運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-12-16 第31回国会 衆議院 逓信委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十三年十二月十日)(水曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次の通 りである。    委員長 淺香 忠雄君    理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君   理事 武知 勇記君 理事 橋本登美三郎君    理事 粟山  博君 理事 片島  港君    理事 小松信太郎君 理事 森本  靖君       大倉 三郎君    木村 武雄君       藏内 修治君    正力松太郎君       進藤 一馬君    田邉 國男君       塚田十一郎君    根本龍太郎君       服部 安司君    平野 三郎君     早稻田柳右エ門君    渡邊 本治君       小沢 貞孝君    大野 幸一君       風見  章君    金丸 徳重君       木下  哲君    栗原 俊夫君       佐々木更三君    原   茂君       松前 重義君     ————————————— 昭和三十三年十二月十六日(火曜日)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長 淺香 忠雄君    理事 秋田 大助君 理事 武知 勇記君   理事 橋本登美三郎君 理事 片島  港君    理事 小松信太郎君 理事 森本  靖君       大倉 三郎君    進藤 一馬君       服部 安司君  早稻田柳右エ門君       渡邊 本治君    小沢 貞孝君       栗原 俊夫君    原   茂君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 寺尾  豊君  出席政府委員         郵政政務次官  廣瀬 正雄君         郵政事務官         (電波監理局         長)      濱田 成徳君  委員外出席者         郵政事務次官  小野 吉郎君         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     佐方 信博君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 十二月十三日  委員大倉三郎辞任につき、その補欠として高  橋等君が議長指名委員に選任された。 同日  委員高橋等辞任につき、その補欠として大倉  三郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 十二月十日  放送法の一部を改正する法律案内閣提出第二  二号)  日本放送協会昭和三十一年度財産目録、貸借対  照表及び損益計算書 は本委員会に付託された。 同月十三日  放送法の一部を改正する法律案内閣提出第二  二号) は内閣修正された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  放送法の一部を改正する法律案内閣提出第二  二号)  郵政事業労務に関する問題)に関する件      ————◇—————
  2. 淺香忠雄

    淺香委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りをいたします。つきましては、今国会も従来通り委員会所管事項、すなわち、郵政事業に関する事項郵政監察に関する事項電気通信に関する事項電波監理及び放送に関する事項について、国政に関する調査をいたしたいと思いますので、承認を得るため、この旨議長に申し出るに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり一
  3. 淺香忠雄

    淺香委員長 御異議なしと認め、さように決します。  なお議長提出すべき国政調査承認要求書の作成並びに提出手続等につきまして、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 淺香忠雄

    淺香委員長 御異議なしと認め、さように決します。     —————————————
  5. 淺香忠雄

    淺香委員長 次に、去る十日本委員会に付託になりました放送法の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  まず寺尾郵政大臣より提案理由説明を聴取することといたします。寺尾郵政大臣。     —————————————
  6. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 ただいま議題となりました放送法の一部を改正する法律案提案理由説明申し上げます。  現行放送法が施行されましたのは昭和二十五年六月でありますが、その後今日に至る八年間における放送関係の科学及び技術発達並びに放送関係業務発展はきわめて著しいものがございます。特に新しい事業形態としての商業放送の出現及び新しい放送形式としてのテレビジョン放送の発足並びに放送局数及び受信者数の顕著な増加によって、放送界の事情は当時とは一変しているのでございますが、今後さらに新しい放送形式としてFM放送やカラー・テレビジョン放送が登場することをも当然予測しなければならないという情勢でございます。このような放送文化発展とその技術進歩に伴いまして、放送わが国の政治、経済、産業、文化のあらゆる面に重要な役割を演じており、これが今日、国民生活の中で持っている意義及び国民生活に与える影響はまことに大きいものがありますが、このことは今後ますます増大するであろうと考えられます。  このような実情から考えまして、現行放送法は、進歩発達する放送界実情に即応したものではないとの理由によって、国会方面初め各界からその改正が問題とされるに至ったことは、御承知通りであります。ここにおきまして政府といたしましては、放送法改正につきまして十分検討するとともに、日本放送協会民間放送連盟及び実際放送事業に携わっておられる方面の意向を徴するほか、臨時放送法審議会に諮問する等各方面意見を聞きまして鋭意努力の結果ようやく成案を得ましたので、第二十八回国会及び第三十回国会提出いたしましたが、いずれも審議未了となった次第であります。  今回提案いたしました改正案は、第三十回国会において審議未了となりました改正案内容は全く同じものでございますが、その概要について御説明申し上げます。  第一に、放送番組向上適正化のため、今回の改正案で特に意を用いました点は、まず放送番組編集上の準則を整備したことでございます。すなわち、日本放送協会一般放送事業者放送番組を通じまして、放送番組編集及び放送に当っては積極的に国民に必要なニュースを提供し、教育、教養に資し、健全な慰安娯楽を提供するようにするほか、教育番組編集及び放送については、特にその指標を明確に規定し、放送による教育効果を高からしめるように措置をしているほか、現行法規定する準則に新たに善良な風俗を害してはならない旨を追加規定することにしております。  次に、以上申し述べました放送番組編集及び放送についての準則の実効を確保する方法といたしまして、放送言論機関たる特性にかんがみ、行政権による規制を避け、放送事業者自律性を尊重する考えのもとに、次のような方法を採用いたしております。すなわち、放送事業者放送番組審議機関の設置を義務づけ、放送事業者は、この番組審議機関に諮問して、その番組編集基準を作成し、その番組基準に従って放送番組編集をしなければならないものとし、かつ、放送事業者は、その番組基準を定めた場合またはこれを変更した場合には、これを公表しなければならないこととし、その順守を公衆批判にまかせようとするものであります。またその番組審議機関には放送された放送番組批判機関たる任務を持たせ、彼此相待って放送番組向上適正をはかろうとするものであります。特に日本放送協会国内番組審議機関といたしましては、中央番組審議会及び地方番組審議会を設けることとし、地方番組審議会政令で定める地域ごとに設けなければならないことといたしております。また日本放送協会放送番組編集につきましては、協会公共的使命にかんがみまして、このほか特に「豊かで、かつ、よい放送番組放送することによって公衆の要望を満たすとともに文化水準向上に寄与するように、最大の努力を払うこと。」等の規定を設けまして、その放送番組編集及び放送につきまして、一般放送事業者より高い責任を負わせ、もってその放送番組向上適正をはかっております。  次に、日本放送協会国際放送向上適正をはかる措置といたしまして、放送番組編集について積極的にその準則規定するとともに、国内放送に関する審議会とは別個に国際番組審議会を設けることといたしております。  第二に、日本放送協会に関する事項について申し上げます。まず日本放送協会の公共的な性格をより明確にし、協会の行う業務範囲を広げ、単に協会放送のみにとどまらず、わが国放送全体の進歩発達を目的として、放送及びその受信進歩発達に寄与する調査研究を行うことのほか、放送番組提供等一般放送事業者に対し便宜を供与することができる等の規定を設けました。  次に、協会経営機構において意思決定機関業務執行機関責任と権限をはっきりさせるため、経営委員会は、協会経営方針その他業務の運営に関する重要事項を決定する機関、すなわち、協会意思決定機関たる性格を明確にするとともに、その機能を十分に達成することができるようにするため、委員の数は、現行の八地区から選出される者八人のほか、全国を通じて選出される者四人を加えて計十二人とし、さらにその欠格条項を若干緩和して適材の選任を容易ならしめることといたしました。また委員現行法による旅費その他業務の遂行に伴う実費を受けるほか、その勤務の日数に応じて相当の報酬を受けることができることといたしております。会長は、もっぱら業務執行を行うものとして意思決定機関たる経営委員会に出席して意見を述べることができるが、その議決には加わらないこととしております。またその他の役員につきましては、業務範囲及び規模増大に伴う措置といたしまして、理事を五人以上十人以内、監事を三人以内を置くこととしております。  次に、財務の整備をはかる措置一つといたしまして、放送債券発行限度額を純財産額の三倍以内に引き上げ、もって業務範囲規模の拡大に対処するほか、毎事業年度収支予算等が、国会閉会等やむを得ない理由によって、当該事業年度の開始の日までにその承認を受けることができない場合の臨時的措置を講ずることといたしております。  第三に、一般放送事業者につきましては、現行法はきわめてわずかな規定があるのみでありますつが、冒頭に述べました通り放送事業の急激な発達とその放送国民生活に及ぼす役割影響力増大にかんがみ、特に放送番組向上適正をはかる措置を講じたことは前述の通りでありますが、なお、一般放送事業者自主性及び主体性を確保する措置といたしまして、特定の者からのみ放送番組供給を受けることとなる条項を含む放送番組供給に関する協定締結してはならないこととするほか、放送による学校向け放送番組には学校教育の妨げになると認められる広告を含めてはならないことといたしております。  以上申し述べましたほか、日本放送協会及び一般放送事業者を通じまして、放送番組放送後一カ月以内に限って政令の定めるところによって、放送内容について保存等事後措置を講じなければならないことといたしておりますが、これはその放送内容番組審議機関批判に供する便を講ずるとともに、訂正または取り消し放送関係者の確認の資料に供するための措置であります。なお、郵政大臣は、放送法の施行に必要な限度において、放送事業者に対してその業務に関する報告をさせることができることとしておりますが、この場合におきましては、その報告事項等政令で具体的に規定し、監督官庁の悪意または逸脱を防止するように留意いたしております。  そのほか、以上の改正に伴う罰則その他の条文の整理を行い、及び所要の経過規定を設けようとするものであります。  以上述べましたところでおわかりのように、今回の改正は、今日の放送界実情を直視しつつ、放送法第一条の精神を確保するために必要と認められる措置を行おうとするものであり、特に表現の自由を確保するため細心の注意を払ったものでありまして、きわめて現実に即した必要不可欠の改正のみであり、国会の御賛同をいただけることを確信いたしているものでございます。  何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
  7. 淺香忠雄

    淺香委員長 これにて提案理由説明は終りました。     —————————————
  8. 淺香忠雄

    淺香委員長 この際、寺尾郵政大臣より発言を求められております。これを許します。寺尾郵政大臣
  9. 寺尾豊

    寺尾国務大臣 当省と全逓との間には紛争が起っているために今年の年末年始繁忙期には郵政事業に混乱を来たし、国民に多大の迷惑を及ぼすのではないかと各方面心配をおかけしていたのでありますが、去る十日私が行なった最後警告を契機といたしまして、全逓は指令してあった実力行使中止するとともに、年末闘争をも解除することとなり、年末年始における郵政業務は円滑に運行されるようになりました。このように急転直下事態が好転したのでありますが、これはひとえに世論に従ったということであり、また日ごろの皆様の御配慮によるものと深く感謝をいたしておる次第であります。  当省としましては、かねがね全逓の年末闘争によって最悪の事態に立ち至った場合においても、業務が円滑に運行するよう、種々の対策を立てて臨むとともに、全逓に対しては、団体交渉はどうしてもできないが、働く従業員には決して不利とならないよう年末手当考えるので、その実力行使を極力中止するよう幾度か警告し、従業員の良識にも訴えて参る等、この問題解決のためにあらゆる努力を尽して参ったのであります。  一方、全特定、全郵政の組合とは九日の午後十時に年末手当等に関する団体交渉妥結したのでありますが、全逓闘争中止の糸口すらつかめない状況であったのであります。私といたしましては、九日午前にも闘争を回避するよう厳重に警告をしたのでありますが、九日の深夜に至っても全逓中止指令を行わず、このまま放置すれば闘争に突入する気配があったのであります。私は郵政事業をあずかる者として、あくまでこれを回避させたいと考え、十日午前零時四十分に全逓幹部を招致して直接最後警告を行なったのであります。  その結果、全逓の諸君も私の意をくんで、十日、十一日の実力行使中止するとともに、三六協定締結はもちろん年末闘争終結して最繁忙期における協力を約したのであります。  以上、簡単でありますが、御報告申し上げますとともに、御高配に対しまして感謝いたします。
  10. 淺香忠雄

    淺香委員長 森本委員より発言を求められております。これを許します。森本君。
  11. 森本靖

    森本委員 ただいま大臣から全逓との年末闘争終結についての御報告がありましたが、郵政省全逓労働組合とがこの年末を控えての一応の妥結ということについては、これは私は国民の立場から、そのよしあしは別として、内容については別といたしましても、一応心から喜びたいというふうに考えておるわけであります。ただしかし、そうはいうものの、大臣の今の労務報告でもいまだに郵政省側——郵政省側というよりも政府面子にこだわったような報告をその内容においてはしておるようであります。警告をするために呼んだとか、警告をありがたく向うが受けたから済んだとかいうふうな言葉になっておるわけであります。しかしそういう言葉の使い方は別といたしましても、いずれにしても妥結をしたということは喜ばしい限りであるというように考えておりますが、しかし今大臣が御報告をしたような言葉の端々というものを将来も郵政省が厳然としてとっていくという限りにおいては、一応年末闘争妥結をしたというものの、今後も紛争が続くのではないかという懸念がするわけであります。その辺は、今後の問題については郵政省側政府ももう少し、面子にこだわらずに、虚心たんかいに従業員の方とも話し合いをしようというふうにしてもらいたい。おそらくこの間の十日の日の話し合いというものもあなたの方が警告をするために呼んだということを言っておるけれども、実際的にはこの問題を解決つけるためには一応全逓幹部大臣が最終的に話をした方がいいということで話をしたわけでありますので、あくまであなたの方は警告をするために呼んだと言うけれども、今後はそういうことにこだわらずにやる気配を示してもらいたい。そうでないといつまでも両方が角突き合っているような形になるわけでありますので、せっかく寺尾郵政大臣の手腕によって、このどうなるかみんなが心配をしておったところの年末闘争終結をしたのでありますから、新しい年を迎えるに当って、全逓の労働問題についてももっと大きい観点から虚心たんかいに話し合いをしようという心組みをぜひ大臣が見せてもらいたい、こう考えておるわけであります。今すぐこれの回答をせよと言っても、大臣は今報告したような回答だけをするか、あるいは自民党内の労働部会に怒られても、今言ったように虚心たんかいに話をいたしますと言う勇気があれば別でありますけれども、おそらく今すぐ回答せよと言ったところで無理と思いますので、私が今一応労務報告を聞いたことに対する党としての一応の感じ方を率直に申し上げておきたい、こう考えるわけです。  そこでこの年末闘争妥結に当って一つ重要な問題が含まれておるわけでありますが、私もこの委員会にずっと出ておりまして、不幸にしてあとでこの質疑応答速記録を見てようやく重大なことに感づいたわけでありますが、この前、十月八日に上林委員人事部長佐方氏との間に質疑応答がとり行われておるわけであります。その中で特定郵便局超過勤務協定、いわゆる三六協定の問題について、上林委員の方から、現行特定局超過勤務協定の仕方については無理があるのではないかという質問をしておるに対しまして、多分にこれは八百長みたいな感じがいたしますけれどもそれはそうでないと確信をいたしますが、それに対して人事部長の方から、現在は全逓闘争をしておりまするので、この問題については、確かに考えなければならぬというような意味の答弁をしておるわけであります。そこで今度の年末におけるこの特定郵便局の三六協定については、今回はどういうふうになっておるわけでありますか。
  12. 佐方信博

    佐方説明員 お答え申し上げます。特定局超過勤務協約締結の仕方につきましては、先ほど御指摘のありましたように、超過勤務協定がいつまでも結ばれない状態においては考えなくてはならないだろうというようなことを、この前御返事申し上げたわけであります。自来十一月になりましても、普通局におきましては相当超過勤務締結をしたところがございますけれども、特定局につきましては、御承知のように各郵政局とその管轄下にある全特定局を合せて一つ事業場として締結しておりましたために、特定局とは結びたいけれども結べない、いわんや全逓とは全然関係ない、いわゆる全逓職員でない局におきましても、法規上三六協定ができないというような実情であったわけでありまして、たびたびいろいろな方面から、この変則的な扱いをやめて、三六協定条文規定してあるように、各事業場ごとに、個々郵便局ごとにという線の方がほんとうの筋じゃなかろうかという議論が出て参りました。従いまして十一月の末に手続をいたしまして、十二月の特定局超過勤務協定というものは各事業場ごとに、いわゆる郵政局長と各郵政局組合とでなくて、各特定局組合との間に契約をするということにして進めて参ったわけであります。
  13. 森本靖

    森本委員 この問題については、人事部長も御承知だろうと思いますが、三六協定郵政省が行わなければならぬということになった。これはもう数年前でありまして、ずっと昔でありまするが、その時分には人事部長も課長さんであったと思いますが、三六協定について一番問題になったのはやはり特定郵便局であります。この問題については省側も、それから組合側も頭をしぼっていろいろ考えたわけであります。どういうふうにやればこの協定が一番うまいこといくか、それから各特定郵便局管理能力、それから事業範囲、そういうものもいろいろ考えまして、労働省ともいろいろ打ち合せをして、労働省郵政省組合、二者がいろいろこれを協議し研究をした結果、特定局については一応郵政局ごとに結ぶのが一番よかろうということになってこれは結んだわけであります。労働情勢というものがそのままずっと今日までくれば問題がなかったと思いますが、たまたまこの質疑応答の中にありますように、全逓の中に、若干ではありますが、六千か七千であろうと思いますが、全特定というようなものができた。あるいはまたあなたの方が団体交渉拒否ということになって、組合はそれじゃ超勤をしないということになったから、これはこういうふうに改訂しなければならぬというふうにお考えになったと思う。しかし現実の問題として、今あるところの、たとえば局長一名と従業員一名というような事業場において事業場ごとに結ぶというのは、従業員一名と局長一名とが協定を結ばなければならぬというへんちくりんな格好になるわけです。おそらくそんな事業場というものは私はなかろうと思う。だからこの問題については、現在全逓闘争をやっておるからこういうふうにやらざるを得ないということであって、現実の問題としてはもっと広範囲に結ぶことが特定郵便局を管理する管理能力からいっても正しいのじゃないか。この特定郵便局個々事業場として断定をして、その事業場ごとに結ぶということについては非常に無理があるのじゃないか、こう考えるのですが、どうですか。
  14. 佐方信博

    佐方説明員 経過につきましては、先生の御指摘のような実情だろうと思うわけであります。しかし今申し上げましたように、たとえば全部が全逓でございますと、どこと結びましても、まただれと結びましても、結果は似たようなことだと思いますが、全然全逓に参加しない人が法律締結できないということは、どうしても筋が違うのじゃなかろうかということで、今後こういうようなやり方に踏み切った次第でございます。
  15. 森本靖

    森本委員 だからそういう場合でも、たとえばこの特定郵便局には旧部会単位、旧局長会単位というふうに、おのずから市町村の行政単位と同じような行政単位が歴史的にできているわけです。だからこれが今も言いましたように、無集配特定局で主人が局長女房従業員、その女房亭主と二人が超勤の三六協定を結ばなければならぬというような事業場があっちこっちにできてくるわけです。そんな三六協定なんというものはだれが見てもまことにおかしい。だから常識で考えてもおかしいようなことをせずに、せめて小範囲にするということならば、いわゆる組合だって、これは部会とか局長会単位くらいにできてなければ、一応これは勢力を占めたところの労働組合と見るというわけにはいかぬと思う。だからそういうことを考えた場合には、たとえば部会を三つくらい合せたところが今特定局の支部の単位になっているところもあれば、あるいはまた局長会単位になっているところもあれば、普通局と一緒になっているところもあるわけであります。個々郵便局ごと協定を結ばすということをもっと範囲を広げて、せめて局長会単位ぐらいでないと結べないというふうな形にまで持っていくのが、この超勤を結ぶについては郵政省側も便利じゃないか。それから今言ったように無集配局長で何も労務政策を知らぬ者が今からまたあわてて労働基準法から労働法から公労法から全部さげてやろうと思ったって、無集配特定局長にはできっこない。貯金から為替から保険から郵便から一切やらなければならぬ。その上に庶務、会計もしなければならぬ。その上に労務政策をやらなければならぬということになったら、これは亭主局長女房従業員のところでは、お前、労働法労働基準法超勤を結ぶにはどうやったらいいか調べておけということで、女房が、はい、こうやりましょうかということになりますと、それでは結ぼうかということで協定を結ぶというような、そんなばかげた協定の結び方はないと思う。だからもう少し範囲を広げて、せめて局長会単位とか、あるいはまた、部会単位とかいうことになれば、話はおのずから出てくると思う。大体部会単位にすれば今の普通局の小局の六十ないし七十程度と同じ人数になる。局長会単位になれば、大体統轄郵便局と同じ程度の組合員数になるわけであります。そのいずれかの方が私はもっと正しいのじゃないかと思うのですが、どうですか。
  16. 佐方信博

    佐方説明員 実際の問題としましては御指摘になった面が多々あるだろうと思います。私たちもいろいろ考えてみたことがあります。たとえば特定局長会の単位にするとか、部会単位にするとか、あるいは指定局の単位にするとか、いろいろ考えましたけれども、御承知のように事業場につきましてはやはり行政組織でなくちゃならぬという問題に突き当りまして、郵政局にするか、個々の局にするか、中間段階は今のところちょっとないという建前でございますので、この際は各事業場ごとにいたしました。しかし将来の問題としまして、そういう点組織の問題と考えまして研究していかなくちゃならぬ問題だろうと思います。
  17. 森本靖

    森本委員 これは行政組織といってもやはりこの面だけにおける権限を、その他の権限を移せということは私は言っておるわけじゃないから、先回りせぬようにお願いしたいのですが、この面だけの権限を、たとえば局長会単位とか、部会単位とか、指定局単位に委任したってかまわぬわけですから、何も行政単位ということにこだわる必要はないと思います。私が今説明したようなことは全国至るところにできておるわけであって、そんなみっともないことをするよりも、私が今言ったように、現在の段階では指定局単位とか、局長会単位にするという考え方がやはり正しいのじゃないかと思う。だからあなたの方も全逓闘争面子にこだわって、この際一つ全逓をやっつけてやろうということで事業場単位というようなべんてこな協定の結び方をせずに、もっと能率的に、それから郵政省の職場を考えた場合に、労務管理の能力の及ぶ範囲ということを考えた場合には、とても今の特定局長の個々にこれを満足に結べなんということは無理なんです。そういう点でもう一ぺん人事部長としてもこれを再考してみませんか。
  18. 佐方信博

    佐方説明員 先ほど申し上げましたように実はいろいろ考えてみましたけれども、現状のもとにおきましては行政組織としては郵政局特定局しかないということでございますので、法律上どうしても結びたいにかかわらず結べないという形ではいけないということで事業場にいたしました。しかし将来の問題といたしましては組織の面ともあわせて研究していかなくちゃならぬ問題かと思っております。
  19. 森本靖

    森本委員 もうこれ以上やってもしようがないからやめますが、将来十分研究するということだから、賢明な佐方人事部長だからこんなへんちくりんなことは一刻も早くやめるように努力するだろうと思いますけれども、確かに今言ったようにへんちくりんなことが全国的に出ておるということはあなたも認めておる通りです。だから特定局長の労務管理能力というものを十分考えてもらいたい。少くとも三六協定というものは法に基いた協定でありますから、この不備な点をわれわれの方であげようと思えば幾らでも出てくると思うのです。だからそういう泥沼的なことをやらずに、やはり公平に堂々としたことをやるためには、郵政局単位ということが広過ぎるということになれば、やはり局長会単位とか、指定局単位ということを考えるのが理の当然でありますから、一つ将来といわずに近々のうちにもう一ぺんこれは従業員ともよく相談をして検討を願いたい、こう考えておるわけですが、そういう点でよろしゅうございますか。
  20. 佐方信博

    佐方説明員 関係当局等ともよく相談いたしまして研究いたしたいと思います。
  21. 淺香忠雄

    淺香委員長 次会は明後十八日木曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十九分散会