○
山中(吾)委員 私
希望としては、権威のある、何カ年
計画というものを確立していただきたいということで申し上げたいのです。従って、その
事業の性格というものをはっきりと確認をして、その中で、それに応じた
財源というものについてもやはり関連してくると思うので、たとえば下水道
事業は今収益
事業として見るか、
公共事業として見るかという論議がありますが、これも、
建設省としてははっきりとした主体性を持って、そしてそういうことを確認して、下水道何カ年
計画を持っていれば、当然に
財源というものも伴った、確立されたものが出るのじゃないか。あるいは
道路計画というふうなものは、今特別
財源というものを考えておる。それに応ずるいわゆる
事業の性格を確認しておるから、あそこに
ガソリン税というものが出てくると思うのです。治山治水などは、自然に対する人類の防衛ですから、他民族に対する防衛費よりも、国の
財源としては治山治水の方がさらに優先すべきだという、治山治水
事業そのものの性格を確認していけば、防衛費を削っても治山治水に
財源をもっと組むべきだという、確信を持った
建設省の主張も出るのじゃないかと思います。治山治水そのものを自然に対する防衛費と考えれば、そういうふうないろいろな
事業の性格に
検討を加えて、やはり
建設省の
国土を守るという
責任から、私は権威ある何カ年
計画を出して、
予算ごとに十カ年から五カ年、五カ年から三カ年とか、緊急というのを冠詞に入れたりすることのないような体質改造をしていただきたい。
それから最後に都市
計画、首都圏整備という
立場から、皇居のことで
大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。それは、都市
計画の
責任者である
建設大臣としては、常に一定の意見というものを、国民に権威を持って所信を述べる時期に達してきておるのじゃないかというふうに思うのは、最近皇居の開放論を中心といたしまして、いろいろの説が出ております。遷都説が出ておるわけですが、さらに意見を述べておる者は、
政治家、自民党の中の
政治家もおりますし、
専門家もおりますし、各階層が出ておりますし、各新聞の声の欄に、皇居についての論議というものがあとからあとから出ておるわけで、このまま国民の私語で行方不明にすべきものではないのと、
内閣委員会の方でも何か出ておりますけれ
ども、
ほんとうは、皇居と首都圏の
建設という
立場において、最高の
責任をもって所信を発表すべきものは、私は
建設大臣ではないかと思うのです。ことに
建設関係の
公団の加納総裁は、皇居移転をした方がいいという説をなしておるのだし、また
岸総裁の方は、慎重論を出しておりますし、すでにそういう
関係の人々が一応自分の意見を述べておるのですから、
建設大臣は、やはりこの
機会に、皇居のあり方について所信を述べて、すっきりした、いろいろの論議を結論づける必要があるのじゃないか、こう思います。私は、天皇の地位というものを、憲法第一条の象徴の位置という以下にあってもいけないし、憲法第一条の地位以上にあってもいけないんだ。やはり憲法そのものを忠実に守る
立場と、それから都市
計画の
立場においてこれを論じなければならないし、都市
計画の
立場というのは、科学的合理的
立場であって、その
立場の上において、この意見をはっきりとすべきだと私は思うのです。お考えがあればはっきりとお述べ願いたいし、それから私お聞きいたしたいのは、皇居を開放するとかいうふうなことを前提とするのでなしに、いわゆる交通緩和、それから市民の公園、そういうふうな問題を考慮して、科学的な
立場に、それを含んで、皇居というものについての当面はどうあるべきであり、将来はこういうふうに考えるというふうなことを、私はイデオロギーの
立場でなしに、憲法の
立場の上に立って、都市
計画の
立場からお述べ願うべき必要があるのじゃないか。公園開放の言葉もありますけれ
ども、私は、この皇居というものを特別立法で、皇居公園法というような
法律を作って、土、日曜日だけは、
一般市民、国民に一定の使用規則を作って開放するというようなこともしなければ、二重橋の事件のような悲惨な事件も起るのでありますし、あるいは清掃隊を
地方から派遣して、それを
政治的に利用し、また古い思想を復活するような、いろいろ悪用をする悪党
政治家もたくさんおります。皇居というものを、いわゆる全面的に開放するというふうな思想でなしに、特別立法で皇居公園法というようなものを持って、そうして憲法の
立場というものを確認しながら、首都圏のあり方の中に皇居というもののあり方を決定していくというようなことも私は必要じゃないか、
一般の国立公園とか、そういうふうな法の中に入るのでなしに、皇居を特別の立法に基いた、日曜日だけ開放するとか、朝何時から何時まででもいいと思いますし、文化財保護の文部省の
立場もありますから、文化財保護を含んだ公園管理でいいと思いますが、そういうふうな
構想をお持ちになれないかどうか、現在の交通難をそのまま捨てておくときには、逆に国民の怨嗟の声がますます大きくなりますし、そこに現行憲法上の天皇の地位が、行き足らずになったり行き過ぎになったり、いろいろ混乱があると思うので、その点について
大臣の所信をお聞きいたしたいと思います。