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1958-10-22 第30回国会 参議院 農林水産委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年十月二十二日(水曜日)    午後二時二十八分開会   —————————————   委員の異動 本日委員江田三郎君辞任につき、その 補欠として小笠原二三男君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     関根 久藏君    理事            藤野 繁雄君            堀本 宜実君            東   隆君            北村  暢君            河野 謙三君    委員            秋山俊一郎君            雨森 常夫君            伊能 芳雄君            田中 茂穂君            堀  末治君            大河原一次君           小笠原二三男君            河合 義一君            清澤 俊英君            小林 孝平君            北 勝太郎君            島村 軍次君            千田  正君            北條 雋八君   政府委員    農林政務次官  高橋  衛君    農林経済局長  須賀 賢二君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君   参考人    東京中央卸売    市場長     飯田逸次郎君    東印東京青果株    式会社専務取締    役       関矢 尚一君    東京都副知事  佐藤  基君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会  設置法案内閣提出) ○農林水産政策に関する調査の件  (中央卸売市場に関する件)   —————————————
  2. 関根久藏

    委員長関根久藏君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会設置法案を議題といたします。  本法律案に関連して東京中央卸売市場の件について、参考人意見を求めることにいたしました。参考人はお手元にお配りしておきました各位をわずらわしております。  なお、佐藤知事はやむを得ない差しつかえのために、少しおくれられますので、御了承を願います。  参考人におかれましては御多忙中お差し繰りいただきましてありがとうございました。  参考人に対して御質疑の向きは、御質疑を願います。
  3. 清澤俊英

    清澤俊英君 まず、私は東京都の当局の方から、いろいろ今日に至りまするまでの御経過をお聞きしたいと思うのです。と申しますことは、先般来しばしば当委員会におきまして、非常にお忙しい皆さんの御足労を願って、そうしていろいろ御相談といいますか、いろいろのことをお聞きして参ったわけであります。その結果としまして、最後の御回答では、市場におきまして、使用料を引き上げることによって、それを、何かの保全協会のようなものでそれを作り上げて、そうしてそこで一部の増し金中心にして七カ年か五ヵ年で旧丸東関係委託代金支払い並びに労働賃金支払いをする、こういうお約束であったのです。その後、経過をずっと見ておりますと、お約束通りに、いろいろないきさつもありましたが、東京都としましては、規程改正を敢行せられて、そして使用料は千分の二・五ですか、から三・五まで引き上げられて、その一部は現在決行しておるわけであります。自来、五月から八月までの間ですか、最近まででも毎月この金は徴収せられておる、こう承わっておる。ところが、たまたまわれわれの手元へ旧丸東関係におきまして陳情書が参っております。これは債権者が始終自分らの手元に集まってきておって、そして自分らに対して旧丸東人たちに対しての債権の督促がある、これはまことに約束と違うじゃないか。従って、この件につきましては、東京都に対して、そういう実情でありまするからというところの陳情書もかなり出ているだろうと思う。こういう陳情書がわれわれにも出ております。従って、今年の九月かにおきましては、業務取り消しの訴願が出ておる。場合によりましては、行政訴訟も起そうじゃないか、こういうようないきさつを作りましたところの、われわれの手元陳情書が出ておる。また一方、聞きまするならば、東印青果株式会社ですかにおきましては、東京都が決定いたされました千分の一の賦課金市場使用料の引き上げ、これに対しては、はなはだ不当な処置であるからということで、現に海野さんを代理人として行政訴訟を起されている。こういう中に立って、これはこの次に御質問したいと思いますが、こういう非常な混乱したいきさつが今できておるのでありまして、従って、それらを中心にした詳細な御報告一つ願いたい。これはちょっと文句めきましてまことにどうかと思いますが、元来ならば、われわれがこういうことをお願いしない前に、あなた方も大体ものの片がついたならば、一応当委員会報告するというのでありますから、本委員会としては、この問題を取り上げて以来、あなた方の報告ができて、こういうふうにして完全なる解決がつくんだという目安がつかぬうちは、一応は聞いておかなかったら、われわれの責任が果されない。こういうことになるのでありまして、われわれがお伺いしなくとも、当然私は、東京都の責任者としては、こういういきさつになっておりますぐらいのことは、御報告があってしかるべきだと思う。そういうものがないうちに問題が発してきた、こういうのでありますから、自後のことは、御報告に従ってお伺いいたすことにして、まず、それらの経過を詳細に一つお知らせを願いたい。
  4. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 丸東の問題につきましては、事件発生以来、本委員会におきましては非常に御心配をおかけ申し、かつ御鞭撻をいただいて参ったのであります。にもかかわりませず、ただいま御指摘のように、いまだ円満な解決のところまで至っていないということは、まことに申しわけなく存じておる次第でございます。また、その後の経過につきましては、農林当局には逐一御連絡をいたしまして、それぞれ御指示もいただいておるのでありまするが、当委員会に対しましては、四月二日付の農林省を経由しての報告以来、御報告を申し上げることをしなかったことにつきましては、まことに申しわけなく存じております。ここに深くおわびを申し上げる次第でございます。  その後の経過につきまして、簡単に御説明を申し上げますると、丸東財政破綻をいたしまして、大きな借金を残して営業取り消しを受けた後、それの善後措置といたしまして、神田の大手三社の方々財政的協力を得てその善後措置を講じていきたい、それには最初東京都に対する指定寄付金というような方法で、五ヵ年間ぐらいにわたりまして分割寄付をしていただきまして、それを財源として丸東破綻に伴なって損害をこうむられた方々、特に生産者の方、従業員の方、その他信用保全上、放置できない債権者方々に応分の見舞金を支出したい、こういう方針で進んで参りましたことは、御報告したところでありますが、その後、指定寄付金という方法でいくことについては、いろいろと意見が出まして、いろいろの紆余曲折を経た結果、使用料の千分の一増徴という形で協力を得ることにいたしたのでございます。都議会の方の当該常任委員会了承も得、それから都議会にはその増徴分追加予算昭和三十三年度分の追加予算千二百二十万円の追加予算も上程いたしまして、そうして三月三十日に可決決定をいただいたのであります。それに基きまして、都側といたしましては、使用料改正、それは業務規定施行細則にございますところの使用料の部分を改訂をいたしまして、神田分場における売上高使用料を従来千分の二・五であったのを千分の三・五とするということに改正し、即日公布をいたしまして施行することになったのでございます。そしてその改正に基きまして、四月分の売上高から改正料率によって使用料の課徴をいたしました。そして毎月納額告知書を発行して参ったのでございます。一方、旧丸東売り場配分が非常に難航をいたしまして、なかなか結論が出ませんでしたが、四月の二十六日の日に、三社の方々の既往三カ年の営業実績によって按分し、さらに、かねてからの懸案でありました仲買売り場整備等と一緒にいたしまして、神田市場の中におきます売り場合理的な再配置計画決定いたしたのでございます。その際には、神田三社の方々はもちろん、仲買人その他一同、その売り場配分につきましては、円満に解決を見たのでございます。従いまして、われわれといたしましては、従来からの懸案であった使用料増徴も、それによって納めていただけることと信じ、また、一億というかねてから申しておりました額につきましても、御異議のないことと考えておったのでありまするが、売り場の再配置決定いたしましてから間もなく神田三社の方々から、一億は多過ぎる、ことに、一億で七年間ということに大体なるわけでありまするが、千分の一増徴で参りますと、七年間になるわけでありますが、非常に期間も長い、これを減額をしてほしいという申し出があったのでございますが、われわれといたしましては、この一億につきましては、この問題の最初の時から提案をいたしましておることでもあり、すでに都議会なり、あるいは本委員会においても、協力の目標は一億を予定しておるということを申し上げてあります関係から、ぜひともこの一億はのんでもらいたいということを強く要望して参りましたが、結局、なかなか話がつかずに押し問答を続けて参って、ついに八月の二十二日になりまして、神田三社の方から地方自治法の二百二十四条によりまして、使用料賦課徴収に関する異議申し立て都知事に提出されたのであります。その内容は、ただいまも御指摘がありましたように、神田分場売上高使用料を、千分の二を千分の三・五に神田分場だけしたということに対する合理的根拠はない。それからまた、その財源は申すまでもなく丸東善後措置のために使うものであって、おかしいというようないろいろの理由をあげられまして、異議申し立てが出たのであります。  従いまして、都知事は法規の定めるところに、よりまして、これを都議会意見を諮問いたしたのでございます。都議会におきましては、九月の三十日の本会議におきまして、異議申し立ては理由あるものとは認めがたいという決定をして、都知事に答申をして参ったのであります。従いまして、都知事といたしましては、その趣旨に基きまして、異議申し立てに対する裁決をして、それぞれ御通知をすることになったのでございます。そういたしましたところ、東印さんは、おそらく三十日、都議会決定のあった日かと存じまするが、異議申し立てと同じ趣旨のもとに訴訟を提起せられるということに相なったのであります。それから三社のうちの丸一さんは、この十月の十三日に取締役会をお開きになりまして、さきに提出した異議申し立てはこれを取り下げる、それから訴訟の提起はしない、それから神田市場の施設の整備の促進を東京都に申し出る、この三項目を御決定になりまして、その翌日、十四日の日に私のところにその旨を御報告になり、同日異議申し立てを取り下げられたのでございます。それからもう一社の丸Aさんは、その後も態度を保留しておられますが、先般使用料未納になっておりましたのを、全額納入して参られました際に、文書で、この使用料は一応納入するけれども、これによって総額一億を了承したという意味ではないので、今後もその総額については協議にあずかってもらいたい、こういうような趣旨文書をつけてこられたのでございます。一方、使用料につきましては、先ほどちょっと申し上げたごとくに、四月一日の施行細則改正に基きまして、四月以降の売上高について、五月から調停を起しまして毎月納額告知書を発行して参ったのであります。それに対しまして東印さんと丸一さんは九月の二十六日に、それから丸Aさんは十月の十四日に、それぞれ今まで未納であったものを全額納入をして参られたのでございます。われわれとしましては、今後とも引き続いて納入をしていただけるものと期待をいたしておるのでございます。都は一方におきまして、かような訴訟が提起されておりますることは、まことに申しわけなく存じておりまするけれども納入をされました使用料につきましては、その納入の限度におきまして、早急に見舞金の形で支出をいたしたいと、かような考え方を持っております。目下、その処理機関の設立につきまして、関係者と折衝を進めておるような次第でございます。  以上、はなはだ簡単でございますが今までの経過を……。
  5. 清澤俊英

    清澤俊英君 ずいぶん詳しく報告承わりましたが、われわれの了承しておる範囲におきましては、一応この多い債権者はもちろん、その負担金等を持つ人々に対しましての御了解済みの上、こういう強力手段が行われたと思うのです。ところが、全然そういうものが行われないで、そうして行きますと同時に、現在お聞きしますれば、東印さんは行政訴訟を起しておられるし、それから丸Aさんは、これは付帯条件をつけて一応納入しておられる。ほぼこれを了承しておられるのは丸一さんが一つだと、こういうことになります。そこで、それはそれとして、今お伺いしておると、何か納金が、その後、滞納分とまぜて納入せられたと、非常に楽観した御説明を承わっておる。聞きまするならば、これは家賃等と違いまして、一つの税金なんだと、従って、これの滞納ということは許されぬ、強硬手段をとられるならば、強制執行でも何でもかけられると、滞納処分を受けるのだ、それにいろいろの供託等とか、その他の拒否手段がないのだから、一応納めるという態勢を整えておられるとわれわれは聞いておるのだ。そうすると、これはまだ紛争の真最中だ。この紛争の真最中に処理機関を設けると言われるが、それとの関連において、あなたの方で集まってきた金を中心にして処理機関を設けて処理だけをぐんぐんと進めていって、そうしてうまく解決するとお考えになるのかどうか、これは法律上の問題ですから、これが成立するとかしないとかということは、裁判の結果を見なければ、私はわからないから、それには触れません。触れませんが、そういう紛糾の中にもっていって、かりに最悪の場合、不当な処置として東京都が負けたとしたら、そのときはどうなさるおつもりですか。ただ、馬車馬のごとく先に進んでいっていいか悪いか、これが一点。それから第二点としまして私がお伺いしたいことは、少くとも、この三社に対しまして賦課金をするその現実の問題は、丸東がなくなったのだ、荷が集まってくるのだ、従って、大きな残されたるところの三社を中心にして荷が増大してくるのだ、従って、利益も増大するのだ、そこに東京都は表面は、法律の上から参りまするならば、東京都の中に持った、各会社が持ついろいろな敷金その他の権限に対して、これは無償で没収せられて、無償で持っていかれる、こういうことを言っておられる。しかしながら、これは当時も問題になりましたが、実際は相当の権利金になってこれは生きているのですよ。それを、もののきまらぬうちにいろいろな、配分して円満に分けたと言われる。円満に分けていない証拠には、現実のような情勢が出てきている、こうわれわれは解釈していいと思う。もののきまらぬうちに、解決するのに一番大事なものを、円満に解決しましたと言うてこれを引き渡してしまう。たとえば、いろいろ過去におけるところの問題があったとしても、今お伺いしておりまするならば、一部は仲買商分けてやった、一部は三社に分けてやった、こう言われる。どういう比率でお分けになったのか。仲買商にはどれだけのものをお分けになったのか。三百三十坪くらいの荷さばき場です、これを分けてやった、こう言われる。それをどういう比率分けたか。その分けてもらいました仲買商は、そういう重大な権利無償でもらって、これには何か一つかかっているのか。ただ、市場整備という御議論から参りますれば、それは一応通るでありましょう。通るでありましょうが、本件を解決する上からいきましたならば、一番大事なキーポイントと、こう思うのだ。しばしばこれは、あなたにも、当時の経済局長にも、それを中心にして解決方法は別に立てたらいいじゃないかと私は勧告した覚えもあるのだ。その一番の財源を、解決すべき重大なキーポイント無償でやっておいて、今日なお円満だと言うが、円満なら、そういう結果を来たしているのは一体これはどこにあるのか、これをはっきり一つわれわれが納得のいくように御説明願いたい。どういうわけでこういう問題が出てきたか。円満じゃないからこういう問題が出る。それを解決するには一番大事な財源じゃなかったかと、こうわれわれは考える。財源でないと、こうおっしゃるのかどうか。それによりまして、また追加して質問します。
  6. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 第一点の、現在訴訟が起きているが、これは万一負けた場合に、一体東京都はどうするのか、入ってきたものから逐次支払っていくというような先ばしったことをして、万一負けた場合にはどうするのかというのが第一点だと思います。これは、はなはだどうも口幅ったい言い方かもしれませんが、われわれは訴訟で負けるという考え方は持っておりません。  それから第二の、売り場無償で渡したというのは、解決キーポイントを、未解決の先に渡してしまって、かえって解決をおくらしているんじゃないかというような御質問だったと思います。かねてから申し上げてありますように、売り場を、東京都の市場売り場をいわゆる権利化した意味において取り扱うということは、現在の法の建前からいって、できないことであります。それにわれわれは非常に今まで苦心してきたわけであります。従って、これは有償で権利の対象として分配するということは、われわれとしてはとれないのでございます。それを解決しない前に渡したのは、いかにもおかしいじゃないかというお言葉でございまするが、当時の実情からいいますと、何といっても、売り場というものが先決なんだから、売り場をどういうふうにくれるかということによって、これはきまってくるのだというように、売り場配分ということが非常に大きな問題として取り上げられたのでありまして、われわれといたしましては、売り場皆さん納得のいく線で解決できれば、それによってすべてのものが解決し得るものだという考え方のもとに、まず売り場配分決定いたしまして使用させることにいたしたのでございます。その際、仲買人にどの程度分けたかという御質問でありますが、これは丸東売り場とは直接は関係がございません。今回の神田市場売り場の再配置によりまして、仲買人売り場が約二百四十坪ばかり増加をいたしたことは事実でありますが、これは何も丸東売り場をそのまま仲買人分けて上げたということではないのでございます。それは少し話がさかのぼりまするけれども、かねてから神田市場は非常に狭隘でありましたので、ちょうど、あの省線の下のガード下、あそこの一千坪を国鉄の方から無償貸与されることに契約がなりまして、ちょうど七、八月ごろに、その工事も完成をして入り得る態勢になったのであります。その際に、そのガード下一千坪増加したものは、その利益は一卸売人だけでなくって、仲買人も非常に狭隘をしておったから、仲買人もその拡張の恩典に均霑させる、また、均霑をさせるべきだということで、かねがね計画をいたしておったのであります。そうしてこの再配置の際には、大体その千坪のうち半分、約五百坪足らず卸売人、残りの五百坪足らず仲買人のための拡張に使う、こういうことにいたしました。しかしながら、そのガード下という所は、これはむしろ卸売り場に使う以外には適当な、仲買人売り場に使い得ない所がございますので、従って、仲買人売り場の近くの既存の卸売り場と、そうしてガード下でいただくことになっております約五百坪近くのものと、こういうふうに交換いたしましてふえたのが二百四十坪余でございまして、これはあくまでガード下拡張に伴って仲買人売り場拡張いたしたのでありまして、丸東売り場三百三十坪のうち、二百数十坪を仲買人売り場に充当したということではないのでございますので、その点を御了承いただきたいと思います。
  7. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうしますと、実際、御説明のようでありますと、その一千坪の分け前は、卸売の方が幾坪、それから仲買いの方が、今、二百四十坪、こう言われておりますね。そうすると、その二百四十坪は——何か今五百坪というようなことを言われましたね、そのうちから二百四十坪を分けてやった、こうしますると、卸売の方に実際に分けてやりまする分は、もし丸東の分を使わないとしまするならば、五百坪から二百四十坪ですから二百六十坪、これは三百三十坪、五百九十坪ということになりますね。これが卸売人のところへ分けられるという形が数字の上に出て参りますので、五百九十坪を卸売人に公平配分せられたのですか、そこをはっきり一つ
  8. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) お説の通りでございまして、ガード下は一応仲買人卸売人と大体半々といういわゆる持ち分をきめましたが、交換の結果、ガード下使用効率とそれから現在仲買人のあります付近売り場使用効率というものが、これまた問題になるわけでございまして、ガード下ですから、どうしても使用効率が少いということで、ガード下を一坪としたときには、仲買人売場付近売り場は〇・六坪に大体相当するというような換算をいたしまして、二百四十余坪というものが出たわけであります。そしてガード下一千坪は、結局全部卸売人が使うことにしたのであります。
  9. 清澤俊英

    清澤俊英君 この点、あまりはっきりしませんが、分け前を受けられましたね。東印関矢さんから。言われるごとく公平で、その分け前に対しては御不満がないですか。
  10. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) この市場整備の問題につきましては、すでに御承知の通り神田市場中央市場の開設の一番最初にでき上った市場関係で、東京人口が三百五十万くらいの人口のころに建設になっております。さような関係で、しかも、当時のパリの市場をそのままイミテーションのように作りましたために、市場設計構造が非常に不合理にできております。さような関係で、今日の東京都のような膨大な人口の際に、一般都民に対する配給を完全にいたしますためには、非常に狭くなっております。非常に不都合な点がたくさんあるわけです。しかも戦時中に、市場の中には、私ども業界以外の業者がたくさん中に賃借りをいたしまして入っておる。たとえば、極端な例を申しますと、歯医者なども中におりまして、一般の患者を治療するというような場所までとっておる。もう一つは、小売の模範市場を作りまして、それが買出人の買い荷保管場等に相当膨大な坪数を占めているよな状態であります。さような複雑な市場を、やはり再整備によって、ほんとうの本来の市場使用目的に合致するような方法にしようということで、再整備の問題が業界の中で自主的に取り上げられまして、そしてそれを御当局の方にお願いに出た、さような関係で、再整備というのは決して今日始まった問題でないのでありまして、丸東倒産前からこの問題が非常に研究され討議されて参りました。たまたま丸東倒産がございまして、再整備が促進されるというような状態になりまして、今お話のように、ガード下の千坪の賃貸ができまして、それが非常にガード下でございますから、場所が使いにくくできております。はりが非常に低い所にあります関係上、非常に使いにくいわけでありまして、結局、市場内の一坪の坪数に対しまして〇・五坪の割合で実は再整備の案を作ったわけです。実際問題といたしまして、今申し上げましたように仲買方面売り場が非常に狭隘でありますので、やはりこの再配分の一番恩恵を受けたのは仲買だと思うのであります。私ども会社の場合で申しますと、むしろ従来使用しておりました面と比較いたしますると、都にお払いいたします固定使用料の面から申しますと、ほとんど変らないという状態になっておりまして、幾らか減っておるような状態じゃないかと思っております。まあ実は正確な数字をここに持っておりませんのですが、まだまだ、これは立体化という問題が後ほど出て参ると思うのですけれども市場の構造を立体化しまして、非常に高層建築にいたしまして、そうして市場の使用をもう少し合理的に能率的にしようということが出ておりまして、さっき丸一さんのお話が出ておりましたが、丸一さんの方では、立体化の促進ということに合して、丸東問題を再整備の問題と合してお考えになったのでありますが、私どもといたしましては、市場の立体化というのは、当然御当局が、都民の生活上必要な問題でありますからやっていただかなければならない問題でございまして、これはもう立体化あるいは再整備の問題と丸東の問題とは全然別の問題であるという建前においてこの問題に実は当って参っております。実際問題としては、多少の恩恵を受けた面ももちろんございますけれども、今お話のように、丸東の問題をこの問題に合しまして考えるというような程度の状態でございません。
  11. 清澤俊英

    清澤俊英君 これは関矢さんにお伺いしたのは、あなたの立場での御見解をお伺いしたのではない。質問で言うております通り、こういう市場拡大再建計画ですか、業務上の便利のために配分した、それにたまたま丸東の分を加えて配分したと、こう言われているのです。それに対して第一は、東京都で言われておるように、円満に配分の率等が行われたのかどうかということと、先ほど私は坪数で言うたのです。東京都にお伺いしたのは、一千坪のうち五百坪をまず分けたのだ。そうしますと、その二百四十坪分けたその率はどうとかこうとか言うておるのじゃないのです。二百四十坪分ければ、そうすればそれに結局三百三十坪加えて五百九十というものが、三社であるか五社であるかわかりませんが、それに分けられておる、こう考えてよろしいと、こう思うのであります、卸売業者にはね。それがそういう率で坪数が渡っているかどうかということをあなたにお伺いしているのです。あなたの立場でそれは合理的であるとか不合理であるとか、たれがこうだとかああだとかいうことは、私は今聞きましてもわかりませんから、質問した点だけを一つお答えをお願いしたい。
  12. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) 第一の問題につきましては、小売団体の幹部の方が非常に熱誠あふれるその間のあっせんをしていただきまして、そして非常に公平な円満なうちにこれは配分が完了いたしております。  第二の点は、卸売会社の方に五百幾坪というのは、ちょっと私そんなにないと思いますけれども、私の会社だけの例を申しますと、実際に道路とか空地とかいうような所があるわけです。そういうものも使用料を払っておりますけれども、そういうものも含めませずに、ほんとうに使用価値のある正規の売り場としての配分から申しますと、そんな大きな数字じゃないのじゃないかと思うのであります。
  13. 清澤俊英

    清澤俊英君 そんなに大きくない、どれくらいになりますか。
  14. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) 私の会社でいうと、前とやや一ぱい一ぱいぐらいじゃないかと思います。
  15. 清澤俊英

    清澤俊英君 前と一ぱい一ぱいというのは、現状は変りなしということですか、前からお持ちになっておるのと。
  16. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) そうであります。
  17. 清澤俊英

    清澤俊英君 東京都にお伺いしますが、一向わかりません。五百坪拡大した、どういう比率であるかしれぬけれども、二百四十坪やってあと残ったもので、三百三十加えられ配分して、五百九十が残る、何にもわからない。私ども了解しかねる。キツネにつままれたような状況が出てきた。これはどうなんです。なるほど、道路もありましょうし、すき間もありましょうけれども、私はあの通路は交通路とは考えておらない。市場はたびたび拝見しております。なるほど、車も通っておるし、人も通っておる。その人の通っておる所でせり売りが行われておる。こういうことになりますと、ちょっと今、東印さんのおっしゃることに納得しないし、どっちがほんとうでどっちがうそなのか、一つお聞かせ願いたい。
  18. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) これにはあるいは見解の相違というものがあるかもしれませんが、ただいま私が申し上げましたガード下約千坪を一応正式の再配分をいたします前に、暫定措置として、それぞれ卸売人の方に再配置をするまでの暫定措置として、臨時的に使っておっていただいたことがあるのでございます。そいつを既定のやはり立場からお考えになると、ただいまのお話のような数字に近いものが出てくるかと思いますが、われわれは千坪というものは、あくまで再配分をする前に暫定的にそれぞれ卸売人方々に使っておっていただいた、それはあくまで暫定なんで、従って、それをいわゆる再配分の既得権として考えていただくと、そこに大きな間違いが出てくるのじゃなかろうか、そこに食い違いの大きなものがあるのじゃないかと私は考えております。
  19. 北村暢

    ○北村暢君 今、清澤委員の聞いておることで、まだはっきりしないのですが、この賦課金の千分の一ですか、これを増徴する一つの大きな理由として、旧丸東売り場を残った三つの御売業者に配分をする、そのことによって収益も上るのだと言ったのだが、丸東の持っておりました売り場がどのように配分されて、どれだけずつ三者に利益になるような配分がなされたか、それだけ答えてもらえばいい。整備計画とかなんかによって、何かほかのものと一緒になってしまって、それがさっぱりだれが利益したのだかわからぬような説明をされても困る。東印さんの方では、丸東からもらったものがないようなことを言っておられるから、それを一つはっきりしてもらいたい。
  20. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) まことにごもっともでありまして、この旧丸東売り場配分は非常に、ただいま申し上げたように、かねてからの懸案売り場の再配置計画と一緒にされたために、そこに非常に御理解をいただく上において困難な点があろうかと思いますが、その再配置をいたしますには、丸東売り場三百三十坪を、先ほども申し上げたごとくに、各三社の過去三カ年間における売上高の実績に応じまして配分をいたしまして、そしてそれを一応の持ち分ということにして既往の売り場にプラスして、そしてその数字によって配置がえをいたしておるわけであります。従いまして、必ずしも丸東売り場そのものが即三社の方々に行っておるというわけではありません。そのかわり別の所も行っておることもあります。
  21. 千田正

    ○千田正君 さっき飯田さんのお答えの中に、配分したとおっしゃられたが、片一方の東印関矢さんの方はそれだけ十分——前とはそう変らないではないか、特に配分されたという実績を感じないと、こういうことですが、再配分したというのは、丸東が業務停止して後において配分したのか、その前からそういう面においてしておったのか、配分した限界はいつからですか。
  22. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 現実に再配分決定をいたしましたのは、この四月二十六日だと思っております。ただし、かねがねガード下が手に入ったということと、それから仲買売り場が狭いということ、そういうようなことから再配置をしなければならぬという懸案事項がかねがねあったわけです。そこへ来て丸東さんが取り消しになって、たまたま三百三十坪というものが出てきたので、それと一緒に含めて計算をして、それぞれ合理的な配分をした、こういうことでございます。
  23. 北村暢

    ○北村暢君 そうしますと、東印さんの方では今飯田さんの言われたことを認められて、丸東の三百三十坪というものが形は違うけれども売り場拡張ということで受けていると、こういうふうに認めていいですか。
  24. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) けっこうでございます。
  25. 北村暢

    ○北村暢君 それではお伺いしますが、飯田さんにまずお伺いしたいんですが、この都の条例で賦課金の、売り場使用料ですか、これの率について、前の委員会ではたしか千分の一・五を増徴したい、こういうことで五ヵ年計画で一億というものを処理したいんだ、こういう説明であったんですが、千分の一に変ったのはどういうことで変ったのか、まず一つお伺いいたします。
  26. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 御指摘のように当初は千分の一・五の増徴によってゆきたい、そうすると大体一億は五ヵ年間で収入することができる、こういう計画で進んでおったんでありますが、その後、各業界の方の方々とも折衝いたしました結果、千万の一・五ではこれは非常につらい、だからして、ぜひ千分の一にしてほしい、こういう強い要望が出て参りました。従いまして、われわれもその内容をよく検討した結果、これは期間は二年間くらいは延びるけれども、この際御協力をいただくのであるから、業界方々の御希望をいれて千分の一にするということに実は変更をいたしたようなわけでございます。
  27. 北村暢

    ○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、千分の一ということで協議の結果そういうことが了承された。ところが、その売り場の再配分が終ると同時に、増徴分に対する異議申し立てが出た。これは非常に私ども疑わざるを得ない問題だと思うんです。というのは、丸東の陳情にもあるんでありますが、この再配分する前に、この増徴分等の問題がすっかり解決しておったとすれば、その異議申し立てなんということが起きること自体がおかしい。ところが、丸東さんも言っているように、このことは売り場拡張ということができてしまえば、あとは増徴分については、異議が出るというようなこともわかりつつやったんじゃないか、こういうような非常に悪く解釈すれば、そういうようなことすら結託されてやっているんじゃないかというふうに疑われてもしようがないんじゃないか、こういうことを丸東さんは言っているんです。そうしますと、市場側と都の側と卸売の業者との間でそのことが協議され、千分の一でよろしいと、こういった約束ができて実施したものが異議申し立てが出るというのは、どういうところから出てくるのか、これがわからないんです。それで飯田さんには一つ、その間の事情を説明してもらうと同時に、東印さんの方からは、なぜ千分の一で不満なのか、異議を申し出なければならないのか、これを一つお伺いしたい。それからほかの二社についても、丸一は大体了解したようだが、丸Aについては、一億というものはこれは最終的に了解したんじゃない、しかしながら、賦課金増徴分については支払う、こう言っておるんだが、千分の一ということは、総額において千分の一・五の場合は五ヵ年間だったんだが、五ヵ年間で千分の一で了解して、そうして負けてもらったんだから、一億の総額というものではなしに、千分の一で五ヵ年間だ、こういう主張なのかどうなのか。その辺のところをお伺いしたい。
  28. 清澤俊英

    清澤俊英君 関連。ついでだからお伺いしますが、先ほど経過報告のあとで私はこの点をお聞きしたところが、危惧が残っておったと、こう飯田場長はお答えになっておるのであります。今の質問が出るがごとく、千分の一は話し合いがついたと、ここの間が全くわれわれ了解できない。ものの五分もたたぬうちに、問題が根底からくつがえっておる、これはどういうわけなんです。それをはっきり一つわからしていただきたい。
  29. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 第一の御質問は、使用料増徴千分の一はすでに事前に了解がされていたはずなのに、さようなあとになって異議申し立てが出るというのはおかしいじゃないか、それで一体正式な了解がとれておったかどうか、こういうような御質問だと思います。この使用料でいくということにつきましては、先ほどもちょっと触れましたが、特に会社側の一部の方が寄付ではどうしてもいけないから、いわゆる東京都は公課の形でやってほしいということの要望に基いていったのでありまするが、この千分の一は最初これは千分の一・五でございました。千分の一・五で一つ了承をしてもらいたいということを三社の代表の方に御相談を申しました。そうしたところ、丸一さんは、使用料増徴でいくことは賛成、ただし、千分の一・五を千分の一にしてほしい、こういう御意見でございました。それから東印さんは、あくまでおかしい、それは反対だ、それで寄付もさることながら、むしろそれよりも売り場というものをやや権利化した形において支出をするような方法にしてくれというのが、これが当初のお考えであったのであります。しかし、それが東京都の公物である以上、それを権利化するわけにはいかぬということで、強くその点はこちらとしては了承できぬから、何とか一つこの際、使用料による増徴協力をしてほしいと、こういうことで折衝をいたしましたが、なかなか使用料についての理念……理念的におかしいという言葉が非常に長く強く言われておりましたが、最後に、私の日記等の記録を見ましても、三月の二十七日になりましてから深見社長さんを呼んで最後の折衝をいたしましたときには、われわれはどうも理念的には賛成しかねるけれども、ここまでくれば千分の一は了承するということをはっきりと申しておられます。それから丸Aさんにつきましても、千分の一ということの増徴については了承をしておられます。ただその際、今の売り場の問題が先決だということはつけ加えておられたわけでございます。それから第二の問題でありますが、丸Aさんでは、一億を了承しない、若干負けてくれと、いわゆる千分の一の七年間を千分の一の五年間程度ならばいいという意味かどうかという御質問だと思いましたが、これは、幾らならばよろしいというところまでまだ実は行っておりません。行っておりませんが、とにかく、総額一億ということでは困るから、一つ今後とも引き続き、その一億の額については協議に応じてもらいたいということでございます。
  30. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) 丸東倒産した問題にさかのぼりませんと実はよく御説明がつかないわけでありますが、まあそれはさておきまして、とにかくこの問題を解決するにつきましては、これは私ども考え方では、丸東さんの倒産に対して、常にいろいろと御愛顧をいただきます生産者、小売商その他の債権者に対しまする私ども考え方は、道義的にはやはりこれは御見舞申し上げ、自分たちの誠意を尽すべきだという考え方は持っておりますが、しかし、それは一会社倒産の際も見舞金とか、その他の形におきまして売り上げ、使用料というような、先ほどお話のありました公課、租税に類するようなもので強制的に私どもに賦課するということは、不当じゃないかというのが当初の私どもの主張でございます。その考えで当局とも折衝いたして参りましたので、ただいま市場長から申しておりましたように、私どもは終始一貫しております。結局当初は指定寄付の形でできますならば大蔵省の御認可をいただきまして、自分たちのできる範囲の最善の御見舞を、御迷惑をかけました生産者皆さん、あるいは債権者皆さんに私どもの誠意を披瀝するのは当然じゃないかとい考え方で終始参っております。ところが、まあ非常に今話題になっております場所の問題とか、いろいろの問題がございます関係、そういうような関係で、全然それは私どもが考えておりますような金額では解決がつかないということが大体ある程度考えられてきたわけでございます。さような関係で大へん不本意ではございますけれども、まあ今お話のありましたように、三社の主張というのは必ずしも一致した考えで当初は進んでおりませんが、私どもといたしましては、やはり自説を固持するのが必ずしもこの問題解決の曙光を見ることではない、やはり自説を曲げても何とか解決したいということでいろいろ私どもその間苦心をいたしまして、会社の経営も、農林省の方からもいろいろ御注意がありますように、決して健全な、りっぱな経営状態になっておらない関係で、自分たちの採算のベースにおきまして、今のようなことをいたしたい、こういう考えでおりましたのですけれども、なかなかそういうようなこともできないといようなことの見通しもございますので、一応まあ全体の解決をどうするかというときに、やはり私どもの採算ベースで負担できる最も適切な金額で一つ何とか都の方でお認め願いたい、簡単に申しますと、折り合っていただきたいということを再三お願いしたわけであります。結局、市場長さんとお話し合いをいたしました最終的な段階では、私ども支払い方法あるいは今の御質問の歩率等もございますけれども、とにかく、私ども現在のこういう複数下において、激甚な競争で会社の経営も非常に楽でないときに、私どもの採算ベースで許す範囲の支出をいたしますからお認めを願いたいということを、実は大へんくどくお願いしたわけなんです。それが最終的に、私ども使用料にいたしまして三年半で大体お願いいたしておりますから、金額にいたしますと、約五千万ばかりになりますが、とにかく、一億ということはとうてい自分たちの負担能力において負担できないから、さような見地から、ぜひどうかその三年半、五千万ぐらいに一つ何とかこの問題を折り合っていただけないかというお願いをしたわけなんです。それが歩率とか方法とかということを別問題にいたしまして、丸東問題の解決の最終的な一つの結論として、今のようなことを私どもは実は御当局にお願いして、何とか解決するようにお願いしたわけなんです。そういうわけで、今日まで来ております。
  31. 北村暢

    ○北村暢君 今、飯田さんのお話ですと、東印さんも最終的には千分の一というものを了解した、こういうふうに言っておられたのですが、そこで、さっき聞いていることもそういうふうに了承されたものに対して、直ちに異議申し立てが起ったということは、了承したとは言うが、完全に了承はしてないのじゃないかと、私はそう思う。了承していればそういう異議申し立てなんというのは三社そろってやるはずがない。それは東京都が中に入った、中央卸売市場が相当何か強制的にこれを了解させたのではないかという疑いが起るのですがね。しかも、その強制的にやったものに対して、三社が了解してないのじゃないか。それからまた一億円というものについては、まだきまってないようなことのようですが、千分の一というものをきめるときに、今、東印さんからも言われているように、三年半で五千万円にしてくれという強い要望があった。あったといっても、しかしながら、最終的に一億というものを了承して、それまで了承して千分の一というものをきめたのかどうか、その点を一つお答えを願いたい。  それから東印さんには、千分の一というものを最終的に了解したと飯田さんの方で言われて、あなたの方も了承した、了承したということになれば、異議申し立てということはおかしいのだ。なぜ、それじゃ了承した後に異議申し立てをしなければならなかったかと、その理由を一つ説明してもらいたい。
  32. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 使用料の千分の一増徴の際に、それとあわせて総額一億ということが了承されておったかどうかというお言葉でありますが、これにつきましては、積極的な了承というお言葉はございませんでした。ただし、われわれといたしましては、前々から申し上げておりまするごとくに、この一億は丸東の事件始まって以来、最初から目標としておることであり、三社の方々もそれは十分御了承の上でありますので、千分の一の増徴という際に、また、それから売り場が円満に分けられた際には、そういう一億は了承されたものとわれわれは考えて参ったのでございます。
  33. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) 私ども考え方は、やはり先ほども申し上げましたように、あくまでも私ども会社の健全経営、自分が立たないで人の見舞金なりなんなりを醵出することは絶対できないという根本の考え方が、これは不動のものでございますから、かりに今のお話のように使用料納入を一部承認したかというお話でございますが、それは話し合いの過程でございまして、どうなろうとも、この問題を全く完全に解決するためには、今お話し申し上げましたように、私たちのお願いは、自分たちのほんとうに健全経営にもとらないような一つの支出の限界においてこの問題を解決していただきたい、その後においてその方法論は何とか一つ御相談に応じますということを申し上げているのです。それを都においては、あくまでも一億を固執されるので、私どもの方もやむを得ず三社の協議で異議申し立てをしなければならなかった、一つこの辺、私どもの気持もおくみ取りいただきたいと思います。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 関連して。こういう議論に入る前に、私は全然この問題にタッチしておりませんので、はなはだ恐縮ですが、東京都知事の方を代理して佐藤知事の方から聞きたいのですが、それは使用料増徴することでこの問題を処理するということは、はっきりわかっているわけでありますが、この条例改正について都議会に提案した理由は、どういう理由になっているわけですか。
  35. 佐藤基

    参考人佐藤基君) これは条例じゃなく規則であります。従って、都議会には出しておりません。知事の権限でやったのでございます。それをやるにつきましては、すでに市場長からも御説明したと思いますが、今、問題の三社については、売り場面積を割り当てている、これは経済的な利益です。一つ利益です。そういうふうな利益をとりながら、今さら異議申し立てということは、私ども非常に理解に苦しんでおりますが、察するところ、使用料の一部、千分の一の増徴はある程度は、いやいやながらかもしれぬが、了承されたと思うのでありますが、しかしながら、使用料増徴による総額一億という問題については、若干食い違いがあったのじゃないかと思っております。私の方といたしましては、売り場面積を割り当てた、使用料増徴する、それで大体一億ということを目標として、場長においてしばしば業者の方々にお話ししている。お話ししているが、それが了解を得たか得ないのか若干疑義がありますが、私どもとしては、たびたび一億ということを申しているのでありますし、しかも、売り場面積の方は割当を受けているのだから、当然それで済んだものと思っておりましたが、ところが、使用料増徴して数ヵ月たってから異議申し立てがあって——増徴してすぐに異議申し立てじゃなくて、二、三ヵ月、あるいは三、四ヵ月たってから異議申し立てがあったという事実です。
  36. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや、私のお尋ねしているのは、一億が不満であるとか不満でないとか、そんなことはどうでもいい。そうでなくて、都知事として、規則としてこの増徴をきめる、増徴言わなくてもいい、千分の二・五を千分の三・五とするというその規則を改正した理由というのはどこにあるのか、一般都民納得し得る理由はどこにあるのか。ということは、一会社が損をしたから、あるいはそれで相当の損害を受けた者もあるから、だから三社で負担せい、そういうようなことで自由自在に考慮し得る範囲が規則の改正ということにあるのかないのかということをお尋ねしているわけなんです。そういう政治的な考慮でこういう規則が考えられているのかどうかということが私の尋ねたいところなんです。あなたは副知事といってもその方の専門家なんですから、一つ専門的にお聞かせ願いたい。
  37. 佐藤基

    参考人佐藤基君) 規則の改正につきましては、すでに市場長からも申しておると思いますが、使用料の最高限は千分の四でございます。四の範囲内において知事がその権限できめ得ると。それで規則を出すわけです。そこで、従来の千分の二・五に対して千分の一を増した理由でありますが、これは丸東がああいう始末になったということについて、その債務を都において引き受けるということは、これは適当でないので、そうい趣旨じゃない。しかしながら、丸東がああいうふうになったということは、一方におきましては、市場の信用と申しますか、秩序と申しますか、そういう点において改善すべき点がある。その一つ方法として、見舞金ということが考えられると、しかも、これは過去の例でありますが、魚市場においても類似の例があったので、それで増徴ということを考えたわけであります。なお、増徴につきましては、いわゆる不均一賦課的なものでありますので、普通の規則ならば何も業者の同意を得て、了承を得て規則を直す必要はないのでありますけれども、今回は特別な事態でもあるし、もちろん業者にマイナスなんかは与えるわけじゃない。売り場面積をふやすわけでありますから、経済的にはある程度恩典を与えておる。それやこれやを勘案いたしまして、関係者のある程度の了承を得て規則を改正したと、こういういきさつでございます。
  38. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこでお伺いしますことは、ただいまのいろいろなお話を聞いておりますと、了承ができがたいのであります。こう私どもは解釈しておるのでありますが、それを一つの業務規程の別項をかえて、そして使用料を一%引き上げた、こういう強力手段を講じられた。そのうしろには、今も副知事さんが言われた通り、そこには利益も伴っておるし云々ということは、これが重大だと思うんです。まず、丸東というものがなくなれば、年内二十四億ですね、これの売上代約二十億から二十四億と丸東は言っておる、これのものは大体三社のもとへ集まる。これが一つだと思うのです。第二は、この敷地の問題です。丸東が過去に持っておりました敷地の問題です。これは飯田さんが言われますならば、規則によってこれを権利化し、金に化することは東京都としてはできまいと、しかしながら、東京都の飯田さんとしては、これは丸東営業を継続しておいて、おれはやめるんだがどなたか買ってくれないかと、こういう場合が出た場合には、これを権利化して裏で取り扱う、取り扱ったものはこれは東京都でも大体において見過ごしておった、これが実情だと思うんです。そういう場合は、あらゆるこういう機構の面にそういうものがあると思うのです。規則にないことでも、ある場合には規程外のことを見過ごしている場合もある。現に東京の豊島の市場において十カ年間公正な公競売取引をやらないでおることを見過ごしておられることもある。そこで、私は知らぬとおっしゃっても、これは知らぬということはないと思うんです。市場成立の歴史の上において、どうも東京都としてはこれを整理することができなかったというようないろいろな事情があって、そういうものを見過ごされると同じように、現実において権利化されておるものもこれは認めておるが、だがしかし、それは東京都としては扱えないと、こういう建前はようわかります。だから、私は法律の建前上、東京都がこれを権利化することはできまいと、こう私は申し上げておるのです。それは私も了承するが、実質はうしろに置かれておる。道義的な取引がスムーズにいった場合は、これをお認めになるということは、これも私は承知しております。だから、それでも権利がある、こうわれわれは考えておる。そういう例はないのですか。私はあると思う。果して売り場をやったかやらぬか知らぬけれども、それに類似したものは東京都として知っておられる。なければ私が例をあげましょう。それもあとであなたのお答えによってその具体的な例をあげましょう。そういうことはちゃんと知っておられるのだから、この売り場というものは上手に取り扱ったならば一つ権利化される。聞きますならば一億円くらいになるのじゃないかという話も聞いておる。あの紛糾の当時、これを全部一社で引き受けさせてくれるならば、おれが一億円出してもいいという人間がいた、そういうことも聞いておる。実際にあったかどうかしらぬけれども、そういうこともわれわれ聞いておる。権利化されるものを、了解を得ないうちにそういう資産を……。いいかね、ここが大事ですよ。表は、なるほど、法律の建前から参りまするならば、あなたのおっしゃる通りです。権利化することはできないだろう。しかしながら、裏ではそういうものが生きている。それを御承知になっておって了解のないものを解決する、私はキーポイントというのはそれなんです。それを分けてしまって、そうしてこういう問題を起したとしたら重大な失態じゃないか。これは私はこれほど間違った重大な失態はないと思います。場合によったら、なれ合いをやっておってリベートでも取っておるのじゃないかと疑っても差しつかえないと思うのです。芝居を打っているのじゃないかと、こう考えても差しつかえないと思います。答弁を聞いておりましても、しどろもどろです。了解を得たと申して、了解を得ている部分もある……、何がなんだかわれわれには了承できませんが、これが現実において、実際問題として権利化されておる、こういうことはあなたの方で御承認できますか、できませんか。絶対できないと、こうおっしゃるなら、はっきり言って下さい、簡単でよろしいですから。
  39. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 売り場権利化することは、正式にはこれは認められません。しかしながら、それによって利益を得るということは事実でありますから、それですから、今回、その三社の方々から応分の財政的協力を得ようという理論的根拠もそこに出てくるわけであります。表向きそれを権利化するという形にするわけにはいかぬけれども、実際において、そこに利益も得られるのだから、その利益の一部を応分の協力という形で支出してもらいたいというのが、今回のそもそもの計画の筋でございます。
  40. 清澤俊英

    清澤俊英君 私の聞いておるのは、そういうあなたが御処分なさるような権利市場分けてやったのだ、解決すると称して分けてやったのだと、ところが、問題が起きたと、こうおっしゃっておる。これがどうもおかしいじゃないか。なぜに、問題が円満に解決するまでに、それだけの権能なり権利を実際に、表はできませんよ、裏では行われている。あなたが現に御承知なのは、丸一青果株式会社が三十三坪の売り場を買い、そうして拡大していく、千何百万円の資産としてこれをあなたに申告しており、許可も得ておられる、こういう事実があるのだ。これは資産表に載っております。だから、実際においては資産になるものを分けてしまって問題を起しておる。問題をますます紛糾させることを考えておられるようにとれる。これは副知事さん、どうなんです。なぜに、そういうものが今言われる通り、裏にはあるのだと言っておられるのは、分けてしまった。分けてしまったら何にもできないでしょう。けんかだけがあとに残って、品物はもらいました、表から権利があるのだから出して下さいと言っても問題にならぬ。道義が道義がと言うなら、そういうものを中心に道義的に解釈せにゃならぬ。だから、私はあなた方にも、局長にも言ったのです。一応はこの解決ができなかったら東京都が管理して、墨田にある例のごとく、一応清算人の管理でもなんでもいい、墨田で現にやっている通り、ああやって借金を返済することにすれば、丸東の場合、二分五厘というものが全部入るのだ、そういう処置でもとって、これが済んでから一つこの問題を解決したらよかろうということを何べんも私は言っておる。そういう手も打てない実情において、これをどう解決するかということは、これはあとで私はお伺いしますが、今、一体どういうわけでこういう重大な解決の基本点を、いろいろなことを言うておられるが、もう引き渡してしまい、市場拡大だ、整備だと言われればそれきりの話ですが、それよりも問題は、丸東が行いましたところの出荷人に対する債務弁償、それより急を要しますものは、労働者の賃金の支払い、退職金の支払い——現に職業についているから払わぬでいいじゃないんです。借金になっておるのだ、借金に。こういうものをなぜに払う方において万全の策を講じられないのか。何でそういうことをやられたのか。その点をいま一度、くどいようですが、お伺いして、私は次の点に移りたいと思います。
  41. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 御質問の要旨は、この売り場配分ということは、この問題の解決キーポイントでもあるにもかかわらず、まだ未解決の先にそれを配分してしまったということは、いかにも大きな失態じゃないか、こういうような御質問だと思いますが、これはかねてから、先ほども申し上げましたごとくに、われわれといたしましては、一億ということは、当初から言っておったことであり、それに対して何ら積極的な反対の意思表示もなかった。むしろ一刻も早く売り場をあけてくれという強い御要望でありまするので、売り場がそれぞれ納得のいく線において配分されるならば、すべてが了承される、われわれはこういう確信を持って進んだことであります。それがわれわれと、三社側との考え方にその後相違の出てきたということは、まことに私としても残念でありまするけれども、少くともわれわれといたしましては、まず売り場合理的に配分していけば、必ずや納得していただけるという強い確信のもとにしたわけであります。しかも、その売り場関係方々によって円満に配分が了したのでありますから、私はこの問題はそれによって解決するという考え方を持っておったわけであります。
  42. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ちょっと、今の問題とは少し離れますけれども、結局、そこへ戻っていきますが、先ほど佐藤さんのお話では、規則として千分の四まで取り得る幅はある。従って、今回千分の三・五としたことは、不合理な点はない。しかも、内面的な理由としては、やはり一会社一つの不始末を他の三社にこれを応分にまかなってもらうということである。しかも、その根拠となっておるものは、売り場拡張したので三社も利益を得るであろう、従って、そのうちから応分の金を出してもらうのは必ずしも不当ではない、こういう考え方で規則を変えたということですが、そういう内面的な理由で規則を変えられたということであるならば、一般の条例や規則改正とは違うのですから、あなたもおっしゃるように、三社の方々の同意があって、形式が規則になっただけのことであって、実もって言うならば、寄付金でもいいでしょうし、何でもいいが、金さえ一億なら一億という金が調達できればいいというところに動機があったと思うのです。そうであれば、三社との間に合意に達するということが、この形式上規則となったものが生かされる道なのであって、規則なんだから強制力があるのだということで、単に都議会に諮って、異例は認めがたい、従って、合法性がそこにあるのだということで強行していくという考え方はどこから出ているのか。一般の規則を作ったり、また、規則が実施されるという考え方で、この問題を考えていくということは、どうも内容としてはおかしいと思います。それで、やはりこういうふうに紛糾しましても、結局、三社の方々の同意が得られる、円満に解決がなされるという努力を、都側としてはしなければならぬように思われますが、単に、こういうけんか、果し合いみたいなお互いのやり方で、問題が処理されるというふうに都側ではお考えになっているわけですか。また、会社側に対しても、対等な立場で了解を得るような御努力をやっておられるのですか。この点をお伺いしておきます。
  43. 佐藤基

    参考人佐藤基君) ただいまの点でありますが、少くとも場長が向うと接触した過程を見ていますと、とにかく売り場面積を向うが取った。売り場面積を取っておいて、あと、条例、規則がけしからぬと言う、そういうことは私理解できないのです。とにかく、売り場面積を、いわゆる経済上の利益を得る、利益だけは受けるけれども、その反対給付、とは言えないかもしれないけれども、反対給付を出すのはいやだ、こういう勝手なことはちょっとおかしいと思う。だから、売り場面積の割当を受けたということは、すなわち、場長が言うように、こちらもいろいろな条件を示しているのですから、それに対して明示的な同意をしないにしても、黙示的な同意があったと考えるのが普通じゃないか、こう思っておるのであります。しかしながら、多少紛糾しておりますので、場長におきまして、関係会社と折衝を続けております。何とかして円満にいかなければ、見舞金と申しますか、形式的に申しますと、市場の信用保持ということが十分できませんので、会社側となお折衝は続けますけれども、私としては、とにかく会社としてはずいぶん勝手な話ではないかと思う。売り場面積の利益だけ受けておいて、不利益の方はいやだということは、やっぱり売り場面積を受けるということは、場長からの申し出を明示的でなくて黙示的に、暗黙に了承したものと私は考えているのです。そういう意味におきまして、多少問題もあるかしれぬが、折衝は続けております。
  44. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 非常に副知事さんは思い切ったことをおっしゃいましたが、会社が勝手だ、勝手きわまるということを言いましたが、私、その会社の意向を代弁するのでも何でもない。第三者の立場でお伺いすると、三社の方々は、金はびた一文出さないのだとは言ってないのです。それは最低限応分のお手伝いは申し上げましょうということにだけは、最低限なっているようです。あなたの方は、売り場面積を拡大してやったのだから、一億というまとまった金を何カ年間かで取り得るのだ、取る権利があるのだという考え方があるから、会社に対して、勝手だということをおっしゃるのでしょうが、それが一億の値打のあるものかないものかは、私はわからぬ。また、利益を得たからといって、利益のうちのどの程度をこの規則によって手数料として、使用料として取っていいものかということは、これは別の問題として客観的に検討されることであろうと思う。一億の値打があるのだから一億よこせというようなことが拒否されるからといって、勝手だというのは、副知事さんの言い過ぎじゃないですか。そこのところの折り合いを会社側としてもつけたい、会社のベースに乗って出せるものだけは応分に出したいということは言っておる。その出し方について、あまりけちくさいという批判はあるでしょう。その申し立てにいろいろな意見というものは出てくるでしょう。しかし、一億出さないから勝手だというような、そういう副知事さんの言い分は、この種の問題解決のために、使用料率を引き上げていったということの理由にはならぬと思う。そういう考え方なら、都自身の方があまりに勝手だと思う。千分の四という最上限がきまっておっても、そのときどきの経済情勢に応じて、いろいろこれは料率はきめられることでありましょうし、三社に対して一社の不始末を何とかさせるということで使用料率を引き上げるということは、結局は東京都民の消費生活に影響することなんですからね、私は、今の佐藤さんのお考え方というのは、こういう席上で堂々と言える理屈だとは考えないのですが、会社は勝手だ、勝手だからこの規則は規則通りやっていかなければならぬという考えにはならぬように思う。その辺のところをもう一度お伺いしたい。
  45. 佐藤基

    参考人佐藤基君) 私が申しました要点は、結局、もし私が会社側だったらどうするかということを逆に申し上げればおわかりだと思いますが、もし私が会社側であったら、千分の一の増徴と、それから一億ということを都から申し出ているのだ、だから、そういうことを了承しないのに、売り場面積の割当を受けるというのはおかしいので、その話はきめてから、初めて売り場面積の割当があってしかるべきだと思うのです。ところが、売り場面積の割当は受けて、それからあとから言われるのだから、僕はちょっと話がおかしいような気がしているのです。
  46. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その点もちょっとおかしいということにひっかけてお話なら、私たち聞いているものもおかしいと思う。先ほどの場長さんのお話では、売り場面積の再配分の問題は、かねての懸案であって、そうして再配分をしたのだ、内面的には売り場を渡すから一億程度の金は出せというような交渉があったかもしれません。あったかもしれませんが、もしもそうだとするならば、場長が言われるように、この売り場そのものが利権化することはいかぬということを言っていながら、利権化することを都並びに場長がそういうことを認めて取引をしてきた。三社と取引をしたということになってくるのじゃないのか。で、この問題は会社側の方が利口で、切り離して開きなおってきたからといって、それは利口でなかった都自体の方がこれはやられたといってもいいことなんだ。そういうことを今さら三社に対してつべこべ言ったからといって、そういうことは私は出るところに出たら問題にならぬことだと思う、内面的な道義的な問題はあろうけれども。その売り場の問題は、どうせ三社以外にない卸のあれなんですから、当然それは卸の方々配分してやるというだけのことなんです。それの関係に金を一億出せということであったなら、この丸東売り場三百三十坪は一億の相場なんだということになる。そんなことは認められないということを場長は言っている。だから、これは知恵がなかったということだけは言えると思う、都側としましては。けれども、それをけしからぬ、けしからぬということを百万べん言ったからといって、私は問題解決にはならないように思う。やはり三百三十坪は一億に相当する利権である、出さないのはけしからぬ、こういうお考えなのですか、お伺いします。
  47. 佐藤基

    参考人佐藤基君) さっき再配分の問題を言われましたが、再配分の問題と売り場面積を三社にふやしてやるということは、観念的に別問題であります。再配分ということは再配分であって、その再配分売り場面積の増加ということが同時に行われたもので、そこで、ちょっとお話のように聞えたのですが、私としては、再配分というものは売り場面積、丸東の問題を離れてもやるべき時期に達していた、それで、再配分をしたその際に、同時に、丸東の三百三十坪を割当てた、こういうふうに私は理解しております。だから、再配分は当然やることなんだから、三百三十坪を与えるのは当りまえだとは私は考えておりません。ことに、三百三十坪の跡始末の問題については、何も三社にやらなければならないことはちっともないので、新たなる会社をして丸東の跡をやらしてもいいし、他にいろいろな方法がある。それは、農林省の御方針として、卸売会社をふやすことは、市場の形態として思わしくないというので、なるべくなら丸東にかわるべき新たな会社を作るよりも、従来の会社の方にやらしたらいいじゃないか、そういうこととあわせて再配分をやる。非常に関係が複雑になっております。
  48. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それならそれでもいいんです。複雑に関連した、でもいいんです。けれども丸東分は新会社をふやさない、それが農林省の考え方でもあった、従って、当然三社にその売り場を開放したんだ、こういうことなんです。じゃ、その三百三十坪を開放するに当って、一億を出してもらいたいという交渉を都側でしたわけなんですね。それをけられたということでけしからぬということなんですね。もう一度はっきりお尋ねします。
  49. 佐藤基

    参考人佐藤基君) けしからぬといいますか、私としては、とにかく、再配分に応じたということは、都側の、ことに、市場長からくどく申し上げたことを暗黙のうちにおいても了承せられたというふうに思うのです。それだから、今さら文句を言われることはちょっと私おかしいなという気が実はしておる、こういうことでございます。
  50. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、三百三十坪は一億に見合う当然のそれは利権的なものだ、そういう形で場長は三社と交渉をしたということなんですね。
  51. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) この一億の問題と三百三十坪の問題とが非常に密接な関係のようにお話が出ておりまするが、私は、必ずしも売り場そのものだけの問題ではないと考えております。いわゆる丸東の一年間の営業実績二十四億というものが、そのまま三社の方に引き継ぎになってきておる。そういうようなところによってその三社の方々は、相当、われわれでいえば、反射的利益といいますか、そういう利益を得ておられるのだから、この際、この問題の起きた跡始末の解決一つ何分の御努力を願いたいというのが、今回のそもそもの出発点であります。そういう点からお話を申し上げております。
  52. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 非常にあなたたちは頭がいい。私の方が頭が悪いから何回も念ばらしに聞かなくちゃならぬ。必ずしも売り場の問題ではない。二十四億という売り上げを持った丸東がつぶれた部分が、そのまま三社に——三社しかないのだから三社の方にその事業が引き継がれる形になった、そのことは何をもって表現するかといったら、売り場で表現したって同じことだ。二十四億の事業なんということを言わないで、売り場があってこそ、二十四億でも二十六億でも仕事ができる、だから、売り場というものは権利になっているんです。それを売り場の方は売り場のことで取引したのでない、じゃ、丸東の方の二十四億の売り上げをやっているのだから、それがみな三社に行ったんだから、その分もうかるのだから、金を出してくれということなり、なおのこと三社に対して了解が得られて合意に達しない限りはその金なんというものはどこからも取りようがないでしょうが、かえって三社の協力を得なければならないでしょうが、売り場をやったのだ、それでも利益なんだ、恩典なんだというようなことは言わないというなり、なおのことその三社の方と話が十分にあって、その取引がついていなければいけないでしょう。そうではなくて、あなたの言っておることは、業界ではそれは、売り場面積の問題としてそれは相場がついて話ができることなんだと思う。あなた自身が利権化しておることなんでしょう。そうではないのですか。それはもう利権化しないものだと、あなたの言うようであれば、なおのこと規則で金を取るのではなくして、寄付なり何なりの応分の金をちょうだいしたいという懇請以外にないはずだ。一方的にどういう強制力がありますか。だから、ああだ、こうだと言わないではっきりしたほんとうのところを私たちに聞かしていただきたい。われわれはしろうとでさっぱりわからぬ、あなたのおっしゃることが。いいですか、もう一回言いますが、その再配分か何か知らないが、丸東の三百三十坪を渡すときに、この三百三十坪は一億程度出したっていいじゃないか、君たちはそれでも得なんだ、まあそういうことでやってくれということで話があったでしょう。
  53. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) もちろん丸東の実績の中には、営業を彼らがしておった、その売り場施設をも含めてのことは当然でございます。ただし、私は売り場そのものだけという考え方ではないということのために二十二億とかいう金の御説明を申し上げたわけでありまして、その点を御了承いただきたいと存じます。  それから、これは最初からの経過というものを御了解いただきますれば、その使用料にするようになっていった経緯、そういうものを御了解いただきますれば、この点も十分御理解をいただけるのではなかろうか、かように考えておりますが、最初はあくまでもわれわれは使用料ではなくして、いわゆる指定寄付でいきたい、こういうつもりで話を進めて参ったのでありますが、それにつきましては会社側の方でいろいろ隘路がある、困難性があるので、使用料一つやってもらいたいという特に強い御要望があり、そういうことから指定寄付という形が使用料の形に実は変っていった、こういう関係にございます。最初から使用料でいくという形にいたしたわけではございませんので、御了承を願いたいと思います。
  54. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 農林省の方に伺いますが、こういう手続で金を取ってそうして丸東問題を処理せよということは、農林省も指導して、東京都との間に合意があったわけですか。
  55. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) これは私が参る以前のことでございますが、当時の事情を聞いてみますと、今回の現在とっております東京都との手続その他につきましては、農林省も十分相談に乗って参ったように聞いております。
  56. 千田正

    ○千田正君 非常にこれはこんがらがった結果になったけれども、当初からの見通しが、飯田さんたちの考え方が非常に甘かったのじゃないですか。それだから、私は当初からそういうことを注意しておったのです。たとえば、丸東が破産したその当時の売上金が年間二十四億と、こうおっしゃるけれども、その二十四億の分を考えたなら、一億を五ヵ年の間で皆出したらいいじゃないか。それもその当時は考えられたでしょう。ここでも言明をされた。ところが、現実においては丸東であるからこそ二十四億というものが売り上げできたわけです。ところが、あとの三社は必ずしもそのあとを引き受けなかった。丸東と同じような荷さばきができたかどうか、これははなはだわれわれは疑問としたのですよ。果して現実において二十四億というものが年間通じて取扱いができるかどうか。そこまではとても丸東じゃなかったらば神田市場はやれない、築地の市場の方にやった方がいい、あるいは豊島にやった方がいい、あるいは墨田にやった方がいい、生産者自体がそこに丸東と同じような取引をしなくなっている。そこにも私は一つの誤差が生じてきている。同時にまた、自分の取り扱っている三社そのものがやはり限界というものを考えなければならないというところに、今度の問題が一つこんがらがってきて、当初予想したこととは相反した結果が出てきたのではないかと私は思いますが、その点はどうですか。
  57. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) もちろんわれわれが最初にこういう方針を立てましたのは、丸東神田市場から姿を消すことによって、今まで丸東が取り扱っておった営業実績が大体そのまま残りの会社に移るであろう、こういう予想、従ってかなり大きな利益が残りの会社にいくという、これを前提としてこういう協力の要請をしたのでございます。  それで、その後の実績でございますが、これにはいろいろと見方があろうかと思いまするが、丸東取り消しを受ける前一年間と、取り消しを受けた後の一年間との神田市場における売上高の実績は、対照いたしますとあまり変っていない。それから、全市場売上高、過去一年間の売上高と最近の一年間の売上高、時期を同じくしてのその実績はどうなっているか、こういうようなことを比較いたしますと、金額において全市場では前の一年間から見ますと一・一の伸びでございます。神田市場のしからば伸びはどうかというと、これは九九・六となっております。前を一〇〇といたしますと九九・六、ですから全市場の伸びより一%そこそこ低いということが言われると思います。それから今度は東印丸一丸Aさんのそれぞれの営業実績はどうかということを見ますと、丸東さんがなくなる前の一年間、なくなって後の一年間とを比較いたしますと、その前を一〇〇といたしますと東印さんの方は一一九・九、まあ一二〇近くになっております。それから丸一さんが一二六・一となっております。それから丸Aさんが一二〇・八ということになっておりまして、全市場の伸びがわずかに一・一にすぎないのに、この三社の方々の伸びは二〇%前後に伸びているというようなことから考えましても、丸東さんの営業実績の大部分がここに引き継がれてきているということが言えるのではなかろうかとわれわれは考えておるわけでございます。
  58. 千田正

    ○千田正君 ですから、当初私が言うたのは、丸東がやめたからというて、あとの三社がそれを全部丸東のおかげだということは言えない。それは丸東がやめたからといって、あとの三社の努力というものも考えなければならぬ。だから、限界に応じて寄付もしましょう、協力しましょうというのですから、たとえば五年でどうしても出せないというなら、七年かかっても一億なら一億というものをここに出し合って話し合いをつけられるはずである。それを、何もわれわれの委員会まで来て、われわれがあなた方を呼び出して、こういう問題を国会で審議しなければならないということは、あくまでこれは東京都の不手ぎわだとわれわれは考える。話し合いがつかないはずはないじゃないですか。片一方は限界以上はどうしても出さないというなら、その限界を越さない程度にして、五年を七年なら七年にして話し合いをきめようじゃないかといえば、そのようなことはできないはずはないと思う。どうですか、その点は、全然できませんか。
  59. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 今、問題は、すでに一億をまけるかまけないかという問題になってきておるようでありまするが、まあわれわれといたしましては、いろいろの観点からいたしまして、売上高千分の一の増徴の七年間は、あるいは会社側の方々の御意見とは相違するかもしれませんけれども、必ずしも会社側の経営を危うくするものでないという考え方を持っているわけでございます。従いまして、われわれといたしましても、一億をぜひこの際七年間にお出しをいただいて、そして、それぞれ市場信用保全上、それから流通の円滑化のために一つ協力してくれと、こういうことでお願いをいたしておるようなわけでございまして、必ずしも不当のことを——会社側の経営を無視してまでの金額ではないのじゃないかと、こういうようにわれわれは実は考えているのでございます。
  60. 清澤俊英

    清澤俊英君 今までの審議の過程におきましたいろいろの問題に対しては、われわれは、東京都が言われるように了解しておりませんが、しかしながら、私どもは、そういう問題をどうだこうだということは、少し先を急ぎますので、いずれの機会にかいま一度お伺いしたいと思いますが、なかなかこれを解決するということはむずかしいと思う。解釈にそごがある。そこでお伺いしますことは、第一、当初に戻りまして、本案件について、東京都は善意をもって、そして、この問題は、副知事が言われる通り解決できるものだと、こうこうこういうのだから解決ができるのだと信じておられるのだから、できるかできないかは別です、まず、いま一度確認したいことは、話し合いがつく確信を持っていられるかどうか、これが一つ。それから二つは、当初に私がお伺いしましたように、これが話し合いができないで訴訟が進行して、もし取り消しになるような場合があったらどうなんだ、こういう御質問をしましたところが、絶対、進行して参りましても本問題は解決せぬというようなことはありませんと、こうおっしゃった。その確信がおありかどうか。従って、その御答弁を、二つ、簡単でよろしいですから、解決の確信あり、訴訟になっても訴訟に負けること絶対になしと、こうお考えになったら、時間も過ぎておることですから、それ二つを簡単に都の副知事から……。
  61. 佐藤基

    参考人佐藤基君) 訴訟の点につきましては、これは裁判所のおやりになることだから、とやかく言えませんけれども、われわれとしては、われわれの主張が当然通るものと思っております。われわれの主張が通る、従って、訴訟の原告の主張を、申し立て相立たずと考えております。それから、業者の方とは、今までもずいぶん折衝しておるつもりでありますが、まだ御了解に達しておりませんので、われわれとしては、できるだけ努力をして、今まで進んだ、都庁のとった態度を了承していただきたいと思って、依然として努力を続けております。
  62. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうしますと、次の点は非常に重要であります。従って、都側には負けないという御確信があり、了解もだんだんつけていくというので、これはあまり確信がなかったようですが、とにかくそういう形において、本問題を、業務規程を変えた形において賦課金を徴収していく。それを基礎にして、さっき言われたような、何か改善協会なるものを作られる。そして、それを基礎にして、農林省の了解も得て、この解決を、改善協会ができれば、そうすれば農林省等も、これはもう御公約があったと思うのだ。融資をしよう、そういう体制ができれば融資もできよう、こういう御公約もあったと思うのだ。それを、率直に進めていかれるのかいかれないのか。問題はこれなんです。私どもは、過程においていろいろ不明瞭なものがありましたから、その不明瞭なものを一応お伺いする。われわれは裁判官でも何でもない、ものが解決していけばそれでいいんだから。従って、これは納税のようなものであるから拒否権はないのだ、こういうこともはっきりしておるのでありまするが、金は集まってくるのだから、そうしますと、この改善協会のようなものをいつまでに作っていくか。いつまでに債務者に対して責任を持ってこれをやっていかれるのか。これまでの進行はしておりましても、現在売掛人に、出荷人に対する責務でも東京都は何ら果しておられない。これは陳情書を見ましても、私のところに最近は債権者が殺到して、債務の整理に当っているわれわれとしてはまことに困る、公約違反ではないか、東京都は取り消しに対する公約違反ではないか。そうして無償で、あなたが言われるように、有償であるべきものを無償で没収せられたのだ。私どもにまかしておかれるならば、私ども取り消しを受けなかったならば、自分が今までの慣行によって金にかえていく、そうすれば二億円になるというのだから、問題は解決している。そうしますと、もうあなた方の見解などは一切要りません。そういうことは東京都でやっていただきたい。ほかの方はいろいろの考えがあるかもしれませんが、私の要求するのは、それまでの御確信で、そうして金が集まってくるのでありますから、いつまでに改善協会か改善会社だか、いわゆる債務履行の会社を作って、農林省と協力して、これをいつまでに払ってくれるかはっきりしてもらいたい。そうして第一番に払うのは何か——私は第一番には労働者の賃金を払ってもらわなければいかぬ。労働者は家も持ちません、よその所へ居そうろう雇いになっている。また、それを払うくらいの金は集まっていると思う。第二番はそれ。第三番目は、はっきりとこういう形でもっていつまでに第一回は支払ってやるか、いつまでに第二回を払ってやるということについて、出荷者に対して納得せしめていくか、腹案があったら一つはっきりさせていただきたい。私どもが今日、あなた方に出ていただいたのはそれが中心なんです。だから、これは大事ですから、あやふやな御答弁では全く迷惑しますから、これは副知事からも、その交渉の衝に当っている場長からも確信を持った御回答を願いたい。しかも、期限等はもうこれだけきているんだから、腹案あると思いますからお示しを願いたい。
  63. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 冒頭にもちょっと御報告申し上げましたごとくに、すでに今まで未納になっておりました使用料が三社とも全額入ってきたわけでございます。従いまして、たとい一方において係争関係が続いておりましても、これを入ってきた限度において支払いをしていくのが最も必要であるという方針のもとに、目下いわゆる神田市場の改善協会の設立につきまして関係者と話し合いをいたしております。この改善協会は財団にいたしまして、東京都の寄付行為で出捐金を出す予定で、すでにその予算も議決になっております。従って発起人になられる方々の話し合いが済めばすぐその手続にかかっていきたい、かように考えております。業界方々にもお話を申し上げまして、まあ大むねそういうものの設立には御了解をいただいておるのでありまして、今後事務手続について推進をしていきたい、そういうふうに考えております。それができますれば現在納入をされました額、今までに、九月までに納入された千分の一相当額は五百万円が少し欠けると思います。一年間で、千二百二十万円の大体予算でございますから、あるいは本年度は若干下回るかもしれませんが、それにしても一年間にしてみれば大体千百万そこそこにはなるかと、こういうふうに考えております。今まで入りましたのが五百万円足らずでございますが、この設立されるまでに入りましたものを加えまして、できるだけ早く東京都からその財団に補助金として交付いたしまして、そうして財団の方から支出をさせる、荷揚金の支出をさせるようにしていきたい、かように考えております。
  64. 清澤俊英

    清澤俊英君 それでは、今ちょっとお伺いしますと、この設立のメンバーの中に業者と、こういう言葉を使われたが、業者は現に争っておる業者の同意を得て設立するということになると、なかなかめんどうだが、何か聞きますと、業者はこれに関与しないのだ、債権者等を集めてやるのだ、こういうふうに聞いておりますが、業者もこれに参加せられるのですか。そうしますと、業者が参加して、これに不服を申しておられる業者がスムーズに参加して、スムーズに設立できるとお考えになるのかどうか、この点を一つ明確にしていただきたい。
  65. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 設立発起人のメンバーでございますが、これにはまず東京都が一枚必ず加わることになる、こういうふうに考えております。これはまあ出捐金をする関係もありまして、東京都はぜひこれに加えたい。それから、神田市場改善協会の事業目的は、あくまで神田青果市場の信用を保全し、流通の円滑化をはかり、また施設の整備をするという、公共的な目的のために作るのであります。従って、神田業界の代表の方々をそれぞれお入りいただく、かように目下折衝中でございます。そのほかに、できますれば生産者の方も一枚加わっていただいてもよろしいのではないか、こういうようなところまで今のところ進んでおりますから、神田業界の中で、まあ卸売人方々、これはわれわれとしては、ぜひともここに参加をしていただきまして、ともども神田市場信用保全、流通改善に御協力を願うようなふうにしていきたい、ということを深く願っておりますが、どうしても御都合によってお入りいただけないということになりますれば、お入りをいただける方々で、まず東京都によって作っていきたい、こういうふうに考えております。
  66. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうしますと、まず関矢さんにお伺いしますが、この改善協会ですか、これは改善協会が改善するのであるならば、今言われた範囲のものならば、御賛成であろうと思うのです。市場整備拡大、信用の保全というようなものから仕上げていくというようなことになりますが、これに対するあなた方のお考えと業者のお考えが、もしわかりましたら一つお漏らしを願いたい。そうしますと、今のような抽象的なことではなく、非常に急いでおられるとするならば、これはだめなのだから、それじゃ仲買並びに小売商組合等の関係者からも賛成を得て、どのくらいの賛成を得ているのだから、いつごろまでに成立するのだ。それから債務者の御了解を得るために、債務者の代表も入っていただくのだ、こういうようなプランが定められなければならないと思う。そこで私は今少し……、いつでも何か奥歯に物のはさまったものが残される、言われていることはごもっともでありますが、今度関矢さんからどういう御回答があるかわからんけれども、われわれの常識としても、業者という中の一番中心である卸売業者の方々が御参加ないものだと考える。参加するくらいならば、訴訟を取り下げて円満解決ができたはずだ、こう解釈しておりますが、そういうものをまたするのだというお話だから、なかなか私どもは困る。われわれは形はどうでもよろしいのです。あなた方のそのやり方がどうとか、こうとかと言うのは、これはもののはずみで伺うので、私は裁判官でも何でもないのですから、その点はあまりどうこう言いませんし、むしろ面白くないものは面白くないで腹に持つときもあるし、場合によっては口から外に出します。言論の自由を振り回すかもわかりませんが、問題はどう解決してくれるか、これだけですから、それに今のお話では、まだ不安が残っている。関矢さんから一つお伺いして、その次は市場長さん、次に副知事さんにそれに対してもっとちゃんとしゃべって下さい、それは何月までにやるのだという……。大体メンバーはきまっているのです、お願いします。
  67. 北村暢

    ○北村暢君 今の清澤委員質問に関連してお伺いしますが、神田市場改善協会というのは財団法人で、市場を改善して、流通機構とか、あるいは何か市場の建物とか売り場とか、そういうようないろいろなものの改善もやるような目的のようでございますが、それはそれなりにいいことだと思うのですが、しかし、今回これを設けるに至ったのは、都議会で議決されてできるであろうこの協会に対する寄付金によって主としてこれがまかなわれるものだと、こういうふうに思うのですが、そうすると、今想定しておる一億円というものが全部きまらないうちに、処理できないうちに、建物だとか何だとかという改善なんかにも、そういうものが、都議会から出る寄付によってこれが使われるのかどうなのか。まず、出荷者なり労働者の賃金というものを処理した後で、そのほかで市場の改善の他の仕事、今度の丸東問題に発生した以外の問題についてやられるのか、そこの点をはっきりさしていただきたい。そうすると、この名前からいっても、丸東問題の一億の問題が解決した後にも、この協会というものは続くように見受けられるのだが、そういう趣旨なのかどうなのか、この点をお伺いしたい。
  68. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 東京都がこの改善協会に出捐金としてすでに議決になっておりますのは百五十万円でございますが、これはあくまで財団の基金として出捐するのであります。これは取りくずしをしない基金としていたすのでございます。それから、使用料増徴として入って参りましたものを、いわゆる補助金として出す場合には、これはあくまで丸東関係方々に対する見舞金の支出として補助金を出すのでございます。従って、それが他の施設の整備とか、あるいは、その他のことに使用されるというようなことはさせないのでございます。丸東問題が解決後も、この改善協会を置くかという御質問でございます。これは財団法人の設立の趣旨からいいまして、引き続きずっと行われることになろうかと思います。
  69. 清澤俊英

    清澤俊英君 いつごろまでに目安をつけて、いつごろまでにあれをお作りになるかということを私はお伺いしておる。その点抜けています。
  70. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 改善協会をいつごろまでに作って、第一回の支払いをするかというお言葉でありますが、これは、われわれとしては一刻も早くいたしたいということで、目下発起人としてわれわれの予想しております方々と折衝をいたしておるのでありまするが、われわれとしては、もう一刻も早く作っていきたい、そういう考えでおりますが、この財団を設立する手続上の問題で、おそらくそういうことが本ぎまりになりましてから、少くとも農林大臣の許可等を得て設立するわけでありますが、には、一ヵ月そこそこの期間はかかるのではなかろうかと、かように考えております。
  71. 佐藤基

    参考人佐藤基君) 今、市場長が申します通り、財団を早く作って、御承知のようにもう暮れも来ますので、それまでに支払い開始ができるように骨折っておるわけであります。ただ、訴訟等いろいろ争いがあるから、その関係の人が入るか入らぬか、なるべく市場全体の問題でありまするからして、そういう方に入ってもらいたい。入るにしても、まだ若干設立するには日にちがかかるかと思いますが、われわれとしては、一日も早く、市場長の言う通り、早く設立して早く支払いしたい、こう思っております。
  72. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) 今の御質問に御回答申し上げますが、その前に一言言わせていただきたいのですけれども、先ほどからいろいろ伺っておりますが、副知事さんからもいろいろお話がありまして、場所を食い逃げしてはなはだけしからぬ、はなはだ道義的にも業者はけしからぬというお言葉でありますけれども、この点につきましては、これは決してそういうことはございませんし、先ほども申し上げますように、私どもも全力をあげましてこの御要請にこたえておるわけであります。しかも、自分たちの現在の経営採算上から考えまして、そのことをお答えしておるわけでございます。  第二点は、二十四億ふえたという点でございますけれども、二十四億ふえたということは、決してふえないとは申しません。二十四億の売り上げがあるということになれば、丸東がつぶれないで済んだということは自明の理であります。二十四億の売り上げがあるということは、決して会社の経営を楽にすることではないと思います。子供の算術のようなことではそれはできないと思います。  それから、今の経営改善協会に参加するかしないかという御質問でありまするが、これは、この問題が起りました当初からお話がございまして、今の場長さんのお言葉と違いますが、丸東問題が解決したらこの協会を解放するというお話がございましたけれども、その当初からわれわれはこの協会に参加する意思はございません。現在もなおこの協会には、私どもといたしましては参加の意思はございませんことをお答え申し上げます。この問題で、非常に副知事さんからお骨折りいただきましたけれども、最後に一言申し上げておきたいのは、やはり丸東のような売り場主管制度をとった変則的卸売人を認可いたしました都の行政上の欠陥が今日をあらしめたということを御銘記願いたいということを最後に申し上げたいと思います。
  73. 清澤俊英

    清澤俊英君 関矢さん、われわれというお言葉を使った。われわれという、そのわれわれは三社ですか。
  74. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) いえいえ、それは私の会社だけでございます。
  75. 清澤俊英

    清澤俊英君 東京都の方へお伺いしますがね。あとの二社は賛同を得られる御自信がありますか。それが一つと、それからもうこうやって意思のはっきりしたところはわかっております。それからあとの二社も、関矢さんとしては、するかしないかということはおそらく言われまいが、あなた方として、折衝の過程においてわかるだろうと思う。従って、一ヵ月ということははっきり言い得ると思う。一ヵ月ぐらいで作るのだということは言い得ると思う。その場合に、東京都も補助金を出すと同時に、かつて持たれた構想のようにして、一応の融資等を受けてもやられる御意向、そうして一応解決する、こう言っておられるわけだ、それを決行せられるかどうか。これはあなたの方にお伺いしたい。  それで、今度は農林省の方にお伺いしたい。こういうもので、こうこうやって、こうやっていった場合には融資等も考慮する、こういう今までのお話があった。不幸にして大臣から来てもらって言質をとらなかったということは、われわれの失態だった。これについては十分、農林省としては当局の言明ですから、その公約は実行していただけるかどうか。これは債権者並びに労働者として重大な問題でありますから、七カ年もかかって払うということだったら、これは大へんな問題だ、一つ聞かしていただきたい。次官も局長も深く事情も御承知ないと思うが、これは局長と次官と話し合ってはっきりとお話を願いたい。
  76. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) まず、最初の財団法人の設立発起人に神田業界の代表の方々に入っていただきたいという希望は先ほど申し上げたのでありますけれども、ただいま関矢さんから、自分の方の会社は入る意思がないというようなここで御説明があって、いささか悲観をいたしているので、あとの二社の方につきましては、実はまだこれは御意向を打診しておりません。早急に御相談をしてみたいと思っております。それで、先ほども申し上げましたように、これは非常に急ぐ問題でありまするので、われわれとしては神田業界の代表の方々が、漏れなくお入りいただくことが最も好ましいと思いますけれども、何らかの都合によってお入りいただけない方々は、また後ほどお入りいただくことがあっても、まずお入りいただける方々だけで早く作っていきたい、かように考えております。  それから、融資の問題であります。これは御指摘のように、最初計画といたしましては、支払い得るような態勢になったならば、当初に若干の融資を得て、まず、相当まとまった金を出していきたい、こういう考えでおりましたが、御案内のような係争関係がございますので、おそらくその融資は非常に困難ではなかろうか、こういうふうに考えております。従って、今のところではさしあたり納入されたものを限度にして払っていきたい、かように考えております。
  77. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 当初の計画に、この財団法人ができますと、ある程度の融資をいたしまして、支払いができるということは考えておったようでございますが、その後いろいろ、あるいは係争が出ましたり、情勢が変っております。当初の計画通り、融資をし得ることが可能であるかどうか、さらに検討を、要する次第と考えております。従いまして、その後の情勢の変化等も織り込みまして、当初の計画をさらに再検討いたしたいと思います。
  78. 清澤俊英

    清澤俊英君 私はこれで質問打ち切りますが、最後に申し上げておきたいことは、急ぐでしょう、あすするのだ、きょうするのだ、なるべく早い機会に——これはもういつもの言葉なんです。ところが、聞いてみますれば業務規程は変えましたが、折衝がどうだのこうだの、はっきりしたものにまでまだこれから話するのだ、一時も早くしたいが、関矢さんのように、はっきりわかったものにまでなるべく入れたいのだという希望だ。そうすると、考えていることと、ここでおっしゃっていることとは、別なものが始終でき上ってくる。でき上りましたことが今言うておる問題になるのだ、今申し上げました通りの、当初は融資のつもりであったが、その次に諸般の情勢の変化によって云々というような問題が出てきて、だんだんものを紛糾させる、こういう形になる。従って、もうこの段階におきましては、われわれは希望します。こうしろなんという命令権もなければ何もないから、われわれは労働者や、あるいは農民の立場で一日も早く言を左右にせられるようなものを残さぬで、そうしてだめのものはだめとして、それこそわれわれが言う言葉であって、一日も早くあなた方がこういうふうになったのだ、もう支払いをこうして開始をするのだ、さあここまで来たが、いろいろ事情もあるから農林委員会一つ力を入れて、農林省から金を借りるように力を貸せというようなものを一日も早く持ってきていただきたい、これはわれわれの念願です。何もわれわれはあなたのことを中傷しようというのでもなければ、究明してつるし上げようというのでもない、あまりにだらだらだらとして、言われることと、せられることが、ある場合によりましたら権利金なんというのは絶対ないのだと御説明になったり、今日はそういうものがあるのだというところに落ちついたり、全くわれわれはやみ街道へ追い込まれている、そうしてじんぜん日を過ごしておる、こんなばかげた話はないと思う。どうか一つ、きょうは一ヵ月ぐらいとおっしゃるのですが、もののけじめはついておりますから、一ヵ月ぐらいではっきりとみんなが安心するような一つことをしていただきたい。一ヵ月たちましたならば通常国会も始まりますから、その際は一つ経過だけを御報告願って、ああよかったと安心させていただくようひとえに懇願いたしまして私の質問を終ります。
  79. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 こういうふうに、まあ関係の方がおいでになる機会は間々ないと思うので、参考までに市場法その他の関係がありますから、関矢さんにちょっとお尋ねしておきたい。  関矢さんは先ほど来、一億という金は会社経営の実態からいうと、それは協力することは困難である。で、五千万円程度ならベースに合うのではないかというお話をしましたし、今のまた御意見では、土台、丸東問題そのものは監督管理者側の都においても責任があるということを言っておりますが、この両方の考えを合せると、われわれに犠牲をしいるというなら都自身も応分の責任の金も出して、そうしてこの始末をしたらいいのではないか、われわれ業者にだけ負担をさせてこの問題を糊塗するということは、筋の上からいうて容認できないということになるような論法のように私伺ったのですが、この点をもう一度真意のほどをお聞かせ願いたい。  それから事実関係ですが、一番最初に飯田さんは日記とかによる記憶であれば、三月の幾日かの日に、いやじゃいやじゃと言うておった東印さんの方の社長さんも使用料の増強で千分の一引き上げられるそのことによって問題を解決することに了承を与えられたという意味の御発言がありましたが、この点は会社側としてはどういうふうになっておるのか。先ほどから副知事さんの再三のお話で、たしかにあなたの方は相当なおしかりを受け、不興を買っておられるようでありますが、そのこすい考えで、そこのところまではいいからかげんな話をしてきて、開き直って今はまあ別な手続をとろうとしておるというふうに、誤解されるような状態のままであなたもお帰りになることは不本意でありましょうから、もう少し経緯を、たとえば売り場をあなたの方の過去の実績に即応して配分をして渡す、その関係から一億の協力ということが、話として、一つの交換条件となってそういう話が進められたのかどうか。また、そのことに社長が同意を与えたんだということが、あとで会社において取り消されたという次第なのか、もう少し事実関係を明らかにしていただきたいと思います。
  80. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) 最後の御質問からお答えいたしますが、最後の御質問に対しましては、文書をもって私の方で御回答申し上げておりますので、その文書会社としては一番確かな都に対する回答の資料になっております。その文書はさっきも場長からお話のありましたように、売上使用料丸東の債務を弁済するような決済を私どもに強制することは間違っておる、そういう根本理念には私どもは承服できないけれども業界の諸般のいろいろな事情もございますし、先ほど申し上げましたように、お得意先の生産者、小売商あるいは労働者の問題等もございますので、さようなことを考えますと、自分の事情だけを言っておられませんので、場所の問題と、それから今後におきますところの卸の整備の問題等もございますので、そういうことで、行政上でこれはお考えいただきますならば、売上使用料の根本理念には反対でございますけれども、私どもは一応の考慮をいたしますということを御回答申し上げておきます。その程度でございます。具体的には私どもの方の、当社の社長が出ておりまして、現在高血圧のためきょうも出席できないのでございますけれども、場長さんとの懇談では問題解決のために非常に深入りをいたしましたお話し合いはあったようにも存じます。しかしながら、それは今申し上げますように、文書で回答申し上げましたものは、会社の正式な御回答でございますので、さよう御了承願います。  それから、やはり都の方がこの問題に対して当然この解決に資金的な協力をすべきじゃないかということは、私ども当初から申しております。売上使用料というものは、大体私ども支払いしておる都に対する使用料は二本立てになっております。場所を賃貸する固定使用料と売上使用料との二本立てになっておりまして、すでに開設以来市場の法規で売上使用料を取るということに対しまして非常に問題があったのでありますが、この点につきまして、創立当時は大体二十五年賦で政府の低利資金を借り受けまして市場を建設いたしました関係で、二十五年後には売上使用料を撤廃して、業者に建物を全部無償で供与するというような、それはまあ文書ではかわしておりませんが、私どもの先輩連中から伺った話でそういう話もあるくらいで、売上使用料というものは非常に問題の多い使用料でございまして、この使用料知事の専決事項にはなっておりますけれども、これをもらっても債務の弁済のためにやはりこういうことを支払うということは、私どもは非常にこれは反対なわけでございます。さような点で、この点は私どもとしては、実は先ほど申し上げましたように、あくまでもこういうことでなく、当社は今五千万円という話をさっき申し上げましたけれども、決して自分たちの経営の採算のベースから割り出した数字ではございません。私どもはほんとうに現在の非常に苦しい経営の状態から、丸東さんもこの問題に対しまして道義的な補償をする、あるいは任意の自由意思によって資金的協力をするということになりますれば、当初私は業者のいろいろ幹部の方がごあっせんになった会合でも、大体三社で一千万円ということを当初のお話として出したわけです。それが順次いろいろな、都の方の一億という非常に頑迷な固執によりまして、失礼でございますけれども非常に頑迷な固執によりまして、私の方としてそういうような、採算を度外視して、その点まで歩み寄ったわけでございます。五千万という金は私ども会社の、行政訴訟文書の中でも申し上げておりますけれども、資本金六千万円というのでございまして、わずか六千万円の会社神田市場の大体実績の半数を占めております。私ども会社で支払うことになりますと、七年間で約五千万円程度のものを私どもの方で負担しなければならない。そうすると、資本金全額に大体該当するような金額を長年月の期間ではございますけれども丸東の負債のために私どもが負担しなければならないということは、これは株主に対しましても、また私どもの取引をいたしております生産者、その他小売商、また当社に働いている役職員、全体の勤労者に対しましても、これは資本金に該当するような金額を隣の会社の負債の弁償のために数ヵ月かかって支出をするということは、これは経営者といたしまして、とうてい私どもとしては、できないことでございます。そういうような見地から、当初申し上げました三社で一千万という額を私はお願いしたわけであります。  それが今申し上げましたように、なかなか都の方の了解を得られない関係で、漸次いろいろな考慮のもとに五千万円三年半というところまで、その間にあっせんに入られました小売商仲買等の幹部の方々の非常に熱心なごあっせんに基きまして、実は私どもはそこまでいかざるを得なくなったわけでございます。さような関係で、今申し上げました数字が生まれたわけでございまして、決して五千万というのは会社の採算ベースで、自分たちが、応分の適正な寄付金ではないのであります。私どもといたしますと、大体三社で一千万円が妥当と当初から考えておったわけであります。それが、一億という目標額を都の方でお出しになった関係で、いろいろな考慮からそこまで、いろいろ間に入られましたあっせん者の方々の御努力によって実は歩み寄ってきまったわけであります。ですから、さっきも申し上げましたように、非常に私どもといたしましては、この問題解決のためにはほんとうに自分たちの採算を度外視いたしまして、誠心誠意、この問題の解決に当っているという気持で現在おります。ですから、先ほども都の副知事さんから非常におしかりを受けましたけれども、私どもとしましては、聞いておりましても非常に穏やかでない気持でおるわけでございますけれども、まあ今その点につきましては、決して五千万円は自分たちの採算のべースから考えまして妥当な数字ではないのであります。  以上申し上げましたことで、今の点につきましてのお答えにしたいと思います。  それから、都の方の……。
  81. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 売り場をもらったことに関連して……。
  82. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) 売り場は、先ほどから申し上げますように、やはり非常に狭いわけでございます。その関係で、長い間売り場整備ということは、場長さんのお話もございましたように、非常に問題もございまして、丸東売り場を、その業務の停止取り消しを受けましてからやはり相当の長期間、全然使われずにあいていたわけであります。しかも、ほかの場所の使用は、狭くて非常に不衛生で、その点無理があった。さようなことで、ぜひ丸東場所を暫定的にも使わしてもらいたいということに対しまして、まん中の一番中心になる場所は使わしていただけませんでしたけれども、外側の所は、歳末期の非常に荷物の輻湊いたします時期には、これは許可をいただきまして使わしていただきました。しかし、その一番大事な中心部をなす所だけはいろいろなお考えがありまして、都の方の認可をいただけず使えなかったのでございますけれども、しかし、その後そういうような状態が、世間の世論で、業界の世論で、結局あの三百三十坪をだれにも使わせずに遊ばしておくということは、現在の市場の利用効率から見てもったいないじゃないか、こういう公平を欠くということはよくない——いろいろ議論がございまして、世論が非常に沸騰いたしました関係で、私どもも早く一つ仲買場所を広げる、場所の転換をいたしまして、卸売、小売、仲買人の公正な立場において場所配置を受けるということを急いで懸案の問題を解決していただきたいということをお願いいたしまして、先ほどお話のあったように、小売商の幹部の方に三名、あっせんに立っていただきまして、しごく円満なうちに公平な配分をいたしまして、さっきお話があったような配分率でこの場所配分をいたしたわけであります。ですから、必ずしも場所を、当初は丸東売り場を、さっき清澤さんからお話がありましたが、たとえば権利貸しで売っていただけるならば買ってもいい。これは商法上のいろいろな規則に抵触いたします関係で、私ども会社の資産勘定に計上できるなら買っても差しつかえないということで、当初の解決案として一時それを都の方にお願いしたこともあったくらいでございますから、そういうことで解決できれば、こういうような問題も起らないわけでございますが、以上のようなことでございまして、場所の問題も決して私どもは不当にそれをいただいて、あと知らぬ顔をしていたというようなことでは私はないと思っております。
  83. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ただいまの後段の点ですが、売り場を、丸東売り場を過去の実績によって配分してもらった。そのとき丸東の債務処理の金として一億程度の金が必要であって、それを何らかの形で出してもらうのだということが一つのやはり話し合いの条件になっておったのかどうか。先ほどから副知事さんの方がけしからぬということを言っておりますが、あなたの方はやっぱり食い逃げ的な、ちょっとこういうところで理由を言うのをはばかるようなことまで計画的にお考えになっておって、こんな事態になってきたのかどうか。私にはちっともわからないのですから、端的に結果を……。
  84. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) 一番最初に申し上げたように、売上使用料について会社から都の方に文書を出しておりますが、売上使用料は根本理念としては私ども反対であるが、今の場内の再整備の、場所の問題と、その他いろいろそういう問題がございますので、そういう問題とにらみ合せてそのことは考えてもいいということは文書で都に御回答しておりますから、それがはっきり……。やはり丸東の問題と、そういう意味では相当含蓄のあるお話を申し上げてあるわけです。
  85. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、売り場配分が思うようでなかったということも皆さんの不満な一つの理由になっておるのですか。
  86. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) それは、そういうことはありません。売り場配分というのは、今申しましたように、非常に公平な裁定によってやりまして、円満にきめておりますから、決してそれに対しての、不満はございません。
  87. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、売り場問題と、一億程度の金を出していただくのだということは、今社自身としては都側から話を正式に受けて、そうしてそれを断わり続けて、抽象的な都側に対する回答文書となって現われただけであって、何ら応諾の意思が中間的な過程においてはなかったのか、こういうことですか。
  88. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) もちろんそういうことでございまして、場所の問題と丸東処理の問題とは私どもは全然別に考えております。しかし、三百三十坪という場所配分に多少の恩典にあずかるならば、その点の考慮をするということは、先ほどの都に対して提出した文書に書いてありますから、その点はもうはっきりしております。
  89. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、先ほど副知事さんのおっしゃった恩典も与えた、しかるにけしからぬ、勝手だというような言い分でありましたが、そうすると、やはり三百三十坪がどう配分されたか知らぬですが、その配分された程度のものは一億程度のものとして考えられて至当なんだという気持は、都側からあなたの方も再三受けておったわけですか。
  90. 関矢尚一

    参考人関矢尚一君) それは全然都から受けておりません。
  91. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういう話を都側から全然ない中でけしからぬとおっしゃっているのですか。
  92. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) 私から……。先ほど申し上げましたごとくに、一億ということは、これはもう丸東倒産後、九月から一応協力してもらいたい、こういうことははっきりと言ってあるわけであります。そうしてその際には、もちろん丸東売り場皆さん方に配分するのだということで、ずっと話をし続けているわけでありまして、われわれとしては、使用料増徴が御了承が得られ、売り場配分が円満になされれば当然一億というものは御了承がいただけるものと、こういう確信を持っておったのであります。
  93. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、ほんとうに確信だけだったわけなんですね。会社側に対して、今ごろ因縁をつけてものを言ったって筋の通らないことなんですね。あなたの確信だけでしょう。
  94. 飯田逸次郎

    参考人飯田逸次郎君) もちろんただいま関矢さんからお話のありましたように、積極的に一億を応諾するという言葉はいただいていない。これは事実でございます。いただいておりませんが、そのことにつきましては、もう最初からの問題でありまして、それに対して、一億はとてもだめだ、そんな多額のものはだめだという積極的な反対意向というものはわれわれは聞いていないわけであります。従って、むしろ売り場を早く分けてくれということばかり。従って、われわれとしては売り場が円満に配分されれば、それによって一億は当然了承されたものというふうに考えておったわけであります。
  95. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、売り場問題と一億問題というものは、都側都側の思惑があり、会社側は会社側の考え方だけのことであって、会社都側との考えというものがきちんと合っておらなかった。ただ推測や、確信だけにとどまっておったことが今日のような破綻を来たすもとになったのだ、こういうことと思う。この点は異議がないだろうと思う。ですから、そういう点からいえば、都側として考え通りのことをやろうということであるならば、もっともっと格段の御努力が必要であろうと思うので、いずれにせよ先ほど清澤さんのお話のように、私たちとしては早く円満解決して、債権者のために債務が履行され、それから長らく困り技いている従業員の退職手当あるいは過去の賃金等が補償されるということをお願いするだけです。これはやはり十分都側としても御努力を願いたいと思います。  最後に、農林省の方に伺いますが、将来の、これは市場法の関係で、参考までにたった一言でいいですからお伺いしますが、市場における一会社の不始末が他の同業者によってまかなわれるというやり方が、公共性を持つ市場において、こういうことが先例となって——今の処理の仕方も、過去の先例がどっかであったのでやっておるのだと言っておりましたが、こういう先例が、国が願っておる市場の公共性なり、明朗性なり、そういうものからいっていいことである、今後においてもそういう問題は同業者の負担で始末をさせるのが筋なんだ、というふうなお考え方でおりますかどうか、一つ伺っておきたい。
  96. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) ただいまの御質問の点は、筋としてどうであるかという問題については、ちょっとその問題と別にいたしまして、とにかくこういうような事態が起った場合に、生産者の側、または従業員方々に、この事態によって迷惑をかけた場合にその措置を、もしも何らかの方法によって措置できるならば措置してあげたいというのは、これは行政機関として考えるのが普通のあり方じゃなかろうかと考えておるわけであります。
  97. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこで、その方法としてこういうやり方が今後において市場の明朗化あるいは公共性、そういうものを確保できるということなんですか。
  98. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) もちろんこれは法律上、それが強制できる問題でもございません。また、当然そうすべきであるというふうな性格の問題でもなかろうと思いますが、しかし、とにかく事態を円満に、また、できるだけ多数の人に迷惑をかけないとする建前から、そういうふうな考え方をすることもまたあり得ることではなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。
  99. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あり得ることは、現実にあるのですから、過去にもあったのですから、あり得るであろうということはよくわかる。あり得ているのですから、今もう。しかし、こういうことが正常な解決の方式なのかどうかということです。いろいろ市場問題で騒がれる問題が起っている、今後において法改正も考える、そういうような事態になっている市場において、こういうまかない方でケリをつけるというやり方が今後たびたびあっていいと、そういうお考えなのかどうかということです。正常なこれは姿なのかどうかということを聞いているのです。
  100. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) もちろん正常ではございません。従って、私どもはこの市場法の精神に基きまして卸売人の資産内容を堅実化し、その信用度を高めて生産者並びに消費者の利益を増進するという方向に進めなければいかぬのでございまして、従って、今後そういうような、つまり倒産に陥るというようなものが将来ないことを期待いたしているのであります。そういうふうな事態が起りました場合におきましても、これを事前に、たとえば、免許の取り消し等をする前に何と措置する方向で努力する、かように考えております。
  101. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 別の機会にこれはお尋ねしたいことですけれども、関連していることだから再三お尋ねしているわけですが、この問題については、都知事には直接の責任がありますが、農林大臣にも責任がないとはいえぬ。ある。その場合に、東京都から要請を受けたこの債務の処理方式、このことは緊密に農林省も連絡をとって、しかも同意を与えたということになっていると思う。農林省としては、この種の問題の始末にこの方式しか考えられなかったのか。あとは方式がなかったのか。あったら、幾つかの方式はあったが、このやり方が一番いいと考えたのかということをお示し願いたい。これは、さっきから東京都に対して私お尋ねしているけれども農林当局が緊密な連絡を受けて一緒になってこの処理方式を考えられたということは間違いがないようですから、だから、私はこの点をお伺いするわけです。こういう騒ぎになってきて、問題の確かな始末ができないというような状態になってきたら、こういうことを何とか処理させることに農林当局もお手伝いができるものか、できないものかということをお尋ねしたいものですから、その道行きとして今のようなことを聞いているのです。
  102. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) ただいま、先刻来問題になっております丸東の事後処理の件につきましては、これは当時農林省といたしましても都当局と十分相談いたしまして、この処理方針に農林省としてもいろいろ参画いたしたわけであります。従いまして、その方面からはもちろん、また卸売人に対する監督権の所在も農林大臣にありますような関係もありまして、もちろん農林省といたしましても十分この問題の処理につきましては責任を持っているわけであります。従いまして、先般来都当局ともいろいろ係争になっている状態にかんがみまして、この問題ができるだけすみやかに軌道に乗るように話し合いをいたしているのであります。具体的にその促進の方法等につきまして、農林省として何らか権限的なもの等を持っているかというようなことになりますと、これは現行法ではさようなことに相なっておりません。都当局とも十分協議をいたしまして事態の促進に努力して参るという以外に実際問題としてはないわけであります。
  103. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どういうふうに努力するのです。さっき清澤さんがあなたに質問して、この改善協会か何かの財団法人に対して融資の話はどうなったかという質問をしたら、こういう紛争が起ってきた限りにおいては考え方も変え、再検討も要する。従って、融資の問題というのは前々話した通りにはいきませんよ、という意味合いの御答弁だった。しかし、こういう紛争が起ってきた。片棒かついでいるのは農林省なんです。今の御答弁になったように、東京都とは緊密に連絡をとって、この処理方式というものでいくということは合意に達しておる。そうしてなお紛争が起ったから金は貸せなくなりました。まあ、応分な努力はします。権限的なものは何もありません。何のことですか。そんなことで済みますか。相談はするところは都合よく相談して、それが結果がうまくいかんということになれば、うまくいかんというのはこっちは権限的にはどうにもいかない、東京都の責任だ、業者自身もよくないところがあるだろうぐらいなことで、どうして農民やあるいは従業員の生活を保障するというような、そういう措置がとれますか。業者に——卸売人に対しては直接的な監督責任農林大臣にあるということは、あなたはお認めになっておる。そういう中で、こういう紛争が起っておる。それなら、強権的なものが今の法律においてないことは初めからわかっておるのですから、ない中でそういうことの始末でやっていくのだという御方針だったら、農林当局もいろいろな御努力をなさるべきでありましょう。ですから、具体的にどういう御努力をなすって、東京都と一緒になってこういう問題を解決して、それぞれの方々に御不満のないような解決方式をせられるのか、当然私はお尋ねしたいところなんです。はっきりお答えを願いたい。
  104. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) 東京都の方で本年の四月に使用料増徴の規則を改正いたしました以後におきまして、先ほどからお話しになっておりまするように、現実支払い当事者側では、これに対しまして十分に納得をしないというような態度に出られておるわけであります。従いまして、われわれといたしましては東京当局に対しまして、現実にこれは長期間にわたって醵出をせられる金の問題でございまするから、当事者との間にいろいろ話の十分つき合わん点があるようであれば話を続けまして、円満な形において御承認を得るように進んでいただくように東京当局に要請をいたしておるわけであります。
  105. 千田正

    ○千田正君 関連して。これは農林省はあまりにもこの点は雑駁であり、そうしてかつまた無定見である。この市場法の問題に対しては、ここに東京都の佐藤知事もおりますが、農林省の権限に属するかどうかという問題のときに、自治体の長からこれを取り上げて農林省の権限の中におさめた以上は、農林省としては当然その責任の一端を負わなければならぬ。農林当局自体が行政指導の面において欠陥が今度生じた一つの現われですよ、これは。それに対して農林省としてはどういうふうに結末をつけるのですか。今のような小笠原委員に対しての、質問に対しての抽象的な答えだけでは、とうていわれわれは承服できない。もう少しはっきりした、明快な責任があるところの答弁をしてもらいたい。
  106. 北村暢

    ○北村暢君 今のその問題については、ここの委員会でも論議したことがあるのです。それで、今、丸東さんからも実際この問題が、出荷者が債権を要求してどんどん来ている。支払われていない事実に対して来ておる。丸東があのとき、業務取り消しをされないでいたとするならば、仕切金も支払うことができるのだったのだ。それにかかわらず、東京都と農林省は業務の取り消しをしてしまった。許可の取り消しをしてしまった。そこにあるのだから、もう一度一つ丸東にこれをやらしてもらいたい、こういうことで訴願がなされている。これが却下されている。今、行政訴訟を起そうか、こういうところまで来ておるわけですね。そういう事態があるわけですよ。ですから、この方法にはいろいろ方法があった。だが、最善の策は、今、東京都と農林省と協議して決定したこの策が最善である。これで解決できる。私どものこの委員会で何回かこれをやったんだが、農林省も東京都もできるという自信がある、また、最善の策で努力するのだ、こういうことであったわけです。その結果が今言ったように、まだ確信を持っているとか何とか言っておりますけれども、まだあやふやで、行政訴訟なんかも起ってきている。こういうような事態の中で、やはりその業務を取り消した許可権というものが農林省にある限りにおいて、こういう事態が起って、その締めくくりがうまくいかなくなったという段階において、農林省は当然やはり中央卸売市場の公共性というものからいって、当然行政的な責任というものは負うべきである。従って今、方針としては、今までの方針によって何らか話し合いが、つくようにと、こういうふうに言っておられますけれども現実に一年たった今日、いまだに解決していない。だから、ここでやはり農林省は何らかの責任というものを明確にしなければならない。この点が一つと、それから今の中央卸売市場法の法の中では農林省は何とも方法がないのだと、法の不備ということがここに明らかに私は出てきていると思う。許可する権限というだけのものをもって、その跡始末をする処置というものについて法は何にも規定していないのだから、やる方法がないわけです。従ってやる方法がなければ、法改正をしても農林省としてはやらなければならない問題がやはり起ってくるのじゃないか。これは法の不備でできないというだけの話で、行政的な責任は私はやはりある。それで、前の国会のときにもこの改善協会等を設立して、法改正までやってやらなければならないというような点まであったわけでして、従って今の経済局長の答弁では、いかにも法律的には何も方法がないのだ、行政的な責任を問われてもどうにもならないのだ、こういう投げやり的なことでは私はやはり答弁にならないのではないか。大臣がやはり責任の一半を、千田委員の言ったように、地方自治体の持っていた権限というものを、中央卸売市場の重要性から農林省が許可権というものを取り上げたのだから、それだけのやはり責任というものは果さなければならない。これに対して何もできないでは責任が終らせない。この点は前の委員会でも言ったのですけれども、局長の今の答弁では、何か事務の引き継ぎ等においても私は欠けるところがあるのじゃないかと思うので、この点については政務次官も見えておることですから、一つもう少し責任のある答弁をしていただきたい、こういうふうに思います。
  107. 河野謙三

    ○河野謙三君 関連。今、北村さんが、経済局長の答弁は非常に投げやり的で、前提になる条件が狂ってきたので、融資しようと思ったのに融資ができなくなったと、こういう答弁をされて、私たちもそれを聞いていると、いかにも投げやりのように思うので、そうじゃなくて、前提が変ってきたから、その前提を整備するために、東京都の方ではいろいろ努力しておるというけれども、努力してもできなければできないように、この問題を解決するために農林省も東京都も同じ立場になって、そしてその解決策を一緒にやったらいいじゃないかと、こういうことだと思うのです。農林省もそうじゃないかと思うのだ。それを東京都なり、業者の方でいろいろ解決策をやってどういう案か、案を持ってくるのを待っているのだというように、先ほどからの答弁を聞いていると、そういうわれわれは印象を受ける。そこで、今のような問題が起ってくると思うのだが、そうでなくて、やっぱり東京都と同じ責任において、同じ立場において、その前提条件が狂ってきたら、その次は次善の策というものを一緒に積極的に考えるという話なら私はわかると思うが、そうじゃないのですか。
  108. 須賀賢二

    政府委員(須賀賢二君) これは、あるいは私の申し上げ方が非常に十分でないかと思うのですが、私が就任をいたしまして以後におきましても、東京当局と直接話し合いをいたしまして、ただいま河野委員から御指摘がありましたように、都、農林省共通の立場におきまして解決方を見出すべく東京都の方にも要請しておるわけであります。従いまして、今後業界となお話をしなければならない部分も起きてくると思います。それらの点につきましては東京当局と共同の立場で解決促進方に努力をして参りたいと思っております。
  109. 関根久藏

    委員長関根久藏君) 本件はこの程度にいたします。  参考人には……。
  110. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今、関連の質問で、私の方に戻ってきてもらわなければ困るのだ。だから、私は質問がありますよ。何も勝手にやめるなよ。
  111. 関根久藏

    委員長関根久藏君) それでは取り消しをいたします。
  112. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 さっきから関連で、いろいろな話がありましたがね。農林省自身としては、下の方から話が出てくるのを待っているということでなくて、一年間もこの問題が解決をしない。そして農林当局としては、市場の問題から、あるいは生産者の農民保護の問題からいっても、積極的に問題解決のための施策を示さなくちゃならない。それをすることなしに東京都並びに業者の扱いにだけまかせて、そして行政訴訟だ何だかんだということが起っても、その結果いかんを見て、また何とか手だてを講じましょう、こういうような態度がけしからぬということを私は言っているのです。きのうやおとといに始まったことじゃないのです、これは。  それから、今度の経済局長は、いや、おれはその当時は蚕糸局長であって、この問題には関係しなかった、渡部君にでも聞いてもらいたいというふうにへそを曲げているかもしれない。けれども、あなた蚕糸局長のときだって、答弁のやり方というものは大体きょうの答弁のようなことばかり言っておって、そのこともあまり問題を解決するためにはならなかった。だから、私は、やっぱり新しい局長なんだから気魄を持って何かお示しいただけるかと思って質問しておる。この結果を見て、このやり方はうまくないというお考えがありますか。この形でもいいのだ、行政訴訟その他のことなしに話し合いによって問題は解決するのだ、そういう見通しだ、そういうお考えですか、どっちです。
  113. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 私どももこの事態については当初から相当東京都との緊密な連絡もとっておりますし、また事態の経過につきましても絶えず注意をして何とかこういうふうな最悪の事態に突入しないような方法でいけるのではなかろうかということで心配もして参ってきているのでございますが、遺憾ながら今日この通り状態になっている次第でございます。しかしながら、この問題につきましては、いまだにこういうふうな混乱のままで続けていくということがいいというふうには私ども一つも考えておりません。何とか一日も早くこれを解決してそうして生産者の方、またはその他迷惑を受けている方々の何と申しますか、善処していくということが私ども当然の責任であるというふうに、かように考えておりますので、その点についてはなお今後も最善の努力をいたしていきたい、かように考えておる次第でございます。
  114. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それならばもう一つお尋ねしますが、業者は行政訴訟を起しておる。東京都は十分勝てるという確信を持っているということですが、勝てば使用料というものは規則ですから強制徴収ができる。それで、そういうことで問題が解決するということに一応なります、事実関係では。なりますが、そういう措置でやっていいと農林当局はこの種の問題でお考えになっていますか。解決の方策がなければ、行政訴訟が出てきたことを幸いに、勝ってそうして強権的に一億なら一億程度の金は取って始末をする、そのことでいいのだ、そういうふうにお考えになっていますか。
  115. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 私どもは、この問題はつまり権限に基いて論議するよりも、どこまでもこの丸東倒産に伴いまして生じたところのいろいろな被害を受けた方々の救済を何とか、そういうふうな形でなしに、お互いにその気持は持っておられるのでありますから、そういうふうな形でいければいきたい、かように考えておるのであります。決してこれが好ましい形だというふうには、東京都もまた決してお考えになっておらぬと私どもは考えておるのであります。
  116. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それならば、やはり農林省も東京都も、丸東という業者のふしだらな責任も当然追及さるべきですが、監督の立場にあり、また許可権を持っている立場にある農林大臣も、東京都知事も十分な責任があるのだという認識のもとにこの問題を解決するために努力するということで、取り扱われるというように了解してよござんすか。あなたたちにも責任があるのだ。こういうことが起ってきた責任の一半は農林大臣にもある。東京都知事にもある。むろん業者それ自身の経営上の不始末ということもありますが、そういう行政責任のある中でこの問題を責任を持って解決しなければならぬのだ。そうして農民も守ってやらなければならぬのだ。そのためには強権的な措置は望ましくない。そういう形で東京都と一緒になってこの問題の解決に努力するというふうにわれわれ了解してよろしゅうござんすか。そうしてまた政務次官お話しのように、努力するということでもありましたから、今後において近々その経過を御報告いただけますか。この二点だけ伺っておきます。
  117. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) ただいまお話しのような、その方向に向って私どもは努力をいたしていきたいと存じますが、しかし、ただいまお聞き及びの通り非常に混乱した問題でございますので、最善の努力をして一日も早くこの問題を解決したいということを申し上げまして御了承をいただきたいと存じます。
  118. 関根久藏

    委員長関根久藏君) 本件は、この程度にいたします。  参考人方々には長時間ありがとうございました。  本日は、これをもって散会といたします。    午後五時四十一分散会