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1959-03-31 第31回国会 衆議院 国土総合開発特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月三十一日(火曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 志賀健次郎君 理事 丹羽 兵助君    理事 足鹿  覺君 理事 竹谷源太郎君    理事 館  俊三君       鹿野 彦吉君    田邉 國男君       高橋 英吉君    橋本 正之君       福田  一君    坊  秀男君       石山 權作君    北山 愛郎君       西村 力弥君  出席政府委員         総理府事務官         (北海道開発庁         総務監理官)  中平 榮利君         防衛政務次官  辻  寛一君         総理府事務官         (経済企画庁総         合開発局長)  淺村  廉君         運 輸 技 官         (港湾局長)  中道 峰夫君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君  委員外出席者         総理府事務官         (防衛庁経理局         施設課長)   大森 頼雄君         総理府技官         (経済企画庁総         合開発局国土調         査課長)    大塚 常治君         総理府事務官         (経済企画庁総         合開発局東北開         発室長)    中村 清英君         農 林 技 官         (農地局建設部         長)      清野  保君         通商産業事務官         (企業局次長) 磯野 太郎君         通商産業事務官         (企業局産業施         設課長)    川原 英之君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  八木 利真君     ――――――――――――― 三月三十一日  委員今井耕君、進藤一馬君、薄田美朝君、原田  憲君、八木一郎君、兒玉末男君及び中島巖君辞  任につき、その補欠として坊秀男君、鹿野彦吉  君、秋田大助君、濱田幸雄君、高橋英吉君、北  山愛郎君及び西村力弥君が議長指名委員に  選任された。 同日  委員鹿野彦吉君辞任につき、その補欠として進  藤一馬君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 三月二十六日  国土調査事業の拡充に関する請願(周東英雄君  紹介)(第二八五五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月二十四日  九州地方開発促進法案の一部修正に関する陳情  書(第五一  五号)  同(第五一六号)  九州地方開発関係法制定に関する陳情書  (第五五八号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国土総合開発に関する件  東北開発に関する件  国土調査に関する件      ――――◇―――――
  2. 篠田弘作

    篠田委員長 これより会議を開きます。  国土総合開発に関する件について調査を進めます。まず、国土総合開発全般について、足鹿覺君より質疑の通告がありますから、これを許します。足鹿君。
  3. 足鹿覺

    足鹿委員 国土総合開発の問題に関連いたしまして、総体的なこと、これに関連する地方の諸問題について、若干お尋ねをいたしたいと思います。  まず最初に、総合的なことについて経済企画庁お尋ねをいたしておきたいのでありますが、国土計画の根幹ともなります本法ができましてから相当な年月がたっておるのでありますが、私もこの委員会には古くからおりませんので、そうよく存じませんが、全国計画というものは、現段階においてはどういうふうに策定をされておるのでありますか、その点についてお尋ねをしておきたいと思います。  それから、これに関連をしまして、閣議決定採択特定地域の今日までの進捗状況がどういうふうになっておりますか。先般若干の資料事前にいただいたわけでありますが、あの程度のものではさっぱり要領を得ませんので、地域別に、またその事業種別部門別状況をこの際お尋ねをいたしたいと思うのであります。たとえば、私の方の大山出雲特定地域の問題でありますが、これは、あなた方の資料によりますと、国の計画の場合は三五%程度進捗率になっておるようであります。ただし、B種公共事業費を含めますと、相当進んでおるように見えるのでありますけれども、実際には特定ワクというものは一つもつかない。それが地方にとっては非常な不満の種となっている。地方の住民とのつながりというものが全くない。特定地域に指定されたありがたみというものについて、切実なものを一つも感じないということになっておりまして、今までの行政上の予算をかき集めて、あるいは民間電力の場合のごときは、民間電力開発実績等をも重ねて、そうして一つ実績だというふうにしておられるのであります。最近、北海道開発東北開発九州開発、また、来国会には四国開発というようなことがもくろまれているように聞いておりまして、これと特定地域開発関係も非常に複雑になってきておりまして、それぞれがみんなばらばらの形になっているわけで、私どもこの問題についてどうも納得がいきません。その点について、現状と今後の対策というものをどういうふうにされる御所存であるか、それを最初一つ伺いたい。  第三点は、御存じのように、三十年から調整費というものがついて今日に至っておるのであります。今年は五、六億ぐらいと聞いておりますが、それの配分状況はどういうふうになっているのか、この点についても一応資料に基いて御説明を願いたい。まず最初に、経済企画庁の方から伺いたいと思います。
  4. 淺村廉

    ○淺村政府委員 ただいまお尋ねがございました、国土総合開発計画のうちの全国総合開発計画でございますが、これは、字のごとく、全国対象といたしましての総合開発計画というものでございまして、私どもでは相当以前から検討を加えて、その作業を実施中のものでございます。考え方といたしましては、全国を八ブロックに分けまして、ブロックごと公共事業あるいは公益事業の投資の規模というものを将来どう持っていったらいいか、この十年間にどのようにこれが伸びていくか、最終的にどのような形になっていくかというようなことを検討いたしまして、計画としてまとめ上げたいということでやっておるわけでありますけれども、御承知のように、各省におきましては、それぞれまた事業ごと長期計画を逐次立案されておるのであります。たとえば、道路につきましては、先般道路の五カ年計画閣議決定をされまして、一応これははっきりいたしましたが、その他、河川につきましても、港湾につきましても、あるいはまた、農林省関係土地改良その他につきましても、いろいろと計画をお持ちでありまして、それらの将来に伸びていこうとする計画と、私ども考えて、今まで作業をやっております、全国総合開発計画観点から見ましたところの作業の結果とが、なかなかまとまらないものがございます。そのようなわけで、非常に時間がかかっておって恐縮に存じますけれども、私どもといたしましては、できるだけ早くこの全国計画をまとめましてこれを御高覧に供したい、また、各省の施策の基礎に取り上げてもらいたいということでやっております。繰り返して申し上げますが、なかなかこれはめんどうな仕事でございまして、そう簡単にすぐ割り切った結論が出るというところに参りません。何べんか会合を開きまして、次第々々に積み重ねて現在作業中という段階でございますので、ありのままをお答え申し上げます。  それから次は、特定地域総合開発計画についてのお尋ねでございましたが、御承知のように、現在全国二十二の特定地域設定いたしまして、その開発目標というものを定め、おおむね十カ年を目標にいたしまして計画を立てております。これは決して言いわけをするわけではございませんが、一つ目標計画ということで、その目標の期限を一応十年ということに置いて総合開発を推進しようというものでありまして、予算関係上、必ずしも十分な進歩を見ておるという結果になっていないのは、大へん残念でございますが、予算と全体の事業量との比較において仕事が伸びていないということは、これは一つの見方でありましょうが、特定地域開発計画というのは、御承知のようにいろいろな要請に基いてでき上っております。そのおもなものは、河域——河川の流域を中心にいたしましたところの河川総合開発というものを骨子にして、国土保全国土開発とをあわせ備えた計画ということになっております。そういう意味合いからこれを検討いたしますと、事業的に見ますと相当の進歩も見ておるというふうに私どもは一応考えております。しかし、予算と全体の事業量との比較ということになりますと、確かに、おっしゃいましたように、あまりりっぱな伸びの姿ということではないと思います。私どもといたしましては、いつまでもこのようなことでいいのかどうかということは常に反省をいたしておりますが、幸い、道路につきましても、五カ年計画が御承知の姿で閣議決定されたということもございまして、だんだんといろいろな新しい事実がここに起って参りましたので、そういう問題を十分織り込みまして、適当な機会に適当な調整を加えながらこの計画を推進して参りたいというふうにただいま考えている次第であります。ただいま、特定地域の、特に進歩状況についての詳細な表は持っておりませんが、全体的に見まして、予算は必ずしも十分についていないということは、率直に申し上げなければならぬと思います。そのような考え方で、今後できるだけこの計画調整しながら推進して参りたいと考えている次第であります。  第三番目の調整費でありますが、これは昭和三十一年度から企画庁の予算に特に計上されました費目でございまして、特定地域内の公共事業を主として対象にしておりますが、それがばらばらでは伸びない、ばらばらでなく、バランスをとって伸びていくように、おくれたところに若干のものを継ぎ足して、総合的に十分な効果を発揮させるようにこれを使っております。今まで大体五億円程度予算でございましたが、来年度は、私どもといたしましては、六億五千万円いただきたいという考え方で折衝いたしたわけであります。現在、三十三年度においてどのような内容、どのような割当をいたしたかというようなことにつきましては、ただいまここにこまかい資料は持っておりませんので、必要がありますれば、また別な機会お話をいたしたいと存じます。
  5. 足鹿覺

    足鹿委員 私は今の御答弁を聞いて、経済企画庁そのもの性格のもたらすところとして、やむを得ぬところもあると思うのです。しかし、先ほども御指摘をしましたように、各地区ごと開発促進法というものが次々と出て、各地ではどういうふうになっておりますか知りませんが、聞くところによりますと、山陰開発促進法というものが考えられて、地方新聞では——私は山陰地区ですが、大きく掲げられている。御存じかどうか知りまんが、いろいろなものを、いろいろな立場から、いろいろなこととからませて次々と計画されていくわけなんです。全国開発計画というものががっちり確立されて、そして総合開発の国策がちゃんとしておりますならば、そうものが地域的にばらばらにいろいろ出てくる余地がなくなると思うのですが、今聞いてみても、全国計画というようなものは検討中だということで、その内容についても全くうかがい知ることができない。こういうことでは非常に遺憾千万に思うわけですが、全国計画は、十年として昭和四十二年あたりが目標になっていると聞いているわけです。その前提条件としての国民所得は、昭和四十年ごろには一体どの程度に増大をせしめるのか、また、それに基く雇用の問題、あるいは人口の問題、いろいろな問題があるわけですが、これは国内事情からだけで判断することもできない。当然国際事情というものをにらみ合せて策定されなければならぬと思うのです。そういう前提条件についても、われわれは何ら具体的に知ることができない。お互いが地域々々に蟠踞しておって、そしてばらばら計画をそれぞれに立てて進めていくというようなことでは、これは政府性格なり、あるいは経済企画庁性格からくるものでありまして、ここで短時間にこれをどうこうするということはできないのでありますが、特にこの国土総合開発特別委員会設置されておるとするならば、少くとも長官みずからも進んで出てきて、そういうようなことについて抱負、信念を披瀝されてしかるべきものだと思のです。きょうも長官の御出席を要求しておったわけでありますが、出るとも出ぬとも何とも話がない。まことに私は遺憾千万に思います。少くともそれだけの熱意と努力をしておるという姿が、この委員会を通じて国民の前に明らかにされなければならぬと思うわけです。この点は別に御答弁は要りませんが、長官が御出席できない理由がありますならば、委員長から一つ伺っておきたい。
  6. 篠田弘作

    篠田委員長 今、長官は参議院の予算委員会に出ておりますから、それが都合ついたら、こっちに来るそうです。
  7. 足鹿覺

    足鹿委員 それから閣議決定に基く特定地域の問題、ただいま御答弁がありましたが、必要があれば別な機会説明してもいいというような御答弁では私は不満です。必要があればこそ、私は特に委員長にお願いしてきょうの発言をしているわけですから、現状はどういうふうになっておるのか、部門別にどういうふうに進んでおるのか、隘路になっておるのは一体何なのか、少くとも、国土開発に対する当委員会には、その資料を提示されてしかるべきものだと思います。調整費の場合も同様であると思うわけです。一般論は、長官がおいでになってからまたお尋ねすることにします。  そこで、これらの問題が地方においてどういうふうに計画され、実施されんとしておるかという問題で、私は山陰地方における問題を一つの事例としてこれからお尋ねをしてみたいと思います。  最初に、大山出雲総合開発地域中心ともいうべき中海の第一期干拓事業及び淡水化の問題が、ようやく調査費が数年来つきまして、いよいよ技術的な検討も終えられて、三千ヘクタールの干拓埋め立てが当面考えられておる。また、淡水化に基く水害発生等の技術的な検討も終って、三十五年に着工の話が地方においては大きく伝えられておりますが、農林省建設省通産省運輸省においては、十分御連絡の上、三十五年着工の確信がありますかどうか、まずその点を関係省から御説明願いたいと思います。
  8. 清野保

    清野説明員 御承知通り中海干拓は、宍道湖並び中海、それに関連いたしますところの干拓適地干拓するという一つ目的と、それから中海の河口を締め切りまして両湖を淡水化いたしまして、従来中海から宍道湖にかけての塩害を防ぐ、こういう目的でもって、たしか二十九年から調査にかかっておりまして、現在はほぼ淡水化関係調査を終りまして、もしでき得るならば三十五年度から、宍道湖干拓を除きまして、中海中心とするところの淡水化計画に主として力を注ぎたい、こういうような方針でもって調査を進めております。従いまして、宍道湖並び中海干拓計画につきましては、なおこの中海淡水化の問題と並行いたしまして今後調査を進めると同時に、今後の着工をいたしたい、こういうような予定でもって考えております。でき得るならば、あの付近の産業開発並びに農業用水の面の二つの点から、中海淡水化事業を第一次とし、干拓は第二次として今後進めていく予定であります。
  9. 足鹿覺

    足鹿委員 通産省は、臨海工業都市調査を先年来進めておられまして、今国会では法制化の手続がとられたように私ども承知しておるのですが、今お聞きのような、三十五年に淡水化からまず着工したいという農林省方針に呼応して、具体的には運輸省の話によりますと、境に外港計画を立て、その背後地を造成して工場の誘致を行う、その計画をあわせ行われておるように聞いておるのですが、私どもはそれはどこでもよろしい。問題は、淡水化とあわせて三千ヘクタールの干拓埋め立てが行われる。どこがその適地であるかということになりますと、いろいろ判断によるわけでありますが、少くとも中海側に面したところにその干拓埋め立てが行われ、これが淡水化とうまくタイアップをいたしまして、臨海工業都市一つの構想につながるものではないかというふうに私どもは思っておったのでありますが、そういうことに対する運輸省農林省通産省あるいは建設省というようなところにおいて、事前に総合的な連絡研究がなされておるのでありますか、その臨海工業都市地帯指定調査との関連、今後の見通しということについてはどういうふうにお考えになっておるのでありますか、お尋ねしたい。
  10. 磯野太郎

    磯野説明員 ただいまお尋ね臨海工業地帯調査につきましては、本年度、昭和三十三年度におきまして、全国新規工業地帯五十六地域調査をしたわけでございます。その中に、今御質疑になっております中海臨海工業地帯調査につきましても、県に調査費を委託いたしまして、基礎調査を行なった次第でございます。ただ、予算その他の関係がございましたので、三十三年度に行いました調査は、中海東側地区、つまり、米子市、境港市の一帯について基礎調査をいたしたわけであります。なお、来年度、三十四年度におきましては、この中海の西側の地区、安来市、出雲市、そういう地帯につきまして同様に基礎調査をいたしたい、こういうように考えております。  関係各省との関係につきましては、もちろん、その調査地区指定調査につきましては、従来とも十分に各省連絡をとって調査を実施したわけでございます。今後もそういう方針調査をいたします。
  11. 足鹿覺

    足鹿委員 清野さんにお尋ねしますが、ここには、御承知のように、美保輸送航空団基地があるわけです。これが、中海に面した地帯滑走路延長を行なって、今後ジェット機実戦基地にしたいという意向防衛庁は先年来持って、執拗にこれを進める態度をとっておったことは御存じ通りでありますが、もしこういう地帯に、開発計画中心になるような重要な地点に、ジェット基地の、しかも戦闘基地としての大規模なものが設けられる場合、これは開発計画と重要な関係を持つと私は思うのですが、そういう点について、これは農林省のみならず、通産省なり、建設省なり、運輸省なりに、事前防衛庁から何らかの連絡あるいは協議その他のものがあったのでありますか。まず農林省から、それから通産省建設省運輸省にもその点について、最初お尋ねしてみたいと思います。
  12. 清野保

    清野説明員 ただいま御質問になりましたジェット基地設置につきまして、本開発計画関連いたしまして、農林省連絡があったか、こういう御質問でございますが、私、遺憾ながら、これらの点につきまして十分存じておりません。ただ、この計画設定いたします場合には、島根、鳥取両県がこの中海とは非常な関係のあることでございますので、それぞれの県を通じまして、本計画設定に対する総合的な観点からの樹立につきまして考慮を払っておるということについては申し上げ得るかもしれませんが、ただ、ジェット基地そのもの設置についての私どもとの関連につきましての事前の打ち合せにつきましては、遺憾ながら私は十分存じませんので、お答えいたしかねます。
  13. 磯野太郎

    磯野説明員 ジェット機基地設定の問題につきましては、私の知る限りにおきまして、通産省連絡を受けておりません。
  14. 山本三郎

    山本(三)政府委員 建設省にも、ただいま各省で述べられましたように、まだ連絡はございません。
  15. 中道峰夫

    中道政府委員 運輸省の方も他省と同じで、そういう連絡は受けておりません。
  16. 足鹿覺

    足鹿委員 特に八木国有鉄道部長にもお尋ねをしたいのですが、最近伝えられるところによりますと、中海側に、公有水面埋め立てをして基地滑走路延長をはかろうという考え方と、いま一つは、現在の鉄道路線のあるところを内陸面に向って延長してくれという陳情書防衛庁に出ておると、防衛庁首脳部現地へ来て談話を発表しておられることが地方紙に掲載されております。これは従来国鉄としても非常な重大関心を持たれ、現在でも非常な被害を受けております。この鉄道路線の変更というようなことはきわめて重大なことでありまして、私どもは、従来からの経過を見ては、容易になし得られないことだと理解しております。ところが、先般来、防衛庁現地へ参られ、そしてそういうことを談話の中に——そういう陳情が出ているから考えるのだ、こういう意味のことすらも言っておりますが、そのようなことについて、国有鉄道部長としてはどのようにお考えになっておりますか。また、何かこれについて連絡があり、あるいは地元からそういうことについて地元意向等が何かあなた方の方へ届いた事実がありますか、その間の消息をお知らせ願いたいと思います。
  17. 八木利真

    八木説明員 ただいまお話がありましたように、今あの地区におきましては、鉄道が従来から相当被害を受けておりますことは事実であります。いろいろ連絡いたしまして、そのような事態のないように措置されておると、ただいま思っております。ただ、お話のありましたように、線路を変更してあの区域を拡張されるというお話につきましては、まだ私は伺っておりません。
  18. 足鹿覺

    足鹿委員 防衛庁辻政務次官お尋ねをいたしますが、先般あなた方が美保輸送航空団開庁式に参列をされた際に、いろいろ談話を発表なさっておりますが、その談話内容は、これは新聞紙の伝えるところでありますから、あなた方の真意がどの辺にあったかということを、その新聞の報道をもって直ちに断定することは、私、軽率だと思いますので、あなたなり航空幕僚監部加納監理部長等がおっしゃったことを、この際一つお聞かせ願いたいと思います。
  19. 辻寛一

    ○辻(寛)政府委員 新聞記者諸君お話を申しました要領をかいつまんで申し上げますと、かねてからあそこにジェット戦闘機基地を作りたいということは御承知のごとく問題になっておったわけでありますが、非常に反対が多かったので、一時実は静観をいたしておったわけであります。私の方といたしましては、その後方々調査いたしましたけれども西日本防衛の見地からいいますと、やはりどうしてもあそこが一番いいという気持がのかないわけでございますので、何とかして一つ地元の御理解と御協力を得まして実現の運びに至るようにいたしたい、こういう考えを絶えず持っておったわけでございまして、たまたまそのことについて聞かれましたので、私の方としては、年来の念願というものは相変らず持っておるわけであって、ただ、何としても地元の御協力と御理解を得なければできぬことであるから、そうした時期が至りますれば、少しでも早く実現に取りかかりたい、こういう意味のことを申し上げたのであります。
  20. 足鹿覺

    足鹿委員 その際、予算問題にあなた方は言及されておったようでありますが、そういう事実はないのでありますか。
  21. 辻寛一

    ○辻(寛)政府委員 ございます。予算の問題についても聞かれましたので、三十四年度の予算に、美保基地として載っておるわけじゃない。ただし、もし円満に話が思ったより早く進んで、三十四年度に取りかかることができる場合があるとすれば、これは予算の面について航空自衛隊施設整備費が四十八億ほどありますから、その中から融通しても取りかかることができる、こういう意味のことを申したのであります。
  22. 足鹿覺

    足鹿委員 四十八億ばかりの航空基地施設整備費があるから、それでやるんだというお考えのようでありますが、現在何百万円、あるいはそれよりも少額なものが非常に問題になるようなときに、防衛関係については、予算になくても何をやってもいい、そのワク内では、話さえつけば何をやってもいいということになりますと、旧憲法当時における軍事費は、国会といえども、その内容については全くノー・タッチであった。それと同じような形式をあなた方はおやりになるということを公然と発言されてよろしいのでありますか。少くとも円満に話がつくとかつかないとかいうことは別問題として、しかも、新聞には十億円程度云々ということをおっしゃっておるようでありますが、そうなりますと、防衛庁関係予算というものは、全く目標のない——時と場合によっては、どんなに融通してもいいということになりますと、予算審議権を持っておる国会を全く無視した、旧憲法当時における軍事費の取扱いと同じ結果を招来すると私は思うのでありますが、さようなことは私は許されないと思うのです。円満に話がつくとかつかぬとかいうことは別問題です。先年アメリカ側が通信施設を計画されまして、そして三百六十数町歩という農地の接収の問題が起きた。このジェット基地滑走路延長とともに地元民は絶対反対をやって、ついに、さすがの米軍の通信施設計画も、この地元民の世論の前に挫折をいたしました。そして取りやめとなり、引き続き、昨年の九月十五日に米軍よりあの施設の返還を受けていることは、防衛庁当局も御存じ通りであります。そういう経過から考えてみて、地元と円満に話し合いのつくはずはないのです。これは申し上げるまでもない。事実に基いて私は申し上げておるでありますが、その点について反省をされることが私は必要だろうと思うのです。さきの軍事費問題と同じような取扱いをされることについてのあなたの御見解はいかがですか。
  23. 辻寛一

    ○辻(寛)政府委員 新聞記者諸君に語ったのは大ざっぱに施設整備費と申したのでございますが、予算の内訳といたしまして、次期航空団の施設費といたしまして、七億四千万でございましたか、それから国庫負担の方といたしまして約五億ぐらいでございますか、計上されております。この次期航空団というのは、まだ来年度どこに作るということはさまっておらないわけでございまして、実は方々検討いたしておるわけで、話の早くつきそうなところに作ろう、こういうように考えて、その内訳がちゃんと載っておるわけでありまして、その方を利用しよう、こういう考えでございます。なお、やるにいたしましても、これは相当の年月を要しますので、二、三年——少くとも三年ぐらいはかかるだろうと思いますので、一気にやれるわけではございませんので、こういう予算をもって充当していこう、こういう考えを含みとして申したわけでございます。
  24. 足鹿覺

    足鹿委員 その予算の内訳は、私ども今あなたから口頭で聞くだけのことでありまして、その内容は、文書その他において見たわけでもございませんし、よく理解ができませんが、そうすると、現在発足いたしました美保輸送航空団関係の整備費というものがあるのですか。それを基礎としてやる。七億四千万円というものは、現在の美保輸送航空団滑走路その他の整備費として計上してあるのですか。
  25. 辻寛一

    ○辻(寛)政府委員 それとは別個でございます。次期航空団、新しい次の航空団を作るという費用なんでございます。今航空団が第五までできておりますから、第六ということでございます。
  26. 足鹿覺

    足鹿委員 その第六期航空団というのは、どういうものですか。
  27. 辻寛一

    ○辻(寛)政府委員 これはジェットの実戦部隊でございます。
  28. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますと、あなた方の構想は、現在の輸送航空団のほかに、美保考えるという場合は、それと次期第六航空団といわれるジェットの戦闘基地というものを併設するという構想のもとに、この間の地方における御発言があったわけですか。
  29. 辻寛一

    ○辻(寛)政府委員 併設でいきますか、それとも切り離しますか、そのところはまだ考慮中でございます。
  30. 足鹿覺

    足鹿委員 少くとも、あなた方からすれば、いわゆる西日本における自衛上における重大な拠点を作っていこうという腹のように私どもは見受けるのでありますが、それを併設していくのか、あるいは輸送団を他へ持っていって、そのかわりにジェット基地を作ろう、こういうのか、その検討もないというようなことは、まだ計画がきわめてばく然たるもののように私どもは受け取るわけなんです。率直に地方民は非常な不安と心配と危惧を持っておるわけです。その点については、ほんとうにそうなのか、もっと突き進んだものがあるのか。これは従来の長い歴史を持っておりまして、私どもも、ただ単にこのジェット基地化に反対するということではなくて、ただいまもお聞きのように、大山出雲総合開発計画中心地帯としての地帯にこういうものができることの可否について、郷土の将来を考えて心配をしておる。ただ観念的な問題として、その一点張りで反対するということのみではない。かくあるべき郷土の振興計画というものを一面にわれわれも促進し、地元民もそれを要望して今日に至っておるわけでありまして、基地を作るよりも、大山出雲総合開発中心として平和な郷土を作っていきたいという具体案を一方に伴いながら、私どもはこの問題を処理していきたいという念願を持っておるわけであります。従って、通り一ぺんな、あなた方は簡単な考え方で、現在地元から陳情が出ておるというようなことをおっしゃっておりますが、これは一人か二人の中心人物が架空の若干の署名をとって、ほんの数十人程度のものが出たということで、地方における大勢でも何でもありません。あなた方がこの問題を強行されるということになりますならば、私どもも異常な決意をもってこれに対処せざるを得ません。十分御再考を私はわずらわしたいと思います。  そこで、施設課長の大森さんですか、あなたは従来からよく御存じのように、この地区には、P地区と称して、もとアメリカ軍が使用しておった地帯がある。その地帯は、地元の農民から、これは当然大蔵省から農林省へその地帯の所有がえを願って、そうして農地法に基く開墾地として取得をしたいというものもすでに出ておると私は思うんです。ところが、P地区関係について、三十一ヘクタールは、対空、通信、燃料タンクとして、この美保輸送航空団、あるいは予想されるジェット機実戦基地に付帯関連するものと推定される地域を、一方的にあなた方は計画を進められておるというようなことを聞きます。残りの二十二ヘクタールを地元の耕作者に払い下げを考えておるというようなことが伝えられておりますが、私はこの問題については長い間大蔵省とも折衝をし——特にその地帯は平均耕作面積が三反歩ないので、生活にも非常に困窮した農民がおる。半撈半農という地帯でありまして、非常に人口の稠密な地帯であります。都市と何ら変らない。普通の農村とは著しく事情を異にしておる地帯ですが、そういうところの土地を、アメリカの要請に従って泣く泣く当時P地区として提供した。それをもとの耕作者に返してやることは当然のことだと思いまして、成規の手続を踏んで、開墾地としての取得申請を出して今日に至っておるのですが、実際そういう計画をあなた方は一方的にお立てになっているんですか。そうしますと、今辻政務次官がお答えになった、まだ海のものとも山のものともわからぬというようなことではなくして、着々あなた方は一定の計画に基いて進めておると私どもが推定してもいいような状態ではないかとも思われるのです。そのP地区関係における、防衛庁が要求しておられる計画内容について判明していることがあるならば、この際聞きたいのです。
  31. 辻寛一

    ○辻(寛)政府委員 概略だけ申し上げますが、P地区につきましては、あなたはヘクタールで申しましたが、坪数で出ておりますので、坪数で申し上げますと、十五万五千余坪の中で、防衛庁といたしまして、通信監査施設をここに置きたいというわけで、八万坪をいただきたいという考えでございまして、あと七万坪は農民の各位に御配付を願ってけっこうだ、こういう考えでございます。
  32. 足鹿覺

    足鹿委員 通信監査というのは一体何ですか。これはアメリカ軍があの地帯に通信施設を持っておって、そのP地区をさらに三百六十坪にわたって拡張しようとして、農民の抵抗によってついに断念をした土地です。それはアメリカ軍と何かの連関があるのですか。通信監査というのは、一体どういうものなのですか。
  33. 辻寛一

    ○辻(寛)政府委員 アメリカとは別に直接の関係はございません。通信監査と申しますのは、航空自衛隊の通信を円滑にするために、各種の通信を監査しまして、技術の向上をはかる、そうして通信規則を厳守せしめる、こういう仕事をする施設でございます。
  34. 足鹿覺

    足鹿委員 専門的なことで、私どもはよくわかりませんが、それは大蔵省に打ち合せ済みでこういう分割計画をお立てになっておるのですか。
  35. 辻寛一

    ○辻(寛)政府委員 ただいま申し上げました希望を出しまして、目下打ち合せをいたしておる段階でございます。
  36. 足鹿覺

    足鹿委員 ようやくアメリカ軍がP地区における一切の施設を撤去した直後ですよ。アメリカ軍としても、ハワイを経てアメリカ本土との通信連絡上非常に有利だというので、非常な熱意を持ってやった。しかし、地元の住民の声に聞くところがあって、アメリカ軍すらもついに断念した。その経過をあなた方は御存じのはずであるのにもかかわらず、同じ日本の防衛庁が、アメリカ軍すらも断念したものを繰り返しやろうという考え方は、私どもは納得できません。あまりにもあなた方の一方的な独断ではないですか。従来の経緯をごらんになったら、さようなことについては、さらにもっとよく御再考になり、慎重を期せらるべきものではないかと思います。これは議論になりますから、これ以上はあえて申し上げませんが、とにかく、あなた方がそういう御計画をすでにお持ちになっておるということが一応明らかになりました以上、私どもも、この問題に対しましては私どもとしてのとるべき措置を今後とっていきたいと思いますが、最後に一言だけ申し上げておきます。  繰り返すようでありますが、アメリカの施設すらも、地方住民の前には断念の余儀なき事態になった。ただ、知事がかわったから、自分たちはやってみせる、こういう魂胆のようですが、しかし、地方住民の意思を無視して知事がさようなことをいたされるということになり、あなた方と同一の歩調をとられるということになりますならば、われわれは地方住民の意思によって知事そのものに対しても反省を求めたいと思いますが、とにかくこの問題については、あなたが現在お考えになっておるような、そういう慎重を欠く——また、従来の経緯から見て、そういうことはあり得べからざることでなければならぬと思います。そういう点をとくと防衛庁当局におかれても御反省を願いたいと思います。  あまりこの問題だけで時間を費しても、まだ二、三聞きたいことがありますので……。
  37. 篠田弘作

    篠田委員長 足鹿君に申し上げますが、お約束の時間が来ております。この際結論をお急ぎ願います。
  38. 足鹿覺

    足鹿委員 建設省が帰りを急いでおられるようでありますので、お尋ねいたします。  最近、大山出雲総合開発関連を持ちまして、奥日野のダム計画なるものがやかましく伝えられております。これはよほど前からその話がありました。鉄道部長がおいでになりますが、伯備線の生山を中心とする地帯のように想定される。そうしますと、あそこに大堰堤を作ったりいろいろな関連施設を行います場合は、水没農家はもちろんのこと、鉄道そのものの路線の変更ということを当然伴うようなことになろうと思う。私どもは、工業用水の計画的な供給であるとか、あるいは発電の設備の開拓であるとか、あるいは洪水調整を行うための多目的ダムというようなことそれ自体に別に異存はありません。ただ、従来の開発と水没農家に対する措置、あるいはその犠牲になった地方住民に対する措置というものは、アメリカの場合等と比べまして、日本のは、全く無責任とでも申しますか、従って地方住民は、金さえとればいい、こういうことで、常に公共事業の遂行という、お互い地方住民の福祉を増大し、その地方の産業、経済を発展向上せしめようというよい意図にもかかわらず、地方住民の必死の抵抗にあっておるという矛盾を従来各所で現わしていることは、御存じ通りであります。従って、地方民にいたずらなる不安や危惧を存えないことが、まず当面必要であると思うのですが、建設省はどのような構想によって、この奧日野ダムというものについて研究を進めておるのか。私はこれはまだ何ら正式な話を聞いておりません。この際、あれば、その構想の内容の概要等について伺っておきたいと思います。
  39. 山本三郎

    山本(三)政府委員 日野川の総合開発の問題でございますが、この河川につきましては、三十三年度から水利的の調査を行なっております。上流にダムを作りたいというお話が県当局あたりから出ておりまして、二十五、六年ごろ一応調査したことがございますけれどもお話のように、水没家屋等が多い地点でございましたので、それ以来調合を中断しておりましたけれども、その後、この地域の工業用水あるいは灌漑用水、あるいは洪水調節の面から、ぜひダムを作らなければいかぬということで、別の地点も、図面あるいは現地調査等をして探したわけでございますが、この地点にダムができるならば、家屋も二十戸程度で済む、それから田畑等にいたしましても約二十町歩、地方道が若干かかりますけれども鉄道の移設等の必要は生じてこないというような地点が候補地にあげられておるわけです。それにつきまして、できるならば来年度、三十四年度におきまして予備的な調査を実施したいというふうに考えておる次第でございます。
  40. 足鹿覺

    足鹿委員 その地点というのは、どこですか。秘密にされる必要はないと思うのですが、どういう地点ですか。私は現地におりますから、よく実情を知っておりますが、明らかにしていただくことができるならば、伺いたい。
  41. 山本三郎

    山本(三)政府委員 ただいま考えておりますのは、日野川の支流、印賀川と申しますか、そこの井ノ原という部落の付近でございます。
  42. 足鹿覺

    足鹿委員 よくわかりました。これはこういう委員会等でこれ以上お尋ねすることは適当でないと思いますので、いずれまたあとで私もよく検討してみたいと思います。  運輸省一つお尋ねをしておきたいと思うのですが、大山出雲総合開発地区の一環として、境港の外港計画が、昭和三十四年度に四千万円の経費の計上されたことは、私ども非常にけっこうだと思うのですが、その背後地三十五万ヘクタールに、石油基地を作る、一万トン級船舶の接岸工事を目標に、五カ年、五億円程度予定だというように伝えられております。この構想の真相は私どもよく存ぜぬのであります。その背後地の点については、先ほど通産当局にもお尋ねをいたしましたが、おそらく臨海工事都市等の設定計画に基くことになろうと思うのですけれども、境港の管理組合をしてその埋め立てに当らしめるか、あるいは埋立公団というようなものを作ってこれを進めていくかというような諸説があるわけであります。それについて計画の概要を伺うことができますならば、この際伺いたいと思います。
  43. 中道峰夫

    中道政府委員 お話の境港の外港計画でございますが、昭和三十三年度から三十七年度にわたります港湾整備の五カ年計画といたしまして、工費約八億七千六百万円という推定で事業を行う予定をいたしております。  事業内容といたしましては、外港といたしましては、外国貿易のために、水深九メートルの岸壁、これはお話の大型の船舶を係留する施設でございますが、それを整備する計画でございます。それから内港といたしましては、毎年やっております事業の一部引き継ぎでございますが、内港の下流の浚渫等でございます。     〔篠田委員長退席、志賀(健)委員長代理着席〕 それから大江、長島、宇井等の荷揚げ設備の工事をやる予定をいたしております。  それで、お話のこの施設を完了いたしましたあとの管理運営でございますが、現在、境港の管理運営につきましては、境港の管理組合という、港湾の管理者が設立されておりますので、これがこの管理運営に当ることになります。それから公団のお話がございましたが、御承知のように、昨年、事業を遂行いたしますために、埋立公団というものを構想いたしまして、そのやり方によって全国各地の必要な臨海工業地帯の埋立造成計画をやろうという計画をいたして、いろいろと実は折衝いたしたわけでございますが、三十四年度には実現をする運びに至らなかった次第であります。  なお、石油基地関係は、現在内港の付近にその基地の整備をやる計画を持っております。
  44. 足鹿覺

    足鹿委員 時間がありませんので、次の問題に移りたいと思いますが、さっき石油基地の点についてお答えがなかったようであります。石油基地というのはどういうものですか。
  45. 中道峰夫

    中道政府委員 つまり、その付近で操業いたします漁船等に供給するための貯油施設、石油をためておく施設でございます。
  46. 足鹿覺

    足鹿委員 そうすると、原油を輸入して、そこに精製工場を作るとか、大規模なものではないわけですか。
  47. 中道峰夫

    中道政府委員 それは今のところ考えておらないわけでございます。
  48. 足鹿覺

    足鹿委員 通産省に伺いますが、臨海工業都市の構想というものは、海と敷地と水、こういう三要素が整ったもので、工場の配置について地方分散をやろうという構想のようでありますが、それには今後の動力源というものを考えられての石油基地の問題をよくわれわれ聞くのです。今聞きますと、境港の整備計画には、全く精製したものを持ってきて漁船に配給するという程度のものをお考えになっておるようなんですが、そういう点については、もっと総合的な計画として、将来を見通した、日本海沿岸における今後の対ソ、対中、対鮮貿易の基地としては、非常に期待が持てる地帯だと私ども考えているわけですが、その点について何か御所見はないわけですか。
  49. 磯野太郎

    磯野説明員 石油基地と申しております中に、いろいろあろうと思います。一つは、石油配給基地というふうな基地でございまして、これは、今おっしゃいましたように、外国から原油を輸入いたしまして、そうして国内の石油精製所その他に石油を流していく輸入基地でございます。それから、ただいまのように付近の漁船に対する軽油、重油その他の配給基地がございます。これは先ほど申し上げました基地に比べますと、その貯油施設その他もごくわずかなものでございます。お尋ね中海臨海工業地帯につきましては、ただいまの計画の今後の発展の動向いかんによると思いますけれども、ただいまいろいろ建設省からお述べになりました限りの考え方では、境港があの付近、日本海における一つの非常に大きな中心の漁港である。従って、そういう漁船に対する所要の石油を配給するのに非常に好ましい地区である、こういうような考え方ではないかというふうに考えております。
  50. 志賀健次郎

    ○志賀(健)委員長代理 足鹿君、まだですか。
  51. 足鹿覺

    足鹿委員 もう一点です。非常にたくさんあるのですが、時間があまりありませんので、鉄道建設部長に一つだけお尋ねをして、あと、農林省、それから経済企画庁お尋ねをして終りたいと思います。  最初国有鉄道部長にお伺いいたしますが、これは大山出雲特定地区開発地帯とは離れておりますが、智上線の問題、それから勝倉線の問題が現在非常に大きく地方で取り上げられておる。智上線は大山出雲総合開発地帯外でありますが、勝倉線は大山出雲特定地帯内に入るわけであります。先刻から私が言っておりますように、少くとも総合開発特別地域に指定されており、あるいはそれを背後地として、少くとも僻遠の地においては特に力を入れて輸送関係に手を伸べていかなければならぬということはよくわかるのですが、なかなか情勢はそう簡単ではないように伺っております。鉄道建設審議会や小委員会もこれから行われるようでありますので、深くはまだ私ども想定はできませんが、少くとも当局としてのお考え方について最初に伺っておきたいと思います。  委員長、済みませんが、この質問が済んでから、経済企画庁農林省にやって終ります。
  52. 八木利真

    八木説明員 ただいまお話がありました智上線と勝倉線でありますが、勝倉線につきましては、実は関金までは、昨年度でしたか工事は竣工いたしたはずであります。それで、その先の問題が今後の建設線の問題として残っておりますが、智上線につきましては、これはまだ全然新しい問題でありまして、実は鉄道の新線建設につきましては、現在全国二十六線の新線建設をやっておるわけであります。それから、次に今後新線建設をすべき線として調査したらどうか、こういうことを鉄道建設審議会でおきめ願いました線が十六線ありまして、その十六線につきましては、おおむね本年度で調査が終りまして、今後の取扱いにつきましてどのようにするかを、建設審議会の会議で御審議を願うことになると思いますが、そういうような関係で、現在のところ、建設いたしております線と、調査しております線がたくさんありますので、今後、智上線とか、あるいは勝倉線のように、相当地方開発には有望な線と思われますものをどのように組み入れていくかということにつきましても、建設審議会の方にお諮りしてきめていきたい、このように考えておりまして、実は今月の二十五日でありましたが、鉄道建設審議会を開きまして、そのような点につきましてはその審議会に小委員会というのが設けられておりますので、そこで検討していただくことにしておるわけであります。事務当局といたしましては、各府県知事さん、あるいはまた、いろいろな団体等からもずいぶん陳情等もありますし、関係各省からも、資源の開発という意味におきまして御要望が相当ありますので、それらの点につきましていろいろ整理を行なった上で小委員会におかけをしていきたい、かように考えておる次第であります。
  53. 足鹿覺

    足鹿委員 小委員会の見通しはいつごろですか。
  54. 八木利真

    八木説明員 小委員会につきましては、ただいままだ予算も審議中でありますが、予算通りましたら至急小委員会にお諮りして、予算との関連を見ながらおきめを願いたい、かように考えております。
  55. 足鹿覺

    足鹿委員 いろいろとお尋ねしたいのでありますが、この問題はまた後刻別な機会で取り扱うことにいたしまして、最後に、経済企画庁なり農林省に伺いたい。特に私は国土開発と農産資源の開発問題について申し上げたいのであります。この前の前の当委員会におきましても私はこの問題を力説したわけでありますが、台湾なり朝鮮なり、あるいはその他の地域を失った日本としては、国内において食糧の自給自足をはかっていくという基本が、国土開発の場合に、農産資源の開発関連をしまして、これは大きな柱の一つであろうと思うのです。ところが、現状を見ますと、われわれの見たところでは、五百万町歩ぐらいのまだ開墾可能な地域があり、緊急開拓の対象になる百五十万町歩も、五十万町歩を開墾して、百万町歩はそのままに放置されておる、こういう実情であります。また、現在の農産資源の開発並びに農業政策の根本を見ますと、水田に非常に力が入れられて、土地改良にしましても、あるいは技術の面にしましても、あるいは農業経営の面にしましても、すべて従来日本の農政は米に重点が置かれておった。従って水田に非常に力が入れられたことは、御存じ通りであります。近来、政府が畑地振興問題を取り上げて、その対策に乗り出したことは、まことにけっこうだと私ども思いますが、その予算たるや全く微々たるものであって、このような状態では、いつその成果が現われるのか、それすらも見込みがつかぬ、こういう実情にあるわけであります。先ほども申し上げましたように、昭和四十二年におけるところの日本の産業、経済、人口その他を見越して計画が立てられるならば、当然食糧事情の緩和を企図すべきであるのに、農産資源の開発についてその熱意を政府が失い、そしてその施策も、予算面において見ましても、昭和二十八年、九年に比べますと、本年度は総額予算の七・四、昭和二十八、九年当時は一六・五、半額以下に落ちております。こういう状態であって、国土の総合開発の面において大きな柱ともいうべき農産資源に対する開発計画というものは、退潮の一途をたどっております。特に私が畑作問題を重視しますゆえんは、昨年青森の上北地区、また、本年北海道の根釧地区というような地区を見まして感じますことは、せっかく国が巨費を投じ、また、分割償還等について、受益者である農民に多額の負担をかけるわけでありますが、せっかく大規模な農場ができても、耕地をまた細分化して、中規模の農家を作っている、こういうやり方がとられております。ところが、上北地区等におきましては、相当アメリカの機械も入れられ、土地改良の対策も最終的には講じられ、非常な成績が上っております。受益者の農民がどう償還をしていくかということは、今後の問題であろうと思いますが、少くとも現況を見ますと、非常にはつらつとやっておる。ところが、その隣の緊急開拓で入植した農家は、十二年も定住して牛の一頭も買えない。畑はやせるばかり、酸性土壌の改良をしようとしても、その費用もない。借金は三十万にも四十万にもなり、次々と山を下りていくという、持ちもささげもならぬ現状があるわけです。開拓政策が大きな転換期にぶつかっておるということは、現地のこの相隣した姿を見て、私ども非常に考えさせられたわけでありますが、少くともこれらの地帯は水田としての開発ではない。草なり、あるいは畑作物を中心とする畑作地帯としての将来を約束されておると思うのです。ところが、畑作の振興のための基礎条件ともいうべき土地の改良、またそれに必要な予算的措置というようなものは、水田中心のために、大体水田一〇〇に対して畑地予算は六という程度になっておるようであります。これを今後どう変えていくかということは、もっと国土開発的な大きな構想のもとに——全耕地面積五百七十万町歩のうち二百六十五万町歩は畑地であります。従って、開田可能なところもありましょうが、将来はどうしても畑地に対する国の国土開発の構想に基く大きな手が打たれない限り、この問題の解決はつかぬと思う。また、それなくして、米麦に依存した食糧の需給ではなくして、牛乳あるいは畜製品その他総合食糧の需給対策というものは私どもは立たぬと思うのです。現在の経済企画庁性格からして、各省の役人が出張って、そしてそこでお互いがめいめいに連絡をとりながら研究をしておる、一定の時がくればまた本省へ帰っていくというような性格では、強力な施策は期待ができないのでありますが、少くとも、最近の日本における国土開発の農産資源の面においては、畑地に対する重点施策ということがその根幹をなさなければならぬと私は思います。各地に点々と見本的なものがサンプル的に機械公団によってできておる。また試験施設も点々とできておる。しかし、全体として開拓政策はぐっと後退をしております。これには資金の問題とか、負債整理の問題とか、営農方式の問題とか、いろいろな問題の手当はなされており、またなされなければなりませんが、不徹底であります。問題は、国土開発という立場から大きく前進していくためには、水の問題が考えられなければならぬ。これは建設省とも関連がありますけれども、きょうは時間がありませんから、多くは申し上げませんが、たとえば、現在行われておる深層地下水の調査の問題を一つとってみましても、阿蘇地区にしましても、あるいは茨城の上総台地の成績を見ましても、相当期待が抱けるところでも、わずか六百万や七百万の調査費がついた程度でありまして、全国にわたってそういう深層地下水の調査が行われ、その調査に基いて一つの施設が行われますならば、開田も可能となるでしょうし、また、畑地に対する畑地灌漑も急速に発展をいたしまして、面目を一新すると思うのです。現在の既入植地を見ましても、一番困ることは、三年に二年までは冷害かあるいは旱害を受けて、三年に一ぺんの農作物がとれるかとれぬかです。それを解決するには、水の問題を解決してやれば一番いいのでありますが、水利の問題になると、既存の水利権とか、いろいろな点でなかなかむずかしい。従って、新しく水資源を大きく調査開発して、これを合理的に国土開発の面と関連してその対策を促進していきますならば、面目を一新することは明らかなのです。ところが、点々と、わずかに阿蘇と茨城の上総台地と、本年は山形県と大出ろくにようやく予算がついた程度であって、この程度をもってしては、いつ、この総合畑地対策というものに対する水の問題が解決するのか、とても前途遼遠だろうと思います。で、そういう問題を一つ提起して、畑作の後進性打開と、これに伴う国土開発的構想のもとに、思い切った施策を農産資源の開発面に計画を樹立される必要が非常にあると思うのです。この点について世耕長官にお聞きしたいのでありますが、参議院で予算があるそうでありまして、いたし方ありません。少くともそういう点について、もっとあなた方が力を入れ、本気になってこの問題を解決されなければならぬということを私は力説し、指摘をして、御所信があれば承わっておきたいと思います。
  56. 淺村廉

    ○淺村政府委員 ただいまお話がございました点、いろいろ私ども平素むずかしい問題として当面いたしておる問題ばかりでございまして、特に水の問題につきましては、私どもといたしましては、国土総合開発を進める上において非常に大きな重要な問題であるということで、各特定地域あるいは調査地域等において重要な問題を特に取り上げ、しばしばいろいろな方法で各省が集まった上で検討いたしております。なお、食糧関係の問題その他いろいろございますが、私どもといたしましては、先ほどもお話がございましたように、全国総合開発計画をできるだけ早くまとめ上げたいということで、ただいま非常に努力をいたしております。お話のございましたように、企画庁という役所の性格もございまして、すべてこれは各省からの協力がなければ十分な計画も達成できない点がありますので、私どもといたしましては、そのような点に十分意を用いまして、なお大いに努力をいたして参りたいと思います。  なお、食糧関係の問題は、これは私どもが直接所管をいたします問題ではございませんので、私からお答えするのは適当でないと思います。
  57. 清野保

    清野説明員 畑作の後進性の打開について、大いに努力しなければならぬという御意見でございますが、まことに同感でございます。ただ、畑作はなぜ後進性を持っておるか、こういう点について考えてみますと、ただいまお話のように、まず第一に水の問題、あるいは火山炭土壌、また、土壌の劣悪の問題、あるいは土壌中におきますところの線虫と申します病虫害の問題、こういう問題が総合的にからまってきまして、現在まで施策が伸びなかった、こういうふうに考えております。  地下水につきましては、先ほどもお話のように、用水にたよることが非常に困難になって参りましたので、どうしても地下水にたよらざるを得ない。予算は、御趣旨の通り不十分でございますが、これらのテスト時代を経過いたしまして、今後予算の増大をはかり、地下水によって畑作開発を行なっていきたい。土壌につきましては、開拓地土壌調査を行なっておりますので、これらの土壌調査に基き、将来土壌の改良についても今後研究していきたい、かように考えております。  なお、これらの点を一応現在総合的に考えまして、費用といたしましては、鹿島南部とか、鏑川、こういうものは、畑作関係予算ではございませんが、いわゆる国営の灌漑排水の予算でもって、これらの畑作並びに水田を総合的に開発するという意味合いにおきまして計画を樹立し、一部実施に移しておりますので、かかる予算ともあわせ考慮いたしまして、今後畑作開発につきましては、お示しのように、十分後進性の打開につきまして努力いたしたいと思います。     —————————————
  58. 志賀健次郎

    ○志賀(健)委員長代理 次に、東北開発株式会社に関する問題等に関して西村力弥君より質疑の通告があります。これを許します。なお、西村君に申し上げますが、だいぶ時間が経過しておりますから、きわめて簡潔にお願いいたします。
  59. 西村力弥

    西村(力)委員 東北開発に関しまして、具体的に申しますと、山形県の酒田市にある、東北開発が出資をしておる日新電化、その工場の問題でありますが、現在、私たち非常にこの成り行きを憂えておるわけなんです。私が本委員会で取り上げる趣旨は、東北開発が国の施策としてやられまして、相当の国費を投じて、また、地元の人々もそれを非常に喜んで受け入れて、今進められておるわけなんでございます。ところが、一方においてこの工場の成り行きを考えてみますと、相当危険な状態になってくるではないか、こう思われるのです。このままに放置するわけには参らない、かような立場から、これを監督する立場の皆さん方にいろいろとお尋ねをしたい、こう思うわけなんです。  酒田は、一万トン岸壁もできるし、その工場は非常に岸壁の近くであり、広大な敷地を持っておる、発展性が大きく約束される工場なんです。そういう点からいいましても、なお一そう皆さん方の関心を高めていただかなければならない、こう考えているのですが、あそこの資本金は幾らで、東北開発はそれに対してどの程度所有しておるか、それから現在の生産はどんなものをやり、月産どのくらいまでなっておるか、それから近ごろの経営の実態、経理の実態、そういうものはどうなっておるか、それからまずお尋ねをしたいと思います。
  60. 淺村廉

    ○淺村政府委員 企画庁といたしましては、日新電化は東北開発会社の子会社でありますが、私どもは、東北開発株式会社法に基きまして、東北開発株式会社自体に対する監督権を持っております。たとえば、その業務の事業計画の認可であるとか、その他重要な事項に関する承認であるとか、いろいろ形はございますが、直接の監督は東北開発株式会社に対していたしておるわけでございます。この子会社に対しましては、私どもは別に法的に直接監督権を持っておりませんので、これは開発会社の方の関係にまかせておきまして、私どもは一々その業務の内容について、詳細にわたって報告を求める等のことはいたしておりません。私がここでただいま承知いたしております点は、資本金は五百万円、東北開発は五一・三%の株式を持っております。それから生産品といたしましては、苛性ソーダ、塩酸、さらし粉、液体塩素その他でありまして、月産幾らか、その辺のことにつきましては、ただいまあまり詳しい資料を持っておりません。
  61. 西村力弥

    西村(力)委員 あなたに申し上げますが、昨日ですか、委員部を通して委員長からも、こういう問題についてお尋ねをするから、十分に調査をしておいていただきたいということを連絡しているはずです。連絡しておるのに調査のできないはずはない。たとい子会社としても、東北開発という一つ方針からしまして、これはあなた方の関心の的にならないということはないはずなんです。直接監督権はなくとも、調査されないはずはない。そういう態度で本委員会に出られるとすれば、われわれは非常に重大に考えなければならぬのです。一体その連絡を受けましたですか。委員部からの連絡を受けましたですか。
  62. 淺村廉

    ○淺村政府委員 私承知いたしておりますのは、日新電化の問題について、きょう当委員会お尋ねがあるという点を承わっておったのであります。
  63. 西村力弥

    西村(力)委員 それでは、そういう申し入れを受けて、どういう調査をなさいましたか。
  64. 淺村廉

    ○淺村政府委員 実は当委員会でその問題についてお話が出るということでありましたが、私はかねていろいろ問題があることを聞いておりましたので、その点についてのお尋ねではないかというふうに考えまして、それに対して私どもの立場をお答えいたしたいというつもりで出て参ったのであります。
  65. 西村力弥

    西村(力)委員 どういう調査をなさったかと私は聞いておるのです。資料が不足ならば、十分調査をして出てもらわなければならぬと思うのです。それはなさらないのですか。特別な調査はなさらなかった、こういうことですか。
  66. 淺村廉

    ○淺村政府委員 会社の業務内容について、たとえば、どういうものが月産幾ら出るかということは、実は私うかつでございまして、手元に資料を持たずに参りましたが、調べれば直ちにわかることでございますので、必要があればそのようにいたしたいと思います。
  67. 西村力弥

    西村(力)委員 それはすぐ取り寄せていただきたい。  ところで、これは大臣に来てもらわなければいかぬと思うのですがね。東北興業の前歴というものは、われわれはよく知っておるのですよ。国策的な立場でできた東北興業が、相当大きな仕事を手広く始めたけれども、その結末というものはどんなであったかということは、東北の人々は全部知っておる。ですから、今度東北開発ができて、東北開発仕事をなさるという場合に、前者の轍を踏むことは絶対に避けなければいかぬ、警戒しなければいかぬ、こういうわけです。私たちはその点も相当大きく関心を持っておるのです。それに対して、法において直接の監督権がないからというような、役人らしい見解を持って東北開発の問題をあなた方が管理するということになってくると、やはり前の東北興業のような結末に陥っていくのではないか。ここのところは、たとえ直接の監督権はないにしても、東北興業のあのような醜態を見ないように十分に監督をし、管理をしなければならぬのではないか、こう思っておるのであります。この件については大臣に来てもらって、はっきりとしていかなければならぬ、こう思うのです。  それでは、今の件はそれにしまして、今この工場が争議に入っておりまするが、争議は、労働問題ですから、一応それを別の問題としましても、この日新電化がいろいろな問題を持っておるから、そういう争議なんか発生するわけなんですが、その日新電化の現在持っておるいろいろな問題、この会社が生産量が下るなり、あるいは経営があまりよくいかないという、そういうような問題が出てくる内部的ないろいろな問題についてはどういう工合にあなた方はお聞きになっておるか、どういう工合に考えていらっしゃるか、その点について……。
  68. 淺村廉

    ○淺村政府委員 私率直に申し上げますが、私が聞いておりますのは、この労働問題でいろいろ紛争があるということでありまして、現在企業の実態が果して実際どうであるというようなことは、こまかいことまで私よく存じませんけれども、当面、労使間の紛争の問題でいろいろ苦労をしておるということを私は聞いております。
  69. 西村力弥

    西村(力)委員 労使間の紛争という問題で苦労をしておる、それは経営者側も苦労するでしょうけれども、ストライキをやるというようなことは、自分たちの職場を放棄してやる、給与をみずから捨ててやるのですから、苦労ということは両方のことなんですがね。これを再度お尋ねした場合に、その程度のことはあなたの方で調べてきていただけるだろうと思うのですが、それはお約束できますか。
  70. 淺村廉

    ○淺村政府委員 お尋ねして大へん恐縮でございますが、どのような点を調べて参ったらよろしいのでございましょうか。今私の方でちょっとお答えできなかったのは、生産額が幾らかというような点等でございましたが、もう一度おっしゃっていただきたいと思います。
  71. 西村力弥

    西村(力)委員 こういう事態に至っているその内部的な問題、これはいろいろあるだろうと思うのですが、そういう立ち入った点にまであなたの力で十分調査していただきたい、こういうことなんです。それはできますか。
  72. 淺村廉

    ○淺村政府委員 これは大へんむずかしい問題でありまして、私まだ直接突っ込んだ話を両方から聞いておるわけじゃございませんし、かりにいろいろ調査をいたしましても、果して正しい資料をつかみ得るかどうか、これは私ちょっとただいまのところ何とも申し上げかねます。私どもといたしましては、いろいろ問題もあることでありますから、状況を正確に把握したいとは思っておりますけれども、果していつ、どのような形で把握できるかということについては、ちょっとこの席ではお答えいたしかねるのでございます。
  73. 西村力弥

    西村(力)委員 それであなた方の警戒されている点が明瞭になりましたから、そうなれば、事の自然として、東北開発の人を参考人として呼んでいただかなければならぬ。これは断わる筋はないわけです。これははっきりさように委員長においてきめていただかなければならぬ。
  74. 志賀健次郎

    ○志賀(健)委員長代理 もう一度おっしゃって下さい。
  75. 西村力弥

    西村(力)委員 今の局長の答弁からずっと見ますると、当然のこととして、これはやはり東北開発の、直接関係をしておる総裁なり副総裁なり、担当の理事なり、そういう人を当委員会に呼んでもらわなければいかぬ。これはあなたの方で断わる理由はないじゃないですか、今の答弁から見まして……。ぜひ一つさように委員長においてやっていただきたいと思います。
  76. 志賀健次郎

    ○志賀(健)委員長代理 この問題は委員長一人で善処できませんから、次回の理事会において御相談の上、決定いたします。
  77. 西村力弥

    西村(力)委員 それでは、次回に東北開発の直接担当の人に来ていただいていろいろお聞きすることにしまして、ただ、あなたの方に知っているか知っていないかお聞きしたい点は、山形県の県議会において、この会社のあり方について一つの意思表示をしている、このことは知っていますか。
  78. 淺村廉

    ○淺村政府委員 私はまだその点についてはよく存じておりません。
  79. 西村力弥

    西村(力)委員 それでは私が申し上げますが、昨年の三月二十八日、山形県の議会運営協議会において、こういうことを議事録に残しております。「議会としての体面上、上級機関たる東北開発総裁に折衝すべきである、この際議会の総意として罷免決議文を議決したい。右発言に対し、現段階の客観状勢より見て、余りにも刺戟を与えることも考慮すべきで、決議をやめ、予算委員長報告に挿入し陳情の際口頭を以って罷免要求することに決定した。」この議運の決議に基いて、予算委員長報告は、同日、こういう工合に議事録に載っておる。「山形県議会本会議に於て予算委員長の次の報告が全員異議なく確認された。」ずっとありまして、その関係の個所だけ読み上げますと、「日新電化の争議に関し、同社首脳部の経営態度には、はなはだ遺憾の点があり、ひいては本県産業に重大な影響を来たすおそれありと憂慮されますので、上級機関に善処方を折衝することになりましたので、各位の御諒承を得たいと存ずるものであります。」こういう工合になって、全員異議なくこれを承認しておる、こういうことになっておるのです。これではっきりすることは労働争議は不介入の方針でおるでしょうけれども、これの発生する原因を考えてみたときに、県議会としては、同社首脳部の経営態度にははなはだ遺憾の点がある、こういうことを断定しておる。こういう重大な地元の県議会の意思表示がある。あなたの方では直接監督権はないというような工合に言われますけれども、こういう意思表示を今お聞きになったならば、事の重大性に関しては十分に認識を深めていただかなければならぬじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  80. 淺村廉

    ○淺村政府委員 私は別に、開発会社の子会社であるから、法律上監督権がないので、何も知らぬ顔をしているわけではないのであります。まあその問題に直接ではないかもしれませんが、私の考えは、現在聞くところによりますと、この問題が中労委あるいは地労委に審査請求中の段階にあるということであります。従いまして、私どもが現在それについて、特に法律上の建前もございますし、直接介入して何らかの意思表示をするということは、慎しむべきであるということで、ただいまに至っておるわけであります。
  81. 鹿野彦吉

    鹿野委員 私はこの際、西村委員が発言された問題について、関連の問題として発言をいたしたいと思います。西村君も山形県出身で、私も山形県から選出されておる者でございまして、ことに私は経済企画庁の政務次官をやっておりました当時に、東北開発株式会社の人事などについてもやった当面の責任者として、これは大いなる関心を持っておる問題でございます。そうしたこともございまして、昨年の暮れ、労使双方の立場に立って、あっせんの役割をいたしたことがあるわけでございます。もちろん、今政府委員の言われましたように、地方労働委員あるいは中央労働委員会において、いろいろとこれがあっせんの労をとられておることでございますから、おられることを承知しつつ、できたならばそうしたこともなるべくすみやかに解決されて、そして山形県の産業発展のために、また、ここに働くところの従業員の仕合せのために、私はこういった立場から、県の地方労働委員会委員の諸君、あるいはまた、これを扱うところの事務局長などとも連絡の上、誠心誠意この問題について仲介の労をとったことがございましたが、その折に私の当面した問題は、決して経営人が一方的に悪い、誠意がないというような事実は全然なかった。労働組合の幹部諸君にまことに遺憾な点が非常にあった。すなわち、約束したことを全然実行しない。私は組合員諸君に対しまして、経済的な闘争をやるのか、政治闘争をやるのか、もしも政治闘争をやるならば、私は関与しないけれども、経済闘争をやるならば、こういう前提で私はあっせんの労をとりましたけれども、私の経験いたしたところでは、そうした点に非常な誠意が認められなかったという事実もありますから、西村委員においてもなお十分調査いたしますとともに、政府においても、こうした問題を調査されますときに、そうしたことから御調査を下さるように御要望申し上げますとともに、中正なる立場においてこれをお互いがあっせんいたしますことは、東北全体の開発という立場からの山形県の産業発展のためばかりでなく、従業員諸君の仕合せのためにもとるべき方法であると思いますので、この際一言いたしておく次第でございます。
  82. 西村力弥

    西村(力)委員 あなたの仰せられることに反駁するわけじゃないですけれども、県議会がはっきり議事録に残して、そういう決定をしておるということ、また、鹿野君が仰せられたような立場がもしあるとするならば、こういう議決はなさらないはずですよ。
  83. 鹿野彦吉

    鹿野委員 それは議決のあとです。
  84. 西村力弥

    西村(力)委員 だから、こういう決定が出ておるようなことを、今おっしゃったような工合に無視されるというようなことは、僕は重大だと思うのです。あなたにいろいろ聞いても、何か口にたがをはめられてしまったのかどうか、よう言わぬようです。今、鹿野君が言われましたが、私たちの聞いているところでは、この会社の労働者諸君は隠忍自重を長いことやっておりまして、昭和二十八年に三千円の給料値上げをしたあと、今もって全然なされていない。そうすれば何年かになると思う。もう六年近い。会社発展のためには、労働者諸君が全力を尽して働くような工合にしていくというのが、経営者の当然考えるべきことです。ところが、六年間も全然賃上げをしない。先ほど別の人から見せてもらった資料によりますと、少し値上げをしたといわれますが、四年間に二百円ぐらい上げたような格好に平均はなっております。しかし、そんなものは賃上げの部に入るでしょうか。賃上げになったのはどういう人かというと、課長に抜擢された人、そういう人々は、役付手当は五百円から千五百円に上げられた。そういう人はまた賃金も千五百円ほど引き上げをされた。こういうことだから、平均すれば二百円やそこらの賃上げは出てくるわけです。これは労働者の賃上げとは言えない。そういうところにこの会社の問題が大きくあるのです。もちろん、設備の面なんかにおいても、これが東北開発のほんとうの効果を生むためには、古いあそこの設備を更新していく。今何とかいう古い方法でやっておる。新しい方法は水銀法だそうですが、そういう方法にかえる。これは当然東北開発考えてやっていかなければならぬものであると思う。そういう設備上の問題もありますが、もう一つ、大事な労働者の生産意欲というものがこういう工合にして押しつけられてきておる。これでは、どんなにうまいことをいわれたって、この会社がうまく発展するはずはない。また、労働問題で、今問題になって、中労委の審問にかかっておる問題は、経過を簡単に申し上げますと、係長、それは相当な技術者で、大学出もおる、高専出もおる、そういう人々を、組合の紛争中に、非組合員化するために課長に引き上げた。ところが、そういうのは不当労働行為であるから、その辞令を返上する、こういったところが、あとでその係長を全部今度は六級職の雑役にした。大学出の技術者が石炭運搬をやっておる。それが十二名いる。こういう労務対策は、全く前近代的ですよ。これで会社の発展、生産の増強なんかできるはずはない。こういう不幸な長期ストライキに突入してしまったが、問題はそういうところにあるのです。だから私は、そういう点を十分に調査していただかなければならぬと確信してお伺いしたわけなんですが、あなたの方から十分なる答弁をいただいていないのです。今私が申したような工合に、争議が発生した根本は、賃上げが行われておらない。しかも長期にわたった。また、そういうむちゃな労務対策が行われている。この問題については、山形の地労委というものは、謝罪文を工場に掲示すべきだという判定を示している。そこまでいっているのですよ。今私が申したようなことについて、あなたの方で十分にお聞きになっていらっしゃるかどうか、どうですか。
  85. 淺村廉

    ○淺村政府委員 私はあまりそのような詳しい点までは聞いておりませんが、先ほど申し上げましたように、私は、まだこの問題については企画庁としては介入すべきじゃないという考え方でおるのでありまして、今まで組合の方から、どういうような状況だということの簡単なお手紙をいただいたことがございました。なお、会社側からは、日新電化の状況がこうだということを大体言って参っておりますが、両方言うことがまるで食い違っておりまして、会社側の方の主張は全然違う考え方をしております。私どもとしましては、別にどうこうということは考えておりません。地労委、中労委に審査請求中の問題もございますが、そちらの機関の方の扱いにまかせるというのが正しいということで、今日に至るまでこの程度で静観しておるわけであります。
  86. 志賀健次郎

    ○志賀(健)委員長代理 先ほどから丹羽君から発言を求められておりますので、丹羽君に発言を許します。丹羽君
  87. 丹羽兵助

    ○丹羽(兵)委員 関連して——地元の議員として特に地方開発を御心配いただいて、しかも東北開発という形を通して日新電化が出資を求めておるそういうような関連で、地元西村議員から非常な御熱意を持ってお尋ねをいただいておるのです。その気持はわれわれも十分了解することができるのであります。そこで、西村委員からお尋ねで、政府当局はその立場を明らかにせられた。しかしながら、東北開発そのものに対する監督権はあっても、直接日新電化に対する監督権はない等々のことで御答弁になった。先ほど西村さんからは、しからば、日新電化でなくして、東北開発そのものが出資をしておるのだから、これに対して東北開発意向を聞いていこう、内容調査をしていこう、そのためには、総裁等の御出席を求めて、参考人として聞いていこうという要求があった。委員長はこれに対して、後日理事会に諮って、理事会で協議の上、その申し出を善処するように考えていこう、こういうことで、理事会においてどうなりますか、そのとききまるでありましょうがこういう立場においての進め方、また事業に対するわれわれの調査をすることが必要だと思うのでありますけれども、今この話を聞いておりますと、その話の内容というか、御質問内容が、私どもにも両方から陳情やら、立場を明らかにした書類が来ておりますけれども、労働争議の内容に触れての問題に入ってきておるようであります。片方から来ておりますところの調査というか資料を見ますと、千円以上げた、この解決に努力しておるといっておる。また、先生の御発言でいえば、二百円か三百円しか上げていないというようなことで、これは全く労働争議のようなことになる。しかも、身分とかあるいは待遇の改善だとかいうことに入って参りますので、これらの点を私ども考えてみますと、これを真剣にやるならば、この委員会でやるべき筋合いのものではないと思う。これは社会労働委員会の方で、労働争議として取り扱って究明していただけば私はいいと思う。それで私の特に関連として申し上げて要望したいのは、先ほど、せっかく西村委員から東北開発の方を呼ぶことの要請があったのですから、それを今後の理事会で一つ取り上げて十分検討した上に、もっと深く入るなら入る、こういうことにして、争議の問題をここでやられても私ども一向わかりませんし、またここでやるべき筋合いのものでないように思うので、委員長の方に、お尋ねになるなら労働争議の問題とは切り離して、会社の経営等々のこととして進められんことを望みたいと思うのであります。
  88. 西村力弥

    西村(力)委員 今お話がございましたが、確かに労働争議それ自体を問題にしようと思っていないのです。ただ、私ども東北の者としては、東北興業がこの前莫大なる地元の金やら国費やらを使って、その結末はどうしたかということを考えるときに、東北開発に切りかえられた現在においても、あのときの教訓というものは私たちは十分に腹に据えてかからなければいかぬ。そのためには、東北開発を担当せられるあなたの方でどういう処置をせられることが大事であるか。子会社には直接監督権がないにしても、常に東北開発というものがみじめな終末を告げないように、莫大なる国費というものが浪費せられないように、直接日新電化とすれば、あれをつぶさないように、こういう観点に立って仕事をやらなければならぬ。ところが、問題が発生して、じりじりと危険な状態に来ている。その危険な状態のもとは何であるかと言うと、それは確かに設備が古いから、これだって更新しなければならぬという点が一つと、それから生産意欲を高める政策というものが全然行われていない。そのところだって、やはり東北開発というものを発展させるための一つの問題点として私は申しているのであって、労働争議自体としての委員会で取り上げろ、こう言っているのではない。そういう問題点をよく調査してわかっていただいて、そうして東北開発を指揮していただき監督していただかなければならぬ。そうして今危険な状態に来ておるこの日新電化を、一日も早く改革して発展の方向に持っていくように、いろいろと指導していただかなければならぬ、こういう立場で申し上げているんですよ。私は何も組合側のなにを持ってどうこうとか、あるいは、日新電化の首脳部に対する個人的な関係とか、そういことから問題を言っておるのじゃなくて、東北開発を一方において進めれば、一方において東北開発の子会社で、開発の一環であるそういう会社が、非常に危険な状態に来ておる。それに対してあなた方でもっと積極的に出てこなければならないんだ、こういう立場で今発言をしておるわけなんです。ところが、実際には何ら責任ある、また十分に認識せられた上の答弁がいただけない。だから、今丹羽委員が仰せられたように、直接東北開発会社の関係の人々にやはりどうしても来ていただかなければならぬ、こういうことになって参るわけなんです。そうして必要によっては、これは労使の問題としては社会労働委員会の方で取り上げなければいかぬ。労使双方出てもらって、その問題は糾明していかなければならぬ、こう思うわけなんです。それで、のれんに腕押しのようですので、やめなければならぬと思うのですが、いずれにしても、東北開発の人に来てもらうにしても、あなたの方でこのたびの実態というものをほんとうに誠意を持って調査していただかなければならぬ、そうして早急に問題の解決する方向に全力を尽していただかなければならぬと思うのですが、その点を一つあなたの立場からお約束をいただきたい、こう思うのです。それは努力の仕方は限界があるでしょうが、しかし、東北開発会社自体を監督しているのですから、いろいろ言えないことはないわけです。
  89. 淺村廉

    ○淺村政府委員 私どもといたしましても、東北開発には重大なる責任を持っておるものでございますから、決して無関心でおるというわけじゃございません。先ほど来申し上げましたのは、監督の建前を申し上げたのであります。なお、この当面の問題について、もちろん私もできる限り事情は調べたいと思いますが、何しろ非常に複雑な問題でありますので、正確に実態がつかめるかどうかという点につきましては、これはむしろそういうことを直接やりなれておる官庁でもございませんので、あまり簡単にお答えをいたしかねると思いますが、ただ、私の方はいろいろ調べてみたいということは、はっきり申し上げてよろしいと思います。
  90. 西村力弥

    西村(力)委員 それからもう一つだけ付言いたしておきたいのは、他の委員から、中に入って話し合いをまとめた、それを破ったものは労働組合だ、こういうような発言がございましたが、この経緯をずっと申し上げればわかるのですが、それは略しますけれども、前の紛争が発生した場合、ここにおられる上林議員が仲介に立たれまして、第一次協定、第三次協定というものを結んでおる。その協定というものは一体履行されたのかどうか。この協定は全然履行されていない。こういうような状態にしておいて、鹿野君せっかくの御努力でしょうけれども、それが破られたから、労働組合が誠意を持たないのだ、約束を破棄したのだとか、こういう発言は、この際適当でない。これだけはやはりどうしても私たちは付言しておかなければならないと思うのです。この点に関しては上林議員から発言があるでしょうけれども、私としましては、開発当局がこの問題の早急の解決のために全力を尽していただきたい。それをお願いする。そうして会社がこれ以上の不幸なる事態に進まないようにぜひやってもらわなければならないということ、これだけをお願いし、また、委員長には、先ほどお願いした理事会の議は、当然の手続でしょうけれども、今の話の行きがかりから、呼ばないなんということがないように、それだけはぜひ頼まなければいかぬ。以上申し上げまして、私の質問をおしまいにいたします。     —————————————
  91. 志賀健次郎

    ○志賀(健)委員長代理 次に、国土調査に関する件について北山愛郎君より質疑の通告があります。これを許します。北山愛郎君。
  92. 北山愛郎

    ○北山委員 時間がだいぶ経過しておりますので、簡単にお伺いしたいと思うのでありますが、最初に、今東北開発の問題が出ましたから、一点だけお伺いしておきたい。それは、東北開発の会社が、東北開発セメント工場を作ったわけでありますが、それが先般開業されて、そして予定した製品を出すことができたということは、大へんけっこうだと思います。ただ、その後の状況を聞いてみますと、せっかく生産しても、なかなか売れない、売り口に非常に困っておる、こういうことを聞いておりますので、一体販売状況はどうなっておるのか、それから、売れないから生産制限をしているのだというような状況があるのかどうか、こういう点も企画庁の方でおわかりであったならば、お答えを願いたい。と同時に、先ほど東北開発の会社の総裁を参考人に呼ぶという話がありましたが、こういう問題についても、この委員会に総裁あるいは副総裁を呼んで、セメント工場の状況を詳しく聞きたいと思うのですが、もし企画庁の方でおわかりであったならば、状況をお伺いしたいのです。
  93. 淺村廉

    ○淺村政府委員 セメントの問題につきましては、実は私昨年八月に開発局長になりまして、直ちに実情を調査いたしましたところが、やや遺憾の点も見受けられましたので、その後、私といたしましては、及ばずながら、セメント生産に大いに力を入れるようにということで指導いたして参りました。ただいまキルンが五本動いておりまして、結局全部動いておるわけでございまして、予定の生産量にだんだん達しつつあるわけでございます。問題は品質でございますが、品質については、昨年の秋ごろはややふぞろいでございまして、使用者側から若干苦情も出たように聞いておりましたが、その後会社側の非常な努力、あるいは各試験場等に依頼して分析をしてもらっておりました結果等が集まって参る等のいろいろの事情がございまして、非常に成績が上って参っております。今、別にその面から生産を制限しなければならないというような状態には立ち至っておりません。ただ、ときたま、昨年もございましたが、季節的に輸送の問題が起りまして、貨車繰りが十分でないというようなことで、若干滞貨したというようなこともございましたが、いろいろな問題を次々に克服いたしまして、ただいまセメントについては大へん順調な状況に入って参ったというふうに考えております。
  94. 北山愛郎

    ○北山委員 問題は、生産の方はいいとしても、販売の方が、従来のセメント会社等の販路があるわけですから、その中へ食い込んでいくというようなわけで、販売に非常な苦労をしておる。それは冬季というような、季節的な事情もあるでしょうけれども、それ以外にそういう販売上のいろいろな隘路があって、そのために十分の能力を発揮できないというようなことを聞いておるのです。もし企画庁で詳しい事情がおわかりでなければ、先ほどのお話もありますから、理事会で相談をしていただきまして、私は、そのセメント工場の点についても、総裁あるいは副総裁、あるいは会社の当局者の方からお伺いしたいと思いますので、この点を委員長において御配慮を願いたいと思います。  なお次に、国土調査の問題ですが、きょうは長官も次官もお見えになりませんから、政策的な問題は省きまして、事務的にお伺いをするのですが、きわめて残念なことは、国土調査の問題が、この委員会におきまして、数年来非常に重要性を強調されておるわけです。ところが、その予算が少しもふえない。むしろ逆に減っておる。私の調べたところでは、昭和三十二年度は一億八千百十二万円、三十三年度が一億八千五百二十七万円、これはあとの更正で減ったようにも思うのですが、昭和三十四年度は一億七千七百二十七万円、こういうように逆に国土調査予算が減っておるのです。ですから、この委員会において強調され、また、当時の高碕企画庁長官であるとか企画庁当局が努力をするといったことと、実際の予算状況は逆コースを歩んでおる。こういう事情は一体どこにあるのか。企画庁の事務当局として予算要求をしなかったというのではなくて、政府の方で国土調査を軽視しているという結果なのか、こういう事情を一つお伺いしたいし、こういうふうな予算の状態では、非常に重要な国土調査というものが一向進行しないんじゃないか、こう思うのですが、一体どういうふうにお考えになっておるのですか。
  95. 淺村廉

    ○淺村政府委員 確かに予算的に見ますと、お話がございましたように、国土調査が推進されておるということはちょっと言えないような感じになっております。私どもといたしましては、もちろん、国土調査を軽視しておるわけでもございません。大蔵省に対しまして、予算折衝の際には十分折衝もいたしますし、また、大蔵当局においても、国土調査法等に基く調査を軽視しておるわけではないのでありますが、種々の点から予算額が必ずしも満足な額にまで至っていないということは、申しわけないと思っております。私は、この地籍調査を特に何とか早く進めて所期の効果を発揮させたいということで、自分といたしましても大いに努力をいたしておりますが、予算的に見ましてもあまり十分な金額はついておりません。一応全体計画をもってやっておるのでありますが、どうも予算が少し少い。私、昔のことはあまり知りませんけれども、いろいろ聞いてみますと、地籍の調査については、従来は非常にこれはむずかしい調査でありますために、町村の実地にこれをやる人たちに相当知識を与えなければならぬ、指導しなければならぬということで、その仕事をやっておったわけでありますが、なかなかこの仕事をやる人たちが十分のみ込めないために、予算の消化が必ずしも十分できなかったというようなことが、かつてあったそうであります。しかし、私は特にその指導には力を入れておりますので、最近は非常に町村の方にも能力が出ておる、むしろ予算が足りないということで、いつも私どもは責められるようなことになっております。従いまして、私といたしましては、なお機会あるごとに関係の当局にもこの問題を十分話しまして、まだまだ先のあることでありますから、予算を大幅に今後増加することができるように大いに努力をいたしたいと考えておるわけでございます。
  96. 北山愛郎

    ○北山委員 そういうこまごました理由というか、そういう措置でなく、もう少し企画庁としては、国土調査の問題について大きなPRというか、大きな態度を表明すべきじゃないかと思うのです。ちょうど最近において、憲法の第九条の解釈について、東京地方裁判所が画期的な判決を下した、ああいうふうなのは一つの清涼剤なんですが、それくらいな気魄をもってこの国土調査について企画庁としての大きな構想を立てて、国土開発審議会もあるわけですから、それでもって決定してもらうというようなことにしなければ、ただ事務的に大蔵省と折衝しているというだけでは、従来のままだと私は思うのです。事務当局が不熱心だとは私は思いませんけれども、この問題についての政府方針が非常に熱意を欠いている。委員会答弁では一応のことを答弁しますけれども、実際には忘れてしまっておる。こういう点ははなはだ私は遺憾だと思う。国土開発基礎をなす土地の調査ですから、それが、狭いといいながら国土の調査をほとんどやっていない、実測をやっていないというようなことは、どうしても納得できない点です。この調査をしなければ、土地の高度利用の基礎ができないわけですから、そういうふうな事務的なこまかい折衝ではなくて、企画庁としては大きくこの問題を取り上げてもらいたい、こういうふうに思うわけです。ことに今度メートル法が実施されたわけですが、従って、土地の面積についても全部メートル法にしなければならぬだろうと思う。こういうことについては、企画庁は一体どう考えておるか。
  97. 淺村廉

    ○淺村政府委員 お話がございました国土調査につきましては、私どもといたしましても、もっともっと推進したい気持で一ぱいでございます。もちろん、PR等も十分今後とも行いまして、努力を続けたいと思います。  なお、メートル法実施に伴う表示の問題は、現在メートル法を用いまして表示をしておるのでございます。
  98. 北山愛郎

    ○北山委員 土地台帳とか、ああいうものはみんな今、何町何反とか何坪とか書いてあるが、そういうことじゃなくて、ある期限になれば、やはりメートル法にしなければならぬでしょう。その基礎になるのは、やはり調査だと思うのです。そういうものはどうするのですか。
  99. 淺村廉

    ○淺村政府委員 現在は、メートル法を用いなければなりませんので、台帳にメートルを併記するという方法で実施いたしております。
  100. 北山愛郎

    ○北山委員 これはたしか土地の整理に当っては、メートル法実施の猶予期限といいますか、何年ですか忘れましたが、その期限があるはずです。それで、そういう期限ともあわせて、やはり国土の実測というものを、新しい角度から実際に合う台帳——現在の台帳というものは、実測と合わないのです。合わないのが問題なんです。台帳に掲げてある数字をただメートルに換算してやればいいというのではなくて、実際の台帳面積というものは、この前も申し上げましたが、私有林についても五割近い食い違いが、林野統計と比べてみると、あるのです。そこに問題がある。台帳面積が今の地籍の実態を表わしていないというところに大きな問題があるわけです。それ以外に、その土地の分類の調査、あるいはそれを基礎とする土地の利用区分というようなことに発展するためには、どうしても国土調査を進めなければならぬ、こういう重要性があるわけですから、その点を進めていただきたい。  きょうは長官もおいでになっておりませんし、時間もおそいのでありますから、これ以上は続けませんが、この委員会は次に四日に持たれるということで、そのときに、この委員会として、国土調査を推進すべきだというような決議をして政府を鞭撻することが必要じゃないかと思う。その方が企画庁としても仕事がやりいい、こういうように考えますので、私は次会に長官がおいでになったときに、十分この問題について長官にも認識を深めてもらう、と同時に、委員会としては、そういう決議をいたして企画庁、政府を鞭撻するというふうにいたしたいと思います。一つそういうような手配をお願いして、私の質問を終ります。
  101. 志賀健次郎

    ○志賀(健)委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後一時十分散会