○塚本
委員 工事がおくれておったというお話でありますが、私は、これは全然違うと思っております。と言いますのは、
工事がおくれておるということ、最初の
計画で、たとえば
土橋におろす、あるいは
紺屋橋でございましたか、
東京駅寄りの方を、もしあの
通りに行なったとするならば、おそらくこれは、都民怨嗟の的になるであろうことは火を見るよりも明らかだと思うわけです。しかもそのことを、二十八年の議事録で見ますと、
瀬戸山委員が、
昭和通りまで延ばさないことにはだめだということをるる
説明しておいでになるはずです。それを振り切って、実は最初の
計画でいきますと、
土橋あるいは
紺屋橋へおろすということになる。昨日
予算委員会においても質問申し上げたわけでございますけれども、十六メートルの
道路に対して、出先きがわずか六メートルでございます。十六メートルの
高速道路に対して、T字型になっているところがわずか六メートル。その左へまっすぐ進むところの
道路、これまた六メートル、こんな
道路にしたら問題にならないと思うのです。そう
考えて参りますと、
計画そのものが、やはり
昭和二十八年に
瀬戸山委員なり村瀬
委員等がそのことをやかましく追及いたしまして、もしそこでとめるとするならば、
道路でないはずなんだ、それは
道路の地下を利用することである、しかもその利用も、倉庫としては全く用をなさない形の
計画しか見当らないのだ、こういうことを追及しておいでになるわけです。だからきょうの
大臣の言明によりまして、
昭和通りまでやらせるということで、
道路として初めてできる形になっております。過ぎ去ったことであり、当時と
大臣が違っておりますから、この点の言明をあまり追及することは、
責任の所在がずらかっておりますから、この
程度にしていきたいと思いますが、それでもなおかつ幾多の疑問が残されております。たとえば当時の議事録を読んで参りますと、七つの大きな会社に坪当り十万円ずつ十五カ年お借りして、その金の八割くらいで建設するのだ、こういうようなことが言われております。坪当り十万円といいますと、地下と一階と二階ということになっており、しかも、きのう私は中をずっと地下から二階まで見て参りましたが、今日完全にいずれも利用せられております。そういたしますと、坪十万円ということで三層でございますから三十万円です。ところが建設費は幾らかということを聞いてみますと、実は
一般道路、下から上まで全部で平均十万円であると、きのう
説明の方は言っておられる。橋梁にして十五、六万円、だから
一般のあの下の商店街に使っているところは十万円、ところが借りている金は実は三十万円だということです。またその金を貸したところの、七つか幾つかが出しておりますが、日興証券であるとか、あるいは毎日新聞社、エスビー食品会社、こういうような会社が実は十万円ずつということで借りておりますが、またそれを転貸ししております個々の借料、保証金という名前だと思いますが、これは、
佐藤委員が前々会坪当りに対して六十万ないし八十万している、こういうことも当
委員会において言明せられたわけでございます。そういたしますと、もちろんそれは通路等にもとられるから、たとい半分だといたしましても、三十万ないし四十万という金額になるでございましょう。その二十万ないし四十万という金額が、地下と一階と二階ということになりますと、少くとも坪百万円という金が出てくる。
工事費が平均十万円、そして一番金のかかる橋が十五、六万であるにかかわらず、少くとも坪当り百万円は金が出ている。これはしろうと勘定であります。実は平気でそういうことが行われている。こういうことを見てみますと、やはりあそこには完全な汚職があると、しろうとの人たちが言うのも無理ないと思っております。しかもなお
道路という名目によってカムフラージュせられており、しかもそれに対する監督権が十分行き届いておらなくて、
道路として供用がおくれているというけれども、実はおくれているのではなくて、この
通りにやったならば大へんなことになるから、おそらくこれも前々会
道路局長が言明された
通りストップされている。これも正しいと思う。そういたしますと、疑惑の中心は
東京都であることはもちろんでございますが、この点、火曜日に
参考人も来るということでございますから、追及はいたしませんけれども、建設
委員会が無力であり、
大臣の指導が十分でなかった。これは、しろうと勘定がそういうふうに出てくる以上、これを解くべき手段を講じない限りは
山中委員が先ほど御質問申し上げましたように、やはり同様とは言いません、もちろんこれは個人の会社であり、今度は
公共企業のような形でございますから、十分この会社とは違って監督権は行き届くではございましょうけれども、しかもそれと同じに
道路をつなぐということになりますれば、やはりこの疑惑をはっきり解いておくことが、この
道路公団の
道路建設に対して、今後これをスムーズに建設するために大きな力になるのではなかろうか、これをはっきりしておかないと、住民から幾多の問題が出てきてしまう。そういう
意味で、私どもは今さら決算
委員会でございませんから、この
責任を追及しようとか、そういうことは毛頭いたしませんけれども、やはり最初の失敗をきれいにすることが、あとの
工事をスムーズにさせるためにも必要である。しかも私どもが町に出て参りますと、建設
委員がぐるになっているとか、あるいは
建設省がぐるになっていると言い、運輸省とか
東京都とほとんど言ってくれない、これが現実の姿である。この点をはっきりさせる必要があるのではないか、そう思って申し上げたわけであります。この点、
大臣の所見を承わっておきたい。