がありますが、この次にいたします。
  101. 淺香忠雄

  102. 森本靖

    森本委員 今一緒に伺うとややこしくなりますので貯金の分だけ先に聞きますが、この三十六億円の分ですが、もう少し具体的に説明して下さい。
  103. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 お答え申し上げます。昭和二十一年二月十七日に金融緊急措置令が施行されまして、ただいま御説明いたしましたような第二封鎖預金というものが設定されました。その後郵便貯金等につきましては三割相当額の一億六千九百万円というものが昭和二十四年二月二十一日に切り捨てられたわけでございますが、その際に、要するに旧預金部資金でいろいろ対外投資とか特殊会社に投資いたしましたものが、戦争によりまして返らなくなった。従いまして、そのときに、旧預金部資金の旧勘定と申しますか、それを一応総洗いをいたしてみますと六十二億一千五百万円という赤字が出たわけでございます。この六十三億一千五百万円を埋めようということになりまして、まずこの大蔵省預金部等損失特別処理法に基きまして旧大蔵省預金部会計に残っておりました積立金を充てまして、それからいわゆる当時の評価益というものを補てんいたしまして、それで郵便貯金の第二封鎖に相当する一億六千九百万円を打ち切って充てましてなお差額が三十六億一千万円というものが出たわけでございます。従いましてその三十六億一千万円は一般会計からいわゆる旧大蔵省預金部特別会計が借り入れをいたしまして、それで一切の整理を完了したわけでございます。その三十六億一千万円の内訳と申されましたが、それは一般会計から借りた金でございます。
  104. 森本靖

    森本委員 そうしますれば三十六億一千万円というものは貯金会計から返さなければいかぬわけですか。
  105. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 郵便貯金特別会計とは何ら関係がないわけでございます。大蔵省のいわゆる資金運用部特別会計から三十六億一千万円を返すということになっているわけでございます。
  106. 森本靖

    森本委員 そうするといわゆる貯金特別会計とは全然関係がないわけでしょう。
  107. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 郵便貯金特別会計とは何ら関係はございません。
  108. 森本靖

    森本委員 ないのにこの問題が現実にここに関係してくるのはどういうわけですか。その辺があなたの説明がややこしくてわからぬのですが……。
  109. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 お答え申し上げます。郵便貯金特別会計がこの法案に顔を出して参ります理由は、いわゆる一億六千九百万円という預金者の権利が切り捨てられているわけでございます。それに私ども考えておりますのは、昭和二十四年二月二十一日から本年の三月三十一日まで預金が続けられたとしたならばかかるべき利子を計算いたしまして返そう、こう考えたわけでございまして、これに要しまする経費が全体で二億四千百万円ということになるわけです。この二億四千百万円をどこから出すかという予算的な措置が必要になるわけでありまして、これは要するに旧預金部資金の旧勘定から出て参りまして、その後運用いたしております。それから回収不能と考えておったものが返ってきたということによりまして、いわゆる利益金が生じたわけであります。それで昨年十二月末日をもちまして、二十六億三千万円という余裕金が出てきたわけでございます。これは回収金でございます。その中から二億四千百万円を先借りしよう、いわゆる三十六億までに達しましたならば一般会計に返します、それから出てきた回収金をもってならば、法律を要せずして、旧預金者に返していく、こういうことになるわけであります。
  110. 森本靖

    森本委員 そうするとこの二十六億三千万円というものは、三十六億になって、一般会計に返すということになりましても、これには郵政省としては全然関係がない、こういうことになるわけですね。
  111. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 仰せの通りです。
  112. 森本靖

    森本委員 それから先ほど進藤さんも質問なすっておりましたが、これが口数にして、振替と貯金で八万一千三百七十九ですか、これだけあるようでありますが、実際に払わなければならぬという人はどのくらいありますか。というのは、質問がわかりにくいと思うのですが、八万一千三百七十九というのは、十年間もほうってあるわけですから、おそらく行方不明になったり死んだりなにかして、取りにこなかった人がだいぶあると思いますが、これを具体的に調査してみたことがありますか。
  113. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 私どもの方といたしましては、大体昭和二十五年ごろから、このいわゆる第二封鎖預金関係数字を正確にしようということで、各地方貯金局に命令いたしまして、その後いろいろ資料の整理を急いでおりまして、大体現在各地方貯金局の数字は参っておるわけでございます。それによりまして、ただいま申し上げました八万一千三百の口座と、それから金額にいたしまして一億六千九百万円というものを計算しておるわけでございます。
  114. 森本靖

    森本委員 私が聞いておるのは、八万一千三百七十九というものですが、この法律が通った場合、どういうやり方でもってこの預金者に通知をするか、こういうことです。
  115. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 先ほど申し上げましたが、地方貯金局に原簿がございます。あるいは原簿は全払いということになりますというと、あと一年たちますと、原簿は保存期間が一年ということになっておりますので、原簿がないものがございます。そういうものにつきましては、郵便局で切り捨て当時設定いたしました第二封鎖預金切捨額報告書、第二封鎖預金設定額報告書、あるいは地方貯金局によりましては、旧預金者の第二封鎖の索引簿といったものも作っておりますので、そういった資料を調べまして、一応貯金局でわかるものにつきましては、交付を受けようとする者のの申請を待たないで、地方貯金局から直接にその住所にあてて通知を出すことを考えております。あるいは申請を放送したり、ポスターで郵便局に掲示するということも考えておりますが、一応はっきりわかるものにつきましては、地方郵便局で全部旧預金者に通知を出したいというふうに考えております。
  116. 森本靖

    森本委員 それでその通知を出して、それで通知がいって、それによって今度請求させて、それからさらに金券を発送する、こういう手続をとるわけですか。
  117. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 さようでございます。
  118. 森本靖

    森本委員 それで、この法律では、かりに余った金があっても、これはまた戻さなければいかぬわけですね。なぜこんなことをするのですか。
  119. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 先ほど申し上げましたように、いわゆる元本に相当いたしますものは旧大蔵省の預金部資金というものの中から回収されてきた額から出ておるわけでございます。それから利子は、いわゆる資金運用部特別会計でごっちゃにいたしまして運用しております預託利子と、その他運用益金でまかなうわけでございますので、一応預金部特別会計の歳出ということにいたしまして、郵便貯金特別会計に受け入れて払うということになっておりますので、もし七年間たっても全然申し入れがなかった、取りにこなかったという場合、いわゆる消滅いたした、払いようがないということになった金は、これは不用になった金であります。これはいわゆる運用部資産に返しませんと、一般会計に三十六億の金を借りておりますので、それに充てる原資でございますから、これを郵政省でとってしまうということは絶対ない次第でございます。
  120. 森本靖

    森本委員 この三十六億一千万円というものを大蔵省の方の資金運用部特別会計が、一般会計から借りておるというのは、これは資金運用部特別会計の責任でこれを将来払っていかなければならぬというような説明でありますが、しかしこれは在外投資とかその他の問題については何も資金運用部特別会計だけの責任でやらなければならぬという意味合いのものではないでしょう。この損失というものは当時の国家財政という観点から政策的にやった問題であって、それをこの特別会計そのものが全部責任を負わなければならぬという筋合いのものではないでしょう。金としてはそうではないでしょう。どうですか。
  121. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 一応一般会計から三十六億の金を借りまして赤字の処理を完了いたしたわけでございます。従って法律の建前といたしましては将来運用で益金が出た、いわゆる回収額が出てきた場合は、それをもって返すということになっておりますので、その返済に充てるための資金が二十六億三千万円昨年末をもって集まったわけでございます。その金から二億四千百万円というものをこちらから借りるわけでございます。借りるといっては変でございますが、いわゆる郵便貯金の切り捨てられた、預金者に返す金額の二億四千百万円をその二十六億三千万円のうちから借りるわけでございますので——借りるというか、そこから要するに郵便貯金特別会計に繰り入れを受けるわけですから、予算の財源をそこに求めたわけでございますので、郵便局の第二封鎖の旧預金者に返さなくなったという金は、これはその方に返してやらないと、大蔵省資金運用部特別会計が一般会計に返す金に予定いたしておりますので、その方に欠損を生ずることになりますから返さなければならぬ、こういうことでございます。
  122. 森本靖

    森本委員 これは借り入れではないわけでしょう。この二億四千百万円というものについては向うの会計から郵便貯金特別会計に繰り入れるものであって、余ったら——余ったらというよりも、将来何年ですか、期限は忘れましたが、とにかくこの期限内に支払いのなにがない場合には、向うに余った金額は一応お返しをする、こういうことでしょう。
  123. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 私が借りると申しましたのは言葉がよくなかったのでございますが、いわゆる繰り入れを受けるわけでございますので、借り入れて将来返すというものではございません。二億四千百万円よりも取りにくる人が多かったというような場合におきましては、もう少しそれから出すということもあるいはあるかもしれません。とにかくそういうことはもちろん考えられません。従って私どもといたしましても、旧預金者に返した以上にこちらに余った金を保留しておくという理由はないのでございます。
  124. 森本靖

    森本委員 これはほんとうを言うなら、八万一千三百七十九というものを、すでにもうこの預金者に郵政省の方としては通知をして、それではっきりしておるものが大体五万人なら五万人、あとの三万人程度というものはどこへいったかわからないというような資料ができておってもいいのじゃないか。あなたの方は法律ができたらそれをやろうということだろうと思いますが、それと、それから先ほどの、全払いになった場合には各郵便局からの報告書によってはっきりするというわけでありますが、ちょっとこの原簿を見せていただきましたが、これの金額は全部大したことはないですから、事実問題としてはそう大したものにならぬと思いますが、実際問題として、この全払いになった場合、各郵便局からの第二封鎖切り捨ての確定報告書というものによってやると言われておりますが、各郵便局からの書式もまちまちでありまして、果してこれが、貯金原簿と同じような効力を持ってあなたの方は支払いを促進すると思いますが、あの紙切れがそれだけの効力があるというふうにはちょっと見当りませんけれども、しかし今の段階となればそんなことを言ったところでどうにもならぬ。あれを資料にして払い戻しをするということになろうかと思いますが、これの周知宣伝はどうやるのですか、貯金局の方から預金者に全部一ぺん出すわけですか、それとも一ぺん周知をして、言ってくる者は言ってこさせるし、そうでない分は周知をするようにするのですか、どういうふうにするのです。
  125. 加藤桂一

    ○加藤(桂)政府委員 お答えいたします。私ども考え方といたしましては、一応全部につきまして貯金地の貯金局から通知を差し上げるということを考えております。なお周知宣伝をいたします。
  126. 森本靖

    森本委員 その方が一番妥当であるし、また親切なやり方であると思いますが、それはぜひやってもらいたいと思うのです。  そこで、先ほどの第二封鎖の郵便年金ですが、これはどのくらいありますか。
  127. 大塚茂

    ○大塚政府委員 第二封鎖になりましたうちから結局問題になりますのは、切り捨てられました三割額だけが問題でございますが、その額は当時の額で三千八百万円でございます。
  128. 森本靖

    森本委員 当時の額で三千八百万円で、これに対するところの、今回支払う場合の金利はどういう工合になるわけですか。
  129. 大塚茂

    ○大塚政府委員 各契約につきまして当時の予定利率を利率としまして複利で計算をした利子をつけてお返しするということになっております。
  130. 森本靖

    森本委員 そこでその三千八百万円程度のいわゆる財政的な措置はどうなるわけですか。
  131. 大塚茂

    ○大塚政府委員 郵便年金におきましては、幸いにしましてその後評価益が出ております。従いましてその評価益を財源といたしまして、その中から一部、一般会計から当時補てんを受けた金を返しまして、また年金契約者に対しても先ほど言いましたよう計算でお返しするというだけの財源があるわけでございます。
  132. 森本靖

    森本委員 この切り捨てたときの三千八百万円という金は、どの会計へ切り捨てられて入っているわけですか。
  133. 大塚茂

    ○大塚政府委員 当時の簡易保険、郵便年金の赤字の補てんに結局使われたわけでございます。
  134. 森本靖

    森本委員 そうするとその当時の郵便年金の会計の赤字に使われたこの三千八百万円というものが、今度支払われる場合には、現在の会計の益金において出す、こういうわけですか。
  135. 大塚茂

    ○大塚政府委員 さようでございます。
  136. 森本靖

    森本委員 この三千八百万円というのは金利と一緒になりましてどのくらいになりますか。
  137. 大塚茂

    ○大塚政府委員 金利が千八百万円余りでございまして、合せまして五千七百六十万円余りということになります。
  138. 森本靖

    森本委員 これは口数にして大体保険局の方に原簿がちゃんとあるわけですか。
  139. 大塚茂

    ○大塚政府委員 口数にしまして二万五千件余りでございまして、ちゃんとその資料がございます。
  140. 森本靖

    森本委員 このいわゆる原簿というのは各保険支局にあるのですか。
  141. 大塚茂

    ○大塚政府委員 はい、現在の地方保険局にあるわけでございます。     —————————————
  142. 淺香忠雄

    淺香委員長 この際理事の補欠選任についてお諮りいたします。理事原茂君が理事を辞任いたしたいとの申し出がありますので、これを許可し、その補欠選任については先例により委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 淺香忠雄

    淺香委員長 御異議なしと認め、理事森本靖君を指名いたします。  次会は明十九日木曜日、午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十七分散会