運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-12-19 第31回国会 衆議院 大蔵委員会専売事業に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和三十三年十二月十六日(火曜 日)委員会において設置することに決した。 十二月十七日  本小委員委員長指名で次の通り選任された。       奧村又十郎君    綱島 正興君       進藤 一馬君    西村 英一君       濱田 幸雄君    福田  一君       福永 一臣君    山下 春江君       石野 久男君    田万 廣文君       廣瀬 勝邦君    山花 秀雄君 同日  山下春江君が委員長指名で小委員長に選任さ  れた。     ————————————— 昭和三十三年十二月十九日(金曜日)     午後二時十一分開議  出席委員    小委員長 山下 春江君       進藤 一馬君    西村 英一君       福田  一君    田万 廣文君       廣瀬 勝邦君  小委員外出席者         大蔵委員長   早川  崇君         議     員 大久保武雄君         議     員 神田 大作君         大蔵事務官         (大臣官房日本         専売公社監理         官)      村上孝太郎君         日本専売公社理         事         (販売部長)  冠木 四郎君         日本専売公社生         産部生産課長  榎園 光雄君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 本日の会議に付した案件  専売事業に関する件      ————◇—————
  2. 山下春江

    山下委員長 これより会議を開きます。  専売事業に関する件について調査を進めます。  本日は、たばこ小売手数料の問題及び葉タバコ収納価格問題等について、大蔵省並びに専売公社当局に質疑を行うことといたします。  この際お諮りいたします。議員大久保武雄君及び神田大作君より、本件につきまして発言を求められております。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山下春江

    山下委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。  大久保武雄君。
  4. 大久保武雄

    大久保武雄君 先般私が、本委員会におきまして、たばこ販売手数料引き上げにつきまして、当局にお尋ねをいたしたわけであります。その後逐次三十四年度予算の編成の直前に迫って参った次第でございまして、この際におきましてさらに当局のお考えを承わっておきたい、かように存ずる次第でございます。  先般監理官並びに専売公社当局からいろいろな御発言がございました。私の意見もその際申し述べた次第でございますが、たばこ販売小売人が、最近非常な苦労をしながら、たばこの売りつなぎをやって参りまして、重大なる国家益金に貢献をして参ったということにつきましては、大蔵省においても、また公社においても、十分お認めのところであろうと思うわけであります。小売人は、今後におきましても、いかなる事態においても、重大なる国家歳入に貢献するという熱意は少しも欠くことはないと、私は確信をするわけでございます。それなれば、前前から申しましたように、小売人の非常な益金確保が困難な際において、国家歳入確保協力してきた過去の功績、並びに、今日の事態において、たばこ益金確保に向いまして非常なる努力を続けております状況——想定されるところによりますと、昭和二十三年十一月末現在におきまして、たばこ販売成績は一千六百三十九億円の実績を示しております。これは前年同期に対しまして六・二%の増加でございます。もしこのままの売れ行きで推移するものといたしましたならば、本年度実績は二千四百五十八億円となる見込みでございます。これは、本年度公社売り上げ予算の二千三百三十五億円に比較いたしますと、実に百二十三億円、すなわち五・三%の増加と見込まれるわけでございます。かように売り上げ伸びて参りまして、これが国庫益金に対してどういう影響があるかと申しますと、今年度予算におきまして専売公社国庫に対しまして販売益金として繰り入れるべき金額は、一千四百四十三億円でございます。これに対しまして、先ほど私が申しました百二十三億円のうちから、どのくらい益金の増の方に繰り入れられるだろうかということを目の子にして計算してみますと、まあ六十億円見当は益金の増になるのではないか、こういうことも判断をされるわけでございます。かようなことを考え合せて参りますと、専売公社業務方針書でございますが、専売公社総裁たばこ売り上げ歩合引き上げを考える場合におきましては、歳入国庫に対する益金の繰り入れやたばこ売り上げを勘案して、その際にきめるのだ、こういうような業務方針書の規定もあるようでございますから、国庫に対する益金上の支障もございませんし、今年度益金の増から、このたばこ売り上げ手数料引き上げという、小虎に対する優遇ができるわけでございますから、どうか一つ、この機会において、大蔵省並びに御当局が、この十五万小売人の切なる要望に対しまして何とぞ踏み切っていただきますように、重ねてお願いを申し上げまして、当局の御意向を拝聴いたしたいと存ずる次第であります。
  5. 山下春江

    山下委員長 ちょっと御報告申し上げますが、本日は政府側から山中大蔵政務次官村上専売監理官松隈公社総裁原職員部長冠木販売部長駿河生産部長榎園生産課長、これだけ出席していただくように手配してございましたが、山中政務次官は省議、それから松隈総裁原職員部長とは、ただいま専売労組との団交が行われておりますので出席不可能、それから駿河生産部長は出張中でございまして、村上監理官冠木販売部長榎園生産課長とだけが出席されましたことをお許しを願って、それぞれの方から答弁していただくようにいたしたいと思います。
  6. 村上孝太郎

    村上説明員 この問題につきましては、大蔵委員会におきまして、何回かにわたりまして私から御答弁申し上げたところでございます。おっしゃいますように、たばこ小売人が、今まで、専売益金増収と申しますか、これに非常に貢献してきて下さったということに対しては、私も非常に感謝をいたしておるわけでございますし、今後におきましても、専売益金というものを中心に、公社とそれから小売人協力していただいてやっていくということの必要なること、言うまでもないかと存じます。われわれも感謝の念において欠くるところはないのでございますが、先ほどおっしゃいましたような小売歩率という問題になりますと、これは確かに業務方法書にございますように専売公社総裁がきめるようになっておりますが、事は非常に大きな財源の問題に連なっております。専売益金は、一般会計益金として、一般会計のあらゆる政策遂行影響を持つものでございますので、従来とも、小売歩率の決定につきましては、大きな予算問題として取り扱われております。従って、業務方法書に書いてございますように、総裁の一存だけでうまくやれないことは御承知のことだろうと思うのでありますが、ことしの益金が、当初予算で考えましたよりも、ある程度伸びているというふうな事実は私も認めるのでございます。ただその正確な金額については、私も、現在手元に資料がございませんので、確言はいたしかねますが、少くとも、従来までの実績で、二、三十億の益金の増が予算に比べて上っておるということはあろうかと思います。ただ、たばこ売り上げが今後どうなるか、また、上半期における売れ行き増の中には、昨年度末において売りを少しとめました分の増収も入っておりますので、どの割合で今年度益金がふえるかはわれわれもちょっと予想がつかないのでありまするが、いずれにいたしましても、今年度益金の増というものを目当てにいたしまして、小売歩率引き上げるということは、これは直接にことしの歩率引き上げが来年の益金に関係いたしますることからも、軽々にやれない、慎重に検討を要する、来年の財源問題等ともあわせて研究しなければならぬ問題であるということは、大久保委員も御了解願えるかと思うのであります。そういうわけで、現在この小売歩率の問題は、大きな予算問題として取り扱われております。私の立場から申しますと、この前も申し上げましたように、いろいろな専売企業に関連しますところの各グループ所得伸びその他から見て、小売の利益の伸びというものは、ほかのグループよりもよくなっておるというふうな統計の資料を私は信用いたしておるわけでございまするが、それ以外に、大きな政治問題として、この問題をどう取り扱うかということになりますると、私も現在この場で即答いたしかねまする次第でございまして、そういうところから一つ御了承を願いたいと思う次第でございます。
  7. 大久保武雄

    大久保武雄君 前段お話がありました、本年度売れ行きが来年度はどうなるか、また今年度の今から、三十四年度において上げる歩合が、その後においてどういう影響がくるか心配だというお話でございますが、この点につきましては、われわれとしましては、専売公社販売伸びということが大数観測から考えられるだろうと思うのです。また、従来、非常に売れない場合におきましても、専売公社は大へん小売人の上にたばこを乗っけるということは、伝統的な方針といってはなんですが、必ず小売人に無理を言ってこられる。それはお互いさま。また、われわれも、専売公社がお困りのとき、国家歳入にお困りのときは、われわれは借金をしてでもたばこを抱いて、歳入つじつまを合せなくてはならぬということは、これは一つ販売上の人情ですよ。そこで、私どもは、決して、今度あなた方が上げて下さったことが、今度の歳入悪影響を及ぼすといったようなことはしもしませんし、そういうことは長年携わっておる販売の大数的観測、また今後におけるたばこ売れ行き数字を、ただいま申しましたところの数字から判断いたしまして、私は、三十四年度以降の負担が、販売手数料を上げたがために国庫悪影響がくるということはないと、断定的に申し上げてよかろうと確信するわけであります。  なおまた、後段にお述べになりました小売人の待遇が大へんいいというようなお話でございました。これはこの前も私は監理官と大へん長い間討論いたしましたから、再びむし返そうとは思いませんが、実はあの監理官のお言葉が小売人に知れまして、小売人は非常な激高をしておるわけです。一体自分たちはそういったような恵まれたる立場にあるのか、こういう点であれは遺憾ながら人心に非常な悪影響を来たしたということは、率直に申し上げておいた方がよかろうと思う。そこで、それほど自分たち生活状態ということをお知りにならない監理官が全体のことを監督されるならば、一体これからどうなるだろうという非常な不安を持っておることは事実でございます。これは皆さんがお調べになればよくわかることだと存じます。そこで、この前おあげになりました数字は、戦争前と比較して小売人の今日の所得倍率はいい、こういう御判断なのです。ところが、戦争前の小売人所得というものは、一体ほかのあなたが比較されました各クラスの方々ほんとう均衡がとれておったか。そのときフラットに均衡がとれておって、現在倍率ほんとうによけれは、これは一応あなたの大蔵省的な数字計算合理性を持ってくる。ところが、戦争前に非常に小売が恵まれていなかったとするならば、今日戦争前よりも倍率がよくなったからそれは非常にけっこうだ、こういう政治結論に私はならぬと判断する。戦争前は——あなたはそのときは大蔵省に入っておられなかったかもしれないけれども、ずっと前には、たばこの元売りというものがあったし、そういうような営業から、たばこ小売というものは片手間仕事であって、それが生活と直結するという状態じゃなかった。ところが、終戦後におきましては、たばこ販売生活というものは非常に直結しておるという、非常な事業上の変化が来ておる。また、専売公社も、小売人に対しましては、もう本人自体が一日中これに没頭しなければならぬような、セールス・プロモーション一といったような近代化的販売方策を実施しておられる。そういったような社会情勢変化からいたしまして、非常に恵まれておるという結論が私はどこからも出てこないと思う。この認識はどうか一つお改めを願いたいと思うのですか、この点に関する監理官の御判断と、この点は一つ公社販売部長の御判断も承わっておきたいと思います。
  8. 村上孝太郎

    村上説明員 三十三年度歩率引き上げは三十四年度以降に影響する、こういうことを申し上げました私の説明がいささか不十分でございますようでありますので、補足しておきますが、私が申し上げましたのは、ことしたとえば数十億の益金の増が予算上あったから、来年それ以下に落ちるということを——ちょっと、言い方が下手でございましたが、ことし数十億の売上増があった、そのすると来年はその売上増よりも減るということを申し上げたのではないのでありまして、大体たばこ売り上げ成年人口増加に比例いたしますから、よほどのことがない限り二%か三%の売れ行き、あるいは最悪の場合にも横ばい——かって昭和三十年度当時においては非常に減るという情勢もございましたけれども、そういう景気の非常な変動がなければ、横ばいが、それ以上に上昇していくであろうということは、私も認めるわけでございます。ただ、私の申し上げましたのは、たとえばことし数十億の益金の増があったから、その益金の増をことし使って、来年度一般会計財源支障を及ぼさないかというと、そうではないのでございまして、一般会計の方のいろいろな政策遂行仕方いかんによっては、専売益金に対する要請というものは非常に強くなるので、従って、ことし出ました益金は、来年当然増収として専売益金に期待する金額であるかもしれないわけでございます。それからまた、専売自体経費におきましても、毎年経費の方が不動であれば、売れ行き増加だけ益金がふえていくわけでございますけれども、来年は専売事業といたしましてもいろいろな問題があるかもしれない。現に塩の整理の問題などが起っておりまして、この帰趨いかんによっては相当の財源は食うかもしれないとうい状態でございます。歩率引き上げ制度として残るわけでございますから、来年度以降においても当然それだけの益金減を見込まなければならぬ。その場合に、来年の一般会計財源的な要請なり、あるいは専売事業変化というものによって、ことしの益金の増を使うということが、来年度以降にいろいろな政策判断の問題、あるいは選択の問題の場合に障害を起すというふうなこともあり得るということを申し上げたわけでございます。  それから、戦前小売人収入と戦後の小売人収入というものを比較してはいけないのだ、戦前小売人収入は、ある意味においては非常に報われぬ状態であったから、戦後においてはそれに同じ判断ではいけないということは、ある程度私は事実かと思うのでありまするが、その考え方の基本にございます、戦前兼業であったが、現在においては専業だというふうなことは、私の聞いておりますところでは、やはり現在においても、たばこ小売というのは、それのみにたよっているというのがあるとしましても非常に少数でございまして、やはりたばこ小売というのは、兼業として所得一つの源泉になっておるということではないかと思うのであります。これは販売部長の方から詳しく御説明があろうかと思うのでありますが、そういう見地からいたしまして、私は戦前昭和九—十一年という基準年次所得と現在とを比較したわけでございます。この前私が申し上げました葉タバコ耕作者収入とか、その他の専売関係に連なるいろいろなグループ所得というものを、それぞれ戦前における報いられなかった地位というものの主張はあろうかと思うのでありますが、そういうものを考慮に入れずに戦前と現在との伸び比較をしたら、ああいう数字になるということを申し上げた次第でございます。
  9. 冠木四郎

    冠木説明員 たばこ販売増進に非常に小売人の方に御協力をいただきまして、公社小売人一体となって販売増進に力を入れておる状況でありまして、小売人方々に非常に御熱心な御協力をいただいておることは、心から感謝いたしておる次第であります。  現在の小売人状況とまた戦前小売人状況との比較がどうかという問題に相なりますと、実は、戦前小売人状況につきましては、詳しい資料もございませんので、はっきりしたことは申し上げかねるのでございますが、現在小売人たばこ専業でやっておるというのは、私の方の調査では、戦前小売人の中で大体一割五分程度ということに相なっております。戦前これがどういう数字であったかということはわかりませんが、これは、ある程度確かに戦前よりは現在たばこに依存するという程度が強くなっているのではないかということは、常識的には考えられますが、それがどの程度かということはわかりかねる次第でございます。そこで、小売人所得戦前と現在との比較におきましては、先般も監理官から申し上げましたような相当大きな倍率になっておりますが、それと小売人たばこに依存する程度というものが戦前比較して現在においてどの程度高くなっておるか、それを相殺いたしまして、結局現在と戦前とを比べてどういう姿になっておるかということが数字的にわかりませんので、はっきりしたことを申し上げかねる次第でございます。たばこ小売人手数料が何パーセントであるべきかということが理論的に算出が非常に困難でありまして、こういうような点につきまして、公社といたしましても非常に苦慮いたしておるところであります。小売人方々から非常に御熱心な御要望がございますので、これに対しまして公社といたしましてもいろいろ考えておりまして、目下大蔵省とも折衝いたしまして、大蔵省の方でこれは考えておるというような段階にある、現在の状況は大体そういう状況でございます。
  10. 大久保武雄

    大久保武雄君 後段の方から先に申し上げますが、今監理官販売部長の両方からの御説明を静かに用いておりますと、私は、はなはだ心外であり、かつ残念だと思うのであります。今販売部長お話を聞きますと、戦前のバランスが階層においてはどうであったかということがはっきりしないとおっしゃる。はっきりしないとおっしゃるならば、そんな根拠のはっきりしない数字を横に並べて比較して、そうして今は大へんいいのだといって、それを方々に言いふらすということは、これは小売人の労苦に対しまして私ははなはだ礼を失するやり方ではないかと考えるわけであります。根拠のはっきりしない前提をとって、そして今日それは大へん恵まれておるということは、小売人としては大へん迷惑千万だ。そこで、今の御答弁によって、これは速記録に載ることでありますが、先般御発表になりました階層を横に並べた数字耕作者従業員あるいは小売人というものの戦前対比の今日の数字というものは、これは前提根拠がはっきりしない数字であるということを、この際確認をいたしておきたいと思う次第であります。  そこで、そういう状態のもとにおいて考えてみますのに、戦前がはっきりしないならば、最近のことを考えるより方法がない。そこで、昭和二十八年の状況と今日の状況とを比較してみますと、これは先ほど塩の問題がございましたが、塩の小売も上っておる。塩の小売が上ったときは、塩が黒字であったときにお上げになったということを聞いておる。郵便切手もことしの四月から上っておる。それから、従業員給与は、昭和二十八年と比べると、給与ベースにおいて実に四割上っている。そういうものと比較した場合において、たばこ小売人の二十八年と今日とを比較した場合はどうかと申しますと、この前も私が御説明しましたときと同様に、二十八年を一〇〇といたしまするならば、今日は九〇%に満たないかもしれない、こういうふうに減っている。しかも、その小売人は、この益金がどうしてもつじつまが合わない、赤字が出そうだというときには、一ヵ月分以上のたばこを抱いて、三百億円の抱き込みをやっておった。そういうような犠牲を払って、親戚その他から金を借りまくって国家益金つじつまを合せていった。こういうことを考えまするならば、今の小売人に対しまして先般から考えておられるような考え方の根底というものを、一つぬぐい去っていただきたい。そういうことでなければ、ほんとうに、今度国庫歳入が困るときに、何をもって小売人協力せいとあなた方は言われますか。それほど不人情な——人々協力しないということになったならば、販売政策は何をもって推進しょうとされるか。大ごとです。外国では、販売人協力しなかったために内閣が総辞職になったということもあります。そういうことになったら大へんた。われわれは長い間の伝統をあくまで守っていきたい。それならば、こういう際に、業務方法書とも一致しているし、こういう益金が出ているときに、国庫に対する悪影響もないのだかり上げてやろうという判断が出てきますことは、大きな販売政策の政治的な判断からいっても、当然ではないかと思う次第であります。  そこで、前段に返って参りますが、先ほど、監理官から、今回上げた専売益金の増、これは一般会計が期待している塩の整備の金も出さなければならぬかもしれぬといったようなお話がありましたが、昨年二十六億円益金黒字を出している。ところが、益金黒字は全部塩会計赤字の方へ持っていかれてしまった。塩も専売事業でありますから、この方面の救済もしなければならぬことは私もよくわかっている。しかし、こういったような小売人の痛切なる長年にわたる要望かあるのに彼らが営々として築いていった二十六億円の黒字がそっくりそのままほかの方面赤字へ穴埋めされて、お前の苦労は知らぬ存ぜぬ、しかも、非常に売れなかったときに、金を借りまくって小売人国家歳入を維持したときには、いずれ売れるようになったら考えてやろう、これは業務方法書にも書いてあるのだ、こういうことを専売公社総裁はおっしゃった。その総裁は死んでしまったから、聞きたかったら冥途へ行って聞いてくれ、こういうことではおさまらないと思うのであります。  そこで、私は、今日の黒字の中から、全部それを小売人歩合引き上げに充てて下さいというようなことを言っているわけではない。国庫歳入つじつまの合うような、常識的な点でよろしいから、何かここに温情を表わす考え方の一かけらもあるのかないのかということを一つ質問をして、御答弁を願いたいとお願いするわけです。
  11. 村上孝太郎

    村上説明員 ただいま冠木販売部長説明が少し下手であったかと私は思うのでありますが、専業割合は現在においても一五%しかない。結局専業割合戦前非常に少くて現在非常にふえておれば、その二つを比べるときに、比べ方が妥当でないという問題になろうかと思うのでありますが、ただいま販売部長は、それは一五%程度で、あるということを申し上げたのであります。戦前のパーセンテージはよくわかりませんけれども、おそらく何パーセントかあったといたしますと、専業割合の多少によって所得の比べ方が不公平になるということはなかろうかと私は思うのであります。ただ戦前専業割合がはっきりしないということを今販売部長は申し上げただけだ、私はそういうふうに解しております。  それから、第二の、一般会計の他の財源の要求なり、あるいは専売事業内部の出費というものに、たばこ益金を充てるのはおかしいではないか、というふうな御質問のようであったかと思うのでありますが、たばこは、財政専売として、いわばこれは間接税身がわりとしてこういう制度がございます以上、他の一般会計政策遂行のためにこれに依存するということは、私は当りまえだと思います。  それから、塩の赤字をこれで埋めるのはおかしいではないかというお話でございます。塩は、かつては黒字を出した時代もあったわけでございますが、確かに最近はたばこのお世話になっております。これは財政上のテクニックの問題であって、たばこ益金を一度納めて、それから一般会計から、この公益専売制度としての塩に対して、それに見合う、その欠損を埋めるところの交付金を与えるという形にいたしましても、結局同じでございまして、これはたばこ益金を食っておるというよりは、公益専売制度を続けていく以上、塩のバランスのしりというものは、これは国家の財政で見なくてはならぬという形を、いわばたばこ専売益金から戻すという形で監理しまして、その残りを一般会計に納入しておる、こういうふうに解すべきであろうかと私は考えております。  それから、何らかの温情を持っておるかどうかということで、この間も私は非常に冷酷なる男のように大久保さんから言われましたけれども、私自身は、この問題については、決してそういうふうな気持を持っておるわけではないのでございまして、事が非常に大きな財源問題になっておって、いわばわれわれの専売制度自体としての問題として考えることができないような、いわば一般会計政策との比較判断というところにまでこの問題がいっておるということを、一つやっぱり申し上げねばならぬかと思うのであります。そうしますと、私がそれに対して幾ら主観的には温情を持っておりましても、それによってどういうふうな御答弁を申し上げろと言うこともできないという事情を、一つ御了察願いたいと思うのであります。
  12. 冠木四郎

    冠木説明員 ただいま私が説明申し上げました点につきまして、ちょっと誤解がおありのようでございましたが、ただいま監理官からも申し上げました通り、私が戦前との比較ではっきりしないと申し上げましたのは、戦前と現在と比較いたしまして、生活の依存度の点がはっきりしないということでございまして、小売人一店当りの利益の比較につきましては、この点は数字の上ではっきりいたしておりますので、この点一つ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
  13. 大久保武雄

    大久保武雄君 私は今の販売部長の御説明ほんとうであろうと思う。そこで、この点は、専業であるかどうかということが生活にどれだけかかっておるかどうかということではないと私は思う。そこが、この前私が質問しましたときも、監理官は、看板娘が一人おれば、あくびをしておってでも売れていくだろう、コソパクトで鼻をたたきながらでもやっていけるだろうと、実に安易な考え方であった。そういうことなら、一つ販売部にセールスマンを置くことはやめてもらいたい、協力しませんから。現在の販売部のやり方を見ると、ほとんどこれは専業としてやるべきだといわぬばかりの御指導をなさっておる。会合もしょっちゅうありますし、販売政策については非常に近代的なやり方をやっておる。それなるがゆえにたばこは売れておる。売るためには非常に工夫をしておる。その工夫をせぬでよければ、販売部をやめた力がいい。販売部の職制を減らした方がいい。販売部長という偉い人がおって、それからたくさんの月給取りがおって、しかも給与は団体交渉でしょっちゅう上げておる。二十八年から四割も上げておるのですよ。そうして小売人はほうっておいていいのだというようなことで考えておられるのは、大間違いだと思う。そこで、私は、今販売部長が言われたように、依存度という問題、また四者間の比較ほんとう生活と直結した面において完全な数字的なデータがあるなら見せてもらいたい。おそらくないだろうと思う。それならば、そういう不確定な根拠において、小売十五万人のほとんど大部分の死活の問題だといっておることを冷酷に扱うことはどうであろうか、穏当であろうかということが、結論として私は当然出てくると思う。  そこで、今両者の御説明がありましたけれども、やはり依然としてこの点は戦前においては明確なる根拠はない。明確なる根拠のないものを比較されたという結論は変らないと思うわけであります。それから益金一般会計で使いたい。これは益金国庫に入れておるのですから、ある程度はそういうことも考えられるでしょう。しかしながら、やはり専売事業が公企業として企業的運営をしていくということでありましたなら、そこにやはりある程度の企業的な考え方も織り込んでいかなければならぬ。結局、そういうような一般財政的な問題と、それから公企業の立場の経営的な問題と、両方の調和点というものが見出されていかなければ、専売事業を何のために公企業にしたかわからない。そこで、そういったような面もあわせ考えなければなりませんし、私たちは新しく一般会計からないものを引っぱり出してこようというのではなくて、予定の財源よりもよけいふえていくわけです。よけいふえていく金の中から、黒字になっていく金の中から、一般財政に影響を及ぼさない限度において、小売人歩合引き上げを考えてもらいたいと、きわめて穏便に言っております。全部回してくれなんということはちっとも言っておらぬ。そういうことならばできるのじゃなかろうか、私はかように判断するわけであります。
  14. 村上孝太郎

    村上説明員 この間たばこ屋の看板娘の話を私申し上げましたが、あくびをしたとは申し上げなかったはずであります。そのとき私申し上げましたのは、たばこ小売人におきましても——神田委員はいらっしゃいますから御存じですけれども、タバコの耕作者方々でもやはりみなそれぞれ労力を尽しておられる。タバコの耕作をされて入る収入と、それからたばこ小売収入と、平均的な金額から申し上げると、大体あまり変っておりません。もちろんタバコだけでということでないことは、小売と同じであろうかと思うのでありますが、それぞれ朝早くから夜おそくまで仕事をされて、かかる労働力も非常に大きいということから申しますと、この両者の戦前所得から今日の所得への伸びというものを比べて、その伸び倍率というものを比較しても、私はあながち妥当でないアナロジーとは思わないということを申し上げただけであります。  それから、専売というのは公共企業体であり公企業であるから、従って企業的な運営をしなければならぬ、従って売り上げの増に見合って歩率引き上げたらいいじゃないかということでございます。公共企業体としてそういうふうな一種の報奨的なものというのは、もちろん考える必要はあろうかと思うのでありますが、事業伸びによって返ってくるリターンと申しますか、報酬が直結しておるのはむしろ小売が一番直結しておるのでありまして、売り上げ増によってその八%は収入になるわけでございまして、益金伸びたからといって、公社の関係職員は、もちろん業績手当という制度はございますけれども、それに見合うような給与をもらっておるわけでもありません。タバコの耕作についても同じであります。従って、そういう意味においては、最も企業的な運営のやりやすいのが、たばこ売り上げ部門であろうかと私は考えております。さらに、それでは不十分であるから、何らかの企業的な運営のための報奨を考えろとおっしゃる議論かと思うのでありますが、それにつきましては、私の方としましては、できるだけ考える余地があれば考えたいと思っておる次第でございます。私のお答え申し上げますところは大体それだけかと思うのでありますが、ことしの益金の一部を使うということは、先ほど申し上げましたように、制度としては歩率引き上げというものは残る一方、益金に対する需要なり、公社益金を作り出すまでの収入と支出の諸条件においては、ことしから来年へは相違が出てくるということになりますと、ことしの益金の一部を使うことは少しも将来へ問題を残さないんだという考え方だけでは、ちょっと解決のつかない事情もございますので、そういう意味から、私は、先ほど三十四年度のことも考えなければならないということを申し上げたのであります。繰り返して私の説明を補足さしていただきます。
  15. 大久保武雄

    大久保武雄君 今のお答えで重大な一つの点がある。というのは、小売人生活状態の問題ですが、給与伸びておるという点につきまして、先ほども申しましたように、二十八年から比較いたしますと減っておるわけですよ。それはお認めになるのですね。全体の売れ行き伸びておりますけれども、小売人の一店当りの平均収入は減っておりますよ。これは私は知らぬでおっしゃったはずはないと思う。そんなことを知らないなら大ごとだ。昭和二十八年が十三万円、現在十二万円しか売れていない。たばこが全体として売り伸びておるというが、小売店個人々々としては収入が減っておるのですよ。それでも歯を食いしばって売っておるから、全体は伸びておる。小売人をたくさん作っておられる。たくさん作られるから小売人の一店当りは減っておる。しかし、われわれは、減っておるけれども、全体の益金増加協力しておる。ふえてはおりませんよ。それをあなたは間違えていらっしゃる。全体の収入はふえておるけれども、小売人の一店当りはふえておりませんよ。とんでもないことをおっしゃっておる。それを訂正して下さいよ。
  16. 村上孝太郎

    村上説明員 私が申し上げましたのは、昭和——十一年に対する三十二年度数字でありまして、二十八年から減っております。減ってまただんだんふえかけております。昭和二十八年というのは、非常にたばこ売れ行きのよかった、ピース・ブームの最高のときでございまして、二十九年、三十年と下りまして、三十一年、三十二年ともとに戻っておりまして、おそらく三十三年、三十四年で当時の水準に達するんじゃないかと思います。これはそれぞれの事業の条件によってそうなるわけでございまして、タバコの耕作者所得というものも、昭和三十年の耕作がやはり頂上でございまして、それからまた下っております。そういうふうにいろいろな商売の条件に左右される。収入についてそうした変化があるということは、私はやむを得ないかと思います。ただそれが小売の数をふやしている関係だというふうなお話でございましたが、これは販売部長からお聞きになればはっきりするかと思うのでありますが、小売というものの数は、現在のたばこ売れ行きから見て、国民消費大衆に不便をかけておるところには、ある程度ふやしておろうかと思うのであります。それが小売所得を非常に脅威するごとくふやしておるというふうな考え方については、いろいろ見方があろうかと思うのでありますが、私がここで申し上げたいことは、この昭和二十八年から減っております現象、それからまた三十年を底として上っております現象、これはそれぞれの事業における諸条件の差によって私は影響が現われた、こう見ざるを得ないかと思うのであります。御存じのように、たばこというのは不況から一年ずれて売れ行き影響するということで、昭和二十九年、三十年と、いわゆる不況のずれの影響を受けまして、売れ行き自体が下って、そのために収入が減ったという事実、これは私も否定いたしません。ただ、それからまただんだんもとへ戻っておるということも申し上げられるかと思います。
  17. 大久保武雄

    大久保武雄君 どうも、監理官が、ときどき、二年ばかりいられては栄転されて局長になられたり、足掛けの踏み台みたいにして来られるから、たばこという事業に対して、考え方が根本からわれわれと違うように思うのですよ。これはまことに残念です。役人の出世の一つの踏み台になっている。そこで、今も戸数の増加というものは何ら脅威していないというお話でしたが、これなんかも一ぺんそういうことを町に出てその通り言って下さいよ。これは、小林委員長ではないが、ぶんなぐられますよ。たばこ屋が近所にできますと、収入は半分になりますよ。未亡人あたりそれで泣いておる。あなたは全体の何千何億という数字を扱っておられるから、その辺までしか目が届かぬかもしれぬけれども、そういう状態なのですよ。それでも、きゅうきゅう言いながら、また売り伸ばしていくわけです。そうして、たばこの全体の益金伸びをささえておるわけです。これは一つよく考えてもらいたい。  もう一つは、三十年からどんどん伸びておる、またこれから先どんどん伸びていく。実に機械的な考え方です。専売事業という大きな機械の歯車にかけておくと、小売人はほっておいてもまたどんどん伸びていくのだ、ほっておけというような話なのだ。やはりこれは、あの人たちがいろいろな創意工夫をこらしながら、たばこの売り伸ばしに営々として努めておる。そういうことを考えないで、これはもう歯車で伸びていっておる、大量生産だ、こんなことほっておいたって伸びるのだ、それから小売店をふやしたってちっとも脅威になっておらぬはずだ。こういう点は根本的な考え方が違うと思うのですが、これに対して販売部長のお考えをお聞きしたい。都合によっては一つ販売政策も考えなければならぬ。
  18. 冠木四郎

    冠木説明員 小売店の数の問題でございますが、これは、戦前と比べますと、戦前は全国で大体十八万八千から九千くらいございましたのが、ただいますが十五万七、八千という数になっております。これは戦前の数がよくて、今が少な過ぎると、一がいにそうとも言えないかもしれません。それゆえどのくらいの数がよいのかということは、なかなかむずかしい問題であろうかと思いますが、専売公社のただいまの方針といたしましては、遠いところまで行かなければたばこを買いに行けないというような、消費者に不便をかけるようなところについては、やはり置いていかなければ、販売増進という意味から申しましても、また消費者の利便という点から申しましても、それを置くというふうに考えておりますが、何でもかんでもむちゃくちゃにふやすということは、もちろん考えておりませんで、今までの、ここ数年間の増加の数を見ましても、そう大きな数になっておるわけではございませんので、この点御了承願いたいと思います。
  19. 大久保武雄

    大久保武雄君 そういうことを聞いておるのではない。そんなことは私も知っておるのだ。東京なり大都会は幾らか影響は少いにしても、地方都会や地方町村において、近所に販売店を一軒ふやして、それで影響があるのかないのかということをお聞きしておる。はっきり答弁してもらいたい。
  20. 冠木四郎

    冠木説明員 ただいまお尋ねの、近くにたばこ屋が新しくできて、その場合に影響がないかどうかという御質問でございますが、これは、近くにできますれば、ある程度影響はもちろんございます。これもその場所によって違いますが、かなりの影響のあるところもございましょうし、またそれほど影響を受けないところもございまして、一がいに申せませんが、全然ないということはございません。ある程度影響のあることはもちろんでございます。
  21. 大久保武雄

    大久保武雄君 どうも代官の前で百姓が答弁しておるような、口をもぐもぐさせて答弁なさるのですが、監理官の前だって、はっきり答弁してもよいのですよ。あなたは販売部長だから、よく実態を知っておるはずです。小売店が近所にできますと、半分に減ります。またもとに戻してだんだん伸ばしておる。ほんとうにノルマをやっておるようなものだ。そうして全体の益金を伸ばしておる。この点はお認めになるでしょう。はっきりして下さい。遠慮する必要はない、ある程度とか、回りくどいことを言わぬで。
  22. 冠木四郎

    冠木説明員 近くにたばこ屋ができました場合に相当の影響がありまして、それが半分かあるいは三割か、状況によってもそれは違いましょうが、しかし影響があることは事実でございまして、また影響があれば、小売人の方が販売の方に努めて、できるだけ多く売るということに努力しておられることはもちろんでございます。
  23. 大久保武雄

    大久保武雄君 委員長も今の答弁で非常にはっきりしたと思う。みな影響を受けながら、きゅうきゅう言いながら、国家財政に貢献しているのです。そういう未亡人や中小企業者の労苦というものを考えられるならば、何とかこの際国家財政に影響のない範囲において、また影響がないと皆さんもお聞きになるような状態でございますし、また専売公社業務方法書においては、販売がふえておるときに上げてやれということがはっきり書いてあるのですから、今日上げないでいつ上げてやるのかと思われるわけでございますので、当委員会におきましても、およそ出尽しまして、委員各位の御判断の材料は十分整ったと思いますから、何とかこの際十五万人の小売人の切なる生活上の要望が達成できるように、委員長の御判断をお願いいたしまして、私の質問を打ち切りたいと思っております。
  24. 山下春江

  25. 神田大作

    神田大作君 今たばこ小売手数料の問題を大久保委員からこまごまと質問されましたが、それに対しまして当局はどうもあやふやな答弁をしておるようでございますが、わかったような、わからないような答弁を黙って聞いていてもしようがないから、この際委員会としてもあとでよく相談することにして……。  では八分という手数料はいつおきめになったのですか。
  26. 冠木四郎

    冠木説明員 二十八年の四月に八分にきめまして、それ以来それきりでございます。
  27. 神田大作

    神田大作君 二十八年から二十九年、三十年、三十一年、三十二年、三十三年と五年もの間据え置くという法は——あなたの方の給料を五年も据え置いてごらんなさい。これは大へんなことになりますよ。やはり生活水準も上っており、いろいろな面において各般の物価というものは上昇しておる。これははっきりしているわけなんです。それを五年もの間小売手数料を上げないということは、これ自体非常な矛盾があると思う。だから、そういう面で、どうしても五年間据え置いても何ら差しつかえないというような答弁ができるのかどうか。しかも、専売益金が上らないというようなことであれば、これはまた問題もあるでしょう。しかしながら専売益金は毎年上っているんじゃないか。去年は五十億も上げている。そういうふうに専売益金を上げておる。小売手数料は据え置いておる。生産者の収納価格は下げる。これはもうかってしようがない。こんなことに生産者や小売業者が黙っているわけにはいかないと思う。収益が上るのはけっこうな話でありますけれども、それと同時に、常識的に小売手数料も世の中の文化の向上とともに上げるというのは、当然だろうと思う。そういう意味合いにおいても、五年も据え置いて、まだはっきりした方針が出ないというようなことでは、小売業者が怒るのは当然だと思うのですが、監理官はなかなか答弁がうまいようで、ぬらりくらりと逃げているようです。あなたもいろいろ立場上はっきりと言えないようだが、一つあなたの考えを御披瀝願いたいと思います。
  28. 村上孝太郎

    村上説明員 こう申し上げると怒られるかもしれませんが、実は物価にスライドして率を上げますれば、これはとんでもないことになると思う。物価にスライドするというのは定価の方でございます。率というものはいろいろな理由で動くかもしれませんけれども、こうした利益率というものは、物価に対する同じ割合をかけても、物価自体が上れば収入が多くなるわけでありますから、五年間据え置いたから、それがいわゆる時間の観念から見てけしからぬと言われましても、私は承服しかねるのでございます。先ほど大久保委員からおっしゃいましたように、遺憾ながら昭和二十八年からたばこ売れ行きは一度落ちて、それからまた上っていくという状態でございましたので、二十八年に上げたあとの小売の歩割については、私は非常に同情を申し上げるわけでありますが、これも先ほど申し上げましたように、その後三十一年、三十二年、三十三年と相当順調にたばこ売れ行き伸びておりまして、特に昨年の減税以来、その効果でございますか、たばこが相当伸びておるということは事実でございますので、この五年間率を上げなかったということに対しましては、一つ今申し上げたような理由から御容赦を願いたいと思うのであります。  お前の方の考え方はどうかというお話でございますが、私は、先ほども何度となく同じことを繰り返しておりますが、この専売事業関係のいろいろな所得伸びというものから見て、現在のところ、われわれは、小売方々——それは私非常に感謝いたしておりますけれども、ここでどうということをはっきり申し上げかねる実情にあるということを、一つ御了承願いたいと思います。
  29. 神田大作

    神田大作君 これは何も物価が上ったから上げるというのではなしに、私の言っているのは、五年の間における人間の生活水準というようなものが上っているわけです。そういう水準に見合って手数料とかいろいろなものが上らなければ、それだけの生活ができないわけです。そういう意味合いにおいて、私は五年間も同じ率でもって据え置くということは、現在の生活水準の向上の面からいって不合理ではないか、そういうことを言っているわけです。そのことは物価が上ったからというようなこととはちょっと意味が違うと思うのでありまして、そういう点において、当然現在の八分というような手数料が妥当であるかどうかということは、この際検討を要すべきことではなかろうかというわけです。そういうわけで、あなたにそれ以上答弁しろと言ってもなかなかむずかしいだろうから、これは一つそういう意味において御研究を願って、追ってまた大臣とか責任者に来てもらって、はっきりと御答弁願うということにしておきます。  次に、私は、たばこの収納価格の問題についてお尋ね申し上げたいと思うのですが、きょうは総裁、副総裁あるいは部長がお見えになりませんので、まことに遺憾でございますけれども、それらの人たちに対する質問はあとでまた機会を見てしたいと思います。ただ、事務局の課長に、一つ緊急な問題でありますので、御見解をただしたいと思うのでありますが、現在全国に行われておる収納状況を見ますと、生産者から、収納価格が安いじゃないか、ことしはどうも生産者が思ったよりも安く買いたたかれるというような声を聞くのです。これは果して実際そうであるかどうかは、詳細に調べなければその決定はできませんけれども、私の知っている範囲におきましてはそういううらみがある。特に米葉におきまして、去年と比較いたしますと、一等級見当安く買いたたかれて困っておるという農民の声を聞いておるが、この点について収納状況の推定を御答弁願いたいと思います。
  30. 榎園光雄

    榎園説明員 ただいまのところ十一月まで収納が終りました分の実績がわかっておりまして、それに今後の見込みを加えまして、本年の反当収得代金というものを大体私どもの方で推定いたしておるわけでありますが、本年は、特に神田先生が御指摘になりました黄色種でございますけれども、一部産地におきましては、おそらく本年の台風なりあるいは一部の地帯に病害が発生したというようなところもありまして、昨年よりも非常に安いというような声が聞かれるのは、一部地域あるいは一部地域の中の特定の耕作者には確かにあるだろうと思います。しかしながら、私どもが全国的に見ました黄色種の今年の反当の代金は、大体六万一千円程度が見込まれているのじゃなかろうか。それは平年に対しましてどういうふうな指数になるかということを申し上げますと、反当代金で平年に対しまして一〇七%、すなわち平年に対して七%程度反当代金が上っているというのが、全国の黄色種の数字になっているわけでございます。しかも、特に神田先生のおっしゃいますような一ヵ等安いというような地域は、おそらく黄色種におきましては関東方面だろうと思いますが、逆に関西、九州方面におきましては、近来にない大豊作でございますし、一部地域あるいは一部の耕作者方々の中にそういうような不満があることは十分承知いたしておりますが、それは台風なりあるいは病害のせいじゃないかと思っております。以上が黄色種の大体の成績でございまして、その他在来種におきましても、十月の中旬から在来種の収納が始まったので、それほど確実な成績はわかっておりませんけれども、やはり平年作以上だということになっておりますし、バーレー種は十一月中旬過ぎから始まりましたので、これは的確な予想を立てにくいのでございますけれども、バーレー種におきましては、おそらく平年作程度に維持できるのではないかという予想が、現在わかっております全国的な状況でございます。
  31. 神田大作

    神田大作君 災害やその他によって安くなっているのだろうというような御答弁でございます。もちろん災害その他の原因によって収是が減っておるので安いというようなことも言えますけれども、それ以上にとにかく安く買われておるということを、生産者が直接われわれのところへ毎日言ってきている。これは、生産者といっても、何も一年や二年作った生産者ではなく、何年となく長い間黄色種を作っておる人でございますからして、ことしのタバコの価格が幾らになるとか何等級になるというのは、鑑定官と同じようにはっきりとわかるわけです。そういう長年耕作をしておるような人たちが、どうもことしは一等級から安いのだというようなことをはっきり言って、われわれのところへ非常に大きな不満を持って詰め寄ってきているのでございますからして、私は、むげに、そんなことはない、お前のタバコが悪いのだろう、収量がないのだろうということだけで退けるわけにはいかない。特に上位等級はいいわけです。一等、二等、三等というような上位等級はいいが、四等、五等あたりの等級になると、これは一等級格下になっているのじゃないか。品種のいいものは奨励するけれども、よくないものはいわゆる敬遠するというような形になっておる。そうなると、今度の三千四百町歩の黄色種の減反とからんで、そこに非常に政治的な意図が含まれているのじゃなかろうか、というような疑問が持たれるわけでございます。こういうような問題について、あなたたちは、実際黄色種は余っておる、減反しなければならぬ、どうして減反したらいいかということに苦労していると思うのでございますけれども、そういう収納価格の問題と減反の問題について、あなたたちの真意を一つお聞かせ願いたい。われわれも協力できるところは協力いたしますけれども、しかしながら、そういうような何か耕作者を泣かせるような形でそういうことが行われるということになりますと大へんなことでありますから、その点の真意をはっきり述べていただきたいと思います。
  32. 榎園光雄

    榎園説明員 公社が現在在庫過剰で減産をしなければならぬ。減産を一方でやりながら、なお減反が徹底しないために、在庫過剰のこの課題を解消すべく、本年の買い上げの場合に、収納価格をたたいているのではないかというふうなお話でございますけれども、公社として、そういうふうな減反をやらなかったから収納価格をたたくというようなことは、毛頭いたしておりません。しかもまた、さような状況をかりにやっておったといたしますれば、全国的に価格が昨年よりも下落するはずでございますけれども、関西におきましては昨年よりも一キロ当り三十円なり四十円上ったという耕作者もざらにおりますし、われわれの方では、減反は減反、価格は価格、いいものができさえすれば高く買うという建前を貫いておりますので、神田委員の御心配になっているような施策は、私どもの方は絶対いたしていないわけでございます。  それから、上の方の等級はいいのだけれども、四等、五等あたりになると一ヵ等安いというお話でございますが、私も、現物を見ていませんし、技術屋でないのでわかりませんけれども、通常いわれておりますことは、上の方の等級については農家は非常によく調理してくるけれども、四等、五等あたりになると、あまり金にならぬものだから、農家の方もいろいろな等級のものを突っ込んでくるというようなことが常々行われておるという話を聞いておるわけでございます。そこらも、そういうことのないように、公社の方はできるだけ同じ等級のものを集めなさいという指導をいたしているのですが、上位等級に比較して、そういうような四等、五等あたりは、価格が低いがために、農家は、調理の労力を上の方だけに注いで、下の方の等級の調理に労力を使わないというようなことからいたしまして、そういうような一ヵ等安いんだというふうな非難をされているのではないかと思いますけれども、私どもの方では、そういうようなことで一ヵ等安く買っておるというようなことは毛頭ございません。どこでそういうお話が出ているか存じませんけれども、おそらく、現地の鑑定者におきましては、いろいろ現物を見、丁寧に鑑定をいたしております関係で、そういうように意識的に一ヵ等安値で買うというようなことはないのじゃないかと考えておるわけでございます。
  33. 神田大作

    神田大作君 榎園課長はそういうようなことを言っておりますけれども、現地においてはそういう声が非常に強いわけですから、これは安くないのだ、公平にやっているのだ、あるいは価格は適正だと、あなた方の方で言っても、それは水かけ論です。現地においては非常な不満を持って、場合によれば鑑定なんかでも、この間の小林日教組の委員長でなくても、暴力行為によってとっちめろというような声も聞くので、われわれとしては、そういうふうに耕作者がいきり立ち、タバコ耕作に対して非常に不信の念を持つということは、産地育成の上において残念なことです。一番問題は、産地の育成というのは、いいタバコを農家が引き合うように買ってくれれば、だれでもどんどん作っていくし、一生懸命やるわけです。娘の晴れ着も買ってやれない、一年一生懸命働いて腰巻一本くらいでは、娘だって一生懸命働きませんよ。おとっつあんもうタバコなんか作ることはない、やにだらけになってやることはよそうよ、ということになりますから、これは一番生産者が引き合う価格でもってタバコを買うことが、われわれが百万べん言うよりも、産地育成のためには一番大事なことなんです。ところが、今年はもらタバコなんか作っていられない、こんなばかばかしい仕事はない、公社のやり方に対して何らかの形で農民が反発してくるわけですから、こういう現地の実情を今からでもおそくないのだからよくつかんで、そうしてわれわれは現地においてちゃんと聞いているのであるから、あなたは一つ現地へ行って実際調べてもらいたいと思います。その点だけは、きょう私が質問してもどうにもならぬ問題で、のれんに腕押しだから、私はこれ以上は申し上げませんけれども、しかし、減反と価格の問題は、あなた方はそれはそういうことはあるのですという答弁はできませんでしょうが、裏に減反をさせる苦心として、価格をたたけばこんなものをやめちまうにきまっているから、ひとりでに減反できるから、補償を出せの、減反に対する対策はどうするんだというような苦労をしないで済むわけだから、そういう安易な道を歩むおそれはあるわけです。だれだってそうですよ。五百億円もたばこをかかえて頭痛はち巻をしていても、どんどん技術は進んで、幾ら減反してもタバコは出てくる。これは安く買いたたくよりほかはないではないかということになる。これは私があなたの立場の場合でもそういう考えを起すかもしれない。しかし、政府当局としては、そういうようなやり方をもしやるとすれば、これは大へんなことになると思う。自分の政策のあやまちを農民にしわ寄せして、今まで一生懸命になってタバコ耕作に励んできた農民を、そういう点において不当に圧迫することになりますと大へんなことになりますので、私は非常にこれは問題だと思うのでございますけれども、実際問題としてはそういうような声はずいぶん起きているわけです。またそういうように思われておるわけなんです。あなたたちは減反に対してどういう方策をとっておりますか。三千四百町歩の耕作地の減反をどういう方法をもってやろうとしておりますか。それをお尋ねいたします。
  34. 榎園光雄

    榎園説明員 三千四百町歩の減反は、私どもの方といたしましては、各地方出張所ごとに一律に八%ずつ減していくというような方針で、逐次実行に移しておるわけであります。  それから、前段の、公社は来年度減反を積極的に進めるために買いたたくのではないかというお話は、繰り返して申し上げるわけですけれども、そういうことはいたしていないわけでありまして、もしそういうふうなことをいたしてほんとうに安く買いたたいておるなら、耕作者もいや気がさして、来年の減反がスムーズに行われることに相なるかと思いますけれども、現実の問題といたしまして、八%の減反を実施いたします場合でも、私どもといたしましては、できた品物はできた品なりに買い上げております関係で、どうしても作りたいという希望が依然としてタバコ生産地帯において旺盛でありますことを見ましても、私どもの方でそういう在庫過剰のために安く買いたたいておるということはないことを、十分おわかりいただけるのではないかと思います。  なお、価格が安いという非難はいろいろありますが、特に本年あたりからは、われわれといたしましても、鑑定に対する苦情が出ないように、しかも個々の農家なりあるいは農家を代表する人たちに十分鑑定をわかってもらえるというような意味合いにおきましても、特に耕作者の代表の方なりにも鑑定に参加していただくというような措置も講じまして、もしそういうような苦情が出ますならば、よく説明をし、納得もしてもらうというような措置も講じておるわけでございます。しかし、まだ遺憾ながらそういうような不平があるということは、おそらく現地におきますいろいろな説明が足りないので、あるいは売手と買手という立場の相違からそういうような不平もあるかと思いますけれども、こういうような不平なり不満に対しましては、私どもの方としても、十分説明し納得を得た上で、産地の経営を十分いたしたい、かように考えておるわけでございます。
  35. 神田大作

    神田大作君 収納価格の問題は非常に大事な問題なので、まだ収納も終っていないところもだいぶありますから、これは一つ率直に現地を実際調べて、そのような不当なしわ寄せが農民にいかないように、一つ厳重なる対策を立ててもらいたいということを、あなた方は責任者ですから私は強く申しておきます。  次に、総裁、副総裁がおりませんから、簡単に問題点だけを申し上げまして、この次に質問をさせていただきたいと思います。この間たばこ中央会の連合会で設立総会をやりましたときに集まったようでございますが、そのときに、タバコの現在のやり方はいいのだ、いろいろの問題等をつかれても何にもたまげないで、今まで通りにやれというような決議か何かをしたようでございます。こういう決議はあなたに聞いてもどうにも困るだろうと思いますけれども、しかし、当局者として、こういうように各地に汚職事件、不正事件が起きた。そしてタバコ耕作に対する公社のあり方に対する批判が起きているとき、一体ああいうような耕作組合の代表者の方々の特に第一項の声明はどうお考えになりますか。一つお尋ねします。
  36. 村上孝太郎

    村上説明員 どうも専売公社がいろいろなところから注文をつけられまして、実はたばこ耕作組合中央会の決議というものは私はまだ存じておりませんけれども、おそらくは、彼らの真意は、従来たばこ専売制度が始まってから約半世紀になりますが、その間やってきたやり方というものを、あまり急激に変えないようにというふうな趣旨ではなかろうかと思うのでありまして、神田委員がおっしゃいますように、現在各地で起っております事件、これはあるものは司直の手にわたっておりますので、その結果を待っておりますが、あるものは、われわれの方で調べましたところ、そういう疑いは何らないということもありますが、少くともそういう疑惑を招くようなことを、現状のままでよいと言ったわけではなかろうと存じます。従って、われわれの方としましては、もちろんこういう機会にいろいろ反省もいたしまして、改むべきところは改める、われわれが確信を持ってやっていってしかるべきだと思うところは、従来と変らず確信を持ってやっていきたい、こういうふうに考えております。私たちとは関係なく決議されたことでございますので、この私の類推あるいは解釈には正鵠を得ないものもあるかと存じますが、私は常識から考えてそういうふうに解すべきだろうかと思います。
  37. 神田大作

    神田大作君 私がわざわざこういうことを取り上げたことは、専売法の改正並びにたばこ耕作組合の設立に対して、もとの耕作組合の方々耕作者から一人心々請願書というものをとっておる。この請願書の中には、この専売法の根本的な改正をしてもらいたい、たばこ耕作組合を民主化してやっていくというようなことをうたっておるのですが、こういうような耕作者に配った請願の当時のそういう言葉と、今回耕作組合連合会長らが集まってきめたこの決議とは、まことに矛盾している点があるように思われるから、特に私はあなたの見解を聞いたわけでございます。これは追ってわれわれといたしましても責任ある者にお尋ねをしたいと思っておりますので、この程度にしたいと思います。  次に、この前から問題になっておりました岩手県の千厩地区の問題でございますが、これはだいぶいろいろと現地において問題が起きておったようでございますけれども、その後どうなりましたか、簡単にお答えを願いたいと思います。
  38. 榎園光雄

    榎園説明員 千厩地区の問題につきましては、知事に現地の取りまとめ方を御依頼いたしまして、知事が先般東磐井郡を二つの組合に分けたらどうかというようなあっせん案をお出しなされまして、それに対しまして、六町村に分割したいというような方々はその知事のあっせん案を承諾した。それから他の従来東磐井郡に一つの組合を作るというような方々は、あの創立総会は一応形式的にも有効に成立しているので、一応知事のあっせん案を受諾するかどうかということをその代議員総会にかけた上で、御返事を申し上げますというようなことになりまして、昨日その代議員総会を開いたというようなことは聞いておりますけれども、その結果いかになったかということはまだ報告を受けておりません。しかし大体知事のあっせん案に沿った方向へいきたいというような気持は一部あるようであります。しかし、そういう知事のあっせん案を正式に受けるかどうか、あるいは知事の出された二つの案に踏み切るかどうかという結果がどうなったかということは、まだ報告がございませんからお答えいたしかねますけれども、そういうふうになっております。
  39. 神田大作

    神田大作君 この千厩地区につきましては、いろいろと現地においても苦心をしておるようでございますが、聞くところによると、出先の公社の責任ある者が、いろいろの面において六つの組合を作るというようなものに対しまして圧力を加えておるというようなことを、われわれは聞いておるのでございますが、どうか、そういう民主的な組合には、やはり現地の意見を十分尊重してやっていくというふうな基本線に立って、公社が不当な干渉や圧力をかけないように、一つ御考慮を願いたいということを申し上げておきたいと思いますが、その点について御答弁願います。
  40. 榎園光雄

    榎園説明員 現地の知事にあっせんを御依頼します前におきまして、もちろん公社は現地の耕作組合を作りたいという人々に対して圧力を加えた事実もないということは、参議院大蔵委員会におきましても、御調査なさった両先生方がはっきり申されておりますし、また、私どもといたしましても、そういうふうな指導もいたしておりませんし、現実にそういうことはないのであります。しかも、なお、知事のあっせん案を出されましたあとにおきましても、知事のあっせん案に沿った行き方の方がいいじゃないかというようなまとめ方はいたしておりますけれども、六町村派の方々なり、あるいは他の一方の人々に対して圧力をかけて、公社の思うような方向へ導いていくというようなことは絶対いたしておりませんし、またそういうことはかねがね注意もいたしておりますので、おそらく現地でもさようなことはないと存じております。
  41. 神田大作

    神田大作君 最後に、労働問題についてきょう実は質問しょうと思いまして、総裁や労務関係の方の御出席を願っておったのでございますが、今団体交渉かなんかで出てこれないというようなことなので、私あとでまた御出席の場合に詳しく御質問申し上げますが、村上さんあるいは生産課長さんが、このことだけを聞いて、総裁や副総裁にお伝え願いたいと思います。今まで九月ごろまでは何ら問題なくやっておった労使間が、今日数ヵ月にわたって無協約状態になっておりまして、超過勤務もしておらない、またできないような状態になっており、団体交渉も現在まで開かれなかったというようなことでもって、公社始まって以来の労使間の非常事態ができておると思う。私も二、三日前宇都宮へ参りましたところが、宇都宮の労働組合の人もあるいは局長も非常に困っておる。公社本部でもって早くこの点を解決してもらわなければ、われわれとしてはどうにも仕事が手につかないというようなことで、地方においても非常に困っておる状態でございますから、年末を控えまして、すみやかに労働組合との団体交渉によって、このような超過勤務の問題を初めとするいろいろの労使間の懸案を解決するように、われわれといたしましても、専売事業発展のために当局側がぜひ努力をすべきであるということを強く要望いたしておきたいと思いますが、この点について村上さんの御答弁を願って、私の質問を終りたいと思います。
  42. 村上孝太郎

    村上説明員 ただいまおっしゃいましたことを、神田委員の御意見として伝えておきます。
  43. 山下春江

    山下委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は追って御通知することとし、これにて散会いたします。     午後三時三十七分散会