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滝井委員 賃金職員はあるいは全く臨時的なものかもしれません。しかし私の調べてみたところでは、賃金職員といえ
どもやっている
仕事は大体同じです。特に常勤労務者。常勤的な職員の力はもう一般職員と何ら変らない。
保険料の徴収実務、これはある
程度やらしていないようである。しかしそのほかの給与
決定業務、運用
決定業務、徴収簿の計算及び記入業務というものは全部やっている。しかもあなたはだんだん計画的にやっておると言うが、どういう計面で千三百人を何年までに完了しますか、これは
ほんとうはあなたの所管でなくなっておる。
保険局長の所管になっているが、千三百人は一体何年間計画でやってしまうのですか。三十三年は大体全般的に見て二七%くらい定員化したのです。ところが三十四
年度は一人の定員化の
予算も計上していない。だからあなたは計画すると言うけれ
ども、ことしは
予算を計上していないから、計画ができないはずです。そこで
年金へ千八百人をやって同じところで働かせるのですよ。一体どうしてこういうことになるかというと、結局社会
保険出張所のいわゆる臨時職員の
諸君は
仕事が多くて
——人事院が三十年の八月二十三日付で人事院規則を制定しているので、試験に合格した者でなければだめなんです。ところが社会
保険出張所というのは、今まで赤字でもう朝から晩まで牛か馬のように職員を使ったんです。その結果、赤字だ赤字だと言われながらも、実際は赤字が出ずに、三十年に四億の黒字が出、三十一年には四十八億の黒字が出、三十二年には七十九億の黒字がでるというように黒字が出たのは、
保険料の徴収が上ったからなんです。もちろんこれは
日本の経済というものがずっとよくなっということも
意味します。神武以来の好景気になったということも
意味しますが、しかしこれはやはりある
程度涙ぐましい職員の働きというものによって、それは多くはなかったかもしれぬが、そうなったと思うのです。そうすると、それらの職員は朝から晩まで事務に携わって、試験を受けるための勉強をするひまがない。
仕事はさしておる。三十年の九月一日以前の者ならば試験がなくても身分を切りかえて本職にしてやろう、しかしそうでない者は試験を受けずにはだめだとしてしまった。そうするとそこに不満が出る。同じ
仕事をやっておって、一ぺんの試験を受けなかったらだめだというのです。それは高級官僚の試験がありまして、みな不満だった。マルカケをやらせられて、局長でも落ちるようなものが出てきた。しかし少くともこれに社会
保険の
仕事をやらせようと見込んで入れたからには、これはもうある
程度あなた方が
責任を持って入れたんですから、長く八年も十年も働けば、これはもうみな本雇いにしてやらなければいかぬというのが人情なんです。それを今度人事院の試験を通らなければだめだ、
仕事は一ぱいしなければいかぬ、これでは、今の役所の機構の中で勉強までして試験がどんどん通っていくというのは、よほどの人以外にはない。だからそういう点にこれは
一つの欠陥がある。それらの臨時職員は三年も四年も勤めているのがある。はなはだしいのは臨時の常勤職員として十五年以上も勤めているというのが運輸省におる。全国では十万もおります。社会
保険も大事だが、今度
年金もやはりへますると同じことが起ってくるのですよ。
小山さんの言うように、ことしは千八百人だが、来年、再来年になるとずっとたくさん入れる。そうしてそれが今の倍の六千、八千とふえてくるということになると、やはりとるときにある
程度きちっととっておいて、それから先は将来めんどうを見てやるということにしないと、これを七千円でほうり出すというのではどうにもならぬ。臨時職員の給与は七千円です。しかも業務の内容は一般と同じだ。徴税吏員と同じような
仕事をしておってもだめだ。そうして三十三
年度は二割七分の定員化を行うと言ったが、今年は一人の定員化も行われないでは、社会
保険の士気が上らぬ。士気が上っていないところに新しい
政策の集金を持っていくんです。そうして今度無
拠出の調査なんかやるということになったら、ここで言ったように、その
仕事の飛ばっちりはどこにいくかというと、会社で社長から部長が怒られると、部長が今度課長を怒る、課長は課員を怒り、課員はうちへ帰って奥さんを怒る、奥さんは女中を怒る、女中はネコを怒る、ネコは怒るところがないから障子を破ることになる。その飛ばっちりはどこへ行くかというと、必ず
援護年金を受ける貧しい大衆に、第一線の不服というものが行くんです。だから血の通った政治というものは、われわれがここで理想論を述べることでなくして、一番下積みの大衆に接着する役所の機構と、そこに働いている人間の
気持というものが、一体どこにあるかということをくみ取るのが政治だと思う。それが今の社会
保険ではくみ取られていない。だからことしは定員化の
予算もない。これで今から
事務機構を動かそうと思っても、これは薄氷を踏む思いですよ。私はあえてきょうは逆に言ったんです。広遠な
年金の理想を説くよりも、一番末端から上に積み上げていこうという行き方をとったわけです。
坂田さんおわかりになったと思いますが、まだ十万人もおるんですけれ
ども、あなたの所管のもとでは千三百人おる。労働省にもまだおります。そしてことしは定員化も行われていない。こういうことなんです。今後この上に
国民年金の
制度を積み重ねていくわけですが、社会
保険出張所というものはどういうことをやるかというと、こういうことをやるんです。第一には、適用関係事務のうち
国民年金番号管理及び
国民年金手帳作成、徴収
開始事務のうち
保険料徴収停止の最終的
決定及び
保険料強制徴収の最終的処理、経過的
援護年金の裁定事務、市町村の指導監督、いわばこの
年金業務の一番大事なところをやるんですよ。
保険料の停止をこの人にやってよろしいというようなこういう
決定権を持つところなんです。それをやる
人たちが七千円の給料なんですよ。もらう額は社会党の一カ月の
年金より少いでしょう。これでは血が通うわけはないと思う。一体こういうものをあなたはどうお
考えになって、どうこれを打開していかれるのか、これについて
一つ大臣のお説を拝聴しておきたい。