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1959-06-12 第31回国会 衆議院 決算委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年六月十二日(金曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長 田中彰治君    理事 井原 岸高君 理事 鹿野 彦吉君    理事 鈴木 正吾君 理事 高橋 英吉君    理事 小川 豊明君 理事 神近 市子君    理事 山田 長司君       中島 茂喜君    淡谷 悠藏君       上林與市郎君    西村 力弥君       松平 忠久君    森本  靖君       横山 利秋君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 重宗 雄三君  委員外出席者         総理府事務官         (経済企画庁長         官官房長)   宮川新一郎君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      山内 公猷君         日本国有鉄道副         総裁      小倉 俊夫君         日本国有鉄道常         務理事     吾孫子 豊君         専  門  員 黒田 久太君 五月四日  委員西村力弥辞任につき、その補欠として佐  野憲治君が議長指名委員に選任された。 同日  委員佐野憲治僻任につき、その補欠として西  村力弥君が議長指名委員に選任された。 同月十九日  委員淡谷悠藏君及び西村力弥辞任につき、そ  の補欠として石川次夫君及び山中吾郎君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員石川次夫君及び山中吾郎辞任につき、そ  の補欠として淡谷悠藏君及び西村力弥君が議長  の指名委員に選任された。 五月二日  一、昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算昭和    三十一年度特別会計歳入歳出決算昭和三十    一年度国税収納金整理資金受払計算書昭和    三十一年度政府関係機関決算書  二、昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算昭和    三十二年度特別会計歳入歳出決算昭和三十    二度国税収納金整理資金受払計算書昭和三    十二年度政府関係機関決算書  三、昭和三十一年度国有財産増減及び現在額総    計算書  四、昭和三十一年度国有財産無償貸付状況総計    算書  五、昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総    計算書  六、昭和三十二年度国有財産無償貸付状況総計    算書  七、昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算    計  八、歳入歳出の実況に関する件九、国有財産の    増減及び現況に関する件 一〇、政府関係機関収支に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。 本日の会議に付した案件  証人出頭要求に関する件  政府関係機関収支に関する件(日本国有鉄道  志免鉱業所経理に関する問題)      ————◇—————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  政府関係機関収支に関する件、特に日本国有鉄道志免鉱業所経理の問題について調査を進めます。  発言の通告がありますので、順次これを許します。  高橋君。
  3. 高橋英吉

    高橋(英)委員 志免炭鉱の問題は、本委員会でかねてから取り上げられてはおりますが、正式の委員会では本日が最初でございますので、一応委員長である田中彰治代議士の個人的な立場について釈明を求めたいことがあります。すなわち新聞紙なんかで伝うるところによりますと、田中委員長はこの志免炭鉱払い下げ問題について、炭鉱業者上田清次郎君の代理として払い下げの陳情に行かれたというふうに伝えられておるようでありますが、そういう事実がありますかどうか。委員長のそういうふうな立場について、運営上重大な問題があると思いますから、その釈明を求めます。
  4. 田中彰治

    田中委員長 高橋委員に申し上げます。私は上田満次郎君の依頼を受けて運動した覚えはございません。ここに、ちようど幸いに吾孫子理事小倉総裁がおいでになりますが、上田清次郎氏は大映の永田さんと非常に懇意らしいのです。そこで、僕も志免炭鉱払い下げをしたいから何とか相談ならぬだろうかという話を永田氏にしたところが、永田氏は、おれじゃだめだから、河野君のところに紹介してやるからというので、永田氏の紹介状を持って上田氏が河野一郎先生のところに行った。そうしてその手続の方法を聞いて、願書を出した。そして願書を出して、福岡へ帰りまして、同士に、僕も払い下げをするように願書を出してきたよと言ったところが、その炭鉱の仲間の人たちが、上田さん、あんたはそれは間違っている、もう志免炭鉱三菱払い下げすることにちゃんときまって、覚書のようなものまで書いてあるのだからそれはだめだ、と言われたので、びっくりして、河野氏のところに来てその話をした。河野氏は、そういうことならば田中君に頼んで調べてもらおうというので、私に、調査をしてやってくれぬかというので、私は依頼を受けて、そこで河野氏の家から電話をかけたら、幸いに、総裁が公邸におられた。そこで総裁のところへ行って、上田氏の出してある願書が許可になるのかと言ったら、中小炭鉱には一切払い下げいたしません、これは三井三菱住友が競争入札するものであるときまっておりますという話をしたから、上田氏から聞いた話だが、河野氏の前で、言ったことだからうそはないと思うが、相当これには不明朗のものがある。もはや金銭の授受さえもあるそうじゃないかと言ったところが、そういうことはない、まあ明朗にしなさいというので、帰ってきた。そこで、上田氏にその話をすると、上田氏は、それではこれから行って私は払い下げをやめてくる、長く願書を出しておいて、談合でもして、金でももらってやめたと言われては困るから、というので、上田氏がその足で小倉総裁吾孫子さんを尋ねられて、そうして払い下げをやめるといって、願書を下げられた。そこで、そのときに小倉総裁にも吾孫子さんにも、田中さんにも一回調査してもらったことがある、河野先生のお世話になったのだから、私は談合したなんて言われてやめるのは恥かしいから、今やめるのだから、その意味を行って言っていただきたい、と言って帰られたそうです。それで小倉さんが私のうちへ来られて、上田さんがこう言っていかれた、というから、それはけっこうなことです。これから河野さんのところへ行ってそう言ってくれと言うから、行ってくるのだ、という話を聞いた。それが一月のことなんです。志免炭鉱の問題などは何にも載っておらないときです。そこで、国会議員が、こういう書類が出たから内容を調べてくれぬか、聞いてくれぬかと言われて、聞いてやるぐらいなことは何でもないことであつて、別にこれは何の関係も、ございません。小倉さんによくその事情を聞いて下さい。
  5. 高橋英吉

    高橋(英)委員 今、委員長発言について、小倉総裁関係せられたことについて、一つその間の事情を明確にしていただきたいと思います。
  6. 小倉俊夫

    小倉説明員 私も上田清次郎氏に直接会ってお話を伺いましたので、御答弁に立って差しつかえないと考えます。御承知通りに、一月十日に運輸大臣指令がございまして、そのときには指名によって処置するようにということでございましたが、これは青山委員会の答申に基いて、指名競争払い下げをするということがきまりました。その前のいきさつもございますから、三井三菱住友、それから同じく願書を出されました上田さんを呼びまして、これこれこういうことであるから、国鉄としてはこの方針で事務を処理するということをお話申し上げました。その節に上田さんはつかまりませんでしたので、三井三菱住友と別に、数日おくれたのでございますが、私が総裁室におきまして、吾孫子常務その他関係者上田さんにお会いいたしまして、やはり運輸大臣指令が出たことをお話し申し上げましたところ、上田さんといたしましては、それはやむを得ないことである、自分としてはこれ以上この払い下げを希望いたしてもそれは困難であるから、自分としてはこの際手を引く。それで、先ほど委員長が言われました通りに、ただ自分がほかの意図をもって手を引いたと言われるようなことがあっては困るから、その旨、私の方からも、上田さんが手を引かれたということを二、三の方にお話しておいてくれ、こういうことでございましたので、私からそれぞれの向きにお話いたしましたので、その間の事情は私がただいま申し上げた通りでございまして、全く委員長の御発言と同じでございます。
  7. 田中彰治

  8. 小川豊明

    小川(豊)委員 私は調査に入る前に、決算委員会一つ権威というような問題について、委員長並び十河総裁お尋ねしたい、こう思っておったわけですが、きょう血圧が高いというので、十河総裁見えておりません。十河総裁見えておられないとすると、私が質問しようとする決算委員会権威に関する問題というのは、ほとんどポイントがなくなるわけであります。  それはどういうことかと申しますと、この志免の問題が四月末に理事会で取り上げられて、調査をしよう、こういうことになったときに、この志免の価格というものは七十億くらいの価値があると言われていて、それが十億かそこらで払い下げられるということの一つの疑問。さらに、この志免払い下げ三菱三井住友の三社に指名入札にされることになっておる。しかし、総合開発というこの一項は、三社ではあるけれども当然三菱一社に限定されているのと同じことである、ここには三社の談合というものがあるのではないかというこの疑問。さらに、これは十河総裁は六千万円という金を三菱から受け取っているということを雑誌等に書かれている。十河総裁はこれを否定しておりません。こういう幾多の疑問があるからこの問題を調査しよう、こういうことで、われわれ理事会志免へ行ったわけです。  ところが、志免へ行って調査をして、われわれが調査の結果を委員長談話の形で発表します。それとほとんど軌を一にして、十河総裁新聞発表されたことによると、この決算委員会調査というものは、田中委員長志免払い下げを、さっき高橋委員からも質問があったように、上田清次郎氏から頼まれて委員長払い下げ運動に来て、それを断わったから、それで委員長決算委員会を動員してこういうことをしたのだ、この問題はいつでもおれは対決する、こういうことを十河総裁新聞談話発表していることは皆さんも御承知だろうし、私も読んだ。そうすると、決算委員会というものは国の機関である、権威のあるものでなければならない、こういう考えでわれわれは日夜この問題と取り組んでおる。しかるに委員長が、もしそういう十河総裁談話のごとく、一業社から頼まれてこの払い下げ運動をして、それが成功しなかったからその私憤を晴らすため決算委員会を動員して調査等に乗り出したとするならば、これは決算委員会委員長の私物化されたことになる。まさに重大な問題である。そういうことは許さるべきでない。もしそういう事実があるとするならば、委員長委員長の職を辞職すべきだ、私はそういうふうに考える。ところが、今、高橋委員からのお尋ねによって、委員長はそういう運動をしたことがない、こういう御答弁でした。そういう答弁が正しいとするならば、十河総裁談話というのは、一体、これは何だ、こういうことを言わざるを得ない。一国鉄総裁決算委員会の、われわれの任務に対して、ありもしないことを捏造して決算委員会任務をはたから制肘し、妨害しようとすることは、これは許すことができないことになる。この間の事情を私は、はっきりした上で、決算委員会のこの調査に臨みたい、かように考えて、質問をしておるわけです。  今、委員長答弁をお聞きすることができた。それでは、十河総裁新聞発表したあの談話というものは、十河総裁はそういう談話発表したとするならば、何を根拠にしてそういう談話発表したか、この点を十河総裁に聞かなければならぬ。しかし、きよう十河総裁は出てきておらない。副総裁かそれにかわつて答弁されるというのですが、あの総裁新聞発表した談話、一体あれはどういうことです。田中委員長は、志免払い下げ運動をしてそれを断わったから委員長はこういう問題を起した、こういうことをはっきり言っておる。新聞にも出ておる。いつでも対決する、こういうことも言っておる。それならこの点をもっとはっきりしてもらわないと、われわれ決算委員会は、田中委員長の私物化されたものでない。委員会委員会としての権威のもとにこの調査を進めるわけです。そういう事態があるとするならば、われわれとしては遺憾千万な話。この点は、はっきりしてもらいたい。十河総裁が言ったことがあやまちであるのか、委員長ほんとう運動したのか、委員長はここで答弁して、そういう運動はしてない。運動してないとするならば、十河総裁のあの発表は一体どういうことですか。あなたは、きょう私がかわって答弁しますと、言っておられるので、その点答弁して下さい。
  9. 小倉俊夫

    小倉説明員 志免の問題は、数年来各方面で論議されて参りましたので、総裁としてはいろいろな方に会って、事情をいつも丁寧に御説明してこれたのであります。田中委員長見えましたときには、私はおりませんでしたと記憶いたしますが、しかし総裁に伺えば、やはり田中先生が、志免の問題を国鉄としてはどう扱うか、そういう点について国鉄の気がまえ、心組というものがどういうことかという御質問をされたように聞いております。それで総裁は、これはやはり労働問題であるから、中小炭鉱に譲り渡すことはできないし、ただいま青山調査委員会においていろいろ譲渡の方法、相手方の資格、その他を研究しておる、というようなことをお話し申し上げて、会談が終ったように私は聞いております。
  10. 田中彰治

    田中委員長 小川委員、あなたにちょっとお答えいたしますが、昨日、福田幹事長からちょっと来ないかと電話がかかったけれども、私はあなた方と、総裁と会わないということを言っておったから、それにこたえて行かなかった。そこへ高橋英吉君から、ちょっと用事があるから来いというので、行ったところが、そこに、ここにおられる理事全部がおられて、福田幹事長中村政調会長、それから増田国会対策委員長かおられた。そのうちに十河総裁、それから小倉総裁吾孫子理事、こういう方がおられて、君、いま一応国鉄の言い分も一つ聞いてみたらどうだ、怒ってばかりいるのが能ではない、と言うので、それでは、理事がおられるから聞こうじゃないかというので、そこで公開のような席で聞いた。その聞く前に、私が今ここで申し上げたことを総裁の前で申し上げた。理事諸君はみんな御存じだ。ここに吾孫子理事もおられるが、そこで、そういうことはないんだということを申し上げたら、それはそれで承知されておる。決して私は、河野氏も言っている通り、そういうことをしたことはありません。それから、決算委員を三期勤めておりますが、あなた方の中で、どこでもけっこうです、田中彰治に夕食一ぱいおごった人があるなら言って下さい。私は決算委員長を辞職してもけっこうです。そういうことをしておりません。
  11. 小川豊明

    小川(豊)委員 副総裁答弁は、私のお尋ねしたことと違っておる——違っておるのではなくて、ポイントがはずれておる。私のお聞きしたのは、田中委員長は、この運動をして、断わったから、それで田中委員長は腹を立てて決算委員会を開いてこういうことをしたのだ、いつでもこの点は対決する、総裁がそう言っておる。そこで、これはゆゆしい問題である。決算委員会委員長田中氏の私物化されたものではない。従って、そういう意図で、もし決算委員会がこういう問題をするならば、われわれはごめんこうむる。重大な決意をしなければならない。こう思って、きょうお尋ねしようと思っている。たまたま、高橋委員委員長お尋ねをされた。そこで委員長は、そういう運動はしないということを答弁されている。ならば、国鉄総裁のあの談話は、一体どういうことなんだ。おれのところに運動に来て、断わったから、そのしっぺ返しにこういうことをやっておる、いつでも対決する、と言っておる。ならば、なぜ、ありもしないことを総裁が捏造して、田中氏を傷つけるのか。そのことをお聞きしておる。あなたの答弁とは違っておる。そういうことがあったのか、ないのか。あなたの今の答弁は、そういうことはなかったという田中委員長答弁の裏づけをしているような御答弁です。それならば、なかったにもかかわらず、なぜ総裁はそういう発表をしているのか、そのことをお聞きしておる。
  12. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 私が伺っておることを申し上げたいと思いますが、私が伺っておる範囲では、田中委員長が今お話のあったようなことがあって、自分のために決算委員会お開きになったというようなことを総裁が申されたということは、全然ないと思います。ただ、総裁が、いろいろ対決してもいいと言っておられるのは、新聞その他に、何かその他のことでいろいろ疑わしいようなことがあるのではないかということが評判されておる、そういうようなことについては自分に聞いていただけはよくわかることであるから、そういう問題についてはいつでも対決しても——対決するという言葉はお使いになってはおらないと思います。が、聞いていただけばわかることだ、こういうふうに申されておるのでございます。
  13. 田中彰治

    田中委員長 そういう質問もけっこうですが、私と十河総裁とは、きのう会ったのが二回目です。ものの十分も会っておりません。運動というのは、一回も二回も三回も行って、そうして断わられたというのが運動です。ただ聞きに行ったのだから、一回しか会っておらない。きのう会ったので、総裁に会ったのは二回です。いいですか、そんなことですから、小川君、もう少しほかの質問に入られたらどうですか。
  14. 小川豊明

    小川(豊)委員 さっきの委員長答弁で、あなたは運動したのではないということがはっきりしたのですから、それでいい。運動しないものを、運動をしに来て、それを断わった、それがゆえにこういうことをやったというような、委員会審議妨害、制肘するような言辞総裁自身が弄しておる。国鉄総裁が、委員会調査をそういう形で妨害、制肘するような言辞を弄することは、許すことができない。こういう点から、国鉄総裁釈明を求めたい。それは吾孫子さんが答弁しても、本人が出てこなければほんとうのことはわからない。だから、きょうは総裁に来てもらわなければ困ると言っておるのですが、総裁は出てこない。
  15. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 誤解があつてはいけないと思いますから、一言申し上げておきますが……。     〔発言する者あり〕
  16. 田中彰治

    田中委員長 静粛に聞きなさい。
  17. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 上田さんのことで田中委員長自分のところにお見えになったことがある、ということは新聞記者にも申されたことはございます。しかし、そのことのために、それが断わられたから、何か腹いせに何かしておられるのだというような意味のことを総裁がおっしゃったことはございません。(「新聞記者発表したとき、あなたはその席におったのか」と呼ぶ者あり)総裁新聞記者に話をなさった際は、私はその席におりました。その際に総裁は、田中委員長が前にお見えになったことがあるということを言っておられました。
  18. 小川豊明

    小川(豊)委員 私がこの問題をなぜ重要な問題として取り上げておるかというと、われわれこの委員会は、国の機関として、まじめに、公正に、ものの調査審議に当っておるつもりです。ところが、今回の問題のように、委員長がこうしたからこうやったのだというのでは、委員会権威というものは、なくなってくる。委員長の私物化された委員会であるかのように解釈されておる。それでは委員会権威はない。これは国民に与える影響は重大である。この点は、はっきりしなければならない、こう思って、私はお尋ねしたのです。委員長答弁で、この点は、はっきりわかった。わかったが、あなたの方は、なぜ委員会に対してそういう重大な侮辱を加え、審議を制肘するような言辞を弄したのか。この点、国鉄総裁責任を追及しなければならない。ところが、総裁が、きょう、出てこない。あなた方が、そういったことはないと言ったところで、全部の新聞がそう書いておる。あの新聞の書いたのは、みなでたらめだ、こういうことをあなたがはっきり言うなら、それでいい。新聞の書いたことはでたらめですか。
  19. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 先ほど申し上げましたように、新聞記者皆さん総裁お話になりました席に、私は同席しておりました。その際に、田中先生が前に上田鉱業への払い下げの問題で、自分のところにお見えになったことはあるという事実は申されましたけれども、そのほかに、またそのあとでも、田中先生私憤のために委員会お開きになっておるんだとかなんとか、そういうようなことを申されたことは一度も私は伺っておりません。
  20. 横山利秋

    横山委員 関連して。吾孫子さんにお尋ねするんですが、あなたの話によれば、あなたが同席しているところで、田中委員長の話をした総裁が、少くともこの上田清次郎氏に対する私憤のことについて、少しも言わなかったことを新聞が書いたんだとあなたは断言をする。これで差しつかえないんですか。そうすると、本問題は、あげてそれを掲載した新聞記者及び新聞責任である、とあなたは断言してはばからないですか。もう一ぺん、はっきり証言して下さい。
  21. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 私の記憶する限りにおいて、田中委員長私憤のために何かをされておられるというようなことを承わったことはございません。
  22. 横山利秋

    横山委員 重ねてお伺いをいたしますが、あなたの記憶する限りという前提がそこに初めてつきました。あなたの記憶しない中においてそれが行われたかもしれない、これはあなたは認めますか。
  23. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 私は終始その席におりましたので、私の記憶は間違っておらない、そう思っております。
  24. 横山利秋

    横山委員 私の言っているのは、そういう意味ではないのです。あなたがここで総裁にかわって答えようとしている。総裁にかわって、そのことが無実の罪だと言おうとしている。けれども、あなたが今証言していることは、前提がついているのです。私がそばにおった限りにおいては、という前提がついておる。その限りにおいては、あなたは総裁にかわって全面的にその新聞記事を否定する何らの権限もないわけです。前提がついている限りはそうでしようが。あなたは自分が聞いた限りにおいてはそうなんだ、もしもあなたの言うことがほんとうだとするならば、あげてこの事実は新聞が悪いのであって、新聞記者が悪いのであるとあなたは言おうとしておるのだ。そうでないならば、あなたは、私が聞いていないところで総裁が言ったかもしれないということをここで肯定しなければならぬのですが、そのいずれかを、あなたは、はっきりしなさい。
  25. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 私が聞かなかったことは私にもわかりかねる次第でございます。そういう点は、また別の機会に、総裁にでもじかに聞いていただく以外に仕方がないと思います。私の聞いた限りにおいて、記憶する限りにおいて、そういうような御発言はございませんでした。
  26. 小川豊明

    小川(豊)委員 この問題は、これ以上論議してもむただと思います。ただ私は、あなたの方がそう言わなかった、こういうことならば、そこで書かれた新聞は、これはうそを書いた、こう解釈をせざるを得ないわけです。その方が私としてはけっこうなんです。ところが、あなたの方で、総裁がそういうことを言ったとするなら、これはゆゆしい問題である。われわれはあくまでも総裁責任を追及しなければならぬ。ところが、総裁はそういうことを言わなかった、書いたのは新聞が書いたのであって、新聞は誤まってうそを書いたにしかすぎないのだということならば、これで一応総裁委員会を侮辱したものでないということだけは、はっきりしてくるわけです。この点は、あらためて、また総裁お尋ねしなければならぬと思います。  そこで最後に、私申し上げたいと思いますが、この問題を取り上げて冒頭私が申し上げましたように、この志免炭鉱払い下げ問題については、志免財産価値というようなものは、捨て売りにしても五十億くらいある。七十億が適正な価格でないかということをわれわれは聞いておる。それが十億かそこらで払い下げられるということに対する一つの疑問、しかも払い下げされるについて、すでに払い下げ価格までが市中に喧伝されるということも、われわれの納得のいかない一点であります。  次に、この払い下げは、三菱三井住友の三社に指名入札をする、こういうことになっておるが、ここには総合開発をするという一項がありますから、これは三井住友では総合開進はできないので、三菱に行くということは決定したのと同じです。この点も、いろいろ流布されている事情と合せて、三菱に十億くらいで落札させるのだということになってくる。さらに、ここに大道無門という雑誌の抜き書きがありますけれども、ここには十河総裁に対して、総裁公邸で払い下げの仮調印が行われ、六千万円が十河に手渡しされたという、こういうことが雑誌に書かれておるわけです。この雑誌の記事はかなり問題になっておるわけです。従って、こういう事実はあろうはずもないと思いますが、ないならば、この点は、はっきり取り消しを要求すべきである。さもなければ、重大なる総裁に対する侮辱です。この点は総裁として、告訴するなり告発するなりして、はっきりすべきであるが、今もって何も言っていない。こういう幾多の疑問が志免払い下げをめぐって流布されておる。従って、われわれはこの点をもっと調査し、解明して、国民のこの疑惑を解いた上でどうするかということを考えるべきです。こう思っておるにもかかわらず、あなたの方では、だれが何と言おうとも、六月中には払い下げは強行するんだと言っておるが、こういう疑惑に包まれたまま、こういう疑惑を残したまま、なお六月にはこれを強行しなければならぬという理由は一体どこにあるのか、私どもには納得がいかない。閣議できまったから、あるいは運輸大臣指令を受けたからやる、こういう答弁は聞いております。聞いておりますけれども、そういう疑惑がないことを前提の上にやられるならば、そういう答弁でいいわけです。こういう疑惑があるということで、この委員会調査に当っている中で、あなたの方では六月にはどうしてもこれを強行するのだと、言われておるが、なぜ六月にこれを強行しなければならないのか、この点をお尋ねしたい。
  27. 小倉俊夫

    小倉説明員 ただいま御質問払い下げ価格の点でございますが、国鉄としては、毎回申し述べております通りに、今まで予定価格を算出したことはございません。予定価格は、もしこれが漏れますれば、非常な混乱を来たすのでございまして、かえって今ごろ予定価格を持って、それをもし漏らしましたら私どもの重大な責任になるということでございます。それで、運輸監督官庁の方ともお話ししまして、これはぎりぎりの入札直前にきめるということで、ただいままで予定価格というものを一切きめたことはございません。従いまして、払い下げ価格が十億だなんということは全く無根でございます。  それから次の、雑誌大道無門でございますか、に出ました記事につきましては、総裁においては絶対にそういうことはございません。総裁もはっきりそう申しております。ただ、ただいまのお話しの中で、それなら、どうして告発なり取り消しなりをしないか、こういうことでございまするが、総裁は、私の口から申して変でございますが、大腹中の人でございまして、そういうことを一々取り上げていてはかえって混乱を来たすということで、これはその人の考え方、あるいは性格その他で告訴する人もございましょうし、しない人もありましようし、これはその人の考え方だと思います。  それから六月中にということでございまするか、私の方では従来、かような問題がいろいろもつれて参りまするので、できるだけ問題は早く解決いたしたいということで、準備を急速に進めまして、準備が完了したら払い下げの措置に移るということを申し上げているだけでございます。
  28. 山田長司

    ○山田(長)委員 緊急動議。先ほどからの答弁及び質問等を伺っておりまして、十河総裁が出てきて答弁をしなければ、本委員会の威信にかかわる実は重大な問題に当面しておると思うのです。私たちは、田中委員長及び十河総裁の会見が近くなされるのではないかということを耳にいたしておりましたので、実は九日の当委員会理事会におきまして、九日の委員会開催を延期しようとした与党側の意見に対して、われわれは委員会延期反対を唱えたわけでしたが、委員会を延期する条件といたしまして、実はきょうの委員会が開かれる前に十河総裁田中決算委員長との会見はこれを避けてもらいたいと申し上げましたところが、たまたま偶然に会ったような先ほどからの意見でございますけれども、これは実際偶然の会見とはわれわれは見ないのです。何となれば、九日の朝の新聞は、当日われわれか理事会を開く前に、もうすでに新聞報道が一部なされておったのです。それゆえに、理事会の場合に、延期のことについては反対の意思を表明したのでしたが、たまたま委員長も了承した形でそれをきょうに持ち越したわけだったのですが、先ほどからの話を聞いておりますと、実はきのう会っておるようです。いろいろわれわれが伺いたい点についても、そごする個所がたくさんにありますので、総裁が出てくるまでこの委員会を休んでいただきたいということを動議として提出するものであります。どうぞお取り上げを願います。
  29. 田中彰治

    田中委員長 山田委員に申し上げますが、私が九日の理事会十河総裁と会わない、会わないようにしようと言ったことは事実です。しかし、それは手打ちだとか、二人で会うとかいうことはしない。しかし昨日会ったのは、政調会長、幹事長、国会対策委員長、わが党の理事、その他の人も入っておって、そうしてそこで会って、手打ちをしたわけでもなんでもない。話を聞けというから、話を聞くぐらいは委員長として当りまえで、どんな考えを持っているのか、私も言いたいこともあったので、言ってやった。手打ちをしたわけでもなんでもありません。総裁だって、この次、呼びます。今、病気で出てこれないというものを、またここで、ああだとか、こうだとかいうようなことでは、決算委員会はやり過ぎだとか、行き過ぎだとかいうことを言われているのだから、ここであなた方が、吾孫子理事も来ているのだから、いろいろ質問なさったらいいじゃないですか。総裁の分だけ残したらいいじゃないですか。
  30. 神近市子

    ○神近委員 私は山田委員の動議に対して補足いたします。今、小川委員が触れられている十河総裁田中委員長に対する非難ですか、反論ですか、それは当委員会の成立そのものを危うくする言動だと思うのです。十河総裁の言うたところによれば、田中委員長はこの決算委員会を私物化して、自分のうっぷん晴らしのためにこの問題を取り上げたということは、私ども委員会に対する重大な誹謗だと考えるから、小川委員がその点を取り上げたのです。ですから、委員会が正常なものであるためには、その点をはっきりしてから発足したいと私たちは考えて、今の動議が持ち出されたのでございます。きのうは自民党の本部かどこかに現われていて、きようは国会内の重大な審議に出られないということは、われわれは、すなおに受け取れないのです。何らかの作為のために病気になったのだと考えますので、この動議が出たわけです。私の意見は、今、山田委員の動議に対する補足でございます。
  31. 田中彰治

    田中委員長 神近委員に申し上げますが、ものは大がい常識でわかるのです。たとえば上田さんの運動をしたと言っても、運動をするならば二回も三回も会わなければならぬ。しかし、総裁とはきのうで二回、それもものの五分と会っておりません。そういうようなことで、それもわかっているのだし、また私も新聞にはいろいろ書かれていますが、新聞が正確な報道を伝えるとは私も考えておりません。  それからもう一つ小倉総裁答弁を私が許しているのは、上田清次郎と話し合ったのは、十河総裁でなくて結論は、運動したかしないかでしょう——総裁がおいでにならないので、吾孫子理事と副総裁上田さんと今会って話をされて、それから私のところへ副総裁が来られて上田さんがこういうわけで手を引いていかれましたといって、報告を受けた。それはことしの一月のことです。ですから、そう人も疑ぐれませんし、これだけ話がわかればいいじゃないですか。あとは、今度総裁が出たときに聞きなさいよ。
  32. 神近市子

    ○神近委員 私どもは、上田清次郎のために運動した云々ということで、あなたを疑ってはいけないのです。その点は、ほぼ明らかになったと私どもは考える。けれども、十河総裁があなたをあれだけ誹謗して、国会に出て対決する、おれは政府委員控室で待っていたのだ、と言っている。私どもは、あなたの立場を守って上げるという立場で——あなたはいろいろ疑われているのですよ。それを、決して決算委員会を私物として扱っているのじゃないということを明瞭にして上げようというのが、今の動議じゃありませんか。それをあなたが阻止するという態度は、私はおかしいと思う。
  33. 田中彰治

    田中委員長 いや、阻止はしておらない。今おらぬから、今度呼び出して聞きなさいと言っているのです。せっかく大臣も出てきておるのだから。
  34. 森本靖

    ○森本委員 関連して。委員長委員長席で、今、常識で判断をせられたと、いろいろ言われましたけれども、私は委員長に、一言、言っておきたいことは、この間の九日の理事会において話し合いをしたことは、常識で判断をするならば——あなたの常識は別として、あとに来ておった新聞記者、並びにその他の一般の人々の常識で判断すれば、それは、きょうの十二日の決算委員会があるまでは、いかなることがあっても、十河総裁とは会わないという含みを持っておったことは事実なんです。それを委員長はそうでないというふうに常識で——あなたの常識で解釈すればそれは別だけれども、きのうの、いわゆるあなたと十河総裁との会談が朝刊にすでに載っておった。その日の午後に幹事長並びに十河総裁とあなたとが会うという記が載っておった。これは非常におかしいということで、われわれとしては、しかし田中決算委員長はあれだけ信頼のできる人物だから、まさか会うことはなかろう、こういうふうに考えて、そのまま静観しておった。そうすると、けさの朝刊には麗々しく載っておる。そういうことについても、われわれとしては非常に遺憾である。社会党は明確に、田中委員長のきのうの会談について遺憾であるということを私は率直に申し上げておきたい。これは社会党全部の総意である。まずその点については田中委員長に、はっきりと申し上げておきたいと思います。しかも、きのうそういう会談を行なっておいて、きょうになって十河総裁が血圧が高くて出られない。それで小倉総裁なり吾孫子理事答弁に立つということを言われたのでは、われわれとしては、疑いたくないところも疑いたくなるのは当然なんだ。きのう、会わないと約束しておいたのが会っておって、しかも、きょうの決算委員会になって肝心の十河総裁が血圧が高くて出られない。これは何かあったんじゃないかと疑うのは当然なんだ。常識ですよ。そういうことになって、きょう十河総裁が出てこないのに、ここでのんべんだらりと質問ができるものではない。だから、山田委員が出したように、十河総裁が出てくるまでここで待っていますから、委員長としては出てくるような措置をとってもらいたい。以上です。
  35. 高橋英吉

    高橋(英)委員 関連して。森本君の話を聞くと、きのうの会合は、あたかも田中、十河二人だけの会合で、ほかの者はまるで人間扱いされていない。なるほど、われわれは陣がさ代議士ではあるだろうけれども、会見したのはわれわれであって、田中委員長はあとからやってきた。われわれの党でも、幹事長も出ておれば、政調会長も出ておるし、国会対策委員長も出ておる。国鉄側からも、十河総裁も、副総裁も、吾孫子理事も出ておる。われわれの方からも、かく言う高橋英吉を初め、鹿野君、井原君、鈴本正吾君、こういう者が出ておった。会談はそういうふうな大ぜいの会談であって、単に田中・十河会談じゃありません。われわれが九日に了解したのは、要するにわが党の幹事長とそれから田中、十河、三者の密談によって手打ち式をやるということに対してはわれわれも絶対反対した。絶対になすべきではないということで反対したのであって、こういう公開的な、大衆の討議の席上へ出られないという話をしたのではありません。従って、昨日は田中・十河会談ではありません。これは今言ったように、多数会談でありますから、この点誤解を解いていただきたい。従って、本日は、十河総裁がどういう理由で出席しないか、これはわれわれの責任ではない。委員長責任でもない。十河総裁責任で、あればあるだけのことだと思います。従って、今、運輸大臣も出ておるのだし、それから副総裁も、吾孫子理事も出ておるのだから、聞くだけのことは聞いたらどうかな、こう思うのです。
  36. 小川豊明

    小川(豊)委員 ほかの委員の方々の質問もあると思いますから、私は一言申し上げておきますが、さっきから、るる申し上げた通り決算委員会権威というこことを考えるときに、これは田中委員長が、そういう、上田から頼まれたからどうというようなことであった場合には、決算委員会田中委員長の私物化したものになって、決算委員会権威というものは地に落ちてしまう。これはゆゆしいことであるということから、もし、そういうものがあるとすれば、遺憾ながら、私は、あなたには決算委員会委員長をやめてもらわなければならないだろう。こういう決意を持って、ここに臨んだ。そのことは、幸いにして、あなたにはそういうことがないということは、あなた自身の答弁、さらに吾孫子さんや、副総裁答弁でこれは裏づけされたと思う。とするならば、一つは、今度は決算委員会権威を冒涜し、その審議を制肘するかごとき言辞を弄した十河総裁責任は追及しなければならない。この一点が一つ残るわけです。この点については、遺憾ながら、小倉さんか言ったわけでもなければ、吾孫子さんが言ったわけでもないから、この点は十河総裁から、はっきり聞かなければ、われわれ、了解することができません。  さらに、きのうお会いになったという問題は、われわれとしてはあなたに会ってもらいたくないということから、党としても、われわれとしてそれを要求した。それで、あなたもこれは了承した。なぜ、そのことを問題にするかというと、これは、ここの議場で委員会が開かれるということは、国民の前においてわれわれが審議することである。こういう幾多の疑惑に包まれた問題を、たとえば自民党といえども、社会党といえども、個々にそれらを審議すべきではない。自民党で話をしたから、きまったということはないのであって、国民の前にこれは明快にしなければならないことである。従って、あなたの方でどういう話をされようとも、どういう結論に達しようとも、この不可解な事情が明確になるまで、この問題はやめるわけにはいかないわけです。これが、そうではないということになるならば、これは別である。そうであるとすれば、その次の手を打たなければならないのであって、あなた方の方で、たとえば今、高橋さんが言われたように、大ぜいで会われようとも、何で会われようとも、それは自民党が党内事情その他を調整するために会われたことであって、本委員会に対しては何の関係もないことである。従って、この審議をわれわれはあくまでも進めなければならない、こう思っているわけです。
  37. 田中彰治

    田中委員長 山田君の動議をきまりをつける前に、ちょっと森本君に申し上げておきしますが、昨日会って、二人だけで、党の幹部が、握手すると思ったところが、私と総裁の意見が合わないので、握手しないので、ちょっとけんか別れみたいな、物別れみたいになって別れておるわけです。だから、この委員会に対しては、そういうことで、曲げたりなんぞいたしません。  そこで、山田君の動議が出ておりますから、暫時休憩して、理事会で協議いたしたいと思います。  暫時休憩いたします。     午前十一時四十七分休憩      ————◇—————     午後零時二十三分開議
  38. 田中彰治

    田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  山田委員から発言を求められておりますから、これを許します。山田君。
  39. 山田長司

    ○山田(長)委員 先ほどの動議を撤回いたします。ただし、この次の機会に委員会を開き、同時に十河総裁を証人として喚問することを討議して、了承したいとおもいます。
  40. 田中彰治

    田中委員長 証人出頭要求の件についてお諮りいたします。政府関係機関収支特に国鉄志免鉱業所経理問題の調査のため、証人として十河信二君に当委員会に出頭を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 田中彰治

    田中委員長 異議なしと認め、そのように決しました。  なお、証人の出頭要求日時につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 田中彰治

    田中委員長 御異議なければさように取り計らいます。     —————————————
  43. 田中彰治

  44. 小川豊明

    小川(豊)委員 運輸大臣にお伺いします。運輸大臣は、当然国鉄その他の運輸行政の管理監督をしておられると思いますが、この新聞を見ますと、「十河国鉄総裁は八日、福田自民党幹事長、赤城官房長官、青木国家公安委員長らを訪れ志免炭鉱の実情を報告したあと午後五時から国鉄本社内で記者会見を行い「志免払下げは予定通り六月中に行う」と語った。」とあります。そうすると、こういう払い下げとかなんとかいう非常に重要な問題は、あなたには相談しないでいいことなんですか。国鉄総裁はあなたを抜きにして、ほかの機関と話す。当然監督機関としての運輸大臣であるあなたに相談してこういうことはやられるべきでないかと思いますが、あなたはこの中に一つも出ていません。まるで、つんぼさじきに置かれた運輸大臣のような感じがして、われわれは奇怪に存ずるわけです。どうですか、あなたはどうやつてもかまわない、これは大臣で置いておけばいいという考えですか。それとも、これは私の関係だから、私に相談すべきである——こういうことが私は当然だと思いますが、あなたとは何の関係もなく、総裁とその他の機関できめてしまっているようですが、これはどういうことなんですか。
  45. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 お答えいたします。その事前にも、その後におきましても、私とは十分相談の上でございまして、もちろん運輸大臣がこれを許可することになっております。
  46. 小川豊明

    小川(豊)委員 小倉総裁もあとで談話発表していますが、この新聞を見てもわかる通り、あなた方は、もうほとんど運輸大臣はのけものにして、自民党の幹事長だ、赤城官房長官だ、こういう方々と相談して、六月中に払い下げを行うと言っている。運輸大臣という、あなた方の直接の重要な機関を無視して、こういう談話発表しているのです。きょうは総裁が来ないから、あなたがかわって答弁するとおっしゃったが、こういうことをやっていいんですか。それは事前にどこで相談なさったか知りませんが、少なくても新聞発表するなら、幹事長や官房長官は別にそういうことを発表しないでもいいのです。運輸大臣と相談した結果、そうなったと発表するならまだ筋は通るが、運輸大臣を全くのけものにして、つんぼさじきに置いて、こういうことを発表していおる。あなた方のやっていることは、日常がすべてそういうふうにわれわれには感じ取られる。運輸大臣はのけものにしておる。だから、この間のように、運愉大臣が国鉄総裁に首切られた、こういうような妙なうわささえ飛ぶんです。あなた方の、これに対する見解を伺いたい。
  47. 小倉俊夫

    小倉説明員 志免の問題は重要な問題でございますから、十河総裁は常に運輸大臣に御連絡あるいは御報告を申し上げております。また、私どもも鉄道監督局長あるいは官房長その他に終始委細を報告し、また御指示も仰いでおるのでございまして、監督官庁を抜きにして勝手に動くというようなことは、毛頭ございません。
  48. 小川豊明

    小川(豊)委員 それは、あなたの答弁としてそういう答弁する以外に方法がない、わかっております。絶えずやっておられることは、運輸大臣をずっと前からのけものにして、あなたらで相談しては、やっておられる。そういうことが志免の問題が出てきた一つの原因だ。  それは別として、宮川官房長、見えておりますか、——あなたは経済企画庁の官房長ですか。
  49. 宮川新一郎

    ○宮川説明員 さようでございます。
  50. 小川豊明

    小川(豊)委員 お尋ねしますが、この問題がいろいろ議論になつたときにに、あなたのところに国鉄から吾孫子さんか何かが見えて、その前の経過というものがあるはずで、これは河野さんが長官の時代、こういう問題は疑惑に包まれるといけないから、もっと明朗なガラス張りの中でやるようにしたらどうか、いま一つは、国の財産を処分するのだから、なるべく高く売ることの方が国民のためになることだから、そういう趣旨のもとに次官か何かの会合を持って、こういうものを進めたらいいじゃないか、こういう話を河野長官からあなたにした。そこであなたは、国鉄の方にもこの問題を移した。そうしたら何の回答もないから、今度は、あなたが国鉄の方に出かけていってそれを督促したところが、吾孫子さんがあなたのところへ見えられて、この志免払い下げというものは一時見合せるつもりだ、経営も黒字になってきたし、国鉄としてこういう炭鉱一つくらい持つことは何らおかしいことではない、あった方がいいと思うから、そういう理由でこの払い下げというものは一時中止する、こういうことをあなたの方へ言ってこられたということを、われわれは聞き知っておるのですが、そういう事実はございますか。
  51. 宮川新一郎

    ○宮川説明員 お答えいたします。昨年二月か三月ごろだと思いますが、元企画庁長官をしておられました河野先生から、政府与党連絡会議でありましたか、閣議でありましたか、これは、はっきりいたしませんが、志免炭鉱払い下げ問題が話題に出た。そこで、運輸省なり国鉄なりに行って、どういう経過になっておるのか、現状はどうなっておるのか、一つ聞いてほしい。なお、私、元大蔵省におった関係もございまして、大体国有財産を処分するのは、財政的見地からいうならば、入札によって高いところに売るのが適当だと思うがどうであるかということの質問が私にございました。もちろん、大蔵省の方針としても、競争入札を原則として高く売ることを第一義といたしております。しかし、志免炭砿のような複雑な財産であり、重要財産でもあるので、必ずしも一般の競争入札というわけにもいかぬかもしれませんということをお答え申し上げましたところ、そうかもしれない、これは自分の私見ではあるけれども、こういう問題を処理するために、大蔵省であるとか、運輸省、通産省、経済企画庁等の関係省の次官をもって組織する委員会を作って、公正に処理することが適当と思うが、一つよく相談してもらいたい、こういうお話がございました。そこで私といたしましては、運輸省から出向いたしておる課長を通じてその旨連絡させたのでありますが、しばらくいたしまして吾孫子常務理事見えたのであります。小川委員がただいま申されましたように、私が出向いたということはございません。吾孫子さんが見えまして、いろいろ、いきさつを伺いました。行管の勧告でありますとか、経営調査会の答申でありますとか、見せていただきまして、今、国会でいろいろ質疑があって、大臣なり総裁答弁に立っておられるのだが、実はまだ最終的な明確な結論に達していないのだ、営業成績も、最近は行管の勧告が出た当時から見るとかなり向上しておる、また内部に炭鉱一つくらい持っておってもいいじゃないかという意見もあるということで、まだ明確な結論は出していないのであるというお話がございました。そこで私は、一つのサゼスチョンとして、払い下げをするならば、いかなる事業会社を対象として払い下げるか、またどういう評価をしたらいいかというようなことについて、大蔵省であるとか、通産省であるとか、経企庁というような、関係省の次官級の人をもって組織する委員会を作って、そこで審議してはいかがですか、また、もし払い下げないというのであるならば、経営調査会から答申が出ているのであり、また行管から勧告が出ているのであるから、その両者の方に、こういうわけだから払い下げは適当でないということを、筋を立てて説明して処理するのが適当でありましょうね、というふうに注意を与えたのであります。  以上が、大体私がこの問題について関与したあらましの経過でございます。
  52. 小川豊明

    小川(豊)委員 今、宮川官房長からお答えがあったように、昨年の二月か三月ごろ吾孫子理事が行かれて、経営もよくなっておるしするから、まだ払い下げその他ということはきまっていない、こういうことを御報告なされた。これは、国鉄内部で決定した意見をあなたがお持ちになったわけですか、それともあなたの思いつきですか、総裁と相談してやられたのですか、それをお伺いしたいと思います。
  53. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 お答え申し上げます。ただいまのお尋ねの点でございますが、私が企画庁の宮川官房長のところに伺った際に申し上げましたのは、そのときの国鉄内部の事実そのままに申し上げたわけでございまして、そのときには国鉄として志免をどうするのかということについては、最終的に何もきまっておりませんでした。また、いろいろ意見があったことも事実でございます。そのときの状況を申した、こういうことでございます。
  54. 小川豊明

    小川(豊)委員 そのことはあとにして、運輸大臣お尋ねしますが、運輸大臣は、かわられたわけですけれども、引き継ぎはもう完全にお済みになっておりますか。
  55. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 済んでおります。
  56. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうすると、さらにお尋ねしますが、この志免払い下げの問題については、どういう引き継ぎがなされておりますか。永野前大臣からどういう引き継ぎがなされておりますか。
  57. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 永野さんがちょうど御病気で寝ておられましたが、おたずねして、その事務の引き継ぎをいたしましたところが、一月十日の線に沿ってやってくれというお言葉でございました。
  58. 小川豊明

    小川(豊)委員 一月十日の線というのは、どういう線ですか。
  59. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 一月十日に、国鉄から運輸省へ申し出があったのを許可した文書でございます。
  60. 小川豊明

    小川(豊)委員 あまり一人で時間をとっても恐縮でありますが、運輸大臣、先ほどから私どもが申し上げているこの志免払い下げに対するさまざまな疑惑というのは、ここでくどくど申しませんが、幾多の疑惑が残されて、それをこの決算委員会調査に当っているわけです。これはあなたも御承知通りです。そこで、こういう国民の疑惑に包まれた国の財産を民間の一財閥会社に払い下げることですから、少くともこれは公正であり、妥当でなければならないということは、論ずるまでもないと思う。こういう疑惑に包まれて、この調査をしておるにもかかわらず、あなたの方では、六月中には払い下げを強行するんだ、こういうことを言っておられるわけですけれども、これは、どんな問題があっても六月中には強行なさるつもりかどうか。六月中にこの払い下げを強行しなければならないとするならば、六月中にこれを強行しなければならない理由というのは一体どこにあるのかこれが六月であろうと七月であろうと、別に私どもは六月でなければならない理由はないと思う。なぜ六月にしなければならないのか、その理由がわからない。従って、強行するつもりかどうか。六月でなければならない明確なその理由を、一つ御説明願いたい。
  61. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 お答えいたします。  一日も早い方をもちろん希望しておりますが、きょうのいろいろのお話によりまして、私どもは、今月中の御都合のよい日まで延ばしてもよいというように考えております。
  62. 小川豊明

    小川(豊)委員 今あなたの御答弁によると、今月中の御都合のよい日というのは、何か商人のようなことなんですが、御都合のよいとか悪いとかでなく、あなたの方ではなぜ今月中でなければならないか、このことを私はお聞きしているのです。
  63. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 これは、四月の終りに入札ということがきまっておったのであります。それを私が就任いたしまして、社会党の方と御相談の結果、これは延ばそうということで、私が延ばしたのであります。それを一日も早く調査して御返事日を申し上げようという建前であったのでございまするが、選挙等もございましたし、いろいろな結果からおくれてしまったのであります。これは、なるべく早くやらなければならぬという初めの建前が、六月一ぱいということを申し上げたのでありますが、きょうのお話を承わっておりますると、これはやはり、そう簡単にやるべきじゃない、よほど善処、よく考えてやろう、こう考えておるのであります。
  64. 小川豊明

    小川(豊)委員 非常に運輸大臣の御答弁は——私にもわからないわけじゃないけれども、もっと明確にしておきたいと思うのです。早い方がいいというこの方針というのは、かなり前からきめられているんです。公式にきまったのはそう早くないかもしらぬ。もう三十年ごろからこの問題の運動が起っておるということは周知の事実です。従ってこれは、払い下げを受ける方からいえば——する方より受ける方からいえば、一日も早い方かいいことはわかっているわけです。今、こういう問題が登場してきて、審議調査がされている中で、この疑惑を払拭せずに、なおかつ、あなたは六月中に払い下げをなさるおつもりなのか。こういう問題は、疑惑が解けて国民が納得してからやった方がいいとお考えになっておるか。この点は、一体どういうふうにお考えになりますか。
  65. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 国民の疑惑を解くことはもちろんでございますが、それの解けるまで慎重に考えてやるつもりであります。
  66. 小川豊明

    小川(豊)委員 これで非常にはっきりしたわけですが、国民の疑惑に包まれているこの問題は、国民の疑惑が解るのを待って払い下げをすることが適当でおる、こういうふうの運輸大臣答弁であった。これは委員長皆さんも、私は確認しておられると思うこの点は、はっきり私が再確認をしておきます。従って、この問題は、疑惑に包まれたまま国鉄の当局は六月中にはこれを強行すると言っておりますけれども、その最も責任立場にある運輸大臣は、そういう疑惑に包まれたままは、やらない、疑惑が解けて、国民が納得した上でその処置をきめる、こういう御答弁であったと私は解釈いたしますか、その通りでよろしゅうございますか。
  67. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 その通りです。
  68. 田中彰治

    田中委員長 山田長司君。
  69. 山田長司

    ○山田(長)委員 最初に運輸大臣に伺いたいのですか、運輸大臣は八日の閣議後、新聞記者の会見で、衆議院の決算委員会志免炭鉱払い下げ問題に乗り出したのはおかしい、大要次のようなことを言っておる、という中に、衆議院の決算委員会は七日夜、志免炭鉱の可採炭量千二百万トンあるから払い下げの必要はないと発表した、決算委員会がこの問題に乗り出してくるのはおかしいと思う、閣議の前の雑談でも同委員会の動きについていろいろな裏があるという意見が出た、こういうことを言っておるが、この裏というのは、一体どういうことを言うのです。
  70. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 そういうことは、どうもおかしいというようなことを申しましたが、それに対して裏があるということを、記憶しておりません。
  71. 山田長司

    ○山田(長)委員 裏のある問題について記憶してないと言われてしまえば、新聞記事についてのことですから、これ以上確かめられないのですが、次に私が尋ねたいのは、鉱山の価値という問題について運輸大臣はどう考えるか。
  72. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 もちろん個々としてでなく、全体の意味と存じますが、相当な価値のものである、ことと私は考えております。なお、まだ山を見たことはございませんが、ただいまのその価値という言葉に対してよくわかりませんが、もう一度、おそれ入りますが、わかるように一つお話を承わりたいと思います。
  73. 山田長司

    ○山田(長)委員 これは私はこう考える。鉱山の価値というのは、埋蔵量や品質や、そういうものが一応全体から見て相当あって、それで年々利益が上っておるところ、これをやはり私は鉱山の価値というのだと思う。こういうものが、志免炭鉱の場合にどう考えるかということを私は聞きたいのです。
  74. 田中彰治

    田中委員長 山田委員運輸大臣はかわられて、それでなんだから、あまり……。
  75. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 ただいまお話のありましたありまするがま、三十二年度あたりから、もういわゆる価値は、下っておるというような状態でありまして、つまり、かりに四十万トン出るというものが四十万トン出ないで、三十万トンに減ってきつつある。そういうようなことで、そういう価値は下りつつあるように聞いております。
  76. 山田長司

    ○山田(長)委員 引き継いだ内容を、やはりあなたはほんとうに引き継いでないのだ。要するに、五十万トンも出る性能を持っておる場所が四十万トン、三十万トンと低下しておるのは、払い下げ払い下げるとおどかすから、わざわざ価値のあるものを価値なからしめておるのだ。こういう点が私が最初に伺いたかったことです。価値は全然ないのではないのですよ。それは通産省の報告に従ったって、千二百万トンの量はあるといっておる、可採炭量があるといって、おるのですから、価値があるのですよ。だから、あなたは価値がないと言っているが、どういう点で価値がないのです。
  77. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 価値がないと申しますよりも、採炭量が減りつつあるという状態であります。
  78. 山田長司

    ○山田(長)委員 あなたは真相がわかっていないじゃないですか。払い下げるということで実際上低下しているのだ。そのことが出るまでの間は、低下していないじゃないか。実績を通じてそれはちゃんと証明されているのですよ。  そこで、私は次に伺いますが、十河総裁は六月中に払い下げると言っている。それは、おとといの運輸委員会のときにも言明している。ちっともその方針を変えていない。あなたもその点については、今の小川委員質問についても、何だかさっぱり内容がわかっていない。払い下げるという以上は、払い下げ価格の根拠は、どういう点によって払い下げるという方針が打出されているのですか。
  79. 山内公猷

    ○山内説明員 鉱山の払い下げでございますので、一応鉱山の払い下げにおきましてはホスコルド方式によりまして計算をいたしまして出すの通例になっております。これは志免炭鉱を大蔵省から引き継ぎましたときも、ホスコルド方式によりまして引き継ぎをしておりますが、その計算方式によって計算をいたすことになると思っておりますが、まだ計算をいたしておりません。
  80. 山田長司

    ○山田(長)委員 まだ計算をしていない。それでは価格の問題については、総裁は大臣にどんな相談をしているのですか。
  81. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 また総裁からの何のお話も価格についてはございません。
  82. 山田長司

    ○山田(長)委員 そうしますと、六月に払い下げるということを言明しているが、その価格については大臣に何の相談もしていないこう解釈していいですね。
  83. 田中彰治

    田中委員長 そう解釈していいということでしよう。
  84. 山田長司

    ○山田(長)委員 それでは行政管理庁の勧告が出てから一週間目に、国鉄から志免を分離するという答申があったわけですが、これについては、どうして払い下げをするというふうな解釈の仕方をしたのですか。国鉄と分離をすると言っていながら、分離じゃなくて払い下げの方向へいったわけだが、どうですか。
  85. 小倉俊夫

    小倉説明員 お答えいたします。この大臣の指令には分離という字は使ってございますが、その分離の方針について承認して、その方法については指名競争入札によるのがいいという内容でございます。で、指名競争入札といいますのは、これは譲渡以外に考えられない表現であると存じております。
  86. 山田長司

    ○山田(長)委員 世間では、指名競争入札に当って、三井三菱住友、この三社を選び、しかもその三社の中ですでに、三菱にきまっておるというふうに流布されているわけです。そういう点、一体どういう譲渡の方式をとろうとしておるのですか。
  87. 小倉俊夫

    小倉説明員 指名競争入札によるつもりをいたしております。
  88. 山田長司

    ○山田(長)委員 三社を選ばなければならなかった理由は、どこに根拠があるのです。
  89. 小倉俊夫

    小倉説明員 青山調査員会で、この山を民間に払い下げるために、その適格を持つ会社はどういう会社であるべきかということを、九項目につきまして御検討されたのでございます。もちろん山の譲渡をした結果が、いろいろよくなければなりませんので、そういう目標のもとに九項目について選定されました結果、三井三菱住友三社が適格者である、こういうことに相なったように拝承いたしております。
  90. 山田長司

    ○山田(長)委員 この三社のうちのどこかと、もうすでに仮調印がなされておるというふうに世間では流布されておるのです。そういうことがあるのかないのか。
  91. 小倉俊夫

    小倉説明員 ただいまも申し上げました通りに、三社に指名競争入札をいたすのでございまして、そのうちの一社にきめておるといったようなことはございません。
  92. 山田長司

    ○山田(長)委員 先ほど小川委員からも質問がされたのですが、十河総裁のところに六千万円が手渡しされておる、こういうことが言われておるわけです。三社に指名競合入札させるということがきめられたり、それからさらに六千万円の金が手渡されておるというようなことが裏づけされるような事態、これは一体、青山調査委員会なるものが、大体われわれが見ている範囲では、三社にきめられてから、何かこれを裏づけるために調査委員会ができたような印象なんです。その調査委員会ができたのと、三社にきめられるような事態になつたその前後の事情をもう少し詳細にお知らせを願いたいと思う。
  93. 小倉俊夫

    小倉説明員 お答えいたします。三社を適格者ときめたのは国鉄ではございませんで、青山調査委員会が各方面の権威者をそろえて研究した結果でございます。その標準と申しますのは、大体九項目ございます。これは、おそらくあるいはお手元に出してあるのではないかと思いまするが、一、二申し上げますと、この志免炭鉱を譲渡いたしますと、山に現在従事しておる者が何がしか、ついて参ります。そういう職員の待遇が落ちないようにということは、これは国鉄として考えなければならない問題でございます。しかしながら、大手と中小とはだいぶ待遇が違いまして、私どもとしますれば、国鉄と大体給与その他の待遇が同じの大手筋ということに限定される次第でございます。また、この志免の山はいろいろむずかしい点がございまして、あるいはガスが出たり、あるいは深掘りをするというような山でございますので、そういう方面の十分な実力、経験を持っている会社でないと、これが引き受けられないといったような条件がございます。その他いろいろな条項に照らし合せまして、適格者を青山委員会で選定せられたのでございます。     〔委員長退席、高橋(英)委員長代理着席〕
  94. 山田長司

    ○山田(長)委員 青山調査委員会なるものは、どうも私たちには理解ができないのは、ことごとくこれは政府に関連のあるような、いわゆる御用学者であったり、あるいは防衛庁の役人であったり、何かしらこの点が不明朗な点だと私たちは思うわけです。そういう点が、この調査委員会を作るようになつた経緯は、どんなふうにして作つたのですか。
  95. 小倉俊夫

    小倉説明員 お答えいたします。この志免炭鉱の処理は重大問題でありますからして、十分各方面の経験者に御相談いたすということが大切だと考えられまして、運輸大臣にもお諮りいたしまして、この志免青山調査委員会を設置いたしたのでございまして、そのメンバーは、全く現在の各方面のその道の権威者でございまして、しかもその人選につきましては、監督官庁に逐一御相談を申し上げております。  それから、先ほどの御質問でお答え漏れいたしましたのは、例の六千万円とかいうお話でございまするが、これは絶対にそういうことはないと総裁も確言いたしておりますことをここに付言いたします。
  96. 山田長司

    ○山田(長)委員 この調査委員会なるものができた経緯については、今のお話で了解できないわけではないのだが、大体前の運輸大臣のやめたときの経緯というものが、国民には病気でやめたとは理解されてないのです。前の運輸大臣がやめたときの経緯というものは、志免で一般の業者に競争入札をさせようという意図であったのが、それが十河総裁の忌諱に触れて、そうして十河総裁と永野大臣との間に相剋があって、それで病気でやめなければならぬ事態になったのだといっておる。そういう人がこの調査委員会なるものに任命をする場合に、三社にしぼるような意図青山調査委員会に言ったものか、あるいは青山調査委員会が三社にしぼることを強く言ったものか、あるいは十河総裁が三社にする方がいいと言うのか、とにかくここらのところが少し不明朗なんです。この点、前の大臣がやめたときの経緯というものは、一般の人は病気と見てないのです。果して病気でやめたのであるかどうか、どうなんです。
  97. 山内公猷

    ○山内説明員 私、一月十日の承認の文書を出しますときに、大臣の補佐をいたしておりましたので、大臣の意図も十分聞いておりますので、御説明申し上げたいと思います。国鉄からは、随意契約見積り合せでこの三社に払い下げをしたいという文書が参っておるわけでございます。これに対しまして、永野前大臣は、今一般の公開入札というお話でございましたが、そういう意図は全然持っておられませんでした。と申しますのは、ただいま副総裁から言いましたけれども、何がしかの人がやはり引き継がれるのであり、引き継がれる人の将来の生活というものを考えますと、やはり十分今までの労務者の給与というものを継続されなければならないので、大きなところでなければならないということで、大手のものを考えておられたわけでございます。それで、しかし見積り合せの随意契約ではなくて、一般競争入札による指名の競争入札によるということを言われまして、あの文書を私は立案いたして、国鉄に渡したわけであります。
  98. 山田長司

    ○山田(長)委員 大体いろいろなものを総合してみて、かりに払い下げるとしても、価格の問題あるいは先ほど大臣の答弁の工合、こういうものを勘案してみて、とても十河総裁が言われるように、六月中に何が何でも払い下げるのだ、こういうばかげた線は出ないと思う。大臣はこれについて、いろいろ疑惑がまだたくさん残っているわけですが、価格の問題の結論も出てない今日、総裁が言われるように六月中に払い下げるというようなことができると思いますか。あなたもまた十河総裁と同じようにやるという決意ですか。
  99. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 先ほど言明した通りでありますが、とにかく早い方がいいに間違いないのでありますが、先ほど申しました通り、慎重にやるつもりでございます。
  100. 山田長司

    ○山田(長)委員 早い方がいいという理由は、一体どこなんです。
  101. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 早い方がいいということは、いろいろ考えられる問題があると思いますが、とにかく私の考えでは、あの労務者が三千二百人もおられる。その労務者は国鉄というものに対して相当の郷愁を持っておられるのではないか。それが払い下げになるというようなことは、さぞさびしい考えが起きるだろうというように、非常に同情しておるのでありますが、これを一日も早くそういう気持を振りかえてあげて、同じ今までの条件に沿うように、そうして厚生施設なんというものも今までと同じようにしてあげて、安心してやっていただけるようにした方がいいという建前を持っておりますために、一日も早い方がいいということに私は考えておるわけであります。
  102. 神近市子

    ○神近委員 関連して、運輸大臣にお伺いいたします。今、山田委員質問に出てきました点で、小倉総裁から否定されました、たとえば志免の価格が十億円というようなことが内示された形跡があるということ、それから、それは昨年の十月に出た雑誌に、はっきり書いてあるのですから、小倉総裁が今そういう事実はないと言われても、それならばたとえば六千万円を受け取ったというようなことがあるならば、なぜ名誉棄損なり、あるいは事実無根の告訴なりなさらなかったか。それをやらないであるということ。それからそのほかの、この委員会が始まりましてからいろいろと、たとえば第一物産との関係とか、十河さんの関係とか、まだいろいろ疑問が出ておるのです。それで、あなたは国民の疑惑を氷解するというようなことは、私はあとで副総裁お尋ねすることがたくさんございます。たとえば、まだ埋蔵量の評価は一切していない。あるいは再評価係数はどういうことになさるのか、経年減価とその振り合いはどうなさるのか、あるいは今まで国鉄に納められていた石炭の価格がトン当り四百六十円低価に評価されておる。年間五百万トンのうちの一割を志免が出していたのに対して、その志免の良質の石炭だけ四百六十円低価に、値下げをして評価してあった。そういうふうなことについて、私はまだあとでお尋ねしたいと思うのですけれども、今、運輸大臣が、国民の疑惑をきれいにしてからというようなことは、一体どの程度の範囲までその中に含まれているのか、そこを、はっきりしておいていただきたい。
  103. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 私は、そうした疑惑というものはないと思っておるのであります。ただ、今、小倉総裁が申された通りでありまして、まだ金額、そういうものは、巷間いろいろと伝えられていることは私どもは全然知らない問題でございまして、どうか、そういうことでないように私は考えております。
  104. 神近市子

    ○神近委員 あなたが御存じないということは、これは当りまえだと思うのです。われわれも、そのやりとりをした現場を見たというわけではないから、おわかりにならないという点では、われわれもわかりません。ですけれども、それに対する事実あるいはうわさを——私ども一昨々日だか聞かされたレコードでも、はっきり三菱の伊藤社長はそれを否定していないということも一つあります。ですから、そういう点を洗ってこれをはっきりさせるということは、今、運輸大臣に要請されている骨子だと思うのです。そういうところをはっきり洗うまでは、行動に——ちょっとこっちの尋ねていることを聞いて下さい。それが疑惑が氷解するまでは、行動にお出になっては困るのじゃないかというのが、私どもの今お尋ねしている要点でございます。その点を私は、小倉さんにお尋ねしているのでなくて、運輸大臣に今お尋ねしているのでございます。
  105. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 私は、十河さんにはそんなことは絶対ないと信じております。どうも、お言葉がよくわからないのであります。
  106. 神近市子

    ○神近委員 信ずるということはあなたの主観なんですよ。私どもは客観的な、何らかの納得のいく線が出なくてはならないということを言っているのです。私どもも、主観としては総裁の潔白を信じたいです。だけれども、それには相当の立場にいる人は、そういう疑惑をこうむったときには、とる方法があるはずだと思うのです。その点で、あなたの主観だけを私どもは信頼するというわけにいかない。
  107. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 十河さんを証人にお呼びになっておるのですから、そのときに十河さんからお聞きになった方がよろしいだろうと思いますが、いかがなものでございましょうか。
  108. 神近市子

    ○神近委員 それはお指図までもなく、尋ねるつもりです。今あなたにお尋ねしているのは、こういう疑惑がはっきりするまで、あなた自身の行動はお控えになるべきじゃないかということで、われわれはお尋ねしておるのです。
  109. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 先ほど申しました通りでございまして、今日の事情を見まして、先ほどお答え申し上げた通りでございます。どうぞ、それで御了承願います。
  110. 山田長司

    ○山田(長)委員 どうも、先ほどから大臣の答弁を聞いていると、さっぱりたよりにならぬですよ。現地では三千二百人の労働者、それに家族、それから周囲の四カ町村の人たち、この人たちは死活問題として、あなたの答弁の一挙手一投足に非常に関心を持っていると思うんだ。それが、まるでコンニャク問答ですよ。こんな状態で、とにかく、いつどうされるのか、ちっともわからずにいる人たち立場から考えてみたときに、それは、どういう事態がこれから先発生するかわからぬほどの状態に周囲の人たちはなると思うのです。こういう状態に置かれているときに、とにかく、まだ価格もちっともきまつていない、価格の相談も総裁がしていない、それで何だか知らぬけれども、六月中には払い下げるんだ。まるで越権行為を総裁はやっていますよ。しかも、きょうは少し熱があったって当然出てきて、こういう重大問題に答弁しなければならぬほどの人が、病気で出てこない。それで、大臣がさっぱりはっきりした答えを出さない。一体、六月中にこれで払い下げられると思うのですか。小倉さんはさっき答弁したと言うが、小倉さんの答弁だって、期日は、はっきりしていない。それから、かりに払い下げるとして、払い下げの価格は決定していない。地元の四カ町村が損害要求している金額は、十二億の金を要求しているのですよ。その十二億の損害要求を地元の人たちがしているところへ、たまたま新聞あるいは雑誌で世間へ流布されている金額は、十億前後の価格だと言われている。これで一体、どういう方針で払い下げようとしているのかぐらいな、断片ぐらい決算委員会答弁してしかるべきですよ。一体、どうなんですか。私はあの坑内へ入って見て、五十七キロの坑内が、今一メートル七万円の経費がかかる。五十七キロのキロ数にしたつて、そういう中の鉄材をかりに出してみただけだって、十何億というものになるといわれておる。一つ一つそういうふうに数えあげてみると、非常に某大な金額になっておると思われるのだ。それがさっぱりコンニャク問答みたいな話で、幾らでどう払い下げるのか、どういう方針なのか、それから、しかも六月中に払い下げるのだけれども、払い下げようとしているその金額も出ていない。これじゃ、少しむちゃじゃないですか。どうです。
  111. 高橋英吉

    高橋(英)委員長代理 山田君、その点については六月中に払い下げるということを明確に言っていないのです。ただ、その点について慎重に考慮するということになっているのだから、重複するから、その点は進んで、さらに別個の質問をしたらどうですか。
  112. 森本靖

    ○森本委員 今の点について……。先ほど運輸大臣答弁は、小川豊明委員が、この決算委員会志免炭鉱の問題についていろいろの疑惑を持って現在調査して、その調査が進行中である。それに対して、いわゆる疑惑の目をもって決算委員会が一応取り上げてこれを調査しておるので、その調査の進行中は、払い下げをするとかあるいはこれを譲り渡すとか、そういうふうなことについては一切やらない、これを払い下げをするとかあるいは分離して経営をするとかいう方針については、この決算委員会調査が完了して疑惑が明確になつたときにきめよう、こういうふうな大臣の答弁だった。そういう答弁をもう一ぺん——私はそうであったと考えておるわけですが、大臣、どうですか。——大臣、これは耳打ちをせずに、自分の意見を言って下さい。
  113. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 値段とか価格というものは、そのどたんばまでわかるものじゃないと私は思います。また、そうなったら、おかしなものができます。これはお調べ下されば正しいと思います。  なお、先ほど申しましたように、こうした問題の疑惑の生じておるとき、これを払い下げとかなんとかに強硬に持っていくようなことはいたしません、こう言ったわけであります。
  114. 山内公猷

    ○山内説明員 価格の点につきましては、しばしば繰り返しておりますが、運輸省の出しました指令は競争入札によることになっております。競争入札をいたしますときには、適正な予定価格を作るわけでございまして、この予定価格が外部に漏れるということは競争入札の実をなくなしますので、できるだけこれを秘密にしなければなりません。それで、先ほど副総裁が言われましたように、ぎりぎりにならなければ確定しないということでございまして、現在まだ価各はきまつておりません。もしも、きまるといたしましても、入札をする直前でなければきまらないわけであります。
  115. 山田長司

    ○山田(長)委員 現地の調査も、前に青山委員会が行ったときには、机の上の調査だけだ。今度も中へ入らずに帰ってきている。そんな形では、専門家の人たちが価格の出し方についてどう考えてみても、私は疎漏の点が出てくると思うのだ。もしほんとう払い下げるつもりであるならば、もっとなぜ労働組合ともじっくり話し合いをした形で、そうして適正な価格を出して、国民の財産の理処に当っては、万遺憾なきを期するような態度がとれないのですか。そういう態度があってしかるべきじゃないですか。そういう点からちっとも話し合いの形にならないでただ払い下げ払い下げと言っているじゃないですか。もっと、そういう点がオープンに、胸襟を開いた形で進められてしかるべきだと思うのです。
  116. 小倉俊夫

    小倉説明員 青山調査団が、炭量の問題につきまして、千二百万トンあるいは八百万トンという議論がありまして、問題点となっておりますので、それならばさらに現地に行って、穴にも入って調査をしよう。実は青山調査委員会は、かつても現地に行きたい意向は打っておられたのでありますが、諸般の情勢で行かれなかった。しかし、今回労組の方の推薦する人も差し加えまして、現地の炭量をさらにもう一回現実に把握いたしたいということで、九州まで下ったのでございますが、御承知通り、労組としては山には入れさせない。しかも、その事務所にまでも入れさせないということで、コンニャク戦術あるいはその他の戦術を使いまして、あれほどの騒ぎになりまして、説得にこれ努めたのでございますが、どうしても入山させなかったのでございます。従いまして、これは、私の方でこれをさらに強行するということはいかがかと存じて、引き返した次第でございます。そういうことで、炭量の点について再調査はいたしかねたのでございますが、しかしいろいろな資料がございますので、そういう点で問題点を解明していくということには大体差しつかえないという確信を持っておる次第でございます。
  117. 山田長司

    ○山田(長)委員 さきに、調査をしなくても確信を持ってそれは適正な価格が出せるというようなことを言われているから私は伺うのですが、何と考えてもやはり、かりにあなた方が了解される適正な価格が出たとしても、一体、常日ごろ十河総裁が言っているように、親と子の関係を説いている責任の衝に当っている人たちが、いよいよこの山を売却するというような場合に当って、もしもこれが価格が出たからいいんだということで払い下げたとしても、それが果してその周囲の町村でも、あるいは福岡県会でもいまだかつてない、これが払い下げの反対の決議までしているというような状態の行われておりますときに、幾ら権力があるからといって、それで払い下げて、志免炭鉱は将来うまくいくと思われるかどうか。それからまた、さらにそのことによって厚生的なものまで十分に勘案してやるのだということを大臣は言っているけれども、そんな将来のことまで大臣に保障なんかできるものじゃないですよ。企業家が経営する以上は、完全にいろいろな形で企業の合理化をやるにきまっている。そうなれば、これは取り返しのつかないことになるのですから、地元の労働者が、町やあるいは村の人たちが、今にして損害の要求をするのは当りまえのことなんです。そんなにきめれたからといって、必ずしもきめられた線をどこまでも押し通さなければならぬということをあなた方が考えていることがおかしいと思うのだ。千二百万トンの埋蔵量があるというのに、しかも国の炭鉱一つくらいあってもいいんだ。そういう点で、もう一ぺん私は当局にこの払い下げの問題について、ただ期日を延ばすというようなことだけではなくて、一つ考え方の大きな方針の転換を私はしてもらいたいと思うのです。どうぞ一つ、その点の答弁をもう一ぺん願います。
  118. 小倉俊夫

    小倉説明員 お答えいたします。志免につきましては各方面の問題になりまして、私どもは慎重の上に慎重に取り計らいたい、しかもガラス張りの中で公明に処理をしたい、こう考えております。なお従業員等につきましても、実はこの志免調査委員会の答申のうちで、先ほど申しました選定標準の一つといたしまして、従業員の給与水準並びに福利厚生施設等がほぼ同一程度であること、注釈いたしますと、国鉄よりも劣っていないということ、なお従業員の将来の身分保障等についても極力安定方法が講ぜられること、こういうふうな選定標準を国鉄に対して指示せられておるのでございます。なお志免の現在の職員につきましては、もしこれが譲渡に際しまして鉄道に残りたいという人につきましては、その事情を聞きまして極力引き取ることにいたしますし、また山について行くという人につきましては、譲渡会社に十分な御相談をして、給与の低下その他が全然ないように努力するつもりでおる次第でございます。
  119. 田中彰治

    田中(彰)委員 大臣、私は、あなたにこの問題であまり追及することは非常に無理だと思うのです。それは引き継ぎされて非常に日も短かいし、こういう複雑なものであり、また技術を兼ねたものでありますから、御無理だと思うのです。ただ、あなたに知っておいていただきたい、そうして考えを公正にやっていただきたい、こういうことで、お話というような程度で申し上げるのですが、この前、あなたにちょっとここで、千紙をお見せした。あの山鹿君の手紙は、出したのは昭和三十一年でした。その手紙の問題はいいといたしまして、あなたは、この問題は去年の二月か三月ごろから起きてきて、ことしの一月運輸大臣がこれを払い下げていいと言って許可されたというような程度しかお知りになりませんが、これはちょっと——ここにきょう十河総裁がおいでになりませんから、十河総裁に関することは申しません。おらないところで申すということは卑怯だから……。ただ、金が動いて、非常に前から運動しておったという、絶対にこれは違わないこととして申し上げたいのです。昭和三十二年の一月ごろです。中小炭鉱の会長をしています武内礼蔵、これは御存じだと思います。この武内礼蔵君が、石炭鉱業会合に朝、午前中、十一時ごろおりますと、そこへちょうど三菱の伊藤さんがやってきて、武内君、ゆうべはどうも非常にありがたかった。君のおかげで助かったよ、こういう話をされた。そこへちょうど、ある相当な炭鉱の社長、これは大手です。それがおって、大手炭鉱同士だとそう気にかけないのだが、中小炭鉱の武内君と三菱の伊藤氏の話の模様が、いかにも感謝に満ちたような話だから、そこで、そのそばにおった武内氏のカバン持ちの人に、一体ゆうべ何をやったんだ、と聞いたら、いや、それは言われませんと言ったので、不思議に思って、その晩、二、三人の者と食事をしてそれを聞いたら、一言も言わぬでもらいたい。実は志免炭鉱払い下げ問題については中小炭鉱会全部を代表して武内が出した。三井が出ておる。三菱が出ておる。住友が出ておる。そこで北炭も出ておったらしいのです。北炭は北海道だからまあいいとして、一番この取扱いに困ったのが中小炭鉱です。武内氏は御承知のように中小炭鉱の全部の代表者ですから、なかなか炭鉱国管といってもむずかしい。その武内から引っ込ましてもらいたい、同時に協力してもらいたい。そこで三菱へ持っていく。そういうことがきまりまして、そこで築地の料亭——これは名前を言ってもいいです。そこで武内と伊藤氏が会見した。そのときには、芸者とかおかみとか、そこにおった女中さんをみんな遠ざけて、三、四人が廊下で見張りをして、二人の間に会見が行われた。その会見の結果、武内が自分の出しているものを取り下げて、同時に一日、二日中に住友へ行って、住友の取り下げを武内が努力する。三井の取り下げも努力する。こういうことで話がきまって、そこに大きな金銭の授受が行われた。これがはっきりした。そこで、その聞いた社長も、これはほんとうか、うそかわからないが、住友へ行ってみようというので、住友へ武内が行く日に行っておった。そうすると、武内がやはりやってきた。そこで、社長室の隣りが貴賓室だったので、その貴賓室へ入って武内君としばらく話をした。そうしたら、住友の副社長か社長が帰ってきた。それでその人が帰ってから、どうだったと聞いてみたら、いや、武内が、こういう工合にしてこの炭鉱払い下げ三菱一つにした方がいい。業者同仕でけんかをしたくない。中小炭鉱がそれを取り下げた。だから、あれは一つ三菱へやろうじゃないか、こう言うものだから、私の力もいろいろ武内には世話になっているから、取り下げの承認をしました、こういうことです。君は何で武内の世話になっているのか、それまで聞き返している。いや、それは御存じの通りあいつは九州に炭鉱を持っている。あの周囲にいろいろ中小炭鉱がありますが、中小炭鉱の間にごたごたが起きた時分に、武内はやはり親分だから、いろいろ世話になっているから、顔を立てたと言う。ばかなことを言うな、ゆうべはこういう取引があったのだ、ああ、それはしまったな、ということで、それはわかっている。それから今度は三井へ行った。そのときに、だれかいたずらに三井電話しておる、武内がこういうことで行くぞ。そこで三井は、どっこい、ひっかからない。よし、おれのところは借金もあるから、これは払い下げる力がない。だから、一つ取り下げようじゃないか。そのかわりに、三井の三池の石炭というのは質のいいものですが、ただ硫黄分がありますから、これをボイラーのところでたくと、いたむのです。そこで、志免のようなりっぱな石炭を混合炭にして、売ると売れる。だから、志免から出る四〇%をおれの方ヘよこせ。それから筑豊の鉱区がほしいから、これの分譲方ということを条件に出して、そこで三井も承諾した。北炭は何も言わないで、よし、おれはやめると言ってやめた、そこで、あなたがお調べになったらわかりますが、一たん出た書類が、一時全部取り下げてあります。そこで取り下げをやったわけです。  その次は、河野氏が何か言ったのか、また何かありまして、また告知が出たのです。そのときに上田が出し、木曽が出し、そうしてまた住友三井三菱も北炭も、またこの書類が出たわけです。そこで、今度はそれをまた一つ整理して、元通りの三社にしたいということで、またその線に持っていった。そのときに仲へ入った某炭鉱の社長が、自分の方は取り下げる、おれが仲へ入ってまとめてやろう。まとめてくれと頼まれた。そこで赤坂の某料亭へ寄って、まとめ役をやった。その前か後か知りませんが、上田が取り下げ、木曽が取り下げているわけです。そこで残った三つ、自分の方もやめるから一つこれは三菱へいくことになっているのだから、やろうじゃないか。ついては、この話をするには、お互いにおれは住友から金をもらっておった、おれは三菱から金をもらっておったというようなことがあると話がうまくいかぬから、ここだけのことだから、正直に言わないか、ということです。そこで、名前は言いません、某政党の幹部に金を持っていったら、それが見もしないで返してしまった。もう一人のところへ持っていったら、これも返した。もう一人のところへやってくれと、その仲へ入っている人のところへ持っていって、渡してくれないかと言ったが、そういうものをやったってとらないから、そういうことをしてくれるなと言って、それを返した。ここでも金が動いている。そこで、みんなもらっておらないものだから、一つそれでは、競争入札ということにするけれども、一応三菱へやろうじゃないかというわけです。だから、金が動いたそういういきさつがよくわかるのです。そこで今、副総裁もいろいろなことを言われるけれども、競争入札だから値段はわからないとか何とか言われますけれども、これは七億から十億までの間に、われわれ決算委員会が行かなければ、払い下げしてやるといって、できておるはずです。総裁が再任しないということになれば、その前にもう行なっておる。労働組合も、がたがたいっておったけれども、第二労働組合みたいなものを作っておった。だから、それは行われておるのです。だから、今あなたが何とそこで弁解されても、今あなたの良心のどこを押されても、これは値段のいかんにかかわらず三菱にいくのだということはわかるでしょう。これは住友へいくとかおっしゃらぬで、三井へいくとかおっしゃらぬで、競争入札などと、そんな国民をだますことをやらぬで、三菱へやるのだといってやってもけっこうです、そういう経過から三菱へいくのだから。  それから、今の公邸のことは、十河さんがおらぬから、私はそれは言いません。あなたは青山調査団というものを非常に信用されておるのです。これはもし私の申し上げることが何だったら、大ぜいの前で、青山調査団の中からだれでもいいから連れてきて、私とこの前で対決さしてもらえばわかる。それはなぜかと申しますと、私は、青山調査団のメンバーはりっぱな人です、一応納得できますね。けれども、このメンバーの顔をよくごらんになると、一応は国鉄の自由になる人のメンバーです、これはわかるのです、公平に見て。そこで今、企画庁の宮川官房長がおられますが、一応宮川さんがさっき言ったように、ちょっと宮川さんが言葉をゆるめて言っておられる。河町さんはそういうことを言っておりません。私は、けさ行って聞いてきた。宮川さんが、黒字も出ておるし労務管理もいい、一つぐらい国の炭鉱があってもいい、そういう意見が内部にあるから払い下げはやめる、こういうことを言ったので、とにかくその当時の企画庁の長官の河町さんにその話をしておるのです。河野さんは、払い下げをやめるとか、やるとか、おかしいじゃないか、それは政府がやることだから、命令された通りやればいいのだ、だからそれでもやりたくないというなら固執する必要ないから、今の行政管理庁あるいは経営審議会等に断ってしなさいということで、片一方はそう熱心でないから忘れておった。そう言っておいて、その間に今度は内閣の改造があって、中村さんとかわるときに、ごたごたにまぎらして、行政管理庁から勧告があるから、この勧告の線に沿って一日も早くこの志免炭鉱払い下げしたい、ついてはこれを公正にするために青山調査団というようなものが必要だということを書いて出したから、そういう連絡の、内容の異なったことを知らぬ人だから、それは悪いことじゃないから、判を押して出てきたものが青山調査団です。そこであなたに言わせると、青山調査団のあのメンバーを見られて、そこで田中彰治というものたち、理事が行って、まだ急いで払い下げる必要ないじゃないか、千二百万トンある、今いう通り千九百六十万トンあるというようなことを言ったことはおかしいと思われる。これは一つよく聞いて下さい。新聞社諸君も、そういうことを何も調査しないで、いろいろなでたらめを書いております。でたらめをずいぶん書いておる。なぜ、そういうことを言うかというと、昭和二十九年に、あの志免の大きな今の縦坑を掘った。そのとき会計検査院が、こんなに何億も金をかけてこんなことをするのは不当だということになった。そこで、不当であるかないか見に行こうというので、決算委員が全部で出かけていった。このときは、たくさんでした。そして、その坑内の中をよく見まして、いろいろ研究した結果、縦坑を許せば非常に石炭がよけい出る。今までの赤字が黒字になる。そうわれわれは考えたから、それはいいじゃないかというので、われわれは、干渉しなかった。そうしたら、それが会計検査院の通りに聞かなかった、許したわけです。そこで縦坑ができまして、その縦坑ができてから掘った、今石炭のついているところは、石炭は三尺炭でございます。上から、横から、下から、全部石炭です。ちょうど、ようかんの中に穴を掘っているようなものです。それは、あなたが今度行ってごらんになればよい。そのために、国鉄ではそこに入れられないという。今まで来られた方はみなここまでだから、ここまで見て下さい。いや、この前金をかけて、私が許したときの、石炭のついたところを見せろと言うと、あんな遠いところまで行けるものですかと拒んでおったが、わしが入ったから、みなついてきた。行ってみたら、その通りなんです。そのときに、そういうものを許すときに、一応方式として、この炭鉱の埋蔵量は一体幾らあるか、まずこれを聞かなければならない。それから可採炭量、経済的に掘れるものは幾らあるかというと、決算委員会に出した書類では埋蔵量は二千万トン強ある。それから可採炭量は幾らあるかというと、一千四百万トン強ある。ただし、そのときは縦坑を許可してもらって黒字を出すというときだから、幾らかかけ引きがあるから、私はそれを全部信じておりません。ある程度割引しております。そこで、今度調査に行ったときに石炭局の人が来たから、あなた方はこの炭鉱に対して埋蔵量及び可採炭量を調べろといって命令したことはないかと言ったら、ありますと言う。いつ言ったか。昭和三十年に公文書で、お前のところの埋蔵量は幾らあるか、可採炭量は幾らあるか知らせという公文書が石炭局から行った。そこで国鉄は総意をあげて、あらゆる研究をいたしまして、そうして長い時間かかって、石炭局に出した公文書がございますが、その公文書には埋蔵量が一千九百六十万トン、それから経済的に掘れる可採炭量は一千三百六十万トン。それから、三年半くらいたっておりますから、そういうものを差引すると、やはり千二百万トン近くのものが一応信じられる。それから今度、石炭局とか今の青山調査団は、それはその通りなんだ、それは公文書だから否定できません、その通りなんだが、三年半掘っている間に相当にロスを出しておる。掘れるところを掘れなくしてしまったり、そういうところがある。それは炭鉱にそういうところはございます。同時に、ロスを出した。そのロスを認めると同時に、今着炭しているところ、縦坑を掘って着炭している、これから掘るところは石炭の層が倍もあるんじゃないか。だから、これは余分に見なければいけないから、そういうものを概略寄せると千二百万トン強あるということが事実じゃないか。それだから、そう急に払い下げする必要はない。  それから今度、財産目録を見ると、キャデラック一台一円、トラックの新品が一円。小倉総裁に言わせると、これは消耗品としてあったから、今度払い下げをするので財産に載っけたからそうしたんだと言う。ところが、そういうことが受け取れないことは——これはよく大臣、日本の国民として、あなた、国民の味方として聞いていただきたい。何もひいきしなくてもいいんです。家屋とか土地というものは、これは消耗品ではありません。これは登記したら、どこでも金を借りられるりっぱな財産です。家屋とか土地は、家財道具などと違います。その三百坪もある家屋が、たった四千四十四円です。りっぱなものです。  もう一つ大臣、国民が知らないから済んでおるのですが、知っておったら国鉄へ押しかけていくとか、あなたのところへ押しかけていって、あなたの命がないかしらない。国民が知っておったら、どうしてお前、そういうことを言うかということになる。青山調査団が一回行って、人を三百人けがさせても調査したいという鉱区、われわれが調査をした鉱区、国民が関心を持っておる千二百万トンあるか、八百万トンあるかという鉱区が、たった十三万円ですよ、財産目録に載っておるのは。それだから、二千万トンあるから払い下げするとか、千二百万トンあるから払い下げするとか、そういう理論は成り立たない。  もう一つ、青山調査団がアリのような人であって、土の中を何人も行って掘ってみたのなら、うまいものはできます。青山調査団が三日か四日行って、八百万トンあるとか、千二百万トンあるとかいう調査は、何で調査するのですか。土を全部のけて調査するのですか。ボーリングの結果、石炭の層が三尺あると書いてある、それをまず調べて、それからあの炭鉱の最初から掘ったもの、出したもの、ロスになったもの、こういうものを調べて、その上で、これが八百万トンとか、千二百万トンというように出る。土をのけて石炭だけやるというのではないのです。それだから、青山調査団が行ったところで、彼らの調査するのは、機械で石炭を分けるのでも何でもない。志免炭鉱の昔からある、現在使っておる、現在大臣が保管しておる資料によって調査する以外にどこにありますか。国鉄の従業員が、技師が、命をかけて調査してまとめて、しかも石炭局の専門家がそれを見て納得して、公文書として納められた数字とどっちが、正しいか。  もう一つこういうことは大臣、あなたはしろうとだからお知りにならないでしょうが、もし青山調査団がこういうことを聞かれたらどうするのですか。あれを払い下げするときに、陥落ということがある。いままで何十尺と掘っておる。きょう落ちるわけではありません。水があるときは三年も四年も落ちないのです。落ちるときは水がなくなったり、何かの動揺があったときに落ちる。それを山田君が言ったのですが、その陥落が四カ町村にわたって約十二億くらい出ておるはずです。そこで、今日まで掘っておったものは国鉄がこれを持つということになる。本来、普通の民間の炭鉱の場合ですと、もう売ったときに陥落もつけてやってしまう。それだから、小倉さんの言うように、ホスコルド方式というようなことをやっていいのです。ところが、陥落をこっちで持つということになると、そういうわけにはいかない。今まで国鉄か何十尺と掘っておる。その下をまた掘るかもしれない。どこの境が国鉄の弁償の境であるか、どこの境がこれから譲渡を受ける人の境であるかということが、青山調査団のような、あんな机上論者が行って、わかりますか。もし、わかるとすれば、私と対決させてもらいたい。世間では、東大教授だとか、いろんな肩書きがついておるから、その肩書きにびっくりしておる。これは、いなか者がビルディングの一間か二間借りて、何々会社の社長だといって、七つも八つも社長の肩書きをつけて、自動車に乗っていくと、これは大変なものだ、日本一の社長だと思う。ところが、調べてみたら、一カ月にわずか二万円か一万円の部屋代も払えないでやっておるブローカー会社であったということになる。青山調査団とは、そんなに国家が重要視するほどのものではない。もしあるならば、ここで私と対決させて下さい。どっちが明るいか。われわれは、あんなむずかしい飛行機のグラマンでも、できておるかできていないか見分けるくらいですから、決算委員会は決して、いいかげんなものではありません。それでありますから、その後の質問は、十河総裁がきょうはおられないから、いたしませんが、しかし、これだけあなたに申し上げておけば、おわかりになると思います。  それから、国有財産は、そんなホスコルド方式で二束三文でまとめてやるものではありません。私は、どうしてこんなことを言うかというと、私は国民は志免炭鉱に無関心だと思っておる。そういう国民に関心を与えてやってもらいたい。あれは国民の大事な財産です。あれを百億で売れば国民の税金が百億減る。十億で売れば九十億税金を払わなければならない。もうけるのは、三菱が九十億もうけるだけです。国民が税金を払わないときは強制執行される。競売される。脱税すれば刑務所に入れられる。こういう強制権を持って、税金を納めている国民の大事な財産を処分するということになれば、やはり考えなければならぬ。私は払い下げするなとか、せよということは言いません。決算委員会にそういう権限はありません。けれども、談合があったとか、値段が不当であったとか、そのやり方に国民が納得しないとか、疑惑があったとかいうことがあれば、これを決算委員会が調べるのは当然だと思う。そうでしょう。そういう点を大臣、あなたはよくお知りになりませんから、よくそういう点をお考え下さって、そうしてこの払い下げを、少くともこういうものがとれて、何ともなかった、何にもなかったということがはっきりし、そしてそれがきまったら入札する。そのときまで価格というものは申し上げるものではありません。あなたは大会社の社長さんだから、国鉄のやりやがった芝居でおれもつらい目にあったと、腹の中で笑っていらっしゃると思う。六億とか十億で払い下げるという覚書みたいなものが書いてある。それはだれが考えたって、七億から十億でいくということはわかっておる。それから、あなたがここで何と御答弁されて、どんなにあなたが胸をはたかれましても、三菱に行くということもわかっておる。そうでしょう。だから、やはり疑惑というものを解いておやりになるということが一番必要だ。こういう工合に私はあなたに申し上げて、私の話をお聞き下さってあなたがどう考えられたか、ちょっと、簡単でいいから御答弁下さい。
  120. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 御意見を伺いまして、またよく善処いたします。
  121. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 志免炭鉱払い下げのそのことというよりは、政府が今度志免炭鉱払い下げるについての根本方針といいますか、それについてお伺いしたい。  志免炭鉱払い下げ理由については、われわれの聞くところによれば、赤字が出て困るから払い下げると言うたときもあるし、埋蔵量がもう先が見えておるからやめるというふうな理由のときもあったし、それから国鉄は運輸に専念すべきものであって、余分な仕事などをしない方がいい、そういう理由で払い下げることにしたというような、いろいろなことを聞いておるのですけれども、     〔高橋(英)委員長代理退席、委員長着席〕 一体政府が国有財産払い下げるに至った根本方針——社会主義経済の上からいえば、生産手段の公有、公営とかいう、特に炭鉱の国有化ということは大きな問題として扱われるわけですけれども、資本主義経済の上からいえば、なるべくそういうものはしない方がいいんだ、官営事業というものは能率が上らないから払い下げるというのが根本の理由であるか。あるいは、一つの事業を持っている官庁は、その事業に直接関係のない事業はやらぬ方がいいというような意味で、払い下げ方針を決定しておるのか。つまり志免炭鉱払い下げるに至った根本原因というものが明らかになることは、将来の国家の経営するいろいろの事業のあり方についても、深く考えさせる点があると思いますので、その点を二つ、はっきりと指示していただきたい。
  122. 重宗雄三

    ○重宗国務大臣 お答えいたします。国鉄から志免の分離に関する根本方針について、昨年の十月四日了承を求めてきたのに対しまして、運輸大臣は慎重に検討を重ね、有識者の意見等も参考とした結果、国鉄本来の使命達成のためには、この際これを国鉄経営から切り離すべきであるという方針は、一に、国鉄経営下における現有経営規模の維持と持続の可能性は乏しい。二に、国鉄は本来の輸送業務に専念すベきであり、これに不可欠なもの以外は、できるだけこれを切り離すことが適当である等の理由から妥当と認めまして、本年一月十日了承の旨を回答したような次第であります。
  123. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 今の前段の理由は、要するに国鉄がやっておったのでは、経常困難なるがゆえに、分離した方がいい、そういうふうに解釈していいのですか。
  124. 山内公猷

    ○山内説明員 ただいまの前段の話は、現在志免炭鉱国鉄が経営しておりますが、年々出炭量が減って参りまして、このままでは現在の出炭量を確保することがむずかしい。だんだん先細りになるということをいわれておるわけであります。  後段の方は、国鉄は現在でも輸送に専念をしなければならないのですが、輸送そのものでも、なかなか財政的に十分な国民にサービスができない。だから、この際、そういう国鉄の輸送に直接関係のないものはなるべく切り離して、国鉄本来の使命に、もう少し努力すべきであるというのが、一月十日、前大臣のときに承認をいたしました根本的な理由でございます。
  125. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 可採炭量は千二百万トンある。しかるに国鉄が今やっておるやり方でいくと、だんだん先細りになるようになって、とても予定の炭量は出ないということ。先ほどの、どなたか委員の御質問にも、払い下げをするとかしないとかいうことになったから、働く人も不安を感じたり、いろいろなことで出炭量が少くなった。そういう、ことがなければ、依然として今まで通りの出炭量はあるであろうと予想する人もあるわけだけれど、鉄道当局としては、そういう理由でなしに、出炭量が減った、こういうふうに見ておられるのですか。
  126. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 出炭の実績をまず申し上げたいと思います。三十二年度には五十一万トン余出たわけでございます。ところが、三十三年度は、それが三十六万トン台に落ちております。もっとも、三十六万トン台に落ちましたのは、いろいろ争議行為のようなことが繰り返されたということも相当影響していると思いますが、しかし、そういうことが全然なかったといたしましても、志免炭鉱の事業計画としては、四十八万六千トンを三十三年度には出そうということだったのです。これでもおわかりになりますように、三十二年度は五十二万何千トンかあった。何の労働不安というものがなくとも、三十三年度は四十八万トン台に持っていこう。三十三年度はそれでいいのでありますが、今後三年、四年たった後の状態というものを見ますと、現在掘られております坑道等が、いろいろ基盤線にぶつかったり、あるいは鉱上区境のところまで行きまして、これ以上先を掘っていけない。そこをやめて別のところを掘らなければならぬ。いろいろな事情がありまして、専門家の方の御検討をいろいろいただいたのでありますか、このままで行けば数年後には出炭量は激減するであろうというふうに言われておるわけでございます。そういう状況であることも、早く隣接鉱区と合せて総合開発のようなことができるようにする必要がある、こういう払い下げのための一つの理由にもなっておる。こういうことでございます。
  127. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 今お話を聞いておると、先の見通しが今の志免炭鉱だけでは暗い、お隣りの三菱炭鉱総合開発をやれば出炭量が多くなる。そういう意味で、志免炭鉱だけでは、専門家が見て先細りでだめだというものを民間に払い下げる——引き受けるやつもないだろうと思うけれども、三菱炭鉱総合開発をやれば、結局志免炭鉱も生きてくるし、お隣の炭鉱も生きてくる、そういう意味での払い下げということになれば、言わずして三菱払い下げの主人公になるということは、常識的に考えられるわけです、それをあえて、三社に競争入札をさせるとい形をなぜとらなければならぬか。こういう明白な理由があれば、一人のやつに指名して払い下げる方がむしろ公明じゃないか。僕ら、しろうと目には、そういうふうに考えるのですが、どうなんですか。
  128. 山内公猷

    ○山内説明員 その点につきましては、国鉄から運輸省に伺って、参りましたのは、見積り合せの随意契約をしたいということでございます。しかし、役所として、これを見ます場合に、国有財産払い下げというものは競争入札によるということが原則でございまして、ガラス張りの中でやらなければいけない。これは困難なことかもしれないけれども、不可能なことではないのであるから、この払い下げの、常道に従ってやるのは公明であるという趣旨から、前大臣は指名競争入札によってやるということを認可の条件にされたわけでございます。
  129. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 国有財産払い下げは競争入札によるという原則があるそれは原則はあるに違いないだろうけれども、むしろその原則に準拠してやることが、実質的には談合入札を奨励する、明らかに認めるという結果にもなるような気がするんですが、そういう事情にある。ほかが買うわけがないのじゃないですか。そのそばと総合して開発すれば両方とも生きてくる、一つじゃ先細りでだめだと国鉄が手離すようなものを、その周囲に鉱脈を持って、総合開発の可能性のない会社が買う、競争入札で適当な値段を入れるだると想像することがおかしいと僕は思うのです。そういうものを無理に大手筋三社を加えて競争入札をさせることは、いわゆる払い下げの公式論には合致するかもしれぬけれども、むしろ明らかに談合を奨励するような結果になりはせぬか、こういうふうに私は思うのですが、そのことは私はこれ以上申しません。ただ、払い下げの根本理由の一つとしては、志免炭鉱は、志免炭鉱だけでは前途先細りで経営が困難になるから払い下げるというのが今度の理由になっているわけです。そうなんですか。経営困難ということは——私どもは、官営事業というものは大体非能率なものだというふうに考えているんだけれども、志免炭鉱の経営困難という根本の理由を、当局はどう見ておるのですか。いわゆる官業の一つの欠陥というか、官業の非能率ということが志免炭鉱の採算が合わなくなるという理由になっておるのかどうか。その点についてのあなた方のお見込みを聞きたい。
  130. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 かって、志免炭鉱収支状態か非常に赤字でありました時代には、官業だから非能率で、だめなんじゃないかというふうに、いろいろおっしゃられたことは事実でございますが、三十一年度、三十二年度と、この二カ年間は、その業績の能率におきましても、他の大手の民間炭鉱に比べて劣らない程度の業績を上げて、この二年間は黒字になったということでございますので、官営事業なるがゆえに非能率であるということを言われることはないのじゃなかろうかと思っております。  ただ、しかし、国鉄は、先ほどもお話が出ましたが、国鉄本来の輸送施設の整備拡充というようなことに、もっともっと精力をつぎ込むべきであって、付帯の事業にいろいろな投資をするというようなことは、政府としてもなかなかお認め願えない。同時に、志免の山は、国鉄は残念ながら炭鉱としてはたった一つしか持っておりませんので、結局この山の限られた鉱区の中で経営を持続していく以外に仕方がない。ところが、志免の山というのは断層で周囲を囲まれておりまして、すりばちのような形になっております。だんだん下へ行けば、断層が狭まってくるというようなこともありまするし、また地層その他が非常に摺曲しているところもあり、いろいろ問題がありまして、この山一つでやっている限りは、いかに従業員諸君ががんばってくれましても、出炭は落ちていかざるを得ない。そういう見通しがはっきりしておりますので、もし隣接の鉱区と一緒に合せて総合開発ができるようになれば、今手をつけられないところも手がつけやすくやれる、石炭も残りなくとれる。そういうようなことも考えるべきではないかというようなことを、青山委員会等からも御指摘を受けた次第でございます。
  131. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 もう一つ払い下げの理由としては、国鉄自分の本業である運輸事業に専念する、それが一つの理由だと承わっておるのだけれども、果してしからば、国鉄自分の専門の仕事以外に持っているものは単に志免炭鉱だけではないと思う。まだほかにいろいろ運輸に直接関係のないような副業をたくさん持っていらっしゃると思いますけれども、そういうものもだんだん整理していくつもりでおるのか。つまり鉄道輸送に直接関係のないいろいろの仕事は、今後順次に払い下げその他の方法において整理して、国鉄は結局鉄道輸送関係一本の仕事に集中する方針でおられるのかどうか。その点も伺っておきたいと思います。
  132. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 国鉄といたしましては、輸送業務をやっていくためにどうしても切り離せないという性格の付帯事業は別でございますが、そうでないものはでき得れば逐次整理をする。分離をしたり、あるいは事業の性質によって請負に出すというようなこともあるかと思いますが、そういうようなことをいたしまして、本体である輸送業務に全精力を集中する方向へ持っていこう、という方針で考えておるわけでございます。
  133. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 大体の方針はわかりました。そこで、現在国鉄関係を持っておるというか、国鉄は経営しておる各種の事業に一体どんなものがあるか、それをリストにして、決算委員会に資料として提出していただきたい。志免炭鉱を初め、国鉄の経営にかかる一切のものをリストにして、資料として御提示を願いたい。
  134. 田中彰治

    田中委員長 国鉄以外のものですね。外郭的な仕事ですか。
  135. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 いや、全部です。われわれ、大いに研究すべき価値がある問題だと思っておるものですから、資料として出していただきたい。
  136. 高橋英吉

    高橋(英)委員 小川君の質問に関連して、宮川官房長、それから吾孫子理事にちょつとお尋ねいたします。  先ほど、行政管理庁の勧告に基いて志免炭鉱払い下げ国鉄で決意されたというふうなことが——決意されたかどうか、とにかくそういうような方向がきまったというので、閣議なんかでも問題になり、その結果が、企画庁から宮川官房長の手を通じて、払い下げに関する審議会みたいなものをこしらえるというふうなことの提案をされた。その提案の中心は、関係官庁の事務次官を中心とする委員会みたいなものをこしらえたらどうか、というふうなことだったということですが、ところが、どういういきさつか、事務次官の会議までは必要ないんじゃないか、官房長会議にしたらどうかというふうなこともあったそうですが、とにかく、そういうふうな提議がありました結果が、先ほど吾孫子理事が言われたような、また宮川官房長が答弁されましたような、いまだ国鉄志免炭鉱払い下げるというふうな最後の決意をしていないというふうな答弁、そういう回答があったということですが、その回答は非常に、宮川官房長としてはやわらかい表現のようであったのですが、大体の感じとしては、もう払い下げはしないというふうにとられたのではないかと思うのですが、宮川さんに対して、その点はどうかということが一点。  それから、そういうふうな提議を企画庁として正式にされておるにもかかわらず、それに対してそういうふうな吾孫子理事の、国鉄側の答弁があった、回答があったのでありまするが、その後、企画庁に対して何らの連絡がない。すなわち、払い下げを決定するということに対して何らの連絡がなかった。すなわち、先ほどの提案に対してはいまだ最終の決意をしていないからという回答であったのであるけれども、さらにその後、審議をした結果では、考慮した結果が払い下げをするということに決定したのだという回答があり、しかも、払い下げをするについてはどういう方法でやるかというふうな、委員会の構成というふうなもの、そういうようなものに対する相談もない、連絡も何らなくして、しかも、突如として、国鉄内部に青山調査会というものができた。この青山調査会の性格というもの、これは田中委員長質問通りであるかどうかということは私どもよくわからないけれども、少くとも、そういう企画庁からの提議があるにもかかわらず、それに何らの連絡もなくして、そして国鉄内における調査会ができ上った。こういうふうなことだったそうでありまするが、そういう事実があるかどうか、そういう経緯であたっかどうかということ。もしそうであるといたしますならば、どうも、この払い下げ問題に対しましては、国鉄以外の関係官庁なんかの、容喙を許さない、国鉄以外の関係者をまじえてはどうも都合が悪いというので、払い下げの決意をしながら、いまだ払い下げの決意をしていないかのごとく擬装して回答したような疑いもあり、しかも、そういう回答をしながら、そう期日を置かずして今の青山調査会なるものを、国鉄独自の調査会なるものをこしらえたということになりますると、どうも、そこに、国鉄だけで何とかこの問題を処理したいというふうな気持、これは国鉄自身としてどういう気持でそういうふうな態度をとられたか。国鉄のみが最もこの問題を解決するのに適当な資格を持っておるとお考えになったのか。それとも、何らか不明朗な原因があって、外部の容喙といいまするか、外部の知恵を借りることを拒否されるということになったのか。そういう点について、一応疑惑を持たれておるというようなことになっておるのですが、一つ、まずその点についての官房長並びに吾孫子理事の御答弁をお願いしたい。
  137. 宮川新一郎

    ○宮川説明員 お答えいたします。先ほど小川委員の御質問に対しましてお答えいたしましたのに補足する格好になりますが、私の方から、当時の河野企画庁長官の御意向を体しまして、吾孫子理事に申し入れをしました際の吾孫子理事の回答は、先ほど私が小川委員の御質問に対しましてお答え申し上げました通りでございます。決して、払い下げをとりやめることにきめたというような表現でもって吾孫子さんは来られたのではございません。ただ、その際、私の方で、むしろ払い下げが規定の事実であるように思うというふうな私の質問に対しまして、行管の勧告必ずしもこれを払い下げにきめておるような書き方でないとか、いろいろ、言われておりまして、払い下げの方向に必ずしも進んでおらないというような気持は看取されましたことを付言いたしたいと思います。  第二の点につきましては、一応私の、委員会を作ったらどうかというようなことについて、これは監督官庁である運輸当局とも十分相談しなければならぬことであるからということでお帰りになったのでありますが、その後、電話でありましたか、あるいは一度お見えになったかと思いますが、運輸当局とも相談したのであるが、志免炭鉱をどうするか、処理する際の認可をするのは監督官庁である運輸省の責任である、その責任官庁である運輸省が事前に払い下げをすべきであるか払い下げをせざるべきであるか、またどういうふうにやるべきであるかというようなことについて、関係省の委員をもって運輸省内に——政府部内となれば運輸省ということでありましようか——委員会を作るということは適当でないというようなことであるので、ガラス張りで公正に処理するようにという御注意も受けて、結局青山調査会でありますが、委員会を組織したい。そうして、委員会の中に関係省の役人を入れるのは適当でないと思われるので、その点については別に関係省の局長クラスという人に御参集を願って、随時委員会の経過を報告するようなことにいたしたい、こういうお話がありましたので、それらを了承いたした次第でございます。
  138. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 大体の筋道は、今、宮川官房長が申された通りでございますが、あの当時、私の方で二、三回、たしか企画庁までお伺いをして、いろいろ御相談したというふうに思っております。官房長からお話がありましたので、実は運輸省の方に相談いたしました。そうしましたら、運輸省御当局としては、今、官房長が申された通り、将来志免炭鉱を処分するということにきまった場合に許可する立場にある当局が、初めからそれをどうすべきかというような方針の審議に加わるということはおもしろくない。従って、その調査委員会を作るというならば、それは国鉄の部内に作ったらよろしかろう、こういうようなお話がございました。私の方では、三十三年の三月十二日に、時の運輸大臣に対して、志免鉱業所調査委員会の設置について、という伺いを出しております。その伺いに対して、三月十八日に、申し出のあった件は了承する、諸般の情勢にかんがみてその取扱いについては万遺憾なきを期せられたい、というような御書面をいただきました。それに基いて調査委員会を設置いたしたのでございます。その後、事柄の性質上、やはりどこまでもガラス張りでなければいけないということから、委員会でもって一段落つきますごとに関係各省庁の関係局長等にお集まりをいただいて、そのつど御報告を申し上げつつ今日に至った、こういうことでございます。なお、当時国鉄としては、はっきり払い下げするかしないかという方針もきまっておりませんでしたので、青山調査委員会に対しても第一号の諮問としては、志免炭鉱の処置をどうすべきか、つまり払い下げすべきものであるか、どうすべきものであるかということを、白紙の状態で御検討願いたいということをお尋ねを申し上げた、こういうようないきさつでございます。
  139. 高橋英吉

    高橋(英)委員 大体わかりました。青山調査委員会というものが、こっそり、ないしょにやったインチキ委員会でないということは、はっきりしました。  宮川さんにお尋ねしますが、委員会があるたびに、その結果なんかについて各局長、ことに企画庁の局長あたりに連絡をとったという今の吾孫子理事の御答弁は、ほんとうでございますか。
  140. 宮川新一郎

    ○宮川説明員 ほんとうでございます。私は出ませんで、実は課長を差し向けましたが、三回あったと思います。
  141. 田中彰治

    田中委員長 宮川官房長、きょう河野さんのところに行って、あなたの言った話をしたら、そんな話なら何のために大臣に報告したのだ、やりたくないと言うから、おれがそんな権利があるかと言ったのだが、あなたが今のようなことを言って……。河野さんを呼び出して聞かぬから、それはどっちにしてもいいけれども、あまり体裁のいいうそは言わぬ方がいいな。高橋英吉君ならごまかされるかもしれないけれども、われわれの方はごまかされない。
  142. 小川豊明

    小川(豊)委員 ちょっと、その点、僕もはっきりしておいてもらいたいと思うのだ。吾孫子さんが、忙しいのにもかかわらず、わざわざ宮川さんのところに報告に来て、宮川さんはそれをお聞きになった。これは問題になっておるのだが、吾孫子さんのように頭のいい人の答弁で、どういう報告をしたのか、どういうふうにそれを受け取ったのか、僕らにはのみ込めない。端的に言って、あなたは何のために行ったのか。払い下げをしないというために行ったのか、したいというために行ったのか。それから、宮川さんはそれをどう受け取ったのか。まだ払い下げをすることにきまっていないから、きまっていないと報告されたと受け取ったのか。その点を、もっと端的に、わかりやすく話していただきたい。
  143. 田中彰治

    田中委員長 どうも、官房長はとぼけるからいけない。
  144. 宮川新一郎

    ○宮川説明員 決してとぼけておるわけではありません。言葉としては、先ほど御質問にお答えしましたようなことで、明確な結論が出ていないのだということでございましたが、先ほど高橋委員の御質問の際に私の感じを申し上げましたように、必ずしも払い下げしなければならぬとはきまっておらぬのだというような印象のことを言われたことを翻意にとどめております。このことは私、先ほど私の気持を率直に御答弁申し上げた次第でございます。
  145. 田中彰治

    田中委員長 官房長、あなたは——私、責めるのじゃないですよ、責めるのじゃないけれども、企画庁長官に、払い下げするんだということなら、あなたが申し上げられない、払い下げておるということなんだから……。そうでしよう。払い下げしない、しないでもいいんだ、したくないとあなたがとられたから、長官に申し上げて、長官が、それじゃ行政管理庁に行ってくれとか、経営調査会に行ってそうしろとか言われたのでしよう。おかしいじゃないですか。
  146. 宮川新一郎

    ○宮川説明員 その点は、私、長官に、もちろん復命したわけでございます。はっきりしませんけれども、どうも払い下げ必ずしもしたくないような気持もあるようです、そういうこと……。
  147. 田中彰治

    田中委員長 そんならいいのです。
  148. 宮川新一郎

    ○宮川説明員 それならば、筋を通して行管に行くとか経営調査会に行け、こういうことであったのです。ただ、吾孫子さんの話は、そういうふうにはっきり国鉄としては払い下げをやめたんだという……。
  149. 田中彰治

    田中委員長 国鉄がやめるという権利はない。
  150. 宮川新一郎

    ○宮川説明員 私はそんな感じをいろいろ率直に言ったのです。
  151. 山田長司

    ○山田(長)委員 ちょっと、つけ加えておきたい。先ほど鈴木委員から、運輸省及び国鉄の外郭団体の資料請求があったのですが、それにつけ加えて、了解しておいて資料を出していただきたいのですが、付帯事業及び大口の請負会社——たとえば東鉄工業のごとき会社です——これには創立月日、責任者及び役員名、前歴、こういうものを記載して出していただきたいと思います。
  152. 田中彰治

    田中委員長 かしこまりました。  他に御質疑はありませんか。——他に御質疑がなければ、本日はこれにて散会いたします。     午後二時二十六分散会