○
田中(彰)
委員 ちょっと関連……。これは、
官房長官も
防衛庁長官もここにおられますから私は申し上げますか、あなた方の
考え方が非常に軽率であるのか、間違っておるのか知りませんが、どっちかなんです。そこで、今伺うと、
グラマンを
内定したということはそれは
内定であって、きまっておらないのだ、その
内定するまでの
資料については善意に非常に研究してやったのだ、とおっしゃいますが、
国防会議の四月十二日に問題になった中に六種の
機種がありましたが、あとはちょっと名前が出ただけで、ダラマンが一番議論されて、ノース・
アメリカンもその前に議論されたが、これもけられた。そこで
ロッキードもあまり議論されなかった。これは
書類で今出しますから……。そこで
グラマンが
内定しているのですが、
ロッキードを
日本の
戦闘機にしようじゃないかというので、
防衛庁で二年半にわたって研究されたということは、天川に流れている
書類、
防衛庁にある
書類、われわれが調べたところによって歴然としておる。研究された人も全部わかっておる。またノース・
アメリカンというものについて、これはけられておりまが、これもやはり
戦闘機として選ぶには相当の研究もされておる。それがどんな欠陥があったか知らないが、けられておる。それで
決定された
グラマンというものは、一体どれだけ研究されたのかと申しますと、まず二カ月ぐらいしか研究されておらない。これだけむずかしい
書類を作るのにも二カ月かかります。そこで、その
書類は相当確実性のあるものだとおっしゃいますが、
飛行機ができておらなくて、エンジンがなくて、今はこういう古い
飛行機で、こういう古いエンジンだが、これに新しいエンジンをつけた
飛行機の型をこういう工合に変えればこういう
性能が出るのだという、つまり推定の
報告書なんです。それを見てあなたの方でもって
決定された、二年半にわたって
調査して、しかも
永盛調査団が行って帰ってきたときに、
グラマンという
飛行機も見てくれというので、工場を一回見た。
性能がよい
飛行機だそうだなんということは書いてない。見たということだけ書いてある。そういうものをあなたの方ですぐに引っくり返して、そうして
グラマンに
決定された。
内定じゃない、
決定なんです。どうしてそれを
決定かというと、北海道の博覧会において、
防衛庁所在地の三越の博覧会において、
防衛庁が
決定いたしました
グラマン機でございますと、ちゃんと番号を入れて、エンジンの番号までうそを書いてある。それは写真をとってある。写真が
決算委員会にあるじゃございませんか。それから今度は、新
三菱から、もう
グラマンにきまったといって、今度は製造するにはどうやるんだといって、どんどん工場へ研究に行っておる。たくさんの人が出張して行っておる。その出張するときはもちろん外務省から旅券を下げるから、外務省にそのわけを書いて出してある。
防衛庁とも打ち合せて行っておる。
国防会議とも打ち合せて行っておる。これによっても
決定ということが裏づけられる。しかも
アメリカではもう
グラマン機の、あなた方が試験された二機、この古いのはもうだめだ。製造を中止されている。だから、
グラマンの株なんというものは二束三文です。紙くずと同様であったものが、りっぱな株価でもって
アメリカで売買された。
内定ではそんなことにはならない。
内定にはしてありますが、
決定なんです。しかも、それもどうして
内定にしたかというと、四月十二日に
内定しておいて、それからわずかたったら閣議において
決定の
書類を持って回ったところが、閣僚の一人の河野一郎君がそれを見て、君、これは
内定だったんじゃないか、それを
決定の
書類を回すとは何事かと言って怒った。それであわてて
内定の
書類にしたということなんです。しかも
決定された
書類というものはこれなんです。あなたが正しい
書類だと
——私はこんなことを言って、あなたをいじめるのではないのです。お互いに
国会議員として出してもらっている以上は、
日本の国防という問題についても重大な関心を持たなければならない。それがこういう何千億もするような、国民の血税で作るものをいいかげんなことで
内定したり、いいかげんなうその
書類を作ったり、
防衛庁の中でも
長官さえ知らぬような秘密
書類が、一天川ふぜいのところへ出て、それがキャバレーの女給から伝わっていって、森協さんに怒られるかもしれないけれ
ども、高利貸しの
森脇さんの手に渡るなんということは、もしこれを国民としてほんとうに国を思うとしたら、ここでだれでも泣いて国を憂えなくちゃならぬと思う。これは
国防会議であなた方が
グラマンを
決定された
書類です。もしこれがうそであるなら、これに対する原本を出してごらんなさい。これをごらんなさい。これは
グラマンの、できておらぬ
飛行機の
性能なんです。こんなにうまくうたってある。しかも、
ロッキードの番はうんと
性能を落して書いてある。期のほんとうの
性能を落して書いてある。ここに
ロッキード期Cが書いてある。このCというものは、これは続いている紙ではない。切れた紙です。あとで張りつけたものです。Cというものもございますといって書いてあるが、何だかわからない。それでこれを
内定、
決定してある。これをごらんになればいい。あなた方はこれを重要
書類じゃないとか何とか言っておられる。社会党の人も勉強が足りないから……。それから今度は、
決算委員会で問題になってから、四月十二日に
決定した後に、今度は
グラマンと
ロッキードの問題がうるさくなってきたから、
ロッキードCの
性能をここに書いてある。これも向うの
グラマン社からきておるもの、
アメリカの空軍からきているものの
性能から見ると、約三割減じて、七割しか書いてない。しかもまだここに、できておらない幽霊の
グラマン機の
性能がりっぱに誇張して書いてある。これも
防衛庁の秘密
書類、ごらん下さい。あなたの方でそれで
決定したんじゃないというなら、それの
書類の原本を出して、そしてそれの実相を鑑定されたらいい。私の方はちゃんと相当な者に見せてある。それはそうだ。四月十二日の
国防会議でその
書類を持って回ったんだ。
それからつもう一つ。
廣岡事務局長がそこにおられて、
防衛庁の
長官もおられるが、
飛行機のことは秘密であるなんて書いてありますが、これは天大川氏が三井倶楽部で三十三年の九月かにこれを講義した。ここに全部ある。われわれでも知らないような秘密
書類が全部書いてある。これは天川の講義だ。天川が講義した
内容、これもごらん下さい。もしそれで御不足なら、たくさん
書類を出してあげます。私は
長官は無理だと思う。
長官はお知りにならない。
飛行機の技術についてもお知りにならない。ただ
官房長官としてのあなたが
国防会議に列席されるんだから、無理でしょうが、少くとも
国防会議の
事務局長がおって、そうしてそういう秘密な講義がそこらじゅうで民間でされる。そういう
書類が民間に出る。しかも、今この
国会で問題になっておる原子力の十年
計画の
書類も、そこに
森脇君が持っておるはずだ。そんなものは
防衛庁長官もお知りにならない。
防衛庁でも二人くらいしか知っておらぬはずだ。
アメリカでも、それが民間に流れたといって、びっくりしている。それはうそだろう、うそだろうと言っている。もしみんなうそだというなら、
決算委員会から
アメリカへ照会してもいいんだ。
日本の国が外国に対して信頼を失ってもいいという保証をして下されば、照会してもいい。とにかく、私が一番憂えているのは、あなたはそんなことを言われるけれ
ども、
飛行機というものは、
アメリカでもどこでも法律を設けて、新しく作った
飛行機はどのくらいのキロ数の試運転というものをしなくてはならない、さもなければその
飛行機は採用できないことになっている。しかも、あなたが
決定された
グラマンというものは、影も形もないものなんだ。試運転したじゃないかといっても、昔の古いにせものを試運転した。そのにせものでも、
アメリカの空をよく飛んで、
日本の空まで来たというなら、あのにせものでもあんなにいいんだから、あれを直せばよくなるかしらということで、きめてもいいかもしれないが、そのにせものは二つとも故障でもって、だめで、使われなかった。その事実を見て、しかも二年半も三年も研究したものを投げて、そしてその幽霊のようなものを
国防会議できめたという責任は、だれが何と抗弁しようと、すればするほど、これは大へんなことになります。国民は
承知しません。しかも、それが三万や五万のものならいいけど、一機五億も六億もするものだ。しかも、今あなたは値段のことをおっしゃいました。これは御存じないから無理なんだ。そこのうしろにおられる
廣岡事務局長や
防衛庁のうそつき
どもからあなたがいろいろなことを吹き込まれているから、そうおっしゃるのだろう。値段というものを考えてみると、今から
飛行機の木型を作って大量
生産に入るまで何年かかりますか。大量
生産に入ったものを買うのと、大量
生産に入らぬで、これから新しいものを木型を作ってこしらえるのと
——しかも、エンジンも
アメリカの軍部では7をつけることを許可をしておらない。四月十二日のときは許可しておらない。電報も打っている。そういうものを作るのと、どっちが金がかかりますか。大へんな金じゃありませんか。それだから、値段のことなんかわかりませんよ。また、値段のこととか、
性能のことをおっしゃること自体が間違いで、あれは幽霊であった。その幽霊も二機とも落っちやった。幽霊機も落つちやっておる。ない。現存しないもの、これをよくしてやりますといって、だました。その二機は、これもいいかげんなものを寄せ集めて作ったもので、二機は落ちている。そういうものが
決定されて、博覧会にまでそういうものを出される。どうなんですか。私は、これは決して決算
委員として言っているんじゃない。
日本の国民として、だれもおらないところで
防衛庁長官だってお考えになればわかるだろうが、われわれはみんなやはり国民から何万という支持を受けてこの
国会へ来ている。そうして、
日本の政治家の一番生命とするところは、やはり生命
財産を守るという、この自信がなければ
政府はとれません。その一番根底になるところ、
日本のこの国、国民の生命
財産を守らなければならぬ
戦闘機をにせものによってきめる、
内定する。しかも千七、八百億円という大金に上る。
書類が全部でたらめだ。それだけなら、まだいい。国民の生命、
財産を守り、国を守らなければならない
戦闘機について、今研究中の、まだ発表してない、
国会にさえも発表しておらないところの
防衛庁の重要
書類が一民間のブローカーの天川に渡って、そうしてそれがキャバレーの女給の手を通じたり、秘書の手を通じたりして、
森脇氏のところやその他の民間に流れておる。これは全く重大です。これを重大な問題としないで、何が今、
日本で重大でしょう。しかも、二年半も三年も研究したノース・
アメリカンをけって、
ロッキードの、世界で用いているものをけって、
グラマンにきめた。そのきめた
書類を作ったのが天川なんだ。いいですか。天川は一体どういう人間ですか。新
三菱の嘱託じゃないですか、顧問じゃないですか。三洋電機の顧問じゃないですか。小松製作所の元取締役じゃないですか。しかも今は浪人じゃないですか。同じ顧問といっても、政党に籍があったとか、大会社の社長とかの顧問なら別だ。ブローカーじゃないですか。その顧問は
飛行機の技術的なことはわからない。西野という秘書があるのであって、彼にはない。そのない者が今度
決定する
機種の
書類を作って、
国防会議から十万円という金をもらった。そういう者の相談に乗って、そういう重要な講演をして歩いた。これで済みますか。しかも、源田空将なんというのは、岸総理も、私が源田空将の話をしたら、あれは
飛行機の神様だと言った。ところが、とんでもない。岡少佐が採用されたときに、源田空将が、君も
防衛庁で出世したいと思うなら、いい者になりたいなら、天川参りをしろといって、天川参りについて言われたが、しなかった。とうとう
最後にしかられて、天川はどんな偉い人かと思って、天川参りをした。自分が多少
飛行機のことを知っておるから、その話をしたら、全くしろうとで、大やまこであった。帰ってきて、もうそこへは行かない。ところが、佐薙さんなんなんというのはみんなそこへ参って、そうして大川からわずかな小づかい銭をもらって、ウイスキーを飲ましてもらって、応接間から喜んで帰ってくる。(「それはほんとうか」と呼ぶ者あり)ほんとうだ。そういうことだ。そういう点を、みんなあなた方お調べになればいい。
いま一つ、
岡証人をこの前、
決算委員会で呼んだときに、
防衛庁の制服を着た佐薙が、ある新聞社を使って、君も
防衛庁と
関係ある会社に勤めた人だから、まさか私が首になったり、私が困ったりするようなことは言わぬだろうけれ
ども、あした
決算委員会へ行ったら、こういうことと、こういうことを言ってくれといって頼んだという実例がある。それはテープ・レコーダーに入っているから間違いない。あなたがうそだとおっしゃるなら、僕は聞かせます。
もう一つ、一月に渡米する、
グラマンの研究に行く、
ロッキードの研究に行く、そのお正月に佐薙と非常に仲のいい
——これは名前は秘しておくが、どうしても言わなければならぬなら、言います。その人が、あんたも今度
アメリカへ行かれるのは大へんでしょうと言ったら、いや、大へんじゃない、僕が行ったら、変った
機種を
決定するから見ておれ、と言った。そのときに、もうちゃんと
グラマンということは話している。そういうものがたくさんあがってきています。しかも、その
書類が重要であるかないかということは私は
森脇氏から借りて、全部専門家に見せた。みんな重要なんだ。私も、そうやって下の者があやまって出した
書類ですから、それをみんな申し上げることはないが、あなた方が
グラマンを
決定するには非常な無理があった。にせ
書類で
決定した。しかも
飛行機の規格に合っておらない。すなわち何方キロも試運転してこれが
アメリカの軍部で採用した
飛行機ではない。世界のどこかに、
日本で買わんとしている
グラマンを使っている国が一カ所でもありますか。
アメリカでも軍で採用していますか。
アメリカの軍で採用しないような、できておらないような、エンジンもないような、幽霊のような
飛行機で、違ったもので試運転してきて、それをきめて、まだあなた方がつべこべおっしゃることは間違っている。少くとも岸内閣の
官房長官であり、わが党の幹部であるあなたが、
——国民がきょう私の言葉を聞いているはずです。おれのところの
官房長官は、
田中の言ったことに全く感激して、国を守るために彼は方針を変えたというぐらいのことは、あなた方二人、おっしゃって下さい。方針をお変えにならないなら、変えないでいい。私も決意をして、これを明らかにして国民に訴えなければいけない。しかし、あなた方はやっぱり人間で、神様でもだまそうと思えばだませるのだから、あなた方が不幸にしてか幸いにしてか知りませんが、
飛行機の技術のないところに、そういう下のやつらが組んで政治家のあなた方を
——政治が優先しなければならない。この国防をまた昔のようにするというのは
——昔あんなのがおったから、
日本が戦争に負けたのだ。そういうのが組んで、佐薙とか源田というのが組んで、政治家のあなたをだまして、にせの
書類をもってきめたのだから、お気の毒です。私は責めない。あなたがそれに気がつかれたら、それを処分されて、徹底的に洗われて、そうして明らかにして、
決算委員会に、君らがやってくれたが、われわれの方は先んじてこういうふうに処理したから、安心してくれと言うのが当りまえじゃないですか。
防衛庁長官も
官房長官も、それに対してはどういうお考えを持っておられるか。御返事をお聞きしたい。