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三浦説明員 私、
国有財産の
台帳関係に携わっておりますが、
国有財産の
台帳価格が、
提供施設所在市町村交付金の
基礎として定められております
国有財産台帳価格は、初めどういうふうに定められて、何を
基礎に定められておるかということを
最初にまず申し上げたいと思います。
台帳価格は、原則といたしまして、その
財産を
取得いたしました場合の
価格を、そのまま
価格として登載するという
建前になっております。すなわち、買収いたしました場合は買収の
価格、あるいは
交換によって
取得いたしました場合は
交換の
価格、
租税物納等によって
取得した場合でしたら
収納価格、あるいは収用による場合でしたら
補償価格といったそれぞれの
取得時における
価格によって
台帳価格がきめられておるわけでございます。従いまして、かりに非常に古い
年度に
取得いたしましたものでございますと、現在の実際の
価格から見ますと、非常に
開きがあるという
実情にあることはいなめないところでございます。その場合におきましても、
土地と、その他たとえば
建物、
工作物の場合では、その
開きにおきまして若干異なる点がございます。いずれにいたしましても、昔から
台帳に登載されております
価格というものが、そのまま現在も続けられております限りは、実際の
価格と遊離しているということは避けがたいことでございます。しかしながら、それに伴いますいろいろな不合理が発見されましたので、これに対しましてはある
程度時価を参酌いたしまして、もう少し実際的な
価格に改むべきであるという
意見になりましたので、
昭和三十一年三月三十一日現在をもちまして、
価格改定という
措置を初めてとった次第でございまして、この場合の定めといたしましては、
国有財産台帳価格の改訂は、自今五カ年
目ごとにこれを行うということになっておりますから、次の
価格改定が行われます時期は、
昭和三十六年三月三十一日現在におけるそれであるということに相なるわけでございます。
ところで、三十一年
——三十
年度末でございますが
——におきまして
価格改定を行いました場合の
考え方、やり方を簡単に申し上げます。大体
土地の場合でございますと、
土地に関する
価格の指数といったようなものが、
信憑性のあるものがございます。それを
地域別あるいは
土地の宅地、田畑その他による
種目別によりまして、それぞれの
地域に妥当と認められます
倍率というものを
決定いたしまして、それによって一律に
価格の
修正を行なったわけでございます。もちろん
取得年産ごとに
倍率が異なっておるわけでございます。それから
建物、
工作物におきましては、
地域別の差は
考えませんが、少くとも
建物等の構造によりまして、
例年償却の率あるいは
残存率というものが異なるので、それぞれ種類に従いまして
倍率というものを
決定いたしまして、これによって当初の
価格を
修正するという
措置をとって参ったわけでございます。
一応ただいま申し上げましたように、三十
年度末におきまして、少くとも当時の
時価にやや近いところに
台帳価格というものが歩み寄ったという形ができておったわけでございます。その後、具体的の
個々の
事例に当ってみますと、いわゆる
時価と必ずしも
権衡がとれていないという
事例が見受けられるようになったわけではございます。特に本
国有提供施設等交付金に関しまして、その著しい
事例がたびたび
指摘せられるようになった次第でございます。そこでその前に、
時価という
考えでございますが、これはいわば
取引上の
価格というふうに
考えられます。
国有財産の
取引価格と申しますと、これを処分する場合の
価格ということに相なるかと思いますが、
土地を売り払う場合と、
建物、
工作物を売り払う場合では、
台帳価格との間に異なった
開きが出て参りますという点だけをちょっと申し上げておきます。と申し上げますのは、
土地でございますと、実際年年
相当の
値上りをいたしておりまして、三十
年度末できめました
価格というものが、当時ですら
時価よりも若干低かった。ところが最近におきましては、
土地価格が
相当上っておりますから、実際に売り払われます場合の
価格というものが、
台帳価格を
相当上回るという結果になりますが、これに反しまして、
建物、
工作物等の場合でございますと、
取得時の
価格というものが、
人件費その他を込めて綿密な計算をいたしまして、かなり高くなっておりますにかかわらず、これを処分いたします場合は、すでに
相当減耗いたしておりますばかりではなく、実際はこれを
利用する価値が
相当減じております。特に
米軍に提供されておりました
建物、
工作物等は、これを
一般の
利用に供します場合は、
利用効率という面から
相当の
価格上の減を認めざるを得ないということにもなりまして、
台帳価格を下回って処分されるということがむしろ通常の場合でございます。このようにいわゆる
時価ということと比べて参りますと、
土地の場合は非常に低いという例がございます。反面
建物、
工作物等におきましては、
時価よりもむしろ
台帳価格の方が高くなるという面があるわけでございます。かりに
交付金の
関係で
考えてみますと、そういったような
土地を主として持つ場所におきましては、
交付金の
決定におきましては相対的に不利になります。これに反しまして、
建物等を多く持っております
市町村におきましては、
交付金の
決定に当り相対的に有利に
決定されるというようなこともあるかと思います。全国的にこれを見ますると、
土地同士の間あるいは
建物、
工作物同士の間におきましては、少くとも不
均衡が一応ないということで、
台帳がこの
交付金の
基準として採用されておるというふうに
考えております。
それからただいま御
指摘のございましたように、実際の
価格あるいは
時価と、これらの
台張の
価格が非常に異なっておって不適当だという場合に、それではどういう
対処策があるのかという点でございますが、
最初に申し上げましたように、
台帳価格を改めるということは、非常に慎重な
手続を経て行なっておりまして、それも毎年あるいは常時
価格を
時価に直しておるというようなことはいたしておりません。またそれは
事務手続といたしましても非常に煩瑣でございまして、とうてい不可能なことでございますので、一応
建前は、先ほど申し上げましたように五年
ごとに
改定をするのだということで参っております。しかしながら、現在
台帳で採用いたしております
価格が、実際上そのまま維持するのが著しく不適当だと認められる場合でございましたら、それを個別的に検討いたしまして、随時適正な
価格に
修正をするという道は開かれておるわけでございます。従いまして、
個々のケースにつきまして、
自治庁の方と十分御協議申し上げました上で、特にこれを維持するのが不適当だと
考えられます場合は、これを
修正するに
やぶさかではございません。