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大西委員 これで最後ですが、そういうふうな具体的な問題と同時に、やはり日韓
交渉を推し進めるためには、私が再三ここで申し上げておりますように、何らかの打開の策を講じなければならぬのであります。私はその
一つとして、この前申し上げましたように、いわゆる李承晩ライン、漁業問題につきましては、これは日韓
交渉本来の問題と違うのでありますから、日韓間のお互いの
話し合いは、もう見通しがないのであるから、
一つ国連の場にこれを持ち込んで、国際
世論の注視の中で、この問題の解決を見出したいということを私は申し上げた。それも
考えるが、まだ時期が早いとかいうようなことをおっしゃっておったのでありますけれ
ども、私は今こそこの決意をされる時期であると
考えるのであります。時あたかも、この情報によりますと、韓国におけるところの民主党代表、最高
委員の趙炳玉氏は、十一月二十五日、李ライン問題は、国際司法裁判所に提訴すべきだ、こういうふうに言って、韓国政界に一大波紋を巻き起しております。もちろん自由党は、これに対して、これまた容共だとか、国賊だとか、聞いたことのあるようなことを言って、これに
反対をいたしておりますけれ
ども、まさに韓
国内におきましても、この李承晩ラインの問題、漁業問題、こういう問題でいつまでも両国家の
国民の意思が相反するということは、日韓親善のためには憂うべきことである、こういう良識論に立って、趙炳玉氏がこのことを大胆に韓
国内においても主張しているということを、私はこの際注目願いたいのであります。私は再三申し上げておりますように、韓国
国民の
国民感情と
国民の意思と、李承晩
政府に現われたところの政治というものとは、大きな隔たりがあるということを私は信じております。この点は、過般この外務
委員会におきましても、多数の参考人が出て述べた通りであります。われわれは李承晩に対しては憤りを感ずるけれ
ども、韓国人民、朝鮮人民に対しては限りない信愛を持っておるわけです。その両
国民の信愛を阻害するようなこういう李承晩ラインというものは、すべからく国連等に提訴して、国際舞台の上において、世界の
世論の上に立ってその白黒を決すべきだ、この機会だと私は
考えるのであります。年の末に当って、
一つ外務大臣も
——与
党内のごたごたばかりで、
外務大臣は
外交を忘れて内交ばかりやっておる、こういわれておりますが、
一つ思いを新たにして、本然の姿に返って、たくましい
外交政治力を発揮してもらいたいと思う。きょうもあなたの御出席がおそいので、何であろうかと言ったら、
佐々木君は解散だと言う。もちろん冗談だが、それがまことしやかに言われるような世の中になってきたのであります。どうぞ
外務大臣——責任の追及は追及として、この際
外交問題について、さらに勇気をふるわれることを私は期待をいたすのであります。与
党内における
外務大臣の立場に対しましては、私
どもはいささか
了解と支持を持っておるつもりであります。以上であります。