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1959-02-10 第31回国会 衆議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月十日(火曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 木村 守江君 理事 佐藤虎次郎君    理事 瀬戸山三男君 理事 中島  巖君    理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    大久保武雄君       川崎末五郎君    砂原  格君       橋本 正之君    服部 安司君       村瀬 宣親君    小川 豊明君       兒玉 末男君    東海林 稔君       塚本 三郎君    武藤 武雄君       山中 吾郎君    山中日露史君  出席国務大臣         建 設 大 臣 遠藤 三郎君  出席政府委員         建設事務官         (大臣官房長  鬼丸 勝之君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君         建 設 技 官         (道路局長)  佐藤 寛政君  委員外出席者         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 二月六日  建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出  第一二五号)(予) 同月九日  日本道路公団法の一部を改正する法律案内閣  提出第一四〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  建設省関係重要施策昭和三十四年度建設省関  係予算)に関する件      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  建設省関係重要施策に関する件につきまして調査を進めます。  前会に引き続きまして昭和三十四年度建設省関係予算説明に対する質疑を行います。中島委員
  3. 中島巖

    中島(巖)委員 それでは前会に引き続きまして、建設省の特に道路関係予算について質問を継続いたしたいと思います。  これは、むしろ大臣質問する要旨でありますけれども大臣がまだ見えませんので、局長質問いたしたいと思います。この間も質問いたしましたが、まだ確たる御返事をいただかなかったわけなんですが、結局道路整備五カ年計画が九千億予算であったのを一兆予算にした。これは、当国会の劈頭におけるところの総理並びに大蔵大臣演説の中にも強く打ち出してあったのです。ところがこのごろの質問の過程におきまして、昭和三十三年、昭和三十四年の二カ年間において三千何百億かの予算のあることははっきりいたしておりますけれどもあとの三カ年の年次計画ができておらぬように見受けられたのでありますが、この年次計画はできておるのかできておらぬのか、この点をお伺いしたいと思います。
  4. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 五カ年計画の三十五年度以降の年次計画でございますが、これはただいま検討中でございます。従いまして、最終的には決定しておらない段階でございます。しかしながら、建設省におきましては、事業計画立案等のために一応年次計画というものを試案として持っておりますので、前会の御質問もございましたが、この点について御説明を申し上げたいと思います。  三十三年から五カ年の間に投資いたします道路の全体の投資額は一兆円でございますが、このうち地方単独において事業を行います分が千九百億円、この千九百億円を引きました八千百億円が道路整備五カ年計画の全量でございます。この八千百億円に対しまして、三十三年度は九百八十八億、三十四年度は千三百六十三億、残り二年度の合計は五千七百四十九億でございますが、これを年度別に、試案といたしましては、三十五年度千七百四十七億、三十六年度千九百二十四億、三十七年度二千七十八億というふうに考えております。この年度割考え方は、どういうふうに建設省考えているかと申しますと、まず一般道路につきましては、機械整備費、それから雪寒事業費調査費等を除きまして、普通の道路事業につきましては、おおむねガソリン税消費量伸びに応じまして年々事業を行うというように考えて、この事業量算出してございます。また有料道路につきましては、小牧—西宮間を三十七年度までに完成供用開始をはかる予定でございますので、その工程に応じ、また首都高速道路等につきましても、その工程考えまして年次割算出してございます。そういうふうにいたしまして一応の年次割をはじきましたのが、ただいま御説明いたしましたような数字でございます。
  5. 中島巖

    中島(巖)委員 大体、これはまだ各省との話し合い、あるいは閣議決定ができておらずに、建設省試案と思うのですが、これは道路局長質問しても無理だと思うのですが、しからば、この財源措置をどうするかという問題なんですが、その点について、道路局長ガソリン税伸びということを言われたけれどもガソリン税伸びは一 〇%ないし一五%程度しか現実において認めることができないのです。そこで、これは私が言うより、自民党政調会の案があるのですが、一兆億予算をやると三千四百億円どうしても財源不足する。この財源不足は、道路公債によるよりほかに道がないということを自民党政調会みずからがいっておるわけであります。従って、今道路局長の言われたような、ガソリン税伸びによってこの道路政策を遂行するというようなことは、これはどんな角度から見てもできない相談だ。従って基本的の問題として外資導入をするか、道路公債によるか、二つ一つしかないわけです。そこでこれらの問題を——これはむしろ大蔵大臣経済企画庁長官などに質問すべき問題であって、局長質問することは無理だと思うのですが、この年次計画に基いて果して政府——施政方針演説の中で大蔵大臣総理大臣がああはっきりやると言ったんだからやるだろうけれども、それらの財源は何によってやるか、財源がなくても何でもやるかという、この手形を取ることが、これはむしろ私の質問というよりは、建設省並びに道路局の立場として最も今国会において重要問題であると思う。そういうような関係で、その問題について、あすは私は予算委員会に出て総理大臣に強く食い下って、その手形を取りたいと思っておるのですが、この五カ年計画は、二カ年間のわずか三千何百億だけの予算ができて、あとの七千億の予算の、この年次計画でこれこれこれこれやるという閣議決定ができておらぬ。絵にかいたぼたもちみたいなものだ、こう思うのです。そこで閣議決定において、何年度においては幾らやる、何年度においては幾らやる、もし足りなかったら一般財源から出すとか、あるいは道路公債を発行してまでもやる、ここまでこなければ、この道路整備五カ年計画というものは全く机上の空論になると思うのです。ここに自民党政調会交通資料の第六号というのがありますけれども道路公債によるほかにやれぬ、三千四百億不足だということを自民党政調会ではっきりいっておるのです。この点が非常に肝心な問題だと思うのですが、これ以上この点について道路局長にお尋ねしてもしようがありませんから、お尋ねしません。  それから現在のいわゆる一兆億予算におけるところの道路政策というものは、これは確かにワトキンス報告書にもありますように、日本道路は、普通の文明国に比べて四十年もおくれておる。現在の産業に対して、これがために非常に支障を来たしておる。日本は五億ドル以上、一千八百億円以上の道路費を向う十カ年に及んで注ぎ込まねばならぬということをいったのは、確かにその通りだと思う。これにこたえて、岸内閣政策として道路整備予算を拡大し、五カ年間に一兆億使うということは、これはわれわれも賛成するわけなのです。ところがさらにそれを深く、どういう道路政策を行うのであるか、それからその財源措置はどうあるか、この二点に対して何ら明確な説明がなされておらぬわけであります。そこで、これは道路局主体となってやるのでありますが、この道路政策の面でありますけれども、つまり道路政策が、人口がふえて仕方がなくなったからやるのだ、すなわち帝都の高速自動車道路公団みたいなものと、それと加味して、さらにこの道路政策によって日本産業構成をどうするという大きい、高い見地と並行していかねばいかぬと思う。たとえば東京都だけで八百数十万、東京都周辺に手数百万という人口が片寄ってしまうというようなことは、日本産業経済の上から見ても、あらゆる面からいってもちんばの形だと思っておる。この産業構成をいかに全国普遍的にするか、人口の再分布をするか、こういう大きな観点に立って道路政策を行う。また一方においては、押し迫られておるところの交通緩和もする、こういうような二つの構想でなければいけないと思う。つまり後進性道路政策か、あるいは先行性道路政策かという、これは両々相待ってやらねばいけないと思う。こいうような観点から国会が四内閣、五国会にわたって研究し、ずいぶんもみ抜いてきたところの例の国土開発縦貫自動車道法案が通って、すでに二年余になるのに、まだ東京—神戸間をいつまでにあげるかという年次計画が立っておらぬ。昨年出発したばかりの運輸省東海道新幹線については、四十年完成、こういう目標を打ち出して、はっきりと指示しておるのだけれども東京—小牧間については、建設省としては何年度までに完成する腹案であるか、その点を一つお伺いしたいと思う。
  6. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 東京—小牧間の縦貫自動車道につきましては、御承知のように、一昨年以来目下調査中でございます。できるだけ早く調査を終えまして、建設準備を進める予定でおりますが、何せああいうところでございますから、いろいろこまごました調査を実施しておるわけでございます。しかしながら、調査もだいぶ進みましたので、この五カ年計画の間におきましては、東京—小牧間の一部については建設準備にかかれるような予算の組み方をしておきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。それから全体につきましては、できるだけ早く調査を進めまして、建設にかかれる準備を急ぐようにいたしたい、かように考えております。  先ほど御指摘のように、道路整備方針につきましては、交通混雑しておるところの緩和、改善をはかると同時に、また一方においては、未開発後進地域開発のために、その基底施設としての道路をやらなければならないという御指摘に対しましては、全く私ども同感でございまして、中央自動車道などは、まさに後者に属するかと存じますので、ただいま鋭意調査を進めておる状態であります。
  7. 中島巖

    中島(巖)委員 大体の道路局長のお考えはわかったのですが、これは昭和三十三年の一月二十九日でありますから、今より一年前の速記録でありますが、私が当時の政府委員である富樫道路局長に対しまして、「中央道小牧—東京間の関係ですが、大体五千万円でもって一部分調査が残って、大体の調査は三十二年度でできる、こういうように了解してよろしいのですか。その辺はもうちょっと詳しく御説明願いたいと思います。」、こういう質問に対して富樫政府委員は「三十三年度中央道調査は大体終ります。」、こういうはっきりした答弁をしておるわけなんです。従いまして私ども考えとしては、三十三年度調査で終って、そして本年は、あれは私が説明するまでもありませんけれども経過地はうたってありますけれども、さらに予定線は、法律国会提出してきめなければならぬことになっておる。そこで、少くとも今国会においては、これができない、こういうように考えておったわけでありますが、やはりその後調査の狂いや、いろいろなことで若干延びて、本年また調査費五千二百万円を計上いたしたわけでございます。  そこで具体的な問題でお尋ねいたしますが、大体本年でもって調査を完了して、そうして中央道予定線法律でもってきめるように審議会に対して案の提出はいつごろできるか、この辺について局長のお考えを承わりたい。
  8. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 昭和三十三年度、本年度におきまして、五千万円の調査費をもちまして調査を進めておるわけでございますが、これで大体調査ができるという、以前に前局長の御答弁があったそうでございますが、本年度のこの調査をもって一応東京—小牧間の所要経費概算的算出ができるような状態になります。しかしながら、やはり実施いたしてみますと、さらに検討を加えるために、比較線をとりたいというようなところがところどころございます。たとえて申しますと、東京から富士吉田までの間に、もうすでにそういう比較線がございます。おそらくその比較線は、相当有望な線ではないかと思われるような比較線がございます。また山の中にもそういうところが局部的にあちこちにございます。それからああいう山地でございますので、概算的な経費算出はいたしますが、やはりもう少し地質調査等をいたさなければ、なかなか正確な工費は出ない。従ってはっきり路線をきめることができないというような状態でございますので、そこで、来年度におきましてさらに調査費をいただきまして精査をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。従いましてこの路線をきめ、法律で御決定を願うような準備ができるのは、本年度三十三年度調査が終った程度では、いささか無理ではなかろうかというふうに考えております。
  9. 中島巖

    中島(巖)委員 そうすると、重ねて質問しますが、三十四年度調査の終るころには、法律提出準備ができる、こういうように了解してよろしいですか。
  10. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 三十四年度には主として東京—富士吉田間の比較線に重点を置き、山の部分に対しましては、ボーリング調査その他をやってみたいと思っております。一応三十四年度で、今の見込みではまとまる予定ではおりますが、何せああいう山の中でございますので、これはここではっきり申し上げることはできないかと存じます。
  11. 中島巖

    中島(巖)委員 つまり富樫政府委員は、三十三年度でもって大体調査が完了する、こういうことになっておって、さらに三十四年度に相当の調査費をもって行なって、三十四年度路線決定まで持っていけぬというようなことになると、これは非常な問題だと思うのです。この高速道路というものは神戸—名古屋間、大阪—名古屋間をこしらえても、ほんの百数十キロのものはわずか一時間か一時間半で飛ぶもので、ちょうど新橋から品川まで汽車のあいたようなもので、東京まで通じて初めてその機能が十分に発揮できるものでありますので、これは建設省としても非常に責任のある仕事でありますから、三十四年度中にまとめて、三十四年度中に法律決定できるように一つ御努力を願いたいと思います。  それから次に質問いたしますのは、先ごろの予算に、東海道一号線に対して千八百万の調査費を計上してありますが、あれは建設省としてはどういう調査をする考えであるか、その点をお伺いしたいと思います。
  12. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 予算説明の節にも簡単に触れたかと存じますが、一級国道一号線、東海道交通状況考えますと、今日現在におきまして、部分的には、また時期的にはもう道路交通能力以上にその実際の交通が達しまして、交通麻痺状態を来たしておるところすらあるわけでございます。私どもの推察によりますと、昭和四十年ごろまでには、この東海道はほとんど全線にわたりまして交通混雑を来たし、いずれも能力の限界に達するものと考えなければならないような状態が推察されるわけでございます。従いまして、東海道交通をどういうふうにするか。先ほど中島委員からお話がございましたように、現在の交通の困難を解消することも、これも大事な道路政策でございますので、この一番大事な東海道交通困難をどういうふうに改善し解消をはかっていくかという問題は、大事な問題だと存じまして、そうした交通対策調査、研究いたしたい、こういう趣旨でございます。
  13. 中島巖

    中島(巖)委員 私率直な話を申し上げるのですが、聞くところによると、例の高速国道でもって、建設省東海道へ先に高速自動車道をあげるという意図を持っておるというようなことが非常にうわさに流れておるわけであります。そこで私も関心を持ちまして、この一級国道混雑がどんな程度であるかということを、あなたの方の資料を入手したりして調べてみたわけであります。確かに東京—横浜間は、これは特別なので、そういうようなものは要るでしょう。しかしその先へ行きますと、一日五千台、六千台というところがありますけれども、その半数以上、大体七割くらいは、五十キロ以内の区間輸送のトラックなんです。そこで現在の一級国道を十四メートル幅に拡幅するといたしますれば、そうすれば部分的に、清水—静岡というところ、あるいは浜松—磐田というような交通量の多いところ、こういうところ、バイパスをつければ十分にこれを収容できる。こういうはっきりした、まあこれは私の調査でありますけれども数字が出ておるわけなんです。そこで、これは調査してみなければわからぬという御答弁だろうとは思いますけれども建設省としては、一足飛びに高速自動車道へ持っていくのか、あるいは第二次改良によって、そして幅員を十四メートルなりに拡幅して、これを緩和するという基本的なことを考えておるのか、その点、道路局の率直な御意見を承わりたい。
  14. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 東海道の再改良と申しますか、整備方針につきましては、今後交通状況がどうなるかという見通しをまず立てることが、非常に大事ではございますが、その点にまた非常にむずかしさもあるわけでございます。将来の対策といたしましては、御指摘のように、現在の道路を若干拡幅していく方法どもありましょうし、それから市街地におきましては、バイパスを作るという方法もございます。今回の東海道交通対策調査の目的は、それらを含めまして、そういう現状をどう処理するかという問題も含めまして、またそれで果して将来対策として十分であるかどうか、高速自動車道路の必要があるかどうか、また高速自動車道路考えるとすれば、これは以前に建設省考えておったような線もございます。またその後産業計画会議で海岸を通過するというような案も伺っております。それら一切がっさいを含めまして調査研究いたしたいと考えております。
  15. 佐藤虎次郎

    佐藤(虎)委員 ちょっと関連して……。今の中島委員質問の要点は、法律的にきまっておるが、いつまでもいつまでも延びておるというのが、どうも中央道に対する御意見のようであります。私もそれに賛成でございますが、むしろ建設省としては、工事施行に対しまする難関というものも、ボーリングもして調べなければならぬ、あるいはでき上ったあと交通量も、採算がとれるかどうかということも調べなければならぬということに一つ隘路というか、悩みを持っておると私は推察するのです。そこで、一番の隘路はどこかというと、こちら側から参りまして、山梨県の南巨摩郡赤石山脈からアルプスに向いまするこの険悪なる山脈に、どうして道路を作り上げるかということで、工費その他をにらみ合わしているように私は考えているのです。そこで、私の考えというものを率直に申し上げますならば、中島委員は法規を尊重せよという御指摘で、ごもっともの御意見です。せめては、本栖湖あたりまでは急速に着工したらどうか、そうして残る赤石山脈アルプスその他の工費が莫大にかかり、採算がとれるかとれないかという隘路がもしありとするならば、中部横断道路開発会社か何かできておるようですから、それらとも工事施行に対する打ち合せもして、会社にそれらを与えてやらしてもいいじゃないか、そうすれば、成立しておる法案というものが無視されないで済むから、いずれにいたしましても、急速に本栖湖あたりまでは着工できる運びになる方がいいのじゃないか、もし東海道案で設置されるという場合がやがてくるものと私は信じ、またそうなるのは当然であります。今日も混乱状態でありますから、もし神奈川県が承認しないというような場合には、本栖湖から富士に下れば、わずかに五十キロか六十キロであります。そういうことも勘案しながら、中央道というものを主体として本栖湖まで作り上げていく、それには一日も早く本問題の調査を完了して、御希望に沿えるようにしたらどうか、こういうように私は考えております。そうして赤石山脈は、政府としてどうしても採算がとれない、公団としてもとれないという場合には、国土開発会社なりと相談して、皆さんに御協力を得た方がよいじゃないか、かように私は考えておりますが、どうですか。
  16. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 中央道調査に対しまして、建設省が故意にこれを固めることをおくらせているというようなふうにもし見えるといたしましたら、私どもとしては非常に遺憾に存じております。私どもは、法律で定められておるところでございますので、年々多額の調査費をいただいて、できるだけ短期間にこの計画を固めるよう調査を進めつつあるわけでございますから、どうかその点につきましては、そのように一つ御了解をお願いいたします。ことに中央道、山の中の調査でございますと、一つ調査の結果、さらに新しい調査が生まれてくる、物事の研究的調査でございますので、そういうような事態がよく起ります。たとえばトンネルにいたしましても、地質が良好であって、全断面掘さくができるような個所を選ぶ場合と、地質が悪いために、非常に難航いたします場合とでは、トンネルの長さがかなり違っても、工事費が逆になる場合がございまして、それらの点などについても、地質路線というようなものにつきましては慎重にきめたい、こういうふうに考え調査を進めているわけでございまして、決しておくらしているわけでございませんので、そのようにお含みおきをお願いいたします。  それからただいま佐藤委員からお話がございましたように、富士吉田富士山ろく付近までは比較的地形上それほどむずかしい調査を要しないでも調査がまとまるかと存じますので、これらにつきましては、かりに部分的であっても、できるだけ早く調査結果をまとめまして、御趣旨にそうようにいたしたい、こういうふうに存じます。
  17. 中島巖

    中島(巖)委員 それから交通量転換について、あなたの方でも加わった調査資料が私の手元にあるのですが、これは昭和三十三年の六月に、国鉄東海道線から高速自動車道への貨客転換率について、自動車局自動車道課で出しているのです。それでこの中を見ますと、交通関係閣僚協議会昭和三十三年二月二十五日設置)において取り上げた東京—大阪間陸上輸送体系整備問題の一環として国鉄東海道線より東京—神戸間高速自動車国道への貨客転換は、いかほどであるかということが問題となり本問題を検討するため、経済企画庁運輸省建設省国鉄事務担当者をもって構成する小委員会が設けられ、専門的な検討が重ねられた。貨物転換率に関しては、運輸、建設両省より案が提示され、両案を基礎として企画庁において調整案が作成され、小委員会において結論として採択された、こういう見出しでもつて、貨物転換率やいろいろなこまかい表が出ているのです。それで、基本的なものはどういう方法で出されてあるか、中を調べてみますと、客の運賃は一キロ三円五十五銭、急行バスの一割引き一キロ三円二十銭、こういうものを基準にして、この膨大な資料が出ておる。ところがこれには、基本的に大きな間違いがあるのです。これは、私自分のことを言うとおかしいですが、私はバスを経営していますから一番わかる、それで現在のバスの料金は、大体三円五十銭程度でありますけれども、私の方なんかは道が非常に悪くて、中央アルプスの大平峠なんかは千四百何十メーターという高いところを越しているのです。それでも、平均して一キロの運行に対して六十円以上のところを採算路線というておる。六十円以下のところは不採算路線としておる。そして山の中でありますから、人の往来も非常にまれであります。大体一日二回か四回の運行なんです。従って、運転手の平均一日の車を持ったキロ数というものは九十キロ程度で、百キロ走らぬのです。そういう状態におって、道が悪くて、三回も三回もカーブを切りかえなければ通れぬような道におって、一キロ六十円上れば十分採算がとれるのです。ところが、この高速自動車道路ができると、私なんかで現在使っておるハスでも、四人がけの十一段の座席シートがあるわけです。これは少くとも十五段ないし二十段になって、定員が八十人、百人という数になる。かりにその半分の四十人でありましても、一キロ一円取れば八十円になる。もうかり過ぎて困る。一キロ一円五十銭でも六十円になる。それで、これは八十キロ、百キロというスピードが出ますから、走行キロというものも一日四百キロ、五百キロに走っても、五、六時間で走れるわけです。そうしますと、ますます低くて合う。そして一キロ三円なんぼなんてこんな換算をして、人間が幾ら来る、貨物が幾ら来るなんということを土台において、まるっきりこれは間違っておるのです。こういうものを資料にして、経済企画庁やあなたたちが転換量なんかはかったって、根本のものさしが大間違いのものさしではかっているんですから、こういう資料でもっていろいろな計画を立ててもどうかと考えるわけです。従って、これらの点についても、急速な自動車工業の発展と同時に、もう少しお考え願いたいと思うわけです。  それは別としまして、今度は公団関係について二、三お尋ねしたいと思います。現在公団で手をつけておる仕事は、私の方でもらった調査書類では、二月四日現在で三十三カ所あるわけなんです。三十三カ所と、それからほかに中央道がある。ところで、まずこの内容を見ますと、伊東道路であるとか、立山登山道路であるとか、雲仙道路であるとか、阿蘇登山道路であるとか、北霧島道路であるとか、高野山道路であるとか、裏磐梯道路であるとか、伊香保道路、あるいは伊東遠笠山道路であるとかいうような、まるで観光道路ばかりだ。公団じゃない、観光道路株式会社でいい。こんなところは、民間の会社が幾らでもやれるところじゃないですか。やはりこれだけの巨費を投じて日本道路整備をやらなければならぬといったら、今言ったような大幹線道路公団は全力を尽して、建設省と不離一体になって、強力に進めなければいかぬと思う。私はこの道路公団のあり方について非常に疑問に思うんです。まるで観光道路株式会社だ。それから例の名神国道につきましては、昭和三十二年度に三十七億三千万円の予算をつけた。この予算をつけるときには、法律を制定するとき、これだけの予算をつけてくれねば本年度工事ができぬから法律改正をしてつけてくれというわけで、非常に頼まれまして、そうして無条件に小牧—吹田間の法律改正を私どもやったんです。本年度予算が使えぬからやってくれというから、予算がついても使えなければ気の毒だからやりましょうというので、法律改正をやった。そうして三十七億三千万円の予算と、それから京都バイパスの二億九千九百十六万七千円の予算とを三十二年度事業費としてつけたわけです。そうしますと、どういうことになっているかというと、三十二年度に使った金は三億一千六百五十七万四千円で、一割の金も使わぬ、そうして三十七億という金を三十三年度に繰り越してしまった。それから三十三年度におきましては六十五億の中央道に対する予算を取りまして、そうしてこの三十七億の繰越額と両方で百二億一千二百五十九万三千円という予算で始めておる。ところが現在どういう状態かと申しますと、これは、このごろあんたの方から資料をもらったのでありますけれども、用地の関係で五億七千八百万円使っておる、それから工事関係で請負額が十六億七千七百万円になっておる、それから事務費関係において一億五千五百七十二万円と、こういうわけになって、総計二十四億一千一百万円という数字になっておる。これはごく最近の数字なんです。そこで、さらにこの工事関係の十六億というものの内訳を調べてみますと、つまり請負に出したのは十四件で、十六億になっておるんですが、そのうち三十三年度、つまり去年の暮れに受け渡したのは四件で、ことしになって受け渡したのは十件あるのです。ことしになって受け渡した分なんかは、三十五年度完成というようなものがその中に六件ある。そうしますと、この十六億の工事の受け渡しというものは、大ざっぱに見て四億か五億しか年度内に竣工期限から見て仕事ができないわけです。そうすると、百何億という予算をつけておいて、二十億までの金が使えぬ。三十二年度においても一割の金が使えずにおって、また今度の三十三年度予算においても二割程度予算しか使えずにおって——これはもちろん例の縦貫道法によりまして、建設大臣の認可、許可によってこれはなしておる仕事でありますから、従って、この予算執行面の上において、別に会計法でどうこうという罰則はないけれども、これは建設大臣、つまり建設省の責任として重大な責任だと思う。これに対してどういうお考えを持っておるか、承わりたい。
  18. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 ただいまの御質問の第一点は、道路公団の仕事が観光道路に偏しておりはしないか、こういう御質問でございました。これにつきましては、道路公団事業の採択に際しましては、一般道路改良におけると同様、交通混雑を来たしておるところ、重要産業地帯の道路の整備というようなことを第一条件として道路の個所の選定をいたしております。ただ、観光地区がたまたま一級国道、その他幹線道路が通っておりまして、必ずしも観光目的ばかりでないというのが所々にございます。一級一号国道の箱根地域におけるごとき、また小田原—熱海—伊東—下田線の二級国道のごとき、これなども、伊豆半島の産業道路として大事な道路でございます。そういうふうな、たまたま観光目的と産業経済目的とが合致いたしておりますために、観光に偏しておるように見える点があるのではないか。それからもう一つ、また観光といたしましても、国際観光等に対しましては、道路の整備は、重要な事業として私ども考えております。二級国道などに対しましては、国際観光地の地域に対しまして、二級国道を配置をいたしておるようなところもございます。そういうわけでございまして、観光地域に対しましても、所々において事業をいたしておるわけでありますが、これらはみな産業経済上、あるいは外貨獲得のために、国際観光上必要であるという見地から個所を選択いたしておるわけでございます。  それから第二点の名神高速道路における事業の進捗状況でございますが、これは、たびたび御説明申し上げましたように、全体といたしまして事業の進捗がおくれておることは、まことに申しわけない次第でございます。この事情は、用地の獲得に予想以上の時間を要しまして、用地諸物件補償の関係者の方と十分なお話し合いをして話を進めるようにいたしたいと考えておるわけでありまして、その結果、予定よりだいぶ事業の進捗がおくれておるわけでございます。しかしながら、用地の問題もかなり進歩いたしまして、本年度の後半におきましては、御存じのように若干事業開始、請負入札に付するように相なったわけでございます。今後私どもの見通しといたしましては、こういうふうにかなり解決の方向へ向って参りましたので、従来はずっとおくれておりましたが、今後来年度におきましては、特に相当事業の進捗ができるものと期待をいたしまして、予算配置などをいたしておるわけでございます。
  19. 中島巖

    中島(巖)委員 道路公団の観光地用の道路については、この間私がそういう趣旨説明を求めた際にも、大臣が盛んにそういうことを言って、ずいぶん苦しい答弁をされておったのですが、これはだれとしても了解ができぬと思うのです。この大きな道路予算を投じるのは、ワトキンス報告書にもあるように、つまり日本道路が悪いために、日本産業が非常に不利な立場にあるから、これを解決せねばならぬというところが道路整備の主たる目的なんです。  それからただいまの名神国道に対しましても、だいぶ局長苦しい答弁をされておりましたけれども、これは、先ほどの資料のことで私一つ言い残したことがありますが、交通閣僚会議でもってやった資料は、二百キロ以上は転換率がゼロとなっておる。高速自動車道路なんというものは、二百キロは二時間ぐらいで飛ぶのです。二百キロぐらいで飛んで、初めてそこに高速自動車道路の効率というものが出てくるのです。初めてこれから高速自動車道路の効力のあるところに行ってゼロなどという、こういう資料を出しているわけであります。それから小牧—神戸間のあの二百キロ足らずというものは、できてもこれは高速道路の用をなさぬ。東京までつないで初めて高速道路としての効率が上るわけなんです。従って、何も予算を一割ばかり使って向うでごちゃごちゃしておらぬで、東京まで行く全体計画を立てて、山の中は相当な隧道があるのだから、長くかかるのだから、全部一斉にかかって、東京まであくことによって初めて高速道路としての機能が発揮できるのであるから、この辺ももう一度建設省としてはお考え願って、そんな方向に持っていっていただいたらどうか、こういうように考えるわけであります。  そこで質問といたしましては、今道路局長から伊東道路のことについてお話があった、これは、私二つの疑問があるので御質問をいたしたいと思うのです。現在の伊東道路は、あれは何という名前か知らぬが、国道の幅を広げたり舗装をしたりしてやっているように思うのです。そこで、あそこへは多年にわたりまして、例の西武系と東急系と二つで鉄道を入れることを競願しておりまして、そうして最近に至りまして、運輸審議会でもって大体答申案が出て、これは、まああすの予算委員会においても運輸大臣質問をするつもりでおりますけれども、認可になり、認可の条件としては、東急の希望のように三カ年間であの鉄道を竣工する、こういうことになっておる。そういうようなところに、道路公団が何も民間会社みたいに競合して道路をつける必要はないと思う。これが一点と、もう一点は、これは道路整備特別措置法だったと思いますけれども、第三条に「通常に道路の通行又は利用の方法があって、当該道路の通行又は利用が余儀なくされるものでないこと。」こういうふうに、いわゆるバイパス、代替線のないところには、有料道路をつけてはいけないということが法律ではっきりしておる。ところがあの道路は、現在の道路を拡幅して、それに代替するところの道路がない。これは全く法律無視だと思う。それで、今申し上げたような鉄道が近々に敷けるようなところに競合してまで巨費を投じて公団が作らなければならぬのか。そうして代替線がないのにかかわらず、法律的に見て、この道路道路公団にゆだねていいのかどうか、この二つをお伺いしたい。
  20. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 二つの御質問にお答えする前に、経済企画庁を中心にして出しました、鉄道の新幹線計画に対するあの中で研究されました道路へ移る交通量の点でございますが、これは実は建設省といたしましては、十分な資料を持っておりませんで、その数字を出します際に、私どももかなり疑問といたすところがあったわけでございます。従いまして、ただいま御指摘のように、今後の調査におきまして、その点をさらに精査してみたいと考えておりますから、さよう御承知を願います。  それから伊東の道路につきまして、バイパスのないところを有料道路として実施するというお話でございましたが、伊東付近に一部そういうところもございますが、これは法律からいいますと、原則としてバイパスがなければいけないと規定されておりまして、特別な場合には、やむを得ないこともあり得ると私ども考えておるわけでございます。しかしながら、やはり有料道路でございますから、バイパスがあるのが普通でございますから、ただいまあの付近に計画されております有料道路につきましては、バイパスのあるところを実施するようにいたしたい、こういうふうに思っておるわけでございます。それから熱海—伊東—下田付近の道路につきましては、このバイパスの有無、あるいは採算状況等によりまして、有料道路として実施する方が適当であるかどうかということは研究を要しますが、かりにそうでない場合にいたしましても、重要幹線道路であるので、そういう場合には、公共事業をもってやはり道路の拡幅なり舗装なり整備をいたす必要があろうかと思います。
  21. 中島巖

    中島(巖)委員 今の問題は、御答弁が苦しいようでありますので、御研究を願いたいと思います。  それからほかに質問者もありまして、私この程度で終りたいと思いますが、大臣一つお尋ねしますけれども、私の考えでは現内閣総理大蔵大臣の施政方針演説の中で、道路整備五カ年計画一兆円予算、これを打ち出したのは非常にけっこうだと思うのです。けれどもその道路政策の基本的な問題についての考えが、遺憾ながら根本建設大臣当時から幾たびか質問しておるのですが、どうも了解に苦しむことがある。それからもう一つの点は、すでに出発して二カ年になるのだけれどもあとの三年、四年、五年の予算計画が、先ほど建設省案として局長からお話があったのだけれども、できておらぬ。かりにできておっても、それに対する予算財源の裏づけがない。これはどうしても現在のガソリン税にぶっかけて、地方譲与税や軽油引取税を合せますと、一千百何億というものを自動車業者にぶっかけておる。これは非常に苛酷なものだと思う。ところがことしこれをぶっかけたとしたところで、本年度は経済基盤強化資金のくずしや、いろいろなことをしてやりくりをしてこういうものを立てたけれども、七千億からの金を三カ年間にどうするかということになると、とうてい現在の予算関係では予算が組めないものだと思うのです。先ほどもちょっとここへ出したのですが、自民党政調会で、一兆予算はぜひ必要であるけれども財源にどうしても五カ年間に三千四百億不足するのだ、こういうことを言っておるわけです。それで、これは道路公債によってまかなえということを言っておるわけです。それで、閣議の過程において、道路公債を発行することについて話が出たかどうか。それから大臣として、今後の予算財源はどこへ求める考えであるか。この二つの点についてお伺いしたい。
  22. 遠藤三郎

    ○遠藤国務大臣 五カ年計画の年次別の予算の捻出の具体的な目標について、はっきりしたものがあるかどうかという御質問でありますが、この五カ年計画決定するのが、閣議決定に持ち込むことがだんだんおくれておりましたことは、一にその点をはっきりさせるためにおくれておったようなわけでありまして、今回の三十四年度予算の編成を契機にいたしまして、五カ年間の総額一兆円の財源捻出についてのはっきりした見通しをつけるということであったのであります。三十四年度予算編成に際して、五カ年計画年度別の見当をつけることができたと私は思うのです。従って普通の五カ年計画の場合には、ややもするとペーパー・プランに終りますけれども、この道路五カ年計画については、かなり堅実な、間違いのない実施ができる、そういう自信を持った後年度にわたる予算の裏打ちを持った計画ができる、こう私は思っておるわけでございます。お尋ねのように、ことしは約百億円のたな上げ財源があったのをくずして参りまして、来年は百億円、それだけプラスされたような格好になっておるので、その後年度予算の裏打ちができないじゃないかという疑問を持たれることはごもっともであります。ごもっともでありますが、ガソリン税、あるいはガソリン税の自然増収の問題、さらにまた道路公団等の有料道路で行う場合には、財政投融資の方の援助を受ける、これが大体二千億程度になって参りますが、そういうものを合わせて、きちっとした計算を出したつもりであります。この程度計画でありますならば、日本の財政計画におきまして十分ささえ得る、こういうことを私は確信をしておる次第でございます。従って今回の予算の閣議におきましてこも、道路公債の問題は出さなかったのであります。道路公債を一般的に広く募集して、一兆円の裏打ちをするということについては、いろいろ議論がありますので、その道をとらないで、今道路局長から説明があったと思いますけれども道路五カ年計画を実行していく、こういう建前をとって参りましたことを御了承いただきたいと思います。
  23. 堀川恭平

    堀川委員長 次に塚本委員
  24. 塚本三郎

    ○塚本委員 道路局長にちょっとお尋ねしますけれども、この五カ年計画の中で、地方の単独の事業として千九百億というのが計上せられておりますが、これを、ずっと年度別計画を御説明願いたいと思います。
  25. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 五カ年間におきましては、単独事業の総額を千九百億円と推定いたしておるわけでございますが、これに対しまして既往の分、三十三年度三百二十八億ほどが予想されております。来年度三十四年度には、ただいまのところ三百五十二億ほどと推定いたしております。それ以後におきましては、既往の実情からの推定でございますが、三十五年度に三百七十八億程度、二十六年度四百六億程度、三十七年度に四百三十六億程度のものが実施されるのではないか、こういうふうに推定いたしておるわけであります。しかしながらこの数字は、地方の単独費のことでございますので、一応の試算的推定でございます。
  26. 塚本三郎

    ○塚本委員 そういたしますと、前々会にもたしかこの質問があったと思いますけれども、一般道路事業のうちの地方負担額というものが相当程度——六千百億に対する地方負担と、この千九百億に対する地方負担と合わせると、地方における負担が相当大きくなってくるのでありますが、これを、何か地方の財源ということに対して別の方法考える必要があるのではないかということも考慮されるわけですが、その点、どのように考えておられるか。
  27. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 地方単独事業は  一応別にいたしまして、道路整備五カ年計画の三十五年度以降の事業費に対します地方の負担額は、計算いたしますと七百十三億ということに推定いたしております。この七百十三億に、実は直轄分担金相当額の借入金の弁済がございますから、二百五十七億がさらに追加されるのでございますが、これは交付公債として処理いたしますので、地方財源で直接まかなうのは、三十五年度以降三カ年で七百十三億。これに対しまして財源といたしましては、やはり三十五年度以降三カ年で、道路譲与税で五百五十七億、軽油税の方で五百三十七億、合せまして千九十四億、これはいずれも将来のことでございますから、建設省の試算による推定でございますが、これだけがただいまのところ予想されております。従いまして、五カ年計画の実施に要する負担をまかないまして、さらに三百億余の余裕がございまして、これが地方単独事業の方へ回るものとわれわれは考えておるのでございます。地方の財源といたしましては、これからそのくらい回るほかに、さらに都市計区画の都市計画税、また交付税等もある程度この単独事業の方に回ることによって、単独事業は、大体あの程度事業量を実施するのに困難ということではないのではないかというふうに考えております。
  28. 塚本三郎

    ○塚本委員 これは、大臣にお尋ねしたい。先ほどもお話がございましたように、ガソリン税で大部分五カ年計画はまかなうという形なんですが、私はあまり検討しておりませんけれども、諸外国の道路政策という面から考えてみて、最も顕著に道路整備を行なっております諸外国に比べると、日本ガソリン税予算は過大ではないかという感じがするのですが、その点、ちょっと説明していただきたい。
  29. 遠藤三郎

    ○遠藤国務大臣 ガソリン税を増徴することにつきまして、そういう問題は精細に検討してみたのであります。そうしますと、アメリカにおきましてもガソリン税が中心になって、自動車関係の税金において道路整備の費用をまかなって、なお余っているわけです。それからフランスにおきましても、英国におきましても、ガソリン税の方が道路整備費用をさらに上回った収入になっております。十分道路整備関係の費用をまかなって、なお残るようなガソリン税をとっておるわけであります。このガソリン税の増徴についていろいろ議論があります。詳しい数字は控えたいと思いますが、この道路整備をして参りますことによって、非常にガソリンの消費量も減って参りますし、自動車の消耗費用も減って参りますし、計算して参りますと、かえって自動車関係の方がプラスになるような数字が出てくるわけであります。一時負担はありますけれども、しかもそれは、乗客あるいは貨物の方へ転嫁されるような形になって参りますけれども、大体自動車、バスやトラックなんかの走行費の二〇%内外がガソリンの費用でありまして、今回の値上げの関係は約二、三%になって参ります。でありますから、その二〇%の二、三%という意味になって参りますので、この程度の値上げなら十分耐え得る。しかも諸外国の例から見ましても、決して無理な税ではない、こういうことを考えましたので、こういう建前をとって参ったような次第でございます。
  30. 塚本三郎

    ○塚本委員 それではもう少し。実はこれも以前出ておったと思うのですけれども、今日ガソリン税値上げ反対ということが熾烈に行われておるわけです。そういう趣旨を、建設省の立場からPRすることが徹底せられなければならぬのではないかと思う。  もう一つは、やはり経済的な基盤ということを考えてみるときに、日本においては、この値上げが非常に過大なものではなかろうか、こういう声があると思うのです。この点は、果して今後建設省においてどのように業者を納得させることができるか、もし建設省の立場から、全般的に見たときにわずか二、三%の値上げだというふうに見られるなら——確かに計算的には、そう出るかもしれませんけれども、今日そういう業者を納得させるに足るだけの資料をもって、PRをするつもりがあるかどうか。  それからもう一つ。実は昨年度と今年度を比べると、ガソリン消費の伸びはわずかに七・八%、そういうふうに建設省から出ております予算を計算いたしますと出るわけです。ところが、この年度におけるところの使用量の伸びからいきますと、先ほど道路局長説明せられた、建設省の案であると思いますが、三十四年度、三十五年度からの道路の五カ年計画に対する年次計画で、しかもそれに対して大部分ガソリン税をもってこれを充当せんといたしますと、これが不可能な形になってきやしないか、大幅にガソリン消費の伸びを見込んで、こういう年次計画も立てられておると思うのです。しかも昨年度と今年度との、実は予算に対する伸び計画してみますと、わずか七・八%、そうすると、三十四年度から五年度にかけては一五%から、もっとそれ以上でなければ、この予算は実施することが無理のような感じがいたすわけです。その点、はたして来年度になったら急速に伸びるという見通しがあるかどうか、御説明願いたい。
  31. 遠藤三郎

    ○遠藤国務大臣 ただいまお尋ねの前段の問題でありますが、御指摘のように、建設省として、道路に関連して、ガソリン税の合理性というものをPRすることが、確かに足らなかったと思います。その理由は税金の問題は大蔵省がやるのであるから、われわれの方が先に向うはち巻してやる必要はないという考え方を初め持っておったわけですけれども、しかしだんだん詰めてみますと、これ以外にはもう道路の整備をしていく財源が出てこないというわけで踏み切った以上、これから積極的に、これはやむを得ないことである、またこれは不合理なものではなくて、諸外国の例から見て決して特に苛酷をしいるものではないということを、国民全体に了解していただきますように積極的によく説明をし、あるいはパンフレットその他によって御理解を促すことを一つやってみたいと思います。  なお、後段のガソリン税の増徴のスピードの問題でありますが、これは、こまかな数字的な検討をしていく筋のものでありますので、あとでまた事務当局から説明があると思いますが、これは、私の大ざっぱな感じでありますけれども、舗装をされて道路が整備をされて参りますと、加速度的な車の増強が行われていく、自動車の増加の傾向を見ておりますと、昭和三十三年以前の十カ年間の自動車の増加の傾向は、十年前には二十二万台程度の自動車であったのが、十年間に二百万台ぐらいになってきている。日本経済はスピードの競争になってきている。今日においては、そば屋の出前持ちまでがガソリン車を使って走るようなことになって、スピード競争のような時代になっている。スピード競争というのは、とめどもなくスピードの競争が行われて参りますので、道路がよくなって参りますと、自動車の台数の増加も加速度的にふえていくだろう、そういう大きな勘を持っております。その勘が当っているかどうか知りませんが、そういう勘を持っております。そうしてこまかな数字検討をさせてみますと、大体そういうような結論になってきているわけでありますから、そういうことでこの数字をとって参っているわけであります。
  32. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 後段の御質問でございますが、ガソリン税の今後の伸びは、大体年々一割一分ないし一割二分ぐらいの計算上予定をとっております。これは、ただいま大臣からもお話がございましたように、ここ当分、五カ年計画時代においては、これが水平状態とか、あるいは下るとかいうことなどはなく、大体この程度にいくだろう。この点につきましては、ひとり建設省の推算だけでなく、運輸省経済企画庁とも相談いたしました結果といたしまして、そのような数字を出している。そのような揮発油の消費量をもとにいたしまして財源的計算をいたしてみますと、先ほど申しました三十五年度以降の所要額に対しても、一応財源的裏づけができるのではないかと考えられるわけであります。
  33. 塚本三郎

    ○塚本委員 これは、将来の問題でございまして、ここであまりはっきり申し上げるわけにいきませんから、その方は将来のことといたしまして、別の観点から大臣に御質問申し上げますが、道路の改修あるいは舗装工事をするに当りまして、実は非常に長い期間かかってほとんどいたしておりまするために、その道路の通行に対してもきわめて不便を感ずる。そうして地域においても、非難が非常に高いところが各地に起っております。それで、実はいつか新聞にこんなことが出ておりました、舗装に対しては夜間にだけ工事を行うということを建設省決定したから、まことにけっこうなことで、やっとわれわれの主張が建設省において受け入れられたというふうなことを新聞で読んだことがございますが、一体それは事実なのかどうなのか。事実だとすれば、どんな程度にそれを実施なさろうとしておられるのか、この点を御質問申し上げます。
  34. 遠藤三郎

    ○遠藤国務大臣 道路の舗装あるいは改良等が非常に時間がかかって、そうして国民の皆さんに迷惑をかけておることは確かでありまして、委員会の皆さんからも、非常にやかましく御指摘がありましたので、私も、努めてこれは急速にやらなければならないし、そうして国民に迷惑をかけないようにしなければならぬということで、その点にしぼっていろいろ工夫をして参ったのであります。請負をさせる場合に、いろいろなこまかな注意がもちろん必要でありますが、特に交通量の非常に多い所については、都市面におきましては、昼間のろのろとやっているようなことをしないで、夜間に舗装工事をやらせる。夜間にやらせることになりますと、夜間の作業の手当その他いろいろな考えをこまかくしていかなければなりませんが、そういう問題も、若干今度予算の上におきましても、やることができるようになりましたので、市街地の面については、夜間の突貫工事をやらせる。そしてできる限り通行者に迷惑をかけないようにしたい、こういう考えで進む考えでおります。
  35. 塚本三郎

    ○塚本委員 市街地は、それである程度いけると思いますが、特に市の外部、そういう地方の道路に対して、これも地方の声を聞いてみますると、この建設工事者があまりにも横暴をきわめておるという非難も極度に出ておるわけです。たとえば、広い道路でありましたならば、片側ずつ行なって、そして片側通行をする。こういうふうな形で、だれが考えてもそれくらいの工事をやっても決して差しつかえないのだというふうな所でも、わざわざ通れないように、道路の横ヘローラーをはすかいに向けて置いて、夜間でさえも通れないような形にしておる。こういうことが各地に行われておる。そして回り道のところもまたやっておるということで、全くストップをしておるというふうなことが随所に見えるわけです。しかも、それが早くやってしまうなり、わずかな期間を区切ってやってくれればいいですけれども、現実はそうでない所が非常に多くなっている。三カ月も四カ月もそういうことでストップを続けられている。それがために回り道を通る。その回り道の小さいいわゆる町村道などを、八トン積みのトラックが回っていかなければならないということで、またその町村道自身もがたがたにこわされてしまう。こういうことが私たちの地元でも各地に起って、すでに三カ月くらいそういうことを強行しておりますけれども、これは、ただ単に一地方だけの問題でないと思っておりますが、この点に対して、片側だけ工事をするとか、あるいは昼間どうしても行わなければならない所に対しては、たとえば工事をしない五時以後、こういうときには完全に通れるようにしておくとか、こういうことを確実にして、通行者に対する便宜をはかるということをお考えになる意思があるかどうか、この点、お伺いしたいと思います。
  36. 遠藤三郎

    ○遠藤国務大臣 今のお尋ねの点はごもっともであります。私どもそれを一番気にしておるところでありまして、これは、道路改良の担任者にこまかい注意をさせる必要があるということで、再三そういう注意を喚起しておったのであります。しかしお話のように、なかなかそれが徹底しなくて、ちょっと注意してやればできるやつを、なかなか注意が行き届かない面があるわけであります。現にあなたのおっしゃる地域だけでなしに、私自身もそれを見ておりまして、これではいかぬではないかということでやっております。しかし、一そうその点は注意をして参ります。ちょっとした注意でこれは救われる問題が多いのであります。一そう注意して参りたいと思います。
  37. 塚本三郎

    ○塚本委員 こまかい問題ですから、あまりそのことを申し上げるのはなんでございますが、たとえば、夜間は片側だけ工事をしておりますから、夜間だけは通れる。ところが、通って行けないように、わざわざさくを立てて通行どめしてある。それだと、わざわざどかして通るのですね。だから、通られると困るということで、大きな道路の方は、ローラーをはすかいに向けておる。しりだけ向けておいて通らせないようにしておく。各地でそういうようなことを必ずといっていいくらいやっておるわけです。こんな点、直ちにその地方の県の担当者に注意した場合に、それは徹底させることができるか。その点、私こまかい法規を存じませんので申し上げるわけにいきませんけれども、たとえば、何日から何日までは工事をするから、通行どめをしていいという、そういう許可が与えてあるのならば、それは、その工事者に独占的な権利が与えてあるから、何ともすることができないものかどうか。あるいは夜間だけ片側だけは通れるという形は、私どもが注意した場合、担当者はそれを通れるようにさせることができるかどうか。この点は一体どういうふうになっておりますか、ちょっと御説明を願いたいと思います。
  38. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 交通をしております道路の工事につきましては、ただいま特に注意いたしておるわけでございます。大臣からお話もございましたように、たびたびの機会に、私どもは、関係者全員に、御指摘のようなことがないように注意をいたしておるわけであります。しかしながら、新しい道路改良工事、あるいは舗装工事は別といたしまして、現在道路の拡幅なり舗装なりをいたします場合に、おおむね現在道路は狭いものでございますから、その狭い道路で、しかも相当交通量が多いところで工事をいたすわけでございますから、これは、通行者の方にどうしても何がしかの御不便を与えることになるのは、ある程度はやむを得ないかと存じます。そこで私どもといたしましては、その際にその通行者に与える不便をできるだけ少くする。たとえば一方交通の場合、半分事業をしておりまして、半分の幅で通っておるような場合には、赤旗を出して交通をコントロールするわけでございますが、そういうような交通の取りさばきも上手にうまくやらなければならぬ。  それから工事中の道路の路面につきましても、乗用車あたりが侵犯するようなことがあってはいけない。そのほかいろいろなこまかい注意を、機会あるごとに関係方面に建設省としては通達いたしております。  それからごく狭い道路で半分工事をやっておりますときに、残りの半分が通行上差しつかえがあるような場合につきましては、十分回り道を考えて実施する。その場合に、道路標識などをはっきりわかるように出して、少しでも通行者に与える御不便を少くするということを、私どもは注意いたしておるわけであります。しかしながら、ただいま大臣からもお話がございましたように、注意はいたしておりますが、何分全国のことでありますし、大ぜいのことでございますので、あるいは御指摘のようなことがあったのかとも存じますが、そういうわけでありまして、今後その注意を一そう厳重にいたしまして、そういうような不便を少しでも取り除くように、ますます注意いたすようにいたしたいと存じております。
  39. 佐藤虎次郎

    佐藤(虎)委員 関連。ちょうど幸い、今塚本君から道路局長に、工事の施行がおくれているじゃないかということで御指摘があって、そういうことのないようにということで苦慮されていることはわかりますが、私は、この一番の隘路は失対工事だと思っておるのです。たとえて言うなりら、私は静岡県でもそうですが、愛知県でもしばしば耳にして陳情されておりますが、これは、失対工事によって三月三十一日までに延べに行われておるような仕事があります。大体昨年の八月着工いたしましたわずかに三百万、四百万の工事でありますが、大井川のほとりに初倉というところがありますが、それが、そんなものは一カ月か二カ月で局部改良ができるのでありますが、失対工事のために、三月三十一日までに基準局で人間を出さなければ困るというので延ばされておるというような隘路があるわけです。今塚本君の御指摘のようの結果が生まれておることは、十分私も承知しておるのですが、そこで失対事業に関連されておるために延びる。その責任を建設省あるいは県当局が負わなければならない。その失業者の就労日数は幾日にしてあるか知りませんが、各県によって、各基準局によって違いますが、そういう場合には、建設省が労働省と打ち合せていただいて、工事の施行が完全に、急速にできるようの手続を至急とっていただくことが妥当じゃないか。いわんやこのガソリン税の中から失業対策費に持っていくということ自体がもう間違っておることであるが、事、失業者の救済のためでありますから、これには議論は申し上げませんが、そういう隘路を取り除くために、労働省と十分お話を願いたい、こういうことをお願いしておきます。
  40. 服部安司

    ○服部委員 関連して。私も身に直接感じた問題で、先月も道路舗装工事で、二十人ばかりの人夫に、シャベルを持って囲まれた経験があるのです。もちろんこれは今佐藤局長のおっしゃった通りに、工事を施行する立場からいえばわからないことはないと思うのですが、おそらく塚本委員のおっしゃる通り、ああいう極端なことは僕はないと思いますし、経験したことはございませんが、片側通行で片側を工事する、これはどこでもやっていることです。ところが工事施行を進捗させる立場から、施行業者がやはりそこを無理をしている。片側で工事していて、片側で通行している場所に物を置いたり、また工事中にはトラックが出入りするものだから、ついやはり工事用トラックが優先されている格好なんです。  もう一つ。今道路局長がおっしゃったのですが、赤旗を持って通行整理をしている。これがすなわち全くお年寄りの、全然無能にひとしい人か、いわゆる賃金の安い失対の労務者を使っているように見受けられます。従って非常にその個所が混乱する。急ぐ者がちょいと入ると、なまいきなということで、そこで見苦しい場面が展開されておる。今大臣がスピード競争時代だとおっしゃった点から考え合せると、まことに私はふに落ちない点があると思うのです。しかしながら、これは失業救済の事業——もちろんこれは国家の施策の重要な問題でありますけれども、少くともスピード競争時代に、いわゆる道路整備をやる。しかも今日輸送事業が進んで、もう舗装しなければならないという時代も来つつあるのだから、私はこの人夫というものは河川とか——もちろん河川を軽視はできないけれども、この失業者を救済する上において、他のあまり急を要する工事でない個所にこの失業者を持っていくことが、最も妥当ではなかろうかと思うわけでございます。私などは若いので、適当にかんべんしてもらいますけれども、もっと温厚な方なら大へん驚かれるだろうと思うのです。これはおそらく車を持っておられる大臣局長も体験しただろうと思うのです。担当者を集めて注意をうながしておるそのことは、まことにその通りでありましょうが、なかなか現場の監督者というものはおらないのです。ほとんど工事施行者がやっているわけです。こういう施行者が欲得でやっているのだから、なかなか注意を受け取らない。注意を忠実に守ると、おそらく工事施行者も赤字を出してくるだろうと思うのですが、非常に矛盾が重なっていると私は思うわけです。また職員も非常に少いときであって、これは極端に言ってはなはだ悪いのですが、はなはだしく国民、市民に迷惑をかけるような工事施行者は、もう次からさせないというだけの強い態度で臨まなかったならば、私はこの問題は絶対解決するものじゃないと思うのです。ということは、いわゆる人間の本質である欲望というものがいつだって先行するのだから、この点は十分考えてもらいたい。これは最近非常にいやな気持をした立場から申し上げておきます。
  41. 塚本三郎

    ○塚本委員 私は、それはきわめて同感でございまして、佐藤委員がおっしゃいましたように、失対事業の場合にはおくれております。それから請負事業の場合は、実に傲慢な工事の仕方をしておるということ、そして工事の通行どめの許可がありますと、それがあたかも、にしきの御旗のごとく、夜間でさえもそれを全然放置しておいて、しかもそれをのけて通ろうとしますと、動けないようにわざわざドラムカン等を積んでみたりというようなことを各所でなされておりますが、先ほどの御意見のようにできるならば、きわめていい工事がしていただけるのではないか、かように考える次第であります。  それから別の問題でございますけれども道路公団予算の点で御質問申し上げますが、実は三十三年度予算の中で、公団の運用部資金七十三億のうちで、二十四億が今年度に繰り延べになっておるのです。それから外資の四十六億がそのまま今年度に繰り延べになり、さらにまた、そこへプラス本年度外資が四十三億ということになっておりますが、これが昨年度できなくて、今年に繰り延べになったが、この点、御説明を願いたいと思います。
  42. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 繰り延べでございますから、なお将来のことでございますから、数字は幾分あいまいな点はございます。ただし、外資四十六億は、本年度におきましては、外資の導入はない見込みでございますから、これだけのものは繰り延べになる。それからそのほか一般の財政投融資の方から二十四億見当の繰り延べができるであろう、こういう見通しでございます。これらは主として名神高速関係事業が、用地等の問題で本年度予定通りにいかなかった、こういう関係でございまして、ただいまの見通しでは、先ほども説明申し上げましたように、名神につきましては、用地の問題がかなり進んで参りましたから、これを来年度へ持ち越すことによって、来年度はその持ち越しがほんとにお役に立って、相当な事業が進められるものと予想しておるわけでございます。
  43. 遠藤三郎

    ○遠藤国務大臣 先ほど、来工事中の道路交通問題について、各委員から発言がございました。御承知のように、三十三年度も全国一斉に工事をやっております。従って、そういう問題が随所に出てきておるのじゃないかということを、私は心配しておりました。しかも三十四年度には、さらに膨大な道路事業をやって参ることになっておりますので、きょうのこの建設委員会の論議は、非常に貴重な論議でありますので、これを聞き流し、むだにしてしまわない意味で、さっそく私は厳重な注意を各地方の道路の担任者に出すことを、ここでお約束をしておきたいと思います。さっそくそれを重ねて注意をするようにしたいと考えております。
  44. 塚本三郎

    ○塚本委員 ではまたあすに。
  45. 堀川恭平

    堀川委員長 本日はこの程度にいたしまして、明日は午前十時から開会いたします。  それでは、これにて散会いたします。     午後零時十一分散会