○川野
委員 日本国有鉄道法の一部を
改正いたしまして支社制を
強化する、すなわち支社長を
理事とする、さらに大臣の権限を地方にある程度移譲して、そうして責任態勢をとらせる、こういう案を
提案されましたことは私満腔の賛意を表するものであります。しかし静かに内容を検討いたしてみますると、物足りない個所が多々あることを発見するのであります。ただいま
關谷委員が申されたように、従来局と申しますか監理局があって、そうして相当な成績を上げておりましたところが廃止になっておる、しかも地域的に
考えましても、当然これは支社を置くべきところである、こういうところに対して今回支社を設けられないということは、まことに遺憾千万でございまするが、これは大蔵省に対しての国鉄当局の熱意が足りなかったのではなかろうかとも私は
考える次第であります。支社制の問題に対しまして、今
關谷委員から申されましたので、私きょうは申しませんが、今回支社制を
強化いたしますると、ある程度上部組織は完備されると存じます。しかしこれに伴いまして、さらに下部組織というものがやはりこれに並行して完備することが必要ではなかろうか、かように私は
考えるわけであります。すなわち、言葉をかえて申しますならば、下部組織を
強化した上に立って上部組織を完備させる、これが私は穏当なやり方であると思うのでありますが、今回の
改正は上部組織だけを
強化され、これに伴う下部組織はそのままである、実はこういうことが認められるのでございまして、この点はまことに遺憾千万でございます。
そこで私は、時間の
関係もございますから、実はもう少し突き進んでお尋ね申し上げてみたいと思うのでございますが、従来より各県に
管理部というものがございました。そうしてこの
管理部がある程度の責任を持って国鉄の
業務の運行をやって参りましたことは御承知の
通りであります。ところが行政整理の結果、
管理部が廃せられたところが非常に多いのであります。しかもその廃せられた
場所において、その行政区域等を一括して他の
管理部に移譲されたというのでございますならば、これはある程度問題は軽いのでございまするが、県によりますると行政区域をあるいは二分しあるいは三分して、そうして地方監理局においてその
運営をされておる、こういう現状であるところに実は非常に問題が多いのであります。例をとってみますると、私の県の宮崎県のごときは、実は半分は鹿児島鉄道監理局に、半分は大分鉄道監理局に所管を移されて、そうしてあらゆる国鉄の
業務をやらされておる、ここに非常に問題があるわけであります。あるいは貨車を申し込むにいたしましても、実は両方に申し込まなければならないというようなこと等がございまして、非常に不便を感じておるわけであります。ことに先般宮崎県にディーゼル・カーを通すというので、利用債を引き受けてもらいたいという問題がございました。当時の折衝を鹿児島の監理局がやったのでございまするが、鹿児島監理局と宮崎県側におきましては、宮崎県全体の利用債を六千五百万円ときめ、こういうことで実は鹿児島の鉄道監理局と宮崎県の知事との話がまとまったのでございます。ところが今度はまた後日大分監理局から、さらに二千万円の利用債を買え、こういう内命が実はきたそうであります。そこで宮崎県側におきましては、利用債の二千万円を買うべきであるか、あるいはすでに鹿児島監理局との話し合いで、宮崎県全体の利用債は六千五百万円でよろしいという話があったのだから、大分監理局からの話を断わろうかということで非常に心配されたのであります。大分の監理局長は、もし二千万円の利用債を引き受けなければ今回のディゼル・カーの乗り入れは中止させる、こういうことまで実は発言されたようでございます。しかし久保常務
理事等のごあっせんによりまして、実は六千五百万円の利用債で話は円満に済んだのではございますが、こういう問題等が起りますことも、行政区域を分断されておることが
一つの大きな原因ではなかろうか、かように私は
考えるわけであります。こう
考えますると、こういう分断されておりまするところは
一つの監理局にまとめるか、あるいはまた新たに
管理部を
設置される、こういうことにしていただかなければならないと
考えまするが、これに対してのお
考えを承わってみたいと存じます。