○松尾(泰)
政府委員 御説ごもっもなんでありますが、しかしわれわれの行政基準からいたしますと、輸入
実績というはっきりした基準をとる以外にいい方法がないということで、現在のところ特定物資といわず、他の商品につきましても、輸入
実績または
生産者の
生産実績といいますかを基準にしている場合が多いわけであります。今も御指摘のように、
実績だけに片寄りますと、権利の上に眠る傾向のあることは御存じの通りであります。従って、場合によればそういう新規のものも
考える、新しい風を吹き込むという必要も認めるのでありますが、バナナの
事情を一言申し上げますと、これももう数年の歴史を経てきておる。かつてそういう議論が数年前に非常にやかましかったために、新規業者を入れたらどうだということになりまして、しからば新規業者を一部加えよう、その方法としてどういう方法をとるべきかということになりました結果、いい基準はないが、輸入業者に最も近い段階といたしましては加工業者である、従って、加工業者をある
程度輸入業者として認めていこうということになりましたのが、加工業者に対して外貨の割当をした最初であります。その後、先ほ
ども並川さんからも御説明がありましたように、当初は七百人、それから五百人になり、現在は百九十何名かになってきておるわけであります。百九十何名かの割当になってはおりますが、それでも、先ほ
ども御指摘がありましたように、全都の人が輸入業務を営んでおるかというと、そうでない。これは確かに委託輸入というような形式ではありましょうが、人に割当書を使ってもらっておるというか、そういう人もあろうかと思う。そこで、われわれといたしましては、今のバナナの輸入の段階からいいますと、ほんとうに輸入業務を営む人にやってもらうという段階ではなかろうか。新規業者を入れる段階は、数年前に一回やったわけであります。従いまして、今はどっちかというと、ほんとうの輸入業務を営む人に割当が公正に行くように
考えるべきではなかろうかというふうに
考えておるのであります。そこで、これもいろいろ議論が分れるのでありまするが、最低取扱い量五百かごという限度を設けましたのも、普通の輸入取引をするならば、五百かご以下じゃ実際問題として商売にならぬ、結局は人に頼んで、人まかせの仕事になるということで、先般来取扱い量を五百かごということにした結果百九十何名に整理をしたわけであります。まだ五百かごの最低取扱量というものは、今の業界の
実情からいうと若干低過ぎる、千かごなりその
程度に基準を上げることによって、先ほど御指摘がありましたような委託してやっておる人、いわゆる眠っている人を整理する時期ではないかと思うのであります。そういう時期が一応過ぎまして、なおかつそれでも
実績業者が非常に横暴するとか、暴利をむさぼるとかいうようなときには、その新規業者の問題も
考えるべきだ、こう思っております。従いまして理論的には、また
原則論としましては、
実績業者に固執するべきではないということをわれわれは重々
承知をしておるのでありますが、具体的なものの段階によりまして、そういう時期とまた逆に現在の
実績業者をなおしばっていく時期とがあってしかるベきじゃないか、バナナにつきましては、私はどっちかというと、一たん非常に広げたあとの整理の過程を今たどっておるのではないか、従いましてこの際バナナについて新規業者を大いに
考えていくというのは、ちょっと時期ではないんじゃないかというふうに
考えております。
ただ実績となりますと、いろいろな複雑な手続を経ました結果、不注意でもってそのときに申請を忘れておったとかいうふうな事故が出て参っておるわけであります。そういう不注意で
実績があるにかかわらず漏れておったというのは、これはいわば過失でございまするので、そういうものはこの際ある
程度考えていくべきじゃないか、その辺の調整はいたすべきじゃないかというふうに
考えておるわけでございます。