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大久保武雄君
後段の方から先に申し上げますが、今
監理官と
販売部長の両方からの御
説明を静かに用いておりますと、私は、はなはだ心外であり、かつ残念だと思うのであります。今
販売部長の
お話を聞きますと、
戦前のバランスが
階層においてはどうであったかということがはっきりしないとおっしゃる。はっきりしないとおっしゃるならば、そんな
根拠のはっきりしない
数字を横に並べて
比較して、そうして今は大
へんいいのだといって、それを
方々に言いふらすということは、これは
小売人の労苦に対しまして私ははなはだ礼を失するやり方ではないかと考えるわけであります。
根拠のはっきりしない
前提をとって、そして今日それは大
へん恵まれておるということは、
小売人としては大
へん迷惑千万だ。そこで、今の御
答弁によって、これは
速記録に載ることでありますが、先般御発表になりました
階層を横に並べた
数字、
耕作者、
従業員あるいは
小売人というものの
戦前対比の今日の
数字というものは、これは
前提の
根拠がはっきりしない
数字であるということを、この際確認をいたしておきたいと思う次第であります。
そこで、そういう
状態のもとにおいて考えてみますのに、
戦前がはっきりしないならば、最近のことを考えるより
方法がない。そこで、
昭和二十八年の
状況と今日の
状況とを
比較してみますと、これは先ほど塩の問題がございましたが、塩の
小売も上っておる。塩の
小売が上ったときは、塩が
黒字であったときにお上げになったということを聞いておる。
郵便切手もことしの四月から上っておる。それから、
従業員の
給与は、
昭和二十八年と比べると、
給与ベースにおいて実に四割上っている。そういうものと
比較した場合において、
たばこ小売人の二十八年と今日とを
比較した場合はどうかと申しますと、この前も私が御
説明しましたときと同様に、二十八年を一〇〇といたしまするならば、今日は九〇%に満たないかもしれない、こういうふうに減っている。しかも、その
小売人は、この
益金がどうしても
つじつまが合わない、
赤字が出そうだというときには、一ヵ月分以上の
たばこを抱いて、三百億円の抱き込みをやっておった。そういうような犠牲を払って、親戚その他から金を借りまくって
国家の
益金の
つじつまを合せていった。こういうことを考えまするならば、今の
小売人に対しまして先般から考えておられるような
考え方の根底というものを、
一つぬぐい去っていただきたい。そういうことでなければ、
ほんとうに、今度
国庫の
歳入が困るときに、何をもって
小売人に
協力せいとあなた方は言われますか。それほど不人情な
——人々が
協力しないということになったならば、
販売政策は何をもって推進しょうとされるか。
大ごとです。外国では、
販売人が
協力しなかったために内閣が総辞職になったということもあります。そういうことになったら大
へんた。われわれは長い間の伝統をあくまで守っていきたい。それならば、こういう際に、
業務方法書とも一致しているし、こういう
益金が出ているときに、
国庫に対する
悪影響もないのだかり上げてやろうという
判断が出てきますことは、大きな
販売政策の政治的な
判断からいっても、当然ではないかと思う次第であります。
そこで、
前段に返って参りますが、先ほど、
監理官から、今回上げた
専売益金の増、これは
一般会計が期待している塩の整備の金も出さなければならぬかもしれぬといったような
お話がありましたが、昨年二十六億円
益金の
黒字を出している。ところが、
益金の
黒字は全部
塩会計の
赤字の方へ持っていかれてしまった。塩も
専売事業でありますから、この
方面の救済もしなければならぬことは私もよくわかっている。しかし、こういったような
小売人の痛切なる長年にわたる
要望かあるのに彼らが営々として築いていった二十六億円の
黒字がそっくりそのままほかの
方面の
赤字へ穴埋めされて、お前の
苦労は知らぬ存ぜぬ、しかも、非常に売れなかったときに、金を借りまくって
小売人が
国家の
歳入を維持したときには、いずれ売れるようになったら考えてやろう、これは
業務方法書にも書いてあるのだ、こういうことを
専売公社総裁はおっしゃった。その
総裁は死んでしまったから、聞きたかったら冥途へ行って聞いてくれ、こういうことではおさまらないと思うのであります。
そこで、私は、今日の
黒字の中から、全部それを
小売人の
歩合引き上げに充てて下さいというようなことを言っているわけではない。
国庫の
歳入と
つじつまの合うような、常識的な点でよろしいから、何かここに温情を表わす
考え方の一かけらもあるのかないのかということを
一つ御
質問をして、御
答弁を願いたいとお願いするわけです。