○羽田委員 とにかく規程の認可というか許可というか、それらをされる場貧においては、一度この
委員会に
局長から認可をしたということを
一つ御報告をいただきたいと特にお願いをしてわく次第であります。とにかく、この
建設規程の改正案からいっても、これはやはり二十五ミリというものを原則しすべきである、こういうふうに私は思うのであります。特例といたしましL六十六ミリ案をそのまま張りつけていくというような
考え方は私はとらないのであります。碓氷が二十五ミリに改正されますならば信越線も田口関山間が二十五ミリでありますから、このニカ所。碓氷と田口関山問が二十五ミリになっていますと、あとはもう十、・・りとかそういうようなゆるい勾配でありますから、貨物の牽引力も現在の三百六十トンから一躍九百トンになるというふうに
考えるのでございます。そしてここに初めて面目が一新されて参るのであります。なお将来電化された場合においては、
先ほど申しますように上野から直江津あるいは新潟、金沢に、
一つの
機関車をつけ九ままで、どちらへも行けるというような便宜がございまして、特別に横川軽井沢間で
機関車をつけかえるというようなことはなくて、済むと思うのであります。
一体アプト式を採用したのが明治二十五年でございますか、開業は三十六年でございますが、今から六十何年前の話でございますが、この碓氷トンネルにアプト式を採用したというのは、そのときの土木屋さんが、
一つ日本のわれわれの技術の高さを示そう、すなわち現在のようなスピード・アップとか牽引力とかそういうようなことは全然
考えないで、とにかく最高の六十六ミリというような、山の高いところまでアプト式という特別なラックレールを利用して引っ張っていくのだ、こういうところでもって、
一つの技術屋の自己満足というか、そういう見地からあれは敷かれたということを私は承わっております。ところで、世界においてアプト式をやっておるのは全部で八つございます。スイスのユングフラウ登山鉄道とか、その他七カ所ありますが、いずれも、最低が二千二百四十九メートル、最高が四千三百二メートルというような高いところへ上っていく登山鉄道、観光鉄道がいわゆるアプト式を活用しておるのでありまして、軽井沢のごとく九百三十九メートルという、その何分の一の高さのところにやったということは全く六十何年も前の
日本の土木技術屋の自己満足が、ついに今日まであの沿線の工業やその他のものをおくらせ、輸送力の増強をおくらせたという点にかんがみて、今度はエンジニアの方が六十六・七のとこス一を、われわれか発町したというか、工夫した
機関車でやっていけるのだ、そういうことでまた機械屋の自己満足で改良工事がやられてしまったのでは、これはもう六十余年も前におきまして昔は土木屋、今度は機械屋の自己満足てこれをやるということであってはすこぶる重大なことだと思うのです。ところが若い土木屋の案でありますと、横川からちょっと上ったところから御代田の近くまで、十五キロという一本のトンネルで行くという理想案すら
考えておる。それは東海道と同じように十ミリでもって横川から軽井沢を越して御代田のところに抜ける、それを一本のトンネルで行く。ですから、現在の
日本海岸線で敦賀—今庄間でやっております
日本一のトンネル十三・八五キロメートルよりも一・一五キロだけ長いトンネルの
計画になる、これは机上案でございますが、そういう理想案すら若い
諸君が持っておる。こういうことから
考えましても、やはり国鉄の技術陣営というものは勾配力のゆるいところのものをやるというところに着眼をしなければならないのじゃないか、こういうふうに思います。この場合においては、御代田まで行きますから、軽井沢においては地下にステーションを作って三百メートルのエレベーターでもって上ろうというような、従来の
考えに比べると全く夢のごとき
考え方をすら若い技術陣が持っておるというようなことから
考えましても、これはやはり勾配というものはなるべくゆるい勾配でやろうということが、国鉄
運営の最高の方針でなければならぬ。それを、六十六・七、ミリの従来通りの張付でやっていくということは全く時代逆行の
考え方である。それはエンジニアとしては、技術はどんどん進歩いたしますからやり得るかもしれませんが、しかしやり得るということを、今度はスピード・アップとか牽引力を大きくする方に着眼をして、実用の方向にエンジニアの技術陣営が力を入れなければ、私はずっと国鉄のスピード・アッープというものができるのじゃないか、一こういうふうに思うのでありまして、私は十分の一、・・リ案というような理想案も
一つの参考にしながら、二十五ミリ案というのをぜひともお願いいたしたい。これは私
ども関係の国
会議員としましても、それから期成同盟会といたしましても、ぜひともお願いしなければならぬことである。そのための二十億から三十億くらいの金は、国鉄のやりくりでもできましょうし、あるいは
先ほど申したような二千万ドルとか三千万ドルくらいの外債の募集をいたしましてもよろしいのじゃないか、こういうふうに思うのであります。そういうふうに百年の将来を
考えて、百年の大計に立ってこの六十何年前の誤まりを再び繰り返さないように、ぜひとも重大なる決意を願って、また監督の山内
局長においても、国鉄の案に対しては
一つそういう着眼で御指導をしていただきたいというふうに切にお願いをいたすのでございます。案の決定は、一体それらの三つの案のうちのどれを決定するかということはいつごろになるのか、着手の時期はいつごろになるのか、完成の時期はいつごろになるのか、あるいは調査費の一億円は本年度においてはどんなふうにお使いになるのであるかというような具体的なこともお聞きいたしたいと思いますが、時間も迫って参りましたので私はこれはまたの機会に
お尋ねをいたすのでございますが、とにかくそんなふうに
関係六県といたしましてはすこぶる重大に
考えておる改良案でありまして、従いましてこれはこの
運輸委員会といたしましても、四、五月のころにでもなりましたならば、
運輸委員会の国政調査として一度確氷峠の現場をごらんになって、そして国鉄当局の
計画に誤まりなからしめるように御指導をいただきたいというふうに切にお願いをいたすのでございます。時間もおくれましたし、長くなりましたから、大体きょうはこの程度でやめたいと存じますが、小倉副総裁に最後にもう一同所感を
お尋ねいたします。