○
八木(
一男)
委員 時間がないから、
厚生大臣けっこうです。時間があれば聞くんだけれども、それは間違いないです。絶対間違いないから、あとで聞いてもらえばいいです。間違いないことがわかったら、及第点をとりたいと思ったら、即刻
措置をとられたい。それは一つの焦点を言っただけで、ほかの点でもいろいろな、社会保障的にいってほんとうに
年金が必要な人に
年金が入らないとか、十分入らないということがある。総理大臣は知らないけれども、総理大臣はほんとうに、われわれが善意に考えれば、いいものを作りたいと考えておられるわけでしょう。ところがいろいろな過程において、財政がこういうふうに詰められたというようなことで苦しんで、それで今までの惰性と妥協をして、変な部分がある。それでとにかく妥協しないで、ほんとうにいいものを作るということに直していただかなければ困る。ですから時間的に間に合わなければ、与党の熱心な諸君は全部そういうことを知っておられます。悪いところは全部いいように直せと言われたら百点、ことしの予算では工合が悪いけれども、来年は考えるか
らいいように直せと言われれば七十点ぐ
らいです。せめて七十点ぐ
らいをとるような政治家になっても
らいたい。そういうことを与党の諸君に言っていただきたい。これは総裁が言われたらできるんです。お宅の方には、わけのわからない、ただ大蔵省出だというだけの人が
政策審議会にがんばっていて、ちょっとでも予算をふやしたら許さぬぞというようなことを言っている。だから
国民年金をよくしたいという総理大臣の考えがそこで遮断される。こっちの方で一生懸命やっている熱心な
田中君とか
藤本さんの正論もそこでストップされる。それを打開するのが総裁の任務です。そういうことを言っていただく必要があると思う。
ほかにもたくさん言いたいことがあるけれども滝井さんが待っておられるからあと二、三分でやめますが、今度は無拠出
年金の方、これがとんでもない大間違いなんです。無拠出の金額は、政府の方はことしが百億ちょっと、平年度に直すと三百億ちょっとということになる。社会党は平年度に直すと千二百十二億、この差は天地雲泥のものでありますけれども、これは一応別にしておきまして、ほんとうに社会党よりも社会保障に熱心だと思っておられるなら、千二百十二億の倍、二千四百二十四億く
らい出された
らいいけれども、それだけのお
気持もないでありましょうからこれは別にして、問題は三百億の分け方です。三百億という限られた金額だったら、
年金というものは金の入らない、所得のない人に上げるということが第一
原則であります。それからそれをたくさんみんなに上げるというのが第二
原則です。ところが金が限られているからみんなに上げられないということで、政府の方もたとえば住友吉左衛門には老齢
援護年金をやらないという制度を作っておられる。年額五十万ということでやっている。ところがその
程度で、あとはむちゃくちゃなんです。たとえば
障害者、手のない、足のない、目が見えない、白血病で一歩死ぬ手前であるというような非常に気の毒な人
——二級の
障害で片手足の動かないような
障害になると一文ももらえない、一級になるとちょっともらえるけれども……。内科
障害であったら、一級く
らいの状態、白血病で
動きがとれぬとか、肺病で
動きがとれない、肺の七割をとってしまってちょっとかぜを引けば死ぬというような状態でも一文もやらないという冷酷無情なことをやっている。はっきり見える手や足の
障害も千五百円しかやらない。家族加給は一文もやらないということをいっている。母子
年金の方も、子供をかかえて苦闘しているお母さんに千円しかやらない。ところが老人にも千円やる。これではバランスがはずれている。政府案では年額五十万以下、月四万円以下の世帯の老人に差し上げることになっている。老人に差し上げることにはわれわれも賛成でありますけれども、限られた財源であれば、より気の毒な人に上げなければならぬ。月四万円の所得の世帯であれば、十分とはいえないけれども楽々と隠居されているわけであります。そういう方々に選挙の札をもらうためにそういう部分を設けている。四万円の家庭では、お年寄りを大事にすることはありがたいが、お金を上げても、岸さんはちょっといいことをやったと言われるにすぎない。ところがそれが一級の内科
障害というようなところに少しでもお金がいけば、ほんとうにその
人たちが首つりをするところがとまるというような大きな作用をするわけです。そういうことを逆転させておる。特に一番ひどいのは
生活保護の方です。
生活保護という一番気の毒な状態にあるときの
障害者、母子家庭、老齢、そういう人には、今の
法律では一文もやれないことになる。そんな
年金がありますか。総理大臣、きょとんとした顔をしておられるけれども、そんなものではなかったはずだというお考えを持っておられたら総理大臣は善人である。わかっておって平気な顔をしておられたら猛烈な悪人であると私は思いますが、おそらくわかっておらなかったと思う。わかっておらなかったら、最初申し上げたように、論議でわかったものは直す、この点だけは即刻変えられなければ総理大臣は悪人である、落第点である。変えられればやや善人であり、やや及第点ということになるわけです。そういう点で総理大臣は与党に指令して直させるか、ほんとうに総理大臣が
八木一男のようななまいきなやつはけしからぬ、おれはもっと善人であると思われれば、政府案を撤回して三日後か一週間後に出されるか、どっちかの返答を承わりたいと思います。