○小川(豊)
委員 長官も、就任以後この問題について十分お知りであろうと思いますが、
次期戦闘機の問題について、たとえば
吉村君というここに
証人に来ておられる方は、
国防会議の
参事官として、
次期戦闘機の
決定を握るような重要な役割を果しておる人の一人であります。その人、また別にこの人と絶えず行き来をし、飲んだり食ったり、その飲んだ費用の一切を払っている
天川という人は、またわれわれにとってはえたいのわからない暗い影の人である。こういう人と、非常に重要な役割にいる人とが絶えず接触をし、絶えず飲食をし、その費用は一切その人から払ってもらって、しかも
防衛庁の機密と称せられる書類が、きのうもここに出てきた
森脇という市井の、これは高利貸しだそうですが、そういう人のところにどんどん流れ込んでいるというような、こういう事実が世の中にあるわけです。そういう中で、この問題は、さらにノースロップN156というのが出てきて、しかもこれに対して、新しく就任されたばかりの長官が
関係があるのじゃなくて、これにもう賛意を表して、これでけっこうだと言うておるからということで、アメリカの方にノースロップの
調査団を派遣さしてくれろと申し込んでいった。おそらく長官は、そう軽率に仕事をする人でもないから、あなたは長年こうした機関の、ことに大量の資材を購入する立場におられた人だから、ことに慎重にやられる人だから、従ってそう簡単にやられるはずはないと私は信ずるが、私の手元に入っている文書では、そういうことがはっきり言われておる。そこで、これはまた
吉村証人のように、ここに出てくると人の問題も出てきて、いろいろ思わざる迷惑をかける場合もあるかしれんから、私はその人の
名前はここでは省きますが、この書類は、私が作った書類ではない。この書類の全貌を私はここで言いますから、こういうことを一つ長官の方で念頭に置いて、この事実をもっとあなたの方で確かめてもらいたい、こう思うのです。
アメリカの
顧問団に、
調査団を日本から派遣してくれと言ったときに、アメリカが、こういうふうな問題が起っているから、もう少し慎重にしたらいいだろう、
防衛庁の長官にも、
国防会議議長にも相談した上でしたら、どうかと言ったらば、三月の六日に再びたずねて、
国防会議の議長も
防衛庁の長官も、その他の幹部も、このノースロップに対しては
意見が一致しておる、こういうことで再度頼んでいった。そのときに行った人々は、ノースロップの輸入代行機関である日商貿易
——日商貿易というのがあります。これは、調べましたら大阪の会社で、資本金が二十二億八千万、二十三億ある。
昭和三年に設立された会社で、こういうものを取り扱っておる、輸入その他をしておる会社なんですが、この日商貿易もノースロップにきまれば、これを製造するところの新
三菱重工の幹部もこれに対しては十分に同意する、日経連の常任
理事であり、経団連の副会長である植村甲午郎氏とも相談した結果、
防衛長官や
国防会議の議長も、幹部も了解しておるから頼むということをつけ加えた。これはあり得べからざることです。あり得べからざることなのですが、こういうことが言われておる。そこで、こういうことをだれが言ったかということが問題になるわけですが、もしこの事実がない、事実が明確にならないと、言った方は大へんにお困りになることだろうと思いますから、その
名前を省きますが、こういうことも書いてある。この人は山形県の人であり、このたび山形県知事の候補者を
——これは、
吉村さんと同じような
国防会議におられた人なんです。山形県知事の候補を
推薦した。そして知事の候補を
推薦するに当って、知事の候補になるには金が相当かかるが、そういう金ができるのかと言ったらば、君、考えてみろ、一機五、六億円もする飛行機を三百台も購入するかしないか、このかきを握っているわれわれである、これと関連する貿易商や重工業会社に行けば、一千万や二千万の金はすぐできるから心配するな、と言った。こういうことを言ったということは、私が聞いたのではないから、私はそういうことを聞いたとは言いませんけれども、そういうことを言ったということを、もし呼ばれれば、国会へ出て
証人に立ってもいいとまで言っておられる保守党の代議士の方がある。(「代議士だ」と呼ぶ者あり)そういう点から、これはやはり非常に重大な問題に発展する可能性もあるので、私は、こういうことは万ないことを望むわけですけれども、あなたの方で、一つ十分に御
調査を願いたいと思う。