○前田(正)
委員 その点は
一つ御
研究願っておきたいと思います。
私は、一般
科学技術の問題についてお聞きしたいのですが、特に
学術会議の会長として、
一つ兼重さんの御
答弁をお願いしたい。それは、この間私たちの
委員会に、
学術会議の第二十七回の総会におきますところの声明を配っていただきました。非常に参考になって、われわれも大いに勉強になると思っておりますが、この声明に書いてあることは、要するに、
基礎科学について
政府としてはもっと重点的に
考えろということのようでありまして、その
趣旨はわれわれも大賛成であります。私たちも、この
科学技術の特別
委員会はもちろんのこと、われわれの党の方におきます特別
委員会におきましても、われわれは常に
科学技術の問題を論ずるときは、もちろん
基礎科学の問題も必ず一緒にしてやっております。ところが、この衆議院の
委員会でも、もちろんそういう
意味におきまして
基礎科学の分野、あるいは教育の問題等もここで何回も
質疑応答し、議論をいたしたことでありまして、この
委員会としては、もちろん
基礎科学というものも取り上げる
権限を持っておるわけであります。従って、われわれは常にそういうものの
発展のためには努力して参っておるし、われわれ与党といたしましても、予算のときにも、
基礎科学は一緒に、いつも一般の
科学技術とともに予算要求してやってきておるわけです。ところが、私たちがそういう
気持でやってきておるのでありますけれ
ども、現在の
日本の
科学技術の現状というものは、われわれが
科学技術の行政を確立するに当りまして、この
基礎科学というものと一般の
科学技術というものと連携しなければ、
日本の産業の
発展はあり得ないというふうなことで、実は私たちは
科学技術庁というものを作ろうとしたのであります。そして、そういうふうな法案も
提案になった。ところが
学術会議の方から文部省等の御意見も出まして、いわゆる
基礎科学の分野を除いてくれということになって、
科学技術庁から
権限が除かれておる。
原子力も同じであります。
人文科学を除くのはけっこうでありますけれ
ども、そういうふうなことから、私は、
基礎科学というものを、われわれがせっかく力を入れて一般の
科学技術とともに大いに拡大してやっていこうと思ったのでありますが、たとえば
原子力の例をとりましても、
基礎科学の方は文部省がおやりになるだけでありまして、われわれは、この
委員会では大いに協力しておるのでありますけれ
ども、
現実問題として、そういうことがあるためにだんだんおくれていって、一般の
科学技術の方は、正
原子力の例によりましても、どんどん進んでいくわけであります。これは、なぜそういうことになったかというと、結局、行政が二本建になってしまった。私は、そういうことではいけないということを、初めから
考えてやったのであります。皆さんのこの声明の説明を見ましても、同じことが書いてあります。説明のまん中に「
基礎研究が応用部面と直接にむすびついてきており、今後の
基礎研究の
発展が、産業技術の
進歩に、はかり知れない
可能性を約束しております。」と書いてあります。これが事実だと私は思うのです。それなのに、学問の自由だとかなんだとかいうようなことから、この
基礎科学の分野のことに対しまして、いわゆるみんな
科学技術というものを一本としてわれわれは調整して、そして大きくやっていこうということに対して、学問の自由とは何だということから反対してこられたのが、今までの現状だと私は思うのであります。そこで、私たちはそれじゃ仕方がないからというので、御承知の
通り、今度
科学技術会議という、総理
大臣を議長とします非常に有力な機関を設けて、その調整をはかることにいたしました。しかも、
学術会議の御意見を聞いて
——学術会議の会長は、その議員として
法律できめられておる、こういうふうなことになったのであります。そこで、皆さんがそういう声明を出される以上は、これは当然、今度は
学術会議の会長は
科学技術会議の議員でありますから、そういう高所の
立場から、この
基礎科学というものの
発展については、一般の
科学技術というものと連携を密にしてやっていこうということを
考えて、こういう声明を出されたのかどうか、それをまずお聞かせ願いたいと思うのであります。