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櫻井委員 ただいまの
田中委員の
質問に関連をいたしまして、
新潟地区の
地盤沈下の問題について
質問をいたします。私の
質問を、最終的には、やはり
長官である
大臣からの明確な、
責任ある
答弁が必要であろうと思いますので、私も、最終的にはやはり
大臣の御
出席を重ねて御要望申し上げます。
私は、先般の
商工委員会におきましても、
黒澤さん並びに
鉱山局長等から、
新潟市の
地盤沈下の問題について、いろいろ御所信もお聞きしたわけです。その当時も、
資源局長はなるたけ早い機会に
結論を出して、
中間報告の形でもこれをまとめ上げたい、こういうことを申しておられたわけでありますが、今日に至るも、先ほど
田中委員の
質問の通り、じんぜん日を重ねて、この
委員会の決定というものが延びておる。このことが、
地元に非常に一種の
疑惑を抱かせておるということは、ぬぐうべからざる事実なんです。しかも、そういうふうに
委員の
報告が続々と集まりつつあるにもかかわらず、そのような重要な
段階で、
委員長である
安芸さんがあっちに行ったり、こっちに行ったり、まあ、これは公用でしょうけれ
ども、そういうことで、これを逆の面から見れば、何だかこの
委員会の
結論の出るのを
故意に延ばしておられるやにも見える。悪意に解釈すれば、そういうような点も非常に
疑惑として残っておる。しかも、今
田中君の
質問に対する、
委員長の
代理と称されるあなたの
答弁も、これでは全く何のための
代理かわからない。何らの
権限もゆだねられていない。ほんとうに、何のための
代理か、全然これは私
ども理解に苦しむ。そういう
委員会というものが一体あっていいのかどうか、この点も、私は多大の疑問を持つ。しかし、まず、それはそれといたしまして、今
大臣がこられて、
田中君の
質問に対しては明確な
答弁をいただけると思いますが、ただいま拝聴いたしておりますところによると、各
委員の
論文というものは一応提出をされておるし、その
委員の
方々の
所見というものは、この場所において
発表なさることは御自由であろうというようなあなたの御見解でございますし、私も、それは当然であろうと思う。いやしくも、この国権の
最高機関である
国会において、あなた方の
意見が述べられないというはずはあり得ないのであって、ここで私
どもが
質問することについては、
委員個人としてどのような
所見を持っておられるかということは、はっきりと御
答弁いただけるものと私は期待をいたすものであります。そういう観点に立ちまして、私は、ここに列席されておる
方々は、大半が
新潟地盤沈下特別委員会の有力なる構成メンバーの
方々であろうと思いますので、こういう
方々に対して、私は、一体この
新潟市の
地盤沈下の
原因というものを、今までの皆さん方の研究においてどのように把握されておるか、そういう点についてお尋ねを申し上げたいと思います。
御
承知の通り、もうこれは申すまでもないのですが、現地においては、すでに非常に急激な変化が起きておるのでありまして、
田中委員も言う通り、昨年度より、さらに速度を加えて毎日
沈下しつつある。そこに居住するところの住民は、全く戦々きょうきょうとしておるというのが今日の
実情であります。応急対策として、政府の方では昨年度
予備費から五億何がし、また、本年度の要求といたしましては十億円近くのものを予定しておられるようであります。しかし、これはあくまでも応急対策でありまして、何らこれは根本的な解決にならない。たとえば、潮が入ってくるのを一時的にふさぐとか、
排水が逆流するのをとめるとか、これでは対策工事としては何らプラスにはならない。ただ被害を食いとめておるというだけのものであって、全くこれは、私
どもとすれば、たくさんの国費を使い、大きなむだをやっておるとしか思えない。ほんとうの対策というものは、やはりこのような応急対策を必要としないことが、私は、根本的なこの対策であろうと思う。そういう根本的な対策の
結論を出すということがあなた方の双肩にかかっておる。私は、皆さん方の
責任は非常に重いと思うのです。いろいろと巷間伝えられるところによると、この
委員会に対していろいろな方面から圧力がかかっておるのじゃなかろうかと、これは
疑惑ですが、そういう懸念もないわけではない。しかし、私は、ここに結集されておるところの
方々は、日本においてももう最上のトップ・レベルの科学者であるし、専門家である。こういう
方々は、その学問的良心に従っていかなる権力にも屈せず、自己の所信を
発表されるのが当然であろうと思います。従いまして、私は、今日ここで皆さん方の
新潟市の
地盤沈下に対する御
所見をはっきりとお伺いしたいと思うのであります。特に私がここでお聞きしたいのは、昨年度からいろいろな
調査をやっておられる。特にボーリングというようなことで、
山ノ下地区において四本かの
井戸を掘さくいたしまして水準の
調査をやっておられますが、そこで、昨年の六月二十四日に皆さん方がなさいました
新潟地盤沈下の現況に関する
中間報告、これは、
資源調査会の内田俊一氏を
会長とするこの
調査会から、当時の
科学技術庁長官の三木
武夫氏にあててこの
報告がなされておるのであります。これは非常に概括的な予備
報告の程度であろうと思うのでありますが、この
報告によりますと、こういうことが書いてある。
「
新潟市及びその近傍の
地盤高は海面上いくらもなく、図7のごとく海抜1m未満の地域もかなり広いのである。かりに現在の
地盤高と現在の
沈下速度をもってすれば、かなりの範囲が遠からず負の
地盤高を示すものと推測される。しかも現在までの
経過から見れば、
沈下の勢はさらに加速されるかも知れないのである。」
途中を略しまして、
「現地の
調査は、後に述べるごとく、
水準測量以外にもいろいろ進められており、この
調査が遅滞なく進行することは、今後ますます重要性を増すことと
考えられるが、一方、
沈下はどんどん進み、刻々被害が増大しつつあり、
調査と並行して適切な対策処置をとって行くことは、ゆるがせにできないと
考えられる。」
こういうことが
結論的に述べてありまして、この
新潟の
地盤沈下が一刻もゆるがせにできないということはこれは
委員各位がみんな確認されておるところであろうと思うのです。
それから、続いて昨年の十一月二十五日、
地盤沈下測定計画に関する勧告、これもやはり
資源調査会の方から三木
長官にあてての同じような
報告でありますが、これによりましても、こういうことが書いてございます。
「一般的に言えば、わが国の場合、土地がたえず隆起するところは山地をなすことが多く、土地の沈降を続けるところは平地をなすことが多いい。そして隆起の特に著しい山地にはそこの地形、地質とも関連して、山くずれ、地すべりなどが起こり、沈降の特に著しい平地は低湿地をなしている。このような低湿地は砂、礫、粘土、有機質等の新らしい堆積物よりなる軟弱な地層で、その厚さは数十メートルから数百メートルに及んでいる。いろいろな理由、特に経済的な理由でこのような土地に大工業施設がみられ、さらに発展しつつある。工業に必要な用水がこのような地層の下部から採取され、その揚水量が過度となるに及べば、そのような地域の
地盤は急速に
沈下するに至る。同様の
沈下現象は地下資源を多量に採取している地帯にも著しく目立ってきている。」
こういう
調査会の御
報告であります。そうすると、ここに言えることは、このくみ上げる水が過度となるに及べば、その地域の
地盤は急速に
沈下する、こういうことをはっきりと述べておられます。そうすると、やはりこの
調査会の、
新潟市周辺の
地盤沈下というものに対する皆さん方の大体の
結論も、
地下水の非常に過大なくみ上げにあるということを、これは最大公約数として認めておられるというふうに私は解釈いたすのでありますが、
黒澤資源局長のお
考えはいかがでございましょう。